JP2656119B2 - 成人t細胞白血病ウイルス感染診断薬 - Google Patents
成人t細胞白血病ウイルス感染診断薬Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、成人T細胞白血病(Adult Tcell leukemi
a;以下ATLと略記する)の病因である成人T細胞白血病
ウイルス(Human Tcell leukemia virus−I;以下HTLV−
Iと略記する)の、表存蛋白gp46の抗体に対して抗原性
を有するポリペプチドを抗原として用いる新規なHTLV−
I感染診断薬に関する。
a;以下ATLと略記する)の病因である成人T細胞白血病
ウイルス(Human Tcell leukemia virus−I;以下HTLV−
Iと略記する)の、表存蛋白gp46の抗体に対して抗原性
を有するポリペプチドを抗原として用いる新規なHTLV−
I感染診断薬に関する。
ATLは、成人が罹病する悪性の疾患であり、その病因
はHTLV−Iの感染によるもので、感染者のうち0.1%前
後の頻度で発病することが知られている。このHTLV−I
の感染経路としては、輸血感染、母子感染、性的感染等
が知られており、HTLV−I感染者を早期発見し、こうし
た感染の防止に努めることが望まれている。
はHTLV−Iの感染によるもので、感染者のうち0.1%前
後の頻度で発病することが知られている。このHTLV−I
の感染経路としては、輸血感染、母子感染、性的感染等
が知られており、HTLV−I感染者を早期発見し、こうし
た感染の防止に努めることが望まれている。
従来、こうしたHTLV−I感染診断薬としては、HTLV−
Iに感染した場合に血漿又は血清中に生ずる成人T細胞
白血病関連抗原に対する抗体の検出を、成人T細胞白血
病関連抗原産生細胞の可溶性細胞質蛋白及びHTLV−Iの
可溶化処理蛋白から選ばれた少なくとも1種(特開昭58
−187861号公報)、或いは該細胞を界面活性剤により処
理して得た抗原蛋白及びHTLV−Iウイルス粒子を利用し
て行うもの(特開昭59−62527号公報)が知られてい
る。
Iに感染した場合に血漿又は血清中に生ずる成人T細胞
白血病関連抗原に対する抗体の検出を、成人T細胞白血
病関連抗原産生細胞の可溶性細胞質蛋白及びHTLV−Iの
可溶化処理蛋白から選ばれた少なくとも1種(特開昭58
−187861号公報)、或いは該細胞を界面活性剤により処
理して得た抗原蛋白及びHTLV−Iウイルス粒子を利用し
て行うもの(特開昭59−62527号公報)が知られてい
る。
しかしながら、該診断薬は、T細胞膜、核等、成人T
細胞白血病関連抗原以外の非特異的な反応を示す抗原を
も含んでおり、かかる抗原の非特異的免疫反応によりい
わゆる偽陽性の検体が生じ、HTLV−I感染の診断精度が
低下するという問題があった。
細胞白血病関連抗原以外の非特異的な反応を示す抗原を
も含んでおり、かかる抗原の非特異的免疫反応によりい
わゆる偽陽性の検体が生じ、HTLV−I感染の診断精度が
低下するという問題があった。
また、HTLV−Iに対して抗原性を有するポリペプチド
を生産するために、HTLV−Iの外皮蛋白(envelope pro
tein;以下env蛋白と略記する)の遺伝子で組換えられた
大腸菌を増殖させ、産生するポリペプチドを回収する方
法が試みられている。
を生産するために、HTLV−Iの外皮蛋白(envelope pro
tein;以下env蛋白と略記する)の遺伝子で組換えられた
大腸菌を増殖させ、産生するポリペプチドを回収する方
法が試みられている。
しかしながら、上記方法によって得られるポリペプチ
ドは、HTLV−Iの抗体に対する抗原性が低いものであっ
た。これは大腸菌等の細菌類内では産生するポリペプチ
ドに対して、糖鎖付加反応等の修飾がないことによるも
のと推定される。
ドは、HTLV−Iの抗体に対する抗原性が低いものであっ
た。これは大腸菌等の細菌類内では産生するポリペプチ
ドに対して、糖鎖付加反応等の修飾がないことによるも
のと推定される。
一方、診断薬として有用な蛋白の構造遺伝子をカイコ
核多角体病ウイルスDNAの多角体蛋白構造遺伝子部分に
組み換えた組換えウイルスを、カイコ樹立培養細胞又は
カイコ生体中で増殖させるポリペプチドの製造方法が、
特開昭62−208276号公報及び特開昭61−6288号公報にお
いて知られている。
核多角体病ウイルスDNAの多角体蛋白構造遺伝子部分に
組み換えた組換えウイルスを、カイコ樹立培養細胞又は
カイコ生体中で増殖させるポリペプチドの製造方法が、
特開昭62−208276号公報及び特開昭61−6288号公報にお
いて知られている。
ところが、これらの公報には、前記したHTLV−Iの抗
原蛋白であるポリペプチドの製造に対して上記の方法を
適用することに関しては何の具体的な記載もない。かか
る方法によるHTLV−Iの抗原蛋白であるポリペプチドを
製造するには、HTLV−Iの構造遺伝子のいかなる部分に
よってカイコ核多角体病ウイルスDNAの多角体蛋白構造
遺伝子を組換えるか、また、これによりポリペプチドの
産生が可能であるか、更にはポリペプチドが得られた場
合、該ポリペプチドがHTLV−Iの抗体に対して抗原性を
有するかどうかについては、更に数多くの研究が必要で
あった。
原蛋白であるポリペプチドの製造に対して上記の方法を
適用することに関しては何の具体的な記載もない。かか
る方法によるHTLV−Iの抗原蛋白であるポリペプチドを
製造するには、HTLV−Iの構造遺伝子のいかなる部分に
よってカイコ核多角体病ウイルスDNAの多角体蛋白構造
遺伝子を組換えるか、また、これによりポリペプチドの
産生が可能であるか、更にはポリペプチドが得られた場
合、該ポリペプチドがHTLV−Iの抗体に対して抗原性を
有するかどうかについては、更に数多くの研究が必要で
あった。
また、本発明者等は、既にBmNPVの多角体蛋白構造遺
伝子の一部が、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの
うち、p21をコードするDNAを含み且つ該DNAの5′末端
から上流の17塩基対以内で切断された断片で組換えられ
た組換えウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫
に感染させ、該組換えウイルスを増殖させることを特徴
とするポリペプチドの製造方法を提案した。該製造方法
で得られるポリペプチドは、HTLV−Iの膜中及び膜の内
側に位置し、抗原性の高い蛋白であるp21を含むため、A
TL診断薬の抗原として有用である。しかしながら、ATL
の診断は該抗原を用いた診断薬と検定血清との反応性を
判定しただけでは十分ではない。なぜならば、HTLV−I
のenv蛋白は、上記p21の他に表存蛋白であるgp46により
構成されている。そして、該gp46は、蛋白自体の抗原性
はp21に比して低いものである。しかしながら、ATL患者
の血清の中には、いかなる理由からか4〜10%の割合で
gp46を抗原として反応させた場合しか陽性を示さないも
のが存在する。従って、ATLの診断をより完全に行うた
めには、診断薬の抗原としてはp21だけでなくgp46も補
足して用い、HTLV−I抗体陽性および陰性を総合的に判
定しなければならない。
伝子の一部が、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの
うち、p21をコードするDNAを含み且つ該DNAの5′末端
から上流の17塩基対以内で切断された断片で組換えられ
た組換えウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫
に感染させ、該組換えウイルスを増殖させることを特徴
とするポリペプチドの製造方法を提案した。該製造方法
で得られるポリペプチドは、HTLV−Iの膜中及び膜の内
側に位置し、抗原性の高い蛋白であるp21を含むため、A
TL診断薬の抗原として有用である。しかしながら、ATL
の診断は該抗原を用いた診断薬と検定血清との反応性を
判定しただけでは十分ではない。なぜならば、HTLV−I
のenv蛋白は、上記p21の他に表存蛋白であるgp46により
構成されている。そして、該gp46は、蛋白自体の抗原性
はp21に比して低いものである。しかしながら、ATL患者
の血清の中には、いかなる理由からか4〜10%の割合で
gp46を抗原として反応させた場合しか陽性を示さないも
のが存在する。従って、ATLの診断をより完全に行うた
めには、診断薬の抗原としてはp21だけでなくgp46も補
足して用い、HTLV−I抗体陽性および陰性を総合的に判
定しなければならない。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を克服して、
上記gp46に対する抗体に対して高い抗原性を有するポリ
ペプチドを開発し、該ポリペプチドを抗原として用いた
HTLV−I感染の診断において極めて高感度で精度良く診
断できる診断薬を提供することにある。
上記gp46に対する抗体に対して高い抗原性を有するポリ
ペプチドを開発し、該ポリペプチドを抗原として用いた
HTLV−I感染の診断において極めて高感度で精度良く診
断できる診断薬を提供することにある。
本発明者等は、上記gp46の抗体に対して抗原性を有す
るポリペプチドを抗原とした診断薬を開発すべく研究を
重ねた。その結果、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するD
NAを、該DNAの5′末端から下流のある特定の範囲内で
切断して得られる断片で、カイコ核多角体病ウイルス
(Bombyx Nuclear Polyhedrosis Virls;以下、BmNPVと
略記する)の多角体蛋白構造遺伝子の一部を組換えた組
換えウイルスを、カイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に
感染することによって発現させたポリペプチドを抗原と
して用いることで、かかる目的を達成し得ることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
るポリペプチドを抗原とした診断薬を開発すべく研究を
重ねた。その結果、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するD
NAを、該DNAの5′末端から下流のある特定の範囲内で
切断して得られる断片で、カイコ核多角体病ウイルス
(Bombyx Nuclear Polyhedrosis Virls;以下、BmNPVと
略記する)の多角体蛋白構造遺伝子の一部を組換えた組
換えウイルスを、カイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に
感染することによって発現させたポリペプチドを抗原と
して用いることで、かかる目的を達成し得ることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するD
NAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対以上493塩
基対以下の範囲内で切断した、該切断部位から前記DNA
の3′末端までの断片(以下、HTLV−I 5′−3′断片
と略す)により、BmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部
の組換えを行い、次いで該組換えウイルスをカイコ樹立
培養細胞又はカイコ幼虫に感染させて発現されたポリペ
プチド抗原とするHTLV−I感染診断薬である。
NAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対以上493塩
基対以下の範囲内で切断した、該切断部位から前記DNA
の3′末端までの断片(以下、HTLV−I 5′−3′断片
と略す)により、BmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部
の組換えを行い、次いで該組換えウイルスをカイコ樹立
培養細胞又はカイコ幼虫に感染させて発現されたポリペ
プチド抗原とするHTLV−I感染診断薬である。
本発明の診断薬において、抗原して用いるポリペプチ
ドは、上記HTLV−I 5′−3′断片により、BmNPVの多角
体蛋白遺伝子の一部の組換えを行い、次いで該組換えウ
イルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感染させ
て発現されたものである。以下、該ポリペプチドの製法
について詳細に説明する。
ドは、上記HTLV−I 5′−3′断片により、BmNPVの多角
体蛋白遺伝子の一部の組換えを行い、次いで該組換えウ
イルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感染させ
て発現されたものである。以下、該ポリペプチドの製法
について詳細に説明する。
I.組換えウイルスの製法 本発明において、上記ポリペプチドの製法に用いる組
換えウイルスの製法は特に制限されるものではない。代
表的な製法として、ATL患者末梢血からリンパ球を分離
し、該リンパ球から抽出したDNAよりHTLV−I 5′−3′
断片断片を切り出し、これをカイコ発現系ベクター(pB
Fベクター)のクローニング部位に挿入して、組換えベ
クターとし、次いで該ベクターを用いてHTLV−I 5′−
3′断片をBmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部と組換
えることにより製造する方法が挙げられる。
換えウイルスの製法は特に制限されるものではない。代
表的な製法として、ATL患者末梢血からリンパ球を分離
し、該リンパ球から抽出したDNAよりHTLV−I 5′−3′
断片断片を切り出し、これをカイコ発現系ベクター(pB
Fベクター)のクローニング部位に挿入して、組換えベ
クターとし、次いで該ベクターを用いてHTLV−I 5′−
3′断片をBmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部と組換
えることにより製造する方法が挙げられる。
I−1 BmNPV 本発明において、HTLV−I 5′−3′断片によって組
換えられるBmNPVは、養蚕業者に広く知られているもの
であり、前田,古沢らが単離した代表的な株としてT3株
があり、この株のウイルスDNAは、米国のATCC(America
n Type Culture Collection)にATCC No.40188として寄
託されており、容易に入手し得る。又、BmNPVに感染し
たカイコより公知の方法によって単離することもでき
る。
換えられるBmNPVは、養蚕業者に広く知られているもの
であり、前田,古沢らが単離した代表的な株としてT3株
があり、この株のウイルスDNAは、米国のATCC(America
n Type Culture Collection)にATCC No.40188として寄
託されており、容易に入手し得る。又、BmNPVに感染し
たカイコより公知の方法によって単離することもでき
る。
上記BmNPVのDNAは、第1図の制限酵素地図で表わすこ
とができる。
とができる。
このBmNPV DNAのうち本発明において、HTLV−I 5′
−3′断片によって組換えられる部分は、第1図に示さ
れる多角体蛋白遺伝子のうちプロモーター部分を除いた
多角体蛋白構造遺伝子の一部分である。
−3′断片によって組換えられる部分は、第1図に示さ
れる多角体蛋白遺伝子のうちプロモーター部分を除いた
多角体蛋白構造遺伝子の一部分である。
I−2 HTLV−I 5′−3′断片の取得方法 HTLV−Iは遺伝子としてRNAを持つレトロウイルスで
あり、感染細胞内でこの遺伝子RNAに由来して合成され
るDNAのenv遺伝子を中心とする塩基配列としては、seik
iらが“Proc.Natl.Acad.Sci.USA80"(1983)第3621頁で
発表したものが知られている。
あり、感染細胞内でこの遺伝子RNAに由来して合成され
るDNAのenv遺伝子を中心とする塩基配列としては、seik
iらが“Proc.Natl.Acad.Sci.USA80"(1983)第3621頁で
発表したものが知られている。
上記塩基配列のうち、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来
するDNAとは、第3図に示す通り5180番目から6643番目
の配列をいう。即ち、この配列部分は、HTLT−Iの表存
蛋白であるgp46をコードする5180番目から6115番目まで
の配列と、HTLV−Iの膜中及び膜の内側に位置する蛋白
であるp21をコードする6116番目から6643番目までの配
列によって構成されている。
するDNAとは、第3図に示す通り5180番目から6643番目
の配列をいう。即ち、この配列部分は、HTLT−Iの表存
蛋白であるgp46をコードする5180番目から6115番目まで
の配列と、HTLV−Iの膜中及び膜の内側に位置する蛋白
であるp21をコードする6116番目から6643番目までの配
列によって構成されている。
本発明において、HTLV−I 5′−3′断片の取得方法
は特に制限されない。代表的な方法にはATL患者末梢血
中のリンパ球に所在するDNAから該HTLV−I 5′−3′断
片の取得する方法が挙げられる。
は特に制限されない。代表的な方法にはATL患者末梢血
中のリンパ球に所在するDNAから該HTLV−I 5′−3′断
片の取得する方法が挙げられる。
代表的な方法を例示すれば、まず、ATL患者末梢血か
らリンパ球を分離し、該リンパ球からDNAを抽出し、次
いで制限酵素EcoR Iで切断し、約20キロ塩基対断片を含
むDNAを得、該DNAをシャロン(charon)4AベクターのEc
oR I制限酵素切断部位に接続した後、HTLV−Iのプロウ
イルスを含むファージをスクリーニングで単離し、該プ
ロウイルスからpUCベクターに代表される大腸菌のベク
ター系を使用したサブ・クローニング及び制限酵素によ
る切断によりHTLV−I 5′−3′断片を得る方法であ
る。
らリンパ球を分離し、該リンパ球からDNAを抽出し、次
いで制限酵素EcoR Iで切断し、約20キロ塩基対断片を含
むDNAを得、該DNAをシャロン(charon)4AベクターのEc
oR I制限酵素切断部位に接続した後、HTLV−Iのプロウ
イルスを含むファージをスクリーニングで単離し、該プ
ロウイルスからpUCベクターに代表される大腸菌のベク
ター系を使用したサブ・クローニング及び制限酵素によ
る切断によりHTLV−I 5′−3′断片を得る方法であ
る。
HTLV−I 5′−3′断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子に
由来するDNAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対
以上493塩基対以下の範囲内で切断した、該切断部位か
ら前記DNAの3′末端までの断片であればすべて適用で
きる。該HTLV−I 5′−3′断片を、前記seikiらが発表
しているHTLV−I env蛋白遺伝子配列で説明すると5253
番目から5673番目以内で切断され、該切断部位から6643
番目までの断片に相当する。即ち、HTLV−I 5′−3′
断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子のうち、gp46をコード
するDNA配列部分の特定の一部とp21をコードするDNA配
列部分より構成されている。
由来するDNAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対
以上493塩基対以下の範囲内で切断した、該切断部位か
ら前記DNAの3′末端までの断片であればすべて適用で
きる。該HTLV−I 5′−3′断片を、前記seikiらが発表
しているHTLV−I env蛋白遺伝子配列で説明すると5253
番目から5673番目以内で切断され、該切断部位から6643
番目までの断片に相当する。即ち、HTLV−I 5′−3′
断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子のうち、gp46をコード
するDNA配列部分の特定の一部とp21をコードするDNA配
列部分より構成されている。
上記切断部位の好適なる部位を示せば、HTLV−I env
蛋白遺伝子に由来するDNAの5′末端から下流へ494塩基
対隔てた位置よりCGと配列しているAcc I制限酵素切断
部位、或いは上記DNAの5′末端から下流へ74塩基対隔
てた位置にCと配列しているPvu II制限酵素切断部位等
が挙げられる。
蛋白遺伝子に由来するDNAの5′末端から下流へ494塩基
対隔てた位置よりCGと配列しているAcc I制限酵素切断
部位、或いは上記DNAの5′末端から下流へ74塩基対隔
てた位置にCと配列しているPvu II制限酵素切断部位等
が挙げられる。
また、該HTLV−I 5′−3′断片は、後述するカイコ
発現系ベクターに挿入可能な大きさである限り、上記切
断部位、及びHTLV−I遺伝子に由来するDNAのうちenv蛋
白遺伝子の3′末端より下流に存在する任意の制限酵素
切断部位で切断した断片に含まれた形で採取して用いる
のが好適である。代表的なenv蛋白遺伝子の3′末端よ
り下流に存在する制限酵素切断部位としては、該3′末
端から下流へ87塩基対隔てた位置よりTGCAと配列してい
るPst I制限酵素切断部位等が挙げられる。
発現系ベクターに挿入可能な大きさである限り、上記切
断部位、及びHTLV−I遺伝子に由来するDNAのうちenv蛋
白遺伝子の3′末端より下流に存在する任意の制限酵素
切断部位で切断した断片に含まれた形で採取して用いる
のが好適である。代表的なenv蛋白遺伝子の3′末端よ
り下流に存在する制限酵素切断部位としては、該3′末
端から下流へ87塩基対隔てた位置よりTGCAと配列してい
るPst I制限酵素切断部位等が挙げられる。
但し、本発明者等の知見によれば、組換えに用いる断
片は、上記HTLV−I 5′−3′断片を含んでいても、HTL
V−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの5′末端の下流73
塩基対より、上流の塩基配列を含んでいる場合、後記す
る方法によりこの断片を用いて得られたBmNPVの組換え
ウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感染し
てポリペプチドを産生しようとしても、生産量が極度に
低下してしまう。例えばHTLV−I env蛋白遺伝子に由来
するDNAの全配列を用いた場合、ポリペプチドの合成は
ほとんど進行しない。
片は、上記HTLV−I 5′−3′断片を含んでいても、HTL
V−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの5′末端の下流73
塩基対より、上流の塩基配列を含んでいる場合、後記す
る方法によりこの断片を用いて得られたBmNPVの組換え
ウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感染し
てポリペプチドを産生しようとしても、生産量が極度に
低下してしまう。例えばHTLV−I env蛋白遺伝子に由来
するDNAの全配列を用いた場合、ポリペプチドの合成は
ほとんど進行しない。
また、組換えに用いる断片が、HTLV−I env蛋白遺伝
子に由来するDNAの5′末端の下流493塩基対より、更に
下流で切断したものである場合、得られるポリペプチド
は、gp46の抗体に対して抗原生を有しなくなる。
子に由来するDNAの5′末端の下流493塩基対より、更に
下流で切断したものである場合、得られるポリペプチド
は、gp46の抗体に対して抗原生を有しなくなる。
従って、本願発明のHTLV−I 5′−3′断片はHTLV−I
env蛋白遺伝子に由来するDNAのうち、該DNAの5′末端
から下流73塩基対以上493塩基対以下の範囲内で切断し
たものであることが極めて重要である。
env蛋白遺伝子に由来するDNAのうち、該DNAの5′末端
から下流73塩基対以上493塩基対以下の範囲内で切断し
たものであることが極めて重要である。
本発明において、前記HTLV−I 5′−3′断片は、カ
イコ発現系ベクターに組換えられた後、該組換えベクタ
ーによりBmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部と組換え
て組換えウイルスとされる。組換えウイルス取得のため
に使用するカイコ発現系ベクターとしては、pBFベクタ
ーが挙げられる。pBFベクターは、第2図の制限酵素地
図により特徴づけられるものである。即ちpBFベクター
は、BmNPV DNAの多角体蛋白遺伝子のプロモーター領域
と多角体蛋白構造遺伝子前後付近及び大腸菌のベクター
であるpUCベクターの遺伝子とを含むベクターである。
イコ発現系ベクターに組換えられた後、該組換えベクタ
ーによりBmNPVの多角体蛋白構造遺伝子の一部と組換え
て組換えウイルスとされる。組換えウイルス取得のため
に使用するカイコ発現系ベクターとしては、pBFベクタ
ーが挙げられる。pBFベクターは、第2図の制限酵素地
図により特徴づけられるものである。即ちpBFベクター
は、BmNPV DNAの多角体蛋白遺伝子のプロモーター領域
と多角体蛋白構造遺伝子前後付近及び大腸菌のベクター
であるpUCベクターの遺伝子とを含むベクターである。
上記pBFベクターは、Xba I,EcoR I,Stu I制限酵素切
断部位のクローニング部位がある。
断部位のクローニング部位がある。
かかるpBFベクターは、そのクローニング部位の上流
に塩基配列ATGから始まる多角体蛋白構造遺伝子をどの
部位まで含んでいるかで種類があり、第4図に示すよう
なpBF〜pBF133が存在している。
に塩基配列ATGから始まる多角体蛋白構造遺伝子をどの
部位まで含んでいるかで種類があり、第4図に示すよう
なpBF〜pBF133が存在している。
組換えベクターの製造においては、上記ベクターのう
ち挿入するHTLV−I 5′−3′断片部分とpBFベクター上
流部分とのリーディング・フレームが合うものであれ
ば、どのベクターを使用してもよい。しかし、5′−
3′断片をカイコ樹立培養細胞及びカイコ幼虫で効率よ
く発現できる組換えウイルスを作成するためには、塩基
配列ATGから開始されるBmNPV DNA由来の多角体蛋白構造
遺伝子の一部をコードした遺伝子部分を多く含んでいる
pBFベクター、例えばpBF124,pBF129,pBF133等のpBFベク
ターを使用するのが望ましい。
ち挿入するHTLV−I 5′−3′断片部分とpBFベクター上
流部分とのリーディング・フレームが合うものであれ
ば、どのベクターを使用してもよい。しかし、5′−
3′断片をカイコ樹立培養細胞及びカイコ幼虫で効率よ
く発現できる組換えウイルスを作成するためには、塩基
配列ATGから開始されるBmNPV DNA由来の多角体蛋白構造
遺伝子の一部をコードした遺伝子部分を多く含んでいる
pBFベクター、例えばpBF124,pBF129,pBF133等のpBFベク
ターを使用するのが望ましい。
I−3−(1) pBFベクターへのHTLV−I 5′−3′断
片の導入方法 上記pBFベクターへのHTLV−I 5′−3′断片の挿入
は、pBFベクターのクローニング部位に存在するEcoR I,
Xba I,Stu I制限酵素切断部位を利用して行なえばよ
い。pBFベクタークローニング部位にHTLV−I 5′−3′
断片を挿入するには、DNA合成又は大腸菌のベクター系
であるpUCベクターへの挿入,切断等の公知の手段によ
り、該断片の両端にEcoR I,Xba I或いはStu I制限酵素
切断部位を接続するか、該断片の5′端にEcoR I、3′
端にStu I制限酵素切断部位を接続するか、更には該断
片の5′端にXba I、3′端にStu I制限酵素切断部位を
接続するかのいずれかの操作が一般に行われる。以上の
うちでも、HTLV−I 5′−3′断片の両端にEcoR I或い
はXba I制限酵素切断部位を接続する方法が好ましい。
片の導入方法 上記pBFベクターへのHTLV−I 5′−3′断片の挿入
は、pBFベクターのクローニング部位に存在するEcoR I,
Xba I,Stu I制限酵素切断部位を利用して行なえばよ
い。pBFベクタークローニング部位にHTLV−I 5′−3′
断片を挿入するには、DNA合成又は大腸菌のベクター系
であるpUCベクターへの挿入,切断等の公知の手段によ
り、該断片の両端にEcoR I,Xba I或いはStu I制限酵素
切断部位を接続するか、該断片の5′端にEcoR I、3′
端にStu I制限酵素切断部位を接続するか、更には該断
片の5′端にXba I、3′端にStu I制限酵素切断部位を
接続するかのいずれかの操作が一般に行われる。以上の
うちでも、HTLV−I 5′−3′断片の両端にEcoR I或い
はXba I制限酵素切断部位を接続する方法が好ましい。
そして5′−3′断片の両端にEcoR I制限酵素切断部
位を接続する場合、該断片はpBFベクターをEcoR I制限
酵素で切断したものと接続する。又、HTLV−I 5′−
3′断片の両端にXba I制限酵素切断部位を接続した場
合も同様に、該断片はpBFベクターをXba Iで切断したも
のと接続する。この場合接続に際しては、予め制限酵素
で切断したpBFベクターに対し、アルカリフォスファタ
ーゼ処理を行ない、pBFベクターのセルフライゲーショ
ン(selfligation)を避けることが好ましい。
位を接続する場合、該断片はpBFベクターをEcoR I制限
酵素で切断したものと接続する。又、HTLV−I 5′−
3′断片の両端にXba I制限酵素切断部位を接続した場
合も同様に、該断片はpBFベクターをXba Iで切断したも
のと接続する。この場合接続に際しては、予め制限酵素
で切断したpBFベクターに対し、アルカリフォスファタ
ーゼ処理を行ない、pBFベクターのセルフライゲーショ
ン(selfligation)を避けることが好ましい。
又、HTLV−I 5′−3′断片の5′端にEcoR I、3′
端にStu I制限酵素切断部位を接続する場合、該断片
は、pBFベクターをEcoR I,Stu Iで切断したものと接続
し、HTLV−I 5′−3′断片の5′端にXba I、3′端に
Stu I制限酵素切断部位を接続する場合、該断片は、pBF
ベクターをXba I,Stu Iで切断したものと接続すればよ
い。
端にStu I制限酵素切断部位を接続する場合、該断片
は、pBFベクターをEcoR I,Stu Iで切断したものと接続
し、HTLV−I 5′−3′断片の5′端にXba I、3′端に
Stu I制限酵素切断部位を接続する場合、該断片は、pBF
ベクターをXba I,Stu Iで切断したものと接続すればよ
い。
かかる接続方法は、リガーゼを用いて公知の方法によ
り行うことができる。例えば制限酵素で切断されたpBF
ベクターのDNAの量に対して、挿入すべき5′−3′断
片のDNA量が3〜8倍量になるように調整し、例えばTDN
Aリガーゼを用いて接続する方法である。
り行うことができる。例えば制限酵素で切断されたpBF
ベクターのDNAの量に対して、挿入すべき5′−3′断
片のDNA量が3〜8倍量になるように調整し、例えばTDN
Aリガーゼを用いて接続する方法である。
上記のHTLV−I 5′−3′断片を挿入したpBFベクター
の分離及び確認は、下記の方法により行うことができ
る。
の分離及び確認は、下記の方法により行うことができ
る。
即ち、分離は前記の接続反応液をJM109株(宝酒造
(株)No.9052)、MV1184株(高酒造(株)製)で代表
される大腸菌のコンピテントセルに加え、公知の方法で
大腸菌の形質転換を行ない、pBFベクターがアンピシリ
ン耐性遺伝子を含んでいることから、形質転換後の液を
アンピシリンを含んだLB寒天培地に接種し、室温以上の
適当な温度、例えば37℃で12時間〜20時間培養して出現
するシングル・コロニーを形質転換株として取得するこ
とによって行うことができる。
(株)No.9052)、MV1184株(高酒造(株)製)で代表
される大腸菌のコンピテントセルに加え、公知の方法で
大腸菌の形質転換を行ない、pBFベクターがアンピシリ
ン耐性遺伝子を含んでいることから、形質転換後の液を
アンピシリンを含んだLB寒天培地に接種し、室温以上の
適当な温度、例えば37℃で12時間〜20時間培養して出現
するシングル・コロニーを形質転換株として取得するこ
とによって行うことができる。
また、HTLV−I 5′−3′断片を挿入したpBFベクター
の確認は、軽質転換株に存在する組換えベクターボイリ
ング法(boiling法)或いはアルカリ・リシス法(alkal
i lysis法)を用いてミニ・プレパレーション(mini pr
eparation)し、組換えベクター懸濁液を取得し、この
ようにして調製した組換えベクター懸濁液をHTLV−I
5′−3′断片が挿入されていることが確認できる任意
の制限酵素、例えばEcoR I,Xba Iで切断し、切断物をア
ガロースゲル電気泳動し、エチジウム・ブロマイドによ
る染色後、予想できる位置にバンドが存在するか否かを
確認することによって行うことができる。尚、5′−
3′断片の両端をEcoR I或いはXba I制限酵素切断部位
にしたものをpBFベクターのEcoR I,Xba I制限酵素切断
部位に挿入した組換えベクターの場合は、pBFベクター
の上流部分と挿入する5′−3′断片が正しい方向に結
合しているかどうか確認できる制限酵素、例えば、BamH
I,Xho I等で切断し、その切断物を同様にアガロースゲ
ル電気泳動し、エチジウム・ブロマイドによる染色後、
予想できる位置にバンドが存在するか否かも同時に確認
するとよい。
の確認は、軽質転換株に存在する組換えベクターボイリ
ング法(boiling法)或いはアルカリ・リシス法(alkal
i lysis法)を用いてミニ・プレパレーション(mini pr
eparation)し、組換えベクター懸濁液を取得し、この
ようにして調製した組換えベクター懸濁液をHTLV−I
5′−3′断片が挿入されていることが確認できる任意
の制限酵素、例えばEcoR I,Xba Iで切断し、切断物をア
ガロースゲル電気泳動し、エチジウム・ブロマイドによ
る染色後、予想できる位置にバンドが存在するか否かを
確認することによって行うことができる。尚、5′−
3′断片の両端をEcoR I或いはXba I制限酵素切断部位
にしたものをpBFベクターのEcoR I,Xba I制限酵素切断
部位に挿入した組換えベクターの場合は、pBFベクター
の上流部分と挿入する5′−3′断片が正しい方向に結
合しているかどうか確認できる制限酵素、例えば、BamH
I,Xho I等で切断し、その切断物を同様にアガロースゲ
ル電気泳動し、エチジウム・ブロマイドによる染色後、
予想できる位置にバンドが存在するか否かも同時に確認
するとよい。
上記方法で形質転換株として分離した組換えベクター
は、該形質転換株を増殖させることにより、その量を増
加させて使用することが好ましい。例えば該組換えベク
ターを所有する形質転換株をアンピシリンを含んだLB液
体培地に接種し、室温以上の適当な温度、例えば37℃で
12時間〜20時間振盪培養し、該培養物からアルカリ・リ
シス法(alkali lysis法)を用いてミディアム・プレパ
レーション(midiurm preparation)し、組換えベクタ
ー懸濁液を取得することによって行うことができる。
は、該形質転換株を増殖させることにより、その量を増
加させて使用することが好ましい。例えば該組換えベク
ターを所有する形質転換株をアンピシリンを含んだLB液
体培地に接種し、室温以上の適当な温度、例えば37℃で
12時間〜20時間振盪培養し、該培養物からアルカリ・リ
シス法(alkali lysis法)を用いてミディアム・プレパ
レーション(midiurm preparation)し、組換えベクタ
ー懸濁液を取得することによって行うことができる。
取得した組換えベクターも前記した方法と同様な方法
で再度目的の組換えベクターであるか否かを確認するこ
とが好ましい。
で再度目的の組換えベクターであるか否かを確認するこ
とが好ましい。
得られた組換えベクター懸濁液は、アールエヌエース
処理(RNase処理)して組換えウイルス取得用の組換え
ベクター懸濁液として使用することが好ましい。
処理(RNase処理)して組換えウイルス取得用の組換え
ベクター懸濁液として使用することが好ましい。
I−3−(2) 組換えウイルスの取得 本発明において、HTLV−I 5′−3′断片によって、
多角体蛋白構造遺伝子の一部が組換えられた組換えBmNP
Vは、BmNPV DNAと前記組換えベクターとカイコ樹立培養
細胞にカルシウム沈澱法を用いて、同時にトランスフェ
クション(コ・トランスフェクション)し、組換えベク
ターとBmNPV DNA間の対立遺伝子を置き換えることによ
り取得することができる。
多角体蛋白構造遺伝子の一部が組換えられた組換えBmNP
Vは、BmNPV DNAと前記組換えベクターとカイコ樹立培養
細胞にカルシウム沈澱法を用いて、同時にトランスフェ
クション(コ・トランスフェクション)し、組換えベク
ターとBmNPV DNA間の対立遺伝子を置き換えることによ
り取得することができる。
上記のコ・トランスフェクションは、具体的には0.25
M塩化カルシウム及びキャリヤDNAの存在下でBmNPV DNA
と組換えベクターDNAをモル比1:100になる様に混ぜ、そ
の後、該混合液に、0.28M塩化ナトリウムを含むHEPES緩
衝液(pH7.1)とリン酸緩衝液の混合液を添加し、混和
後、該混和液をBm培養細胞中に添加するという前田,古
沢らの方法(特公昭61−9297号)に従って行なうことが
望ましい。
M塩化カルシウム及びキャリヤDNAの存在下でBmNPV DNA
と組換えベクターDNAをモル比1:100になる様に混ぜ、そ
の後、該混合液に、0.28M塩化ナトリウムを含むHEPES緩
衝液(pH7.1)とリン酸緩衝液の混合液を添加し、混和
後、該混和液をBm培養細胞中に添加するという前田,古
沢らの方法(特公昭61−9297号)に従って行なうことが
望ましい。
コ・トランスフェクションした後、組換えウイルスを
含む反応液は室温付近の温度、例えば27℃で5〜6日間
培養し、培養後、培地を回収、遠心後、上清を組換えウ
イルスのクローニングに使用する。コ・トランスフェク
ションで得られた反応液の上清からの組換えウイルスの
クローニングは、プラークアッセイ法〔J.Seric Sci.Jp
n.53 547(1984)〕やリミッティング・ダイリューショ
ン法により組換えウイルスを単離することによって行え
ばよい。どちらの方法を使用しても良いが、操作法の容
易さ、分離回数の少なくて済む点から、リミッティング
・ダイリューション法を使用する法が良好である。
含む反応液は室温付近の温度、例えば27℃で5〜6日間
培養し、培養後、培地を回収、遠心後、上清を組換えウ
イルスのクローニングに使用する。コ・トランスフェク
ションで得られた反応液の上清からの組換えウイルスの
クローニングは、プラークアッセイ法〔J.Seric Sci.Jp
n.53 547(1984)〕やリミッティング・ダイリューショ
ン法により組換えウイルスを単離することによって行え
ばよい。どちらの方法を使用しても良いが、操作法の容
易さ、分離回数の少なくて済む点から、リミッティング
・ダイリューション法を使用する法が良好である。
上記リミッティング・ダイリューション法を使用して
の組換えウイルスのクローニングは、コ・トランスフェ
クションで得られたウイルス液を希釈し、該ウイルス希
釈液と1×105〜1×106カイコ細胞数/mlカイコ培養培
地、好ましくはTC−10培地(第2表参照)の濃度で調整
してあるカイコ培養細胞液とを1:1で混合することによ
り感染させ、この混合液をマイクロタイタートレー中の
ウェルへ注入し、室温付近の温度、例えば27摂氏で培養
し、培養2〜7日後、マイクロタイタートレー中のウェ
ルを検鏡し、ウェル中で見られるカイコ細胞の形状、形
態で組換えウイルス存在の有無を判定する。検鏡するこ
とで見い出されるカイコ細胞の形態には、第5図に示す
ように3種類確認できる。
の組換えウイルスのクローニングは、コ・トランスフェ
クションで得られたウイルス液を希釈し、該ウイルス希
釈液と1×105〜1×106カイコ細胞数/mlカイコ培養培
地、好ましくはTC−10培地(第2表参照)の濃度で調整
してあるカイコ培養細胞液とを1:1で混合することによ
り感染させ、この混合液をマイクロタイタートレー中の
ウェルへ注入し、室温付近の温度、例えば27摂氏で培養
し、培養2〜7日後、マイクロタイタートレー中のウェ
ルを検鏡し、ウェル中で見られるカイコ細胞の形状、形
態で組換えウイルス存在の有無を判定する。検鏡するこ
とで見い出されるカイコ細胞の形態には、第5図に示す
ように3種類確認できる。
第5図におけるウイルスが感染した形態を示している
カイコ細胞で且つ該細胞内に多角体蛋白が検出されない
細胞のみが存在しているウェル中の培地を回収、遠心
し、その上清を回収することにより組換えウイルス液が
得られる。ウェル中に野生株であるBmNPVと組換えウイ
ルスとが混在している場合は、該ウェル中の培地を回収
し、リミッテイング・ダイリューションを繰り返し行な
い、組換えウイルスを分離することが好ましい。
カイコ細胞で且つ該細胞内に多角体蛋白が検出されない
細胞のみが存在しているウェル中の培地を回収、遠心
し、その上清を回収することにより組換えウイルス液が
得られる。ウェル中に野生株であるBmNPVと組換えウイ
ルスとが混在している場合は、該ウェル中の培地を回収
し、リミッテイング・ダイリューションを繰り返し行な
い、組換えウイルスを分離することが好ましい。
II.ポリペプチドの製造 II−1 カイコ樹立培養細胞 本発明において組換えウイルスを感染させるカイコ樹
立培養細胞としては、BmNPVが増殖できるカイコ樹立培
養細胞であれば、どの細胞でも良い。
立培養細胞としては、BmNPVが増殖できるカイコ樹立培
養細胞であれば、どの細胞でも良い。
BmNPVが増殖可能なカイコ樹立培養細胞には、Volkma
n.L.E.,and Goldsmith,P.A.(1982):Appl.Environ.Mic
robiol.,44,227−233に示されているBm・N,(ATCC No.C
RL−8910)および前田らがBm・Nよりクローニングした
Bm・N2,Bm・N4のようなセルラインが知られている。BmN
PVの増殖の良さ、扱いやすさの点で、Bm・N4カイコ樹立
培養細胞を使用するのが適当である。又、感染に用いる
カイコ樹立培養細胞は、公知の培養条件、例えば、10%
小牛胎児血清を含むTC−10培地で27℃,4日間の条件で、
培養したものを使用するのが適当である。
n.L.E.,and Goldsmith,P.A.(1982):Appl.Environ.Mic
robiol.,44,227−233に示されているBm・N,(ATCC No.C
RL−8910)および前田らがBm・Nよりクローニングした
Bm・N2,Bm・N4のようなセルラインが知られている。BmN
PVの増殖の良さ、扱いやすさの点で、Bm・N4カイコ樹立
培養細胞を使用するのが適当である。又、感染に用いる
カイコ樹立培養細胞は、公知の培養条件、例えば、10%
小牛胎児血清を含むTC−10培地で27℃,4日間の条件で、
培養したものを使用するのが適当である。
II−2 組換えウイルスを上記細胞及びカイコ幼虫に感
染させる方法及び増殖方法 本発明において、目的とするポリペプチドは、前記組
換えウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感
染させ、増殖させることによって発現される。該組換え
ウイルスのカイコ樹立培養細胞への感染方法は、公知の
方法が特に制限なく使用される。例えば、準備したカイ
コ樹立培養細胞の培養液を容器に入れ、該細胞を容器の
底面に沈着させた後、該容器の底面に付着しているカイ
コ樹立培養細胞がはがれないように古い培養液を抜き取
り、安定剤としての牛胎児血清をカイコ培養培地を添加
し、該培養物に組換えウイルスを滴下する方法を用いる
のが一般的である。組換えウイルスの増殖は、組換えウ
イルスを感染させた後、室温付近の温度、例えば、27℃
で数日間培養することによって行うことができる。
染させる方法及び増殖方法 本発明において、目的とするポリペプチドは、前記組
換えウイルスをカイコ樹立培養細胞又はカイコ幼虫に感
染させ、増殖させることによって発現される。該組換え
ウイルスのカイコ樹立培養細胞への感染方法は、公知の
方法が特に制限なく使用される。例えば、準備したカイ
コ樹立培養細胞の培養液を容器に入れ、該細胞を容器の
底面に沈着させた後、該容器の底面に付着しているカイ
コ樹立培養細胞がはがれないように古い培養液を抜き取
り、安定剤としての牛胎児血清をカイコ培養培地を添加
し、該培養物に組換えウイルスを滴下する方法を用いる
のが一般的である。組換えウイルスの増殖は、組換えウ
イルスを感染させた後、室温付近の温度、例えば、27℃
で数日間培養することによって行うことができる。
培養後、感染したカイコ樹立培養細胞培養物は、遠心
分離した後、沈澱した細胞は、HTLV−I env蛋白の発現
確認及びHTLV−I env蛋白の精製に使用し、また、上清
はカイコ幼虫に感染させる組換えウイルス液として使用
してもよい。
分離した後、沈澱した細胞は、HTLV−I env蛋白の発現
確認及びHTLV−I env蛋白の精製に使用し、また、上清
はカイコ幼虫に感染させる組換えウイルス液として使用
してもよい。
また、組換えウイルスをカイコ幼虫に感染させる方法
も特に制限されない。一般に、感染させるカイコ幼虫
は、カイコ5令幼虫を使用するのが好ましい。カイコ幼
虫への感染は、前記のカイコ樹立培養細胞への感染で上
清として得られるウイルス力価を高めた組換えウイルス
液又は該操作を行なわない組換えウイルス液を経皮的に
10〜100μ程注入することで行なうことができる。組
換えウイルスを感染させた後、感染カイコを飼育するこ
とで、組換えウイルスを増殖させ、多角体蛋白とHTLV−
I env蛋白の特定部の融合蛋白がカイコ幼虫の脂肪体内
に蓄積される。
も特に制限されない。一般に、感染させるカイコ幼虫
は、カイコ5令幼虫を使用するのが好ましい。カイコ幼
虫への感染は、前記のカイコ樹立培養細胞への感染で上
清として得られるウイルス力価を高めた組換えウイルス
液又は該操作を行なわない組換えウイルス液を経皮的に
10〜100μ程注入することで行なうことができる。組
換えウイルスを感染させた後、感染カイコを飼育するこ
とで、組換えウイルスを増殖させ、多角体蛋白とHTLV−
I env蛋白の特定部の融合蛋白がカイコ幼虫の脂肪体内
に蓄積される。
カイコの飼育方法は、特に制限されないが、桑の葉或
いは桑の葉をホモジェネートし、滅菌後凍結乾燥したペ
ースト様試料(協同試料(株)社製等)に蒸留水を浸し
たものいずれかを与え、室温付近の温度、例えば、27℃
で培養する一般的な方法を採用すればよい。
いは桑の葉をホモジェネートし、滅菌後凍結乾燥したペ
ースト様試料(協同試料(株)社製等)に蒸留水を浸し
たものいずれかを与え、室温付近の温度、例えば、27℃
で培養する一般的な方法を採用すればよい。
飼育期間は、カイコ幼虫が死亡する直前まで行なうこ
とが好ましい。感染させる組換えウイルス液のウイルス
の力価で飼育期間は多少異なるが、感染して3日〜5日
後を飼育期間の目安とすることができる。
とが好ましい。感染させる組換えウイルス液のウイルス
の力価で飼育期間は多少異なるが、感染して3日〜5日
後を飼育期間の目安とすることができる。
上記のカイコ幼虫から、脂肪体を取り出し、該脂肪体
を特定のHTLV−I env蛋白発現の確認および該HTLV−I e
nv蛋白の精製に用いる。
を特定のHTLV−I env蛋白発現の確認および該HTLV−I e
nv蛋白の精製に用いる。
上記脂肪の取得方法は、組換えウイルスを感染したカ
イコ幼虫を中腸を切らないように注意深く表皮を切るこ
とで解剖し、中腸等の器官を除去後、スパチュラ等で下
腹部に蓄積している脂肪体をかき取ることにより取得す
る方法が推奨される。
イコ幼虫を中腸を切らないように注意深く表皮を切るこ
とで解剖し、中腸等の器官を除去後、スパチュラ等で下
腹部に蓄積している脂肪体をかき取ることにより取得す
る方法が推奨される。
本発明において、前記方法で得られた組換えウイルス
感染カイコ樹立培養細胞及び組換えウイルス感染カイコ
幼虫の脂肪体からポリペプチドを分離する方法は特に制
限されないが、例えば、PBS緩衝液等の中性緩衝液に該
カイコ樹立培養細胞又は脂肪体を顕濁し、ソニケーショ
ンによる分散後、尿素水溶液を添加して再度ソニケーシ
ョンした後、遠心分離し、沈澱物を回収する方法が好適
である。
感染カイコ樹立培養細胞及び組換えウイルス感染カイコ
幼虫の脂肪体からポリペプチドを分離する方法は特に制
限されないが、例えば、PBS緩衝液等の中性緩衝液に該
カイコ樹立培養細胞又は脂肪体を顕濁し、ソニケーショ
ンによる分散後、尿素水溶液を添加して再度ソニケーシ
ョンした後、遠心分離し、沈澱物を回収する方法が好適
である。
また、上記のポリペプチドはpBFベクターの有す多角
体蛋白遺伝子部分の発現による多角体蛋白の一部とHTLV
−I 5′−3′断片部分の発現によるHTLV−I env蛋白の
特定部の融合蛋白である。そして、HTLV−I 5′−3′
断片は、前述した通りgp46の特定の一部をコードするDN
A配列部分とp21をコードするDNA配列部分により構成さ
れている。しかしながら、上記ポリペプチドの分子量
は、15〜35kdであり、上記DNA配列から予測されるもの
よりp21の分子量だけ小さいものである。そして、後述
する実施例から明らかな様に、本発明で得られるポリペ
プチドは、抗多角体蛋白抗体及びHTLV−I患者血清とは
良好に抗原−抗体反応をおこすが、正常人血清及びp21
に対するモノクローナル抗体とは抗原−抗体反応をおこ
さない。即ち、該ポリペプチドにおいて含有されるHTLV
−I env蛋白は、HTLV−I 5′−3′断片のうち、上記gp
46に関するDNA配列部分のみの発言物で、gp46の抗体に
対して良好な抗原性を有するものである。
体蛋白遺伝子部分の発現による多角体蛋白の一部とHTLV
−I 5′−3′断片部分の発現によるHTLV−I env蛋白の
特定部の融合蛋白である。そして、HTLV−I 5′−3′
断片は、前述した通りgp46の特定の一部をコードするDN
A配列部分とp21をコードするDNA配列部分により構成さ
れている。しかしながら、上記ポリペプチドの分子量
は、15〜35kdであり、上記DNA配列から予測されるもの
よりp21の分子量だけ小さいものである。そして、後述
する実施例から明らかな様に、本発明で得られるポリペ
プチドは、抗多角体蛋白抗体及びHTLV−I患者血清とは
良好に抗原−抗体反応をおこすが、正常人血清及びp21
に対するモノクローナル抗体とは抗原−抗体反応をおこ
さない。即ち、該ポリペプチドにおいて含有されるHTLV
−I env蛋白は、HTLV−I 5′−3′断片のうち、上記gp
46に関するDNA配列部分のみの発言物で、gp46の抗体に
対して良好な抗原性を有するものである。
尚、得られた該ポリペプチドはそのまま或いは必要に
応じて、化学的あるいは酵素的方法を組合わせて多角体
蛋白部分を除くことにより、皿に精製して本発明の診断
薬の抗原として使用される。
応じて、化学的あるいは酵素的方法を組合わせて多角体
蛋白部分を除くことにより、皿に精製して本発明の診断
薬の抗原として使用される。
多角体蛋白を除く方法を具体的に示せば、多角体蛋白
とHTLV−I env蛋白部分の接合部付近のアミノ酸配列を
認識する蛋白質分解酵素を使用してその部分を切断後、
ゲル濾過等の分子量の違いを利用した精製手段で精製す
るのが良好である。
とHTLV−I env蛋白部分の接合部付近のアミノ酸配列を
認識する蛋白質分解酵素を使用してその部分を切断後、
ゲル濾過等の分子量の違いを利用した精製手段で精製す
るのが良好である。
次に、以上の製法により得られたポリペプチドを抗原
に用いたHTLV−I感染者の診断薬について説明する。
に用いたHTLV−I感染者の診断薬について説明する。
即ち、本発明の診断薬は、上記ポリペプチドを抗原と
し、被検液中から該抗原と抗原−抗体反応を生じるgp46
に対する抗体を、検出することでHTLV−1への感染を診
断するものである。従って、本発明の診断薬は、ATL患
者だけでなくて、HTLV−Iに感染した結果、該gp46に対
する抗体を保有している未発病者をも診断するものであ
る。また、上記被検液には、例えばHTLV−Iへの感染の
診断を所望する検体者より常法に従い採血した血液から
分離された血漿又は血清、或いはこれを適当な緩衝液で
希釈したものが使用される。本発明において、上記gp46
に対する抗体の検出は、上記ポリペプチドを抗原として
利用する限り特に制限されることなく公知の免疫学的試
験法が採用できる。好適に採用される方法を例示する
と、不溶性担体粒子に上記ポリペプチドを感作し、抗原
−抗体反応によって生じる該担体粒子の凝集反応を検出
する方法多びエンザイムイムノアッセイ法等が挙げられ
る。また、製造した上記ポリペプチドが微量であった
り、精製不十分である場合には、ウェスタンプロット法
により検出することが好ましい。以下、上記した各検出
法について説明する。
し、被検液中から該抗原と抗原−抗体反応を生じるgp46
に対する抗体を、検出することでHTLV−1への感染を診
断するものである。従って、本発明の診断薬は、ATL患
者だけでなくて、HTLV−Iに感染した結果、該gp46に対
する抗体を保有している未発病者をも診断するものであ
る。また、上記被検液には、例えばHTLV−Iへの感染の
診断を所望する検体者より常法に従い採血した血液から
分離された血漿又は血清、或いはこれを適当な緩衝液で
希釈したものが使用される。本発明において、上記gp46
に対する抗体の検出は、上記ポリペプチドを抗原として
利用する限り特に制限されることなく公知の免疫学的試
験法が採用できる。好適に採用される方法を例示する
と、不溶性担体粒子に上記ポリペプチドを感作し、抗原
−抗体反応によって生じる該担体粒子の凝集反応を検出
する方法多びエンザイムイムノアッセイ法等が挙げられ
る。また、製造した上記ポリペプチドが微量であった
り、精製不十分である場合には、ウェスタンプロット法
により検出することが好ましい。以下、上記した各検出
法について説明する。
まず、上記凝集反応を検出する方法において、該凝集
反応は、マイクロタイタープレートのウェル中での粒子
の凝集状態を観察するマイクロタイター法、或いは凝集
反応の進行に伴い減少する測定系の透過率を測定する方
法等の公知の担体粒子凝集物の観察、定量方法により検
出できる。また、用いられる不溶性担体粒子は、抗原−
抗体反応に使用される公知のものが特に限定されること
なく使用される。好適に使用されるものを例示すると、
ヒト,ヒツジ,ニワトリ等の動物赤血球、ポリスチレ
ン,スチレン−ブタジエン共重合体,ポリグリシジルメ
タクリレート,アクロレイン−エチレングリコールジメ
タクリレート,ポリカーボネート等の乳化重合により得
られる有機高分子ラテックス,無機化合物粒子が重合体
層で被覆された複合重合体粒子、ガラスビーズ,シラス
ポーラスガラス,シリカ,アルミナ等の無機有機粒子が
挙げられる。このうち、マイクロタイター法の実施に際
しては、特開昭62−286533号公報に記載される複合重合
体粒子が、高い単粒子性を有し、非特異的な反応も少な
い為好ましい。上記不溶性担体粒子の平均粒子径は、0.
5〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmのものが用いられ
る。上記不溶性担体粒子にポリペプチドを感作する方法
は、特に限定されることなく公知の抗原感作方法が実施
できる。好適な方法を例示すると、タンニン酸,グルタ
ールアルデヒド,ビスジアゾベンジジン,トリレンジイ
ソシアネート,ジクロロニトロベンゼン,カルボジイミ
ド類,キノン類,塩化クロム等のカップリング剤を用い
た化学的結合法、又は物理的吸着法等が挙げられる。ま
た、不溶性担体粒子一粒子当りに感作されるポリペプチ
ド量は、ポリペプチド(mg)/不溶性担体粒子の表面積
(m2)の比が0.1〜10mg/m2の範囲にあることが好まし
い。
反応は、マイクロタイタープレートのウェル中での粒子
の凝集状態を観察するマイクロタイター法、或いは凝集
反応の進行に伴い減少する測定系の透過率を測定する方
法等の公知の担体粒子凝集物の観察、定量方法により検
出できる。また、用いられる不溶性担体粒子は、抗原−
抗体反応に使用される公知のものが特に限定されること
なく使用される。好適に使用されるものを例示すると、
ヒト,ヒツジ,ニワトリ等の動物赤血球、ポリスチレ
ン,スチレン−ブタジエン共重合体,ポリグリシジルメ
タクリレート,アクロレイン−エチレングリコールジメ
タクリレート,ポリカーボネート等の乳化重合により得
られる有機高分子ラテックス,無機化合物粒子が重合体
層で被覆された複合重合体粒子、ガラスビーズ,シラス
ポーラスガラス,シリカ,アルミナ等の無機有機粒子が
挙げられる。このうち、マイクロタイター法の実施に際
しては、特開昭62−286533号公報に記載される複合重合
体粒子が、高い単粒子性を有し、非特異的な反応も少な
い為好ましい。上記不溶性担体粒子の平均粒子径は、0.
5〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmのものが用いられ
る。上記不溶性担体粒子にポリペプチドを感作する方法
は、特に限定されることなく公知の抗原感作方法が実施
できる。好適な方法を例示すると、タンニン酸,グルタ
ールアルデヒド,ビスジアゾベンジジン,トリレンジイ
ソシアネート,ジクロロニトロベンゼン,カルボジイミ
ド類,キノン類,塩化クロム等のカップリング剤を用い
た化学的結合法、又は物理的吸着法等が挙げられる。ま
た、不溶性担体粒子一粒子当りに感作されるポリペプチ
ド量は、ポリペプチド(mg)/不溶性担体粒子の表面積
(m2)の比が0.1〜10mg/m2の範囲にあることが好まし
い。
次に、エンザイムイムノアッセイ法は、固相に感作さ
せた上記ポリペプチドと反応した被検液中のgp46に対す
る抗体を、酵素を抗体に化学的に結合させた酵素標識抗
体を用いた直接法,間接法等により検出することで実施
できる。使用される固相は、ポリスチレン,ポリカーボ
ネート,ポリプロピレンおよびポリビニール製等のマイ
クロタイタープレート,ビーズ,スティック,試験管等
の物理的吸着に供される公知の固相が何ら制限されるこ
となく使用され、このうち特に市販されるエンザイムイ
ムノアッセイ用マイクロタイタープレートを用いること
が好ましい。該固相へのポリペプチドの感作は、ポリペ
プチドを0.01〜0.1Mのリン酸緩衝液に懸濁し、4〜37℃
で1時間以上放置することで実施できる。また、固相に
感作させるポリペプチド量は、ポリペプチド(mg)/固
相の表面積(m2)の比が0.5〜50mg/m2の範囲にあること
が好ましい。使用する酵素標識抗体は、ヒト抗体と反応
性を有し、標識酵素が化学結合したものであれば特に限
定されず、例えば市販されるアルカリホスファターゼ,
ペルオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ等の酵素で
標識されたヤギ抗ヒトIgG抗体,マウス抗ヒトIgG抗体,
ヤギ抗ヒトIgM抗体,マウス抗ヒトIgM抗体等が使用でき
る。検出に用いられる基質は、上記酵素標識抗体に標識
された酵素に応じて適宜使用すれば良く、例えば該酵素
としてアルカリフォスファクターゼを選択した場合にお
いては、p−ニトロフェニルフォスフェート等を使用す
れば良い。尚、測定に際し、被検液である血漿又は血清
は、原液のまま加えても良いが、好ましくはPBS緩衝
液、正常ヤギ血清等で10〜1000倍希釈して用いるのが良
い。
せた上記ポリペプチドと反応した被検液中のgp46に対す
る抗体を、酵素を抗体に化学的に結合させた酵素標識抗
体を用いた直接法,間接法等により検出することで実施
できる。使用される固相は、ポリスチレン,ポリカーボ
ネート,ポリプロピレンおよびポリビニール製等のマイ
クロタイタープレート,ビーズ,スティック,試験管等
の物理的吸着に供される公知の固相が何ら制限されるこ
となく使用され、このうち特に市販されるエンザイムイ
ムノアッセイ用マイクロタイタープレートを用いること
が好ましい。該固相へのポリペプチドの感作は、ポリペ
プチドを0.01〜0.1Mのリン酸緩衝液に懸濁し、4〜37℃
で1時間以上放置することで実施できる。また、固相に
感作させるポリペプチド量は、ポリペプチド(mg)/固
相の表面積(m2)の比が0.5〜50mg/m2の範囲にあること
が好ましい。使用する酵素標識抗体は、ヒト抗体と反応
性を有し、標識酵素が化学結合したものであれば特に限
定されず、例えば市販されるアルカリホスファターゼ,
ペルオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ等の酵素で
標識されたヤギ抗ヒトIgG抗体,マウス抗ヒトIgG抗体,
ヤギ抗ヒトIgM抗体,マウス抗ヒトIgM抗体等が使用でき
る。検出に用いられる基質は、上記酵素標識抗体に標識
された酵素に応じて適宜使用すれば良く、例えば該酵素
としてアルカリフォスファクターゼを選択した場合にお
いては、p−ニトロフェニルフォスフェート等を使用す
れば良い。尚、測定に際し、被検液である血漿又は血清
は、原液のまま加えても良いが、好ましくはPBS緩衝
液、正常ヤギ血清等で10〜1000倍希釈して用いるのが良
い。
また、ウェスタンブロット法は、例えば、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA76,4350(1979)においてTobin等が提案す
る公知の方法に準じて実施することができる。前記ポリ
ペプチドと被検液中のgp46に対する抗体との抗原−抗体
反応の検出は、上記文献に記載されるラジオオートグラ
フィー、蛍光免疫法及びエンザイムイムノアッセイが特
に限定されることなく実施できる。しかしながら、簡便
さと保存性の面から上記エンザイムイムノアッセイの直
接法又は間接法を実施することが好ましい。転写に用い
る膜は、ウェスタンブロットに使用される公知のものが
特に限定されることなく使用できる。好適に使用される
ものを例示すれば、ニトロセルロース膜,ナイロン膜,
ポリビニデンジフルオライド膜,ジアゾ化アミノベンジ
ルオキシメチル膜,ジアゾ化アミノフェニルチオエーテ
ル膜,ジエチルアミノエチル膜等が挙げられ、このうち
ニトロセルロース膜を用いるのが好ましい。
Acad.Sci.USA76,4350(1979)においてTobin等が提案す
る公知の方法に準じて実施することができる。前記ポリ
ペプチドと被検液中のgp46に対する抗体との抗原−抗体
反応の検出は、上記文献に記載されるラジオオートグラ
フィー、蛍光免疫法及びエンザイムイムノアッセイが特
に限定されることなく実施できる。しかしながら、簡便
さと保存性の面から上記エンザイムイムノアッセイの直
接法又は間接法を実施することが好ましい。転写に用い
る膜は、ウェスタンブロットに使用される公知のものが
特に限定されることなく使用できる。好適に使用される
ものを例示すれば、ニトロセルロース膜,ナイロン膜,
ポリビニデンジフルオライド膜,ジアゾ化アミノベンジ
ルオキシメチル膜,ジアゾ化アミノフェニルチオエーテ
ル膜,ジエチルアミノエチル膜等が挙げられ、このうち
ニトロセルロース膜を用いるのが好ましい。
本発明の診断薬において、抗原として使用するポリペ
プチドは、HTLV−I env蛋白のgp46に対する抗体に対し
て良好な抗原性を有するものである。従って、本発明の
診断薬は、HTLV−I感染の診断を高感度で行うことがで
きる。また、HTLV−I感染者の血漿又は血清の中には、
5〜10%の割合でgp46を抗原として反応させた場合しか
陽性を示さないものが存在するから、上記結果をp21の
抗体に対して抗原性を有するポリペプチドを抗原に用い
た場合の判定結果に補足させることにより、より確実な
HTLV−Iへの感染の診断を行うことが可能である。
プチドは、HTLV−I env蛋白のgp46に対する抗体に対し
て良好な抗原性を有するものである。従って、本発明の
診断薬は、HTLV−I感染の診断を高感度で行うことがで
きる。また、HTLV−I感染者の血漿又は血清の中には、
5〜10%の割合でgp46を抗原として反応させた場合しか
陽性を示さないものが存在するから、上記結果をp21の
抗体に対して抗原性を有するポリペプチドを抗原に用い
た場合の判定結果に補足させることにより、より確実な
HTLV−Iへの感染の診断を行うことが可能である。
また、他の非特異的免疫反応を生ずる抗原を含んでい
ないため、HTLV−Iに感染していないにもかかわらず陽
性としての結果となる偽陽性の被検体を生ずることな
く、HTLV−I感染者の診断を行うことができる。従っ
て、本発明の診断薬は、例えば輸血における供血者を被
検液として診断すること等により、HTLV−I感染者を発
見しHTLI−Iへの感染の防止を行うことができ、産業上
の利用価値は極めて大きいものである。
ないため、HTLV−Iに感染していないにもかかわらず陽
性としての結果となる偽陽性の被検体を生ずることな
く、HTLV−I感染者の診断を行うことができる。従っ
て、本発明の診断薬は、例えば輸血における供血者を被
検液として診断すること等により、HTLV−I感染者を発
見しHTLI−Iへの感染の防止を行うことができ、産業上
の利用価値は極めて大きいものである。
製造例1 (HTLV−I env蛋白遺伝子由来のDNAの取得) ATL患者末梢血10mlから公知の方法に従いリンパ球を
分離り、該リンパ球をプロテインナーゼK(シグマ社製
P0390)で処理した後、フェノール・クロロホルム抽出
エタノール沈澱を行いATL患者由来のリンパ球のDNA1mg
を得た。
分離り、該リンパ球をプロテインナーゼK(シグマ社製
P0390)で処理した後、フェノール・クロロホルム抽出
エタノール沈澱を行いATL患者由来のリンパ球のDNA1mg
を得た。
該DNA10μgを第4表No.1に示す組成の溶液中でEcoR
I制限酵素(宝酒造(株)製No.1040)により切断し、エ
タノール沈澱後、TE緩衝液200μに溶解した。
I制限酵素(宝酒造(株)製No.1040)により切断し、エ
タノール沈澱後、TE緩衝液200μに溶解した。
そして該溶液を、ショ糖密度勾配遠心(ショ糖10〜40
%wt/vol,26000rpm,18時間)にかけ、アガロースゲル電
気泳動による確認で20キロ塩基対に相当するDNA断片を
得た。次にこのDNA断片1.0μgをシャロン4Aベクター
(ベクターDNA、榊佳之 講談社 1986参照)のEcoR I
切断部位に該DNA断片を挿入した。
%wt/vol,26000rpm,18時間)にかけ、アガロースゲル電
気泳動による確認で20キロ塩基対に相当するDNA断片を
得た。次にこのDNA断片1.0μgをシャロン4Aベクター
(ベクターDNA、榊佳之 講談社 1986参照)のEcoR I
切断部位に該DNA断片を挿入した。
この接続は、T4DNAリガーゼ(宝酒造(株)製No.2011)
を用い、接続反応は、第5表に示すような組成の溶液中
で、15℃,12時間行なった。次いで、得られたDNAについ
てイン・ビトロ・パッケージングを行なった後、処理液
を遠心分離(7000rpm,2時間)し、上清をプラークハイ
ブリダイゼーション用の組換えファージ液とした。該組
換えファージ液を指示菌LE392(宝酒造(株)製)に感
染し、プラークを形成した後、32PでラペルしたHTLV−
I pol DNA含有断片をプローブにプラークハイブリダ
イゼーションを行ない、HTLV−I遺伝子由来のDNAを含
むファージを単離した。得られた組換えファージを、第
4表No.1に示す組成の溶液中で、Hind III(宝酒造
(株)製)、EcoR I(宝酒造(株)製No.1040)制限酵
素により切断し、HTLV−I遺伝子由来のDNAのうちenv−
px−LTR領域に相当し、かつHTLV−I env蛋白をコードす
るDNAを含む約3.9キロ塩基対のDNA断片を400μg得た。
そして、大腸菌ベクターpUC19(宝酒造(株)製No.321
9)を同様な条件下でHind III,EcoR I制限酵素により切
断し、切断部位への上記DNA断片の接続反応を行なっ
た。得られた接続反応液は、後述する、HTLV−I5′−
3′断片を含むAcc I−Xba I断片DNAと、puC18の接続反
応液と同様に、大腸菌JM109(宝酒造(株)製No.9052)
の形質転換、ミニ・プレパレーション、そしてミディア
ム・プレパレーションへと続く一連の操作に使用した。
以上の操作の結果、HTLV−I env−px−LTR領域遺伝子に
由来するDNA断片がpUC19に正しい方向で挿入している組
換えベクターPHT3.9kb/pUC19を400μg得た。
を用い、接続反応は、第5表に示すような組成の溶液中
で、15℃,12時間行なった。次いで、得られたDNAについ
てイン・ビトロ・パッケージングを行なった後、処理液
を遠心分離(7000rpm,2時間)し、上清をプラークハイ
ブリダイゼーション用の組換えファージ液とした。該組
換えファージ液を指示菌LE392(宝酒造(株)製)に感
染し、プラークを形成した後、32PでラペルしたHTLV−
I pol DNA含有断片をプローブにプラークハイブリダ
イゼーションを行ない、HTLV−I遺伝子由来のDNAを含
むファージを単離した。得られた組換えファージを、第
4表No.1に示す組成の溶液中で、Hind III(宝酒造
(株)製)、EcoR I(宝酒造(株)製No.1040)制限酵
素により切断し、HTLV−I遺伝子由来のDNAのうちenv−
px−LTR領域に相当し、かつHTLV−I env蛋白をコードす
るDNAを含む約3.9キロ塩基対のDNA断片を400μg得た。
そして、大腸菌ベクターpUC19(宝酒造(株)製No.321
9)を同様な条件下でHind III,EcoR I制限酵素により切
断し、切断部位への上記DNA断片の接続反応を行なっ
た。得られた接続反応液は、後述する、HTLV−I5′−
3′断片を含むAcc I−Xba I断片DNAと、puC18の接続反
応液と同様に、大腸菌JM109(宝酒造(株)製No.9052)
の形質転換、ミニ・プレパレーション、そしてミディア
ム・プレパレーションへと続く一連の操作に使用した。
以上の操作の結果、HTLV−I env−px−LTR領域遺伝子に
由来するDNA断片がpUC19に正しい方向で挿入している組
換えベクターPHT3.9kb/pUC19を400μg得た。
上記組換えベクターPHT3.9kb/pUC19 200μgを、第4
表No.3に示す組成の溶液中で、Pst I(宝酒造(株)製N
o.1073),Hind III(宝酒造(株)製No.1060)を使用し
て、切断し、Hind III−Pst I断片(約1700塩基対)を
得る。
表No.3に示す組成の溶液中で、Pst I(宝酒造(株)製N
o.1073),Hind III(宝酒造(株)製No.1060)を使用し
て、切断し、Hind III−Pst I断片(約1700塩基対)を
得る。
一方、大腸菌ベクターpUC19を第4表No.1に示す組成
の溶液中でSal I(宝酒造(株)製No.1080)を使用して
切断し、マングビーン・ヌクレアーゼ(宝酒造(株)製
No.2420)処理後、接続し、Acc I,Sal I,Hinc II制限酵
素切断部位のないpUC19を得た。次に、該pUC19を第4表
No.2に示す組成溶液中でHind III,Pst Iを使用して切断
し、該ベクターのHind III,Pst I切断部位に上記Hind I
II,Pst I断片を切続した。
の溶液中でSal I(宝酒造(株)製No.1080)を使用して
切断し、マングビーン・ヌクレアーゼ(宝酒造(株)製
No.2420)処理後、接続し、Acc I,Sal I,Hinc II制限酵
素切断部位のないpUC19を得た。次に、該pUC19を第4表
No.2に示す組成溶液中でHind III,Pst Iを使用して切断
し、該ベクターのHind III,Pst I切断部位に上記Hind I
II,Pst I断片を切続した。
次いで、接続反応液を大腸菌JM109の形質転換、ミニ
プレパレーションと続く一連の操作に使用し、Hind II
I,Pst I断片が上記pUC19ベクターに正しい方向に挿入し
ている組換えpUC19ベクターを400μg得た。更に、第4
表No.2に示す組成の溶液中で、組換えpUC19ベクターをA
cc I(宝酒造(株)製No.1001),Xba I(宝酒造(株)
製No.1093)を使用して切断し、HTLV−I env蛋白遺伝子
に由来するDNAのうち後半分に相当するAcc I−Xba I断
片(約1060塩基対)取得した。
プレパレーションと続く一連の操作に使用し、Hind II
I,Pst I断片が上記pUC19ベクターに正しい方向に挿入し
ている組換えpUC19ベクターを400μg得た。更に、第4
表No.2に示す組成の溶液中で、組換えpUC19ベクターをA
cc I(宝酒造(株)製No.1001),Xba I(宝酒造(株)
製No.1093)を使用して切断し、HTLV−I env蛋白遺伝子
に由来するDNAのうち後半分に相当するAcc I−Xba I断
片(約1060塩基対)取得した。
一方、組換えベクターPHT3.9Kb/pUC19、200μgを、
第4表No.5に示す組成の溶液中でNco I制限酵素(宝酒
造(株)製No.1160)を使用して切断し、Nco I−Nco I
断片(約610塩基対)を得た。一方、大腸菌ベクターpUC
18(宝酒造(株)製No.3218)を第4表No.3に示す組成
の溶液中でHinc II制限酵素(宝酒造(株)製No.1059)
で切断し、該ベクターのHinc II制限酵素部位に上記Nco
I−Nco I断片をフィルイン・ライゲーションによっ
て、接続した。次いで、接続反応液を、大腸菌JM109の
形質転換、ミニ・プレパレーション、そしてミディアム
・プレパレーションと続く一連の操作に使用し、Nco I
−Nco I断片が上記pUC18ベクターに正しい方向で挿入し
ている組換えpUC18ベクターを400μm得た。該ベクター
を第4表No.6に示す組成の溶液中で、Xba I,Acc I制限
酵素で切断し、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの
前半分に相当するXba I−Acc I断片(約500塩基対)を
得た。
第4表No.5に示す組成の溶液中でNco I制限酵素(宝酒
造(株)製No.1160)を使用して切断し、Nco I−Nco I
断片(約610塩基対)を得た。一方、大腸菌ベクターpUC
18(宝酒造(株)製No.3218)を第4表No.3に示す組成
の溶液中でHinc II制限酵素(宝酒造(株)製No.1059)
で切断し、該ベクターのHinc II制限酵素部位に上記Nco
I−Nco I断片をフィルイン・ライゲーションによっ
て、接続した。次いで、接続反応液を、大腸菌JM109の
形質転換、ミニ・プレパレーション、そしてミディアム
・プレパレーションと続く一連の操作に使用し、Nco I
−Nco I断片が上記pUC18ベクターに正しい方向で挿入し
ている組換えpUC18ベクターを400μm得た。該ベクター
を第4表No.6に示す組成の溶液中で、Xba I,Acc I制限
酵素で切断し、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAの
前半分に相当するXba I−Acc I断片(約500塩基対)を
得た。
次いで、大腸菌ベクターであるpUC18(宝酒造(株)
製No.3319)を第4表No.6に示した組成の溶液中でXba I
制限酵素(宝酒造(株)製No.1093)により切断し、得
られたベクターと上記Acc I−Xba I断片及びXba I−Acc
I断片との接続を行なった。そして、接続反応液を大腸
菌JM109の形質転換、ミニ・プレパレーション、そして
ミディアム・プレパレーションと続く一連の操作に使用
し、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAがpUC18ベク
ターに正しい方向で挿入している組換えベクターenv/pC
U119,200μgを得た。以上の行程を第6図に示す。
製No.3319)を第4表No.6に示した組成の溶液中でXba I
制限酵素(宝酒造(株)製No.1093)により切断し、得
られたベクターと上記Acc I−Xba I断片及びXba I−Acc
I断片との接続を行なった。そして、接続反応液を大腸
菌JM109の形質転換、ミニ・プレパレーション、そして
ミディアム・プレパレーションと続く一連の操作に使用
し、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDNAがpUC18ベク
ターに正しい方向で挿入している組換えベクターenv/pC
U119,200μgを得た。以上の行程を第6図に示す。
(組換えベクターの製造) 前記の方法で得られた組換えベクターenv/pCU119、20
0μgを第4表No.6に示す組成の溶液に溶解し、次いでX
ba I制限酵素を断続的に9時間添加していき、切断反応
を行なった。アガロースゲル電気泳動により該切断反応
の終了を確認後、更にこの反応液にAcc I制限酵素を断
続的に4時間添加していき、切断反応を行なった。
0μgを第4表No.6に示す組成の溶液に溶解し、次いでX
ba I制限酵素を断続的に9時間添加していき、切断反応
を行なった。アガロースゲル電気泳動により該切断反応
の終了を確認後、更にこの反応液にAcc I制限酵素を断
続的に4時間添加していき、切断反応を行なった。
切断後、フェノール抽出、エタノール沈澱を順次行な
った後、沈澱したDNAをTE緩衝液(pH8.0)に溶解し、該
DNA溶解液をアガロースゲル電気泳動した。そしてHTLV
−I 5′−3′断片を含むAcc I−Xba I断片に相当する
バンド部分の寒天片を取り出し、電気泳動による溶出に
よって該断片を抽出した。次いで、抽出液を更にフェノ
ール抽出し、エタノール沈澱してHTLV−I 5′−3′断
片を含むAcc I−Xba I断片を得た。
った後、沈澱したDNAをTE緩衝液(pH8.0)に溶解し、該
DNA溶解液をアガロースゲル電気泳動した。そしてHTLV
−I 5′−3′断片を含むAcc I−Xba I断片に相当する
バンド部分の寒天片を取り出し、電気泳動による溶出に
よって該断片を抽出した。次いで、抽出液を更にフェノ
ール抽出し、エタノール沈澱してHTLV−I 5′−3′断
片を含むAcc I−Xba I断片を得た。
ここで、該Acc I−Xba I断片に含有されるHTLV−I
5′−3′断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDN
Aのうち、該DNAの5′末端から下流493塩化対で切断し
た、該切断部位から前記のDNAの3′末端までのもので
ある。
5′−3′断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来するDN
Aのうち、該DNAの5′末端から下流493塩化対で切断し
た、該切断部位から前記のDNAの3′末端までのもので
ある。
一方、大腸菌用ベクターpUC118(宝酒造(株)製No.3
318)10μgを第4表No.1に示す組成の溶液に溶解し、
次いでEcoR I制限酵素を断続的に9時間添加していき、
切断反応を行なった。
318)10μgを第4表No.1に示す組成の溶液に溶解し、
次いでEcoR I制限酵素を断続的に9時間添加していき、
切断反応を行なった。
次いで得られた反応液をアルカリフォスファターゼ懸
濁液(宝酒造(株)製No.2120)1μにより、60℃で3
0分間反応させた。アルカリフォスファターゼ反応停止
後、該反応液をフェノール抽出、エタノール沈澱し、Ec
oR I制限酵素で切断されたpUC18を得た。
濁液(宝酒造(株)製No.2120)1μにより、60℃で3
0分間反応させた。アルカリフォスファターゼ反応停止
後、該反応液をフェノール抽出、エタノール沈澱し、Ec
oR I制限酵素で切断されたpUC18を得た。
そして、該ベクター0.2μgと前記HTLV−I 5′−3′
断片を含むAcc I−Xba I断片0.2μgを、第5表に示す
溶液中で混合し、T4DNAリガーゼを用いて、16℃,3時間
以上、フィルインライゲーションを行なった。
断片を含むAcc I−Xba I断片0.2μgを、第5表に示す
溶液中で混合し、T4DNAリガーゼを用いて、16℃,3時間
以上、フィルインライゲーションを行なった。
そして該操作により得られた接続反応液25μを大腸
菌JM109のコンピテントセル懸濁液200μに添加し、氷
上で30分間放置した。その後、42℃で2分間ヒート・シ
ョックし、更に、室温に戻した後、LB液体培地800μ
を添加し、37℃で1時間おだやかに振盪培養した。
菌JM109のコンピテントセル懸濁液200μに添加し、氷
上で30分間放置した。その後、42℃で2分間ヒート・シ
ョックし、更に、室温に戻した後、LB液体培地800μ
を添加し、37℃で1時間おだやかに振盪培養した。
該液体培地100μを、アンピシリン100μg/mlを含む
LB寒天培地15ml/プレートに接種後、37℃で12時間培養
した。培養後出現したシングルコロニー20個を取り出
し、それぞれをアンピシリン30μg/ml含むLB液体培地15
mlに接種し、37℃で8時間培養した。それぞれの液体培
地から1mlずつ採取し、各採取培地中の大腸菌内に所在
するプラスミドをミニ・プレパレーション法により抽出
した。得られた各プラスミドのそれぞれを、EcoR I制限
酵素及びBamH I制限酵素(宝酒造(株)製No.1010)に
より切断反応を行った。反応後、各反応液をアガロース
ゲル電気泳動し、HTLV−I 5′−3′断片を含むAcc I−
Xba I断片はpUC18に正しい方向に挿入しているプラスミ
ドを確認した。
LB寒天培地15ml/プレートに接種後、37℃で12時間培養
した。培養後出現したシングルコロニー20個を取り出
し、それぞれをアンピシリン30μg/ml含むLB液体培地15
mlに接種し、37℃で8時間培養した。それぞれの液体培
地から1mlずつ採取し、各採取培地中の大腸菌内に所在
するプラスミドをミニ・プレパレーション法により抽出
した。得られた各プラスミドのそれぞれを、EcoR I制限
酵素及びBamH I制限酵素(宝酒造(株)製No.1010)に
より切断反応を行った。反応後、各反応液をアガロース
ゲル電気泳動し、HTLV−I 5′−3′断片を含むAcc I−
Xba I断片はpUC18に正しい方向に挿入しているプラスミ
ドを確認した。
この確認したプラスミドを所有している大腸菌が存在
する前記液体培地から0.2mlを採取し、アンピシリン100
μg/mlを含むLB液体培地50mlに接種後、37℃で12時間培
養した。
する前記液体培地から0.2mlを採取し、アンピシリン100
μg/mlを含むLB液体培地50mlに接種後、37℃で12時間培
養した。
得られた液体培地中の大腸菌内に所在するプラスミド
をミディアム・プレパレーション法により抽出し、組換
えベクターAcc I Env(1000)/pUC118 400μgを得
た。
をミディアム・プレパレーション法により抽出し、組換
えベクターAcc I Env(1000)/pUC118 400μgを得
た。
該組換えベクターAcc I Env(1000)/pUC118 200μ
gをEcoR I制限酵素により、前記と同様の切断条件で切
断した。得られた切断物を前記アガロースゲル電気泳動
することで、HTLV−I 5′−3′断片を含むEcoR I−Eco
R I断片(約1000bp)0.15μgを得た。
gをEcoR I制限酵素により、前記と同様の切断条件で切
断した。得られた切断物を前記アガロースゲル電気泳動
することで、HTLV−I 5′−3′断片を含むEcoR I−Eco
R I断片(約1000bp)0.15μgを得た。
又、カイコの発現系ベクターpBF124、10μgをEcoR I
制限酵素により、前記と同様の切断条件で切断し、次い
でアルカリフォスファターゼ処理した。
制限酵素により、前記と同様の切断条件で切断し、次い
でアルカリフォスファターゼ処理した。
上記HTLV−I 5′−3′断片を含むEcoR I−EcoR I DN
A断片1.25μgとEcoR I制限酵素で切断されたpBF124
0.2μgを混合し、T4DNAリガーゼにより前述と同様な方
法で接続反応を行なった。
A断片1.25μgとEcoR I制限酵素で切断されたpBF124
0.2μgを混合し、T4DNAリガーゼにより前述と同様な方
法で接続反応を行なった。
そして、前記と同様な方法により、この接続反応液を
用いた大腸菌JM109の形質転換及び、該形質転換菌の分
離を行なった。強いで、分離された各培養物ごとで一連
のミニ・プレパレーション操作を実施し、それぞれの液
体培地の一部からプラスミドを抽出した。
用いた大腸菌JM109の形質転換及び、該形質転換菌の分
離を行なった。強いで、分離された各培養物ごとで一連
のミニ・プレパレーション操作を実施し、それぞれの液
体培地の一部からプラスミドを抽出した。
次いで、各プラスミドに対して、EcoR I制限酵素及び
BamH I制限酵素による切断反応を行い、アガロースゲル
電気泳動により、HTLV−I 5′−3′断片を含むEcoR I
−EcoR I DNAがpBF124に正しい方向に挿入されているプ
ラスミドを確認した。
BamH I制限酵素による切断反応を行い、アガロースゲル
電気泳動により、HTLV−I 5′−3′断片を含むEcoR I
−EcoR I DNAがpBF124に正しい方向に挿入されているプ
ラスミドを確認した。
この確認したプラスミドを所有している大腸菌が存在
する液体培地から0.2mlを採取し、アンピシリン30μg/m
lを含むLB液体培地50mlに接種後、37℃で12時間培養し
た。
する液体培地から0.2mlを採取し、アンピシリン30μg/m
lを含むLB液体培地50mlに接種後、37℃で12時間培養し
た。
該液体培地中の大腸菌内に存在するプラスミドをミデ
ィアム・プレパレーション法により抽出し、組換えベク
ターAcc I Env(1000)/pUC118 200μgを得た。この
組換えベクターAcc I Env(1000)/pBF124はE.coliに
導入し、得られる微生物をE.coli Acc I Env(1000)
/pBF124として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
した。寄託番号は微工研菌寄第1092号(FERM−p10292)
である。以上の工程を第7図に示す。
ィアム・プレパレーション法により抽出し、組換えベク
ターAcc I Env(1000)/pUC118 200μgを得た。この
組換えベクターAcc I Env(1000)/pBF124はE.coliに
導入し、得られる微生物をE.coli Acc I Env(1000)
/pBF124として工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
した。寄託番号は微工研菌寄第1092号(FERM−p10292)
である。以上の工程を第7図に示す。
(組換えウイルスの製造) BmNPV T3株のウイルスDNAと前記組換えベクターAcc I
Env(1000)/pBF124とが1:100のモル比に調合された
第1表の組成液I 245μを、第1表の組成液II 255
μと混合した。
Env(1000)/pBF124とが1:100のモル比に調合された
第1表の組成液I 245μを、第1表の組成液II 255
μと混合した。
生じた懸濁液0.5mlをTC−10(第2表)の培地のカイ
コ樹立培養細胞BmN4液(4×105Bmcells/ml)5mlに加
え、27℃,20時間の培養により、Acc I Env(1000)/pB
F124とBmNPV DNAのカイコ樹立細胞への導入を行った。
得られた培養物は、更にTC−10培地の交換を行った後、
27℃で6日間培養した。次いでこの培養物を遠心分離
(1500rpm,10分間)し、得られた上清を組換えウイルス
のクローニング用反応液とした。
コ樹立培養細胞BmN4液(4×105Bmcells/ml)5mlに加
え、27℃,20時間の培養により、Acc I Env(1000)/pB
F124とBmNPV DNAのカイコ樹立細胞への導入を行った。
得られた培養物は、更にTC−10培地の交換を行った後、
27℃で6日間培養した。次いでこの培養物を遠心分離
(1500rpm,10分間)し、得られた上清を組換えウイルス
のクローニング用反応液とした。
該クローニング用反応液をTC−10培地で10-6,10-7,10
-8に希釈し、それぞれ10mlの希釈反応液とした。該希釈
反応液に対して、それぞれカイコ樹立培養細胞BmN4液
(105Bmcells/ml)10mlを混合し、該混合液を200μず
つ96穴のマイクロタイター・トレーの中に分注し、27℃
で4日間培養した。4日間培養後、マイクロタイター・
トレーを検鏡し、細胞表面が粗く変形しウイルスが感染
した形態を示しているカイコ樹脂培養細胞で且つ該細胞
内に多角体蛋白が検出されないウェルを見いだし、そこ
から培養物を回収した。得られた。培養物を遠心分離
(1500rpm,10分)し、上清150μを組換えウイルスの
ポリペプチド発現用反応液とした。該ポリペプチド発現
用反応液は、プラーク検定で1×107PFU/mlの力価を示
す組換えウイルス液であった。
-8に希釈し、それぞれ10mlの希釈反応液とした。該希釈
反応液に対して、それぞれカイコ樹立培養細胞BmN4液
(105Bmcells/ml)10mlを混合し、該混合液を200μず
つ96穴のマイクロタイター・トレーの中に分注し、27℃
で4日間培養した。4日間培養後、マイクロタイター・
トレーを検鏡し、細胞表面が粗く変形しウイルスが感染
した形態を示しているカイコ樹脂培養細胞で且つ該細胞
内に多角体蛋白が検出されないウェルを見いだし、そこ
から培養物を回収した。得られた。培養物を遠心分離
(1500rpm,10分)し、上清150μを組換えウイルスの
ポリペプチド発現用反応液とした。該ポリペプチド発現
用反応液は、プラーク検定で1×107PFU/mlの力価を示
す組換えウイルス液であった。
尚、上記TC−10の培地は第2表の培地900mlをpH6.30
〜6.35に調整し、濾過減菌後、牛胎児血清100mlを添加
することにより調製される。
〜6.35に調整し、濾過減菌後、牛胎児血清100mlを添加
することにより調製される。
第 2 表 培 地 組 成 NaCl 0.5 g KCl 2.87g CaCl2・2H2O 1.32g MgCl2・6H2O 2.28g MgCl2・7H2O 2.78g Tryptose 2.0 g デキストロース(glucose) 1.1 g L−glutamine 0.3 gSoln A* 100mlSoln B** 100mlSoln C*** 1ml NaH2PO4・2H2O(0.891g/100ml) 100ml NaHCO3(0.35g/100ml) 100ml H2Oで全量900mlとする* soln Aの組成 L−Arginme 5.79g L−Aspatic acid 3.5 g L−Asparagine・H2O 3.98g L−Alanine 2.25g β−Alanine 2.0 g L−Glutamic acid 6.0 g L−Glutamine 3.0 g Glycine 6.5 g L−Histidne 25.0 g L−Isoleucine 0.5 g L−Leucine 0.75g L−Lysine・HCl 6.25g L−Methiouine 0.5 g L−Proline 3.5 g L−Phenyla anine 1.5 g DL−Serune 11.0 g L−Threonme 1.75gL−Valine 1.0 g H2Oで全量1000mlとする** soln Bの組成 L−Cystine 0.25g L−Tryptophane 1.0 gL−Tyrosine 0.5 g H2Oで全量1000mlとする*** soln Cの組成 Thiamine・HCl 2.0mg Riboflavine 2.0mg D−Ca pantothenate 2.0mg Prydoxine・HCl 2.0mg Para−aminobenzoic acid 2.0mg Folic acid 2.0mg Nicotinic acid 2.0mg Iso−Iuositol 2.0mg Biotin 1.0mgCholive CL 20.0mg H2Oで全量1000mlとする (ポリペプチドの製造) 上記ポリペプチド発現用反応液100μをカイコ樹立
培養細胞BmN4液(105Bmcells/ml)30mlに添加し、27℃,
5日間培養した。5日間培養後、培養物を回収し、遠心
分離(1500rpm,15分)した。
培養細胞BmN4液(105Bmcells/ml)30mlに添加し、27℃,
5日間培養した。5日間培養後、培養物を回収し、遠心
分離(1500rpm,15分)した。
沈澱物(ウイルス成熟細胞)をPBS緩衝液で洗浄し50m
M Tris−HCl(pH7.4)400μに懸濁、ソニケーション
後、遠心分離(8000rpm,20分)した。沈澱物として得ら
れたポリペプチド90μにレムリ緩衝液200μを添
加、懸濁したものを、煮沸し、遠心した上清をSDSゲル
電気泳動の試料とした。
M Tris−HCl(pH7.4)400μに懸濁、ソニケーション
後、遠心分離(8000rpm,20分)した。沈澱物として得ら
れたポリペプチド90μにレムリ緩衝液200μを添
加、懸濁したものを、煮沸し、遠心した上清をSDSゲル
電気泳動の試料とした。
SDSゲル電気泳動の結果、この試料は、約20kdの位置
にバンドが検出された。(第8図に図示)この分子量
は、予測される、pBF124の有する多角体蛋白遺伝子部分
がコードする多角体蛋白部分(約4.5kd)とHTLV−I 5′
−3′断片がコードするHTLV−I env蛋白部分(約35.5k
d)の合計分子量よりも、p21の分子量分(約20kd)だけ
小さいものである。なお、第8図は、Bm細胞内でのHTLV
−I env蛋白部分発現をSDSゲル電気泳動で確認したもの
である。第8図においてlane1はサイズマーカー、lane2
は非感染カイコ細胞の蛋白、lane3はAcc I Env(100
0)/pBF124を使用した組換えウイルスを感染したカイコ
細胞の蛋白を電気泳動したものである。
にバンドが検出された。(第8図に図示)この分子量
は、予測される、pBF124の有する多角体蛋白遺伝子部分
がコードする多角体蛋白部分(約4.5kd)とHTLV−I 5′
−3′断片がコードするHTLV−I env蛋白部分(約35.5k
d)の合計分子量よりも、p21の分子量分(約20kd)だけ
小さいものである。なお、第8図は、Bm細胞内でのHTLV
−I env蛋白部分発現をSDSゲル電気泳動で確認したもの
である。第8図においてlane1はサイズマーカー、lane2
は非感染カイコ細胞の蛋白、lane3はAcc I Env(100
0)/pBF124を使用した組換えウイルスを感染したカイコ
細胞の蛋白を電気泳動したものである。
一次抗体として、正常人血清、抗多角体蛋白抗体、HT
LV−I p21に対するモノクロナール抗体、及び患者血清
を使用したウエスタン・ブロット実験の経過、核20kdの
ポリペチドが抗多角体蛋白抗体、患者血清に対しては陽
性で、正常人血清、HTLV−I p21に対するモノクロナー
ル抗体に対しては陰性であることを確認した(第9図に
図示)。この結果は該ポリペチドが、多角体蛋白部分
と、HTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する部分の
融合蛋白であることを示している。尚、第9図はBm細胞
内でのHTLV−I env蛋白発現をウエスタン・ブロット法
で確認したものである。lane1はサイズマーカー、lane2
〜lane5は抗原としてAcc I Env(1000)/pBF124を使用
した組換えウイルスを感染したカイコ細胞の蛋白を電気
泳動したものである。
LV−I p21に対するモノクロナール抗体、及び患者血清
を使用したウエスタン・ブロット実験の経過、核20kdの
ポリペチドが抗多角体蛋白抗体、患者血清に対しては陽
性で、正常人血清、HTLV−I p21に対するモノクロナー
ル抗体に対しては陰性であることを確認した(第9図に
図示)。この結果は該ポリペチドが、多角体蛋白部分
と、HTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する部分の
融合蛋白であることを示している。尚、第9図はBm細胞
内でのHTLV−I env蛋白発現をウエスタン・ブロット法
で確認したものである。lane1はサイズマーカー、lane2
〜lane5は抗原としてAcc I Env(1000)/pBF124を使用
した組換えウイルスを感染したカイコ細胞の蛋白を電気
泳動したものである。
ウエスタン・ブロッティングは、第3表に示した一次
抗体及び二次抗体を使用して、アビジン、ビオチンを基
質としたペルオキシダーゼによる呈色反応で行なった。
抗体及び二次抗体を使用して、アビジン、ビオチンを基
質としたペルオキシダーゼによる呈色反応で行なった。
製造例2 製造例1で得たポリペプチド発現用反応液100μを
カイコ樹立培養細胞液(105Bmcells/ml)30mlに添加
し、27℃、5日間培養した。5日間培養後、培養物を回
収し遠心分離(1500rpm,15分)した。上清を0.1mlずつ
5令1日目のカイコ100匹にそれぞれ経皮的に注入し、2
5℃で5日間、桑葉のペースト片を与えて飼育後、解剖
し、脂肪体を集めた。該脂肪体にPBS緩衝液10mlを加え
懸濁し、ソニケーション後、遠心分離(8000rpm,20分)
し、沈澱物5mlを取得した。該沈澱物を再度ソニケーシ
ョンし、Bio−RADプロティン・アッセイにより、ポリペ
プチド量を測定した結果7.5mgであった。
カイコ樹立培養細胞液(105Bmcells/ml)30mlに添加
し、27℃、5日間培養した。5日間培養後、培養物を回
収し遠心分離(1500rpm,15分)した。上清を0.1mlずつ
5令1日目のカイコ100匹にそれぞれ経皮的に注入し、2
5℃で5日間、桑葉のペースト片を与えて飼育後、解剖
し、脂肪体を集めた。該脂肪体にPBS緩衝液10mlを加え
懸濁し、ソニケーション後、遠心分離(8000rpm,20分)
し、沈澱物5mlを取得した。該沈澱物を再度ソニケーシ
ョンし、Bio−RADプロティン・アッセイにより、ポリペ
プチド量を測定した結果7.5mgであった。
ポリペプチド量測定後、50μをレムリ緩衝液50μ
に懸濁し、煮沸し、遠心した上清をSDSゲル電気泳動の
試料とした。
に懸濁し、煮沸し、遠心した上清をSDSゲル電気泳動の
試料とした。
SDS電気泳動の結果、分子量約20kdの位置にバンドが
検出された。製造例1と同じウエスタン・ブロット実験
を行い、この20kdのポリペプチドが多角体蛋白部分とHT
LV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する部分とを含む
融合蛋白であることを確認した。
検出された。製造例1と同じウエスタン・ブロット実験
を行い、この20kdのポリペプチドが多角体蛋白部分とHT
LV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する部分とを含む
融合蛋白であることを確認した。
製造例3 製造例1の(組換えベクターの製造)において、組換
えベクターenv/pUC119のXba I制限酵素による切断後の
更なる切断をPvu II制限酵素(宝酒造(株)製No.1076
B)により行ないHTLV−I 5′−3′断片を含むPvu II−
Xba I断片を得た以外は、製造例1と同様の方法を実施
した。ここで、該Pvu II−Xba I断片に含有されるHTLV
−I 5′−3′断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来す
るDNAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対で切断
され、該切断部位から上記DNAの3′末端までのもので
ある。尚、Pvu II制限酵素の切断反応は、第4表No.4に
示す組成の溶液中で行なった。また、上記操作で得られ
るカイコの発現系ベクターpBF124にHTLV−I 5′−3′
断片が挿入された組換えベクターPvu II Env(1500)/
pBF124は、該ベクターをE.coliに導入し、得られる微生
物をE.coli Pvu II Env(1500)/pBF124として工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託した。寄託番号は、微
工研菌寄第10293合(FERM−P10293)である。
えベクターenv/pUC119のXba I制限酵素による切断後の
更なる切断をPvu II制限酵素(宝酒造(株)製No.1076
B)により行ないHTLV−I 5′−3′断片を含むPvu II−
Xba I断片を得た以外は、製造例1と同様の方法を実施
した。ここで、該Pvu II−Xba I断片に含有されるHTLV
−I 5′−3′断片は、HTLV−I env蛋白遺伝子に由来す
るDNAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基対で切断
され、該切断部位から上記DNAの3′末端までのもので
ある。尚、Pvu II制限酵素の切断反応は、第4表No.4に
示す組成の溶液中で行なった。また、上記操作で得られ
るカイコの発現系ベクターpBF124にHTLV−I 5′−3′
断片が挿入された組換えベクターPvu II Env(1500)/
pBF124は、該ベクターをE.coliに導入し、得られる微生
物をE.coli Pvu II Env(1500)/pBF124として工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託した。寄託番号は、微
工研菌寄第10293合(FERM−P10293)である。
上記操作の結果、1μgのポリペプチドを得た。SDS
電気泳同の結果、このポリペプチドは、分子量約32.5kd
の位置にバンドが検出された。また、実施例1と同じウ
エスタン・ブロット実験を行いこのポリペプチドが、多
角体蛋白部分とHTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有
する部分の融合蛋白であることを確認した(第10図に図
示)。
電気泳同の結果、このポリペプチドは、分子量約32.5kd
の位置にバンドが検出された。また、実施例1と同じウ
エスタン・ブロット実験を行いこのポリペプチドが、多
角体蛋白部分とHTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有
する部分の融合蛋白であることを確認した(第10図に図
示)。
製造例4 製造例3に於いて得られるポリペプチド発現用反応液
を用い、製造例1と同様な方法によりポリペプチドを取
得した。得られたポリペプチドは75μgで、SDS電気泳
動の結果、このポリペプチドは、分子量約32.5kdの位置
にバンドが検出された。また、製造例1と同じウエスタ
ン・ブロット実験を行い、このポリペプチドが、多核体
蛋白部分とHTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する
部分の融合蛋白であることを確認した。
を用い、製造例1と同様な方法によりポリペプチドを取
得した。得られたポリペプチドは75μgで、SDS電気泳
動の結果、このポリペプチドは、分子量約32.5kdの位置
にバンドが検出された。また、製造例1と同じウエスタ
ン・ブロット実験を行い、このポリペプチドが、多核体
蛋白部分とHTLV−I gp46の抗体に対して抗原性を有する
部分の融合蛋白であることを確認した。
第 5 表 50mM Tris−HCl(pH7.4) 10mM MgCl2 10mM dithiothreitol(DTT) 1mM ATP 実施例1 特開昭62−286533号公報実施例1の方法に従って、複
合重合体粒子を製造した。即ち、撹拌機付きガラス製フ
ラスコ中にメタノール2800cc、アンモニア水(25重量
%)616cc,水酸化ナトリウム水溶機(5モル/)21cc
を加え10℃に保った後に、テトラエチルシリケートのメ
タノール溶液(22%)1428ccを撹拌しながら25.5cc/hr
の滴下速度で添加して反応した。その後シリカ粒子を大
量のメタノール中でデカンテーションを繰り返して精製
した。
合重合体粒子を製造した。即ち、撹拌機付きガラス製フ
ラスコ中にメタノール2800cc、アンモニア水(25重量
%)616cc,水酸化ナトリウム水溶機(5モル/)21cc
を加え10℃に保った後に、テトラエチルシリケートのメ
タノール溶液(22%)1428ccを撹拌しながら25.5cc/hr
の滴下速度で添加して反応した。その後シリカ粒子を大
量のメタノール中でデカンテーションを繰り返して精製
した。
得られたシリカ粒子を沈降させ、上澄をのぞき、蒸留
水を加え、分散させ、さらに沈降させる操作を2回繰り
返し、粒子洗浄した後、分散濃度10wt%になるように蒸
留水を添加し、シリカ分散液を得た。
水を加え、分散させ、さらに沈降させる操作を2回繰り
返し、粒子洗浄した後、分散濃度10wt%になるように蒸
留水を添加し、シリカ分散液を得た。
撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、上
記で得られたシリカ分散液100mlを加えて40℃に保ち、
窒素雰囲気下、撹拌下に67ミリモルのグリセロールメタ
クリレートと過硫酸カリウムを2.9ミリモル/となる
ように添加した。次いで40℃に保温し撹拌下4時間重合
を行なった。重合後、遠心分離で上澄を捨て、沈澱した
複合重合体粒子を蒸留水に再分散させた。この操作を6
回繰り返し、沈澱を洗浄し、精製した複合重合体粒子を
得た。
記で得られたシリカ分散液100mlを加えて40℃に保ち、
窒素雰囲気下、撹拌下に67ミリモルのグリセロールメタ
クリレートと過硫酸カリウムを2.9ミリモル/となる
ように添加した。次いで40℃に保温し撹拌下4時間重合
を行なった。重合後、遠心分離で上澄を捨て、沈澱した
複合重合体粒子を蒸留水に再分散させた。この操作を6
回繰り返し、沈澱を洗浄し、精製した複合重合体粒子を
得た。
次いで、該複合重合体粒子の0.02M PBS緩衝液(pH7.
2)への5%分散液を、前記製造例2に従って得たポリ
ペプチドが10μg/mlの濃度で1%SDS含有1M Tris−HCl
(pH7.4)緩衝液に研濁している研濁液と等量混合し
た。室温下で1時間の放置後、0.02M PBS緩衝液(pH7.
2)を用いた遠心分離により粒子の洗浄を行い、得られ
たポリペプチド感作粒子が5%濃度で分散した溶液を調
合した。
2)への5%分散液を、前記製造例2に従って得たポリ
ペプチドが10μg/mlの濃度で1%SDS含有1M Tris−HCl
(pH7.4)緩衝液に研濁している研濁液と等量混合し
た。室温下で1時間の放置後、0.02M PBS緩衝液(pH7.
2)を用いた遠心分離により粒子の洗浄を行い、得られ
たポリペプチド感作粒子が5%濃度で分散した溶液を調
合した。
ATL患者血清、正常ヒト血清、全身性エリテマトーデ
ス患者血清、原発性胆汁性肝硬変疾患者血清、リウマチ
患者血清のそれぞれの被検液につき、2倍希釈液を原液
とし倍数希釈法に従ってリン酸緩衝液(pH7.2)を用い
た希釈を行い、各希釈液をマイクロタイタープレートの
ウェル中に25μずつ加えた。次いで、前記調合した感
作粒子溶液を、該ウェル中に25μずつ加えていき、3
分間の撹拌の後室温下で放置した。30分後、粒子の凝集
状態を観察し各被検液ごとで、粒子リングが明らかに大
きく、リング内に凝集粒子が膜状に広がっているものが
認められるウェルにおける希釈液の最高希釈倍数をもと
め、鋭敏性を評価した。そして、抗体価が8以上になる
被検液を陽性であると診断した。以上の結果を第6表に
示す。
ス患者血清、原発性胆汁性肝硬変疾患者血清、リウマチ
患者血清のそれぞれの被検液につき、2倍希釈液を原液
とし倍数希釈法に従ってリン酸緩衝液(pH7.2)を用い
た希釈を行い、各希釈液をマイクロタイタープレートの
ウェル中に25μずつ加えた。次いで、前記調合した感
作粒子溶液を、該ウェル中に25μずつ加えていき、3
分間の撹拌の後室温下で放置した。30分後、粒子の凝集
状態を観察し各被検液ごとで、粒子リングが明らかに大
きく、リング内に凝集粒子が膜状に広がっているものが
認められるウェルにおける希釈液の最高希釈倍数をもと
め、鋭敏性を評価した。そして、抗体価が8以上になる
被検液を陽性であると診断した。以上の結果を第6表に
示す。
実施例2 製造例2に従って得たポリペプチドの代わりに製造例
4に従って得たポリペプチドを用いる以外は、実施例1
と同様な方法で、各被検液のHTLV−I感染の診断を行な
った。診断結果は、実施例1と同一のものが得られた。
4に従って得たポリペプチドを用いる以外は、実施例1
と同様な方法で、各被検液のHTLV−I感染の診断を行な
った。診断結果は、実施例1と同一のものが得られた。
比較例1 MT−2細胞(Gann72巻989頁1981年参照)を10%仔ウ
シ血清を含むRPMI 1640倍地(MAB社製 No.530−0589
1)で37℃にて3日間培養した。その後、該培養上清を1
0000rpm、30分間遠心分離し、上清を回収し、該回収し
た上清を100,000gで2時間超遠心分離し、沈渣を得た。
該沈渣を、0.01M Tris−HCl緩衝液(pH7.4)(100mM Na
Cl 10mM EDTAを含む)で溶解した後、30,000rpm1時間
遠心分離し、該上清を回収した、20〜65%のショ糖密度
勾配液を作成し、それに上記上清を層積し、30,000rpm
で18時間超遠心処理し、MT−2細胞の可溶性細胞質蛋白
液を得た。次いで、製造例2で得たポリペプチドに変え
て、上記変溶性細胞質蛋白を用いる以外は、実施例1と
同様な方法で、各被検液のHTLV−I感染の診断を行なっ
た。結果を第7表に示す。
シ血清を含むRPMI 1640倍地(MAB社製 No.530−0589
1)で37℃にて3日間培養した。その後、該培養上清を1
0000rpm、30分間遠心分離し、上清を回収し、該回収し
た上清を100,000gで2時間超遠心分離し、沈渣を得た。
該沈渣を、0.01M Tris−HCl緩衝液(pH7.4)(100mM Na
Cl 10mM EDTAを含む)で溶解した後、30,000rpm1時間
遠心分離し、該上清を回収した、20〜65%のショ糖密度
勾配液を作成し、それに上記上清を層積し、30,000rpm
で18時間超遠心処理し、MT−2細胞の可溶性細胞質蛋白
液を得た。次いで、製造例2で得たポリペプチドに変え
て、上記変溶性細胞質蛋白を用いる以外は、実施例1と
同様な方法で、各被検液のHTLV−I感染の診断を行なっ
た。結果を第7表に示す。
実施例3 製造例2に従って得たポリペプチドを、OD280値が0.4
となるように1%SDS含有1M Tris−HCl(pH7.4)緩衝液
に希釈し、エンザイムイムノアッセイ用マイクロタイタ
ーのカップに150μ加えた。4℃で1夜間放置し、そ
の後排液し、脱イオン水にてカップを洗浄した。こうし
て得られたポリペプチドが感作したエンザイムイムノア
ッセイ用マイクロタイターのカップに、実施例1で使用
した各種被検液のPBS緩衝液による100倍希釈液を100μ
加えた。37℃で1時間放置した後、脱イオン水にてカ
ップを洗浄し、抗ヒトIgG抗体−アルカリホスファター
ゼコンジュゲートのリン酸緩衝液溶液100μを加え
た。37℃で1時間放置後、脱イオン水にてカップを洗浄
し、基質(p−ニトロフェニルフォスフェートを4mg/ml
となるように4mM MgCl2含有炭酸緩衝液(pH9.5)に溶解
したもの)100μを加えた。37℃で1時間放置後、1N
NaOH 100μを加えて反応を停止し、OD405値を求め
た。該OD405値が0.07以上となるものを、陽性の被検波
であると診断したところ、実施例1と同一の診断結果が
得られた。
となるように1%SDS含有1M Tris−HCl(pH7.4)緩衝液
に希釈し、エンザイムイムノアッセイ用マイクロタイタ
ーのカップに150μ加えた。4℃で1夜間放置し、そ
の後排液し、脱イオン水にてカップを洗浄した。こうし
て得られたポリペプチドが感作したエンザイムイムノア
ッセイ用マイクロタイターのカップに、実施例1で使用
した各種被検液のPBS緩衝液による100倍希釈液を100μ
加えた。37℃で1時間放置した後、脱イオン水にてカ
ップを洗浄し、抗ヒトIgG抗体−アルカリホスファター
ゼコンジュゲートのリン酸緩衝液溶液100μを加え
た。37℃で1時間放置後、脱イオン水にてカップを洗浄
し、基質(p−ニトロフェニルフォスフェートを4mg/ml
となるように4mM MgCl2含有炭酸緩衝液(pH9.5)に溶解
したもの)100μを加えた。37℃で1時間放置後、1N
NaOH 100μを加えて反応を停止し、OD405値を求め
た。該OD405値が0.07以上となるものを、陽性の被検波
であると診断したところ、実施例1と同一の診断結果が
得られた。
実施例4 製造例1に従って得たポリペプチドのSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を行った後、実施例1で用いた
各種被検液の3%牛アルブミン合有リン酸緩衝液(pH7.
2)による10倍希釈液を一次抗体として、エンザイムイ
ムノアッセイによるウェスタン・ブロット実験を行なっ
た。尚、転写用膜には、ニトロセルロース膜を使用し、
二次抵抗体には、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG
(Vector社製、No.50−0410−06)とペルオキシダーゼ
標識ヤギ抗ヒトIgM(Vector社製、No.50−0410−03)の
1:1混合液を使用した。また、呈色液には、0.05mol Tr
is−HCl(pH7.2)20ml,3,3′−ジアミノベンジジン4塩
酸塩10mg,30%過酸化水素水10μの組成のペルオキシ
ダーゼ用呈色液を使用した。呈色してバンドが認められ
たものの、一次抗体に使用した被検液を、陽性と診断し
たところ、実施例1と同一の診断結果が得られた。
リルアミドゲル電気泳動を行った後、実施例1で用いた
各種被検液の3%牛アルブミン合有リン酸緩衝液(pH7.
2)による10倍希釈液を一次抗体として、エンザイムイ
ムノアッセイによるウェスタン・ブロット実験を行なっ
た。尚、転写用膜には、ニトロセルロース膜を使用し、
二次抵抗体には、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG
(Vector社製、No.50−0410−06)とペルオキシダーゼ
標識ヤギ抗ヒトIgM(Vector社製、No.50−0410−03)の
1:1混合液を使用した。また、呈色液には、0.05mol Tr
is−HCl(pH7.2)20ml,3,3′−ジアミノベンジジン4塩
酸塩10mg,30%過酸化水素水10μの組成のペルオキシ
ダーゼ用呈色液を使用した。呈色してバンドが認められ
たものの、一次抗体に使用した被検液を、陽性と診断し
たところ、実施例1と同一の診断結果が得られた。
実施例5 製造例1に従って得たポリペプチドの代わりに、製造
例3に従って得たポリペプチドを用いる以外は、実施例
4と同様なウェスタン・ブロット法を実施して、各被検
液のHTLV−I感染の診断を行なった。診断結果は、実施
例1と同一のものが得られた。
例3に従って得たポリペプチドを用いる以外は、実施例
4と同様なウェスタン・ブロット法を実施して、各被検
液のHTLV−I感染の診断を行なった。診断結果は、実施
例1と同一のものが得られた。
第1図はカイコ核多角体病ウイルスのDNAの制限酵素地
図、第2図はpBFベクターの制限酵素地図、第3図はHTL
V−I env蛋白の遺伝子およびアミノ酸配列図、第4図は
pBFベクターの種類、第5図はカイコ核多角体病ウイル
スおよび組変えウイルスが感染したカイコ細胞、第6図
はHTLV−I env蛋白遺伝子由来のDNAの調整法、第7図は
組変えベクターの調整法、第8図はカイコ樹立培養細胞
内で発現したポリペプチドをSDSゲル電気泳動で確認し
た写真、第9図および第10図はカイコ樹立培養細胞内で
のHTLV−I env蛋白発現をウェスタン・ブロット法で確
認した写真をそれぞれ示す。 Hd III……Hind III、N……Nco I、Ac……Acc I、Ec…
…EccR I、Sp……Sph I、Sa……Sal I、Hi II……Hinc
II、B……BamH I、X……Xba I、Pv……Pvu II
図、第2図はpBFベクターの制限酵素地図、第3図はHTL
V−I env蛋白の遺伝子およびアミノ酸配列図、第4図は
pBFベクターの種類、第5図はカイコ核多角体病ウイル
スおよび組変えウイルスが感染したカイコ細胞、第6図
はHTLV−I env蛋白遺伝子由来のDNAの調整法、第7図は
組変えベクターの調整法、第8図はカイコ樹立培養細胞
内で発現したポリペプチドをSDSゲル電気泳動で確認し
た写真、第9図および第10図はカイコ樹立培養細胞内で
のHTLV−I env蛋白発現をウェスタン・ブロット法で確
認した写真をそれぞれ示す。 Hd III……Hind III、N……Nco I、Ac……Acc I、Ec…
…EccR I、Sp……Sph I、Sa……Sal I、Hi II……Hinc
II、B……BamH I、X……Xba I、Pv……Pvu II
Claims (1)
- 【請求項1】成人T細胞白血病ウイルス外皮蛋白遺伝子
に由来するDNAのうち、該DNAの5′末端から下流73塩基
対以上493塩基対以下の範囲内で切断した、該切断部位
から前記DNAの3′末端までの断片により、カイコ核多
角体病ウイルスの多角体蛋白構造遺伝子の一部の組換え
を行い、次いで該組換えウイルスをカイコ樹立培養細胞
またはカイコ幼虫に感染させて発現されたポリペプチド
を抗原とする成人T細胞白血病ウイルス感染診断薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1201341A JP2656119B2 (ja) | 1988-10-04 | 1989-08-04 | 成人t細胞白血病ウイルス感染診断薬 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63249005A JP2656088B2 (ja) | 1988-10-04 | 1988-10-04 | ポリペプチドの製造方法並びにその方法に用いる、組換えベクターおよび組換えウイルス |
JP1201341A JP2656119B2 (ja) | 1988-10-04 | 1989-08-04 | 成人t細胞白血病ウイルス感染診断薬 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63249005A Division JP2656088B2 (ja) | 1988-10-04 | 1988-10-04 | ポリペプチドの製造方法並びにその方法に用いる、組換えベクターおよび組換えウイルス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02284060A JPH02284060A (ja) | 1990-11-21 |
JP2656119B2 true JP2656119B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=26512736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1201341A Expired - Fee Related JP2656119B2 (ja) | 1988-10-04 | 1989-08-04 | 成人t細胞白血病ウイルス感染診断薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2656119B2 (ja) |
-
1989
- 1989-08-04 JP JP1201341A patent/JP2656119B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Proc.Natl.Acad.Sci,USA,Vol.80(1983)P.3618−3622 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02284060A (ja) | 1990-11-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |