JP2654509B2 - 海浜安定化装置 - Google Patents

海浜安定化装置

Info

Publication number
JP2654509B2
JP2654509B2 JP6018826A JP1882694A JP2654509B2 JP 2654509 B2 JP2654509 B2 JP 2654509B2 JP 6018826 A JP6018826 A JP 6018826A JP 1882694 A JP1882694 A JP 1882694A JP 2654509 B2 JP2654509 B2 JP 2654509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beach
drain
drain structure
water
flat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6018826A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07207639A (ja
Inventor
壮介 常陸
昭博 津川
一正 加藤
慎一 柳嶋
則男 田中
勉 浅川
雄二 野口
武 目黒
直人 岩佐
堀  謙吾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUTETSU KENZAI KOGYO KK
TETORA KK
UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKYOKUCHO
UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSHOCHO
Original Assignee
NITSUTETSU KENZAI KOGYO KK
TETORA KK
UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKYOKUCHO
UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSHOCHO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUTETSU KENZAI KOGYO KK, TETORA KK, UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKYOKUCHO, UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSHOCHO filed Critical NITSUTETSU KENZAI KOGYO KK
Priority to JP6018826A priority Critical patent/JP2654509B2/ja
Publication of JPH07207639A publication Critical patent/JPH07207639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2654509B2 publication Critical patent/JP2654509B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、海浜の安定化装置に
関するものであり、一層詳細には、海浜を遡上する波を
効率良く排水して地下水位を下げることにより海浜を安
定化する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】従来より、
海浜の安定化を図るに際しては、例えば、砂、シルト等
の塑弾性材料を工業テキスタイルなどの外被体で包むこ
とによりマットを形成し、このマットを水際近くの海底
に沈設する方法(特開平3−156009号公報)、あ
るいは、高分子材料などを素材とする籠体の内部に石材
を充填することにより柔構造体を形成し、この柔構造体
を海浜表面に井桁状に配設する方法(特開平1−260
112号公報)などが提案されている。
【0003】これらの方法は海浜(砂地)表面を被覆し
て砂の流失を阻止することにより侵食を防止するように
したものであるが、各種の被覆材は砂浜の景観や海水浴
など砂浜の利用上障害となっている。
【0004】一方、遡上する波などによって海浜砂地中
の地下水位が上昇してくると砂地への波の浸透量が減少
し、砂地表面をそのまま流下してしまう波の水量が多く
なり、この波とともに流失する砂のため砂地が次第に削
られて安定化を達成できなくなることも指摘されてい
た。
【0005】そこで、海水域と陸地(海浜)との境界に
沿って海面の平均レベルよりも下の位置に排水管(排水
路)を埋設配置し、遡上する波を砂地に浸透させて排水
管に導くことにより海浜砂地中の地下水位を下げるよう
にした装置(特公平3−78447号公報)も提案され
ているが、この装置では排水管に導かれた水をポンプ装
置など別の排水システムを使用して除去する必要があ
り、従って、維持管理の費用が嵩むだけでなく、万一、
埋設した排水管が露出した場合この排水管系には耐波性
がないため波によって破損する惧れがあるなどの問題が
あった。
【0006】このような事情から、本出願人の一人は、
海浜の水際付近における砂浜中にこの海浜から海水域に
至る排水層を形成し、遡上して砂地に浸透した海水をこ
の排水層を介して海水域に自然排水するようにした安定
化方法を開発し、平成4年11月10日付けで特許出願
を行った(特願平4−323746号)。
【0007】しかるにこの安定化方法を具体化する場
合、砕石やプラスチックなどの多孔質材料を使用した排
水層は、排水機能の低下の原因となる砂の目詰まりを防
止したり、上部の砂が流失した場合の砕石排水層の安定
性確保などに配慮が必要となり、さらには、海水域にま
で延在させた排水層の目詰まり防止や施工の困難性、経
済性などの課題を解決する必要がある。
【0008】
【課題の解決手段】そこで、この発明では透水機能を有
するドレン構造体を用意し、このドレン構造体を海浜に
おける波の遡上位置以上の適宜の位置と所要の水深位置
との間に傾斜させるとともに面として埋設配置し、遡上
した波および海浜砂地中の水位上昇した地下水を前記ド
レン構造体を介して海中域に除去するように構成するこ
とにより海浜の保護を含む安定化を簡便にかつ確実に行
えるようにしたものである。
【0009】この場合、ドレン構造体は、所定間隔で配
置した透水パイプの各離間部および上部に多数の石材を
重畳することにより構成すれば、構造の簡略化を図るこ
とができ、また、枠体で形成した平形本体の外側面に透
水性を備えしかも砂の侵入を阻止するフィルター部材を
張設するとともにこの平形本体内部に水平方向に延在す
るドレンスペースを形成した平形ドレンユニットを隣接
配置して面として構成するようにすれば、設置作業の容
易化を図ることができる。
【0010】また、この平形ドレンユニット内部に形成
したドレンスペースに多数の石材やコンクリートブロッ
クを収容して自重を増加させればドレンユニット自体の
耐波性の向上を図ることができるだけでなく通過する海
水の礫間浄化も行うことができる。
【0011】さらにまた、平形ドレンユニットの底部に
アンカー手段を配設してその安定化を図るだけでなく、
端縁部に接続手段を配設してドレン構造体の一体化を図
るように構成するのが好ましい。
【0012】そして、このように構成したドレン構造体
は、一もしくはそれ以上の帯状に配置して海浜の傾斜方
向あるいはこの傾斜方向と交差する方向に沿って適宜の
間隔で配置したり、あるいは海浜の所要全面に配置する
ことにより面として構成するのが好適である。
【0013】また、遡上した波および海浜砂地中におい
て水位が上昇した地下水を、ドレン構造体に接続した排
水管によって汀線より沖側の海水面平均水位低下位置ま
での適切な位置に案内し、地下水面と海水面との水位差
によって海中域に除去するようにすれば確実な排水を行
うことができ、さらにこの排水管の開口部に逆止弁を配
設しておけば排水をより効率よく行うことができる。
【0014】
【作用】この発明に係る海浜安定化装置によれば、海浜
を遡上した波および海浜砂地中において水位上昇した地
下水は、透水機能を有するドレン構造体により面として
形成された排水手段を介して海中域に円滑に流下排水さ
れる。
【0015】また、波とともに運ばれてきた砂は、波だ
けが砂地に浸透して除去されるためその砂地上面にその
まま堆積していき、大きな波浪などによりドレン構造体
が露呈した場合でもこのドレン構造体自体が充分な耐波
性を有しているので砂浜の被覆機能は維持される。
【0016】さらにドレン構造体を平形ドレンユニット
により構成した場合、静穏時に遡上してきた砂は各平形
本体に張設されたフィルター部材上にそのまま堆積する
ため海浜の原状回復とともに拡大化を図ることができ
る。
【0017】
【実施例】次に、本発明に係る海浜安定化装置の好適な
実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
【0018】図1において、本発明に係る海浜安定化装
置10は、透水機能を有するドレン構造体12を海浜1
4における波の遡上位置以上の適宜の位置(A)と所要
の水深位置(B)との間に所定の勾配で傾斜させるとと
もに面として埋設配置することにより、遡上した波およ
び海浜砂地中の水位上昇した地下水を前記ドレン構造体
12を介して海中域に流下除去する構成となっている。
【0019】ドレン構造体12は、本実施例において
は、図2からも明らかなように、例えば、ジオテキスタ
イルあるいは不織布などを素材とした所定径の透水性パ
イプ16を所定間隔でかつ長手方向に接続して傾斜配置
するとともにこれらの透水性パイプ16の各離間部およ
び上部に、例えば、径が10cm〜40cm程度の石材18
を多数重畳することにより構成されている。なお、この
場合、石材18は透水性パイプ16近傍では径の小さな
ものを使用し、表層部分に径の大きなものを使用すれば
波に対する保護機能を好適に保持することができる。
【0020】また、これらの石材18表面は所定の厚さ
に設定した砂20によって被覆し、一方、透水性パイプ
16の先端部16aは所要の水深位置において海中域に
露呈させる。なお、この場合、透水性パイプ16の先端
開口部は漂砂による閉塞を防止する適宜の手段を施して
おくのが好適である。
【0021】ところで、このように構成したドレン構造
体12を面として形成するに際しては、基本的には海浜
14の所要全面(図3a参照)に配置するが、海浜14
における透水率や波浪の大きさなどの条件に応じて、ド
レン構造体12を、例えば、傾斜方向に沿って適宜の間
隔で帯状に配設したり(図3b参照)、傾斜方向と交差
する方向に沿って適宜の間隔で帯状に配設するとともに
これらの帯状ドレン構造体12を別のドレン構造体12
aによって連通したり(図3c参照)するなどの構成を
採用することができることは言うまでもない。
【0022】また、海浜14に波が遡上すると、海水は
ドレン構造体12上の砂20を浸透してドレン構造体1
2に達し、石材18の間隙を介して透水性パイプ16に
案内され、さらに海中域に流下除去される。また、波と
ともに運ばれてきた砂は、海浜14(砂20)上にその
まま堆積していくことになるので海浜の拡大と安定化を
図ることができる。
【0023】一方、大きな波浪などによってドレン構造
体12上の砂20が流失し、石材18が露呈して波力を
直接受けても、石材18自体が保護層として機能し、し
かも透水性も備えているので、ドレン構造体12によっ
て被覆された砂地は好適に保護され、また遡上した波も
前記と同様に透水性パイプ16を介して海中域に迅速に
流下除去されることになる。従って、波とともに流失す
る砂も極めて少なく、ドレン構造体12近傍の侵食も可
及的に阻止されるので海浜の安定化を図ることできるも
のである。
【0024】また、雨水などによって海浜砂地14中に
おける地下水の水位が上昇しても、これらの地下水は前
述と同様に面として形成されたドレン構造体12を介し
て海中域に流下除去されるので地下水位の迅速な低下に
よる海浜の安定化を図ることでき、さらには雨水自体に
よる砂の流失も可及的に阻止することができる。
【0025】一方、図4a〜図4dは、ドレン構造体1
2における透水性パイプ16に排水管22を接続すると
ともにこの排水管22の端部を汀線より沖側の海水面平
均水位低下位置までの適切な位置に露呈させ、海浜に遡
上した波および海浜砂地中において水位が上昇した地下
水を、地下水面と海水面との水位差を利用してドレン構
造体12および排水管22を介して海中域に除去するよ
う構成した実施例であるが、この場合は、排水を迅速に
かつ確実に行うことができるだけでなく、安定化装置の
設置コストの低減を図ることができる。なお、図4にお
いては特に図示していないが、排水管22の端部開口部
に逆止弁を配設しておけば排水効率の向上を図ることが
でき好適である。また、特に図示はしないが、ドレン構
造体12における透水性パイプ16あるいは半割りの非
透水パイプを石材18の下側縁下部に沿って配置し、こ
のパイプに接続した排水管22の端部を汀線より沖側の
海水面平均水位低下位置までの適切な位置に露呈させる
構成を採用しても良いことは言うまでもない。
【0026】図5は、本発明に係る海浜安定化装置10
の別の実施例である。この海浜安定化装置10では、ド
レン構造体30を、図6に示すように、鋼材などを素材
とする上部枠材32と下部枠材34とを少なくとも4本
の柱部材36を介して連結して形成した平形本体38の
外側面のうち長手方向両端部を除く側面に、例えば、防
錆処理を施したエキスパンドメタル40を配置するとと
もにこのエキスパンドメタル40上に透水性を有しかつ
砂の侵入を阻止できるようなメッシュ(網度)に設定し
た、例えば、帆布のようなフィルター部材42を張設
し、さらに平形本体38の長手方向にドレンスペース4
4を延在させることにより構成する。
【0027】なお、このドレン構造体30のドレンスペ
ース44には、図7に示すように、必要に応じて多数の
石材46を収容しておけば、ドレン構造体30の自重が
増大するので耐波性を向上させることができるだけでな
く、海浜砂地中に埋設した際に砂と砕石46による相乗
作用で浸透した海水の礫間浄化も達成することができ
る。
【0028】そして、図5では、ドレンスペース44に
石材46を収容したドレン構造体30を、図1の場合と
同様に、海浜における波の遡上位置以上の適宜の位置
(A)と所要の水深位置(B)との間に所定の傾斜勾配
になるように順次隣接配置して夫々のドレンスペース4
4を連通することにより海浜安定化装置10として構成
する。
【0029】なお、図5の実施例においては、ユニット
として形成されるドレン構造体30の四隅底部の垂直方
向にアンカー手段48を設けるとともにドレン構造体3
0の長手方向端縁部にフックなどの接続手段50を配置
して、このドレン構造体30の安定化と設置の容易化さ
らには面として構成した時の一体化などを図るようにし
たが、これらの手段は設置する海浜の条件、規模などに
応じて適宜省略しても良いことは言うまでもない。
【0030】また、前記海浜安定化装置10は、前述の
場合と同様に、ドレン構造体30を、海浜14における
透水率や波浪の大きさなどの条件に応じてその傾斜方向
に沿って適宜の間隔で帯状に配設したり(図8a参
照)、傾斜方向と交差する方向に沿って適宜の間隔で帯
状に配設するとともにこれらの帯状ドレン構造体30を
別のドレン構造体30aによって連通したり(図8b参
照)、さらには海浜14の所要全面(図8c参照)に配
置する等、種々の構成を採用できるが、いずれの場合で
も複数のドレン構造体30が傾斜方向と交差する方向に
おいて隣接する時は、内方に位置する平形本体38には
上下面のみにフィルター部材42を張設し、最外方に位
置する平形本体38には上下面と一方の側面にフィルタ
ー部材42を張設する。
【0031】なお、前記のようなドレン構造体30によ
って形成した海浜安定化装置10では、その先端部に位
置するドレン構造体30aを除く各ドレン構造体30の
上面に砂20をかけて埋設するとともにこのドレン構造
体30の両端部に根固め工52a、52bを設置するこ
とにより、それ自体の安定化を図るように構成するのが
好ましい。
【0032】また、海浜14に波が遡上すると、海水は
砂20を浸透してドレン構造体30に達し、フィルター
部材42を透過して相互に連通するドレンスペース44
の石材46の間隙を介して海中域に流下除去される。ま
た、波とともに運ばれてきた砂は、海浜14(砂20)
上にそのまま堆積するので海浜の拡大化とともに安定化
を図ることができる。
【0033】一方、大きな波浪などによって砂20が流
失してドレン構造体30が露呈し、その結果、波力を直
接受けてもこれらのドレン構造体30自体が透水性を備
えているので、ドレン構造体30で被覆された砂地は好
適に保護され、また遡上した波も前記と同様にドレンス
ペース44を介して海中域に迅速に流下除去されること
になる。従って、波とともに流失する砂も極めて少な
く、ドレン構造体30近傍の侵食も可及的に阻止され海
浜の安定化を図ることできるものである。なお、この
際、波とともに運ばれてきた砂は、各ドレン構造体30
に張設されたフィルター部材42上面に次第に堆積して
いくので海浜の原状を回復することができる。
【0034】また、雨水などによって海浜14中におけ
る地下水の水位が上昇しても、これらの地下水は前述と
同様に面として配設したドレン構造体30における各ド
レンスペース44を介して海中域に流下除去されるので
地下水位の迅速な低下による海浜の安定化を図ることが
できるものである。
【0035】さらにまた、図9は、ドレン構造体30に
より形成された排水手段の先端部に、各ドレン構造体3
0のドレンスペース44を流下してきた水を集めて排水
する非透水型の排水管54を接続し、さらに海水面平均
水位低下位置に臨ませたこの排水管54の端部開口部5
4aに、例えば、逆止弁などの逆止手段56を配設した
構成を採用した安定化装置の実施例である。
【0036】そして、この場合は、遡上した波および海
浜砂地中において水位の上昇した地下水は、ドレン構造
体30および排水管54を介して海水面平均水位低下位
置である端部開口部54aまでそのまま案内され、地下
水面と海水面との水位差によって確実に海中域に排水さ
れるだけでなく、逆止弁手段56による海水の逆流防止
作用で排水の効率化を図ることができるものである。
【0037】さらに図10は、防錆処理を施して所定距
離離間させ一対の角型鋼管58、58とこれらの角型鋼
管58の上下面に配設され枠体機能を備えるエキスパン
ドメタル40およびフィルター部材42とによって平形
本体38にドレンスペース44を形成した別のドレン構
造体60を示し、また、図11は前記角型鋼管58を四
隅に配置したコンクリートブロック62で代替するとと
もにエキスパンドメタル40を側部まで折り曲げて配設
することにより構成したさらに別のドレン構造体64で
あるが、これらの実施例の場合も前述と同様の効果を奏
するだけでなく構造の簡略化による製造コストの低減を
図ることができるものである。なお、角型鋼管あるいは
コンクリートブロックによって構成したドレンスペース
形成手段を、例えば、合成樹脂材などで代替しても良い
ことはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】先に述べたように本発明に係る海浜安定
化装置によれば、海浜に遡上する波だけでなく海浜砂地
中において水位の上昇した地下水を透水機能を備えるド
レン構造体を面として形成した排水手段を介して海中域
に迅速に流下除去できるので、砂の流失による海浜の侵
食を好適に防止して安定化を図ることができる。また波
によってドレン構造体が露呈した場合でも、運ばれてき
た砂をそのまま堆積させることができるので海浜の保護
を図ることができる。さらに、ドレン構造体に非透水性
の排水管を接続した場合は、海中域への排水を効率的に
しかも確実に行うことができだけでなく設置コストの低
減化も図ることができる。
【0039】さらにまた、従来のような排水システムも
不要となるだけでなく施工の容易化によるコストの低減
とともにこの海浜安定化装置で使用するドレン構造体は
いずれも構造が簡単なので安価に製造することができ、
砂による目詰まりも生じることがないので維持管理も簡
便に行うことができる等種々の利点を有するものであ
る。
【0040】以上、本発明に係る海浜の安定化装置の好
適な実施例を例示して説明したが、本発明はこの実施例
に限定されるものではなく、例えば、ドレン構造体を平
形で透水性を備える籠体などによって構成したり、遡上
した波および海浜砂地中の水位上昇した地下水をドレン
構造体によって背後域に配設した排水溝等を介して除去
するようにしたり、さらには、図6、図7、図10、図
11に示すようなドレン構造体によって安定化装置を形
成する際に波に対する防護手段としてエキスパンドメタ
ルやフイルター部材の上に石材を重畳して構成する等、
本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の変更を
なし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海浜安定化装置の好適な実施例と
海浜の関係を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示す海浜安定化装置のドレン構造体と海
浜の関係を示す横断面説明図である。
【図3】図1に示す海浜安定化装置におけるドレン構造
体の設置状態平面説明図であって、aは全面に設置した
状態の説明図、b,cは帯状に設置した状態の説明図で
ある。
【図4】図1に示す海浜安定化装置のドレン構造体に排
水管を接続して排水手段を構成した設置状態平面説明図
であって、a,b,cはドレン構造体を全面に設置した
場合の説明図、d,eはドレン構造体を帯状に設置した
場合の説明図である。
【図5】本発明に係る海浜安定化装置の別の実施例と海
浜の関係を示す縦断面説明図である。
【図6】図5に示す海浜安定化装置におけるドレン構造
体の一部切欠斜視図である。
【図7】図5に示す海浜安定化装置に使用するドレン構
造体の実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図8】図5に示す海浜安定化装置におけるドレン構造
体の設置状態平面説明図であって、aは全面に設置した
状態の説明図、b,cは帯状に設置した状態の説明図で
ある。
【図9】図5に示す海浜安定化装置の別の実施例と海浜
の関係を示す縦断面一部切欠説明図である。
【図10】図6に示すドレン構造体のさらに別の実施例
の一部切欠斜視図である。
【図11】図6に示すドレン構造体のさらにまた別の実
施例の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
10 海浜安定化装置、 12 ドレン構造体、 1
4 海浜、16 透水性パイプ、 18 石材、
20 砂、22 排水管、 30 ド
レン構造体、 32 上部枠材、34 下部枠材、
36 柱部材、 38 平形本体、40
エキスパンドメタル、 42
フィルター部材、44 ドレンスペース、 46 石
材、 48 アンカー手段、50 接続手
段、 52 根固め工、 54 排水管、
56 逆止弁、 58 角型鋼管、 6
0 ドレン構造体、62 コンクリートブロック、
64 ドレン構造体、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常陸 壮介 神奈川県横浜市中区北仲通五丁目57番地 運輸省第二港湾建設局 横浜調査設計 事務所内 (72)発明者 津川 昭博 神奈川県横浜市中区北仲通五丁目57番地 運輸省第二港湾建設局 横浜調査設計 事務所内 (72)発明者 加藤 一正 神奈川県横須賀市長瀬三丁目1番1号 運輸省港湾技術研究所内 (72)発明者 柳嶋 慎一 神奈川県横須賀市長瀬三丁目1番1号 運輸省港湾技術研究所内 (72)発明者 田中 則男 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 日 本テトラポッド株式会社内 (72)発明者 浅川 勉 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 日 本テトラポッド株式会社内 (72)発明者 野口 雄二 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 日 本テトラポッド株式会社内 (72)発明者 目黒 武 埼玉県越谷市蒲生東町2−31 (72)発明者 岩佐 直人 千葉県松戸市上本郷4442−2 サニーハ イツ清宮202 (72)発明者 堀 謙吾 神奈川県川崎市川崎区東門前3−9−16 −205 (56)参考文献 特開 平6−200508(JP,A) 特開 平4−62211(JP,A) 特開 平4−62215(JP,A) 実開 平2−6725(JP,U)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水機能を有するドレン構造体を備え、
    このドレン構造体を海浜における波の遡上位置以上の適
    宜の位置と所要の水深位置との間に傾斜させるとともに
    面として埋設配置し、遡上した波および海浜砂地中の水
    位上昇した地下水を前記ドレン構造体を介して海中域に
    除去するようにした海浜安定化装置において、前記ドレ
    ン構造体は、所定間隔で配置した透水性パイプの各離間
    部および上部に多数の石材を重畳することにより構成す
    ることを特徴とする海浜安定化装置。
  2. 【請求項2】 透水機能を有するドレン構造体を備え、
    このドレン構造体を海浜における波の遡上位置以上の適
    宜の位置と所要の水深位置との間に傾斜させるとともに
    面として埋設配置し、遡上した波および海浜砂地中の水
    位上昇した地下水を前記ドレン構造体を介して海中域に
    除去するようにした海浜安定化装置において、前記ドレ
    ン構造体は、枠体で形成した平形本体の外側面に透水性
    を備えしかも砂の侵入を阻止するフィルター部材を張設
    するとともにこの平形本体内部に水平方向に延在するド
    レンスペースを形成した平形ドレンユニットからなり、
    多数の平形ドレンユニットを隣接配置することにより面
    として構成することを特徴とする海浜安定化装置。
  3. 【請求項3】 平形ドレンユニットのドレンスペースに
    多数の石材を収容することからなる請求項2に記載の海
    浜安定化装置。
  4. 【請求項4】 平形ドレンユニットの底部にアンカー手
    段を配設することからなる請求項2または請求項3に記
    載の海浜安定化装置。
  5. 【請求項5】 平形ドレンユニットの端縁部に接続手段
    を配設することからなる請求項2〜請求項4のいずれか
    に記載の海浜安定化装置。
  6. 【請求項6】 ドレン構造体を、海浜の所要面に一もし
    くはそれ以上の帯状体として配置することを特徴とする
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の海浜安定化装
    置。
  7. 【請求項7】 ドレン構造体を、海浜の所要全面に配置
    してなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の海浜安
    定化装置。
  8. 【請求項8】 ドレン構造体の下端部に配水管を接続
    し、遡上した波および海浜砂地中の水位上昇した地下水
    を前記ドレン構造体および配水管を介して海中域に除去
    するように構成することからなる請求項1〜請求項7の
    いずれかに記載の海浜安定化装置。
  9. 【請求項9】ドレン構造体に接続した配水管の開口部に
    逆止手段を配設することからなる請求項8に記載の海浜
    安定化装置。
JP6018826A 1994-01-20 1994-01-20 海浜安定化装置 Expired - Lifetime JP2654509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6018826A JP2654509B2 (ja) 1994-01-20 1994-01-20 海浜安定化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6018826A JP2654509B2 (ja) 1994-01-20 1994-01-20 海浜安定化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07207639A JPH07207639A (ja) 1995-08-08
JP2654509B2 true JP2654509B2 (ja) 1997-09-17

Family

ID=11982374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6018826A Expired - Lifetime JP2654509B2 (ja) 1994-01-20 1994-01-20 海浜安定化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2654509B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115428A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Port & Harbour Res Inst Ministry Of Transport 砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置
JP2001200515A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 海浜安定化構造用の透水・排水設備

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3654424B2 (ja) * 2000-10-12 2005-06-02 国土交通省関東地方整備局長 堤防のドレーン構造及びその施工方法
JP4675130B2 (ja) * 2005-03-29 2011-04-20 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 盛土堤体のドレーン構造及びその施工方法
JP5152738B2 (ja) * 2006-09-27 2013-02-27 国立大学法人豊橋技術科学大学 透水性コラムによる海底地盤の対波浪安定化工法
KR101282340B1 (ko) * 2010-11-22 2013-07-04 시지엔지니어링(주) 통수층 일체형 배수재 및 이것을 이용한 영구배수공법
JP6329464B2 (ja) * 2014-08-29 2018-05-23 ヒロセホールディングス株式会社 砂浜浸食防止構造体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH026725U (ja) * 1988-06-29 1990-01-17
JP2636120B2 (ja) * 1992-11-10 1997-07-30 運輸省港湾技術研究所長 砂浜の安定化方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115428A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Port & Harbour Res Inst Ministry Of Transport 砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置
JP2001200515A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 海浜安定化構造用の透水・排水設備

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07207639A (ja) 1995-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011518268A (ja) 洪水、沿岸又は水たまりの保護装置及び方法
EP0108269B1 (en) A method of causing sedimentation of sedimentary solid material transported in a body of water, such as a lake, a sea, or an ocean
JP2654509B2 (ja) 海浜安定化装置
KR100597188B1 (ko) 다목적 블록 및 이를 이용한 다목적 블록 조립체
KR20080096161A (ko) 비노출형 제방을 가진 고수부지 구조
CN210262926U (zh) 一种阶梯式海洋防灾生态护岸结构
JP3430292B2 (ja) 雨水貯留施設及びその施工方法
JP2636120B2 (ja) 砂浜の安定化方法
JP3088245B2 (ja) 人工海浜の法面保護工法
JP3325924B2 (ja) 地下貯留浸透施設の構造
KR101039619B1 (ko) 퇴사 방지용 가속수로가 형성된 하천
JP3440147B2 (ja) マンホール周囲地盤の過剰間隙水圧吸収機構
KR100451981B1 (ko) 자연식생형 유수천변구조
JP2006161364A (ja) 堤防決壊防護構造及び堤防決壊防護シート並びにその敷設方法
JP2007138564A (ja) ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法
JP2003306920A (ja) 鋼矢板式岸壁構造
JP4348420B2 (ja) 砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置
JP2567755Y2 (ja) 養浜施設の構造
JPH10168985A (ja) 地表水の浸透を促進させるための構造
CN211446834U (zh) 高效排渗水的坝顶结构
JPH10299067A (ja) ドレン管束を用いた水処理設備
JP4036315B2 (ja) 砂浜の安定化及び海水の浄化方法
JP5643504B2 (ja) 雨水浸透装置
JPH067047Y2 (ja) 埋立護岸用被覆シ−ト
JP2000054341A (ja) 砂浜の安定化方法における排水層の築造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970401

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090530

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090530

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 15

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 15

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140530

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term