JP4348420B2 - 砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置 - Google Patents

砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、海岸又は湖岸の水際付近において、砂浜を遡上する波を効率良く排水して波による砂浜の侵食を防止するための砂浜の安定化方法及びそのための砂浜安定化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水際付近の砂浜では常に波や水の流れの影響を受けて底質が移動するため、その地形は常に変化しており、また、侵食を受けやすい状況にある。
そこで、このような砂浜の侵食を防止するための方法について従来より幾つかの提案がされており、例えば、特許第 2,636,120号公報には、砂浜中に浜より海中又は湖中に至る排水層(透水層)を埋設してその排水口部を海中又は湖中に開口せしめ、砂浜に遡上して砂中に浸透した水や砂中で水位上昇した地下水をこの排水層を介して沖側に自然排水させる砂浜の安定化方法が提案されており、また、特許第 2,654,509号公報には、この砂浜の安定化方法を具体化するための手段として、透水性パイプや透水性フィルター部材を備えて透水機能を有するドレン構造体(排水層)を用意し、このドレン構造体を砂浜における波の遡上位置以上の適当な位置と所定の水深位置との間に傾斜させて埋設してその排水口部を海中又は湖中に開口せしめ、遡上した波や砂中で水位上昇した地下水を上記ドレン構造体を介して海中又は湖中に排水する砂浜安定化装置が提案されている。
【0003】
これらの方法及び装置は、波が遡上した後に砂浜表面から砂中に浸透した水を排水層(ドレン構造体)を介して海中又は湖中に排水させ、これによって水際付近の平均水位や地下水位の上昇を抑制し、これによって荒天時には水際付近の砂浜の侵食を軽減し、また、静穏時には水際付近への砂の堆積を促進して砂浜の安定化を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法及び装置では、海底や湖底が浅くなった時期に波によって巻き上げられた砂が逆流により管内に入って管詰まりを生じたり、不織布等のフィルター材が開口部に取り付けられると生物の発生により目詰まりを引き起こし、排水能力の急速な低下をもたらす。このため、このような方法及び装置においては、その排水口部付近の砂やフィルター材の目詰まりを定期的に清掃して除去するという面倒なメンテナンス作業が必要になる。
【0005】
そこで、本発明者らは、このような問題がなく、長期に亘って安定した排水能力を維持することができる砂浜の安定化方法及びそのための砂浜安定化装置について鋭意検討を重ねた結果、意外なことには、透水層で集水した水を海中又は湖中に排水する排水口部を、砂中に開口する排水側開口部とこの排水側開口部内に砂が侵入するのを防止するフィルター材とを有する砂中埋設排水部で構成し、この砂中埋設排水部を常時砂中に埋設することにより、逆流水による砂の持込みや水中有機物の付着等がかえって抑制され、長期に亘って安定した排水能力を維持できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
従って、本発明の目的は、海岸又は湖岸の水際付近において、砂中に透水層(排水層)を埋設してこの透水層を介して砂中に浸透した水を海中又は湖中に排水することにより、景観上や利便上の問題もなく水際付近の砂浜の侵食を軽減できるようにした砂浜の安定化方法であって、長期に亘って安定した排水能力を維持することができる砂浜の安定化方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、このように長期に亘って安定した排水能力を維持することができる砂浜の安定化方法を施工する上で好適な砂浜安定化装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、海岸又は湖岸の水際付近の砂浜中に透水層を埋設し、砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び地下水を海中又は湖中に誘導して排水する砂浜の安定化方法において、上記透水層には排水側開口部に砂が侵入するのを防止するフィルター材を有する砂中埋設排水部を設け、この砂中埋設排水部を、排水側開口部上部の土被り厚dが透水層埋設周囲の地下水位hgと排水側開口部位置の水位hwとの間の水位差Δhより小さくなるように埋設し、排水側開口部上部の土被り部分に発生するクイックサンド現象を利用して排水することを特徴とする砂浜の安定化方法である。
【0009】
また、本発明は、海岸又は湖岸の水際付近の砂浜中に埋設され砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び地下水を集水する透水層と、上記透水層に設けられ、砂中に開口する排水側開口部と該排水側開口部に砂が侵入するのを防止するフィルター材を有し、排水側開口部上部の土被り厚dが、透水層埋設周囲の地下水位hgと排水側開口部位置の水位hwとの間の水位差Δhより小さくなるように埋設される砂中埋設排水部とを具備し、上記排水側開口部上部の土被り部分に発生するクイックサンド現象を利用して排水することを特徴とする砂浜安定化装置である。
【0010】
本発明において、砂浜中に埋設される透水層は、基本的には砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び地下水(特に、砂中で水位上昇した地下水)を集水し、この集められた水を海中又は湖中の所定の位置まで誘導して排水できるものであればよく、例えば、石、プラスチックあるいはそだ等からなる多孔質材料を陸側から海中又は湖中にかけて砂浜中に埋設して構築されたものであっても、これら多孔質材料とこれを覆う砂との間に更に透水層の目詰まりを防止するフィルター材を敷設して構築されたものであっても、また、多孔質材料で中空ブロック状に形成された透水ブロックを連接して構築されたものであってもよい(特許第 2,636,120号公報参照)ほか、多孔質パイプを所定間隔でかつ長手方向に多数連接すると共にその周囲に石材等を埋設して構築されたものであっても、また、枠体の外側面に透水性のフィルター材を張設すると共に枠体内部にはドレンスペースを形成した多数のドレンユニットを敷設して構築されたものであってもよい(特許第 2,654,509号公報参照)。
【0011】
また、このような透水層の沖側端に設けられる砂中埋設排水部は、基本的にはこの透水層を介して沖側に誘導された水(すなわち、砂浜に遡上して砂中に浸透した水や砂中で水位上昇した地下水)を海中又は湖中に排出できる構造を有し、砂中で開口する排水側開口部とこの排水側開口部内への砂の侵入を防止するフィルター材とを有するものであればよい。そして、この排水側開口部の開口方向については、特に制限されるものではないが、排水側開口部から排水された水が排水側開口部上部の砂中を通過して円滑に海中又は湖中に排出されるために、好ましくは上方に向けて開口させるのがよく、これによって排水側開口部からその上方の海中又は湖中に至る水みちが円滑に形成される。また、この排水側開口部内への砂の侵入を防止するためのフィルター材についても、特に制限されるものではなく、例えばパンチングメタル、ステンレス網、不織布等や、これらと所定の粒径を有する砕石との組み合わせ等を好適に用いることができる。
【0012】
そして、上記透水層と砂中埋設排水部については、上記透水層の沖側端を海底又は湖底の所定の位置まで延設し、この沖側端に砂中埋設排水部を接続してもよく、また、上記透水層にはこの透水層で集められた水を海底又は湖底の所定の位置まで導く排水管を設け、この排水管の先端に砂中埋設排水部を接続するようにしてもよい。
【0013】
ここで、上記砂中埋設排水部を砂中に埋設した際は、排水量は水位差に応じて以下のようになる。
すなわち、図1に示すように、透水層埋設周囲、特に集水部埋設周囲の地下水位をhg とし、排水側開口部位置の水位をhw とし、排水側開口部位置の平均水位をha とし、排水側開口部上部の土被り厚をdとし、波の水面変動を正弦波で近似し、波による水面変動を考慮した地下水位hg と排水側開口部位置の水位hw との間の平均水位差(すなわち、地下水位hg と排水側開口部位置の平均水位ha との間の水位差)をΔηとしたとき、透水層埋設周囲の地下水位hg と排水側開口部位置の水位hw との間の水位差Δhは、下記式(1)
Δh(hg −hw )=Δη−(H/2) sin(2πt/T)……(1)
(但し、H:有義波高、t:時間、T:有義周期である)で表される。
なお、図1において、符号2は砂中埋設排水部であり、符号2aは排水側開口部であり、また、符号2bはフィルター材である。
【0014】
そして、上記水位差Δhが常に土被り厚dより小さいとき、すなわち
{Δη+H/2}<d
のときは、排水側開口部上部の土被り部分に砂の液状化によるクイックサンド現象は発生せず、排水側開口部からの排水の流れは穏やかな浸透流になると仮定されてダルシー則に従い、この時の流量は、下記式(2)
Q=k1 ×(Δh/d)×A……(2)
(但し、Q:流量、k1 :砂の透水係数、A:排水側開口部の排水断面積である)で表される。
【0015】
また、上記水位差Δhが常に土被り厚dより大きいとき、すなわち
d<{Δη−H/2}
のときは、排水側開口部上部の土被り部分に砂の液状化によるクイックサンド現象が発生し、土被り部分に水道(水みち)ができて大量の水が排出される。
【0016】
更に、上記水位差Δhが土被り厚dより大きくなったり小さくなったりするとき、すなわち
{Δη−H/2}<d<{Δη+H/2}
のときは、上記穏やかな浸透流による排水とクイックサンド現象による大量の排水とが交互に発生する。
【0017】
更にまた、地下水位hg と排水側開口部位置の水位hw との間の水位差Δhが負の値になった場合、すなわち、排水側開口部に逆流水が発生した場合、この逆流水の流れも土被り部分でダルシー則に従う穏やかな浸透流になり、排水側開口部を覆うフィルター材により排水側開口部内への砂の持ち込みを容易にかつ確実に防止することができる。
【0018】
本発明は、クイックサンド現象を活用して逆流水を減少させ、長期安定的に砂中の地下水、浸透した海水を海中等に排水させ、かつ、生物等の付着による詰まりを防止するものであるが、自然現象の変化(陸側地下水位の変動、海象による海側の水位変動、台風等による波の遡上等)によって、同一土被り厚においても、クイックサンド現象が優先したり、浸透流の割合が大きくなったりする。従って、設計の土被り厚は、設置場所の地形条件、海象条件、本装置に要求する機能等により適宜選択すればよい。砂中の埋設深さを、透水層の水位と排水口水位の水位差がより小さくなるように、あるいは、その現出時間の割合が大きくなるように埋設すれば、排水口上部に連続的にクイックサンド現象を発生させ、あるいは、その発生割合が大きくなるので、排水量を増大させ、排水を迅速・円滑に行うことができる。なお、クイックサンド現象が発生すると、この土被り部分には水みちが形成され、水位差が幾分低くなってもクイックサンド現象を持続しやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0020】
〔実施例1〕
図2に本発明の実施例1にかかる砂浜安定化装置の施工状態が示されている。この実施例1では、砂浜安定化装置は、海浜の前浜(干潮時汀線BLから通常の波が遡上する所までの領域)にその傾斜に沿って陸側から沖側に向けて砂中に埋設された透水層1と、外浜(沖浜の陸側端から干潮時汀線BLまでの間で砕波を生じ、また、バーやステップが形成される領域)にその傾斜に沿って上記透水層1の沖側端から沖浜に向けて砂中に埋設された排水管3と、この排水管3の沖側端に接続され、砂中に埋設された砂中埋設排水部2とで構成されている。
【0021】
上記透水層1は、図3に示すドレンユニット4を縦方向(陸側から沖側に向けて)及びこれと直角の横方向に多数敷設し、所定の集水面積が確保されると共に縦方向には集められた水を陸側から沖側に向けて誘導するドレンが形成されるように構築されている。ここで、各ドレンユニット4は、図3に示すように、防錆処理を施したエキスパンドメタル4aの表面を防砂シート4bで被覆して形成されており、連結金具4cにより連結されるようになっている。
【0022】
このように構築された透水層1で集められた水は、透水層1の沖側端に設けられた図示外の集水部を介して排水管3に導かれ、この排水管3を通って海中の所定の位置まで誘導され、排水管3の沖側の先端に設けられた砂中埋設排水部2より海中に排出されるようになっている。
【0023】
ここで、砂中埋設排水部2は、図4に示すように、エキスパンドメタルで形成した大きさ800mm×1100mm×800mmの上方開口エキスパンドメタル枠5の側面及び底面を防砂シート6で被覆し、上記エキスパンドメタル枠5内に5号砕石7を詰めて形成された排水側開口部2aと、上記エキスパンドメタル枠5の上方開口部に配設されたフィルター材2bとで構成されており、また、このフィルター材2bは、上記エキスパンドメタル枠5の上方開口部に載置された粒径1.5〜2.0mmの天然石樹脂舗装材8(厚さ2cm、透水係数0.27cm/sec.)と、この天然石樹脂舗装材8の上部に載置され、透水性袋状ネット9aの中に5号砕石9bを詰めてその形状を厚さ35cmの偏平状に整えた砕石フィルター材9とで構成されている。そして、排水管3の先端と砂中埋設排水部2の排水側開口部2aとの間は、排水管3の先端に金網10を設けると共に、この先端を排水側開口部2aの側面からその内部に差し込んで接続されている。
【0024】
この実施例1の砂浜安定化装置において、砂中埋設排水部2を透水層1の沖側端から沖浜に向けて50mのところに埋設し、また、土被り厚dを56cmとし、更に、排水管3に流量計11を設置し、この排水管3内を流れる排水の流量(l/s)、排水側開口部2a位置の水位(D.L.m) 、及び地下水位(D.L.m) の変動を測定した。 得られたデータの一部(10分間)を図5に示す。なお、図5において、破線は、地下水位のレベルから土被り厚d(56cm)の分だけ下がったレベルを示している。
【0025】
この図5の結果から、水位差(地下水位と排水側開口部2a位置の水位との差)の変化と排水管3内を流れる排水の流量との関係をみると、排水側開口部2a位置の水位(D.L.m) が破線より下にあるとき、言い換えると、水位差が土被り厚d(56cm)より大きいときには大きな排水の流量が発生し、また、水位差が土被り厚d(56cm)より小さいときには排水の流量は極めて小さく、あるいは、ほとんどゼロであることがわかり、そして、波の峰通過時の負の水位差により発生する逆流は、透水層の排水口部を海中に直接開口させた場合に比べて顕著に低減した。
【0026】
なお、図6は、上記実施例1で用いられる砂中埋設排水部2の変形例を示すものであり、排水側開口部2aが排水管3の先端に連結されて上方に向けて開口する直角エルボで形成されており、また、この排水側開口部2aには防砂シート12と、その上部に載置され、透水性袋状ネット9aの中に5号砕石9bを詰めてその形状を厚さ35cmの偏平状に整えた砕石フィルター材9とで構成されたフィルター材2bが配設されている。
【0027】
〔実施例2〕
図7及び図8は、本発明の実施例2に係る砂浜安定化装置の施工状態及び透水層1の構造を示すものである。
この実施例2において、透水層1は、上記実施例1の場合とは異なり、透水性袋状ネット中に砕石を詰めて形成され、陸側から沖側に向けて開口するように略U字状に敷設された止め石ユニット1aと、この止め石ユニット1aで囲まれた部分に敷設された防砂シート1bと、この防砂シート1bに包み込まれた砕石1cとで形成され、前浜において所定の集水面積を確保すると共にその先端が汀線BLを越えて外浜の海底の所定の位置まで延設されており、前浜に位置する部分で集められた水を陸側から沖側に向けて誘導するように構築されている。
【0028】
そして、この実施例2においては、図9及び図10に示されているように、透水層1の先端部中央上方位置に砂中埋設排水部2が形成されており、透水性袋状ネット13a 中に詰められた砕石13b が排水側開口部2aを構成していると共に、透水性袋状ネット13a と砂中埋設排水部2の形状保持用の透水性ネット13c とがフィルター材2bを構成しており、上記排水側開口部2aの上方には土被り厚dを有する土被り部分が形成されている。
【0029】
この実施例2の砂浜安定化装置においても、上記実施例1と同様に、透水層1の前浜に位置する部分で集められた水は、この透水層1内を陸側から沖側に向けて誘導され、その先端部上方中央に形成された砂中埋設排水部2の排水側開口部2aから土被り部分を経て海水中に排水されるようになっている。
【0030】
〔実施例3〕
次に、図11及び図12は、本発明の実施例3に係る砂浜安定化装置の施工状態及び透水層1の構造を示すものである。
この実施例3において、透水層1は、上記実施例1及び2の場合とは異なり、防食塗装処理を施されたエキスパンドメタルで形成された筒状体の表面を防砂シートで被覆して形成された多数の透水性の多孔質パイプ1dを、石材1eで互いに所定の間隔をおきながら前浜にその陸側から沖側に向けて多数配設し、これら多数の多孔質パイプ1dの沖側端を汀線BL付近で集水パイプ1fに連通連結して構成されており、そして、この集水パイプ1fに連結された排水管3の先端に図示外の砂中埋設排水部が設けられている。
【0031】
この実施例3の砂浜安定化装置においても、上記実施例1と同様に、透水層1の前浜に位置する部分で集められた水は、この透水層1の多孔質パイプ1d内を陸側から沖側に向けて誘導され、その先端に連通連結された集水パイプ1fを介して排水管3内に誘導され、図示外の砂中埋設排水部の排水側開口部から土被り部分を経て海水中に排水される。
【0032】
なお、図13は、実施例3の変形例に係るものであり、多数の多孔質パイプ1dが汀線BLと略平行に配設されており、これら多孔質パイプ1dの中央部分で集水パイプ1fに連結され、この集水パイプ1fの沖側端がそのまま排水管3に接続された構造となっている。この変形例の場合も、上記図11及び図12に示す砂浜安定化装置と同様に、透水層1の前浜に位置する部分で集められた水が、この透水層1の多孔質パイプ1d内から集水パイプ1fを経て陸側から沖側に誘導され、その先端に連通連結された排水管3を介して図示外の砂中埋設排水部に至り、その排水側開口部から土被り部分を経て海水中に排水される。
【0033】
【発明の効果】
本発明の方法及び装置によれば、海岸又は湖岸の水際付近において、砂中に透水層を埋設し、この透水層を介して砂中に浸透した水(砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び砂中で水位上昇した地下水)を海中又は湖中に排水する際に、景観上の問題を引き起こすことなく砂浜の侵食を軽減できると共に、逆流水による砂の持込みや水中有機物の付着等による排水口部の閉塞やフィルター材の目詰まりを可及的に防止することができ、これによって長期に亘って安定した排水能力を発揮せしめることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の砂浜安定化装置の砂中埋設排水部を砂中に埋設する際における設計の考え方を説明するための説明図である。
【図2】 図2は、本発明の実施例1に係る砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置の施工状態を示す説明図である。
【図3】 図3は、本発明の実施例1で用いられた透水層を形成するドレンユニットを示す部分断面斜視説明図である。
【図4】 図4は、本発明の実施例1で用いられた砂中埋設排水部を示す断面説明図である。
【図5】 図5は、本発明の実施例1に係る砂浜安定化装置の砂中埋設排水部の排水機能を測定した際のデータの一部を示すグラフ図である。
【図6】 図6は、本発明の実施例1で用いられる砂中埋設排水部の変形例を示す断面説明図である。
【図7】 図7は、本発明の実施例2に係る砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置の施工状態を示す説明図である。
【図8】 図8は、本発明の実施例2で用いられた透水層を示す部分断面斜視説明図である。
【図9】 図9は、本発明の実施例2で用いられた砂中埋設排水部を示す縦断面説明図である。
【図10】 図10は、本発明の実施例2で用いられた砂中埋設排水部を示す横断面説明図である。
【図11】 図11は、本発明の実施例3に係る砂浜の安定化方法及び砂浜安定化装置の施工状態の一部を示す説明図である。
【図12】 図12は、本発明の実施例3で用いられた透水層及び排水管の一部を示す部分断面斜視説明図である。
【図13】 図13は、本発明の実施例3の変形例を示す図11と同様の説明図である。
【符号の説明】
1…透水層、1a…止め石ユニット、1b…防砂シート、1d…多孔質パイプ、1e…石材、1f…集水パイプ、2…砂中埋設排水部、2a…排水側開口部、2b…フィルター材、3…排水管、4…ドレンユニット、4a…エキスパンドメタル、4b…防砂シート、4c…連結金具、5…エキスパンドメタル枠、6…防砂シート、7…5号砕石、8…天然石樹脂舗装材、9…砕石フィルター材、9a…透水性袋状ネット、9b…5号砕石、10…金網、11…流量計、12…防砂シート、 13a…透水性袋状ネット、 13b…砕石、 13c…透水性ネット、d…土被り厚、BL…汀線。

Claims (6)

  1. 海岸又は湖岸の水際付近の砂浜中に透水層を埋設し、砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び地下水を海中又は湖中に誘導して排水する砂浜の安定化方法において、上記透水層には排水側開口部に砂が侵入するのを防止するフィルター材を有する砂中埋設排水部を設け、この砂中埋設排水部を、排水側開口部上部の土被り厚dが透水層埋設周囲の地下水位hgと排水側開口部位置の水位hwとの間の水位差Δhより小さくなるように埋設し、排水側開口部上部の土被り部分に発生するクイックサンド現象を利用して排水することを特徴とする砂浜の安定化方法。
  2. 透水層には、この透水層で集められた水を海底又は湖底の所定の位置まで導く排水管が設けられており、この排水管の先端に砂中埋設排水部が接続されている請求項1に記載の砂浜の安定化方法。
  3. 透水層は、その陸側端位置が最大遡上波の先端付近に位置してその沖側端位置が干潮時の汀線付近に位置するように埋設される請求項2に記載の砂浜の安定化方法。
  4. 海岸又は湖岸の水際付近の砂浜中に埋設され砂浜に遡上して砂中に浸透した水及び地下水を集水する透水層と、上記透水層に設けられ、砂中に開口する排水側開口部と該排水側開口部に砂が侵入するのを防止するフィルター材を有し、排水側開口部上部の土被り厚dが、透水層埋設周囲の地下水位hgと排水側開口部位置の水位hwとの間の水位差Δhより小さくなるように埋設される砂中埋設排水部とを具備し、上記排水側開口部上部の土被り部分に発生するクイックサンド現象を利用して排水することを特徴とする砂浜安定化装置。
  5. 透水層には、この透水層で集められた水を海底又は湖底の所定の位置まで導く排水管が設けられており、この排水管の先端に砂中埋設排水部が接続されている請求項4に記載の砂浜安定化装置。
  6. 透水層は、その陸側端位置が最大遡上波の先端付近に位置してその沖側端位置が干潮時の汀線付近に位置するように埋設される請求項5に記載の砂浜安定化装置。
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