JP6395470B2 - 熱可塑性ポリ尿素薄膜、その積層体、およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、PVDFやVDFオリゴマーは、耐熱性に乏しいため、これらの薄膜を使用した焦電センサや圧電センサは、高温環境での使用が困難である等の問題があった。例えば、PVDFフィルムは、温度が数十度に達すると次第に軟化して、残留分極が減少し、100℃付近ではフィルムの弾性率が低下し、110℃以上ではキュリー点を超えて強誘電体から常誘電体に戻り、焦電性、圧電性が大きく低下する問題があった。よって、気温の変動が大きい屋外や、工場など100℃以上の装置の付近などで使用することができなかった。
一方、ポリ(VDF/TrFE)は、耐熱性に優れた高分子圧電体として用いられているが、その融点は高くても170℃程度であり、圧電体として使用できる温度は170℃未満であり、170℃を超えるような高い耐熱性を有するものではなかった。
しかし、真空での蒸着重合法は、薄膜形成速度が0.2〜1nm/分であり、厚みを増やすのに長時間を必要とし、また、薄膜の面積を増やすためには、大きな真空蒸着装置が必要であるので、生産性が低く、コストが高く、さらに薄膜の大面積化が難しいという問題があった。
さらに、ポリ尿素膜の性能を向上させることが難しく、得られたポリ尿素膜は、耐久性が乏しいものであった。また、芳香族成分を含有するモノマーを用いて形成された薄膜は、柔軟性に乏しく、湾曲させることが困難であった。
また、特許文献1〜2では、ポリ尿素膜は、高い温度領域で赤外線センサとして使用したときに、焦電電流に加えて熱活性電流が発生するという問題があった。特許文献1〜2の実施例に示されている、温度と焦電率の関係のグラフでは、温度上昇に伴い、焦電係数が右肩上がりになっている。このように、内部電荷は、40℃未満では発生しない傾向であるが、50℃を超えるような高い温度領域では、薄膜内から表面に出てきて、熱活性電流となり、センサのノイズの原因となる傾向があった。
上記のように、ポリ尿素膜は、センサとして使用するときの環境がより高温であれば、より大きな熱活性電流が発生するので、ポリ尿素膜の製造工程において、センサとして使用する温度よりも高い温度でアニール処理して、ポリ尿素膜内に存在する内部電荷を取り除く必要があった。
しかしながら、ジアミンとジイソシアネートから作製されたポリ尿素は、熱硬化性であり、加熱すると架橋反応を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して、熱可塑性を示さなくなるものであり、したがって、デバイス作製プロセスに加熱工程が入ると、ポリ尿素の強誘電性、焦電性、圧電性の性能が変化するという問題があった。
(1)重合原料がジアミンと二酸化炭素とを含む熱可塑性ポリ尿素の薄膜であって、
赤外吸収分析法(FT−IR)にて測定される、波数1618cm−1の吸収強度(P1)と波数1632cm−1の吸収強度(P2)との比(P1/P2)が、1.1〜3.0であることを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜。
(2)赤外吸収分析法(FT−IR)にて測定される、波数3335cm−1の吸収強度(P3)と波数3360cm−1の吸収強度(P4)との比(P3/P4)が、1.3〜3.2であることを特徴とする(1)記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。
(3)210℃以下の温度において、
D−Eヒステリシスによる残留分極量Prが200mC/m2以上であり、
焦電係数pが2μC/m2・K以上であり、
圧電係数d33及びd33がそれぞれ3.0pC/N以上である
ことを特徴とする(1)または(2)記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。
(4)厚みが0.3μm以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜を製造するための方法であって、熱可塑性ポリ尿素の有機溶媒溶液を用いて、ウェットプロセスにより、基板上に熱可塑性ポリ尿素薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜の製造方法。
(6)上記(5)記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜を製造するための方法であって、熱可塑性ポリ尿素薄膜を40〜210℃の温度でアニール処理する工程を含むことを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜の製造方法。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜の両面または片面に電極が積層されてなることを特徴とする積層体。
(8)上記(7)記載の積層体を製造するための方法であって、アニール処理工程の前または後に、熱可塑性ポリ尿素薄膜にポーリング処理する工程を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
また、本発明の熱可塑性ポリ尿素薄膜は、記憶素子、圧電素子、焦電素子、圧力センサ、振動センサ、スピーカ、熱センサ、振動発電素子等に好適に用いることができる。
一般に、ポリ尿素の赤外吸収分析において、CO伸縮が波長1650cm−1付近に現れ、NH伸縮が波数3330cm−1付近に現れ、NH変角が波数1570cm−1付近に現れる。
本発明の熱可塑性ポリ尿素薄膜は、赤外吸収分析法(FT−IR)にて測定される全反射赤外吸収スペクトルにおいて、波数1700〜1600cm−1の領域において、CO伸縮の吸収ピークが確認され、本発明においては、波数1618cm−1の吸収強度(P1)と波数1632cm−1の吸収強度(P2)との比(P1/P2)は、1.1〜3.0であることが必要である。なお、吸収強度を求める際のベースラインとして、波数1700cm−1の点と1600cm−1の点とを結んだ線を用いた。
上記比(P1/P2)が1.1未満であると、ポリ尿素は、非晶部分が多いことから、焦電性、圧電性の性能が向上しない傾向があり、比(P1/P2)は1.3以上であることが好ましい。また比(P1/P2)が3.0を超えると、ポリ尿素は、結晶化が進みすぎて柔軟性に乏しくなる傾向があり、比(P1/P2)は2.8以下であることが好ましい。
上記比(P3/P4)が1.3未満であると、ポリ尿素は、非晶部分が多いことから、焦電性、圧電性の性能が向上しない傾向があり、比(P3/P4)は1.6以上であることがより好ましい。また比(P3/P4)が3.2を超えると、ポリ尿素は、結晶化が進みすぎて柔軟性に乏しくなる傾向があり、比(P1/P2)は2.8以下であることがより好ましい。
残留分極値Prが高いほど、小さい面積で大きな分極反転電流を実現できることから、強誘電体メモリの小型化、高密度化が可能となる。
焦電係数pが高いほど、焦電センサとして高感度になり、広範囲をセンシングすることが可能となる。
圧電歪定数d33が高いほど、圧電センサとして高感度で反応することや、音響スピーカとして音質の良いものを作製することが可能となる。また、振動発電に用いる場合も電気の変換効率が高くなる。
脂肪族ジアミンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、ジクロロベンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ナフタレンジアミン等が挙げられる。なお、アミノ基は芳香環のいずれの位置にあってもよい。
脂環族ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロペンタン、ビスアミノメチルノルボルナン等が挙げられる。なお、アミノ基は脂肪環のいずれの位置にあってもよい。
本発明の熱可塑性ポリ尿素薄膜は、熱可塑性ポリ尿素を用いた熱プレスにより、また熱可塑性ポリ尿素溶液を用いたウェットプロセスにより、基板上に形成することができる。熱プレスではポリ尿素薄膜の厚みを数μmにすることや、均一にすることが困難であるため、ウェットプロセスであることが好ましい。
溶媒の具体例として、強酸としては、硫酸、ギ酸が挙げられ、ハロゲン系溶媒としては、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロエタノール、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエチルアミン、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸エチルが挙げられ、プロトン性極性溶媒としては、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾールが挙げられ、非プロトン性極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、εカプロラクトン、γブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルが挙げられる。
中でも、溶媒は、沸点及び安全面の点から、有機溶媒であることが好ましく、ハロゲン系溶媒、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒がより好ましく、ハロゲン系溶媒、非プロトン性極性溶媒がさらに好ましく、ハロゲン系溶媒が最も好ましい。
溶媒が、ギ酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロ酢酸である場合は、室温で溶解することができ、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、εカプロラクトン、γブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルである場合は、100℃〜沸点未満の温度で溶解することができる。
本発明においては、塗布法を用いることが好ましい。
塗布法による製膜が可能であることは、有機材料を用いることの最大の利点の一つである。塗布法は、既存の真空プロセスよりはるかに低温で製造可能なプロセスであることから、省エネルギー化が可能であり、コストも抑えることができる。また、塗布法は、ロール・ツー・ロールへ適用することにより、大量生産にも向いており、大面積化も可能であるというメリットを持つ。塗布法により薄膜を形成する場合は、基材への適応性や量産性の観点から、上記塗布法のうち、適した方法を選択することが好ましい。量産性の観点からは、キャスト法、スピンコート法、ディップ法、インクジェット法、グラビアロールコート法を用いることが好ましく、薄膜の均一性の観点からは、スピンコート法を用いることが特に好ましい。
ウェットプロセスで作製した薄膜の表面が凹凸であれば、加熱処理をおこなうことで薄膜表面をより平滑にすることができ、また薄膜を基材に密着させることができる。厚みを均一にするための加熱の場合、表面を融解させる必要があるため、熱可塑性ポリ尿素の融点付近から融点以上の温度にすることが好ましい。
製膜された熱可塑性ポリ尿素溶液を乾燥させる温度は、溶媒を除去できる温度であれば特に限定されず、乾燥方法としては、例えば、室温での風乾、窒素下での加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。
このアニール処理工程は、下記ポーリング処理工程の前または後どちらでおこなってもよいが、ポーリング処理工程の前におこなうほうが好ましい。ポーリング処理工程の後におこなうと、ポーリング処理により向きが揃えられた熱可塑性ポリ尿素の分極が、アニール処理の熱により揺らぎ、熱可塑性ポリ尿素薄膜は、強誘電性、焦電性、圧電性の特性が低下する可能性がある。
室内などの低温度の環境で使用するセンサやメモリ等に熱可塑性ポリ尿素薄膜を用いる場合、熱可塑性ポリ尿素薄膜は、熱活性電流の原因となる内部電荷の発生が少ないため、アニール処理をおこなわなくてもよい。しかし、室外や高温の装置の付近などの高温環境で使用するセンサやメモリ等に用いる場合は、アニール処理した熱可塑性ポリ尿素薄膜を用いないと、使用初期に内部電荷により熱活性電流が発生し、センサなどのノイズの原因となる可能性があるので、熱可塑性ポリ尿素薄膜は、アニール処理をおこなうことが好ましい。
アニール処理の温度は、薄膜をセンサ等として使用する環境の温度によって適宜選択することができ、好ましくは40℃以上である。例えば、センサとして使用する環境の最大温度が100℃あれば、100℃を超える温度でアニール処理をおこなうことが好ましく、最大温度が150℃であれば、150℃を超える温度でアニール処理をおこなうことが好ましい。なお、アニール処理の温度は、熱可塑性ポリ尿素の融点未満であることが好ましく、210℃以下であることがより好ましい。融点以上の温度で処理すると、熱可塑性ポリ尿素は軟化、溶融する。
したがって、本発明の製造方法においては、熱可塑性ポリ尿素薄膜を40〜210℃の温度でアニール処理する工程を含むことが好ましい。
アニール処理の時間は、熱活性電流の原因となる内部電荷をすべて除去し、時間経過における強誘電特性の残留分極率、焦電特性の焦電係数、圧電特性の圧電歪係数が一定になり安定するところまでおこなうことが好ましい。よって、アニール処理時間は0.5時間以上が好ましく、1.0時間以上がより好ましく、3.0時間以上がさらに好ましい。なお、結晶化は、数時間程度のアニール処理で一定となる。
アニール処理は、真空下や窒素下の環境でおこなうことが好ましい。酸素存在下でアニール処理をおこなうと、熱可塑性ポリ尿素薄膜は、劣化によって着色したり、分解したりして性能が低下する可能性がある。
アニール処理後の冷却方法として、自然冷却法、数℃/minなど降温速度での徐冷法、液体窒素などでの急冷法が挙げられ、結晶性を向上させるために、自然冷却法や徐冷法が好ましい。
熱可塑性ポリ尿素薄膜の下部電極は、たとえば、ポリ尿素薄膜が形成される前の絶縁性基板上に、また熱可塑性ポリ尿素薄膜の上部電極は、形成されたポリ尿素薄膜上に、それぞれ、スパッタ法、ペースト塗布法もしくは蒸着法によって形成することができる。
電極を構成する材料として、前述の基板を構成する金属材料;ITO、FTO、ATO、SnO2等の透明導電性酸化物;カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素材料;ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT等のポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の導電性高分子材料等が挙げられ、Pt、Au、W、Ta、Al、Cr、Ti、Cu、ITO、FTO、ATO、カーボンナノチューブ、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレンが好ましく、Pt、Au、Al、Cr、Ti、Cu、ITO、FTO、カーボンナノチューブ、ポリピロール、PEDOT、ポリチオフェン、ポリアニリンがより好ましく、Pt、Au、Al、Cr、Ti、Cuがさらに好ましい。
ポーリング処理により、熱可塑性ポリ尿素薄膜は、分子鎖の電気双極子が一方向に揃えられ、高い残留分極を有するようになり、強誘電体材料、焦電体材料、圧電体材料とすることができる。
ポーリング処理法としては、公知のコロナポーリング法やダイレクトポーリング法を適用することができる。例えば、薄膜の一方または上下に電極を積層し、積層体を必要に応じて所定の温度に加熱し、そのままの状態を保持し、薄膜の表裏から高電場を一定時間印加し、次いで、冷却する方法が挙げられる。
電極が形成された熱可塑性ポリ尿素薄膜の積層体は、各種デバイスに利用することができる。利用可能なデバイスとして、液晶配向膜、有機物もしくは無機物蒸着時の配向誘起膜、不揮発メモリ(FE−RAM)、有機メモリ、赤外線センサ、マイクロホン、スピーカ、音声付ポスター、ヘッドホン、電子楽器、人工触覚、脈拍計、補聴器、血圧計、心音計、超音波診断装置、超音波顕微鏡、超音波ハイパーサーミア、サーモグラフィー、微小地震計、土砂崩予知計、近接警報(距離計)侵入者検出装置、キーボードスイッチ、水中通信バイモルフ型表示器、ソナー、光シャッター、光ファイバー電圧計、ハイドロホン、超音波光変調偏向装置、超音波遅延線、超音波カメラ、POSFET、加速度計、工具異常センサ、AE検出、ロボット用センサ、衝撃センサ、流量計、振動計、超音波探傷、超音波厚み計、火災報知器、侵入者検出、焦電ビジコン、複写機、タッチパネル、吸発熱反応検出装置、光強度変調素子、光位相変調素子、光回路切換素子、振動発電素子などが挙げられる。
(1)赤外吸収分析法
熱可塑性ポリ尿素薄膜の結晶構造の分析として、赤外吸収スペクトルの測定をおこなった。装置は、赤外分光計FTIR−660(日本分光社製)を用い、測定は、真空下(真空ポンプ引き)で、透過法を用いて積算1024回、分解能2〜4cm−1、MCT検出器でおこなった。
なお、赤外吸収分析法用の試料は、実施例、比較例において使用した石英基板(500μm)に代えて、シリコン基板(抵抗率1〜10Ωcm、低ドープP型)を使用した以外は、各実施例、比較例に記載された条件で、シリコン基板上に直接ポリ尿素薄膜を形成したものを用いた。シリコン基板は赤外線が透過するので、ノイズもなく熱可塑性ポリ尿素薄膜を測定することが可能である。
各実施例、比較例に記載された条件でシリコン基板上に形成された熱可塑性ポリ尿素薄膜の面について、赤外吸収スペクトルを測定し、波数1700〜1600cm−1の領域において、CO伸縮の吸収ピークを確認後、波数1700cm−1の点と1600cm−1の点とを結んだ線をベースラインとし、これを基準として、波数1618cm−1の吸収強度(P1)と、波数1632cm−1の吸収強度(P2)を求め、比(P1/P2)を算出した。
同様に、波数3500〜3200cm−1の領域において、NH伸縮の吸収ピークを確認後、波数3500cm−1の点と3200cm−1の点とを結んだ線をベースラインとし、これを基準として、波数3335cm−1の吸収強度(P3)と、波数3360cm−1の吸収強度(P4)を求め、比(P3/P4)を算出した。
熱可塑性ポリ尿素薄膜の結晶の大きさについて、X線回折法による分析をおこなった。装置は、X線回析装置UltimaIV(リガク社製)を用い、測定は、Scanning Mode 2Theta/Theta、X−Ray 40kV/40mA、step 0.05度、speed 0.05度/minでおこなった。
強誘電特性評価は、実施例1にその条件を記載するように、ポーリング処理中におこない、最大の残留分極を測定した。
焦電特性評価は、下部電極/ポリ尿素薄膜/上部電極からなる熱可塑性ポリ尿素薄膜の積層体に、直流106MV/mの条件で5秒間ポーリング処理をおこない、残留分極Prが200mC/m2以上であるサンプルを作製し、これを用いた。
作製したサンプルの焦電特性評価は、黒体炉からの放射赤外線を、チョッパーを通してサンプルへ照射し、チョッピングした赤外線への出力応答電圧をロックイン検出した。その後、温度勾配を三角波で出力し、生じた焦電電流(短形波)から焦電係数を算出した。なお、電流測定装置は、半導体評価装置4200(TFFケースレーインスツルメンツ社製)を用いて、温度勾配は0.84−1.08℃/min、測定温度は表1に記載の温度(温度範囲は、それぞれ50±2.5℃、100℃±2.5℃、150℃±2.5℃、200℃±2.5℃、240℃±2.5℃)でおこなった。
圧電特性評価は、上述した焦電特性評価と同様の方法で作製したポーリング処理後の積層体を用いた。測定装置は、レーザ干渉変位計システム(小野測器社製)を用いた。圧電測定は、電場(分極)方向の圧電歪定数d33(pC/N)と、電場方向と垂直な方向の圧電歪定数d31(pC/N)の測定をおこなった。測定方法は、電極で挟まれた熱可塑性ポリ尿素薄膜の積層体に交流電界を印加(AC:25〜100V、AC周波数:2000Hz)した際の振動を、レーザードップラー計で測定し、d33とd31それぞれの圧電歪定数を算出した。
[熱可塑性ポリ尿素の製造]
反応容器に1,11−ジアミノウンデカンを投入した後、二酸化炭素をバブリングして、5〜10MPa、180〜220℃、15時間の条件で重合反応をおこなって重合度30の熱可塑性ポリ尿素を製造した。
[熱可塑性ポリ尿素溶液の調製]
得られた熱可塑性ポリ尿素をヘキサフルオロイソプロパノール(以下、HFIPと略す)に25℃で溶解し、濃度4.0質量%の熱可塑性ポリ尿素溶液を得た。
石英基板(500μm)上に、下部電極として厚さ100nmのAlを蒸着した。その後、石英基板の温度を15〜25℃に調節し、石英基板の下部電極上に、熱可塑性ポリ尿素溶液を、スピンコート法を用いて、2000rpm30秒の条件で、ポリ尿素薄膜(1.2μm)を作製した。
溶媒を除去し、表面を平滑化するために、メルト−クエンチ処理として窒素雰囲気下で、融点+50℃、30秒間の熱処理をおこない、熱処理後、液体窒素にて急冷し、表面が平滑なポリ尿素薄膜を作製した。
[アニール処理]
メルト−クエンチ後、ポリ尿素薄膜の結晶化を促進し、また熱活性電流の原因である内部電荷を取り除くために、真空雰囲気下で150℃、3時間のアニール処理をおこない、アニール処理後、室温に戻るまで窒素雰囲気下で4℃/minで徐冷した。
[積層体の製造]
アニール処理後のポリ尿素薄膜上に、厚さ60nmのAlを蒸着して上部電極を形成し、下部電極(Al、100nm)/ポリ尿素薄膜(1.2μm)/上部電極(Al、60nm)からなる構造の積層体を形成した。
得られた積層体をポーリング処理し、また強誘電性を評価するために、積層体の上部電極と下部電極との間に、三角波電圧を印加して、積層体の電束密度−電界(D−E)特性を測定した。なお、振幅電界は直流106MV/mまで昇圧し、周波数は、100Hzを超えると強誘電性が得られないため、0.01Hzから100Hzの間とした。電束密度−電界(D−E)特性を測定し、分極反転電流が確認されたら、D切片から残留分極量Prを求めた。
ポーリング処理で、Prが200mC/m2以上かつ最大Prまで、昇圧を繰り返した後、電圧の印加と基板の加熱を終了し、自然冷却をおこなった。
その結果を表1に示す。最大のPrは350mC/m2であり、大きな残留分極が得られた。
[焦電特性評価]
上述した強誘電体薄膜を用いて焦電性評価をおこなった。焦電電流の測定は、150±2.5℃の温度範囲でおこなった。
その結果を表1に示す。焦電係数は28μC/m2であり良好な焦電特性が得られた。
[圧電特性評価]
上述した強誘電体薄膜または焦電性薄膜を用いて圧電性評価をおこなった。圧電電流の測定は、150℃でおこなった。
その結果を表1に示す。圧電歪係数d33は7.0pC/N、d31は8.0pC/Nとなり、良好な圧電特性が得られた。
表1に示したように、原料のジアミンや有機溶媒の種類、薄膜厚み、アニール温度を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
延伸処理を施した厚さ25μmのPVDFフィルム(クレハ社製)を用いて、フィルムの上下に電極としてAlを蒸着し、下部電極(Al、100nm)/延伸PVDFフィルム(25μm)/上部電極(Al、60nm)からなる積層体を作製してポーリング処理をおこない残留分極を測定した。その後、同じ積層体にて焦電係数、圧電歪係数を測定した。
P(VDF/TrFE)(東レ社製)をジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)に25℃で溶解し、P(VDF/TrFE)溶液を得た。この溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、薄膜、下部電極(Al、100nm)/P(VDF/TrFE)薄膜(1.2μm)/上部電極(Al、60nm)からなる積層体を作製し、次いでポーリング処理をおこない残留分極を測定した。その後、同じ積層体にて焦電係数、圧電歪係数を測定した。
比較例3、4において、真空下でジアミンとジイソシアネートの蒸着重合をおこない、Al蒸着(100nm厚)石英基板上に、ポリ尿素強誘電体薄膜を作製した。すなわち、長さ500mm、内径650mmのステンレス鋼製の真空槽において、排気系として、油拡散ポンプを使用した。そして、それぞれの蒸発源中のモノマーをハロゲンランプにより所定の温度まで上昇させた後、シャッターを開けて蒸発させ、石英基板のAl蒸着面上に、重合膜を形成させた。蒸発源のモノマーは熱電対により制御し、重合膜の膜厚は水晶振動モニターにより制御した。
次いで作製した重合膜に、真空槽で、Alを60nm蒸着させて、基板上に、下部電極(100nm厚)/ポリ尿素薄膜(0.2μm厚)/上部電極(60nm厚)からなる積層体を作製し、次いでポーリング処理をおこなった。その結果を表1に示す。
図1に、X線回折法による、アニール処理に伴う熱可塑性ポリ尿素薄膜の結晶化の構造変化を示す。図1に示すように、アニール処理をおこなった実施例1では、アニール処理をおこなっていない比較例5に比べて、001及び010で結晶化の強度ピークが大きくなっており、かつ、ピークが鋭くなっていることから、アニール処理をおこなうことで、結晶化が促進され、結晶が大きくなっていることが確認された。
図2に、赤外吸収分析法(FT−IR)による、アニール処理に伴う熱可塑性ポリ尿素強誘電体薄膜の配向変化を示す。図2に示すように、アニール処理をおこなった実施例1では、アニール処理をおこなっていない比較例5に比べて、CO伸縮が右側にシフトし、結晶化が促進したことが確認された。波数1618cm−1の吸収強度(P1)と波数1632cm−1の吸収強度(P2)との比(P1/P2)が、アニール処理をおこなった実施例1では2.0、アニール処理をおこなっていない比較例5では0.4であり、強度比が大きくなっていることが確認された。また、NH伸縮の吸収ピーク強度において、波数3335cm−1の吸収強度(P3)と波数3360cm−1の吸収強度(P4)との比(P3/P4)がアニール処理をおこなった実施例1では2.0、アニール処理をおこなっていない比較例5では1.1であり、強度比が大きくなっていることが確認された。
図3は、アニール処理をおこなった実施例9と、アニール処理をおこなっていない比較例6の結果であり、CO伸縮における比(P1/P2)は、実施例9では1.5、比較例6では0.3であり、NH伸縮における比(P3/P4)は、実施例9では1.9、比較例6では1.0であり、実施例9では実施例1と同様に強度ピーク比が大きくなっていることが確認された。
実施例4、5のポリ尿素は、融点が270℃であり、270℃未満の温度であれば溶融することなく、焦電・圧電の測定をすることができた。
実施例1〜5の結果から、アニール温度を高くすることで残留分極量は低下するが、焦電係数・圧電歪係数は向上することが確認された。
実施例1、6〜9の結果から、炭素数が奇数であり、かつ、炭素数が少ないジアミンを原料とするポリ尿素薄膜の方が、高い残留分極量・焦電能率・圧電応力係数が得られることがわかった。また、実施例1、10〜13の結果から、薄膜の厚みを大きくすることで、焦電係数・圧電歪係数が向上することが確認された。
比較例3〜4の、ジアミンとジイソシアネートの蒸着重合によって得られた薄膜は、実施例の薄膜に比べ性能が低く、残留分極率Prが160mC/m2と低かった。また、厚みが薄いことから強度が低いものであり、柔軟性に乏しいものであった。さらに、真空中で2種類のモノマーを蒸着重合させるので、薄膜作製に多大な時間を要し、さらに製造工程が複雑であった。また、ジアミンとジイソシアネートから作製されたポリ尿素は熱硬化性樹脂であり、加熱すると架橋反応を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して、熱可塑性を示さなくなった。よって、デバイス作製プロセスに加熱工程が入ると、ポリ尿素の強誘電性、焦電性、圧電性の性能が変化するという問題が発生した。
比較例5〜6において、実施例1、4でおこなったアニール処理をおこなわなかったところ、実施例の薄膜に比べ性能が低いものとなった。図4に、アニール未処理でポーリング処理をおこなった比較例5のポリ尿素薄膜について、150℃定温での時間経過における焦電係数の変化を示す。アニール処理が未処理であるとポリ尿素薄膜内に内部電荷が存在し、高温環境において初期に熱活性電流が発生し、焦電電流との見分けがつかなかった。よって高温領域でセンサとして使用するには非常に不安定なものであった。なお、150℃の定温条件において2900秒程度の時間経過後には、電流値が0となっていることから、この条件でアニール処理すれば、内部電荷が完全に除去できることが確認された。
Claims (8)
- 重合原料がジアミンと二酸化炭素とを含む熱可塑性ポリ尿素の薄膜であって、
赤外吸収分析法(FT−IR)にて測定される、波数1618cm−1の吸収強度(P1)と波数1632cm−1の吸収強度(P2)との比(P1/P2)が、1.1〜3.0であることを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜。 - 赤外吸収分析法(FT−IR)にて測定される、波数3335cm−1の吸収強度(P3)と波数3360cm−1の吸収強度(P4)との比(P3/P4)が、1.3〜3.2であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。
- 210℃以下の温度において、
D−Eヒステリシスによる残留分極量Prが200mC/m2以上であり、
焦電係数pが2μC/m2・K以上であり、
圧電歪係数d33及びd31がそれぞれ3.0pC/N以上である
ことを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。 - 厚みが0.3μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜を製造するための方法であって、熱可塑性ポリ尿素の有機溶媒溶液を用いて、ウェットプロセスにより、基板上に熱可塑性ポリ尿素薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜の製造方法。
- 請求項5記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜を製造するための方法であって、熱可塑性ポリ尿素薄膜を40〜210℃の温度でアニール処理する工程を含むことを特徴とする熱可塑性ポリ尿素薄膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリ尿素薄膜の両面または片面に電極が積層されてなることを特徴とする積層体。
- 請求項7記載の積層体を製造するための方法であって、アニール処理工程の前または後に、熱可塑性ポリ尿素薄膜にポーリング処理する工程を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
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