JP2655882B2 - 殺菌セクション及び無菌セクション遮断方法及び装置 - Google Patents

殺菌セクション及び無菌セクション遮断方法及び装置

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JP2655882B2 JP18644888A JP18644888A JP2655882B2 JP 2655882 B2 JP2655882 B2 JP 2655882B2 JP 18644888 A JP18644888 A JP 18644888A JP 18644888 A JP18644888 A JP 18644888A JP 2655882 B2 JP2655882 B2 JP 2655882B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、容器を殺菌し、無菌飲食品等を充填する無
菌充填機において、各セクションと外気とを遮断する方
法及び装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、容器を搬送しながら無菌室において容器を殺菌
し、内容物の充填、容器の密封を行なうものは、特公昭
55−3218号公報や特公昭55−4618号公報などに開示され
た手段がある。
この種のものにあっては、外気が無菌室に入り込むの
を防ぐ必要があり、上記特公昭55−3218号のものは、無
菌室を外気よりもやや高圧にして、外気の侵入を防いで
いる。
しかしながら、無菌室内を常に高圧に保つことは困難
であり、一度圧力が低下すると圧力が上がるまで次の容
器を搬入することができないため、連続的な工程を行え
ないという欠点がある。
上記特公昭55−4618号のものは、無菌室と外気との境
界を液体遮断したものであるが、液体中の容器の搬送は
かなり複雑であり、しかも乾燥手段を別途設ける必要が
ある。
そこで、これらの問題を解決する手段として、本出願
人が先に開示した、特公昭61−203322号の「容器の殺菌
装置におけるセクション遮断装置」なるものがある。
(発明が解決しようとする課題) このものは、各セクションと外気とを閉鎖する回転隔
壁を備えており、この回転隔壁に設けられた容器搬送室
で容器を搬送するものである。
従って、各セクションと外気とは常に隔離されてい
て、各セクションに外気が直接流れ込むことがないとい
う利点をもっている。
しかしこのものにおいても、先ず殺菌を行なうセクシ
ョンと外気とを遮断する回転隔壁において、その容器搬
送室によってセクション内の殺菌雰囲気が外部に運び出
され、操作員の健康を害する問題がある。
そして飲食品の充填等を行なう無菌セクションと外気
とを遮断する回転隔壁において、その容器搬送室によっ
て外気をセクション内に運び入れ、セクション内の無菌
状態を損なう結果となる。
(課題を解決するための手段) したがって本発明の技術的課題は、回転隔壁の回転に
伴う容器搬送室内の雰囲気や殺菌剤の移転を防止するこ
とを目的とするものであって、その技術的課題を解決す
る本発明の技術的手段は、ミスト状の殺菌薬剤を容器に
付着させる殺菌工程と、加熱エアなどを使用して付着し
た殺菌剤を除去する工程とを含む殺菌セクション、及び
内部が殺菌され密封されている容器を開封し、内容物を
充填密封する工程の無菌セクションと外気とを封止的に
閉鎖するブロック内に設けた回転隔壁を有する無菌充填
機において、回転隔壁に形成された容器搬送室が外気と
接触してから回転して無菌セクションと接触するまでの
間に、殺菌剤含有気体もしくは無菌気体で容器搬送室内
を無菌にする無菌セクション遮断方法及び、回転隔壁に
形成された容器搬送室が殺菌セクションに接触してから
回転して外気と接触するまでの間に無菌の気体(加熱エ
アー)を使用し、回転隔壁に付着した薬剤を除去すると
する殺菌セクション遮断方法である。
そして、この方法に利用される殺菌セクション及び無
菌セクションの遮断装置として、2つの開口部を有する
ブロック内に回転隔壁を設け、この回転隔壁に設けられ
た容器搬送室で、前記2つの開口部の一方から他方へ容
器を移動させる無菌充填機において、前記容器搬送室の
殺菌もしくは、無菌を目的とする気体供給口と気体排出
口とを回転隔壁の容器搬送室の天面と底面、又は側面と
底面に設けた構成をとっている。
(実施例) 以下、図面に示す実施例について説明する。
実施例のものは、第1図に示すように、容器供給部
(A)、容器の殺菌を行なうセクションである薬剤ミス
ト定着部(B)及び薬剤除去部(C)、無菌状態で内容
物(飲料物)の充填密封を行なうセクションである充填
密封部(D)とからなっており、薬剤ミスト定着部
(B)の出入口、薬剤除去部(C)、充填密封部(D)
の出入口は、ブロック(b)でそれぞれ遮られている。
このブロック(b)には円筒状の空間部(b1)が形成
されており、この円筒状の空間部(b1)には前後に2つ
の開口部(b2)(b2)が設けられている(第1図(ロ)
参照)。
また、各空間部(b1)にはそれぞれ回転隔壁(1)が
配設されている。
回転隔壁(1)には容器(a)が出入しうる4個の容
器搬送室(2)を90゜間隔に設けてある。
したがって、円筒状空間部(b1)において、回転隔壁
(1)はセクションを封止するために1/4回転の間歇回
転することになる。
又、各回転隔壁間(1)に容器(a)の搬送コンベア
としてボックスモーション動作をする櫛歯型の搬送アー
ム(3)、及びガイドレール(20)を用いている。(第
2図参照) したがって、容器(a)は当然櫛歯型の搬送アーム
(3)と、ガイドレール(20)間に挟持されて搬送され
ることになる。
第3図(ロ)に示すように、搬送アーム(3)は軸承
体(4)の軸(5)に対してボールベアリング(6)で
前後にスライド自在に支持されている。
第5図(イ)に示すように、軸承体(4)は、又レー
ル(7)に沿って左右動自在であって、これには更に回
転軸(8)が貫通している。軸承体(4)の左右動は第
5図(イ)、(ロ)に示すように、その溝(9)に嵌合
するローラー(10)でなされるもので、ローラー(10)
は回転アーム(11)の回転につれてその溝(9)中を移
動することによって回転軸(8)を軸承体(4)と共に
左右動せしめる。軸承体(4)が左右動すれば当然搬送
アーム(3)も左右方向〔第3図(ロ)で紙面に直角方
向〕に摺動する。
第3図(イ)に示すように、回転軸(8)は傘歯車
(12)(13)からの駆動により回動するが、傘歯車(1
3)と回転軸(8)とは回転軸(8)のスプライン(1
5)にボールベアリング(14)が係合しておることによ
り回転軸(8)は回動し、かつ回転軸(8)の左右動を
スプラインとボールベアリングとの係合により許容す
る。
回転軸(8)の回転により、そのピニオン(16)が搬
送アーム(3)のラック(17)に噛合していることによ
り搬送アーム(3)は第3図(イ)において紙面に直角
方向に前後動する。
以上の機構により、搬送アーム(3)は第4図のよう
にボックスモーション運動をするものである。
すなわち、前進で容器に係合して容器を搬送し、一定
搬送後後退し、原位置に復帰する動作を繰り返すのであ
る。
そして容器搬送室(2)への容器の受け渡しのため、
搬送アーム(3)の一部が容器搬送室(2)内に進入で
きるように容器搬送室(2)の側面に切溝(18)を設け
る。(第4図参照) この切溝(18)があることにより、搬送アーム(3)
は切溝(18)中に進入でき、かつ容器搬送室(2)の上
方、及び下方を外部と遮断することによりエアーの漏れ
を防ぐことができる。なお、第2図の(20)は容器背面
をガイドするレールであり、又(21)はフレームの容器
摺動面である。
本発明は以上のような無菌充填機において、回転隔壁
(1)の回転により容器搬送室(2)が移動する間に、
この容器搬送室(2)に付着した薬剤を無菌気体で除去
するように構成したもの、あるいはこの容器搬送室
(2)を殺菌剤含有空気もしくは無菌気体で無菌にする
ように構成したものである。
すなわち、第6図は円筒状空間部(b1)の上面に気体
供給口(30)を設け、下面に気体排出口(31)を設けた
ものである。
容器搬送室(2)の床面には多数の透孔(32)が穿設
してあり、搬送室(2)内に供給された無菌ガスが上下
に流通できるようになっている。
また、気体供給口(30)及び気体排出口(31)のまわ
りには円周方向に長く延びるチャンバー(33)(34)が
それぞれ形成してある。
上述したように回転隔壁(1)は各セクションを封止
したまま1/4回転ずつ間歇回転するので、90゜間隔で設
けられた容器搬送室(2)に気体供給口(30)から噴出
された無菌ガスが順次流れることになる。
無菌ガスとしては、例えばH2O2を含有した殺菌剤含有
気体や、100℃前後の熱風が使用できる。実施例のもの
は、チャンバー(33)(34)を形成し、回転隔壁(1)
の回転中においても容器搬送室(2)に無菌気体が流れ
るようにしたものであり、通気時間をできるだけ長くと
れるという利点がある。
従って、回転隔壁(1)が回転して容器搬送室(2)
が一方の開口部(b2)からもう一方の開口部(b2)に移
動する間に、気体供給口(30)と気体排出口(31)の中
を通ることにより、容器搬送室(2)内の上下に無菌ガ
スが流通し、搬送室(21)内が無菌もしくは乾燥した状
態になる。
そして、容器搬送室(2)が無菌状態になることによ
り、次に接触するセクションの無菌状態に悪い影響を及
ぼすことがない。
また、容器搬送室(2)が乾燥した状態となることに
より、次に接触するセクションや外気に殺菌剤を漏らす
ことがない。
第7、8、9図は本発明の他の実施例を示しており、
第7図は容器搬送室(2)が容器(a)を受ける側の開
口部(b2′)から容器(a)を搬出する側の開口部
(b2″)に移動するまでの間、及び容器搬送室(2)が
搬出する側の開口部(b2″)から受ける側の開口部
(b2′)に移動するまでの間の両方において、容器搬送
室(2)に気体が流れるようにしたものである。
第8図は気体供給口(30)を側方に設けたものであ
る。
第9図は円筒状空間部(b1)の上面全体から気体を噴
出し、下面全体から排出できるようにしたものである。
また、このような種々の遮断手段は回転隔壁(1)が
配設されるそれぞれの箇所に応じて選択することができ
る。
例えば、外気と殺菌セクションを閉鎖する回転隔壁に
おいては、殺菌ミストが外気に混入しうる側のみに設け
てもよく、その逆に外気が混入しうる側のみに遮断手段
を設けてもよく、これらの両方の側に設けてもよいこと
はもちろんである。
また、外気と無菌セクションとを閉鎖する回転隔壁に
おいては、外気が無菌セクションに混入する側のみに遮
断手段を設けてもよく、両方の側に設けてもよい。
なお、気体供給口(30)は必ずしも上にする必要はな
く、又気体排出口(31)も必ずしも下にする必要はな
く、両者を上下逆にすることもできる。
但し、殺菌ミストを遮断するものにおいては、気体排
出口(31)のまわりに殺菌剤が液滴となって付着するこ
とがあるので、気体供給口(30)を上にし、気体排出口
(31)を下にしたほうが良い。
また、気体排出口(31)からは吸引するようにしても
よいし、しなくても良い。
(発明の効果) 以上いずれにしても本発明によれば、各セクション間
や、これらセクションと外気との間を移動する容器搬送
室が無菌乾燥状態となるので、外気が無菌セクション等
に混入することがなく、また殺菌剤が殺菌セクションよ
り外気に漏れたり、回転壁に付着した薬剤が凝集して容
器に付着することもなくなる。
従って極めて衛生的で、製品の変質等を起こすことも
ない。
また、殺菌剤によって操作員の健康を害することがな
く安全である。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)は無菌充填機の平面図、同(ロ)は回転隔
壁の説明図、 第2図は無菌充填機の側面図、 第3図(イ)(ロ)は搬送アームの前後スライド機構
図、 第4図は容器搬送機構の斜視図、 第5図(イ)(ロ)はラックピニオン駆動用軸回転機構
図、 第6図(イ)(ロ)は本発明遮断装置の斜視図と平面
図、 第7、8、9図(イ)(ロ)はそれぞれ本発明遮断装置
の実施例にかかる平面図と断面図である。 (1)……回転隔壁 (2)……容器搬送室 (3)……搬送アーム (30)……気体供給口 (31)……気体排出口 (A)……容器供給部 (B)……薬剤ミスト定着部 (C)……薬剤除去部 (D)……充填密封部 (a)……容器 (b1)……円筒状空間部 (b2)……開口部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミスト状の殺菌薬剤を容器に付着させる殺
    菌工程と、加熱エアなどを使用して付着した殺菌剤を除
    去する工程とを含む殺菌セクション、及び内部が殺菌さ
    れ密封されている容器を開封し、内容物を充填密封する
    工程の無菌セクションと外気とを封止的に閉鎖するブロ
    ック内に設けた回転隔壁を有する無菌充填機において、
    容器搬送室が形成されている回転隔壁の回転により、容
    器搬送室が、殺菌セクションと外気との間、あるいは外
    気と無菌セクションとの間を通過する間に、殺菌セクシ
    ョン側にあっては、無菌の気体を使用して容器搬送室に
    付着した薬剤を除去し、また無菌セクション側にあって
    は、殺菌剤含有気体もしくは無菌気体で容器搬送室内を
    殺菌、または無菌にすることを特徴とする、殺菌セクシ
    ョン及び無菌セクション遮断方法。
  2. 【請求項2】2つの開口部を有するブロック内に回転隔
    壁を設け、この回転隔壁に設けられた容器搬送室で、前
    記2つの開口部の一方から他方へ容器を移動させる無菌
    充填機において、前記容器搬送室の殺菌もしくは無菌を
    目的とする気体供給口と気体排出口とを回転隔壁の容器
    搬送室の天面と底面、又は側面と底面に設けたことを特
    徴とする殺菌セクション及び無菌セクション遮断装置。
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