JPH06219440A - 容 器 - Google Patents

容 器

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JPH06219440A
JPH06219440A JP1099093A JP1099093A JPH06219440A JP H06219440 A JPH06219440 A JP H06219440A JP 1099093 A JP1099093 A JP 1099093A JP 1099093 A JP1099093 A JP 1099093A JP H06219440 A JPH06219440 A JP H06219440A
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JP
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container
layer
surface layer
heat
saturated polyester
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JP1099093A
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English (en)
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Kazuki Yamada
一樹 山田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物に対する保香特性を有し、かつ酒類の
ように浸透性の高い液体でも安定して保存可能な容器を
提供する。 【構成】 基材層と、該基材層の一方の面に設けられた
ポリオレフィン樹脂からなる外面層と、前記基材層の他
方の面に設けられたガラス転移温度が40℃以上の非晶
性乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂からなる内面層
とを備える積層シートでブランク板を構成し、このブラ
ンク板の左右両端部のうち、一方の端部の先端から外面
層側には所定幅で飽和ポリエステル樹脂部分を設け、他
方の端部の先端から内面層側には所定幅でポリオレフィ
ン樹脂部分を設け、飽和ポリエステル樹脂部分が他方の
端部の内面層と当接し、ポリオレフィン樹脂部分が他方
の端部の外面層と当接するように重畳し熱融着して筒体
とし、この筒体の一方の開口端を密封して底部とし、筒
体の他方の開口端を密封し頂部として容器とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体を収容する容器に係
り、特に保香特性を有し、かつ酒類のように浸透性の高
い液体でも安定して保存可能な容器に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料等の液体を収容する容器として、紙
層等からなる基材層にポリオレフィン系樹脂からなる内
面層と外面層とが積層された積層シートを用いた容器が
用いられている。このような容器は、上記の積層シート
を所定形状に打ち抜いたブランク板の左右の端部を一方
の端部の外面層と他方の端部の内面層とが当接するよう
に重畳し熱融着して筒体を形成することにより製造され
ていた。
【0003】しかし、上記の容器は内周面がポリオレフ
ィン系樹脂層で形成されているため、容器製造時の熱融
着においてポリオレフィン系樹脂が熱分解を受けて脂肪
族炭化水素等の揮発性成分が生成され、この揮発性成分
が容器内に収容されているオレンジジュース等の内容物
内に移行して内容物に変味や異臭を発生させるという問
題があった。また、容器内周面を構成するポリオレフィ
ン系樹脂層はオレンジジュース等のフレーバー成分を吸
着・透過し易いため、容器内に保存中の内容物の風味が
損なわれるという問題もあった。
【0004】このような問題を解決するために、容器の
内周面を保香特性に優れた樹脂、例えばガラス転移温度
が40℃以上の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル
樹脂で構成し、外周面を容器に要求される耐水性、ヒー
トシール性、および製造コスト増大防止の観点から、従
来と同様にポリオレフィン系樹脂により構成した容器が
開発されている。
【0005】このような容器の筒体形成では、外面層で
あるポリオレフィン系樹脂と内面層である飽和ポリエス
テル樹脂との熱融着を行う必要がある。しかし、ポリオ
レフィン系樹脂と飽和ポリエステル樹脂との熱融着は、
従来のポリオレフィン系樹脂間の熱融着において用いら
れていたホットエアー処理では充分な接着強度が得られ
ないため、これに代って、ガス火炎等により被熱融着部
を加熱溶融するフレーム処理により熱融着が行われてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な容器は、使用する積層シートの基材層が紙により構成
されているため、収容対象の液体が酒類の場合には、積
層シートの基材層内に液体が浸透し易いという問題があ
る。このため、積層シートの端面が容器内部に露出しな
いような構造とすることが要求される。
【0007】このような構造の一例として、図7に示す
ように、基材層65、外面層66、内面層67で構成さ
れた積層シート61の一端部62の外面側に、側端部か
ら一定の幅で積層シート61の厚さの半分を取り除いて
切欠部70を形成し、この切欠部70が形成された端部
62の残りの部分62aを、図8に示されるように内面
層67が外側となるように折り曲げて基材層65が露出
しない状態とすることができる。これにより、端部62
が容器内に位置しても、積層シート61の端面と内容物
とは全く接触しないことになる。
【0008】しかし、この場合、図8に示されるように
積層シート61の一方の端部62の外面と、他の端部6
3の内面との熱融着は、端部62の折り曲げ部だけでは
なく、端部62側の外面層66まで及ぶことになる。し
たがって、熱融着部には、内面層67(ポリエステル系
樹脂)−内面層67(ポリエステル系樹脂)間の熱融着
部Aと、内面層67(ポリエステル系樹脂)−外面層
(ポリオレフィン系樹脂)間の熱融着部Bとが存在する
ことになる。ところが、このような熱融着をフレーム処
理により行うと熱融着部Aの接着強度が不充分となり、
また、熱融着をホットエアー処理により行うと熱融着部
Bの接着強度が不充分になり、良好な強度を備えた容器
が得られないという問題があった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、内容物に対する保香特性を有し、かつ酒
類のように浸透性の高い液体でも安定して保存可能な容
器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は所定形状のブランク板の左右両端部
を熱融着して筒体とし、該筒体の一方の開口端を密封し
て底部とし、前記筒体の他方の開口端を密封して頂部と
した容器において、前記ブランク板は基材層と、該基材
層の一方の面に設けられたポリオレフィン樹脂からなる
外面層と、前記基材層の他方の面に設けられたガラス転
移温度が40℃以上の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエ
ステル樹脂からなる内面層とを備える積層シートで構成
され、熱融着される前記左右両端部のうち、一方の端部
の先端から外面層側に所定幅で飽和ポリエステル樹脂部
分を有し、他方の端部の先端から内面層側に所定幅でポ
リオレフィン樹脂部分を有し、前記筒体は前記飽和ポリ
エステル樹脂部分が他方の端部の内面層と当接し、前記
ポリオレフィン樹脂部分が他方の端部の外面層と当接す
るように重畳し熱融着して形成するような構成とした。
【0011】
【作用】基材層と、該基材層の一方の面に設けられたポ
リオレフィン樹脂からなる外面層と、前記基材層の他方
の面に設けられたガラス転移温度が40℃以上の非晶性
乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂からなる内面層と
を備える積層シートで構成されたブランク板の左右両端
部を熱融着して筒体を形成するときに、一方の端部の先
端から外面層側に所定幅で設けられている飽和ポリエス
テル樹脂部分が他方の端部の内面層と当接し、他方の端
部の先端から内面層側に所定幅で設けられているポリオ
レフィン樹脂部分が一方の端部の外面層に当接するよう
に重畳し、すなわち、飽和ポリエステル樹脂間の熱融着
とポリオレフィン樹脂間の熱融着が行われるように重畳
し熱融着されるため、筒体の熱融着部は充分な接着強度
が付与され、強度の高い容器が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の容器の一例であるゲー
ベルトップ型容器の形成に用いるブランク板10の外周
面側からの平面図である。図1においてブランク板10
は、後述する容器形成における折り曲げ加工用の押圧線
m,m……が形成され、容器の胴部を構成する胴部パネ
ル11,12,13,14と、容器の頂部を構成する頂
部パネル11a,12a,13a,14aと、容器の底
部を構成する底部パネル11b,12b,13b,14
b、および筒体形成用の熱融着用パネル15を備えた公
知の形状のブランク板である。この場合、胴部パネル1
1側がブランク板10の左端部となり、熱融着用パネル
15がブランク板10の右端部となる。
【0013】図2は、図1に示されるブランク板10を
用いて形成された筒体の一部を示す斜視図であり、筒体
20はブランク板10の熱融着用パネル15の外周面側
と胴部パネル11の内周面側とを熱融着して形成され
る。
【0014】ここで、本発明の容器は、ブランク板10
の左端部(図1の胴部パネル11の左端側)、右端部
(図1の熱融着用パネル15)の構成、およびブランク
板10の左右両端部の熱融着に特徴がある。
【0015】図3は、ブランク板10の左端部(図1の
胴部パネル11の左端側)および右端部(図1の熱融着
用パネル15)のA−A線における概略断面図である。
図3においてブランク板10は、基材層32との、この
基材層32の一方の面に設けられたポリオレフィン樹脂
からなる外面層33と、基材層32の他方の面に設けら
れたガラス転移温度が40℃以上の非晶性乃至低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂からなる内面層34とからなる
積層シート31で構成されている。
【0016】そして、このブランク板10の左端部(図
1の胴部パネル11の左端側)は、側端から所定の幅で
内面層34側からブランク板10の厚さの半分を取り除
き、残った外面層33側を基材層32が露出しないよう
に折り曲げ接着した構造である。また、ブランク板10
の右端部(図1の熱融着用パネル15)は、逆に、側端
から所定の幅で外面層33側からブランク板10の厚さ
の半分を取り除き、残った内面層34側を基材層32が
露出しないように折り曲げ接着した構造である。したが
って、ブランク板10の左端部(図1の胴部パネル11
の左端側)は、先端から内面層34側に所定幅でポリオ
レフィン樹脂部分33aを有し、ブランク板10の右端
部(図1の熱融着用パネル15)は、先端から外面層3
3側に所定幅で飽和ポリエステル樹脂部分34aを有し
ている。尚、ポリオレフィン樹脂部分33aの幅、およ
び飽和ポリエステル樹脂部分34aの幅は、容器の形
状、寸法、用途等に応じて適宜決定することができる。
【0017】図3に示されるブランク板10を用いて形
成された筒体20の熱融着部において、図4に示される
ように、ブランク板10の左端部(図1の胴部パネル1
1の左端側)のポリオレフィン樹脂部分33aは、熱融
着用パネル15の外面層33と熱融着され、一方、ブラ
ンク板10の右端部(図1の熱融着用パネル15)の飽
和ポリエステル樹脂部分34aは、胴部パネル11の内
面層34と熱融着されている。このように、本発明で
は、筒体20の熱融着部は、ポリオレフィン樹脂同士、
および飽和ポリエステル樹脂同士が熱融着されているた
め、熱融着強度が極めて高く、容器は優れた強度を具備
している。
【0018】上記の筒体20の形成における熱融着は、
ホットエアー処理により良好に行うことができる。ま
た、ポリオレフィン樹脂部分33aと熱融着用パネル1
5の外面層33との熱融着は、フレーム処理によっても
良好に行うことができる。
【0019】図5は、ブランク板10を構成する積層シ
ートの他の例を説明するための概略断面図であり、図1
に示されるブランク板のA−A線における左端部および
右端部の概略断面図である。図5においてブランク板1
0は、基材層42と、この基材層42の一方の面に設け
られたポリオレフィン樹脂からなる外面層43と、基材
層42の他方の面に設けられたガラス転移温度が40℃
以上の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂から
なる内面層44とからなる積層シート41で構成されて
いる。
【0020】そして、このブランク板10の左端部(図
1の胴部パネル11の左端側)および右端部(図1の熱
融着用パネル15)は、図示例のように側端から一定の
幅で積層フィルム51により覆われている。この積層フ
ィルム51は、基材層52と、この基材層52の一方の
面に形成されたポリオレフィン樹脂層53と、基材層5
2の他方の面に形成されたガラス転移温度が40℃以上
の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層54と
を備えている。そして、ブランク板10の左端部は、ポ
リオレフィン樹脂層53が外側となるようにして積層フ
ィルム51により覆われ、ブランク板10の右端部は、
飽和ポリエステル樹脂層54が外側となるようにして積
層フィルム51により覆われている。
【0021】したがって、ブランク板10の左端部(図
1の胴部パネル11の左端側)は、先端から内面層44
側に所定幅でポリオレフィン樹脂部分53aを有し、ブ
ランク板10の右端部(図1の熱融着用パネル15)
は、先端から外面層43側に所定幅で飽和ポリエステル
樹脂部分54aを有している。尚、ポリオレフィン樹脂
部分53aの幅、および飽和ポリエステル樹脂部分54
aの幅は、容器の形状、寸法、用途等に応じて適宜決定
することができる。また、積層フィルム51の厚さは4
0〜200μm程度、基材層の厚さは9〜60μm程
度、ポリオレフィン樹脂層53の厚さは20〜70μm
程度、飽和ポリエステル樹脂層54の厚さは20〜70
μm程度が好ましい。
【0022】図5に示されるブランク板10を用いて形
成された筒体20の熱融着部は、図6に示されるよう
に、ブランク板10の左端部(図1の胴部パネル11の
左端側)のポリオレフィン樹脂部分53aは、熱融着用
パネル15の外面層43と熱融着され、一方、ブランク
板10の右端部(図1の熱融着用パネル15)の飽和ポ
リエステル樹脂部分54aは、胴部パネル11の内面層
44と熱融着されている。このように、筒体20の熱融
着部は、ポリオレフィン樹脂同士、および飽和ポリエス
テル樹脂同士が熱融着されているため、熱融着強度が極
めて高く、容器は優れた強度を具備している。
【0023】また、本発明では、ブランク板10の左端
部および右端部の構造は、上記の図3および図5に示さ
れるものに限定されるものではない。例えば、ブランク
板10の左端部を図3に示されるような構造とし、右端
部を図5に示される構造としてもよく、逆に、ブランク
板10の左端部を図5に示されるような構造とし、右端
部を図3に示される構造としてもよい。
【0024】上述の積層シート31,41を構成する基
材層32,42は、紙層、アルミニウム箔、オレフィン
系樹脂層、ポリエステル系樹脂層等、あるいはこれらの
中の任意の組み合わせによる複合材層とすることができ
る。また、基材層の厚さは、容器の使用目的により適宜
決定することができ、例えば40〜1000μmの範囲
内で設定できる。
【0025】ポリオレフィン樹脂からなる外面層33,
43は、筒体形成工程あるいは容器の底部形成工程にお
けるヒートシール加工を可能ならしめるとともに、容器
に耐水性を付与するものである。使用するポリオレフィ
ン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−α・オレフィ
ン共重合体、ポリプロピレン等を挙げることができる。
この外面層3の厚さは、3〜150μm程度とすること
ができる。
【0026】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性乃至
低結晶性の飽和ポリエステル樹脂からなる内面層34,
44は、結晶化度が10%以下である非晶性乃至低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂で形成されるものであり、ガ
ラス転移温度未満の温度条件下で優れた保香性能を発揮
する。このような飽和ポリエステル樹脂としては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール等のジアルコール成分
と、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸等によるジカルボン酸成分とに
よる共縮重合により得られるポリエステル樹脂等が挙げ
られる。より具体的には、エチレングリコールとテレフ
タル酸、エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタ
ル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレン
グリコールとテレフタル酸、プロピレングリコールとイ
ソフタル酸とテレフタル酸等による組み合わせの共縮重
合により得られるポリエステル樹脂や、上記のエチレン
グリコールとテレフタル酸とをベース原料としてポリエ
ステル樹脂を重合する際に、酸成分の一部にトリメリッ
ト酸のような3価のカルボン酸を利用したり、あるいは
アルコール成分の一部にトリメチロールプロパン等の3
価のアルコールを使用したり、さらに、アルコール成分
の一部と酸成分の一部とに3価のカルボン酸と3価のア
ルコールとを使用して得られるポリエステル樹脂等が挙
げられる。
【0027】このような内面層34,44を構成するポ
リエステル樹脂は、酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分
が10重量%未満であることが好ましい。酸成分中の脂
肪族ジカルボン酸成分が10重量%以上になると、内面
層5の保香性能が低下するので好ましくない。また、内
面層の厚さは5〜60μmの範囲が好ましい。内面層の
厚さが5μm未満の場合、内面層の安定性が悪く、また
内面層の厚さが60μmを越えると積層シート1が硬く
なり容器の形成特性が低下するので好ましくない。
【0028】また、基材層32,42とガラス転移温度
が40℃以上の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル
樹脂からなる内面層34,44との接着性を良好にする
ために、両者の間にポリオレフィン系樹脂層を介在させ
てもよい。このポリオレフィン系樹脂層を構成するポリ
オレフィン系樹脂としては、例えば内面層に対して良好
な接着作用を有するカルボキシル基変性ポリオレフィン
系樹脂を挙げることができる。また、基材層が紙層であ
る場合には、紙に対して良好な接着作用を有するポリオ
レフィン系樹脂からなる層と上記のカルボキシル基変性
ポリオレフィン系樹脂からなる層との積層構造とするこ
ともできる。この場合、ポリオレフィン系樹脂層を構成
するカルボキシル基変性ポリオレフィン系樹脂からなる
層が内面層と接する位置にくるようにする。
【0029】上記のようなポリオレフィン系樹脂層と内
面層との積層構成の具体例として下記の3つの例を挙げ
ることができる。 1)ポリエチレン樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上
の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 2)カルボキシル基変性ポリオレフィン系樹脂層/ガラ
ス転移温度が40℃以上の非晶性乃至低結晶性の飽和ポ
リエステル樹脂層 3)ポリエチレン樹脂層/カルボキシル基変性ポリオレ
フィン系樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上の非晶性
乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 そして、このようなポリオレフィン系樹脂層と内面層と
の積層構成は、共押出し積層構成でもよく、あるいは基
材層とポリオレフィン系樹脂層と内面層の各層間に接着
剤を介在させた構成であってもよい。
【0030】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例)基材層としての厚紙(坪量340g/m2
の片面にポリエチレン樹脂を塗布して外面層(厚さ=1
5μm)を形成した後、この厚紙の他方の面に共押出し
コート法により、カルボキシル変性ポリエチレン樹脂
(三井石油化学工業(株)製アドマーSE 810(ポリエチ
レンに無水マレイン酸をグラフト重合させた共重合
体))からなるポリオレフィン系樹脂層(厚さ=20μ
m)および非晶性飽和ポリエステル樹脂(イーストマン
コダック社製 PETG 6763 (ガラス転移温度=81
℃))からなる内面層(厚さ=20μm)を積層して積
層シートを作成した。
【0031】このように作成した積層シートを打ち抜い
て、図1に示されるようなゲーベルトップ型容器用のブ
ランク板を形成した。このブランク板の左右両端部は、
図3に示される折り返し構造とした。この場合、折り返
しの幅(ポリオレフィン樹脂部分33aの幅、および飽
和ポリエステル樹脂部分34aの幅)は10mmとした。
【0032】次に、図2に示されるようにブランク板を
折り曲げ、図4に示されるように熱融着用パネル15の
外面層側と胴部パネル11の内面層側とをホットエアー
処理(220℃)により熱融着して筒体(試料−1)を
形成した。
【0033】また、基材としてのAl箔20μと二軸延
伸ポリエステルフィルム12μのドライラミネートフィ
ルムのAl箔面にポリエチレン樹脂を塗布してポリエチ
レン樹脂層(厚さ=30μm)を形成した後、この基材
の他方の面に共押出しコート法により、カルボキシル変
性ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業(株)製 アド
マーSE 810(ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト
重合させた共重合体))からなるポリオレフィン系樹脂
層(厚さ=15μm)および非晶性飽和ポリエステル樹
脂(イーストマンコダック社製 PETG 6763 (ガラス転
移温度=81℃))からなる飽和ポリエステル樹脂層
(厚さ=15μm)を積層して積層フィルムを作成し
た。そして、この積層フィルムを用いて、上記の積層シ
ートを打ち抜いて作成した図1に示されるようなゲーベ
ルトップ型容器用のブランク板の左右両端部を図5に示
されるように被覆した。このような積層フィルムの被覆
幅(ポリオレフィン樹脂部分53aの幅、および飽和ポ
リエステル樹脂部分54aの幅)は10mmとした。
【0034】次に、このブランク板を用いて図2に示さ
れるように折り曲げ、図6に示されるように熱融着用パ
ネル15の外面層側と胴部パネル11の内面層側とをホ
ットエアー処理(220℃)により熱融着して筒体(試
料−2)を形成した。
【0035】また、比較として右端部(図1の熱融着用
パネル15)のみを図3に示されるような折り返し構造
とし、左端部(図1の胴部パネル11の左端側)は折り
返し構造としないブランク板を用い、図8に示されるよ
うに熱融着した他は、上記の試料−1と同様にして筒体
(比較試料−1)を形成した。
【0036】次に、このように形成した各筒体(試料−
1,2、比較試料−1)の熱融着部分の接着強度を下記
の条件で測定し、その結果を表1に示した。 (接着強度の測定条件) テンシロン引張り試験機 室温、15mm幅、300m/minで試験片を引張
り、その時の強度を測定した。
【0037】
【表1】 表1に示されるように、本発明の容器を構成するための
筒体(試料−1,2)の熱融着部分の接着強度は、充分
に高いものであった。しかし、本発明の容器の構造では
ない比較試料−1では、熱融着部分の接着強度は不十分
なものであった。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば容
器の内周面がガラス転移温度が40℃以上の非晶性乃至
低結晶性の飽和ポリエステル樹脂で構成され、基材層が
容器内に露出していないため、内容物に対する優れた保
香特性を有し、かつ酒類のように浸透性の高い液体でも
安定して保存可能であるとともに、筒体の熱融着部で
は、ポリオレフィン樹脂同士、および飽和ポリエステル
樹脂同士が熱融着されているため、この熱融着部の熱融
着強度が極めて高く、容器は優れた強度を具備するとい
う効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例であるゲーベルトップ型容
器の形成に用いるブランク板の外周面側からの平面図で
ある。
【図2】図1に示されるブランク板を用いて形成された
筒体の一部を示す斜視図である。
【図3】ブランク板を構成する積層シートの一例を説明
するための概略断面図であり、図1に示されるブランク
板のA−A線における左端部および右端部の概略断面図
である。
【図4】図3に示されるブランク板を用いて形成された
筒体の熱融着部を示す図である。
【図5】ブランク板を構成する積層シートの他の例を説
明するための概略断面図であり、図1に示されるブラン
ク板のA−A線における左端部および右端部の概略断面
図である。
【図6】図5に示されるブランク板を用いて形成された
筒体の熱融着部を示す図である。
【図7】容器の成形用素材である積層シートの端部構造
を示す断面図である。
【図8】容器の成形用素材である積層シートの熱融着部
を示す断面図である。
【符号の説明】
10…ブランク板 20…筒体 31,41…積層シート 32,43…基材層 33,34…外面層 34,44…内面層 33a,53a…ポリオレフィン樹脂部分 34a,54a…飽和ポリエステル樹脂部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状のブランク板の左右両端部を熱
    融着して筒体とし、該筒体の一方の開口端を密封して底
    部とし、前記筒体の他方の開口端を密封して頂部とした
    容器において、 前記ブランク板は基材層と、該基材層の一方の面に設け
    られたポリオレフィン樹脂からなる外面層と、前記基材
    層の他方の面に設けられたガラス転移温度が40℃以上
    の非晶性乃至低結晶性の飽和ポリエステル樹脂からなる
    内面層とを備える積層シートで構成され、熱融着される
    前記左右両端部のうち、一方の端部の先端から外面層側
    に所定幅で飽和ポリエステル樹脂部分を有し、他方の端
    部の先端から内面層側に所定幅でポリオレフィン樹脂部
    分を有し、前記筒体は前記飽和ポリエステル樹脂部分が
    他方の端部の内面層と当接し、前記ポリオレフィン樹脂
    部分が他方の端部の外面層と当接するように重畳し熱融
    着して形成したものであることを特徴とする容器。
JP1099093A 1993-01-26 1993-01-26 容 器 Pending JPH06219440A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110259943A1 (en) * 2009-05-21 2011-10-27 Zhiquan Yan Hermetically Sealed Paperboard Container with Enhanced Barrier Performance

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