JP2662205B2 - パチンコ機の弾球装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ機の弾球装置
の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のパチンコ機の弾球装置は、基板に
枢着された弾球槌を弾球用ばねにより弾球方向に直線的
に引いておき、モータで回転されるカムにより弾球槌を
後退させ、カムとの係合が外れた瞬間に弾球槌が弾球用
ばねにより急速に回転して弾球動作を行わせる構造とな
っている。しかしこのような弾球装置は弾球用ばねの有
効長さを確保するために大きい基板を必要とし、弾球装
置全体が大きくなるという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題を解決し、装置を小型化し弾球用ばねのばね力
を有効に利用するとともに、びびり振動等のない安定し
た弾球動作が行なえるようにしたパチンコ機の弾球装置
を提供するために完成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、弾球槌が固定された槌軸上に、
ばね受け溝を備えたばね巻き掛け用ドラムを固定し、弾
球用ばねをこのばね巻き掛け用ドラムに巻き掛けてその
一端を固着するとともに、他端をワイヤを介してばね張
力調整装置に取付け、またこのばね巻き掛け用ドラムの
ワイヤ側の部分に切欠部を設け、弾球用ばねとの干渉を
防止したことを特徴とするものである。なお、ばね巻き
掛け用ドラムの切欠部に臨む端部に、弾球用ばねをばね
受け溝から浮き上がらせるための１個のローラを設けて
おくことが好ましい。

【０００５】

【作用】本発明においては、弾球用ばねをばね巻き掛け
用ドラムに巻き掛けてあるので、従来に比較して装置の
大きさを小型化することができ、しかも弾球用ばねの有
効長さを十分に確保することができる。またこの構造で
は、ばね巻き掛け用ドラムのワイヤ側の部分と弾球用ば
ねとが接したり離れたりすることの接触抵抗によりばね
力を有効に利用することができず、さらに長期間の使用
によりばね巻き掛け用ドラムのワイヤ側部分が弾球用ば
ねによって削られ、びびり振動等を生じるおそれがある
が、本発明の弾球装置においてはこの部分が切り欠かれ
ているため弾球用ばねとの干渉が生じることがなく、安
定した弾球動作が可能となる。また請求項２のように切
欠部に臨む端部に弾球用ばねをばね受け溝から浮き上が
らせるためのローラを設ければ、弾球動作の障害となる
びびり振動等の発生を完全に防止することができる。以
下に本発明を図示の実施例によって更に詳細に説明す
る。

【０００６】

【実施例】図中、１は弾球装置の基板、２はこの基板１
にベアリング３によって回転自在に枢着された弾球槌で
ある。弾球槌２の槌軸４の外周には合成樹脂製のばね巻
き掛け用ドラム５が固定されており、このばね巻き掛け
用ドラム５と弾球槌２とが一体に回転できる構造となっ
ている。このばね巻き掛け用ドラム５を合成樹脂製とし
たのは、軽量として回転質量の減少を図るためである。

【０００７】ばね巻き掛け用ドラム５の外周部には弾球
用ばね６を受けるための断面Ｕ字状のばね受け溝７が形
成されており、このばね受け溝７内に弾球用ばね６が巻
き掛けられている。実施例では弾球用ばね６はほぼ半周
にわたってばね巻き掛け用ドラム５に巻き掛けられ、そ
の一端はばね巻き掛け用ドラム５の突部８に固着されて
いる。また弾球用ばね６の他端はワイヤ９を介してばね
張力調整装置10に取り付けられており、遊技者が操作す
るハンドル軸11に連結された歯車12により自由に弾球力
の調節ができるようになっている。

【０００８】なお、ばね巻き掛け用ドラム５が弾球槌２
とともに図面上の時計方向（弾球準備位置の方向）へ回
転した場合におけるばね巻き掛け用ドラム５と弾球用ば
ね６との干渉を避けるために、ばね巻き掛け用ドラム５
の下方部、即ちばね巻き掛け用ドラム５のワイヤ９側の
部分は、一部切欠かれて切欠部15とされている。

【０００９】更に実施例においては、上記の構成に加え
て、ばね巻き掛け用ドラム５のばね受け溝７のワイヤ９
側の端部のみに、１個のローラ13を設けてある。このロ
ーラ13は弾球用ばね６のワイヤ９側の部分をばね受け溝
７から浮き上がらせるためのもので、数ミリ程度ばね受
け溝７から突出させてある。

【００１０】このように構成された本発明のパチンコ機
の弾球装置は、図示を略したモータにより回転されるカ
ムにより弾球槌２のカムローラ14を押圧して弾球槌２と
ともにばね巻き掛け用ドラム５を時計方向に回転させ、
カムとカムローラ14との係合が外れた瞬間にばね巻き掛
け用ドラム５に巻き掛けられた弾球用ばね６の力により
弾球槌２を反時計方向に回転させて弾球を行わせるもの
である。

【００１１】このように、本発明においては弾球用ばね
６を弾球槌２と一体としたばね巻き掛け用ドラム５に巻
き掛けてあるので、従来のように弾球用ばね６を直線的
に設けた場合に比較して装置の大きさを小型化すること
ができ、しかも弾球用ばね６の有効長さを十分に確保す
ることができる。

【００１２】また単に弾球用ばね６を合成樹脂製のばね
巻き掛け用ドラム５に巻き掛けた場合には、長期間にわ
たり使用すると次第にばね巻き掛け用ドラム５のばね受
け溝７のワイヤ９側の部分が弾球用ばね６と接したり離
れたりすることによって削られ、わだち状の溝が形成さ
れる。そして弾球用ばね６がこの溝に出入りする際にび
びり振動等を生じるおそれがある。しかし、本発明にお
いてはばね巻き掛け用ドラム５のワイヤ９側の部分に切
欠部15を設けたので、弾球動作時に弾球用ばね６がばね
巻き掛け用ドラム５と干渉することがなくなり、安定し
た弾球動作が可能となる。

【００１３】さらに請求項２の発明では、ばね巻き掛け
用ドラム５の切欠部15に臨む端部に弾球用ばね６をばね
受け溝７から浮き上がらせるためのローラ13を設けたの
で、上記のような溝が形成されるおそれもなく、弾球用
ばね６に均一な張力が掛かるようになるので、弾球動作
の障害となるびびり振動等の発生をより完全に防止する
ことができる。

【００１４】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明のパチン
コ機の弾球装置によれば、弾球用ばねをばね巻き掛け用
ドラムに巻き掛けたことにより、弾球用ばねを直線的に
設けた従来の装置よりも装置全体を小型化することがで
きる。また本発明によれば、ばね巻き掛け用ドラムのワ
イヤ側の部分に切欠部を設け、弾球用ばねとばね巻き掛
け用ドラムとの干渉を防止したので、安定した弾球動作
が可能となる。

【００１５】更に請求項２の発明では、ばね受け溝の端
部に弾球用ばねをばね受け溝から浮き上がらせるための
ローラを設けたので、びびり振動等の発生をより完全に
防止して確実な弾球動作が行なえる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 基板 ２ 弾球槌 ３ ベアリング ４ 槌軸 ５ ばね巻き掛け用ドラム ６ 弾球用ばね ７ ばね受け溝 ８ 突部 ９ ワイヤ 10 ばね張力調整装置 11 ハンドル軸 12 歯車 13 ローラ 14 カムローラ 15 切欠部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾球槌(2) が固定された槌軸(4) 上に、
   ばね受け溝(7) を備えたばね巻き掛け用ドラム(5) を固
   定し、弾球用ばね(6) をこのばね巻き掛け用ドラム(5)
   に巻き掛けてその一端を固着するとともに、他端をワイ
   ヤ(9) を介してばね張力調整装置(10)に取付け、またこ
   のばね巻き掛け用ドラム(5) のワイヤ(9) 側の部分に切
   欠部(15)を設け、弾球用ばね(6) との干渉を防止したこ
   とを特徴とするパチンコ機の弾球装置。
2. 【請求項２】 ばね巻き掛け用ドラム(5) の切欠部(15)
   に臨む端部に、弾球用ばね(6) をばね受け溝(7) から浮
   き上がらせるための１個のローラ(13)を設けたことを特
   徴とする請求項１記載のパチンコ機の弾球装置。