JP2657283B2 - エアクッション艇用柔構造材 - Google Patents
エアクッション艇用柔構造材Info
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
e:ACVと略す)用柔構造材料に係わり、更に詳しくは耐
久性を向上させたエアクッション艇用柔構造材に関する
ものである。
気を送り込んで艇を浮上させるものであり、このために
艇体下部に空気を一定圧力に保持するための空気室を柔
構造材により形成している。この柔構造材は、水陸両用
の機能を有するホーバークラフトの場合にはスカート
材、側壁型エアクッション艇(Surface Effect Ship:SE
Sと略す)の場合にはシール材と呼ばれている。
スカートもしくはシールの材料としては、ポリアミド
(ナイロン),アラミッド(芳香族ポリアミド),ポリ
エステルなどの合成繊維による織布に接着処理を施こし
た上に、天然ゴム(NR)または合成ゴムを被覆させたゴ
ム引布が用いられる。合成ゴムとしては、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体(NBR),ポリクロロプレン
(CR)およびこれらをブレンドしたもの、その他ポリウ
レタン(PU),オキシプロピレン(OPR),エチレン−
プロピレン共重合体(EPDM),クロロスルホン化ポリエ
チレン(CSM),ブチルゴム(IIR),塩化ビニル(PV
C)とNBRをブレンドしたもの,ブタジエンゴム(BR)と
NRのブレンドしたものなどが使用されてきた。
レンドしたゴムを総称して、エラストマーと呼称する。
その用途上、使用目的から過酷な使用条件下に置かれ、
屈曲及び発熱を伴い材料破損を生じ、現在では比較的短
時間で劣化現象を起こす。そのため、船艇の運用目的,
採算性,性能等の観点からより耐久性に優れた高寿命の
ものが望まれている。
ル材を構成する織布の繊維構造、織布とエラストマーと
の接着,エラストマーの弾性率およびエラストマーの織
布に対する浸透性などが複合的に絡み合っているものと
考えられる。
うに、平織,綾織,朱子織などの織布がゴム引布の補強
材料として使用されてきた。しかるに、これら織布は、
隣接する縦糸同志、横糸同志が各々密に織られて糸が接
触しているに過ぎないため、織布自身が一枚の板状織物
となり易い。したがって、エラストマーが織布および繊
維組織に含浸されにくく、また被覆されたエラストマー
の表面と裏面との投錨効果が得られにくいなどの欠点が
あり、その上、ゴム引布断面の繊維もしくはゴム引布表
面から浸透する水または海水の影響により織布とゴム
(エラストマー)の接着劣化が促進され易かった。
めると、スカートまたはシールに激しい振動が繰り返さ
れる結果、急速に剥離が進行し、同時に織布自身が直接
水または海水に曝露されるためにゴム引布断面位置の繊
維から“ほつれ”や“引きちぎれ”が発生し、急激な劣
化に結びつき、スカート材料またはシール材料としての
機能の悪化を招いていた。
もので、エラストマーを、織布及び繊維組織に含浸され
易くし、また被覆されたエラストマーの表面と裏面との
投錨効果により、シール材の寿命を延長させることが出
来るエアクッション艇用柔構造材を提供することを目的
とするものである。
10乃至70%で構成される亀甲編みの織布に、エラストマ
ーを被覆させて構成したことを要旨とするものである。
ル材として使用する材料を、織布の間隙率が10乃至70%
で構成される柔軟性を有する組織構造である亀甲編みの
織布に、エラストマーを被覆させることで、耐久性を著
しく向上させ、寿命を延ばすことが出来るものである。
る。
モデル図、第2図(b)は、亀甲編みの拡大図を示して
いる。
y),縦糸太さa,横糸太さbとすれば、織布の糸の打ち
込まれていない部分、即ち間隙は、(x−2a)(y−2
b)/X・Yで表わされ、100を乗ずることにより百分率で
示され、これを間隙率(%)と呼ぶことができる。
る。織布の間隙率が10%未満であると、従来用いられて
きた平織および2×2朱子織に近くなり、スカート材料
もしくはシール材料としての寿命延長に著しい効果が得
られず、逆に、70%を越えると、ゴム引布中の強度メン
バーである糸が相対的に少な過ぎ、ゴム引布としての寿
命が劣るからである。
延加工工程時の剪断力により織布の目ずれ、布切れなど
の工程トラブルが発生し易いが、被覆ゴムを有機溶剤に
溶解させてなるゴム糊にこの織布を前以って浸漬し、予
備加硫などを実施することにより圧延時の工程トラブル
を回避できる。
(b)に示す亀甲編みの織布に、第3図に示すように、
エラストマー1を被覆させてなるものである。エラスト
マーの被覆は常法によればよい。
造材の断面を含めたモデル的な斜視図であり、第3図に
おいて、織布の糸2は1本又は2本以上の複数本であっ
てもよく、この糸2の周囲は、エラストマー(ゴム)1
によって覆われている。
エステル,ホルマール化ポリビニルアルコール,ポリプ
ロピレン,ポリアクリロニトリル,アラミッド繊維など
の合成繊維、およびステンレス,スチールなどの金属繊
維などが用いられる。
PDM,CSM,IIR,PVC,BRの他、イソプレン(IR),スチレン
−ブタジエン共重合ゴム(SBR),多硫化ゴム(TR),
塩素化ポリエチレン(CPE),アルフィンゴム(AL),
エピクロルヒドリンゴム(ECO),シリコンゴム(S
i),フッ素ゴム(FR)などの単独もしくは複数のエラ
ストマーのブレンドされたものが用いられる。
(a)及び第2図(b)に示すように、間隙率が10〜70
%の亀甲編みの織布を用いたために、第3図に示すよう
に、糸2同志間の間隙にエラストマー1が十分に入り込
むことができるので、織布とゴムとの急激な剥離現象が
起こりにくい。
定したのは、実用上製作可能であり、かつ、柔構造材料
として必要な織布が構成する面での適度な織布の剛性が
保たれながら縦糸および横糸が互いに拘束し合い各々に
応力を伝播、拡散し合うという理由と、他の一般のゴム
引き布よりも一段と優れた耐久性が得られるからであ
る。
として使用された柔構造材料の断面を含めたモデル的な
斜視図である。この第4図においては、糸2同志間に間
隙が殆んど生じていないために、エラストマー1が糸2
同志間に入り込むのは困難である。このようにして得ら
れたエアクッション艇用柔構造材、即ち、ゴム引布を簡
便かつ短時間に評価する方法として、艇速に相当する噴
射水をゴム引布に直接吹き付け、その劣化の状態により
優劣を評価するWJF(ウォータージェットフラジレータ
ー)試験装置(第5図)による方法がある(以下フラジ
レーション試験と呼称する)。
(単位mm)に作成し、スカート材料もしくはシール材料
のWJF試験装置の供試体とする。第5図は、フラジレー
ション試験の概念を示したもので、垂直に置かれた供試
体に対し約65゜の角度にノズル5(断面大きさ100mm×1
0mm)が接地され、ノズル5からエアクッション艇の速
度に対応させた噴射水4が供試体に吹き付けられる。
ゴムの剥離、欠損などが生じ、また、切り込み部6がさ
らに進展する。切り込み部6に囲まれた部分が激しくは
ためくことにより、その最下端から引きちぎれ、剥離な
どが発生する。供試体にこれらの剥離、欠損、クラッ
ク、引きちぎれが発生した時までの時間を寿命とするも
のである。
6ナイロン製の亀甲編みの織布に、レゾルシンホルマリ
ンラテックス液に浸漬処理した織布に下記第1表に示す
配合のエラストマーを被覆させた厚み2.2mmのゴム引布
で第5図のフラジレーション試験(噴射水速度80ノッ
ト)を実施した。この結果、78時間の寿命であった。
6ナイロン製の亀甲編みの織布に、第2表に示す配合の
エラストマーを有機溶剤メチルエチルケトンに10%の濃
度で溶解させたゴム糊液中に浸漬後、乾燥処理を行い、
下記第2表に示す配合のエラストマーを被覆させた厚み
2.2mmのゴム引布で第5図のフラジレーション試験(噴
射水速度80ノット)を実施した。この結果、71時間の寿
命であった。
ポリエステル製の亀甲編みの織布に、有機溶剤メチルエ
チルケトンにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー社製)を8%の濃度で溶解させた調製液
中に浸漬後、乾燥処理を行った。2,4−トリレンジイソ
シアナートのポリイソシアナートと、ジデカニューエー
スF9−30Y(旭電化社製)のポリエステルポリオールと
から成るウレタンプレポリマーに、P,P′−ジアミノジ
フェニルメタン(三井日曹ウレタン社製)を、所要の比
率で混合後、直ちに上記浸漬処理した織布に注型し、厚
み2.5mmのゴム引布とした。このゴム引布を第5図のフ
ラジレーション試験(噴射水速度80ノット)を実施した
結果、84時間の寿命であった。
液処理方法で、異った間隙率の織布を使用した場合の結
果を、比較として下記第3表に示した。
%で構成される亀甲編みの織布に、エラストマーを被覆
させて構成した織布を用いることにより、織布の縦糸同
志、横糸同志各々に一定の間隙をもたせて整織し、織布
の表,裏各ゴムが連絡するようにしたので、ゴムと織布
の糸表面との接触表面が増加することによる接着力の増
大がもたらされる。
の織布では織布とゴムとの間に急激な弾性率の変化が見
られ、両者の接着界面に応力の集中が起こり、これが剥
離現象(つまり短寿命)につながり易いが、この発明で
はそのような現象が起こりにくい。
表面との接着力が低下しても織布の表,裏各ゴムが連絡
しているため、この部分のゴムが破断しない限り、表,
裏のゴム層が欠落しにくく、織布とゴムの急激な剥離現
象が起こりにくい。
に多大な応力が加わっても横糸に応力が伝播および拡散
し、ゴム引布としての疲労度が少なく、寿命(耐久性)
が長くなる。
図(a)は、この発明にかかる織布の亀甲編みのモデル
図、第2図(b)は、亀甲編みの拡大図、第3図はこの
発明のエアクッション艇用柔構造材の断面を含めたモデ
ル的な斜視図、第4図は従来においてスカート材もしく
はシール材として使用された柔構造材の断面を含めたモ
デル的な斜視図、第5図はエアクッション艇用柔構造材
のフラジレーション試験の方法を示した説明図である。 1……エラストマー、2……糸、3……ゴム引布、4…
…噴射水、5……ノズル、6……切り込み部。
Claims (1)
- 【請求項1】織布の間隙率が10乃至70%で構成される亀
甲編みの織布に、エラストマーを被覆させて構成したこ
とを特徴とするエアクッション艇用柔構造材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2161226A JP2657283B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | エアクッション艇用柔構造材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2161226A JP2657283B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | エアクッション艇用柔構造材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0455161A JPH0455161A (ja) | 1992-02-21 |
JP2657283B2 true JP2657283B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=15731029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2161226A Expired - Lifetime JP2657283B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | エアクッション艇用柔構造材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2657283B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102794967A (zh) * | 2012-09-11 | 2012-11-28 | 福建思嘉环保材料科技有限公司 | 一种空间网布复合材料及其制备方法 |
-
1990
- 1990-06-21 JP JP2161226A patent/JP2657283B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102794967A (zh) * | 2012-09-11 | 2012-11-28 | 福建思嘉环保材料科技有限公司 | 一种空间网布复合材料及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0455161A (ja) | 1992-02-21 |
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