JP2664166B2 - 感熱転写記録媒体およびその製造法 - Google Patents

感熱転写記録媒体およびその製造法

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JP2664166B2 JP62257887A JP25788787A JP2664166B2 JP 2664166 B2 JP2664166 B2 JP 2664166B2 JP 62257887 A JP62257887 A JP 62257887A JP 25788787 A JP25788787 A JP 25788787A JP 2664166 B2 JP2664166 B2 JP 2664166B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な感熱転写記録媒体およびその製造方法
に関する。さらに、詳しくは、本発明は、表面平滑度の
高い被写媒体に対しても高い品質の印字を形成すること
ができる感熱転写記録媒体およびこの感熱転写記録媒体
を製造する方法に関する。 [従来技術およびその問題点] 感熱転写記録方法は、支持体と、この支持体上に形成
された熱溶融性物質中に着色剤を分散させた熱軟化性層
を有する感熱転写記録媒体(感熱転写用インクリボン)
を用い、この熱軟化性層を被写媒体(一般には紙)に重
ねた状態で感熱転写記録媒体の支持体側からサーマルヘ
ッドにより加熱し、加熱部分に対応した熱軟化性層を溶
融状態にして被転写媒体上にこれらを転写する方法であ
る。 しかしながら、感熱転写記録媒体を用いた方法には、
表面平滑度の低い被転写媒体(所謂ラフペーパー)に対
して充分な品質の印字を行ないにくいとの問題があっ
た。 この問題は、最も広範に使用されている被転写媒体で
ある紙を使用する場合に特に障害となる。すなわち、平
滑度の高い紙はむしろ特殊であり、通常の紙は繊維の絡
み合いにより、表面にかなりの凹凸を有している。この
ような表面平滑度の低い被転写媒体に熱転写を行なう
と、印字濃度が低かったり、印字の一部が欠けたりして
印字品質が劣化する。 この改善策として、支持体と熱軟化性層との間に剥離
層を介在させて、熱軟化性層を支持体上から容易に離脱
させる方法が採られている(たとえば、特開昭59−2243
92号、同60−97888号、同60−187593号、同60−183192
号および同60−115488号等の公報参照)。 しかしながら、このような感熱転写記録媒体は、支持
体上に熱軟化性層の形成成分を溶融状態にして塗布す
る、所謂ホットメルト塗布法あるいは、形成成分を有機
溶剤に分散もしくは溶融した溶液を塗布する、所謂有機
溶媒法などを利用して製造されているのが一般的であ
る。このため、熱軟化性層が塗布の際に剥離層の一部と
混合して両者の界面が不明確な連続層になり易い。その
結果、それぞれの層の特性が充分に発揮されなくなるた
めに表面平滑性の低い被転写媒体に対する印字品質が低
下する。さらに、有機溶剤塗布法を利用した場合には、
有機溶剤が残留することがあり、この残留有機溶媒によ
って熱軟化性層の表面に「ベタツキ」が発生し、このよ
うな場合にも表面平滑性の低い被転写媒体に対する印字
品質が低下する。 本発明者は、上記の問題を解決する方法として支持体
上に剥離層を介して熱軟化性層を特定の水系エマルジョ
ンを用いて塗設する感熱転写記録媒体の製造方法につい
て発明し、既に出願している(特願昭62−37368号)。 しかしながら、本発明者がこの発明の感熱転写記録媒
体についてさらに詳細に検討した結果、さらに改善の余
地があることが判明した。 [発明の目的] 本発明は、被転写媒体の表面平滑性あるいは転写条件
などに拘りなく、高い品質の印字を形成することができ
る感熱転写記録媒体を提供することを目的とする。 さらに本発明は、上記の特性を有する感熱転写記録媒
体を容易に製造することができる方法を提供することを
目的とする。 [前記の目的を達成するための手段] 前記目的を達成するための本発明の第一の構成は、実
質的に水の不存在下で混合した熱溶融性物質と熱可塑性
樹脂との混合物の水系エマルジョンと粘着付与剤の水系
エマルジョンおよび/またはポリオキシエチレン系化合
物の水系エマルジョンあるいは水溶液とを含む水系懸濁
液の塗設により形成された少なくとも一層の熱軟化性層
を支持体上に有することを特徴とする感熱転写記録媒体
である。 本発明の第二の構成は、実質的に水の不存在下で混合
した熱溶融性物質と熱可塑性樹脂との混合物の水系エマ
ルジョンと粘着付与剤の水系エマルジョンおよび/また
はポリオキシエチレン系化合物の水系エマルジョンある
いは水溶液を含む水系懸濁液とを形成して得られた水系
塗工液を、支持体上に塗布することを特徴とする感熱転
写記録媒体である。 本発明の感熱転写記録媒体は、支持体とこの支持体上
に積層された熱軟化性層とからなる。 −支持体− 本発明の感熱転写記録媒体に用いる支持体は、耐熱強
度を有し、寸法安定性および表面平滑性の高いものであ
ることが望ましい。 支持体を形成する素材としては、例えば、普通紙、コ
ンデンサー紙、ラミネート紙およびコート紙等の紙類、
ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチ
レン、ポリプロピレンおよびポリイミド等の樹脂フィル
ム類、紙と樹脂フィルムとの複合体ならびにアルミ箔等
の金属シートを挙げることができる。特に本発明におい
ては、表面平滑度が高く熱軟化性層の剥離性の良い樹脂
フィルム類、紙と樹脂フィルムとの複合体および金属シ
ートの使用が好ましく、さらに、これらの内でポリエチ
レンテレフタレートのような良好な熱伝導性と耐熱性と
を有している樹脂フィルムの使用が特に好ましい。 支持体の厚さは、良好な熱伝導性を得る上で、通常の
場合、60μm以下である。本発明においては、特に1.5
〜15μmの範囲内にあるものが好ましい。また、熱軟化
性層との接着性を調整するため、支持体の表面に、コロ
ナ放電処理、グロー放電処理、その他の電気衝撃処理、
火炎処理、紫外線照射処理、酸化処理およびケン化処理
などの表面処理等を施してもよいし、さらに下引加工を
してもよい。 また、支持体は、一方の面にバッキング層を有するも
のであってもよい。 −熱軟化性層− 本発明の感熱転写記録媒体は、上記の支持体上に色
材、熱可塑性樹脂および熱溶融性物質を含む熱軟化性層
を有する。そして、この熱軟化性層は、水系塗工法によ
り塗設される。 本発明において、この水系塗工法で用いる水系懸濁液
は、熱溶融性物質および熱可塑性樹脂を予め水の不存在
下で混合して得られた混合物を水に分散した水系エマル
ジョンを含むものである。 本発明で用いる熱溶融性物質の具体的な例としては、
カルナバワックス、木ロウ、オウリキュリーロウおよび
エスパルロウ等の植物ロウ、 蜜ロウ、昆虫ロウ、セラックロウおよび鯨ロウ等の動
物ロウ、 パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックス、エステルワックスおよび酸
ワックス等の石油ロウ、 モンタンロウ、オゾケライトおよびセレシン等の鉱物
ロウ等のワックス類、 パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸およびベ
ヘン酸等の高級脂肪酸、 パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコール、マルガニルアルコール、ミリシルアル
コールおよびエイコサノール等の高級アルコール、 パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、ステア
リン酸セチルおよびステアリン酸ミリシル等の高級脂肪
酸エステル、 アセトアミド、プロピオン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、ステアリン酸アミドおよびアミドワックス等のア
ミド類、ならびに、 ステアリルアミン、ベへニルアミンおよびパルミチル
アミン等の高級アミン類を挙げることができ、これらは
単独で用いてもよいし併用してもよい。 本発明で用いる熱可塑性樹脂の具体的な例としては、
エチレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂
およびアイオノマー樹脂などの樹脂類、 ジエン系コポリマー、天然ゴム、スチレンブタジエン
ゴム、イソプレンゴムおよびクロロプレンゴムなどのエ
ラストマー類、 フェノール樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香
族系炭化水素樹脂等の軟化点50〜150℃の高分子化合物
を挙げることができる。 熱可塑性樹脂を用いる場合、上記のものの内でも特に
アクリル系樹脂、ジエン系コポリマーおよびエチレン系
共重合体の使用が好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重
合体およびエチレン−アルリル酸エステル共重合体など
のエチレン系共重合体および/またはアクリル系樹脂を
用いることにより、特に印字品質が向上する。 以下好ましい熱可塑性樹脂について説明する。 アクリル系樹脂としては、たとえば、(メタ)アクリ
ル酸等の一塩基性カルボン酸あるいはそのエステルと、
これらの共重合し得る少なくとも一種の化合物とを重合
させることにより得られるアクリル系樹脂を挙げること
ができる。 この際に使用するカルボン酸あるいはそのエステルの
例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、
(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)ア
クリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸アミルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸
オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘ
キシルエステル、(メタ)アくリル酸デシルエステル、
(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロエチルエステルおよび(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチルエステルを挙げることができる。また、
上記の共重合し得る化合物の例としては、酢酸ビニル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、無水フ
マル酸、スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、アクリロニトリル、ビニルトルエン、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジンおよびN−ビニル
ピロリドンが挙げられ、これらの一種あるいは二種以上
より組み合わせて用いることができる。 ジエン系コポリマーとしては、たとえば、ブタジエン
−スチレン共重合物、ブタジエン−スチレン−ビニルピ
リジン共重合物、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
物、クロロプレン−スチレン共重合物およびクロロプレ
ン−アクロニトリル共重合物を挙げることができる。 エチレン系共重合体としては、たとえば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
エチレン−塩化ビニル共重合体およびエチレン−アクリ
ル酸金属塩共重合体を挙げることができる。 熱溶融性物質と熱可塑性樹脂との混合は、熱溶融性物
質と熱可塑性樹脂との重量比を50:50〜90:10(さらに好
ましくは55:45〜85:15)の範囲内に設定して行なうこと
が好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂と熱溶融性物質と
を同量、もしくは熱溶融性物質の配合量を多くすること
により、塗設された熱軟化性層の表面に熱可塑性樹脂の
粘稠性が発現しにくくなり、保存中のブロッキングを有
効に防止することができると共に、熱軟化性層の支持体
からの剥離性が良好になる。 また、実質的に水の不存在下に混合される熱溶融性物
質と熱可塑性樹脂は、熱軟化性層を形成する量の一部で
あればよく、通常は熱軟化性層を形成する熱溶融性物質
および熱可塑性樹脂の内の60重量%以上(好ましくは80
重量%以上)を水の不存在下で混合する。60重量%以上
を実質的に水の不存在下に混合することにより、支持体
からの熱軟化性層の剥離性が向上し、印字品質がさらに
向上する。 熱溶融性物質および熱可塑性樹脂は、常温で強制撹拌
して混合することもできるが、 本発明においては、熱溶融性物質の融点以上に加熱し
て、熱溶融性物質を溶融状態もしくは半溶融状態にして
混合することが好ましい。この場合、加熱温度は、用い
る熱軟化性物質に合せて、通常は、50〜200℃の範囲内
に設定される。このように加熱することにより、熱可塑
性樹脂も軟化状態になり、熱溶融性物質と熱可塑性樹脂
とを非常に均一に混合することができる。 なお、本発明において、実質的に水の不存在下とは、
積極的に水を加えずに熱溶融性物質と熱可塑性樹脂とを
混合することを意味するものであり、たとえば原料とし
て用いる熱溶融性物質および熱可塑性樹脂に本質的に含
まれる水分の存在をも排除するものではない。さらに、
混合の際に、少量の有機溶媒を添加することもでき、本
発明において、この場合における有機溶媒および水分を
も排除するものではない。 このようにして混合された混合物に水を加えて水系エ
マルジョンを調製する。水系エマルジョンの調製は、通
常の分散装置等を用いて行なうことができる。また、分
散を加熱下に行なうことにより、水系エマルジョンを形
成する粒子の平均粒子径が小さくなり、全体として均一
な熱軟化性層を形成することができる。この場合の加熱
温度は、50〜140℃の範囲内で、用いた熱溶融性物質お
よび熱可塑性樹脂に合せて適宜に設定することができ
る。 分散の際に加える水の量は、通常の範囲内の量であれ
ばよく、通常は、得られる水系エマルジョン中における
有効成分の含有率が5〜50重量%の範囲内になるように
水を加える。 次いで、得られた水系エマルジョンの成分調整して熱
軟化性層塗設用の水系懸濁液を調製する。 成分調整は、色材の全量、熱溶融性物質および熱可塑
性樹脂の残部などを水系エマルジョンあるいは水系分散
物などとして添加することにより行なわれる。 色材は、通常感熱転写記録媒体に使用されているもの
を用いることができ、このような色材の例としては、無
機顔料、有機顔料および有機染料を挙げることができ
る。 無機顔料の例としては、二酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウムお
よび酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウムおよびカルシウ
ムのクロム酸塩を挙げることができる。有機顔料の例と
しては、アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、
アントアンスロン系およびトリフェンジオキサジン系の
顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料、金属(例
えば、銅)フタシロアニンおよびその誘導体ならびにキ
ナクリドン顔料がある。 有機染料の例としては、酸性染料、直接染料、分散染
料、油溶性染料および含金属油溶性染料を挙げることが
できる。 色材は、熱軟化性層における色剤の含有率が、通常
は、5〜30重量%の範囲内になるように添加される。 また、熱軟化性層における熱溶融性物質の含有率は、
この層の総重量の30重量%以上(好ましくは40重量%以
上)であり、熱可塑性樹脂の含有率は、通常は、この層
の総重量に対して40重量%以下(好ましくは30重量%以
下)である。成分調製の際には、形成される熱軟化性層
中における熱溶融性物質および熱可塑性樹脂が上記の範
囲内になるように熱溶融性物質あるいは熱可塑性樹脂を
添加する。熱軟化性層における熱溶融性物質の含有量が
40重量%より少ないと印字品質が低下することがある。
また、熱可塑性樹脂の含有率が40重量%を超えると感熱
転写の際の支持体からの熱軟化性層の剥離性が低下する
ことがある。 さらに本発明においては、粘着付与剤および/または
ポリオキシエチレン系化合物を配合する。 粘着付与剤は、成分調製の際に水系エマルジョンとし
て添加される。 本発明で用いることができる粘着付与剤は、水酸基、
カルボキシル基などの極性基を有する炭化水素化合物で
あって、単独で用いることにより、もしくは他の成分と
組み合わせて使用することにより粘着力が表現する物質
である。 このような粘着付与剤の例としては、ロジン粘着付与
剤、水添加ロジン系粘着付与剤、ロジンマレイン酸系粘
着付与剤、重合ロジン系粘着付与剤およびロジンフェノ
ール系粘着付与剤などの未変性もしくは変性ロジン系粘
着付与剤、テルペン系粘着付与剤ならびに炭素数5〜9
の石油樹脂系粘着付与剤を挙げることができる。 粘着付与剤を用いる場合、熱軟化性層における粘着付
与剤の含有率は、、熱軟化性層の形成成分の全重量に対
して30重量%以下にするのが好ましい。30重量%を超え
ると熱軟化性層表面に粘稠性が発現することがある。 粘着付与剤の添加により熱軟化性層の被転写媒体に対
する接着性が向上し、印字品質がさらに向上する。 ポリオキシエチレン系化合物は、通常、水系分散物あ
るいは水系溶液として成分調整の際に添加される。 熱軟化性層におけるポリオキシエチレン系化合物は、
転写の際に過冷却物質として使用して支持体に対する熱
軟化性層の剥離性を向上させると共に、被転写媒体の深
部に溶融状態の熱軟化性層を浸透・搬送するとの作用を
有する。特に粘着付与剤を用いる場合には、粘直付与剤
による熱軟化性層の接着性を制御するとの作用をも有す
る。 本発明で用いることができるポリオキシエチレン系化
合物は、分子内に次の式で示されるポリオキシエチレン
鎖を有する化合物である。 −(−CH2CH2O−)− ただし、上記の式中、nは2以上の整数を表わす。 このポリオキシエチレン鎖を有する化合物としては、
融点が120℃の以下ものが好ましく、さらに、融点が40
〜100℃の範囲内にあるものが特に好ましい。 本発明で用いることができるポリオキシエチレン系化
合物としては、ポリエチレングリコールおよびポリエチ
レングリコール誘導体を挙げることができ、本発明にお
いては、ポリオキシエチレン系化合物として両者を用い
ることができるが、両者を比較すると、ポリエチレング
リコール誘導体を使用した場合に、表面平滑度の低い被
転写媒体に対する印字性能がより一層向上する傾向があ
る。 本発明で用いるポリエチエングリコール誘導体は、通
常は、ポリエチレングリコールの一もしくは二つのアル
コール性−OH基と、種々の有機化合物とを通常の方法に
準じて反応させることにより製造することができる。こ
の場合、得られるポリエチレングリコール誘導体は、用
いる有機化合物の種類によって、エーテル結合、エステ
ル結合をはじめとして、イオウ原子あるいは窒素原子と
の結合、ウレタン結合、その他の結合を含むことにな
る。本発明において、ポリエチレングリコール誘導体と
しては、エーテル結合を含むものおよびエステル結合を
含むものが好ましい。 ポリオキシエチレン系化合物としては、分子内におけ
るポリオキシエチレン鎖部分の分子量が200〜20000の範
囲内にあるものが好ましい。 次に、本発明で用いるポリオキシエチレン系化合物の
具体例を挙げる。 (1)ポリエチレングリコール −(−CH2CH2O−)− で表わされる繰り返し単位部分の平均分子量が100〜2
0000の範囲内(具体的には、20000、12000、9000、100
0、400および100)にあるポリエチレングリコールおよ
びジエチレングリコールが挙げられる。 (2)ポリエチレングリコールのモノあるいはジエステ
ル誘導体 特に脂肪酸によって誘導される場合には、この脂肪酸
は炭素数10〜50のものが好ましく、特に好ましい脂肪酸
は、炭素数10〜19の範囲内にあるものである。 この脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ウンデカ
ン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペン
タデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベ
ヘン酸およびトリコサン酸、リグノセリン酸などのモノ
あるいはジエステル誘導体が挙げられる。これらの中で
も好ましいのはノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコ
サン酸、ベヘン酸、トリコサン酸およびリグノセリン酸
のモノあるいはジエステル誘導体である。 前記ポリエチレングリコールのモノあるいはジエチル
エステル誘導体としては、直鎖モノエン酸、ジ、トリあ
るいはテトラエン酸、合成脂肪酸、三級脂肪酸、分岐脂
肪酸、ダイマー酸、二塩基酸、多塩基酸、オキシカルボ
ン酸類、脂肪酸塩化物、脂肪酸無水物、ポリカルボン
酸、その他カルボキシル基を分子内に単数あるいは複数
含有する化合物が挙げられる。また、ジエステル誘導体
については、そのジエステル部分は同じであっても、異
なっていてもよい。 さらに具体的には、 ポリエチレングリコールモノベヘネート(PEG 4000) ポリエチレングリコールジステアレート(PEG 6000) ポリエチレングリコールマナパルミテート(PEG 600) ポリエチレングリコールジベヘネート(PEG 14000) ポリエチレングリコールラウリネート(PEG 100) などが挙げられる。 なお、上記化合物の下部のカッコ内に記載した数値
は、−(CH2CH2O)−部分(PEG部分)の平均分子量を
示す(以下、同じ。)。 (3)ポリオキシエチレンエーテルのモノアルキル、ア
リールアルキルエーテルのエーテル誘導体(ポリエチレ
ングリコールの一つの−OH基がエーテル誘導された化合
物) 上記エーテル類は炭素数が6以上であることが好まし
く、特に好ましいのは炭素数18〜50のアルキル、アルキ
ルアリールのポリオキシエチレンエーテルである。 これらは、アルキル基が直鎖状であっても分岐状であ
ってもよいし、これらのハロゲン原子の置換体であって
もよい。 さらにまた、不飽和炭化水素、合成アルコール、オキ
シカルボン酸、含窒素含イオウ化合物のポリオキシエチ
レンエーテルを用いることもできる。 具体的には、 ポリエチレングリコール・モノ−P−ノニルフェニルエ
ーテル(PEG 900) ポリエチレングリコールモノベヘニルエーテル(PEG 60
00) ポリエチレングリコールモノセチルエーテル(PEG 20
0) ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(PEG 40
00) などが挙げられる。 (4)前記(3)のモノエーテル誘導体のエーテルある
いはエステル誘導体 すなわち、前記(3)のポリオキシエチレンエーテル
のモノアルキル、アリールアルキルアリールエーテル誘
導体の残りの−OH基をエーテル誘導、あるいはエステル
誘導したものである。 この場合のエステル誘導は前記(2)の場合に準じ、
エーテル誘導は前記(3)の場合に準ずる。 具体的には、 ポリエチレングリコール・モノ・P・ノニルフェニルエ
ーテルのモノベヘネート(PEG 800) ポリエチレングリコールモノステアリルエーテルのモノ
ステアレート(PEG 9000) ポリエチレングリコールジベヘニルエーテル(PEG 600
0) ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルモノベヘ
ニルエーテル(PEG 4000) などが挙げられる。 (5)多価アルコールのポリオキシエチレンエーテル誘
導体 すなわち、分子内にアルコール性−OH基を二以上有す
る化合物、たとえば、グリセリン、ポリグリセリン、プ
ロピレングリコール、ペンタエリストリール、ソルビタ
ン(1,5−ソルビタン、1,4−あるいは3,6−ソルビタ
ン、イソソルバイド)、マンニトールその他分子量800
以下のポリビニルアルコール(ポバール)であり、さら
にこれらの分子内アルコール性−OH基のいずれか一つ、
あるいは二以上を前記(2)および/または前記(3)
に準じてエステル誘導および/またはエーテル誘導した
化合物のポリオキシエチレン系化合物である。 このポリオキシエチレンエーテル誘導体は、分子内に
ポリオキシエチレン鎖を単数あるいは複数有するもので
あり、ポリオキシエチレン鎖の一方の末端が前記(2)
および/または前記(3)に準じてエステル誘導および
/またはエーテル誘導されたものが好ましい。 また、多価アルコール同士が二組以上結合された構造
を有するものであってもよいし、あるいは、ポリオキシ
エチレン鎖によって架橋された構造を有するものであっ
てもよい。 具体的には、 グリセリンのポリオキシエチレンモノステアレート グリセリンのジ(ポリオキシエチレンモノステアレー
ト) ソルビタンモノベヘネートのポリオキシエチレンモノベ
ヘニルエーテル ブチルアルコールのポリオキシエチレンオレエート ポリプロピレングリコールとポリオキシエチレングリコ
ールのブロック共重合体 ポリグリセリンのポリステアレートのポリオキシエチレ
ンエーテル ペンタエリスリトールジステアリルエーテルのポリオキ
シエチレンエーテルベヘネート ソルビタンエステルのポリオキシエチエンエーテル ペンタエリスリトールのポリオキシエチレンエーテル ポリグリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル ブチルアルコールエステルのポリキシエチレンエーテル
のエステル マンニトールエステルのポリオキシエチレンエーテル などが挙げられる。 (6)イオウ原子あるいは窒素原子を含有する分子のポ
リオキシエチレン系化合物 具体例としては、アルキルチオポリオキシエチレンエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドおよびポリオ
キシエチレンアルキルアミンが挙げられる。 (7)ポリマーあるいは、コポリマーのポリオキシエチ
レン誘導体 具体例としては、アルキルアリールホルムアルデヒド
縮合ポリオキシエチレンエーテル、共重合物のポリオキ
シエチレンエーテルエステルおよびα−オレフィン無水
マレイン酸共重合体のポリオキシエチレンエーテル誘導
体が挙げられる。 (8)ポリエステル、ポリウレタンなどの合成ポリマー
とポリオキシエチレンブロックポリマー (9)アニオン性を帯びた化合物 具体例としては、ポリオキシエチレンアルキル(アリ
ル)エーテルのカルボン酸塩、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステルの硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(ア
リル)エーテルの硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
(アリル)エーテルのリン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキル(アリル)アミドリン酸塩およびポリオキシエチ
レン脂肪酸エステルのカルボン酸塩などのポリオキシエ
チレン含有のアニオン活性剤が挙げられる。 (10)カチオン性を帯びた化合物 具体例としては、アルキル(アリル)ポリオキシエチ
レンエーテルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンヒド
ロキシアンモニウム塩などのポリオキシエチレン含有の
カチオン活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。 前記(2)〜(10)のポリエチレングリコール誘導体
の中では、好ましいのは前記(2)のポリエチレングリ
コールのモノあるいはジエステル誘導体および前記
(3)のポリオキシエチレンエーテルのモノアルキルお
よびアリールアルキルエーテルのエーテル誘導体であ
る。これらの中でもポリオキシエチレンモノベヘニルエ
ーテルおよびポリオキシエチレンジステアリルエステル
が特に好ましい。 熱軟化性層におけるポリオキシエチレン系化合物の含
有率は、通常は、20重量%以下である。これ以上用いて
もこの熱軟化性層における過冷却状態に特に向上は見ら
れなず、さらに転写さた印字(転写体)に粘稠性が発現
することがある。特に本発明においては、ポリオキシエ
チレン系化合物の含有率を1〜15重量%範囲内にするこ
とにより、熱軟化性層の支持体からの剥離性が非常に良
好になる。 本発明で用いる水系懸濁液には、界面活性剤を配合す
ることもできる。界面活性剤としては通常のものの他、
フッ素系界面活性剤を使用することができる。界面活性
剤は、上記の混合物を調製する際に配合しても、得られ
た水系懸濁液に配合してもよい。この界面活性剤によっ
て熱軟化性層のブロッキング現象が有効に防止できる共
に、支持体に対する水系懸濁液の親和性が向上し、塗布
の際の所謂「はじき」を有効に防止するとの作用を有す
る。なお、フッ素系界面活性剤を用いる場合、フッ素系
界面活性剤の含有率は、熱軟化性層の全固形分に対して
通常は、0.05〜3重量%(好ましくは0.1〜2重量%)
の範囲内にある。 本発明で用いる水系懸濁液は、さらに、ポリアクリル
酸ナトリウムのような増粘剤(例、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、水溶性ポリウレタン、水溶性アクリル、水溶性ポリ
エステルおよび水溶性ポリアミドのような水溶性ポリマ
ー)、熱軟化性物質の表面のすべり性を向上させる物質
(例、コロイダルシリカ)を含有していてもよい。 こうして調製した水系懸濁液を支持体上に少なくとも
一層塗設する。塗設方法には特に限定はなく、たとえば
ワイヤバーなどを用いた方法等公知の方法を採用するこ
とができる。 水系懸濁液の塗布厚さは、熱軟化性層の乾燥厚が、通
常は、0.6〜5.0μmの範囲内になるように設定される。
特に乾燥厚が1.0〜4.0μmの範囲内になるように塗布す
ることが好ましい。 なお、熱軟化性層が二層以上ある場合には、最外層の
熱軟化性層を前記水系懸濁液を用いた塗工により設ける
ことが好ましく、本発明においては、特に全熱軟化性層
を前記水系懸濁液を用いて塗工することが好ましい。 水系懸濁液を塗布した後、通常は、加熱乾燥により水
を除去する。なお、加熱乾燥は、熱軟化性層を構成する
熱溶融性物質の軟化点以下の温度に加熱して行なうのが
好ましい。このように低温で乾燥を行なうことにより、
熱軟化性層が水系懸濁液を構成していた粒子を構成単位
とする熱軟化性層を形成することができ、転写体(印
字)のエッヂ部分が非常にシャープになる。さらに、支
持体との接着性も過度に高くならないので、転写の際の
熱軟化性層の剥離性が良い。 このようにして得られる感熱転写記録媒体の形状につ
いては特に限定が無く、タイプライターリボン状あるい
はラインプリンター等に用いられるテープ状などの形態
で使用できる。また、カラー記録のために何種類かの色
調の着色剤を配合してなる熱軟化性層をストライプ状あ
るいはブロック状に塗り分けた感熱転写記録媒体とする
こともできる。 −使用方法− 本発明の感熱転写記録媒体を用いる感熱転写方法は、
通常の感熱転写記録方法と異なるものではないが、最も
典型的なヘッドを使用する場合を例にして説明する。 感熱転写記録媒体の熱軟化性層と被転写媒体(たとえ
ば転写紙)とを密着させ、必要に応じてさらに転写紙の
背面からプラテンによって加圧しながら、熱ヘッドによ
って熱パルスを与えて、所望の印字あるいは転写パター
ンに対応させて熱軟化性層を局部的に加熱する。熱軟化
性層の被加熱部は、速やかに軟化もしくは溶融状態にな
り被転写媒体表面に移行して被転写媒体の深部に浸透し
て固化し転写体(印字)を形成する。 [実施例] 以下に示す本発明の実施例および比較例において
「部」との表現は「重量部」を表わす。 (実施例1) パラフィンワックス(融点:70℃)とエチレン−酢酸
ビニル共重合体を3:1の重量被で混合した。この混合
は、100℃に加熱してパラフィンワックスを溶融状態に
して行なった。次いで、得られた混合物に水を加えて加
熱分散し、水系エマルジョン(A)を調製した。なお、
得られた水系エマルジョン(A)中におけるパラフィン
ワックスとエチレン−酢酸ビニル共重合体との合計の含
有率が40重量%になるように加える水の量を調整した。 厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に下記の水系懸濁液(I)をワイヤーバーを用いて乾
燥膜厚が2.0μmになるように支持体上に水性塗布し、
次いで、110℃で加熱乾燥を行なって熱軟化性層を形成
し本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(I) (固形分換算重量(以下同様)) 水系エマルジョン(A) ……80部 ロジン水系エマルジョン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (比較例1) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(I−C)を用いた以外
は同様にして感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(I−C) パラフィンワックス水系エマルジョン ……60部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水系エマルジョン ……20部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (比較例2) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(II−C)を用いた以外
は同様にして感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(II−C) カルボナワックス水系エマルジョン ……40部 エチレン−アクリル酸エステル共重合体水系エマルジョ
ン ……20部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (比較例3) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(III−C)を用いた以
外は同様にして感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(III−C) パラフィンワックス水系エマルジョン ……60部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水系エマルジョン ……20部 ロジン水系エマルジョン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (実施例2) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(IV)を用いた以外は同
様にして本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 なお、水系懸濁液(IV)の調製の際に用いた水系エマ
ルジョン(B)は、カルナバワックスとエチレン−アク
リル酸エステル共重合体とを重量比で2:1で加熱混合
(加熱温度:100℃)して得られた混合物を有効成分含有
率が、40重量%になるように水を加え加熱分解して得
た。 水系懸濁液(IV) 水系エマルジョン(B) ……60部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 ロジン水系エマルジョン ……20部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (比較例4) 実施例2において、水系懸濁液(IV)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(IV−C)を用いた以外
は同様にして本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(IV−C) カルナバワックス水系エマルジョン ……40部 エチレン−アクリル酸エステル共重合体水系エマルジョ
ン ……20部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 ロジン水系エマルジョン ……20部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (実施例3) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(V)を用いた以外は同
様にして本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(V) 水系エマルジョン(A) ……80部 ポリオキシエチレン(60)ステアレート水系エマルジョ
ン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 なお、上記ポリオキシエチレン誘導体のカッコ内の数
字は、エチレンオキサイド繰り返し単位の繰り返し数で
ある(以下同様)。 (比較例5) 実施例3において、水系懸濁液(V)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(V−C)を用いた以外
は同様にして感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(V−C) パラフィンワックス水系エマルジョン ……60部 エチレン−酢酸ブニル共重合体水系エマルジョン ……20部 ポリオキシエチレン(60)ステアレート水系エマルジョ
ン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (実施例4) 実施例1において、水系懸濁液(I)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(VI)を用いた以外は同
様にして本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(VI) 水系エマルジョン(B) ……60部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 ポリオキシエチレン(5)モノベヘニルエーテル水系エ
マルジョン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (比較例5) 実施例4において、水系懸濁液(VI)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(IV−C)を用いた以外
は同様にして感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(VI−C) パラフィンワックス水系エマルジョン ……40部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水系エマルジョン ……20部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 ポリオキシエチレン(5)モノベヘニルエーテル水系エ
マルジョン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 (実施例5) 実施例4において、水系懸濁液(VI)の代わりに、以
下に記載する組成の水系懸濁液(VII)を用いた以外は
同様にして本発明の感熱転写記録媒体を製造した。 水系懸濁液(VII) 水系エマルジョン(B) ……60部 アクリル樹脂水系エマルジョン ……20部 ポリオキシエチレン(5)モノベヘニルエーテル水系エ
マルジョン ……10部 テルペン樹脂水系エマルジョン ……10部 カーボンブラック水性分散物 ……20部 評 価 得られた感熱転写記録媒体をサーマルプリンター(24
ドット シリアルヘッド、プラテン圧180g/ヘッド)を
用いて、印字速度60cpsでコピー用紙(ベック平滑度20
秒)に記録し(印字)し、地汚れの発生状況および印字
品質について評価した。 第1表における各評価事項についての記号は以下の意
味を表わす。 地汚れ ◎……上記印字条件で地汚れの発生なし。 ○……上記印字条件で地汚れが僅かに発生することがあ
るが、ベタ印字部分にボイドの発生は見られない。 ×……同様の条件で地汚れの発生が見られる。 印字品質 ◎……印字「A」のエッジシャープネスが良好であり、
ベタ印字部分にボイドの発生も見られない。 ○……ベタ印字部分にボイドの発生は見られないが、印
字「A」のエッジシャープネスが良好でない部分が僅か
にある。 △……ベタ印字部分にボイドの発生は見られないが、印
字「A」のエッジシャープネスが不良である。 ×……印字「A」のエッジシャープネスが不良であり、
ベタ印字部分にボイドの発生が見られる。 [発明の効果] 本発明の感熱転写記録媒体は、熱溶融性物質と熱可塑
性樹脂とを予め水が存在しない条件で混合し、この混合
物を用いて調製した水系エマルジョンを含む水系懸濁液
を用いて熱軟化性層を形成することにより、熱軟化性層
が全体としては均一でありながら、微視的には、熱溶融
性物質と熱可塑性樹脂からなる構成単位(例えば、雲母
状、板状、楕円状などの形態にて存在するもとと推定さ
れる。)と他の成分とがそれぞれ独立に存在している。 そして、転写の際には、それぞれの構成単位の境界部
分が破断線的に作用して、転写体(印字)のエッヂが非
常にシャープになる。さらに、支持体に対しても熱軟化
性層の各構成単位が独立に接着(支持体に対して各構成
単位が点接着的に接着しているものと推定される。)し
ており、剥離層を有しなくとも、転写の際に良好な剥離
性を示す。さらに、剥離層を有しないので転写後、支持
体上に残存する剥離層に色材が混入するということがな
く、転写直後に残存する剥離層と被転写媒体との接触に
よる地汚れの発生を有効に防止することができる。 本発明の感熱転写記録媒体の良好な印字品質は、粘着
付与剤を併用することによりさらに向上する。すなわ
ち、粘着付与剤を併用することにより、溶融状態にある
熱軟化性層成分の被転写媒体に対する接着性が向上し、
熱軟化性層の定着性が向上する。 さらに、ポリオキシエチレン系化合物、特にポリオキ
シエチレン誘導体を用いることにより、ポリオキシエチ
レン誘導体が過冷却物質として作用して熱軟化性層を比
較的長時間溶融状態に保つことができると共に、溶融状
態にある熱軟化性層の成分を被転写媒体の表面から深部
に浸透させることができるので、得られる被転写体(印
字)の定着性が向上し、高い品質の印字を形成すること
ができるようになる。 このように本発明の感熱転写記録媒体は優れた特性を
有しているにも拘らず、支持体と熱軟化性層という簡単
な層構成であるので、非常に容易に製造することができ
る。 また、実質的に有機溶媒を使用せずに熱軟化性層を形
成することができるので、熱軟化性層の表面におけるい
「ベタツキ」や、地汚れなどが発生することがなく、さ
らに良好なブロッキング性能を示す。また、有機溶剤に
より作業環境が汚染されることがない。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−212388(JP,A) 特開 昭61−137793(JP,A) 特開 昭62−21586(JP,A) 特開 昭63−81088(JP,A) 特開 昭61−68290(JP,A) 特開 昭63−82781(JP,A) 特開 昭62−231789(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.支持体上に少なくとも一層の熱軟化性層を有する感
    熱転写記録媒体において、前記熱軟化性層が、実質的に
    水の不存在下で混合した熱溶融性物質と熱可塑性樹脂と
    の混合物の水系エマルジョンと粘着付与剤の水系エマル
    ジョンおよび/またはポリオキシエチレン系化合物の水
    系エマルジョンあるいは水溶液とを含む水系懸濁液の塗
    設により形成されてなることを特徴とする感熱転写記録
    媒体。 2.熱溶融物質および熱可塑性樹脂の60重量%以上が実
    質的に水の不存在下で混合されたものである特許請求の
    範囲第1項に記載の感熱転写記録媒体。 3.実質的に水の不存在下に混合された熱溶融性物質と
    熱可塑性樹脂との混合物の水系エマルジョン中における
    重量比が50:50〜90:10の範囲内にある特許請求の範囲第
    1項もしくは第2項に記載の感熱転写記録媒体。 4.ポリオキシエチレン系化合物がポリエチレングリコ
    ール誘導体である特許請求の範囲第1項に記載の感熱転
    写記録媒体。 5.実質的に水の不存在下で混合した熱溶融性物質と熱
    可塑性樹脂との混合物の水系エマルジョンと粘着付与剤
    の水系エマルジョンおよび/またはポリオキシエチレン
    系化合物の水系エマルジョンあるいは水溶液を含む水系
    懸濁液とを形成して得られた水系塗工液を、支持体上に
    塗布することを特徴とする感熱転写記録媒体の製造法。 6.熱溶融性物質および熱可塑性樹脂の60重量%以上を
    実質的に水の不存在下で加熱混合する特許請求の範囲第
    5項に記載の感熱転写記録媒体の製造法。 7.熱溶融性物質と熱可塑性樹脂とを、50:50〜90:10の
    範囲内の重量比で加熱混合する特許請求の範囲第5項に
    記載の感熱転写記録媒体の製造法。
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