JP2660279B2 - 強誘電性高分子薄膜の形成方法 - Google Patents
強誘電性高分子薄膜の形成方法Info
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- JP2660279B2 JP2660279B2 JP61291271A JP29127186A JP2660279B2 JP 2660279 B2 JP2660279 B2 JP 2660279B2 JP 61291271 A JP61291271 A JP 61291271A JP 29127186 A JP29127186 A JP 29127186A JP 2660279 B2 JP2660279 B2 JP 2660279B2
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は密着性の高い安定な特性の強誘電性薄膜の形
成方法に関するものである。 本発明は強誘電性高分子薄膜の形成方法に関するもの
である。 強誘電性物質の比誘電率は非常に大きく強誘電体はコ
ンデンサー材料として重要である。さらに圧電性、焦電
性などを有するので、メモリー、平面スピーカー、表示
素子への利用は広い。 強誘電性高分子は、チタン酸バリウムなどの無機強誘
電体に比して容易に形成できる強誘電体である。 そのため、その利用範囲も広範囲なものとなる。 〔従来の技術〕 強誘電性を示す高分子は、PVDF:ポリフッ化ビニリデ
ン,P(VDF+TrFE):フッ化ビニリデンとトリフッ化エ
チレンの共重合体,P(VDF+TeFE):フッ化ビニリデン
とテトラフッ化エチレンの共重合体、P(VDCN+VA
C):ビニリデンシアナイドとビニリデンアセテートの
共重合体等がある。 その多くは、フッ素系の高分子であり、それらと基
板、または電極の密着性は低く、信頼性の高い安定な薄
膜を得ることは難しい。従って強誘電性高分子の優れた
特性を失わずにこの薄膜の改質をする必要がある。 〔問題を解決する為の手段〕 本発明では、かかる問題を解決する為下記のような手
段を用いた。 強誘電性高分子薄膜を作製するには強誘電性高分子と
混合性のよいもの、溶媒が共通であること、強誘電性を
そこなわない為に比較的直線性の高い構造を有する非強
誘電性高分子を用いる必要がある。その目的の為にポリ
塩化ビニル等のポリビニル類、ナイロン類、ポリイミド
類、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルアミドなどを
非強誘電性高分子として用いるのが有用である。 これらとP(VDF+TeFE)などの強誘電体を重量比で
強誘電体:非強誘電体=2:8〜8:2の割合の混合溶液から
加熱成膜することにより基板に対して密着性の高い、安
定した強誘電性高分子薄膜を得ることができることを特
徴とする。この場合、混合比により自発分極の大きさの
制御をすることが可能である。 以下実施例により本発明を説明する。 〔実施例〕 200gのP(VDF+TeFE)を10のN−メチル−2−ピ
ロリドン中に入れ加熱溶解させる。次にこれとポリイミ
ドとして日立化成(株)PIQ5と混合し、80℃で十分混
和させ、濾過したものを混合高分子溶液とする。この場
合高分子の重量比はP(VDF+TeFE):PIQ=2:1となる。 これをパターニングした電極を有するガラス基板上に
スピンコートし、200℃で2時間加熱し、強誘電性高分
子薄膜を作製した。 この薄膜の厚さは2000Åであった。 さらに蒸着法またはスパッタ法によりAl、またはCrを
成膜した。その上にレジストを塗布しフォトリソグラフ
ィによりパターニング、エッチングし、上部電極を形成
した。この工程においても混合薄膜は剥離することもな
く、本発明によりその密着性や、耐溶材性が著しく向上
した。 この試料の自発分極をD−Eヒステリシスループ法に
より測定した。 自発分極は300nC/cm2であった。混合比を2:8〜8:2ま
で変化させることにより自発分極は80〜500nC/cm2と変
化する。これは本来のP(VDF+TeFE)の自発分極数μC
/cm2と混合比から計算される自発分極の値より1ケタ程
度は下がっている。非強誘電性高分子を混合することに
より、結晶化度が低下している為である。 しかし本強誘電性高分子薄膜は基板との密着性や、耐
溶材性が向上し数千Åの薄膜にもかかわらずピンホール
の少ない安定した強誘電性高分子薄膜が得られた。 〔発明の効果〕 本発明は強誘電性高分子と非強誘電性高分子の混合し
たことを特徴とするものである。本発明により下地其板
に対する薄膜の密着性が従来に比べて格段に向上し、さ
らに有機溶媒に対する薄膜の信頼性も向上した。 このためピンホールの少ない安定な強誘電性高分子薄
膜を大面積其板上に容易に形成することが可能となっ
た。
成方法に関するものである。 本発明は強誘電性高分子薄膜の形成方法に関するもの
である。 強誘電性物質の比誘電率は非常に大きく強誘電体はコ
ンデンサー材料として重要である。さらに圧電性、焦電
性などを有するので、メモリー、平面スピーカー、表示
素子への利用は広い。 強誘電性高分子は、チタン酸バリウムなどの無機強誘
電体に比して容易に形成できる強誘電体である。 そのため、その利用範囲も広範囲なものとなる。 〔従来の技術〕 強誘電性を示す高分子は、PVDF:ポリフッ化ビニリデ
ン,P(VDF+TrFE):フッ化ビニリデンとトリフッ化エ
チレンの共重合体,P(VDF+TeFE):フッ化ビニリデン
とテトラフッ化エチレンの共重合体、P(VDCN+VA
C):ビニリデンシアナイドとビニリデンアセテートの
共重合体等がある。 その多くは、フッ素系の高分子であり、それらと基
板、または電極の密着性は低く、信頼性の高い安定な薄
膜を得ることは難しい。従って強誘電性高分子の優れた
特性を失わずにこの薄膜の改質をする必要がある。 〔問題を解決する為の手段〕 本発明では、かかる問題を解決する為下記のような手
段を用いた。 強誘電性高分子薄膜を作製するには強誘電性高分子と
混合性のよいもの、溶媒が共通であること、強誘電性を
そこなわない為に比較的直線性の高い構造を有する非強
誘電性高分子を用いる必要がある。その目的の為にポリ
塩化ビニル等のポリビニル類、ナイロン類、ポリイミド
類、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルアミドなどを
非強誘電性高分子として用いるのが有用である。 これらとP(VDF+TeFE)などの強誘電体を重量比で
強誘電体:非強誘電体=2:8〜8:2の割合の混合溶液から
加熱成膜することにより基板に対して密着性の高い、安
定した強誘電性高分子薄膜を得ることができることを特
徴とする。この場合、混合比により自発分極の大きさの
制御をすることが可能である。 以下実施例により本発明を説明する。 〔実施例〕 200gのP(VDF+TeFE)を10のN−メチル−2−ピ
ロリドン中に入れ加熱溶解させる。次にこれとポリイミ
ドとして日立化成(株)PIQ5と混合し、80℃で十分混
和させ、濾過したものを混合高分子溶液とする。この場
合高分子の重量比はP(VDF+TeFE):PIQ=2:1となる。 これをパターニングした電極を有するガラス基板上に
スピンコートし、200℃で2時間加熱し、強誘電性高分
子薄膜を作製した。 この薄膜の厚さは2000Åであった。 さらに蒸着法またはスパッタ法によりAl、またはCrを
成膜した。その上にレジストを塗布しフォトリソグラフ
ィによりパターニング、エッチングし、上部電極を形成
した。この工程においても混合薄膜は剥離することもな
く、本発明によりその密着性や、耐溶材性が著しく向上
した。 この試料の自発分極をD−Eヒステリシスループ法に
より測定した。 自発分極は300nC/cm2であった。混合比を2:8〜8:2ま
で変化させることにより自発分極は80〜500nC/cm2と変
化する。これは本来のP(VDF+TeFE)の自発分極数μC
/cm2と混合比から計算される自発分極の値より1ケタ程
度は下がっている。非強誘電性高分子を混合することに
より、結晶化度が低下している為である。 しかし本強誘電性高分子薄膜は基板との密着性や、耐
溶材性が向上し数千Åの薄膜にもかかわらずピンホール
の少ない安定した強誘電性高分子薄膜が得られた。 〔発明の効果〕 本発明は強誘電性高分子と非強誘電性高分子の混合し
たことを特徴とするものである。本発明により下地其板
に対する薄膜の密着性が従来に比べて格段に向上し、さ
らに有機溶媒に対する薄膜の信頼性も向上した。 このためピンホールの少ない安定な強誘電性高分子薄
膜を大面積其板上に容易に形成することが可能となっ
た。
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(56)参考文献 特開 昭57−44646(JP,A)
特開 昭61−48983(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとトリフ
ッ化エチレンの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフ
ッ化エチレンの共重合体、ビニリデンシアナイドとビニ
リデンアセテートの共重合体から選ばれた1種類または
それらの混合物よりなる強誘電性高分子と、 ポリ塩化ビニル、ポリイミド類、ポリエーテルアミド、
ナイロン類、ポリシアノアクリレイトのうちから選ばれ
た1種類またはそれらの混合物よりなる非強誘電性高分
子とを混合して形成することを特徴とする強誘電性高分
子薄膜の形成方法。 2.特許請求の範囲第1項において前記強誘電性高分子
と非強誘電性高分子の混合比が、重量比で4:1から1:4の
範囲にある強誘電性高分子の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61291271A JP2660279B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 強誘電性高分子薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61291271A JP2660279B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 強誘電性高分子薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63145353A JPS63145353A (ja) | 1988-06-17 |
JP2660279B2 true JP2660279B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=17766712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61291271A Expired - Lifetime JP2660279B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 強誘電性高分子薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2660279B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1067796C (zh) * | 1995-09-11 | 2001-06-27 | 四川联合大学 | 奇数尼龙高温铁电体的制备方法 |
EP0947556B1 (en) | 1998-04-01 | 2004-11-10 | Solvay Solexis, Inc. | Compatible blends of polyvinylidene fluoride and aromatic polyimide |
US5959022A (en) * | 1998-04-01 | 1999-09-28 | Ausimont Usa, Inc. | Compatible polyvinylidene fluoride blends with polymers containing imide moieties |
TW201631065A (zh) * | 2014-12-17 | 2016-09-01 | 漢高股份有限及兩合公司 | 可印刷鐵電型墨水 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56152103A (en) * | 1980-04-24 | 1981-11-25 | Kureha Chemical Ind Co Ltd | Improved dielectric film |
EP0044702B1 (en) * | 1980-07-23 | 1984-12-27 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Piezoelectric and pyroelectric polymeric blends |
JPS57141462A (en) * | 1981-02-25 | 1982-09-01 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | Paint composition for precoated metal |
JPS57153057A (en) * | 1981-03-18 | 1982-09-21 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | Paint composition for precoated metal |
JPS57187344A (en) * | 1981-05-12 | 1982-11-18 | Kureha Chem Ind Co Ltd | Resin composition |
JPS57202789A (en) * | 1981-06-08 | 1982-12-11 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | Composite piezoelectric material |
DE3234397A1 (de) * | 1982-09-16 | 1984-03-22 | Skw Trostberg Ag, 8223 Trostberg | Klarlack auf basis von polyvinylidenfluorid und verfahren zur beschichtung von metallischen oberflaechen |
JPS6148983A (ja) * | 1984-08-16 | 1986-03-10 | Toray Ind Inc | 強誘電性高分子薄膜 |
JPS6197308A (ja) * | 1984-10-17 | 1986-05-15 | Daikin Ind Ltd | 高分子焦電エンジン材料 |
-
1986
- 1986-12-06 JP JP61291271A patent/JP2660279B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63145353A (ja) | 1988-06-17 |
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Legal Events
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