JP2654652B2 - 反応室構成部材の残留ハロゲン元素除去方法 - Google Patents

反応室構成部材の残留ハロゲン元素除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成膜用又はエッチング用の反応室内部に残留
したハロゲン元素を除去して成膜特性の信頼性を高め且
つ反応室構成部材の腐食を防いで反応室の長期寿命化を
達成することができた反応室構成部材の残留ハロゲン元
素除去方法に関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
アモルファスシリコン膜をグロー放電分解法により形
成した場合には、その成膜用原料であるシランガスの分
解に伴って放電用電極板やその他の反応室内部が粉体等
により汚染される。このような粉体は、同じグロー放電
分解装置を用いて次のアモルファスシリコン(以下、a
−Siと略す)膜を形成しようとすると成膜中に取り込ま
れて成膜欠陥を引き起こし、その欠陥部で特性劣化が生
じる。
かかる問題を解決するために、a−Si膜を形成したグ
ロー放電分解装置の反応室内部へ、例えばCF4ガス、CIF
3ガス、SF6ガス及びNF3ガスなどのフッ素系エッチング
ガスを導入してグロー放電を発生させ、これに伴うエッ
チングにより上記粉体をガス化して除去している。
しかしながら、このようなフッ素系エッチングガスな
どを用いた場合には上記のようなガスエッチング洗浄を
行うことができるが、その反面、そのフッ素が反応室内
部に残留し、これにより、そのガスと反応室の構成金属
との間で化学反応が生じ、反応室を腐食させる原因とな
っている。
また、上記フッ素系残留ガスは次回の成膜形成に当た
って混入され、そのため、膜の特性が劣化したり、或い
は安定した特性が得られないという問題が生じた。
〔発明の目的〕
従って本発明は、叙上に鑑みて案出されたものであ
り、その目的は反応室構成部材の腐食を防いでそれ自体
の長期信頼姓を達成した反応室構成部材の残留ハロゲン
元素除去方法を提供することにある。
本発明の他の目的は残留ハロゲン元素を除去して高品
質又は高信頼性の成膜形成が可能となった反応室構成部
材の残留ハロゲン元素除去方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、金属部材及びセラミック体から構成
されるグロー放電分解装置の反応室内でグロー放電分解
法によりアモルファスシリコン膜を成膜した後、該反応
室内にハロゲン元素を含むエッチング用ガスを導入して
グロー放電により、反応室内に存在する汚染物質をガス
化して排出せしめ、しかる後グロー放電分解装置を分解
して、前記金属部材を200℃以上に、セラミック体を500
℃以上に各々加熱処理し、残留ハロゲン元素を除去する
ことを特徴とする反応室構成部材の残留ハロゲン元素除
去方法が提供される。
以下、本発明をa−Si感光体ドラムを製作できるグロ
ー放電分解装置を例にとって詳細に説明する。
グロー放電分解装置はアルミニウム(Al)、ステンレ
ス(SUS)などの金属部材により形成された電極板、反
応室壁材、基板支持部材、そして絶縁性が要求される部
分はセラミック体によって構成される。
本発明において、このような反応室構成部材のうち金
属部材を200℃以上に加熱した場合、それに付着された
残留ハロゲン元素が除去されることが特徴である。
また、耐熱性に優れたセラミック体の場合には、500
℃以上、好適には1000℃以上に加熱する。
また、一般的にこの加熱温度が高いほどハロゲン元素
除去効果が高められ、しかも、その加熱時間をより一層
短縮することができる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(グロー放電分解装置) 第1図はグロー放電分解装置であり、図中、1は円筒
形状のステンレス製反応室であり、上面及び下面並びに
周壁ともに同一部材により形成されている。2は感光体
ドラム装着用の円筒形状のアルミニウム製基板支持体、
3は基板加熱用ヒータ、4はa−Siの成膜に用いられる
円筒形状のアルミニウム製グロー放電用電極板であり、
この電極板4にはガス噴出口5が形成されており、そし
て、6は反応室内部へガスを導入するためのガス導入
口、7はグロー放電に晒されたガスの残余ガスを排気す
るためのガス排出口である。8は反応室1の上面及び下
面のそれぞれをグロー放電用電極板4と電気的に絶縁す
るためのセラミックリングであり、9は基板支持体2と
グロー放電用電極板4の間でグロー放電を発生させる高
周波電源、10は排気用ポンプである。
このグロー放電分解装置を用いてa−Si感光体を製作
する場合には、a−Si成膜用のドラム状基板11を基板支
持体2に装着し、a−Si生成用ガスをガス導入口6より
反応室内部へ導入し、このガスをガス噴出口5を介して
基板面へ噴出し、更にヒータ3によって基板を所要の温
度に設定すると共に基板支持体2と電極板4の間でグロ
ー放電を発生させ、これにより、基板11の周面にa−Si
が成膜した電子写真感光体ができる。
(ガスエッチング) このようにしてa−Si感光体を製作した場合、電極板
4や反応室内面には汚染物質が付着している。そこで、
基板11と概ね同形状の導電性ダミー基板を基板支持体2
に装着し、次いで、SF6、NF3、CF4、CIF3などのフッ素
系エッチングガスをガス導入口6より反応室内部へ導入
し、ガス噴出口5を介してダミー基板へ向けて噴出し、
更に基板支持体2と電極板4の間でグロー放電を発生さ
せこれにより、エッチングガスが分解し、この分解に伴
って前記汚染物質がガス化される。
このようにしてガスエッチングした場合の反応室内部
のフッ素量をガス検知管を用いて測定したところ、約10
0ppm以上であった。
(残留フッ素の除去) 次に上記グロー放電分解装置を分解し、グロー放電用
電極板を電気炉の内部に設置し、150℃又は250℃の一定
温度により加熱し、フッ素除去の効果を測定したとこ
ろ、第2図に示す通りの結果が得られた。
同図中、○印及び●印はそれぞれ150℃及び250℃の温
度に設定した場合のフッ素量を表わすプロットであり、
a、bはそれぞれの特性曲線である。尚、フッ素量は被
検知体を一定容量の水のなかへ浸漬し、その水に含まれ
るフッ素量を測定することにより表わされる相対値であ
る。
第2図より明らかな通り、加熱に伴ってフッ素が著し
く除去されることが判り、しかも、その加熱温度が高い
ほど、その除去効果に優れることも明らかである。
本発明者は上記電極板以外に反応室1の上面、下面及
び周壁並びに基板支持体2についても同様の実験を行
い、そして、残留フッ素の除去効果を確認した。
また、本発明者はセラミックリング8を1100℃の温度
に設定された電気炉に設置し、加熱したところ、約2時
間でほとんどのフッ素を除去することができたことも確
認した。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の反応室構成部材の残留ハロゲン
元素除去方法によれば、金属部材を200℃以上、セラミ
ック体を500℃以上の温度で加熱処理することによって
容易にハロゲン元素が除去され、これにより、構成部材
が腐食されなくなり、その結果、長期に亘って高品質且
つ高信頼性の成膜形成又はエッチングが可能となった。
また、本発明によれば、成膜形成に当たって残留ハロ
ゲン元素が混入しなくなり、その結果、膜特性の信頼性
を著しく高めることができるという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はグロー放電分解装置の概略図、そして第2図は
フッ素量の減少経過を示す線図である。 1……反応室、2……基板支持体 4……グロー放電用電極板 8……セラミックリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属部材及びセラミック体から構成される
    グロー放電分解装置の反応室内でグロー放電分解法によ
    りアモルファスシリコン膜を成膜した後、該反応室内に
    ハロゲン元素を含むエッチング用ガスを導入してグロー
    放電により、反応室内に存在する汚染物質をガス化して
    排出せしめ、しかる後グロー放電分解装置を分解して、
    前記金属部材を200℃以上に、セラミック体を500℃以上
    に各々加熱処理し、残留ハロゲン元素を除去することを
    特徴とする反応室構成部材の残留ハロゲン元素除去方
    法。
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