JP4695249B2 - ゲル状化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペクチンを多価陽イオンでゲル化させ、粉体を必須に含有するゲル状化粧料に関するものであり、更に詳しくは、使用時に指やマット等の小道具へのトレが良好で、塗布時にみずみずしく、滑らかな伸び等の優れた使用感を有し、且つ、経時安定性が良好なゲル状化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、みずみずしい使用感触を有する化粧料として、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、寒天等の水溶性高分子により水をゲル化した化粧料が提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水のゲル化剤として、カルボキシビニルポリマーを用いた場合、チキソトロピー性が高く、さっぱりとした使用感が得られるが、このゲルは電解質が存在すると、構造が破壊されて粘度が低下し、経時安定性に問題を生じる場合があった。このため、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等の化粧料に有用な電解質を配合することが、困難であった。また、水のゲル化剤として、キサンタンガムを用いた場合、電解質の影響を受けないゲルが得られるが、みずみずしく、さっぱりとした使用感を得ることが困難であった。更に、水のゲル化剤として、カラギーナンを用いた場合、高温状態において排液を生じやすく、経時安定性に問題を生じる場合があった。そして、水のゲル化剤として、寒天を用いた場合、ゲルが堅すぎて、化粧料のトレが悪く、肌上で均一に伸ばすことが困難になる場合があった。
【0004】
また、上記の水溶性高分子により形成されるゲルは、弾力性、チキソトロピー性、ゲルを崩壊した後のゲル復帰性等において、本発明に係わるペクチンを多価陽イオンと反応させて得られるゲルと異なるものである。すなわち、本発明に係わるペクチンを多価陽イオンと反応させて得られるゲルは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早く、且つ、熱可逆性である等の特殊なゲル特性を有するものである。しかし、ペクチンを多価陽イオンと反応させただけのゲルは、指等へのトレが悪く、肌上の伸び広がりが悪くなる等の欠点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は、鋭意研究した結果、ペクチンの水溶液に多価陽イオンを反応させて形成するゲル中に粉体を含有させると、ペクチンの有用なゲル特性を保持しながら、且つ、使用時に指やマット等の小道具へのトレが良好になることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は、成分(a)〜(c);
(a)ペクチン
(b)水溶液中で多価陽イオンを生成する塩
(c)粉体
を含有するゲル状化粧料を提供するものである。また、更に成分(d)として、油分を含有する前記ゲル状化粧料、及び化粧料が、メーキャップ化粧料である前記何れかのゲル状化粧料を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ゲル状化粧料とは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早い等の特殊な物理特性を有するものであり、更に熱可逆性のゲルであることから高温で充填が容易にできるという化粧料に有用特性を有するゲル形態の化粧料である。
【0008】
本発明に用いられる成分(a)ペクチンは、水をゲル化させる成分であり、柑橘類やリンゴ等から抽出して得られる高分子多糖類であり、部分的にメチルエステル化されたポリガラクツロン酸を主体としたものである。また、成分(a)のペクチンとしては、メチルエステルの加水分解を制御することにより得られる種々のメチルエステル化率のペクチンや、アンモニアを用いて脱メチルエステル化しメチルエステル化率を制御することにより得られるアミド化ペクチンを用いることができる。(尚、ここでメチルエステル化率とはペクチンの全カルボキシル基に対するメチルエステル化率である。)更に、成分(a)のペクチンは、溶解性やゲルの安定性の面から、メチルエステル化率が5〜50%のペクチンが好ましい。このような、成分(a)のペクチンは、市販品として、ネオソフト P−3(太陽化学社製)、GENU PECTIN LM−101AS(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製)等が挙げられる。
【0009】
本発明のゲル状化粧料における成分(a)の含有量は、ゲル特性及び経時安定性、べたつきのなさ等の使用感の観点より、0.1〜3質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、更には0.5〜2%が好ましい。
【0010】
本発明に用いられる成分(b)水溶液中で多価陽イオンを生成する塩は、上記ペクチンのゲルを架橋させ、弾力性が高く、チキソトロピー性が大きく、ゲルを崩壊させた時の回復性が非常に早いゲルを形成させるものであり、具体的には、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、及びこれらの混合物より成る群から選択される塩である。本発明のゲル状化粧料において、ゲル化力の観点より、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛及びそれらの混合物より成る群より選択される塩が好ましく、特にカルシウム塩が好ましい。
【0011】
成分(b)水溶液中で多価陽イオンを生成する塩は、例えば、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、グリセロン酸カルシウム、カルシウムグリシネート、リン酸一水素カルシウム、水酸化カルシウム、ヨウ化カルシウム、乳酸カルシウム、カルシウムラクトホスフェート、炭酸カルシウムマグネシウム、イノシトールヘキサリン酸カルシウムマグネシウム、リン酸カルシウム三塩基、カルシウム−o−ホスフェート、プロピオン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、コハク酸カルシウム、カルシウムサックレート、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、四リン酸カルシウム、酸化カルシウム、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(III)アセテートヒドロオキサイド、鉄(III)塩化アンモニウム、鉄(III)クエン酸アンモニウム、鉄(II)硫酸アンモニウム、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、鉄コリンシトレート、クエン酸鉄(II)、鉄デキストラン、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、次亜リン酸鉄(III)、乳酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、鉄(III)シュウ酸カリウム、ピロリン酸鉄(III)、鉄(III)クエン酸ナトリウム、鉄(III)ピロリン酸ナトリウム、硫酸鉄(III)、リン酸マグネシウムアンモニウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、ギ酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、マグネシウム−o−ホスフェート、水酸化マグネシウム、マグネシウムヒドロオキサイドカーボネート、乳酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硫酸アンモニウム亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、リン酸一水素亜鉛、水酸化亜鉛、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸亜鉛一塩基、リン酸亜鉛三塩基、亜鉛−o−ホスフェート、プロピオン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛及びイソ吉草酸亜鉛等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この中でも、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム及びピロリン酸カルシウム等のカルシウム塩が、ゲル化力の観点より特に好ましい。
【0012】
本発明のゲル状化粧料における成分(b)の含有量は、ペクチンのメチルエステル化率、アミド化率、塩の種類等に影響されるが、ゲル化力や経時安定性の観点から、0.0025%〜0.75%が好ましく、0.0125%〜0.5%が特に好ましい。
【0013】
本発明に用いられる成分(c)粉体は、ペクチンを多価陽イオンで架橋して得られるゲルを指や小道具等でのトレを良好にし、滑らかな伸び広がりを向上させるものであり、通常化粧料に含有可能な粉体である。具体的には、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、成分(c)の粉体は、ゲル状化粧料中への分散性の向上、肌への付着性の向上、化粧効果の持続性向上等の目的で、通常公知の表面処理を施して用いることができる。
【0014】
本発明のゲル状化粧料における成分(c)の含有量は、化粧料の種類や粉体の種類等に影響されるが、メーキャップ化粧料の場合、1〜50%が好ましく、5〜40%が特に好ましい。また、基礎化粧料の場合、0.1〜30%が好ましい。
【0015】
本発明のゲル状化粧料は、水を必須に含有するものであり、含有量は概ね、50〜98%が好ましい。
【0016】
本発明のゲル状化粧料には、上記成分に加えて、成分(d)として油分を含有すると、エモリエント感の付与や、伸び広がりを向上させることができる。成分(d)として用いられる油分としては、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシクロテトラシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシクロペンタシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0017】
本発明のゲル状化粧料における成分(d)の含有量は、使用感の観点より、0.1〜30%が好ましい。
【0018】
本発明のゲル状化粧料には、必要に応じて、上記油分を乳化、または可溶化する為に界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、通常化粧料に用いられている界面活性剤であれば何れでもよく、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸の無機塩及び有機塩、アルキルベンゼンスルホン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、o−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種または二種以上を用いることができる。尚、本発明のゲル状化粧料においては、ペクチンにより形成させるゲルの安定性がアルカリ性より酸性の方が優れることより、乳化剤として用いる前記界面活性剤は、酸性〜中性領域で安定な乳化性を示すものが特に好ましい。また、本発明ゲル状化粧料に用いられる界面活性剤の含有量としては、界面活性剤の含有目的により異なるが、0.01〜10%が好ましい。
【0019】
本発明のゲル化粧料には、上記必須成分の他に、通常化粧料に用いられる成分として、例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、L−メントール、カンファ等の清涼剤、成分(a)以外のメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、寒天、アクリル酸等の水溶性高分子、メタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体等のエマルションポリマー、油ゲル化剤、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等の防腐剤、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル変性シリコーン等の被膜形成剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲にて配合することができる。
【0020】
本発明のゲル状化粧料は、美容液、化粧水、乳液、クリーム、パック、洗顔料等の基礎化粧料、ファンデーション、白粉、頬紅、コンシーラー、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメーキャップ化粧料が挙げられる。尚、本発明のゲル状化粧料は、ゲルの強度、経時安定性の観点より、pHは4.0以上、8.0以下の領域であることが好ましい。
【0021】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1〜6及び比較例1〜4:ゲル状アイシャドウ
下記表1及び表2に示す組成のゲル状アイシャドウを調製し、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「みずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」、「経時安定性」の各項目について、以下に示す評価方法により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0023】
【表1】
Figure 0004695249
【0024】
【表2】
Figure 0004695249
【0025】
(製造方法)
A.成分11〜16を成分5,7の一部に予備分散する。
B.成分8〜10をホモミキサーにて、成分5,7の一部に予備分散する。
C.成分1〜4を加熱溶解して70℃とする。
D.Bに残りの成分5〜7を添加し、加熱混合して70℃とする。
E.DにCを添加し、乳化する。
F.Eを40℃まで冷却し、Aを添加し混合する。
G.Fを50℃まで、加熱し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状アイシャドウを得た。
【0026】
評価方法1:
化粧歴10年以上の女性20名をパネルに、上記実施例及び比較例のゲル状アイシャドウを使用してもらい、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「みずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」の各項目について、良好であるとと感じた人数により、以下の判定基準1に従い判定した。
Figure 0004695249
【0027】
評価方法2:
上記実施例及び比較例のゲル状アイシャドウを20℃と50℃の恒温槽に、それぞれ1ヶ月間保管した時の両者の状態を比較観察し、以下の判定基準2に従い判定した。
Figure 0004695249
【0028】
表1及び表2より、本発明の実施例である、実施例1〜6のゲル状アイシャドウは、比較例1〜4のアイシャドウに比べて、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「みずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」、「経時安定性」の全ての各項において優れたゲル状アイシャドウであった。また、比較例1〜4のゲルは、耐塩性に優れる、弾力性の高さ、チキソトロピー性の大きさ、ゲルを崩壊させた後の回復性の早さ等のゲル特性全てを満足するものは得られなかった。
【0029】
実施例7:ゲル状ファンデーション
(成分) (質量%)
1.モノステアリン酸グリセリン 1.5
2.モノステアリン酸ポリエチレングリコール 1
3.セタノール 1.5
4.スクワラン 2
5.トリオクタン酸グリセリル 3
6.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.5
7.メチルポリシロキサ 0.5
8.1,3−ブチレングリコール 5
9.精製水 残量
10.防腐剤 適量
11.フッ素化合物処理酸化チタン(注3) 10
12.シリコーン処理ベンガラ(注4) 0.1
13.シリコーン処理黄酸化鉄(注4) 1.5
14.シリコーン処理黒酸化鉄(注4) 0.1
15.シリコーン処理タルク(注4) 3.5
16.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
17.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(注5) 0.3
18.セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
19.ペクチン(注2) 1
20.塩化カルシウム 0.03
21.香料 適量
注3:PF−5チタンCR−50(大東化成工業社製)
注4:メチルハイドジェンポリシロキサンを1.5%処理した顔料
注5:レオドールTWO−120(花王社製)
【0030】
(製造方法)
A.成分11〜18と成分8,9の一部を三本ロールミルにて分散する。
B.成分19〜20をホモミキサーにて成分9一部に予備分散する。
C.成分1〜7を加熱溶解して70℃とする。
D.Aに成分8〜10を添加し、加熱混合して70℃とする。
E.DにCを添加し、乳化する。
F.Eを40℃まで冷却し、B及び成分21を添加し混合する。
G.Fを50℃まで、加熱し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状ファンデーション(pH6.0)を得た。
本実施例7のゲル状ファンデーションは、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「みずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」、「経時安定性」の全ての各項において優れていた。また、本実施例7のゲルは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早い等の特殊な物理特性を有していた。
【0031】
実施例8:ゲル状パック
(成分) (質量%)
1.ペクチン(注6) 1
2.1,3−ブチレングリコール 10
3.グリセリン 5
4.精製水 残量
5.防腐剤 適量
6.カオリン 5
7.塩化カルシウム 0.05
注6:ネオソフト P−3(太洋化学社製)
【0032】
(製造方法)
A.成分7を成分4の一部に溶解させる。
B.成分1〜6をホモミキサーにて分散する。
C.BにAを添加混合する。
D.Cを50℃まで、加熱し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状パック(pH5.5)を得た。
本実施例8のゲル状パックは、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「みずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」、「経時安定性」の全ての各項において優れていた。また、本実施例8のゲルは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早い等の特殊な物理特性を有していた。
【0033】
実施例9:ゲル状乳液(W/O)
(成分) (質量%)
1.シリコーン系界面活性剤(注7) 1.5
2.シリコーン系界面活性剤(注8) 1.5
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
4.ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 10
5.架橋型メチルポリシロキサン(注9) 5
6.ジメチルポリシロキサン 5
8.イソノナン酸イソノニル 5
9.フッ素化合物処理タルク(注10) 1
10.ペクチン(注2) 1
11.1,3−ブチレングリコール 10
12.防腐剤 適量
13.精製水 残量
14.リン酸一水素カルシウム 0.1
注7:ABIL EM90(ゴールドシュミット社製)
注8:シリコンKF6017(信越化学工業社製)
注9:シリコンKSG15(信越化学工業社製)
注10:PF−5タルク(大東化成工業社製)
【0034】
(製造方法)
A.成分14を成分13の一部に溶解する。
B.成分10〜13をホモミキサーにて分散しながら、Aを添加混合する。
C.成分1〜9を均一に分散する。
D.Cをデスパーミキサーで攪拌しながら、Bを徐々に添加して乳化する。
E.Dを50℃まで、加熱し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状乳液(W/O)(内水相のpH5.5)を得た。
本実施例9のゲル状乳液は、「指へのトレの良さ」、「柔らかでソフトな使用感」、「ずみずしい使用感」、「ベタツキのなさ」、「経時安定性」の全ての各項において優れていた。また、本実施例9のゲルは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早い等の特殊な物理特性を有していた。
【0035】
【発明の効果】
本発明のゲル状化粧料は、使用時に指やマット等の小道具へのトレが良好で、塗布時にみずみずしく、滑らかな伸び等の優れた使用感を有し、且つ、経時安定性が良好な化粧料であった。また、本発明のゲルは、耐塩性に優れ、チキソトロピー性が大きく、弾力性が高く、ゲルを崩した後の回復性が非常に早い等の特殊な物理特性を有していた。

Claims (3)

  1. 成分(a)〜(c);
    (a)メチルエステル化率が5〜50%のペクチン
    (b)水溶液中で多価陽イオンを生成する塩
    (c)粉体
    を含有し、成分(a)が0.1〜3質量%、成分(b)が0.0025〜0.75質量%、成分(c)が1〜50質量%であり、(c)粉体が、シリコーン表面処理又はフッ素化合物表面処理されていることを特徴とするゲル状化粧料。
  2. 更に成分(d)として、油分を含有することを特徴とする請求項1に記載のゲル状化粧料。
  3. 化粧料が、メーキャップ化粧料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状化粧料。
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