JP2659916B2 - 耐火二層管継手とその製造方法及びその継手を用いた耐火二層管接合部構造 - Google Patents

耐火二層管継手とその製造方法及びその継手を用いた耐火二層管接合部構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火二層管継手とその
製造方法及びその継手を用いた耐火二層管接合部構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に硬質塩化ビニル等の合成樹脂製の
内管を耐火性を有する外管、例えば繊維強化モルタル被
覆管で被覆した耐火二層管は、内管が合成樹脂製である
ことから、内周面が滑らかで耐薬品性、耐水性に優れ、
かつ外管によって被覆されて耐火性及び断熱性に優れる
ことから建造物の給水管、排水管、換気用の通気管及び
配電管等に広く使用されている。
【0003】この耐火二層管を連結するには、耐火二層
管継手が使用され、この耐火二層管継手も硬質塩化ビニ
ル等の合成樹脂製の内管及びこの内管を被覆する耐火性
外管、例えば繊維強化モルタル被覆管を有している。
【0004】この耐火二層管継手を用いた耐火二層管の
接合部構造について図5によって説明する。
【0005】図5は一対の耐火二層管直管21、21を
耐火二層管継手24によって互いに連結する接合部を示
す断面図である。
【0006】耐火二層管直管21、21は、硬質塩化ビ
ニル等の合成樹脂製の内管22、22と、この内管2
2、22を被覆する繊維強化モルタル被覆管等の耐火性
及び断熱性を具備する外管23、23とを有する。一方
耐火二層管継手24も硬質塩化ビニル等の合成樹脂から
なる内管25と内管25を被覆する繊維強化モルタル等
からなる耐火性及び断熱性を具備する外管26を有し、
内管25の受け口端部25a、25aの内径は耐火二層
管直管21、21の内管22、22の開口端部22a、
22aが嵌入可能な寸法であって、その内周面中央部に
は嵌入された内管22、22の嵌入量を規制するための
環状突起25bが形成されている。
【0007】耐火二層管直管21、21を耐火二層管継
手24を介して互いに連結するには、連結すべき耐火二
層管直管21、21の各外管23、23の開口端部から
突出した内管22、22の開口端部22a、22a外周
に接着剤を予め塗布し、これら開口端部22a、22a
を耐火二層管継手24の内管25の両受け口端部25
a、25aへ各々挿入嵌合して耐火二層管直管21、2
1の外管23、23の開口端部23a、23aを耐火二
層管継手24の外管26、26の受け口端部26a、2
6aに当接させることにより連結する。
【0008】次に耐火二層管直管21、21の外管2
3、23の開口端部23a、23aと、耐火二層管継手
24の外管26の受け口端部26a、26aとの当接部
には耐火二層管直管21、21の外管23、23の製造
及びこれを切断する際の加工精度等に起因して隙間が生
じ、また耐火二層管直管21、21の外管23、23
と、耐火二層継手24の外管26とが不連続であるこ
とから珪酸ソーダまたはセメントを主原料とする乾燥硬
化性目地材27を紐状に伸ばし、耐火二層管直管21、
21の外管23、23の開口端部23a、23aと耐火
二層継手24の外管26の受け口端部26a、26a
との当接部へ巻きつけるようにして被覆する湿式目地工
法による目地処理が施されている。
【0009】また他の目地処理としては乾式目地工法が
実施されている。この工法は耐火二層管直管の外管の外
周面と耐火二層管継手の外管の外周面との段差に相応し
て断面階段状に折曲した帯状の金属製目地カバーを耐火
二層管直管の外管の外周面と管継手外管の外周面との間
に架け渡して巻回し、その両端部間をビス及びナット等
により締めつけ装着するものである。
【0010】更に他の目地処理としては、平板帯状の金
属製目地カバーを、その一方の側縁が耐火二層管直管の
外管端部を覆うように耐火二層管継手の外管受け口端部
に巻回して取付け、耐火二層管直管の外管の開口端部と
金属製目地カバーとの間に生じる隙間に乾燥硬化製目地
材或いは他の不燃材からなる目地充填材を充填する等の
方策がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した前者湿式目地
工法による目地処理にあっては、耐火二層管直管と耐火
二層管継手との当接部に施す目地材が経時硬化するに従
って収縮し、亀裂及び剥離が発生して目地材の脱落を誘
発することもあり、また炭酸化による劣化を招き、長期
間安定した目地機能を維持するのが困難である等の不具
合を生じることがある。
【0012】一方後者、金属製目地カバーを用いる目地
処理にあっては、目地カバーの寸法形状が予め設定され
ていることから、耐火二層管直管及び耐火二層管継手の
製造上の寸法精度の誤差等に基づく形状変形、例えば断
面形状が楕円形状等に変形した場合、その取り付け作業
に困難を来たし、かつ目地カバーが金属製であることか
ら、特に給水管等に使用した場合十分な断熱性能が得ら
れず結露して目地カバーを腐食させ、更に目地充填剤に
結露が発生すると目地充填剤を溶解して充填剤が流出す
る等長期に亙って安定した目地処理機能の確保が困難で
あることがある。
【0013】更にこれら目地処理は建造物への配管作業
が完了した後に施すことから、その作業空間が制限さ
れ、作業が煩わしく均一な目地処理機能の確保が得がた
く、また目地処理個所を見落すおそれがある。
【0014】従って、本発明の目的は、長期間に亙って
安定した耐火二層管直管と耐火二層管継手との接合部の
目地処理機能が維持され、作業の簡素化及び目地処理個
所の見落しによる品質低下を招くことのない耐火二層管
継手とその製造方法及びその継手を用いた耐火二層管接
合部構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による耐火二層管継手は、合成樹脂製の内管
と、この内管を被覆する耐火性及び断熱性を有する外管
とからなる耐火二層管直管の前記内管の開口端部が受け
口端部に接合する合成樹脂製の内管と、この内管を被覆
して前記耐火二層管直管の外管の開口端部が環状パッキ
ンを介して受け口端部に接合する耐火性及び断熱性を有
する外管とからなる耐火二層管継手において、上記環状
パッキンが不燃性無機質繊維断熱材からなり、圧縮変形
可能であって、この環状パッキンが耐火二層管継手の内
管の受け口端部外周を包囲し、直管外管開口端部との接
合面が内管の受け口端部より接合すべき耐火二層管直管
側へ突出して前記耐火二層管継手外管の受け口端部に合
成されていることを特徴とするものである。また、本発
明による耐火二層管継手の製造方法は、合成樹脂製の内
管と、この内管を被覆する耐火性及び断熱性を有する外
管と、外管の受け口端部に合成し、かつ内管の受け口端
部外周を包囲する不燃性無機質繊維断熱材からなる環状
パッキンとを有する耐火二層管継手の製造方法におい
て、内管の受け口端部外周に環状パッキンを嵌着し、露
出する内管の外周面を未硬化状態の耐火性及び断熱性を
有する外管材料で被覆して硬化せしめて受け口端部に環
状パッキンが合成された外管を形成することを特徴とす
るものであり、本発明による耐火二層管継手の他の製造
方法は、合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する耐火
性及び断熱性を有する外管と、外管の受け口端部に合成
し、かつ内管の受け口部端部外周を包囲する不燃性無機
質繊維断熱材からなる環状パッキンとを有する耐火二層
管継手の製造方法において、内管の受け口端部外周に環
状型を嵌着し、露出する内管の外周面を未硬化状態の耐
火性及び断熱性を有する外管材料で被覆して硬化せしめ
て外管を形成し、しかる後前記環状型を脱離し、その脱
離跡に内管の受け口端部外周を包囲する環状パッキンを
装着して外管の受け口端部に環状パッキンを合成したこ
とを特徴とするものである。さらに本発明による耐火二
層管継手を用いた耐火二層管接合部構造は、合成樹脂製
の内管と、この内管を被覆する耐火性及び断熱性を有す
る外管とからなる耐火二層管直管と、合成樹脂製の内管
及びこの内管を被覆する耐火性及び断熱性を有する外管
とからなる耐火二層管継手とを連結する耐火二層管接合
部構造において、互いに連結すべき耐火二層管直管の内
管の開口端部と耐火二層管継手の内管の受け口端部とを
接合するとともに、耐火二層管直管の外管の開口端部
と、耐火二層管継手の外管の受け口端部との間に、予め
耐火二層管継手の外管の受け口端部に合成され、内管外
周を包囲する不燃性無機質繊維断熱材からなる環状パッ
キンを介装したことを特徴とするものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明における耐火二層管継手とその
製造方法及びそれを用いた耐火二層管接合部構造の一実
施例を図によって説明する。
【0017】図1は、耐火二層管継手1を介して耐火二
層管直管6、6を互いに連結する接合部を示す断面説明
図であって、図2は、耐火二層管継手1と耐火二層管直
管6、6との接合状態を示す断面説明図である。
【0018】耐火二層管直管6、6は、硬質塩化ビニル
等の合成樹脂製の内管7、7とこの内管7、7を断熱層
となりかつ内管7、7の熱膨張を吸収する空気層である
空間部8、8を介して被覆する耐火性及び断熱性を有す
る耐火断熱管、例えば繊維強化モルタル被覆管等の外管
9、9とを有している。
【0019】一方耐火二層管継手1は、上記耐火二層管
直管6、6同様硬質塩化ビニル等の合成樹脂製の内管2
と、空気層からなる空間部3を介して被覆する繊維強化
モルタル被覆管等の外管4と、内管2の受け口端部2
a、2a外周を包囲して外管4の受け口端部4a、4a
に合成する不燃性を有する無機質繊維断熱材からなる環
状パッキン5、5とを有し、内管2は耐火二層管直管
6、6の内管7、7の開口端部7a、7aが嵌入可能な
内径dを有し、内周面の中央部には嵌入する内管7、7
の開口端部7a、7aが当接して内管7、7の嵌入量を
規制する環状突起2bが形成され、かつ内管2の受け口
端部2a、2aが外管4の受け口端部4a、4aから寸
法a1 、例えば略5〜9mm、望ましくは8mm外方へ
突出するよう構成されている。
【0020】無機質繊維断熱材からなる環状パッキン
5、5は、圧縮変形可能であって外管4の受け口端部4
a、4aと略同じ厚さtを有し、内管2の受け口端部2
a、2aの外周に寸法a1 だけ重畳し、かつ耐火二層管
直管6、6の外管9、9の開口端部9a、9aと当接す
る接合面5a、5aが内管2の受け口端部2a、2aか
らa2 、例えば0〜6mm望ましくは2mm程度突出す
るように構成される。
【0021】このような耐火二層管継手1を製造する方
法は、例えば硬質塩化ビニル等の合成樹脂の内管2の受
け口端部2a、2aの外周に環状パッキン5、5を所定
寸法a1 重畳するように嵌着し、この外周を間隙をもっ
て分割可能な外管成形用金型(図示せず)で被覆する。
【0022】次に外管成形用金型の内周面と、内管2
と、環状パッキン5、5とによって囲まれた間隙に未硬
化状態の外管材料である繊維、セメント及び水等の混練
物を圧入充填して環状パッキン5、5で被覆されない露
出する内管2の外周面、即ち離間した一対の環状パッキ
ン5と環状パッキン5の間に位置する内管2の外周面を
被覆し、しかる後、外管成形用金型を分割して未硬化状
態の外管材料で被覆された内管2を外管成形用金型から
取り出す。
【0023】続いて、熱風、蒸気または温水その他の方
法で加熱せしめ、加熱によって内管2を膨張させて、内
管2の外周面を被覆する未硬化状態の外管材料を押し広
げ、拡径させる。そして加熱時間の進行に伴って外管材
料が硬化して外管4が形成される。
【0024】その後冷却することにより合成樹脂からな
る内管2を縮径させる。内管2が縮径しても外管4は内
管2の縮径に追従することなく、内管2と外管4との間
に空間部3が形成され、かつ外管4の受け口端部4a、
4aに環状パッキン5、5が付着した合成状態となり、
耐火二層管継手1となる。
【0025】また耐火二層管継手1の他の製造方法につ
いて説明すると、合成樹脂製の内管2の各受け口端部2
a、2aの外周に環状金型を遊嵌し、内管2の外周を間
隙をもって前記同様分割可能な外管形成用金型で被覆す
る。
【0026】続いてこれら内管2と、環状金型と、外管
成形用金型によって囲まれた間隙に、前記同様未硬化状
態の外管材料を圧入充填して環状金型で被覆されていな
い露出する内管2の外周面、即ち互いに離間した一対の
環状金型間に位置する内管2の外周面を外管材料で被覆
する。続いて外管成形用金型を分割して未硬化状態の外
管材料で被覆され、かつ環状金型を具備する内管2を外
管成形用金型から取り出す。
【0027】続いて前記同様、加熱せしめて内管2を膨
張させて内管2を被覆する未硬化状態の外管材料を押し
広げて拡径させ、かつ外管材料を硬化させて外管4を形
成する。しかる後冷却することにより内管2を縮径させ
て内管2と外管4との間に空間部3を形成する。
【0028】次に硬化した外管4及び内管2から環状金
型を脱離し、外管4の受け口端部4a、4aに環状金型
によって形成される環状の脱離跡に内管2の受け口端部
2a、2a外周を包囲する環状パッキン5、5を嵌合し
て外管4の受け口端部4a、4aと環状パッキン5、5
との合成を図り、耐火二層管継手1となる。環状パッキ
ン5は、円弧状に分割された無機質繊維断熱材からなる
複数のパッキン部材によって構成することも、また無機
質繊維断熱材からなる帯状体を環状に巻回して形成する
ことも可能である。
【0029】このように構成された耐火二層管継手1に
よって耐火二層管直管6、6を接合するには、先ず耐火
二層管直管6、6を要求長さに切断して準備する。耐火
二層管直管6、6の切断は、図3(a)に示す耐火二層
管直管6の内管7を図3(b)に示すように管側外管9
の一方の開口端部9aから耐火二層管継手1の内管2の
受け口端部2a内へ挿入すべき長さLの2倍の長さ2L
の長さだけ引き出し、図3(c)のように外管9の開口
部から要求長さBの位置を、切断工具、例えば金鋸(図
示せず)によって外管9及び内管7を管軸に対して直角
になるように切断する。切断後、図3(d)に示すよう
に、内管7の両端が各々等寸法、即ち耐火二層管継手1
の内管2へ挿入すべき長さLになるまで押し戻すことに
よってなされる。
【0030】次に、耐火二層管直管6、6の内管7、7
の開口端部7a、7a外周面に接着剤を塗布し、これら
開口端部7a、7aを耐火二層管継手1の内管2の両受
け口端部2a、2aへ挿入嵌合して開口端部7a、7a
を環状突起2bに当接せしめて耐火二層管継手1の内管
2と耐火二層管直管6、6の内管7、7との一体化を図
り、かつ耐火二層管継手1の外管4の両受け口端部4
a、4aに合成された環状パッキン5、5を、耐火二層
管継手1の外管4の受け口端部4a、4aと、耐火二層
管直管6、6の外管9、9の開口端部9a、9aとの間
に押圧圧縮した状態で介装することにより耐火二層管継
手1を介して耐火二層管直管6、6を一体的に接合す
る。
【0031】このように形成された耐火二層管接合部構
造によれば耐火二層管継手1によって互いに接合された
耐火二層管直管6、6は施工時において、立管、即ち耐
火二層管直管6、6が耐火二層管継手1を介して管軸が
上下方向に延びる上下関係に配置され、耐火二層管直管
6、6の外管9、9が内管7、7に対して自重によって
下方へ滑動した場合でも耐火二層管継手1の内管2の受
け口端部2a、2aが外管4の受け口端部4a、4aに
より寸法a1 だけ突出し、かつ環状パッキン5、5が内
管2、2外周を包囲するよう配置することから、耐火二
層管直管6、6の外管9、9の開口端部9a、9aと内
管2の受け口端部2a、2aとが当接して外管9、9の
開口端部9a、9aと外管4の受け口端部4a、4aと
の間に寸法a1 の間隙が形成され、環状パッキン5が過
度に圧縮されることなく、外管4の受け口端部4a、4
aと外管9、9の開口端部9a、9aとにより押し潰さ
れて環状パッキン5、5が破損することが回避できる。
【0032】耐火二層管継手1の外管4の受け口端部4
aに合成される環状パッキン5の具体的な材質は、例え
ばセラミック繊維であって、一般の建造物用の給水、排
水用耐火二層管継手等に使用するものにおいては、非装
着状態での密度が80〜350kg/m3 でかつ幅寸法
aが2mm以上であれば耐火性能、防露性能及び施工性
において十分対応し得るが、耐火試験、防露試験並びに
施工実験より密度220〜250kg/m3 、幅寸法a
が6〜10mm程度が望ましく、また防水処理が施され
ていることが望ましい。
【0033】また、施工後、環状パッキン5の外周等の
部分に耐火塗料のような耐火性を有する材料を塗布する
ことにより環状パッキン5の固形性乃至固着性を高め、
かつ環状パッキン5自体に耐水性を持たせる必要をなく
すことにより、環状パッキン5の密度を例えば80kg
/m3 以下に下げることを可能にして、環状パッキン5
をより安価にすることも可能である。
【0034】環状パッキン5の他の材質としては、ロッ
クウール繊維、ガラス繊維、シリカ繊維或いはその他の
不燃性を有する無機質繊維断熱材を用いることも可能で
あり、ロックウール繊維を用いる場合は、その密度が4
0〜240kg/m3 、望ましくは80〜130kg/
3 程度、ガラス繊維及びシリカ繊維を用いる場合に
は、その密度が30〜120kg/m3 程度、特に60
〜100kg/m3 が好ましい。
【0035】このような環状パッキン5を製造するに
は、セラミック繊維、ロックウール繊維、ガラス繊維、
シリカ繊維等の不燃性を有する無機質繊維断熱材からな
る平板状材を打ち抜くことにより、或いは円筒状材を環
状に切断することにより容易に、しかも安価に得ること
が可能である。また環状パッキン5は円弧状に分割され
た複数の円弧状の無機質繊維断熱材からなるパッキン部
材によって構成することも、また無機質繊維断熱材から
なる帯状体を環状に巻回して形成することも可能であ
る。
【0036】また環状パッキン5は、セラミック繊維、
ロックウール繊維、ガラス繊維、シリカ繊維等複数種類
の無機質繊維断熱材を適宜混合して形成することも可能
である。
【0037】図4は本発明における耐火二層管継手及び
それを用いた耐火二層管接合部構造の他の実施例を示す
断面説明図であって、図1と対応する部位に同一符号を
付することで詳細な説明は省略するが、この耐火二層管
継手10は、分岐管用の継手であって、この耐火二層管
継手10は、硬質塩化ビニル等の合成樹脂製でT字状乃
至Y字状に分岐した内管11と、この内管11を空間部
12を介して被覆する繊維強化モルタル被覆管等の外管
13と、外管13の受け口端部13a、13a、13a
から突出する内管11の受け口端部11a、11a、1
1aの外周を包囲して外管13の受け口端部13a、1
3a、13aに合成する無機質繊維断熱材からなる環状
パッキン5、5、5とを有している。
【0038】内管11の各受け口端部11a、11a、
11aの基端には、嵌入する耐火二層管直管6、6、6
を形成する内管7、7、7の開口端部7a、7a、7a
が当接して内管7、7、7の嵌入量を規制するための段
部11b、11b、11bが形成され、かつ受け口端部
11a、11a、11aが外管13の受け口端部13
a、13a、13aから寸法a1 だけ突出するように構
成されている。
【0039】環状パッキン5、5、5は外管13の受け
口端部13a、13a、13aと略同じ厚さtを有し、
内管11の受け口端部11a、11a、11a外周に寸
法a1 だけ重畳し、かつ耐火二層管直管6、6、6の外
9、9、9の開口端部9a、9a、9aと当接する接
合面5a、5a、5aが受け口端部11a、11a、1
1aからa2 突出するように構成されている。
【0040】耐火二層管継手10と各耐火二層管直管
6、6、6を連結するには、前記同様、必要に応じて切
断された耐火二層管直管6、6、6の外管9、9、9か
ら所定長突出する内管7、7、7の開口端部7a、7
a、7aの外周面に接着剤を塗布し、この開口端部7
a、7a、7aを耐火二層管継手10の内管11の受け
口端部11a、11a、11a内に挿入嵌合し内管11
と耐火二層管直管6、6、6の内管7、7、7との一体
化を図る。
【0041】更に外管13の各受け口端部13a、13
a、13aに合成された環状パッキン5、5、5を、耐
火二層管継手10を形成する外管13の受け口端部13
a、13a、13aと各耐火二層管直管6、6、6を形
成する外管9、9、9の開口端部9a、9a、9aとの
間に押圧圧縮した状態で介装せしめて耐火二層管継手1
0と各耐火二層管直管6、6、6とを一体的に連結す
る。
【0042】以上実施例では、耐火二層管継手が、耐火
二層管直管を直線的或いはY字状乃至T字状に分岐して
接続する際に用いられる継手を例に説明したが、エルボ
継手、十字継手等他の形状の耐火二層管継手にも適宜適
用し得るものである。
【0043】
【発明の効果】以上説明した本発明の耐火二層管継手と
その製造方法及びそれを用いた耐火二層管接合部構造に
よれば、耐火二層管直管を互いに接合する耐火二層管継
手の外管の受け口端部に無機質繊維断熱材からなり、か
つ内管の受け口端部外周を包囲する環状パッキンを予め
合成することから、配管と同時に目地機能を果たす環状
パッキンが耐火二層管継手の外管と耐火二層管直管の外
管との間に介装され、その作業性に優れ、作業の簡素化
が得られ、かつ環状パッキンによって十分に断熱されて
目地処理部に結露が発生することなく、炭酸化による劣
化、腐食、長期間の使用によっても亀裂、剥離等の発生
がなく、かつ振動、温度変化等に起因する耐火二層管直
管と耐火二層管継手との間の相対的な変位に対しても環
状パッキンが追従して変形することと相俟って長期間安
定した目地処理機能が確保でき、更に、環状パッキンが
予め接合部に用いられる耐火二層管継手の外管の受け口
端部に合成されることから、施工の際の耐火二層管直管
の切断等がある場合にも環状パッキンが除去されること
なく、従来のような目地処理個所の見落しに起因する目
地処理機能の低下等を招くことなく信頼性の高い高品質
の耐火二層管接合部が確保できる等本発明特有の効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における耐火二層管継手とその製造方法
及びそれを用いた耐火二層管接合部構造の一実施例を説
明する断面説明図である。
【図2】同じく、本実施例を説明する断面説明図であ
る。
【図3】同じく、本実施例における耐火二層管の切断方
法を示す説明図である。
【図4】本発明における他の実施例を示す断面説明図で
ある。
【図5】従来の耐火二層管接合部構造を説明する断面説
明図である。
【符号の説明】
1 耐火二層管継手 2 耐火二層管継手の内管 2a 耐火二層管継手内管の受け口端部 4 耐火二層管継手の外管 4a 耐火二層管継手外管の受け口端部 5 環状パッキン 5a 接合面 6 耐火二層管直管 7 耐火二層管直管の内管 7a 耐火二層管直管の内管開口端部 9 耐火二層管直管の外管 9a 耐火二層管直管の外管開口端部 10 耐火二層管継手 11 耐火二層管継手の内管 11a 耐火二層管継手内管の受け口端部 13 耐火二層管継手外管 13a 耐火二層管継手外管の受け口端部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する
    耐火性及び断熱性を有する外管とからなる耐火二層管直
    管の前記内管の開口端部が受け口端部に接合する合成樹
    脂製の内管と、この内管を被覆して前記耐火二層管直管
    の外管の開口端部が環状パッキンを介して受け口端部に
    接合する耐火性及び断熱性を有する外管とからなる耐火
    二層管継手において、上記環状パッキンが不燃性無機質
    繊維断熱材からなり、圧縮変形可能であって、この環状
    パッキンが耐火二層管継手の内管の受け口端部外周を包
    囲し、直管外管開口端部との接合面が内管の受け口端部
    より接合すべき耐火二層管直管側へ突出して前記耐火二
    層管継手外管の受け口端部に合成されていることを特徴
    とする耐火二層管継手。
  2. 【請求項2】環状パッキンが、円弧状に分割された複数
    のパツキン部材によって構成される請求項に記載の耐
    火二層管継手。
  3. 【請求項3】環状パッキンが、無機質繊維断熱材からな
    る帯状体を環状に巻回して形成される請求項に記載の
    耐火二層管継手。
  4. 【請求項4】合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する
    耐火性及び断熱性を有する外管と、外管の受け口端部に
    合成し、かつ内管の受け口端部外周を包囲する不燃性無
    機質繊維断熱材からなる環状パッキンとを有する耐火二
    層管継手の製造方法において、内管の受け口端部外周に
    環状パッキンを嵌着し、露出する内管の外周面を未硬化
    状態の耐火性及び断熱性を有する外管材料で被覆して硬
    化せしめて受け口端部に環状パッキンが合成された外管
    を形成することを特徴とする耐火二層管継手の製造方
    法。
  5. 【請求項5】合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する
    耐火性及び断熱性を有する外管と、外管の受け口端部に
    合成し、かつ内管の受け口端部外周を包囲する不燃性無
    機質繊維断熱材からなる環状パッキンとを有する耐火二
    層管継手の製造方法において、内管の受け口端部外周に
    環状型を嵌着し、露出する内管の外周面を未硬化状態の
    耐火性及び断熱性を有する外管材料で被覆して硬化せし
    めて外管を形成し、しかる後前記環状型を脱離し、その
    脱離跡に内管の受け口端部外周を包囲する環状パッキン
    を装着して外管の受け口端部に環状パッキンを合成した
    ことを特徴とする耐火二層管継手の製造方法。
  6. 【請求項6】環状パツキンが、円弧状に分割された複数
    のパッキン部材によって構成される請求項に記載の耐
    火二層管継手の製造方法。
  7. 【請求項7】環状パッキンか、無機質繊維断熱材からな
    る帯状体を環状に巻回して形成される請求項に記載の
    耐火二層管継手の製造方法。
  8. 【請求項8】合成樹脂製の内管と、この内管を被覆する
    耐火性及び断熱性を有する外管とからなる耐火二層管直
    管と、合成樹脂製の内管及びこの内管を被覆する耐火性
    及び断熱性を有する外管とからなる耐火二層管継手とを
    連結する耐火二層管接合部構造において、互いに連結す
    べき耐火二層管直管の内管の開口端部と耐火二層管継手
    の内管の受け口端部とを接合するとともに、耐火二層管
    直管の外管の開口端部と、耐火二層管継手の外管の受け
    口端部との間に、予め耐火二層管継手の外管の受け口端
    部に合成され、内管外周を包囲する不燃性無機質繊維断
    熱材からなる環状パッキンを介装したことを特徴とする
    耐火二層管継手を用いた耐火二層管接合部構造。
  9. 【請求項9】環状パッキンの直管外管開口端部との接合
    面が、耐火二層管継手内管の受け口端部より接合すべき
    耐火二層管直管側へ突出して耐火二層管継手の外管の受
    け口端部に合成され、外管の開口端部と耐火二層管継手
    外管の受け口端部とによって抑圧圧縮された状態で開口
    端部と受け口端部との間に介装される請求項に記載の
    耐火二層管継手を用いた耐火二層管接合部構造。
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