JP2657830B2 - 箱形紙容器用のブランク板 - Google Patents

箱形紙容器用のブランク板

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JP2657830B2
JP2657830B2 JP18917688A JP18917688A JP2657830B2 JP 2657830 B2 JP2657830 B2 JP 2657830B2 JP 18917688 A JP18917688 A JP 18917688A JP 18917688 A JP18917688 A JP 18917688A JP 2657830 B2 JP2657830 B2 JP 2657830B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本各発明は、内填物の有する品質を変質させることの
ない、すなわち、品質保持特性に優れた性質を有する箱
形紙容器を得る際に使用される紙容器用のブランク板に
関するものであり、該ブランク板によって得られる紙容
器胴部の封筒貼り部を、火炎シール法によって形成し得
るもので、内填物に対する品質保持特性と紙容器におけ
る接着部の接着強度とに優れた性質を有する箱形紙容
器、例えば、ゲーベルトップタイプ,ブリックタイプ等
の箱形紙容器を成形し得るブランク板を提供するもので
ある。
〔従来の技術〕
紙容器は、紙容器を得る際に使用される成形用素材で
ある積層シートの有する熱溶着能によって接合部が形成
されているのが普通であり、一般的には、容器内の内填
物と接する容器内周面層がポリオレフィン系樹脂層で形
成されるような紙容器用積層シートによって、該紙容器
用積層シートにおける前記ポリオレフィン系樹脂層の有
する熱溶着能で、紙容器における接着部が形成されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、容器内周面層がポリオレフィン系樹脂層で
形成されている前記従来の紙容器は、該紙容器の成形用
素材である紙容器用積層シートを製造する際のポリオレ
フィン系樹脂層の形成時や、該紙容器を得る際の製函工
程等で、ポリオレフィン系樹脂が熱分解を受けて脂肪族
炭化水素等の揮発性成分を副正するため、副生されたこ
の揮発性成分が紙容器内に充填されているオレンジジュ
ースや清酒等の内填物内に混入し、内填物の品質を低下
させる要因となっている。
またさらに、前記容器内周面層がポリオレフィン系樹
脂層で形成されている前記従来の紙容器は、該紙容器の
内周面層をなしているポリオレフィン系樹脂層が、紙容
器内に充填されるオレンジジュース等に含有されている
フレーバー成分を、吸着,透過する性質を有しているた
め、このことが、紙容器内に充填されているオレンジジ
ュース等の内填物の品質を更に低下させる要因ともなっ
ている。
これに対して、本各発明は、紙容器内に収納されてい
るオレンジジュースや清酒等の内填物の有する品質を変
質させることのない、すなわち、品質保持特性に優れた
性質を有する箱形紙容器に製函される紙容器用のブラン
ク板で、前記紙容器用のブランク板が有する優れた熱溶
着能によって、内填物に対する品質保持特性と紙容器に
おける接着部の接着強度とに優れた性質を有する紙容器
に成形され得る紙容器用のブランク板であって、しか
も、紙容器を成形する際の容器胴部における封筒貼り部
を、火炎シール法によって得ることができ、また、容器
底部と容器頂部とに形成されるところの前記ブランク板
における四隅角部が関与する熱接着部に、極めて良好な
溶着部を形成し得る箱形紙容器用のブランク板を提供す
るものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の箱形紙容器用のブランク板は、紙層を積層構
成中に含む包装材用基材からなる中間層と、ポリオレフ
ィン系樹脂層からなる表面層と、延伸ポリエステル樹脂
フィルム層,ポリカーボネート樹脂層,延伸エチレン−
ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルム層,および延
伸ナイロン樹脂フィルム層の中から選択されるいずれか
1つの樹脂層からなる裏面層とを具備する積層構成の紙
容器用積層シートからなるものであり、前記紙容器用積
層シートを略矩形状の所定の形状に打ち抜き加工して得
られるものである。
前記略矩形状をなす本発明の箱形紙容器用のブランク
板は、該ブランク板を構成している紙容器用積層シート
における裏面層が容器内周面層となるようにして製函さ
れるものであり、しかも、前記ブランク板によって得ら
れる箱形紙容器における接着予定部分の前記ブランク板
の裏面層には、該裏面層を構成する樹脂に比較して、低
温でのヒートシール特性を有するヒートシール用樹脂層
が積層されており、かつ、前記略矩形状のブランク板の
四隅角部における前記接着予定部分には、前記ヒートシ
ール用樹脂層同志が2層に重畳,積層されているもので
ある。
尚、前記ブランク板の裏面層に積層されているヒート
シール用樹脂層は、前記ブランク板を製函する際の接着
予定部分に対して、更に1〜50mmの長さで延設されて積
層されていることが、耐剥離性に優れた特性を有する接
着部が得られる点で好ましい。
前記構成からなる本発明の箱形紙容器用ブランク板を
形成している紙容器用積層シートにおける裏面層は、延
伸ポリエステル樹脂フィルム層,ポリカーボネート樹脂
層,延伸エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フ
ィルム層,および延伸ナイロンフィルム層の中から選択
されるいずれか1つの樹脂層で構成されているものであ
り、通常は、該樹脂層の安定性、耐衝撃性、および得ら
れる紙容器用ブランク板の容器成形特性等との関係か
ら、厚さ10〜50μ程度の樹脂層として形成されているも
のである。
なお、前記裏面層が、エチレン含有量が60モル%を越
えるような延伸エチレン−ビニルアルコール系共重合体
樹脂フィルム層で構成される際には、前記裏面層による
内填物の着香成分を吸着する作用が強くなる傾向を有し
ているため、該裏面層がエチレン−ビニルアルコール系
共重合体樹脂層で構成されるものの場合には、エチレン
含有量が60モル%未満のエチレン−ビニルアルコール系
共重合体樹脂による延伸フィルムが使用されるのが好ま
しい。
また、前記裏面層が延伸ポリエステルフィルムや延伸
ナイロンフィルムで構成されるものであるときには、2
軸方向延伸フィルムで構成されるのが好ましい。
前記延伸ポリエステル樹脂フィルム層,ポリカーボネ
ート樹脂層,延伸エチレン−ビニルアルコール系共重合
体樹脂フィルム層,および延伸ナイロンフィルム層の中
から選択されるいずれか1つの樹脂層で構成されている
裏面層は、紙層を積層構成中に含む包装材用基材からな
る中間層、例えば、アルミニュウム箔,紙層,オレフィ
ン系樹脂層,ポリエステル延伸フィルム層等を利用した
厚さ40〜1000μ程度の包装材用基材からなる中間層に対
して、通常、接着性ポリオレフィン系樹脂やイソシアネ
ート系接着剤等を利用して、積層されているものであ
る。
また、本発明の箱形紙容器用のブランク板の表面層
は、ポリオレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレ
ン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸共重合
体,エチレン−アクリル酸メチル共重合体,エチレン−
α・オレフィン共重合体,更には、ポリプロピレン等に
よって、厚さ3〜150μ程度に形成されているものであ
り、前記本発明の箱形容器用ブランク板の裏面層に積層
されているヒートシール用樹脂層との間に、優れた熱溶
着性能をもたらすものであると同時に、前記ブランク板
によって製函された箱形紙容器に対して、外部からの耐
水性能をもたらすものである。
更に、本発明の箱形紙容器用のブランク板において、
裏面層の1部分に積層されている前述のヒートシール用
樹脂層は、前記裏面層を構成している樹脂に比較して、
低温でのヒートシール特性を有する樹脂、例えば、ウレ
タン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,接
着性ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,アクリル樹
脂,ポリ塩化ビニル樹脂,塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルアルコール
樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,塩素化ポリプロピレ
ン樹脂,ポリスチレン樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタ
ン樹脂,セルロース誘導体,ポリエステル樹脂,フェノ
ール樹脂,キシレン樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,ケ
トン樹脂,クマロン・インデン樹脂,石油樹脂,テルペ
ン樹脂,環化ゴム,塩化ゴム,アルキッド樹脂,天然樹
脂,天然樹脂誘導体等が有するヒートシール性能を利用
し得るような樹脂層であり、ヒートシール性能を発揮す
る樹脂層部分が、20〜100μ程度の厚さに形成されてい
るものが好適に利用される。
なお、前記ヒートシール用樹脂層は、前述のヒートシ
ール用樹脂の単独樹脂または2種類以上の混合樹脂を、
例えば、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,アルコール
類,エステル類,ケトン類,グリコール類,グリコール
誘導体類等からなる単独溶剤または混合溶剤に溶解して
得られるコーティング剤を、紙容器用積層シートにおけ
る裏面層上の所定の部分に塗工,乾燥することによっ
て、あるいは、前記ヒートシール用樹脂を前記所定の部
分に押し出しラミネートすることによって、更には、別
製の基材フィルム面にラミネートされているヒートシー
ル用樹脂層を、前記所定の部分に転写することによっ
て、更にまた、前記裏面層の所定の部分にアンカーコー
ト層、例えば、イソシアネート系,ブタジェン系,ウレ
タン系,イミン系,チタン系等によるアンカーコート層
を形成した後に、前記アンカーコート層面との接当予定
面に予めコロナ放電処理が施されているヒートシール用
樹脂フィルムを積層するか、あるいは、積層シートとの
貼り合わせ予定面にコロナ放電処理が施されているヒー
トシール用樹脂フィルムに、更にアンカーコート層を形
成し、これを積層シートに貼り合わせる等して容易に形
成されるものであり、前記ヒートシール用樹脂層におけ
るヒートシール性能が、本発明の箱形紙容器用のブラン
ク板の表面層たるポリオレフィン系樹脂層との間、およ
び前記ヒートシール用樹脂層同志の間に、火炎シール法
による熱溶融接着性能をもたらすものである。
〔実 施 例〕
以下本発明の箱形紙容器用のブランク板の具体的な構
成を、実施例に基づいて説明する。
実施例1 第1図において、坪量400g/m2の耐酸紙2の表面に、
厚さ30μの低密度ポリエチレン樹脂「ミラソン16sp」層
(表面層)3を押し出しコーティング法によって形成
し、また、裏面には、厚さ30μのアイオノマー樹脂「三
井デュポンケミカル(株):ハイミラン1652」層からな
る接着剤層4を利用して、厚さ9μのアルミニュウム箔
5を接着し、さらに、前記アルミニュウム箔5面に、厚
さ12μの2軸延伸ポリエステルフィルム「東洋紡績
(株):エスペット」層(裏面層)6をウレタン系の接
着剤(※)を利用して積層し、本発明で利用する積層シ
ートの1実施例品たる紙容器用積層シート1を得た。
なお、前記延伸ポリエステルフィルムは、接着性樹脂
が添加されているポリエステル混合樹脂を製膜原料とす
る延伸フィルムからなるもので、その表面にコロナ放電
処理が付されているものであり、また、前記第1図にお
いて、符号7で表示される部分は、紙容器用積層シート
1における包装材用基材からなる中間層である。
次いで、前記積層シート1を、40cm×40cmの矩形状シ
ート1Aに打ち抜き、第2図で示されるA,B,C,Dの4辺に
対して、それぞれ、厚さ60μのポリエチレンフィルム8
を、前記積層シート1における裏面層6面に積層させ
た。
尚、前記ポリエチレンフィルム8の各A〜D辺におけ
るそれぞれの幅は次の通りである。
辺A……2.5cm,辺B……3.5cm, 辺C……7.5cm,辺D……3.0cm また、前記ポリエチレンフィルム8と前記矩形状シー
ト1Aとの積層は、以下の通りの手順で行なった。
矩形状シート1AのA,B辺への積層 各所要幅のポリエチレンフィルムにコロナ放電処理を
付し、次いで、前記コロナ放電処理面に、ウレタン系コ
ーティング剤「スミジュールL−75:住友バイエルウレ
タン(株):10重量部,ユノフレックスE:三洋化成
(株):10重量部,酢酸エチル400重量部」を、20μの版
深を有するグラビア板にてコーティングし、更に、乾燥
後、熱ロールを有するラミネート機を使用して、熱ロー
ル温度140℃,ラミネートスピード3m/minで、前記ポリ
エチレンフィルムを前述の矩形状シート1Aの所定位置に
積層した。
矩形状シート1AのC,D辺への積層 前記矩形状シート1AのA,B辺へのポリエチレンフィル
ム8の積層が完了した後、前記A,B辺に積層されている
ポリエチレンフィルム8とC,D辺に積層されるポリエチ
レンフィルムとが重なり合う部分の前記A,B辺に積層さ
れているポリエチレンフィルム8面、すなわち、四隅角
部に、火炎処理を施すことによって、該ポリエチレンフ
ィルム8面を活性化処理した後、前記A,B辺へのポリエ
チレンフィルムの積層方法と全く同様の処方によって、
矩形状シート1AのC,D辺へ、ポリエチレンフィルム8を
積層した。
尚、前記矩形状シート1Aに対するA,B辺、及びC,D辺へ
のポリエチレンフィルム8の積層順序は、いずれの工程
が先であっても良い。
しかる後に、前記A,B,C,Dの四辺に厚さ60μのポリエ
チレンフィルム8が、その四隅角部で重畳,積層される
ようにして積層されている前記矩形状シート1Aに、製函
時の折曲げ用押圧線mを形成すると共に、前記矩形状シ
ート1Aを38cm×37cmの矩形状に打ち抜くことによって、
第3図にて符号9で表示される本発明の1実施例品たる
箱形紙容器用のブランク板を得た。
尚、前記箱形紙容器用のブランク板9において、辺A
に沿うポリエチレンフィルム8の幅L1は10mm、辺Bに沿
うポリエチレンフィルム8の幅L2は20mm、辺Cに沿うポ
リエチレンフィルム8の幅L3は65mm、辺Dに沿うポリエ
チレンフィルム8の幅L4は20mmである。
箱形紙容器の作製 前記実施例1による箱形紙容器用のブランク板9に対
して、該ブランク板9における辺Aに沿って、幅16mmに
亘って、前記ブランク板9における表面層3と中間層7
の1部分とを欠落させる削り取り加工を行なった後、こ
の削り取り加工によって露出した紙層面に、塩・酢ビ系
エマルジョンによる接着剤をコーティングし、更に、辺
Aから幅8mmに至る部分を表面層3側に反転させ、すな
わち、前記塩・酢ビ系エマルジョンによる接着剤層同志
が接するようにして反転させ、該反転部における接当部
同志を接当させるスカイブヘミング加工を行なうことに
よって、第4図に示されるような端面処理されているブ
ランク板10を得た。
次いで、前記ブランク板10における前述のスカイブヘ
ミング加工されている側辺部上に、該側辺部と対向する
側辺部を重畳、熱溶着させる接着工程を、火炎シール法
によって遂行し、第5図に示されるような積層接着部を
有するところの、内周面層が前記ブランク板における裏
面層6で構成されている角筒体からなる紙容器胴部を得
た。
なお、前記紙容器胴部の火炎シール法による熱接着条
件は、ガス流量40mmAq,混合気体量300mmAqの予備処理用
第1バーナーと、ガス流量50mmAq,混合気体量320mmAqの
第2バーナーとによって、コンベアスピード130m/min.
で実施したもので、火炎処理面の加熱温度は、240℃で
ある。
また、前記火炎シール法による容器胴部の接着部は、
前記火炎処理後に、該火炎処理が施された面同志を重
畳,加圧することによって得られたものであるが、この
場合の火炎処理とその後の加圧処理との間のタイムラグ
が大きくなりすぎると、加圧時の接合面の温度が低下
し、得られるシール強度が小さくなるので、前記タイム
ラグは0.5秒以内に設定しておくのが好ましい。
さらに続けて、所定の製函工程によって、前記ブラン
ク板9における折り曲げ用の押圧線mを利用して、容器
底部に相当する部分の折り曲げ、および、重畳部の熱溶
着を行ない、容器底部を成形した。
引き続いて、前記第3図に示されるブランク板の開孔
部Lに、別製の注出具を差し通し、前記ブランク板にお
けるポリエチレンフィルム8層を利用して、角筒体の内
周面に溶融,接着させることによって、注出口を取り付
け、更に、前記底部が閉塞されている角筒体内に、1800
mlのオレンジジュースを充填した後、前記ブランク板に
おける折り曲げ用の押圧線mを利用して、容器頂部に相
当する部分の折り曲げ、および、重畳部の熱溶着を行な
うことによって、容器内周面層が前記紙容器用ブランク
板における裏面層で構成されている箱形紙容器、すなわ
ち、第6図にて符号11で表示される、横幅8.5cm,奥行8.
5cm,高さ30cmのゲーベルトップ型直方体形状の紙容器を
得た。
実施例2〜16 前記実施例1における紙容器用積層シートと、ヒート
シール用樹脂層として使用する積層用フィルムとを、下
記第1表に示す通りの組み合わせで使用し、前記実施例
1における箱形紙容器用ブランク板9の製造工程と同一
工程によって、15種類の箱形紙容器用ブランク板を得
た。
尚、前記実施例中においては、各積層用フィルムにお
けるポリエチレン樹脂層が本発明のブランク板における
ヒートシール用樹脂層となるものであり、各積層用フィ
ルムにおけるポリエチレン樹脂層が表面となるようにし
てブランク板の裏面に積層されているものである。
また、前記各実施例においては、前記第5図に示され
るように、各紙容器用のブランク板の裏面層6に対して
ヒートシール用樹脂層8が、前記ブランク板を製函する
際の接着予定部分よりも更に20〜30mm程度延設されて積
層されているが、本発明の紙容器用のブランク板におけ
る前記ヒートシール用樹脂層は、第7図に示されるよう
に、該ブランク板を製函する際の接着予定部分の長さだ
けでも十分である。
〔発明の作用,効果〕
本発明の箱形紙容器用のブランク板は、紙層を積層構
成中に含む包装材用基材からなる中間層と、ポリオレフ
ィン系樹脂層からなる表面層と、延伸ポリエステル樹脂
フィルム層,ポリカーボネート樹脂層,延伸エチレン−
ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルム層,および延
伸ナイロン樹脂フィルム層の中から選択されるいずれか
一つの樹脂層からなる裏面層とを具備する積層構成の紙
容器用積層シートを打ち抜き加工して得られる略矩形状
のブランク板であって、該ブランク板における裏面層が
容器内周面層となるようにして箱形の紙容器に製函され
るもので、得られる箱形紙容器における接着予定部分の
前記ブランク板の裏面層には、該裏面層を構成する樹脂
に比較して、低温でのヒートシール特性を有するヒート
シール用樹脂層が積層されており、しかも、前記略矩形
状の箱形紙容器用のブランク板の四隅角部における前記
接着予定部分には、前記ヒートシール用樹脂層同志が2
層に重畳,積層されているものである。
而して、前記本発明の箱形紙容器用のブランク板にお
いては、該ブランク板によって紙容器を成形する際の熱
溶着部で、しかも、前記ブランク板における裏面層が関
与する部分の接着部が、該ブランク板における裏面層を
構成している樹脂に比較して、低温でのヒートシール特
性を有するヒートシール用樹脂層を利用して形成される
ものであるから、極めて効率の良い火炎接着法を利用し
て前記箱形紙容器における接着部を形成し得るものであ
り、しかも、得られる箱形紙容器はその内周面層が、延
伸ポリエステル樹脂フィルム層,ポリカーボネート樹脂
層,延伸エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フ
ィルム層の中から選択されるいずれか1つの樹脂層で構
成されるものであるから、容器内周面層をなす樹脂層に
よる紙容器内の内填物が具備するフレーバー成分の透
過,吸着がなく、また、容器内周面層をなす樹脂層から
内填物内への低分子量成分の溶出もないため、紙容器内
の内填物が有する美味を損失させることなく、すなわ
ち、内填物の品質を低下させることなく、長期にわたっ
ての品質保持特性を有する箱形紙容器を成形し得るもの
である。
尚、因みに、前記ブランク板における表面層たるポリ
オレフィン系樹脂層と、裏面層たる延伸ポリエステル樹
脂フィルム層,ポリカーボネート樹脂層,延伸エチレン
−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルム層,あるい
は延伸ナイロンフィルム樹脂フィルム層との間の火炎シ
ール法による熱接着部の形成は不可能である。
また、前記本発明の箱形紙容器用のブランク板におい
ては、箱形の紙容器に製函される略矩形状のブランク板
における裏面の四隅角部を占める接着予定部分には、前
記ヒートシール用樹脂層が2層に重畳して積層されてい
るので、製函工程で、前記ブランク板の四隅角部で形成
される熱溶着部分に隣接して生ずる空間部分内へ前記ヒ
ートシール用樹脂が流動し、前記空間部分を埋没させた
状態で固化することとなるので、前記ブランク板の四隅
角部で形成される箱形紙容器の容器頂部及び溶器底部に
おける熱溶着部に、優れた接着特性を有する箱形紙容器
が製函されるものである。
更に、本発明の前記箱形紙容器用のブランク板におけ
る前記ヒートシール用樹脂層は、先の第2図において、
ブランク板1Aに対して、辺Aと辺Bとに沿うヒートシー
ル層の形成工程と、辺Cと辺Dとに沿うヒートシール層
の形成工程とを順次行なうことによって、ブランク板の
四隅角部におけるヒートシール用樹脂層が他の部分にお
けるヒートシール用樹脂層の厚さの2倍の厚さとされて
いる、すなわち、前記四隅角部においては、ヒートシー
ル用樹脂層同志が2層に重畳,積層されているブランク
板が得られるので、その加工が極めて容易であるという
作用,効果をも有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の箱形紙容器用のブランク板の先駆体を
なす紙容器用積層シートの1実施例品を示す模型断面
図、第2図は本発明の箱形紙容器用のブランク板に打ち
抜かれる前の紙容器用積層シートの模型平面図、第3図
は本発明の箱形紙容器用のブランク板の1実施例品を示
す模型平面図、第4図は箱形紙容器用のブランク板によ
って筒状体を得る際のブランク板の一方の側辺部の端面
処理の状態を示す模型断面図、第5図は、前記筒状体に
おける接着部の状態を示す模型断面図、第6図は本発明
の箱形紙容器用のブランク板によって得られた箱形紙容
器の1実施例品を示す模型断面図、第7図は、箱形紙容
器用のブランク板によって得られた筒状体における接着
部の状態を示す別の模型断面図である。 1:紙容器用積層シート、3:ポリオレフィン系樹脂による
表面層、6:裏面層、7:中間層、8:ヒートシール用樹脂
層、9:箱形紙容器用のブランク板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 B32B 27/36 B65D 5/42 B65D 5/56 A 5/56 5/42 D

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙層を積層構成中に含む包装材用基材によ
    る中間層と、ポリオレフィン系樹脂による表面層と、延
    伸ポリエステル樹脂フィルム層,ポリカーボネート樹脂
    層,延伸エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フ
    ィルム層,および延伸ナイロンフィルム層の中から選択
    されるいずれか1つの樹脂層による裏面層とを具備する
    略矩形状の紙容器用積層シートからなる箱形紙容器用の
    ブランク板において、前記ブランク板によって得られる
    箱形紙容器における接着予定部分の前記ブランク板の裏
    面層には、該裏面層を構成する樹脂に比較して、低温で
    のヒートシール特性を有するヒートシール用樹脂層が積
    層されており、しかも、前記略矩形状の箱形紙容器用の
    ブランク板の四隅角部における前記接着予定部分には、
    前記ヒートシール用樹脂層同志が2層に重畳,積層され
    ていることを特徴とする箱形紙容器用のブランク板。
  2. 【請求項2】低温でのヒートシール特性を有するヒート
    シール用樹脂層が、ポリエチレン樹脂層である特許請求
    の範囲第1項記載の箱形紙容器用のブランク板。
  3. 【請求項3】低温でのヒートシール特性を有するヒート
    シール用樹脂層が、ポリエチレン樹脂層からなる外面層
    と、熱可塑性ポリエステル樹脂層からなる内面層とを具
    備する積層樹脂層からなり、前記積層樹脂層における内
    面層とブランク板の裏面層とが接当するようにして、前
    記ヒートシール用樹脂層がブランク板の裏面層に積層さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    箱形紙容器用のブランク板。
  4. 【請求項4】低温でのヒートシール特性を有するヒート
    シール用樹脂層が、金属箔からなる中芯層を具備する積
    層樹脂層である特許請求の範囲第3項記載の箱形紙容器
    用のブランク板。
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