JP2799741B2 - 有機焦電体およびその製造方法 - Google Patents

有機焦電体およびその製造方法

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善和 高橋
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日本真空技術株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は例えば各種熱センサー、赤外線検出器等の測
定機器等にその焦電性を利用して用いる有機焦電体およ
びその製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、有機焦電体としてポーリング処理されたポリビ
ニリデンフロライドフイルム(以下PVDFフイルムとい
う)等が用いられている。
これら有機焦電体はほとんど同様の方法で製造される
が、例えばPVDFフイルムの製造の場合について示せば次
の通りである。
先ず、例えば原料モノマーとしてフッ変ビニリデンを
蒸留水とベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物触媒と
共に温度60〜80℃で、圧力790〜950気圧の加圧下で反応
させて得られた重合体を、フイルム形成法でシート状の
フイルムに形成する。この形成されたフイルムに延伸処
理を施して対向性を高めた後、該フイルムを温度室温〜
70℃で、電場50〜250MV/mの条件下でポーリング処理を
行って、該フィルムの分子鎖内に存在するCF2原子団が
有する双極子モーメントを分子鎖に沿って同一方向に配
列し、高分子鎖の集合体である高分子フイルムに残留分
極を生じさせ、該フイルムに焦電性を与えて焦電体のPV
DFフイルムを製造する。
尚、PVDFフイルムはフイルムに成形しただけでは、ジ
グザグ(β型)分子と、ヘリクス(α型)分子とが混じ
っている状態なの,で、前記の通り延伸によって高分子
鎖をジグザグ形(βフォーム)にしてからポーリング処
理を行っている。
しかしながら、前記PVDFフイルム等の有機焦電体の製
造方法は、フイルムに焦電性を付与するまでに、原料モ
ノマーの重合工程、フイルム形成工程、延伸工程、ポー
リング工程等のように数多くの工程を必要とするため作
業性が悪く、しかもフイルム形成後に延伸処理を施さな
ければ配向性が得られないので、フイルム状のものしか
得られず、焦電体として基材上にコーテングすることが
出来ない等の問題がある。
また、PVDFフイルムの場合は、フイルム温度が数十度
に達すると次第に軟化が起こって残留分極が減少し、ま
た該温度が100℃付近ではフィルムの弾性率の低下、誘
電率の上昇と共に、焦電率の減少が起こり、第2図中、
曲線Cで示されるようにフィルム温度が100℃以上に達
すると焦電性が消失するので達熱性に乏しく、従って温
度100℃以上では音響デバイスセンサー等に使用するこ
とが困難である等の問題がある。
そこで本出願人は、先に特願平1−104562号で、真空
中でジアミンと、ジイソシアナートとから成る原料モノ
マーを蒸発させこれらを基材上で蒸着重合させて該基材
上にポリ尿素膜を形成し、該ポリ尿素膜にポーリング処
理を施して基板上に有機焦電体の薄膜を形成する方法を
提案した。
(発明が解決しようとする課題) 前記方法で形成された有機焦電体は、第2図中、曲線
Bで示されるように温度が100℃以上に達しても焦電性
が失われることがなく耐熱性に優れている。
しかしながら、温度が100℃付近ではその焦電率はPVD
Fフイルムの場合に比しておおよそ1/4と極めて低いとい
う問題がある。
また、更に焦電率の高い有機焦電体が要求されてい
る。
本発明は、前記問題点を解消し、更に焦電率の高い有
機焦電体およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決ようとする手段) 本発明の有機焦電体は、基材上に積層状に配設された
複数の対向電極間にポーリング処理を施されたポリ尿素
膜を介在させた多層構造体から成ることを特徴とする。
そしてポリ尿素膜の膜厚は、電気絶縁性、熱伝導性等
の観点から一般には500〜10000Å程度とする。
また、電極の膜厚は、電気抵抗、熱伝導性等の観点か
ら一般には500〜2000Å程度とする。
また、多層構造体のポリ尿素膜と電極の層数は、目的
とする焦電率に合わせ適宜選択する。
本発明の有機焦電体の製造方法は、ポリ尿素膜の形成
をジアミンと、ジイソシアナートを原料モノマーとする
蒸着重合で行うと共に、電極の形成を電極材の蒸着によ
り行い、これら蒸着により得られた多層構造体の各対向
電極への電界の印加により該対向電極に挟まれるポリ尿
素膜にポーリング処理を施すことを特徴とする。
ポリ尿素の一方の原料モノマーに用いるジアミンとし
ては、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジ
アミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、p,p′−ジ
アミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
また、他方の原料モノマーに用いるジイソシアナート
としては、4,4′−ジイソシアン酸メチレンジフェニ
ル、4,4′−ジイソシアン酸3,3′−ジメチルジフエニル
等が挙げられる。
また、前記両原料モノマーを蒸発させて基材上で蒸着
重合させる際の真空度としては1×10-4〜1×10-5Torr
程度に設定する。
また、電極の電極材としては、Al、Al−Si合金、C、
Au、ITO膜等が挙げられる。
また、ポリ尿素膜に施すポーリング処理は例えばポリ
尿素膜を180〜230℃程度の解離温度に近い高温度に加熱
し、該ポリ尿素膜に100〜200MV/m程度の電界を所定時間
印加した後、該ポリ尿素膜を室温まで徐冷することによ
り行う。
(作 用) 本発明の有機焦電体は、複数の対向電極間にポーリン
グ処理を施されたポリ尿素膜を介在させた多層構造体に
構成され、ポリ尿素膜と電極膜との接触面積がポリ尿素
膜の層数に比例して大きくなる。従って、任意の層数の
選択により任意の焦電率の焦電体が得られる。
また、本発明の有機焦電体の製造方法は、ポリ尿素膜
の形成をジアミンと、ジイソシアナートを原料モノマー
とする蒸着重合で行うと共に、電極の形成を電極材の蒸
着により行うので、所望の基材上に基板面上に複数の所
望厚の対向電極間に所望厚のポリ尿素膜を介在された任
意の層数の多層構造体を容易に製造することが出来る。
そして、多層構造体の各対向電極に電界を印加するこ
とによって、ポリ尿素膜にボーリング処理を施す。
(実施例) 次に本発明の具体的実施例を比較例と共に説明する。
実施例 全圧が1×10-5Torrに設定された被膜形成室内に保持
されたセラミック(25mm×76mm×厚さ1mm)から成る基
材1(第1図示)に蒸発モニターで電極材の蒸発量を測
定しながら電子ビーム加熱によってアルミニウムを析出
速度600Å/分として蒸着して厚さ1000Åの電極2を形
成した。
尚、電極材の蒸発時における被膜形成室内の圧力は2
×10-5Torrとした。
次に、蒸発モニターでポリ尿素膜の各原料モノマーの
蒸発量を測定しながらヒーターによって温度105±2℃
に加熱された一方の原料モノマーであるp,p′−ジアミ
ノジフエニルメタンと、温度75±2℃に加熱された他方
の原料モノマーである4,4′−ジイソシアン酸メチレン
ジフェニルを夫々蒸発させ、両原料モノマーの析出速度
を10Å/分として、基材1および電極2上に厚さ4000Å
に堆積させた後、基材1および電極膜2上でポリ尿素の
重合反応を起こさせてポリ尿素膜3を形成した。
尚、両原料モノマーは化学量論的にポリ尿素膜3が形
成されるように蒸発量の調整によって1:1のモル比で蒸
発するようにした。また、両原料モノマーの蒸発時にお
ける被膜形成室内の圧力は3×10-5Torrとした。
次いで、前記ポリ尿素膜3上に前記の電極の形成方法
と同様の方法でアルミニウムを蒸着して該ポリ尿素膜3
の一端部3aを除いて厚さ1000Åの電極2の対向電極4を
形成した。
続いて、該電極膜4上に前記のポリ尿素膜の形成方法
と同様の方法で両原料モノマーを蒸着重合させて既に形
成されているポリ尿素膜3の一端部3aと連なるように厚
さ4000Åの新たなポリ尿素膜3を形成した。
更に、新たに形成されたポリ尿素膜3上に前記の電極
の形成方法と同様の方法でアルミニウムを蒸着して該ポ
リ尿素膜3の他端部3bを除いて厚さ100Åの電極4の対
向2を形成した。
そして第1図示例では基材1面上への前記電極の形成
を5回、前記ポリ尿素膜の形成を4回夫々行った。
次に、ポリ尿素膜3と電極2,4が形成された基材1を
被膜形成室内より取り出し温度230℃に加熱し、対向す
る電極2と電極4の間即ち該ポリ尿素膜3に100MV/mの
電界を10分間印加したまま加熱を停止し、ポリ尿素膜の
温度を230℃から室温まで徐冷してポーリング処理を施
して、第1図示のように基材1上に電極2と4が交互に
積層状に配設された対向電極2,4間にポーリング処理が
施された4層のポリ尿素膜3を介在させた多層構造体の
有機焦電体5を作成した。
前記方法で作成された有機焦電体5を温度50℃から15
0℃に加熱しながらポリ尿素膜3の焦電流を測定し、次
式により焦電率(C/m2K)を求めた。
得られた各温度毎の焦電率を第2図に曲線Aとして示
した。
比較例1 基板1上への電極2の形成と、該電極2上へのポリ尿
素膜3の形成と、該ポリ尿素膜3上への電極2の対向電
極4の形成とを夫々1回とした以外は前記実施例と同様
の方法で第3図示のように単層のポリ尿素膜3を備えた
有機焦電体5を作成した。
そして作成された有機焦電体のポリ尿素膜の焦電率を
前記実施例と同様の方法で求め、得られた各温度毎の焦
電率を第2図に曲線Bとして示した。
比較例2 厚さ25μmのPVDFフイルムの両面に電極として厚さ10
00Åのアルミニウムを蒸着した後、該フイルムに温度室
温〜70℃で電界100MV/mの条件下でポーリング処理を行
った。
そしてポーリング処理されたPVDFフイルムの焦電率を
前記実施例と同様の方法で求め、得られた各温度毎の焦
電率を第2図に曲線Cとして示した。
第2図から明らかなように多層構造体の本発明実施例
の有機焦電体は、単層のポリ尿素膜から成る比較例1の
有機焦電体に比しておおよそ4倍の高い焦電率を有しお
り、また比較例2のPVDFフイルムに比しておおよそ2倍
の高い焦電率を有していた。従って本発明の有機焦電体
は温度150℃ないし180℃のような温度下において優れた
焦電性を備えていることが確認された。
(発明の効果) このように本発明の有機焦電体によるときは、複数の
対向電極間にポーリング処理を施されたポリ尿素膜を介
在させた多層構造体としたので、単位面積当たりのポリ
尿素膜と電極膜との接触面積がポリ尿素膜の層数に比例
して大きくなるから、任意の層数を選ぶことによって、
任意の高い焦電率が得られ、かつ耐熱性に優れる等の効
果がある。
また、有機焦電体の製造方法によるときは、ポリ尿素
膜の形成をジアミンと、ジイソシアナートを原料モノマ
ーとする蒸着重合で行うと共に、電極の形成を電極材の
蒸着により行い、これら蒸着により得られた多層構造体
の各対向電極への電界の印加により該対向電極に挟まれ
るポリ尿素膜にポーリング処理を施すようにしたので、
基材上に複数の所望厚の対向電極間に所望厚のポーリン
グ処理を施されたポリ尿素膜を介在させた任意の層数の
多層構造体の有機焦電体を容易に形成することが出来る
等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の有機焦電体の截断面図、第2図は本発
明実施例および比較例における有機焦電体の焦電率と温
度変化との関係を示す特性線図、第3図は従来の有機焦
電体の截断面図である。 1……基材 2,4……電極 3……ポリ尿素膜 5……有機焦電体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に積層状に配設された複数の対向電
    極間にポーリング処理を施されたポリ尿素膜を介在させ
    た多層構造体から成ることを特徴とする有機焦電体。
  2. 【請求項2】ポリ尿素膜の形成とジアミンと、ジイソシ
    アナートを原料モノマーとする蒸着重合で行うと共に、
    電極の形成を電極材の蒸着により行い、これら蒸着によ
    り得られた多層構造体の各対向電極への電界の印加によ
    り該対向電極に挟まれるポリ尿素膜にポーリング処理を
    施すことを特徴とする請求項1に記載の有機焦電体の製
    造方法。
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