JP2664127B2 - 空ハンガー連続供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗濯物自動化ラインへの
利用に好適な空ハンガー連続供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在の洗濯物業界においては、経費削減
などを図るため、洗濯物を一ケ所に集めるとともに、洗
濯済の洗濯物を各営業所に配送可能な段階まで自動的に
分配していく自動化ラインが確立されてきている。すな
わち、一ケ所に集められて洗濯された洗濯物、例えば、
Ｙシャツやブラウスなどの洗濯物は、洗濯物ラインを移
動している空ハンガーに自動的に掛けられ、包装装置に
よりハンガーとともに自動包装された後、洗濯物分配装
置を通過して所定の営業所行きとして分配されていく。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た洗濯物の自動化ラインにおいても、空ハンガーをライ
ンに供給していく作業は、空ハンガーを掴んでラインの
所定位置に供給していく動作を確実に行わなければなら
ないので、以前として作業員の手作業に頼っているのが
現状であった。したがって、自動化の促進、経費削減を
さらに向上させるため、洗濯物の自動化ラインに自動的
に空ハンガーを供給していく装置の開発が望まれてい
る。本発明は、洗濯物の自動化ラインに組み込まれるこ
とにより自動化の促進、経費削減を図ることが可能な空
ハンガー連続供給装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の空ハンガー連続
供給装置は、複数枚の空ハンガーを重ねた状態で収容す
るストック部と、このストック部全体の昇降動作を行う
昇降装置と、ストック部の上方において伸縮ロッドの先
端に配設された吸盤の吸引動作により最上部の空ハンガ
ーのみを吸着保持して他の装置の係止部まで近接移動さ
せるとともに、吸盤の吸引動作の停止により空ハンガー
の吸着保持を解除するアーム部と、昇降装置の昇降制御
及びアーム部の作動制御を行う制御装置と、ストック部
の側方に配設され、最上部の空ハンガーの高さ検知信号
を前記制御装置に送る高さセンサーとを具備してなるこ
とを特徴とする装置である。

【０００５】

【作用】本発明の空ハンガー連続供給装置によれば、ス
トック部に重ねて収容されている複数枚の空ハンガーの
うち、その最上段の空ハンガーの高さ位置は高さセンサ
ーに常に高さ検知されている。そして、最上段の空ハン
ガーの高さが低い場合には、制御装置の昇降制御により
ストック部全体が間欠的に上昇して最上段の空ハンガー
は所定高さにセットされる。一方、所定高さにセットさ
れた最上段の空ハンガーの保持面をアーム部の伸縮ロッ
ドの先端に配設された吸盤が吸着保持し、その後、空ハ
ンガーを保持したアーム部が係止部まで移動し、吸盤の
吸着動作が解除されることにより空ハンガーは係止部に
供給される。これにより、自動化された空ハンガーの連
続供給動作を行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の空ハンガー連続供給装置の一
実施例について、図１から図４を参照して説明する。本
実施例の空ハンガー連続供給装置１は、複数本の空ハン
ガー２…を収容するストック部３と、ストック部３の間
欠的な上昇動作を行う昇降装置４と、ストック部３の上
方に配設されて一本のハンガー２のみを保持して自動化
ラインの所定位置に供給するアーム部５と、ストック部
３に収容されている空ハンガー２…のうち最上段の空ハ
ンガー２の高さ位置を検知する高さセンサー６と、制御
装置１２とを備えた装置である。

【０００７】空ハンガー２は、図１に示すように、水平
方向に左右に延設された肩部７の中央上方に懸吊部８が
形成され、肩部７の左右両端にそれぞれガイド部９が垂
設され、ガイド部９、９間には肩部７と平行に下部ガイ
ド部３１が形成されてなるハンガーである。そして、懸
吊部８の下部には、平坦な面とされた保持面１０が設け
られている。

【０００８】そして、シャツ類１１は、この空ハンガー
２に懸吊され、左右の袖部分１２と側方部分１３をハン
ガー２のガイド部９、９に合わせて裏側に折り畳むこと
により、細長い形状とされ、その上方から筒状の包装袋
を被せることにより包装が終了するようになっている。

【０００９】ストック部３は、図２に示すように、空ハ
ンガー２…を積み重ねて収納するハンガー収容台３ａ
と、ハンガー収容台３ａの下面から垂下して装置本体１
ａにスライド自在に係合する４本のガイド棒３ｂ…と、
装置本体１ａの上部に固定されてハンガー収容台３ａの
一部を貫通して上部に立設している４本のハンガーガイ
ド棒３ｃ…とで構成されている。そして、空ハンガー２
…は、図２及び図３（ａ）に示すように、４本のハンガ
ーガイド棒３ｃに内側がスライド自在に当接した状態
で、ハンガー収容台３ａ上に収納されている。また、ハ
ンガー収容台３ａの下面には、上下方向に延在する昇降
装置４の昇降棒４ａの一端が回転自在に連結されてい
る。

【００１０】昇降装置４は、外周にねじが切られた前記
昇降棒４ａと、この昇降棒４ａを正逆回転させることに
よりハンガー収容台３ａを昇降させる駆動モータ４ｂと
で構成されている。そして、駆動モータ４ｂは、図中符
号３０で示す制御装置から動作信号が送られてくること
により昇降棒４ａを正逆方向に回転させ、ハンガー収容
台３ａを所定位置まで昇降させるようになっている。

【００１１】また、アーム部５は、装置本体１ａの側部
に沿って立設している支柱１３の上部に配設されてい
る。このアーム部５は、アーム駆動モータ１４と、アー
ム駆動モータ１４の駆動により軸回りに回転する回転シ
ャフト１５と、回転シャフト１５の先端に連結されたシ
リンダ部１６と、シリンダ部１６のシリンダロッド（伸
縮ロッド）１６ａ先端に装着された吸盤１７とを備えた
ものである。すなわち、アーム駆動モータ１４は図示し
ないエアー駆動源のエアー供給により、軸線を水平方向
に向けて連結されている回転シャフトを軸回りに回転さ
せる。この回転シャフトの回転により、シリンダ部は、
図３（ａ）に示す鉛直下向き状態から、図３（ｂ）に示
す水平方向まで移動する。また、シリンダ部１６には、
エアー駆動源が接続されており、このエアー駆動源によ
るエアー供給により所定ストロークまでシリンダロッド
１６ａが進出動作を行い、かつ退出動作が行われるよう
になっている。さらに、シリンダロッド１６ａの先端に
配設された吸盤１７には、その内部と連通するエアー配
管１８が接続されている。このエアー配管１８の他端に
は、吸引動作により吸盤１７内部を略真空状態とするこ
とが可能であり、かつエア供給により吸盤１７内部を正
圧状態とすることも可能な吸盤制御部１９が配設されて
いる。

【００１２】また、高さセンサー６は、装置本体１ａを
挟んで支柱１３の逆側に立設するスタンド２０に配設さ
れた光送信部６ａと、光送信部６ａと同一高さの支柱１
３に配設された光受信部６ｂとで構成されている。この
高さセンサー６は、具体的には光電管、光電池、フォト
トランジスタなどを利用した装置であり、光送信部６ａ
から光受信部６ｂに向けて入射させた光を光受信部６ｂ
が感知してその光の変化量を検知信号として制御装置３
０に送る。そして、制御装置３０は、高さセンサー６か
らの検知信号に基づいて、最上段の空ハンガー２が所定
高さまで上昇しているか否かの判断を行い、最上段の空
ハンガー２が所定高さまで上昇しておらずその位置より
低い場合には、駆動モータ４ｂに動作信号を送り、ハン
ガー収容台３ａを間欠的に上昇せしめるようになってい
る。

【００１３】また、支柱１３の下部側には、上下に所定
間隔をあけて一対のリミットスイッチ２１ａ、２１ｂが
配設されている。上昇するハンガー収容台３ａの縁部が
上部側のリミットスイッチ２１ａの接触子に当接する
と、リミットスイッチ２１ａの検知信号が制御装置３０
に送られ、制御装置１２の制御によりハンガー収容台３
ａは下降していくようになっている。また、下降してく
るハンガー収容台３ａの縁部が下部側のリミットスイッ
チ２１ｂの接触子に当接すると、リミットスイッチ２１
ｂの検知信号が制御装置３０に送られ、制御装置３０の
制御によりハンガー収容台３ａの下降が停止するように
なっている。

【００１４】次に、上記構成とされた本装置１の空ハン
ガー供給動作について説明していく。先ず、高さセンサ
ー６は、ハンガー収容台３ａに収容されている空ハンガ
ー２…のうち最上段の空ハンガー２の高さ位置を検知す
る。そして、高さセンサー６から検知信号を受けた制御
装置３０は、最上段の空ハンガー２が所定高さまで上昇
しておらず、まだ低いと判断した場合には、駆動モータ
４ｂに動作信号を送り、ハンガー収容台３ａを間欠的に
上昇せしめて最上段の空ハンガー２を所定高さにセット
する。

【００１５】次に、図３（ａ）に示すように、鉛直下向
きとされているシリンダ部１６へのエアー供給によりシ
リンダロッド１６ａを進出させ、シリンダロッド１６ａ
の先端の吸盤１７を、所定高さにセットされた空ハンガ
ー２の保持面１０に当接する。そして、吸盤制御部１９
が吸引動作を行うことによりエアー配管１８を介して吸
盤１７内部は略真空状態となり、吸盤１７は保持面１０
を吸着保持する。次に、空ハンガー２を保持したシリン
ダ部１６は、エアー供給によりシリンダロッド１６ａを
退出させていき、空ハンガー２を他の空ハンガー２…と
離間して上方に持ち上げる。

【００１６】次に、図３（ｂ）に示すように、アーム駆
動モータ１４へのエアー供給により回転シャフト１５を
略９０°回転させ、シリンダ部１６を水平状態に向け
る。そして、シリンダ部１６へのエアー供給により、空
ハンガー２を保持したシリンダロッド１６ａを進出させ
ていき空ハンガー２の一部を係止部２６に係合させる。
そして、吸盤制御部１９からのエアー供給により吸盤１
７内部を正圧状態とし、吸盤１７の保持面１０への吸着
を解除して、空ハンガー２を自動化ラインの係止部２６
に供給する。空ハンガー２への係止部２６の供給ととも
に、ハンガー収容台３ａに収容されている最上段の空ハ
ンガー２の高さは所定高さより低くなるが、前述した高
さセンサー６の高さ検知によって制御装置３０はハンガ
ー収容台３ａを間欠的に上昇させていき、最上段の空ハ
ンガー２を所定高さにセットする。以下、上記動作を繰
り返し行うことにより、空ハンガー２は係止部２６に連
続的に供給されていく。

【００１７】本実施例の空ハンガー連続供給装置１によ
れば、ハンガー収容台３ａ上に重ねらた状態で収容され
ている複数枚の空ハンガー２…は、その最上段の空ハン
ガー２が高さセンサー６により高さ位置が常に検知さ
れ、空ハンガー２の高さが低い場合には、制御装置３０
による駆動モータ４ｂの駆動制御によりハンガー収容台
３ａ全体が間欠的に上昇せしめられて最上段の空ハンガ
ー２を所定高さにセットする一方、所定高さにセットさ
れた最上段の空ハンガー２の保持面１０を、アーム部５
のシリンダロッド１６ａの先端に設けられた吸盤１７が
吸着保持し、回転シャフト５ｂの回転及びシリンダロッ
ド１６ａの進出により空ハンガー２を係止部２６まで移
動させ、吸盤１７の吸着解除により空ハンガー２を係止
部２６に供給することができるので、自動化された空ハ
ンガーの連続供給動作を行うことができる。

【００１８】図４に示すものは、本発明の空ハンガー連
続供給装置の他の実施例を示すものである。図２及び図
３に示したものと同一構成部分には、同一符号を付して
その説明を省略する。本実施例の空ハンガー連続供給装
置は、支柱１３を軸回りに間欠的に回転させることが可
能な回転駆動モータ２８が配設されている。なお、図中
符号２９は、モータ支持台である。上記構成とされた本
実施例の装置は、図２及び図３に示した装置と同様の作
用効果を得ることができるとともに、アーム部５の移動
半径を大幅に拡大させることができるので、空ハンガー
２の供給先（係止部２６）を図３（ｂ）のようなアーム
部５の近傍とせず、装置から離間する位置に配置させる
ことも可能である。

【００１９】なお、図２及び図４において、ストック部
３は装置本体１ａと一体化されている構造を示したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数
枚の空ハンガー２…が収容されているカセット式のホル
ダーを複数組用意しておき、ホルダー内の空ハンガー２
…の残量が無くなると、他のホルダーを装置本体１ａ上
に昇降自在に配設する構造としてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の空ハンガ
ー連続供給装置は、ストック部に重ねて収容されている
複数枚の空ハンガーのうち、その最上段の空ハンガーの
高さ位置を高さセンサーが常に検知し、その空ハンガー
の高さが低い場合には、制御装置による昇降装置の昇降
制御によりストック部全体を間欠的に上昇させて最上段
の空ハンガーを所定高さとなるようにセットする一方、
所定高さにセットされた最上段の空ハンガーの保持面
を、アーム部のシリンダロッドの先端に配設された吸盤
が吸着保持し、その後アーム部が係止部まで移動して吸
盤の吸着動作が解除されることにより空ハンガーを係止
部に供給することができるので、自動化された空ハンガ
ーの連続供給動作を行うことができる。したがって、洗
濯物自動化ラインにおいて、作業員を必要とせずに連続
して空ハンガーをラインの一部に連続して供給すること
ができるので、自動化の促進、さらには経費削減を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空ハンガーを示す図である。

【図２】本発明の空ハンガー連続供給装置の第１の実施
例を示す図である。

【図３】本発明に係るアーム部の動作を示す図である。

【図４】本発明の空ハンガー連続供給装置の第２の実施
例を示す図である。

【符号の説明】

１ 空ハンガー連続供給装置 ２ 空ハンガー ３ ストック部 ３ａ ハンガー収容台 ４ 昇降装置 ４ａ 昇降棒 ４ｂ 駆動モータ ５ アーム部 ６ 高さセンサー １０ 空ハンガーの保持面 １３ 支柱 １４ アーム駆動モータ（アーム部） １５ 回転シャフト １６ シリンダ部 １６ａ シリンダロッド（伸縮ロッド） １７ 吸盤 ２６ 係止部（他の装置の係止部） ３０ 制御装置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚の空ハンガーを重ねた状態で収容
   するストック部と、 このストック部全体の昇降動作を行う昇降装置と、 前記ストック部の上方において、伸縮ロッドの先端に配
   設された吸盤の吸引動作により最上部の空ハンガーのみ
   を吸着保持して他の装置の係止部まで近接移動させると
   ともに、前記吸盤の吸引動作の停止により空ハンガーの
   吸着保持を解除するアーム部と、 前記昇降装置の昇降制御及び前記アーム部の作動制御を
   行う制御装置と、 前記ストック部の側方に配設され、最上部の空ハンガー
   の高さ検知信号を前記制御装置に送る高さセンサーとを
   具備してなることを特徴とする空ハンガー連続供給装
   置。