JP2660628C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子楽器のシーケンサに関し、特にその表示器と操作子との連携に
より種々の情報の設定を簡単に行う技術に関する。 【0002】 近年、電子楽器の発展が著しく、例えばMIDI等の規格化されたインタフェ
ースを介して外部装置との間で演奏情報を送受できるものが開発されている。か
かる外部装置の1つとして、演奏者が電子楽器等を演奏することにより発生する
演奏情報を記録することにより録音を行い、また、記録された演奏情報を読み出
して電子楽器等に送出することにより楽音を再生できるシーケンサが実用に供さ
れている。 【0003】 かかるシーケンサに演奏情報を録音したり、又は録音された演奏情報を再生す
る際には、種々のスイッチ類を操作して各種情報の設定を行う必要がある。そこ
で、情報の設定を簡単に行うことのできるシーケンサが望まれている。 【0004】 【従来の技術】 電子楽器のシーケンサは、外部から供給される演奏情報を記憶するための記憶
装置を有している。この記憶装置は、複数の曲に対する演奏情報を記憶するため
に、複数の記憶領域に分割されており、各記憶領域には「曲ナンバ」という固有
の番号が付されている。 【0005】 録音に際しては、この曲ナンバにより所望の記憶領域を特定し、例えば電子楽
器等から供給される演奏情報を記憶するようになっている。 【0006】 また、再生に際しては、上記曲ナンバにより所望の記憶領域を特定し、該記憶
領域から演奏情報を読み出して、例えば電子楽器に送出することにより、楽音が
再生されるようになっている。この際、再生するテンポを指定し、好みのテンポ
で楽音の再生ができるようになっている。 【0007】 したがって、録音に際しては、曲ナンバを指示する情報をシーケンサに設定す
る必要があり、再生に際しては、曲ナンバ及びテンポを指示する情報をシーケン
サに設定する必要がある。なお、シーケンサによっては、その機能に応じて上記
以外の種々の情報を設定をする必要があるが、ここでは説明を簡単にするために
、上述した情報の設定を行う場合について説明する。 【0008】 かかる種々の情報を設定するために、従来のシーケンサは、表示器、カーソル
移動スイッチ及び数値変更操作子を有している。 【0009】 表示器は、設定すべき情報を示すメッセージとその既定値を対にしたものを、
複数組表示する。例えば、上記例では、曲ナンバを示すメッセージとその既定値
、テンポを示すメッセージとの既定値が表示されることになる。 【0010】 かかる表示器の表示状態において、例えば曲ナンバを変更したい場合は、操作
者はカーソル移動スイッチを操作して曲ナンバの既定値を表示している位置にカ
ーソルを移動し、次いで、数値変更操作子を操作して所望の曲ナンバを表示せし める。これにより曲ナンバ情報が設定される。この際、カーソルは曲ナンバの既
定値を示す部分に表示されたまま残る。 【0011】 同様に、テンポを変更したい場合は、操作者はカーソル移動スイッチを操作し
てテンポの既定値を表示している位置にカーソルを移動し、次いで、数値変更操
作子を操作して所望のテンポ値を表示せしめる。これによりテンポ情報が設定さ
れる。この際、カーソルはテンポの既定値を示す部分に表示されたまま残る。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】 従来のシーケンサにおける情報の設定は、表示器、カーソル移動スイッチ及び
数値変更操作子を用いて上記のように行われるので、変更したい情報の既定値が
表示されている位置にカーソルを移動させる操作が必ず必要であり、操作が面倒
であるとともに情報の設定に時間がかかるという欠点があった。 【0013】 この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スイッチ等の操
作を極力少なくして簡単且つ迅速に各種情報の設定ができるシーケンサを提供す
ることにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】 この発明にかかるシーケンサの表示装置は、上記目的を達成するために、設定
すべき情報を入力するための情報入力領域を複数有するシーケンサの表示装置で
あって、前記情報入力領域のいずれか一つにカーソル表示を行うことによりその
領域のみが情報入力可能であることを示す表示手段と、再生・停止等の動作モー
ドを指定するための指定手段と、該指定手段により所定の動作モードが指定され
た際に、当該動作モードに応じて異なる所定の前記情報入力領域に前記カーソル
表示を行い、操作者に所要の入力を促す制御手段と、を具備することを特徴とす
る。 【0015】 【作用】 この発明は、複数の入力領域を有する表示手段を有するシーケンサに所定の情
報を設定するに際して、当該時点で選ばれている動作モードにおいて設定する可
能性の最も高い情報の入力領域に所定の表示、例えばカーソルを移動させて表示
し、操作者に入力を促すようにしている。ここに、「動作モードにおいて設定す
る可能性の最も高い情報」とは、複数の設定の余地があるにもかかわらず、選ば
れた動作モードにおいて、設定する必要性が最も高い情報を意味するものである
。このような選択された動作モードに応じて決まる「設定する可能性の最も高い
情報」に相当する表示位置にカーソルを自動的に移動させることにより、当該時
点での設定内容を操作者に報知し、所要の設定操作を促すものである。なお、当
該動作モードと設定される可能性の最も高い情報とは、予めメモリに記憶せしめ
られているものである。この場合、記憶されている対応以外の入力を希望する場
合には、カーソルを手動操作により移動せしめた後、設定操作を行うことになる
。 【0016】 これにより、操作者は所望の入力領域を指定する操作、例えばカーソル移動の
操作を行う必要がなくなるので、スイッチ等の操作回数が減少し、簡単且つ迅速
に各種情報の設定ができるものとなっている。 【0017】 【実施例】 以下、図面を参照しながら本発明の実施例につき詳細に説明する。図1は、本
発明に係るシーケンサの一実施例の全体的な構成を概略的に示すブロック図であ
る。 【0018】 図において、10は中央処理装置(CPU)であり、リードオンリメモリ(R
OM)11に記憶されている制御プログラムに従って当該シーケンサの各部を制
御するものである。 【0019】 ROM11には、上述した制御プログラムが格納される他、CPU10が使用
する種々の固定データが格納される。このROM11は、CPU10により、シ ステムバス30を介してアクセスされる。 【0020】 12はランダムアクセスメモリ(RAM)であり、CPU10の作業用領域、
当該シーケンサを制御するための各種テーブル、レジスタ、フラグ等が定義され
る。また、このRAM12には演奏情報を記憶する記憶領域が設けられる。この
記憶領域は、例えば曲に対応して「100」個の記憶領域に分割され、各記憶領
域に「1〜100」の曲ナンバが付される。 【0021】 また、このRAM12に定義されるフラグには、当該シーケンサが再生中であ
るか否かを規定する再生中フラグが含まれる。この再生中フラグは「1」で再生
中であることを示し、「0」で再生中でないことを示す。 【0022】 上記RAM12は、CPU10により、システムバス30を介してアクセスさ
れる。 【0023】 13はMIDIインタフェース回路であり、外部装置(図示しない)とCPU
10との間で送受される演奏情報の受渡制御を行うものである。外部装置として
は、当該シーケンサに演奏情報を供給し、又は、当該シーケンサからの演奏情報
に基づき楽音を発生する、例えば電子ピアノ、電子オルガン、電子キーボード等
であってMIDIインタフェース機能を有する電子楽器が用いられる。 【0024】 このMIDIインタフェース回路13は、CPU10に直接(システムバス3
0を介さないで)接続される。 【0025】 20は操作パネルであり、PLAYスイッチ21、STOPスイッチ22、カ
ーソル移動スイッチ23、数値変更操作子24及び表示器25が設けられている
。なお、図では本発明の説明に必要なもののみを示している。 【0026】 ここで、PLAYスイッチ21は、再生の開始を指示するスイッチである。S TOPスイッチ22は、再生の停止を指示するスイッチである。カーソル移動ス
イッチ23は、表示器25に表示されたカーソルを移動させるためのスイッチで
ある。数値変更操作子24は、設定すべき情報(数値)を変更する操作子であり
、例えばロータリエンコーダで構成されるものである。 【0027】 この操作パネル20の各スイッチのオン/オフ状態や操作子の設定状態は、図
示しないスキャン回路により検出され、CPU10に送られる。このスイッチの
オン/オフ情報は、RAM12の所定領域に記憶され、後述するイベントマップ
を作成する際に参照される。また、操作子の設定状態もRAM12の所定領域に
記憶され、必要に応じて参照される。 【0028】 表示器25は、例えばLCDにより構成されるものであり、文字、数字、記号
等の表示が可能になっている。 【0029】 この表示器25は、例えば図6に示すように、「16列×2行」の32キャラ
クタの表示が可能となっている。そして、各キャラクタ位置は「1〜32」のア
ドレスで指定されるようになっている。図6において、40は曲ナンバを示すメ
ッセージ、41は曲ナンバ値(入力領域)、42は曲名、43はテンポを示すメ
ッセージ、44はテンポ値(入力領域)、そして45はカーソルである。 【0030】 この表示器25は、CPU10から送られてくる情報により表示制御される。
即ち、表示器25に、表示すべき位置を指定するアドレス及び該アドレスに表示
すべき文字、数字、記号等のコードが対になったデータがCPU10から送られ
てくることにより、所定の文字等が表示される。 【0031】 上記CPU10、ROM11及びRAM12は、システムバス30により相互
に接続されている。 【0032】 以上の構成において、本実施例の動作につき、図2〜図5に示したフローチャ ートを参照しながら説明する。なお、以下においては、再生を行う場合を例にと
り、本発明に直接関係する部分のみをフローチャートに示して説明する。 【0033】 図2は、このシーケンサの実施例における全体の処理を示すフローチャートで
ある。 【0034】 電源投入や図示しないリセットスイッチが押下されることにより発生するリセ
ット信号により、当該シーケンサが初期状態に設定され、シーケンサの処理が開
始される。このシーケンサの処理では、先ずスイッチスキャン処理が行われる(
ステップS11)。 【0035】 このスイッチスキャン処理は、操作パネル20のスキャン回路で検出された各
スイッチのオン/オフ状態を示す情報を取り込み、前回取り込んだ各スイッチの
オン/オフ状態を示す情報(既にRAM12の所定領域に記憶されている)とを
比較することにより、新たにオンにされたスイッチに対応するビットのみをセッ
トしたオンイベントマップをRAM12上に作成する処理である。また、数値変
更操作子24の設定値もRAM12の所定領域に記憶される。 【0036】 以下の処理では、このオンイベントマップを参照することにより、所定のスイ
ッチがオンにされたか否かが調べられることになる。 【0037】 即ち、上記オンイベントマップを参照するこにより、先ず、PLAYスイッチ
21がオンであるか否かが調べられる(ステップS12)。そして、オンである
ことが判断されると、PLAY処理ルーチンがコールされる(ステップS13)
。このPLAY処理の詳細については後述する。 【0038】 上記PLAY処理が終了し、又は上記ステップS12でPLAYスイッチ21
がオンでないことが判断されると、STOPスイッチ22がオンであるか否かが
調べられる(ステップS14)。そして、オンであることが判断されると、ST OP処理ルーチンがコールされる(ステップS15)。このSTOP処理の詳細
については後述する。 【0039】 上記STOP処理が終了し、又は上記ステップS14でSTOPスイッチ22
がオンでないことが判断されると、数値変更操作子24が操作されたか否かが調
べられる(ステップS16)。そして、操作されたことが判断されると、数値変
更処理ルーチンがコールされる(ステップS17)。この数値変更処理の詳細に
っいては後述する。 【0040】 上記数値変更処理が終了し、又は上記ステップS16で数値変更操作子24が
操作されていないことが判断されると、再生中であるか否かが調べられる(ステ
ップS18)。これはRAM12に定義されている再生中フラグを参照すること
により行われる。そして、再生中であることが判断されると、再生処理が実行さ
れる(ステップS19)。 【0041】 この再生処理は、曲ナンバの入力領域にいて数値変更操作子24を操作するこ
とにより指定された曲ナンバ(RAM12の所定領域に記憶されている)に対応
する演奏情報をRAM12の演奏情報領域から読み出して、MIDIインタフェ
ース回路13を介して外部装置に送出する処理である。これにより、外部装置で
楽音が発生されることになる。 【0042】 この再生処理が終了し、又は上記ステップS18で再生中でないことが判断さ
れると、ステップS11に戻り、再度スイッチスキャン処理が実行される。以下
、同様にして、ステップS11〜ステップS19を繰り返し実行することにより
、このシーケンサが所定の機能を実現することになる。 【0043】 (1)PLAY処理 次に、PLAY処理につき、図3に示したフローチャートを参照しながら説明
する。このPLAY処理ルーチンは、PLAYスイッチ21が押下されることに よりコールされる。 【0044】 PLAY処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS21)。ここで再生中であることが判断
されると、再生中にPLAYスイッチ21が押下された旨を認識し、何らの処理
も行うことなく、このPLAY処理ルーチンからリターンする。即ち、再生中の
PLAYスイッチ21の押下は無視される。 【0045】 一方、上記ステップS21で再生中でないことが判断されると、再生中フラグ
を「1」にセットする(ステップS22)。次いで、表示器25のアドレス32
にカーソル45を移動すべき旨の指令を、表示器25に出力する(ステップS2
3)。その後、このPLAY処理ルーチンからリターンする。 【0046】 以上の処理により、再生中でない状態、つまり停止状態でPLAYスイッチ2
1が押下されると、カーソル45は、テンポ値を表示する領域44の最下位桁、
つまり表示器25のアドレス「32」に移動されることになる。 【0047】 再生を行う場合、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態にした後は、
テンポ値を設定する操作が行われるのが通常である。このようなテンポ設定操作
が、再生待機モードにおける、「設定する可能性の最も高い情報」に相当する。
従来のシーケンサにおいては、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態に
した場合にも、カーソルは、元の位置(例えば曲ナンバを表示する領域)に止ま
ったままであったので、最初にカーソル移動スイッチを操作することによりテン
ポ値を表示する領域まで移動させ、その後、数値変更操作子を操作して所望のテ
ンポ値を設定する必要があった。 【0048】 しかし、上記実施例によれば、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態
にすれば、カーソル45は自動的にテンポ値を表示する領域44の最下位桁に移
動するので、カーソル移動スイッチ23を操作する必要がなく、直ちにテンポ値 の変更が可能になり、操作性の向上及び設定操作の迅速化が図れる。 【0049】 (2)STOP処理 次に、STOP処理につき、図4に示したフローチャートを参照しながら説明
する。このSTOP処理ルーチンは、STOPスイッチ22が押下されることに
よりコールされる。 【0050】 STOP処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS31)。ここで再生中でないことが判断
されると、停止中にSTOPスイッチ22が押下された旨を認識し、何らの処理
も行うことなく、このSTOP処理ルーチンからリターンする。即ち、停止中の
STOPスイッチ22の押下は無視される。 【0051】 一方、上記ステップS31で再生中であることが判断されると、再生中フラグ
を「0」にクリアする(ステップS32)。次いで、表示器25のアドレス8に
カーソル45を移動すべき旨の指令を、表示器25に出力する(ステップS33
)。その後、このSTOP処理ルーチンからリターンする。 【0052】 以上の処理により、再生中にSTOPスイッチ22が押下されると、この動作
モードにおいて選択される可能性の最も高い情報は曲ナンバであるため、カーソ
ル45は、曲ナンバを表示する領域41の最下位桁、つまり表示器25のアドレ
ス「8」に移動されることになる。 【0053】 再生を停止した場合、次は別の曲目を再生するために曲の選択操作を行うのが
通常である。すなわち、当該モードにおいて選択される可能性の最も高い情報は
曲ナンバの入力操作であるため、カーソルを表示器25の曲ナンバ表示領域の最
下位桁であるアドレス「8」まで移動させ、操作者の選択操作を促すものである
。従来のシーケンサにおいては、STOPスイッチを押下して停止状態にした場
合であっても、カーソルは元の位置(例えば、テンポ値を表示する領域)に止ま っていた。したがって、最初にカーソル移動スイッチを操作することにより曲ナ
ンバを表示する領域まで移動させ、その後、曲ナンバを選択するための操作子を
操作して所望の曲ナンバを設定する必要があった。 【0054】 しかし、上記実施例によれば、STOPスイッチ22を押下して停止状態にす
れば、カーソル45は自動的に曲ナンバを表示する領域41の最下位桁に移動す
るので、カーソル移動スイッチ23を操作する必要がなく、直ちに曲ナンバの変
更が可能になり、操作性の向上及び設定操作の迅速化が図れる。 【0055】 (3)数値変更処理 次に、数値変更処理につき、図5に示したフローチャートを参照しながら説明
する。この数値変更処理ルーチンは、数値変更操作子24が操作されることによ
りコールされる。 【0056】 数値変更処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS41)。ここで再生中であることが判断
されると、PLAYスイッチ21が押下され、カーソル45がテンポ値を表示す
る領域44の最下位桁に移動されていることを認識し、テンポ表示の変更が行わ
れる(ステップS42)。 【0057】 即ち、数値変更操作子24の変更量に応じて、RAM12内部に記憶されてい
る現在のテンポ値を更新し、この更新された数値を表示器25の領域44に送出
する。これにより、テンポ値の表示が変更されることになる。なお、再生時は、
RAM12内部に記憶されている更新されたテンポ値に基づいたテンポで楽音が
発生されることになる。 【0058】 一方、上記ステップS41で再生中でないことが判断されると、STOPスイ
ッチ22が押下され、カーソル45が曲ナンバを表示する領域41の最下位桁に
移動されていることを認識し、曲ナンバの変更が行われる(ステップS43)。 【0059】 即ち、数値変更操作子24の変更量に応じて、RAM12内部に記憶されてい
る現在の曲ナンバを更新し、この更新されたデータを表示器25の領域41に送
出する。これにより、曲ナンバの表示が変更されることになる。なお、図2のス
テップS19で行う再生処理は、RAM12に記憶されている更新された曲ナン
バを用いて行われることになる。 【0060】 また、上記曲ナンバの変更の際、曲名の表示領域42の表示内容も、上記曲ナ
ンバに対応したものに変更するように構成することもできる。 【0061】 以上のように、この実施例によれば、複数の入力領域を有する表示器25を用
いてシーケンサに所定の情報を設定するに際し、その時点の動作モードで設定す
る可能性の最も高い情報(上記例では、再生中にSTOPスイッチ22が押下さ
れた場合は曲ナンバ値、停止中にPLAYスイッチ21が押下された場合はテン
ポ値)の入力領域にカーソルを移動させて入力を促すようにしている。 【0062】 これにより、操作者は所望の入力領域にカーソルを移動させる操作を行う必要
がなくなるので、スイッチ等の操作回数が減少し、簡単且つ迅速に各種情報の設
定ができるものとなっている。 【0063】 なお、上記実施例では、曲ナンバとテンポ値を変更する場合の例について説明
したが、上記以外の設定すべき情報を変更する場合にも同様に適用することがで
き、この場合も上記実施例と同様の作用効果を奏する。 【0064】 要は所定の動作モードへの切り換えが行われた際に、新たに選ばれた動作モー
ドにおいて、通常の選択操作が行われる可能性の最も高い情報の入力領域にカー
ソルを自動的に移動させるものである。したがって、操作者によるカーソル移動
操作の手数を省略して情報設定操作が簡単かつ迅速に行い得るシーケンサの表示
装置を提供することができる。 【0065】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、操作者によるカーソル移動キーをはじ
めスイッチ類の操作を極力少なくして、簡単かつ迅速な各種情報の設定が可能と
なるシーケンサの表示装置を提供することができる。
より種々の情報の設定を簡単に行う技術に関する。 【0002】 近年、電子楽器の発展が著しく、例えばMIDI等の規格化されたインタフェ
ースを介して外部装置との間で演奏情報を送受できるものが開発されている。か
かる外部装置の1つとして、演奏者が電子楽器等を演奏することにより発生する
演奏情報を記録することにより録音を行い、また、記録された演奏情報を読み出
して電子楽器等に送出することにより楽音を再生できるシーケンサが実用に供さ
れている。 【0003】 かかるシーケンサに演奏情報を録音したり、又は録音された演奏情報を再生す
る際には、種々のスイッチ類を操作して各種情報の設定を行う必要がある。そこ
で、情報の設定を簡単に行うことのできるシーケンサが望まれている。 【0004】 【従来の技術】 電子楽器のシーケンサは、外部から供給される演奏情報を記憶するための記憶
装置を有している。この記憶装置は、複数の曲に対する演奏情報を記憶するため
に、複数の記憶領域に分割されており、各記憶領域には「曲ナンバ」という固有
の番号が付されている。 【0005】 録音に際しては、この曲ナンバにより所望の記憶領域を特定し、例えば電子楽
器等から供給される演奏情報を記憶するようになっている。 【0006】 また、再生に際しては、上記曲ナンバにより所望の記憶領域を特定し、該記憶
領域から演奏情報を読み出して、例えば電子楽器に送出することにより、楽音が
再生されるようになっている。この際、再生するテンポを指定し、好みのテンポ
で楽音の再生ができるようになっている。 【0007】 したがって、録音に際しては、曲ナンバを指示する情報をシーケンサに設定す
る必要があり、再生に際しては、曲ナンバ及びテンポを指示する情報をシーケン
サに設定する必要がある。なお、シーケンサによっては、その機能に応じて上記
以外の種々の情報を設定をする必要があるが、ここでは説明を簡単にするために
、上述した情報の設定を行う場合について説明する。 【0008】 かかる種々の情報を設定するために、従来のシーケンサは、表示器、カーソル
移動スイッチ及び数値変更操作子を有している。 【0009】 表示器は、設定すべき情報を示すメッセージとその既定値を対にしたものを、
複数組表示する。例えば、上記例では、曲ナンバを示すメッセージとその既定値
、テンポを示すメッセージとの既定値が表示されることになる。 【0010】 かかる表示器の表示状態において、例えば曲ナンバを変更したい場合は、操作
者はカーソル移動スイッチを操作して曲ナンバの既定値を表示している位置にカ
ーソルを移動し、次いで、数値変更操作子を操作して所望の曲ナンバを表示せし める。これにより曲ナンバ情報が設定される。この際、カーソルは曲ナンバの既
定値を示す部分に表示されたまま残る。 【0011】 同様に、テンポを変更したい場合は、操作者はカーソル移動スイッチを操作し
てテンポの既定値を表示している位置にカーソルを移動し、次いで、数値変更操
作子を操作して所望のテンポ値を表示せしめる。これによりテンポ情報が設定さ
れる。この際、カーソルはテンポの既定値を示す部分に表示されたまま残る。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】 従来のシーケンサにおける情報の設定は、表示器、カーソル移動スイッチ及び
数値変更操作子を用いて上記のように行われるので、変更したい情報の既定値が
表示されている位置にカーソルを移動させる操作が必ず必要であり、操作が面倒
であるとともに情報の設定に時間がかかるという欠点があった。 【0013】 この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スイッチ等の操
作を極力少なくして簡単且つ迅速に各種情報の設定ができるシーケンサを提供す
ることにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】 この発明にかかるシーケンサの表示装置は、上記目的を達成するために、設定
すべき情報を入力するための情報入力領域を複数有するシーケンサの表示装置で
あって、前記情報入力領域のいずれか一つにカーソル表示を行うことによりその
領域のみが情報入力可能であることを示す表示手段と、再生・停止等の動作モー
ドを指定するための指定手段と、該指定手段により所定の動作モードが指定され
た際に、当該動作モードに応じて異なる所定の前記情報入力領域に前記カーソル
表示を行い、操作者に所要の入力を促す制御手段と、を具備することを特徴とす
る。 【0015】 【作用】 この発明は、複数の入力領域を有する表示手段を有するシーケンサに所定の情
報を設定するに際して、当該時点で選ばれている動作モードにおいて設定する可
能性の最も高い情報の入力領域に所定の表示、例えばカーソルを移動させて表示
し、操作者に入力を促すようにしている。ここに、「動作モードにおいて設定す
る可能性の最も高い情報」とは、複数の設定の余地があるにもかかわらず、選ば
れた動作モードにおいて、設定する必要性が最も高い情報を意味するものである
。このような選択された動作モードに応じて決まる「設定する可能性の最も高い
情報」に相当する表示位置にカーソルを自動的に移動させることにより、当該時
点での設定内容を操作者に報知し、所要の設定操作を促すものである。なお、当
該動作モードと設定される可能性の最も高い情報とは、予めメモリに記憶せしめ
られているものである。この場合、記憶されている対応以外の入力を希望する場
合には、カーソルを手動操作により移動せしめた後、設定操作を行うことになる
。 【0016】 これにより、操作者は所望の入力領域を指定する操作、例えばカーソル移動の
操作を行う必要がなくなるので、スイッチ等の操作回数が減少し、簡単且つ迅速
に各種情報の設定ができるものとなっている。 【0017】 【実施例】 以下、図面を参照しながら本発明の実施例につき詳細に説明する。図1は、本
発明に係るシーケンサの一実施例の全体的な構成を概略的に示すブロック図であ
る。 【0018】 図において、10は中央処理装置(CPU)であり、リードオンリメモリ(R
OM)11に記憶されている制御プログラムに従って当該シーケンサの各部を制
御するものである。 【0019】 ROM11には、上述した制御プログラムが格納される他、CPU10が使用
する種々の固定データが格納される。このROM11は、CPU10により、シ ステムバス30を介してアクセスされる。 【0020】 12はランダムアクセスメモリ(RAM)であり、CPU10の作業用領域、
当該シーケンサを制御するための各種テーブル、レジスタ、フラグ等が定義され
る。また、このRAM12には演奏情報を記憶する記憶領域が設けられる。この
記憶領域は、例えば曲に対応して「100」個の記憶領域に分割され、各記憶領
域に「1〜100」の曲ナンバが付される。 【0021】 また、このRAM12に定義されるフラグには、当該シーケンサが再生中であ
るか否かを規定する再生中フラグが含まれる。この再生中フラグは「1」で再生
中であることを示し、「0」で再生中でないことを示す。 【0022】 上記RAM12は、CPU10により、システムバス30を介してアクセスさ
れる。 【0023】 13はMIDIインタフェース回路であり、外部装置(図示しない)とCPU
10との間で送受される演奏情報の受渡制御を行うものである。外部装置として
は、当該シーケンサに演奏情報を供給し、又は、当該シーケンサからの演奏情報
に基づき楽音を発生する、例えば電子ピアノ、電子オルガン、電子キーボード等
であってMIDIインタフェース機能を有する電子楽器が用いられる。 【0024】 このMIDIインタフェース回路13は、CPU10に直接(システムバス3
0を介さないで)接続される。 【0025】 20は操作パネルであり、PLAYスイッチ21、STOPスイッチ22、カ
ーソル移動スイッチ23、数値変更操作子24及び表示器25が設けられている
。なお、図では本発明の説明に必要なもののみを示している。 【0026】 ここで、PLAYスイッチ21は、再生の開始を指示するスイッチである。S TOPスイッチ22は、再生の停止を指示するスイッチである。カーソル移動ス
イッチ23は、表示器25に表示されたカーソルを移動させるためのスイッチで
ある。数値変更操作子24は、設定すべき情報(数値)を変更する操作子であり
、例えばロータリエンコーダで構成されるものである。 【0027】 この操作パネル20の各スイッチのオン/オフ状態や操作子の設定状態は、図
示しないスキャン回路により検出され、CPU10に送られる。このスイッチの
オン/オフ情報は、RAM12の所定領域に記憶され、後述するイベントマップ
を作成する際に参照される。また、操作子の設定状態もRAM12の所定領域に
記憶され、必要に応じて参照される。 【0028】 表示器25は、例えばLCDにより構成されるものであり、文字、数字、記号
等の表示が可能になっている。 【0029】 この表示器25は、例えば図6に示すように、「16列×2行」の32キャラ
クタの表示が可能となっている。そして、各キャラクタ位置は「1〜32」のア
ドレスで指定されるようになっている。図6において、40は曲ナンバを示すメ
ッセージ、41は曲ナンバ値(入力領域)、42は曲名、43はテンポを示すメ
ッセージ、44はテンポ値(入力領域)、そして45はカーソルである。 【0030】 この表示器25は、CPU10から送られてくる情報により表示制御される。
即ち、表示器25に、表示すべき位置を指定するアドレス及び該アドレスに表示
すべき文字、数字、記号等のコードが対になったデータがCPU10から送られ
てくることにより、所定の文字等が表示される。 【0031】 上記CPU10、ROM11及びRAM12は、システムバス30により相互
に接続されている。 【0032】 以上の構成において、本実施例の動作につき、図2〜図5に示したフローチャ ートを参照しながら説明する。なお、以下においては、再生を行う場合を例にと
り、本発明に直接関係する部分のみをフローチャートに示して説明する。 【0033】 図2は、このシーケンサの実施例における全体の処理を示すフローチャートで
ある。 【0034】 電源投入や図示しないリセットスイッチが押下されることにより発生するリセ
ット信号により、当該シーケンサが初期状態に設定され、シーケンサの処理が開
始される。このシーケンサの処理では、先ずスイッチスキャン処理が行われる(
ステップS11)。 【0035】 このスイッチスキャン処理は、操作パネル20のスキャン回路で検出された各
スイッチのオン/オフ状態を示す情報を取り込み、前回取り込んだ各スイッチの
オン/オフ状態を示す情報(既にRAM12の所定領域に記憶されている)とを
比較することにより、新たにオンにされたスイッチに対応するビットのみをセッ
トしたオンイベントマップをRAM12上に作成する処理である。また、数値変
更操作子24の設定値もRAM12の所定領域に記憶される。 【0036】 以下の処理では、このオンイベントマップを参照することにより、所定のスイ
ッチがオンにされたか否かが調べられることになる。 【0037】 即ち、上記オンイベントマップを参照するこにより、先ず、PLAYスイッチ
21がオンであるか否かが調べられる(ステップS12)。そして、オンである
ことが判断されると、PLAY処理ルーチンがコールされる(ステップS13)
。このPLAY処理の詳細については後述する。 【0038】 上記PLAY処理が終了し、又は上記ステップS12でPLAYスイッチ21
がオンでないことが判断されると、STOPスイッチ22がオンであるか否かが
調べられる(ステップS14)。そして、オンであることが判断されると、ST OP処理ルーチンがコールされる(ステップS15)。このSTOP処理の詳細
については後述する。 【0039】 上記STOP処理が終了し、又は上記ステップS14でSTOPスイッチ22
がオンでないことが判断されると、数値変更操作子24が操作されたか否かが調
べられる(ステップS16)。そして、操作されたことが判断されると、数値変
更処理ルーチンがコールされる(ステップS17)。この数値変更処理の詳細に
っいては後述する。 【0040】 上記数値変更処理が終了し、又は上記ステップS16で数値変更操作子24が
操作されていないことが判断されると、再生中であるか否かが調べられる(ステ
ップS18)。これはRAM12に定義されている再生中フラグを参照すること
により行われる。そして、再生中であることが判断されると、再生処理が実行さ
れる(ステップS19)。 【0041】 この再生処理は、曲ナンバの入力領域にいて数値変更操作子24を操作するこ
とにより指定された曲ナンバ(RAM12の所定領域に記憶されている)に対応
する演奏情報をRAM12の演奏情報領域から読み出して、MIDIインタフェ
ース回路13を介して外部装置に送出する処理である。これにより、外部装置で
楽音が発生されることになる。 【0042】 この再生処理が終了し、又は上記ステップS18で再生中でないことが判断さ
れると、ステップS11に戻り、再度スイッチスキャン処理が実行される。以下
、同様にして、ステップS11〜ステップS19を繰り返し実行することにより
、このシーケンサが所定の機能を実現することになる。 【0043】 (1)PLAY処理 次に、PLAY処理につき、図3に示したフローチャートを参照しながら説明
する。このPLAY処理ルーチンは、PLAYスイッチ21が押下されることに よりコールされる。 【0044】 PLAY処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS21)。ここで再生中であることが判断
されると、再生中にPLAYスイッチ21が押下された旨を認識し、何らの処理
も行うことなく、このPLAY処理ルーチンからリターンする。即ち、再生中の
PLAYスイッチ21の押下は無視される。 【0045】 一方、上記ステップS21で再生中でないことが判断されると、再生中フラグ
を「1」にセットする(ステップS22)。次いで、表示器25のアドレス32
にカーソル45を移動すべき旨の指令を、表示器25に出力する(ステップS2
3)。その後、このPLAY処理ルーチンからリターンする。 【0046】 以上の処理により、再生中でない状態、つまり停止状態でPLAYスイッチ2
1が押下されると、カーソル45は、テンポ値を表示する領域44の最下位桁、
つまり表示器25のアドレス「32」に移動されることになる。 【0047】 再生を行う場合、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態にした後は、
テンポ値を設定する操作が行われるのが通常である。このようなテンポ設定操作
が、再生待機モードにおける、「設定する可能性の最も高い情報」に相当する。
従来のシーケンサにおいては、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態に
した場合にも、カーソルは、元の位置(例えば曲ナンバを表示する領域)に止ま
ったままであったので、最初にカーソル移動スイッチを操作することによりテン
ポ値を表示する領域まで移動させ、その後、数値変更操作子を操作して所望のテ
ンポ値を設定する必要があった。 【0048】 しかし、上記実施例によれば、PLAYスイッチ21を押下して再生待機状態
にすれば、カーソル45は自動的にテンポ値を表示する領域44の最下位桁に移
動するので、カーソル移動スイッチ23を操作する必要がなく、直ちにテンポ値 の変更が可能になり、操作性の向上及び設定操作の迅速化が図れる。 【0049】 (2)STOP処理 次に、STOP処理につき、図4に示したフローチャートを参照しながら説明
する。このSTOP処理ルーチンは、STOPスイッチ22が押下されることに
よりコールされる。 【0050】 STOP処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS31)。ここで再生中でないことが判断
されると、停止中にSTOPスイッチ22が押下された旨を認識し、何らの処理
も行うことなく、このSTOP処理ルーチンからリターンする。即ち、停止中の
STOPスイッチ22の押下は無視される。 【0051】 一方、上記ステップS31で再生中であることが判断されると、再生中フラグ
を「0」にクリアする(ステップS32)。次いで、表示器25のアドレス8に
カーソル45を移動すべき旨の指令を、表示器25に出力する(ステップS33
)。その後、このSTOP処理ルーチンからリターンする。 【0052】 以上の処理により、再生中にSTOPスイッチ22が押下されると、この動作
モードにおいて選択される可能性の最も高い情報は曲ナンバであるため、カーソ
ル45は、曲ナンバを表示する領域41の最下位桁、つまり表示器25のアドレ
ス「8」に移動されることになる。 【0053】 再生を停止した場合、次は別の曲目を再生するために曲の選択操作を行うのが
通常である。すなわち、当該モードにおいて選択される可能性の最も高い情報は
曲ナンバの入力操作であるため、カーソルを表示器25の曲ナンバ表示領域の最
下位桁であるアドレス「8」まで移動させ、操作者の選択操作を促すものである
。従来のシーケンサにおいては、STOPスイッチを押下して停止状態にした場
合であっても、カーソルは元の位置(例えば、テンポ値を表示する領域)に止ま っていた。したがって、最初にカーソル移動スイッチを操作することにより曲ナ
ンバを表示する領域まで移動させ、その後、曲ナンバを選択するための操作子を
操作して所望の曲ナンバを設定する必要があった。 【0054】 しかし、上記実施例によれば、STOPスイッチ22を押下して停止状態にす
れば、カーソル45は自動的に曲ナンバを表示する領域41の最下位桁に移動す
るので、カーソル移動スイッチ23を操作する必要がなく、直ちに曲ナンバの変
更が可能になり、操作性の向上及び設定操作の迅速化が図れる。 【0055】 (3)数値変更処理 次に、数値変更処理につき、図5に示したフローチャートを参照しながら説明
する。この数値変更処理ルーチンは、数値変更操作子24が操作されることによ
りコールされる。 【0056】 数値変更処理では、先ず、再生中であるか否か、つまり再生中フラグが「1」
であるか否かが調べられる(ステップS41)。ここで再生中であることが判断
されると、PLAYスイッチ21が押下され、カーソル45がテンポ値を表示す
る領域44の最下位桁に移動されていることを認識し、テンポ表示の変更が行わ
れる(ステップS42)。 【0057】 即ち、数値変更操作子24の変更量に応じて、RAM12内部に記憶されてい
る現在のテンポ値を更新し、この更新された数値を表示器25の領域44に送出
する。これにより、テンポ値の表示が変更されることになる。なお、再生時は、
RAM12内部に記憶されている更新されたテンポ値に基づいたテンポで楽音が
発生されることになる。 【0058】 一方、上記ステップS41で再生中でないことが判断されると、STOPスイ
ッチ22が押下され、カーソル45が曲ナンバを表示する領域41の最下位桁に
移動されていることを認識し、曲ナンバの変更が行われる(ステップS43)。 【0059】 即ち、数値変更操作子24の変更量に応じて、RAM12内部に記憶されてい
る現在の曲ナンバを更新し、この更新されたデータを表示器25の領域41に送
出する。これにより、曲ナンバの表示が変更されることになる。なお、図2のス
テップS19で行う再生処理は、RAM12に記憶されている更新された曲ナン
バを用いて行われることになる。 【0060】 また、上記曲ナンバの変更の際、曲名の表示領域42の表示内容も、上記曲ナ
ンバに対応したものに変更するように構成することもできる。 【0061】 以上のように、この実施例によれば、複数の入力領域を有する表示器25を用
いてシーケンサに所定の情報を設定するに際し、その時点の動作モードで設定す
る可能性の最も高い情報(上記例では、再生中にSTOPスイッチ22が押下さ
れた場合は曲ナンバ値、停止中にPLAYスイッチ21が押下された場合はテン
ポ値)の入力領域にカーソルを移動させて入力を促すようにしている。 【0062】 これにより、操作者は所望の入力領域にカーソルを移動させる操作を行う必要
がなくなるので、スイッチ等の操作回数が減少し、簡単且つ迅速に各種情報の設
定ができるものとなっている。 【0063】 なお、上記実施例では、曲ナンバとテンポ値を変更する場合の例について説明
したが、上記以外の設定すべき情報を変更する場合にも同様に適用することがで
き、この場合も上記実施例と同様の作用効果を奏する。 【0064】 要は所定の動作モードへの切り換えが行われた際に、新たに選ばれた動作モー
ドにおいて、通常の選択操作が行われる可能性の最も高い情報の入力領域にカー
ソルを自動的に移動させるものである。したがって、操作者によるカーソル移動
操作の手数を省略して情報設定操作が簡単かつ迅速に行い得るシーケンサの表示
装置を提供することができる。 【0065】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、操作者によるカーソル移動キーをはじ
めスイッチ類の操作を極力少なくして、簡単かつ迅速な各種情報の設定が可能と
なるシーケンサの表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のシーケンサの実施例の全体の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】
本発明の実施例の動作を全体的に説明するためのフローチャートである。
【図3】
図2におけるPLAY処理を示すフローチャートである。
【図4】
図2におけるSTOP処理を示すフローチャートである。
【図5】
図2における数値変更処理を示すフローチャートである。
【図6】
本発明の実施例の表示器の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU(制御手段)
11 ROM
12 RAM
13 MIDIインタフェース回路
20 操作パネル
21 PLAYスイッチ(指示手段)
22 STOPスイッチ(指示手段)
23 カーソル移動スイッチ
24 数値変更操作子
25 表示器(表示手段)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 設定すべき情報を入力するための情報入力領域を複数有するシ
ーケンサの表示装置であって、前記情報入力領域のいずれか一つにカーソル表示
を行うことによりその領域のみが情報入力可能であることを示す表示手段と、 再生・停止等の動作モードを指定するための指定手段と、 該指定手段により所定の動作モードが指定された際に、当該動作モードに応じ
て異なる所定の前記情報入力領域に前記カーソル表示を行い、操作者に所要の入
力を促す制御手段と、 を具備することを特徴とするシーケンサの表示装置。
Family
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