JP2655883B2

JP2655883B2 - 無菌包装容器及び無菌充填方法

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Publication number: JP2655883B2
Application number: JP63186450A
Authority: JP
Inventors: 耕一畑中; 武雄井手
Original assignee: YUKIJIRUSHI NYUGYO KK
Current assignee: YUKIJIRUSHI NYUGYO KK
Priority date: 1988-07-26
Filing date: 1988-07-26
Publication date: 1997-09-24
Anticipated expiration: 2012-09-24
Also published as: EP0353038A1; DE68903202T2; CA1334525C; EP0353038B1; US4969915A; DE68903202D1; JPH0245332A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、無菌飲食品を充填するための無菌包装容
器、及びこの無菌包装容器に無菌飲食品を充填する方法
に関するものである。

（従来の技術）飲食品を無菌的に充填することは、飲食品の長期保存
及び品質保持の観点から、近年、急速に普及しつつあ
る。

特に、飲料については早くから無菌充填が行われ、３
ケ月程度の常温保存も可能であり、これらの試みが加工
食品全般について研究されている。

従来、成形容器に無菌的に飲食品を充填することを目
的としたものとして、特公昭55−3218号公報に記載され
た手段が知られている。

このものは、成形容器を利用した無菌充填において、
内部を無菌的に成形密封した容器を作り、これを外部殺
菌して容器の頭部を開封して飲食品を充填後密封すると
いう工程を、無菌的に行うものである。

（発明が解決しようとする課題）この技術的手段によれば、容器の開封、飲食品の充填
等の工程を無菌雰囲気で行なえるので、長期保存に適し
た製品を提供できる。

しかしながら、この種の工程を行う無菌充填包装機に
は、使用する容器の形状や寸法の変更に対応しきれない
という問題がある。

つまり、無菌充填包装機において、一般に必要とされ
る容器搬送手段、容器開封手段、充填手段、密封手段等
の各種手段は、包装機に使用されるところの、ある特定
の容器形状に適するように配置されているのが普通であ
り、異種形状の容器に適合させるためには、包装機全体
の大幅な設計変更をきたすことになる。

また、種々の形状等の容器に対応できるような包装機
を構成するには、各種手段の位置を変更させるような機
構が必要となる。

従って、何れにしても、高額な費用がかかり、また装
置的にも大きくなり、小型化、設置スペース等の削減を
図ることができない。

しかも、容器の形状等を変更する度に包装機を停止し
なければならないので、連続作業の妨げとなり、また無
菌状態を維持するのも困難である。

一方、市場における製品のバラエティー化の要求度は
ますます強くなってきており、異種形状の容器に簡単に
対応できる手段が必要である。

（課題を解決するための手段）したがって、本発明は、以上のような無菌充填包装に
おいて、多種多様の形状をもった容器にも適合できる技
術的手段を得ることを目的とするもので、そのための手
段として、本発明は、次のような構成をとっている。

すなわち、本発明の無菌包装容器は、内部が無菌状態
にあり、密封されている容器の頚部に対し、外容器がそ
の頚部にて密封状態で着脱可能に取付けられるととも
に、この外容器は、容器上部と容器下部とが着脱自在に
分離でき、内容器は頭部のみが外気と接触している構成
である。

また、本発明におけるこの無菌包装容器に無菌飲食品
を充填する手段としては、着脱自在に分割可能な頚部を
有する外容器内に、内部が無菌状態にあり、同様な頚部
を有する内容器を、互いの顎部において着脱可能に装着
した二重容器を、外気から封止的に隔離した殺菌室と乾
燥室とを介して、外容器外部の殺菌乾燥を行った後、同
じく外気から封止的に隔離された充填室へ搬送して、前
記二重容器の外容器から突出した内容器の頭部を切断
し、内容器内に無菌飲食品を充填して蓋を取付けた後、
外気中に排出し、この後、外容器を分割し内容器と分離
して無菌包装物を得る無菌充填方法をとっている。

（実施例）以下、図面に示す実施例について説明する。

先ず、第１〜５図をもとに、無菌充填包装機について
説明する。

図示のものは容器供給部（Ａ）、殺菌室である薬剤ミ
スト定着部（Ｂ）、乾燥室である薬剤除去部（Ｃ）、飲
料等の充填を行う充填密封部（Ｄ）とからなっており、
薬剤ミスト定着部（Ｂ）の出入口、薬剤除去部（Ｃ）、
充填密封部（Ｄ）の出口にそれぞれ回転隔壁（１）が設
けられている。

回転隔壁（１）には容器（ａ）が出入しうる４個の各
搬送室（２）を90゜間隔に設けてある。

したがって、各部のセクションを封止するために1/4
回転の間歇回転をすることになる。

又、各回転隔壁（１）間に容器（ａ）の搬送コンベア
としてボックスモーション動作をさせるために、櫛歯型
の搬送アーム（３）とガイドレール（20）とが用いられ
ている。

したがって、容器（ａ）は当然搬送アーム（３）の櫛
歯と、ガイドレール（20）間に挾持されて搬送されるこ
とになる。

搬送アーム（３）は軸承体（４）の軸（５）に対して
ボールベアリング（６）で前後スライド自在に支持され
ている。

軸承体（４）は、又レール（７）に沿って左右動自在
であって、これに更に回転軸（８）が貫通している。軸
承体（４）の左右動は第５図に示すように、その溝
（９）に嵌合するローラー（10）でなされるもので、ロ
ーラー（10）は回転アーム（11）の回転につれてその溝
（９）中を移動することによって回転軸（８）を軸承体
（４）と共に左右動せしめる。

軸承体（４）が左右動すれば、軸受体（４）の軸
（５）に対しボールベアリング（６）で前後にスライド
する〔第３図（ロ）〕搬送アーム（３）も当然左右動す
る。

第３図（イ）に示すように、回転軸（８）は傘歯車
（12）（13）からの正逆回動の駆動により回動するが、
傘歯車（13）と回転軸（８）とは回転軸（８）のスプラ
イン（15）にボールベアリング（14）が係合しているこ
とにより、回転軸（８）は回動し、かつ回転軸（８）の
左右動をスプライン（15）とボールベアリング（14）と
の係合により許容する。

回転軸（８）の回転により、そのピニオン（16）が搬
送アーム（３）のラック（17）に噛合していることによ
り搬送アーム（３）は前後動する。

以上の機構により、搬送アーム（３）は第４図のよう
にボックスモーション運動をするものである。

すなわち、前進で容器に係合して容器を搬送し、一定
搬送後後退し、原位置に復帰する動作を繰り返すのであ
る。

そして搬送室（２）への容器の受け渡しのため、搬送
アーム（３）の一部が搬送室（２）内に進入できるよう
に、搬送室（２）の側面に切溝（18）を設ける（第４図
参照）。

この切溝（18）があることにより、搬送アーム（３）
は切溝（18）中に進入でき、かつこの進入により搬送室
（２）の上方、及び下方を外部と遮断することによりエ
アーの漏れを防ぐことができる。

なお、第２図の（20）は容器背面をガイドするレール
であり、又（21）はフレームの容器摺動面である。

次に、本発明にかかる無菌包装容器について説明す
る。

第６図に示される無菌包装容器（Ｅ）は、頚部を有す
る内容器（ａ）とこの内容器（ａ）に外装した同様の頚
部を有する外容器（ｂ）から成る二重の容器である。

内容器（ａ）は、射出成形等の手段によって、予めそ
の内部が無菌状態に保持され、密封状態となるように形
成されている。

また、この内容器（ａ）の頭部（30）は、切込み（3
1）で簡単に切り取ることができ、これにより内容器
（ａ）の内部の密封状態が解かえる。

外容器（ｂ）は、外容器上部（b₁）と外容器下部
（b₂）とからなり、これらは弾性を利用して嵌合部（3
2）で連結している。

（33）は、外容器下部（b₂）の上縁（34）に当接する
ストッパーである。

また、内容器（ａ）の頚部（35）には、雄ねじ部（3
6）が形成されており、この雄ねじ部（36）と外容器上
部（b₁）に形成された雌ねじ部（37）とが螺合すること
によって、内容器（ａ）が外容器（ｂ）内に宙吊りに保
持されている。

従って、これら雄ねじ部（36）と雌ねじ部（37）との
螺合、及び上述した嵌合部（32）での連結により、外容
器（ｂ）内の密閉状態が保たれる。

次に、以上のように構成された本発明無菌包装容器
（Ｅ）を使用した飲食品の無菌充填方法を、上述した無
菌充填包装機について説明する。

先ず、予め内部が無菌に製造され、密封状態にある内
容器（ａ）に外容器（ｂ）を上記のねじ部をもって取付
け、無菌包装容器（Ｅ）を組み立てる〔第７図
（イ）〕。

次に、この無菌包装容器（Ｅ）を無菌充填包装機の容
器供給部（Ａ）から搬入し、薬剤ミスト定着（Ｂ）及び
薬剤除去部（Ｃ）にて無菌包装容器（Ｅ）の外容器
（ｂ）の外面の殺菌、乾燥を行う〔同図（ロ）〕。

このとき、内容器（ａ）の内部と外容器（ｂ）内に密
封状態に形成された間隙（ｃ）には、殺菌剤は入り込ま
ないが、上述したように内容器（ａ）の内部は予め殺菌
されているので、無菌状態が保持されている。

次に、外容器（ｂ）の外面の殺菌、乾燥が済んだ無菌
包装容器（Ｅ）は、充填密封部（Ｄ）に搬入される。

この充填密封部（Ｄ）においては、先ず、容器（ａ）
の頭部（30）がカットされて内容器（ａ）の密封状態が
解かれ、次いで充填ノズル（38）から内容器（ａ）内に
無菌飲食品が充填され、その後、密封手段（39）によっ
て内容器（ａ）の頭部に予め殺菌されたシール材により
キャップシール（ａ′）がなされ、内容器（ａ）は再び
密封状態となる〔同図（ハ）（ニ）（ホ）〕。

充填密封部（Ｄ）は無菌雰囲気となっているので、こ
れらの工程において内容器（ａ）内に雑菌が入り込むこ
とはない。

なお、キャップシール（ａ′）は単なる閉じ込み式の
蓋を取付けるようにしても良い。

次に、充填密封が済んだ無菌包装容器（Ｅ）は、充填
密封部（Ｄ）から排出される。

そして、外容器（ｂ）は外容器上部（b₁）と外容器下
部（b₂）とを分離し、内容器（ａ）を取り出す〔同図
（ヘ）〕。

以上のようにして、無菌的に飲食品が充填された内容
器（ａ）を得ることができるが、内容器（ａ）の形状
は、外容器（ｂ）の容積の範囲内で自由なものとするこ
とができ、しかも外容器（ｂ）の形状を変えない限り、
搬送手段や、容器の開封充填手段等の設計を変更する必
要がない。

なお、外容器（ｂ）は内容器（ａ）と同じ材質のもの
でも良いが、硬質のもの、例えば金属を使用すると再利
用ができ、かつ脱着する際に壊れる心配がないので分離
し易い。

また、外容器上部（b₁）と外容器下部（b₂）との連結
は、上述したような弾性を利用した手段に限られるもの
ではなく、例えば各連結部分にそれぞれネジ部分を形成
し、螺合させるようにしても良い。

（発明の効果）本発明によれば、内部が無菌な状態にあり、頚部を有
する内容器の形状は同様の頚部を有する外容器の寸法内
において自由に変更できるので、頚部を有する無菌充填
物容器の形状をバラエティーに富んだものとすることが
でき、かつ充填機は外容器に合わせて作られるため、内
容器の形状が変わっても設備を変更する必要がなく、特
別な費用がかからない。

また、内容器は外容器で囲まれているため、充填包装
機内で開封、充填、封止等を行う際に内容器にかかる外
圧を外容器で受けることができるので、内容器の肉厚を
薄くして、コストの低減が図れる。

しかも、外容器は内容器を取り出した後、回収して再
利用が可能であり、一層のコストの低減が図れる。

【図面の簡単な説明】第１図は無菌充填包装機の平面図、第２図は同上側面図、第３図（イ）（ロ）は搬送アームの前後スライド機構
図、第４図は容器搬送機構図、第５図（イ）（ロ）はラックピニオン駆動用軸回転機構
図、第６図は本発明無菌包装容器の一部縦断面図、第７図は本発明無菌充填方法の説明図、第８図は殺菌状態の説明図である。（１）……回転隔壁（２）……搬送室（３）……搬送アーム（30）……頭部（32）……嵌合部（35）……頚部（36）……雄ネジ部（37）……雌ネジ部（Ａ）……容器供給部（Ｂ）……薬剤ミスト定着部（Ｃ）……薬剤除去部（Ｄ）……充填密封部（Ｅ）……無菌包装容器（ａ）……内容器（ｂ）……外容器（b₁）……外容器上部（b₂）……外容器下部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内部が無菌状態に密封されていて頚部を有
する内容器は、その頚部に対し、同様な頚部を有する外
容器がその頚部にて密封状態で着脱可能に取付けられる
とともに、この外容器は、容器上部と容器下部とが着脱
自在に分離でき、内容器は頭部のみが外気と接触してい
る無菌包装容器。
【請求項２】着脱自在に分割可能な頚部を有する外容器
内に、内部が無菌状態にあり、同様な頚部を有する内容
器を、互いの頚部において着脱可能に装着した二重容器
を、外気から封止的に隔離した殺菌室と乾燥室とを介し
て、外容器外部の殺菌乾燥を行った後、同じく外気から
封止的に隔離された充填室へ搬送して、前記二重容器の
外容器から突出した内容器の頭部を切断し、内容器内に
無菌飲食品を充填して蓋を取付けた後、外気中に排出
し、この後、外容器を分割して内容器と分離し無菌包装
物を得る無菌充填方法。