JP2657219B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

水中油型乳化化粧料

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JP2657219B2 JP63090138A JP9013888A JP2657219B2 JP 2657219 B2 JP2657219 B2 JP 2657219B2 JP 63090138 A JP63090138 A JP 63090138A JP 9013888 A JP9013888 A JP 9013888A JP 2657219 B2 JP2657219 B2 JP 2657219B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は疎水化処理された粉末と、油溶性樹脂を配合
することを特徴とする水中油型乳化化粧料で、当該化粧
料を使用することによって耐水性、耐油性、二次付着防
止効果のある新規な化粧料を提供するものである。
[従来の技術] 従来から化粧料、特にメイクアップ化粧料及びサンス
クリーン化粧料において、化粧持ちの向上が望まれてい
る。その為には化粧料に耐水性、耐油性及び二次付着防
止機能を付与しなければならない。従来の乳化化粧料で
は使用する顔料を疎水化処理したり、油溶性樹脂、水溶
性樹脂を配合したり油中水型乳化化粧料にするという方
法が採られている。しかるに、化粧持ちの効果は不十分
で、満足すべきものは得られていない。また油中水型乳
化化粧料では油によるべたつきがあり、さっぱりした感
触がなく使用性で満足できるものは得られていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは上記事情にかんがみ、べたつかずさっぱ
りして使用性が良く、化粧持ちのよいメイクアップ乳化
化粧料及びサンスクリーン乳化化粧料を得るべく鋭意研
究を重ねた結果、疎水化処理された粉末と耐水性、耐油
性および二次付着防止効果の高い油溶性樹脂に着目し、
これらを配合することにより、この課題を解決しうるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は疎水化処理された粉末と、油溶性
樹脂とを配合することを特徴とする水中油型乳化化粧料
である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いる粉末は、化粧品用として一般に用いら
れている粉末であれば良く、例えば、酸化チタン、タル
ク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、亜鉛華、群青、酸化鉄チタン−マイカ系パール剤
等の無機粉末、赤色202号、赤色204号、黄色401号、青
色404号等の有機色素又は顔料である。これらの中から
要求される色調、使用性に応じて任意の一種又は二種以
上が選ばれて用いられる。
本発明で言う疎水化処理の方法は、メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオイル、シリコ
ーン樹脂等のシリコーン化合物による処理、アニオン活
性剤、カチオン活性剤等の界面活性剤による処理、ナイ
ロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、テフ
ロン、ポリアミノ酸等の高分子化合物による処理、金属
石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステル又
は完全エステル等による処理等がある。但し一般に粉末
の疎水化処理に適用できる方法であれば良く、これらの
方法に限定されるものではない。また、粉末の疎水化方
法は、化粧料製造時の工程中に行なうあるいは予め疎水
化処理されたものを配合しても良い。
本発明に用いられる疎水化処理された粉末の配合量
は、化粧料全量中0.01〜90重量%が好ましい。
本発明に用いられる油溶性樹脂は、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂、炭化水素系樹脂等を挙げることができる。
フッ素樹脂は、パーフルオロアルキル基含有アクリル樹
脂、パーフルオロアルキル基含有メタクリル樹脂など炭
化水素系の直鎖にペンダント型にパーフルオロアルキル
基をもつもの、ポリフッ化ビニリデンなどのように主鎖
自身がフルオロカーボンであるもの、フルオロエチレン
と炭化水素系ビニルエーテルのラジカル共重合により得
られる主鎖に、炭化水素部分とフルオロカーボン部分と
両方を持つもの等が挙げられ、シリコン樹脂は、SiO2
RSiO3/2、R2SiO(Rは水素、炭素数1〜6の炭化水素基
またはフェニル基を表わす。)なる構造単位からなる共
重合体あるいはその末端をR3SiO1/2(Rは上記と同じ)
で封鎖した共重合体が挙げられ、又、ジメチルポリシロ
キサンの重合度nが5,000〜8,000のシリコーンゴムも用
いることができる。炭化水素系樹脂は、芳香族炭化水素
系樹脂(日本石油社の日石ネオポリマーT、120、140
等)、テルペン系樹脂(日本ゼオン社のQuintone A−
100、B−170、C−100等)、ポリブテン(出光石油社
野ポリブテン200等)、ポリイソプレン(エクソン社の
エスコレツ1071U、1103U等)、アルキド樹脂(大日本イ
ンキ社のベッコゾールEL8011、ソリッドベッコゾールNo
31、No96)、PVP変成ポリマー(五協産業社のGanex V
−216、V−220等)を挙げることができる。上記樹脂の
中で、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂が他の油溶性樹
脂を用いるよりも撥水性が優れていることから特に好ま
しい。
本発明に用いられる油溶性樹脂の配合量は、化粧料全
量中1〜5重量%である。この配合量範囲とすることに
より、皮脂による化粧くずれや衣服等への転写が顕著に
抑制されながらもべたつかないという格段の効果が得ら
れる。
本発明に使用する界面活性剤としては、例えば、ソル
ビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレー
ト、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミ
テート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセス
キオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2
−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ
−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等の
ソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセ
リン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリ
セリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α′−オレ
イン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸
グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪
酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロ
ピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導
体、グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン界
面活性剤、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビ
タンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレー
ト、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン
脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POE
ソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレ
エート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビ
ット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレー
ト、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリ
ントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エス
テル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POE
モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール
等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POE
オレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニ
ルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコ
レスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POE
オクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテ
ル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェ
ニルエーテル類、プルロニック等のプルロニック型類、
POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデ
シルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP
水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・P
OPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・
テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、PO
E硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレー
ト、POE硬化ヒマシ油トワイソステアレート、POE硬化ヒ
マシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエ
ステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬
化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツ
ロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ
ド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロ
パノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE
脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェ
ニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチ
ルアミンオキシド、トリオレイルリン酸糖の親水性非イ
オン界面活性剤、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸K等の高級アルキル
硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミ
ン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル
硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等の
N−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチ
ルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッド
ナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の
高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテル
リン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等の
リン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハ
ク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミド
ポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリ
ルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム
等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ト
リエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン
酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイル
グルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタ
ミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミ
ン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬
化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪
酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、PO
Eアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエー
テルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級
脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エス
テル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル
塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウ
ム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノール
アミン、カゼインナトリウム等の陰イオン界面活性剤、
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリル
トリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモ
ニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジア
ルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N′−ジ
メチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチル
ピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四
級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリ
ホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、
ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導
体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、カチ
オンポリマー、アクリル酸β−N−N−ジメチル−N−
エチルアンモニオエチル塩ビニルピロリドン共重合体等
の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
本発明に使用する油分は流動パラフィン、スクワレン
等の脂肪族炭化水素、ミンク油、オリーブ油、ホホバ
油、ヒマシ油、ラノリン等の動植物油、イソプロピルミ
リステート、オクチルドデシルミリステート、トリメチ
ロールプロパントリイソステアレート、リンゴ酸ジイソ
ステアリル等のエステル油、イソステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイン
酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸、沸点260℃以下
のイソパラフィン例えばアイソパー(登録商標)A、同
C、同E、同G、同H、同K、同L、同M(エクソン
社)、シェルゾール(登録商標)71(シェル社)、ソル
トロール(登録商標)100、同130、同220(フィリップ
社)、炭素数が1〜5の低級アルコール、トリクロロト
リフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、ト
リクロロフルオロメタン、ジクロルメタン等のフッ素系
溶剤、下記一般式(I)あるいは(II)で示されるシリ
コーン油等が挙げられる。
(式中nは0〜250の整数、Rは水素原子、低級アルキ
ル基又はフェニル基の組合せを示す。) (式中nは3〜6の整数、Rは水素原子、低級アルキル
基の組合せを示す。) 本発明においてはこれら油分の内の一種又は二種以上
が適宜選択されて用いられ、配合量は、化粧料全量中0.
1〜90重量%が好ましい。
本発明に用いる油溶性樹脂は、予め上記油分に溶解し
たものでもよく、あるいは化粧料製造時の工程中に溶解
してもよい。
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記必須成分に加
えて、紫外線吸収剤、薬剤、増粘剤、香料、防腐剤等、
化粧料用として公知の成分を必要に応じて配合できる。
[発明の効果] 本発明に係る水中油型乳化化粧料は、さっぱりしてべ
たつかず、耐水性に優れ、皮脂による化粧くずれが少な
く、衣服等への転写が少ないものである。
[実施例] 次に実施例および比較例をあげて、本発明を具体的に
明らかにする。本発明はこれにより限定されるものでは
ない。配合量は重量%である。
実施例に先立ち、効果試験方法について示す。なお、
化粧料の性能は次の表に挙げた項目について専門パネル
10名による5段階完納で評価した。
評価結果は10名の平均値に基づいて、下記の記号によ
って示した。
◎:4.5以上5.0以下 ○:3.5以上4.5未満 △:2.5以上3.5未満 ×:1.5以上2.5未満 ××:1.0以上1.5未満 (製法) (12)(13)(14)の一部を混合し、これに(9)を
加えて70℃〜80℃に加熱溶解し、(18)〜(21)を加え
均一に分散してカチオン活性剤による疎水化処理を行
う。これに(5)(6)(8)(11)を加え、ホモミキ
サーで処理する。
一方、(1)〜(4)(7)(10)を70℃〜80℃で加
熱溶解し(22)を加えた油相をこれに添加して撹拌乳化
する。また、(14)の一部に(15)(16)(17)を加
え、ホモミキサー処理したものをこれに添加後ホモミキ
サー処理をして30℃まで冷却する。
第1表に示したように、カチオン活性剤による疎水化
処理しただけのものに比べて、本発明の水中油型乳化化
粧料は、耐水性が優れ、皮脂による化粧くずれが少な
く、衣服等への転写が少ない。
(製法) (9)(13)〜(15)を70℃〜80℃で加熱し、ホモミ
キサーで処理した後(8)を加えて撹拌する。
(10)〜(12)を加え均一に分散し、(4)(8)を
加える。これに撹拌下70℃〜80℃加熱した(1)〜
(3)(5)〜(7)および(16)を添加して撹拌乳化
し、ホモミキサー処理して30℃まで冷却する。
第2表に示すように、疎水化処理しただけの比較例2
に比べて、本発明の水中油型乳化化粧料は、耐水性に優
れ、皮脂による化粧くずれが少なく、衣服等への転写も
少ない。
(製法)実施例3 (10)(17)(18)を70℃〜80℃で加熱し、ホモミキ
サーで処理した後(7)を加えて撹拌する(水相)。一
方、撹拌下70℃〜80℃で加熱した(1)〜(6)(8)
(9)に(11)〜(13)を均一分散したものに(19)を
添加する。これを水相に添加して撹拌乳化し、ホモミキ
サー処理して30℃まで冷却する。
(製法)比較例3 (10)(17)(18)を70℃〜80℃で加熱し、ホモミキサ
ーで処理した後(7)を加えて撹拌する(水相)。一
方、撹拌下70℃〜80℃で加熱した(1)〜(6)(8)
(9)に(14)〜(16)を均一分散したものに(19)を
添加する。これを水相に添加して撹拌乳化し、ホモミキ
サー処理して30℃まで冷却する。
第3表に示すように油溶性樹脂を配合しても粉末が疎
水化処理されていない粉末を配合したものは耐水性、皮
脂による化粧くずれの点で劣るが、疎水化処理したもの
を配合した化粧料は耐水性、に優れ、衣服等への転写が
少ない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水化処理された粉末と、油溶性樹脂1〜
    5重量%とを配合したことを特徴とする水中油型乳化化
    粧料。
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