JPH0988034A - 砂浜増殖方法 - Google Patents

砂浜増殖方法

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JPH0988034A
JPH0988034A JP24437095A JP24437095A JPH0988034A JP H0988034 A JPH0988034 A JP H0988034A JP 24437095 A JP24437095 A JP 24437095A JP 24437095 A JP24437095 A JP 24437095A JP H0988034 A JPH0988034 A JP H0988034A
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drainage
sand
groundwater
water
beach
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JP24437095A
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Shohei Senda
昌平 千田
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DOBOKU KENKYU CENTER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的に簡易なシステムにより安価に、かつ景
観性を損なうことなく浸食された砂浜地帯を元の原形に
復旧するとともに、その状態を恒久的に安定化させる。 【解決手段】水域と陸地との境界線に実質的に沿う方向
にかつ前記水域の平均水面レベルよりも下方位置に排水
路を設けることにより前記境界線に沿う帯域の地下水位
を下げ、波によって運ばれる砂を前記境界線帯域に堆積
させる砂浜増殖方法において、前記排水路として、少な
くとも上面側に地下水流入孔が形成された排水管1、1
…を埋設し、この排水管1内の地下水を真空ポンプ3に
より強制排水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波によって運ばれ
た来た砂を砂浜の表面に堆積させることにより浸食され
た砂浜地帯を元通りに修復するとともに、安定化させる
砂浜増殖方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海岸、湖沼などの砂浜地帯は、押し寄せ
る波によって砂浜表面にある砂が浮遊化状態となり、寄
せた波の引き波による砂の流失現象により、経年の後、
砂浜が徐々に減少する浸食現象が発生する。主に夏季に
発生する比較的長周期の波の場合には、波と波との間隔
があいており、押し寄せた波が砂浜中に浸透した後に次
の波が押し寄せるため、浸透する海水の量が多くなると
ともに引き波の量が減少し砂が増殖するが、特に冬季に
発生する比較的短周期の波の場合には、押し寄せた海水
が砂浜中に吸収される間もなく、次々に波が押し寄せて
くるために、砂が飽和水状態となり、引き波によって海
側に持ち運ばれてしまうため徐々に砂が減少し砂浜が浸
食される。
【0003】従来より、海浜等の侵食を防止するための
海岸保全構造物(波浪制御構造物)として、海岸堤防、
海岸突堤、海岸護岸などが築造されているが、これらの
海岸構造物は、暴風時の高波や潮汐時の波の進入を防止
し、その波エネルギーを緩和するには有効であるもの
の、一旦浸食された海浜地帯に砂を堆積させて原形に復
旧することはできない。また、その構造形式、築堤態様
によっては、砂浜の浸食の原因となっている短周期の波
による浸食を防止するには、不十分であることも多い。
【0004】また、これらの海岸保全構造物は、いずれ
も海面上に突出して設けられるものであるため、景観性
を損なうという問題がある。特に、海浜公園、リゾート
海浜地帯等では景観性の点より、これらの海岸構造物を
築造することはできない場合も多い。そのため、景観を
考慮した浸食防止対策としては、海底に断面台形状の潜
堤を築造する方法や、立体ブロック、たとえばテトラポ
ッド(商標名)などを海底に積み重ねて潜堤を構築する
方法などが採用されている。
【0005】他方、近年まったく新しい原理の海浜増殖
方法が特公平7−78447号に提案されている。この
海浜増殖方法は、海岸の汀線付近に汀線に沿ってドレー
ンパイプを埋設し、地下水位を下げて、砂浜を不飽和状
態にすることによって、打ち寄せる波が運んでくる浮遊
砂を海岸に付着させて、砂浜を増殖または浸食を防止す
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記潜
堤による浸食防止方法の場合にも、海岸堤防、海岸突堤
などの海岸保全構造物と同様に、一旦浸食された海浜を
それ以上浸食されないようにすることはできるけれど
も、砂の移動を同時に止めることになるため、砂浜の増
殖をも阻害することになる。したがって、一旦浸食され
た海浜地帯に砂を堆積させて原形に復旧することはでき
ない。
【0007】また、前記築堤には大掛かりな工事を必要
とし、膨大な工事費を必要とするとともに、経年後には
ブロック自体の自重により沈下しまたは堆積する砂によ
り砂中に埋没するため、消波機能を失うことも多い。
【0008】他方、浸食された海浜地帯の復旧工事とし
て、他に効果的な方法がないこともあり、毎年人工的に
砂の補給が行われている。補給方法としては、沖の海底
から浚渫した砂を船により海浜域に運搬補給する方法
や、ダンプトラックにより運んだ砂を砂浜に投下するこ
とにより増殖させる方法が採られているが、砂浜全体を
増殖させるためには、砂の移送量が何千または何万m3
にも達するため、膨大な工事費が必要になるとともに、
冬季には再び荒い短周期の波によって砂浜が浸食される
ため、毎年砂を補給を行わなければならないなどの問題
があり、恒久的な解決方法が望まれている。
【0009】他方、前記特公平7−78447号に提案
される砂浜増殖方法の場合には、ドレーンパイプ内に流
入した地下水を自然流下させるために、流路の末端に必
ず集水槽を必要とする、またドレーンパイプを一定勾配
の下で精度よく埋設しなければならないとともに、布設
延長が長い場合には前記勾配のため集水槽も深くしなけ
ればならず、集水槽の構築が大掛かりになる、などの問
題を有する。
【0010】そこで、本発明の主たる課題は、比較的簡
易なシステムにより安価に、かつ景観性を損なうことな
く浸食された砂浜地帯を元の原形に復旧することができ
るとともに、その状態を恒久的に安定化させることがで
きる砂浜増殖方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本第1発明は、水域と陸地との境界線に実質的に沿
う方向にかつ前記水域の平均水面レベルよりも下方位置
に排水路を設けることにより前記境界線に沿う帯域の地
下水位を下げ、波によって運ばれる砂を前記境界線帯域
に堆積させる砂浜増殖方法において、前記排水路とし
て、少なくとも上面側に地下水流入孔が形成された排水
管を埋設し、減圧化手段または水中ポンプにより前記排
水管に流入する地下水を強制排水することを特徴とする
ものである。
【0012】また、第2発明は、前記砂浜増殖方法にお
いて、前記排水路として、少なくとも上面側に地下水流
入孔が形成された排水管を埋設するとともに、この排水
管に一端が連結しかつ他端が水域に開口した排水導管を
埋設し、前記排水管または排水導管内部に水中ポンプを
内設することにより、前記排水管に流入する地下水を水
域に強制排水することを特徴とするものである。
【0013】これらの場合に、陸地側の地中に地下水位
検出手段を設け、この地下水位検出手段により得られた
水位信号に基づいて、前記減圧化手段または水中ポンプ
の作動制御を行うことが望ましい。また、前記地下水位
検出に基づき、前記減圧化手段または水中ポンプの能力
を段階的に変化させることもできる。
【0014】まず、本発明法に係る砂浜増殖方法の原理
を図4を参照しながら説明する。砂浜の汀線方向に沿い
かつ水面レベル以下に排水管1を埋設して地下水を排水
するようにすると、波打ち際周辺の地下水が前記排水管
1に集水される結果、地下水位が下がり地表面側の砂層
部分に不飽和層が形成される。この不飽和層に打ち寄せ
られた海水は直ちに砂中に浸透するようになり、たとえ
短周期で打ち寄せる波であっても引き波のエネルギーが
減少されるため、波と共に運ばれて来た砂が砂浜の表面
に定着し徐々に堆積して(堆積ゾーンZを形成)汀線が
海側に移動する。
【0015】本第1発明においては、前記排水路とし
て、少なくとも上面側に地下水流入孔が形成された排水
管を埋設し、真空ポンプ等の減圧化手段または水中ポン
プにより排水管内に流入した地下水の強制排水を行う。
【0016】また、第2発明においては、前記排水路と
して、少なくとも上面側に地下水流入孔が形成された排
水管を埋設するとともに、この排水管に一端が連結しか
つ他端が水域に開口した排水導管を埋設し、前記排水管
または排水導管内部に水中ポンプを内設することにより
前記排水管に流入する地下水を水域に強制排水する。
【0017】これらの発明における第1の利点は、集水
槽を必要としないことである。砂浜内への集水槽の構築
は、砂自体が自立しない(粘性をもたない)ため、開削
にしても土留め壁構築による施工にしても施工に手間が
掛かる。本発明の場合には、集水槽を構築せずに済むた
め、排水システムの構築が簡易で済む。
【0018】また第2の利点は、強制排水によるため、
排水管の布設に当り勾配を設ける必要がないとともに、
排水管の縦断線形に多少の凹凸があっても構わない。し
たがって、厳密な精度管理を必要としないため排水管の
布設が容易となる。
【0019】個別的には、第2発明の場合、排水管路の
切り回しが必要ないため、最小限度の排水管布設で足り
る。
【0020】一方、陸地側の地中に地下水位検出手段を
設け、この地下水位検出手段により得られた水位信号に
基づいて、前記減圧化手段または水中ポンプの作動制御
を行うことにより、効率的に省エネ化を図ることができ
る。また、前記地下水位検出に基づいて、前記減圧化手
段または水中ポンプの能力を段階的に変化させる、すな
わち、複数のポンプを設置して稼働台数の制御、ポンプ
の回転数制御を地下水位に応じて変化させることによ
り、地下水位が高い場合には高能力で排水を行い、地下
水位が低い場合には低能力で排水を行うことができるよ
うになり、波の状態に応じた作動制御が可能となる。
【0021】他方、本発明による排水方法の場合には、
排水管内の強制排水により、地下水の排水管内部への流
入効率が高まるため、同時に砂の堆積効率も向上させる
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて詳述する。図1および図2に示されるよう
に、本発明においては、水域と砂地との境界線に実質的
に沿う方向に、すなわち水際線の方向に実質的に沿う方
向に、かつ好ましくは前記水域の平均水面レベルよりも
下方位置に、通水孔を有する1つまたは複数の排水管
1、1…を埋設し、この排水管1に流入する地下水を真
空ポンプ3により強制的に排水する。
【0023】このような砂浜などの透水性地盤中に、強
制的な排水路を設けると、図4に示されるように、その
周辺の地下水が減少することにより、砂浜の表層が不飽
和状態となるため、水際に繰り返し押し寄せる海水が、
積極的に前記不飽和層に浸透吸収され、引き波が勢い良
く海に戻るのを防止する。その結果、引き波の水量が減
少し、浸食の原因である引き波エネルギーが弱まり、波
とともに水際に打ち寄せられた砂が水際付近に定着・堆
積し、砂浜が次第に増殖する。
【0024】前記排水管1の埋設位置としては、砂の増
殖を促進させるためには、水際線に対して近接した位置
に配置するのが最も望ましい。しかし、排水管1の敷設
は、通常、ショベルまたは専用掘削機などの機械類によ
り開削(オープン掘削)によって掘削された後、その底
部に敷かれるため、施工上の観点より高潮時の水際線よ
り陸側とし、かつなるべく高潮線に近接した位置に埋設
するのが望ましい。具体的には、高潮線の陸側1〜10
m、好ましくは2〜6mの位置に埋設するのがよい。
【0025】また、地表からの深さは、深く埋設すれば
するほど集水エリアが広がり地下水が低下する影響域が
大きくなるため、砂増殖域が広がることになるが、同時
に強制排水すべき水量が比例的に多くなり、高い排水能
力が要求されることから、海面の平均レベルより0.5
〜3m、好ましくは1〜2mの深さ位置に埋設するのが
望ましい。砂の増殖効率の点からすると、比較的浅い位
置に排水管1を埋設した場合には、排水管埋設位置から
地表側に至る砂層において見掛け上、透水係数が大きく
なり、打ち寄せた海水の吸収率が高くなるため、砂の定
着・堆積率が向上し比較的短期間に砂の増殖を図ること
ができる。これに比して、比較的深く排水管1を埋設し
た場合には、見掛け上の透水係数が小さくなるため、比
較的ゆっくりと広い範囲に堆積するという堆積態様を採
ることになる。
【0026】いずれにしても、排水管の埋設位置および
本数を決定するに当たっては、増殖対象となって砂浜の
透水性、押し寄せる波の波高、周期、強さ、さらに施工
期間、緊急性などの時間的要素、工費等の総合的に勘案
した上で、個々のケース毎に決定するのが好ましい。
【0027】他方、前記排水管1としては、たとえばポ
リ塩化ビニルなどの樹脂製管体、耐食処理鋼管など種々
の排水管を用いることができ、その埋設構造としては、
たとえば、図3に示されるように、埋設深さが浅い場合
にはオープン掘削により、また埋設深さが深い場合には
土留め板を用いながら(図示しない)、溝状に掘削した
後、排水管1の敷設部位にはレベル調整用およびその後
の沈下防止のために比較的径の大きい砕石、玉砂利を敷
設して基盤層6を形成した後、所定勾配または略水平に
排水管1を敷設する。次いで、排水管1の上面側に排水
管1内へ砂の流入がないように及びその範囲で特に透水
性が良好となるように、粒径4〜10mmの砂利を埋め戻
してフィルター層7を構成し、次いで前記排水管1内部
への砂の流入がないようにフィルター層7の上にメッシ
ュの細かい繊維またはプラスチック等に製造された水の
みを通過させる透水膜9が敷かれ、その上面側には砂9
が埋め戻される。
【0028】前記敷設構造は、単に一例を示しただけで
あり、たとえば砂浜に対する砂利敷設が認められないな
どの行政的制約を受ける場合、また施工完了後の回収作
業を考慮してなるべくその作業を軽減した場合などは、
埋め戻し材料としてすべて掘削砂を用いることでもよ
い。排水管埋設構造としては、施工条件、環境条件等を
考慮してそれに対応した種々の条件下で、本発明の排水
原理を阻害しない範囲内で任意に適宜の形式を選択する
ことができる。要は、排水管1の敷設近傍の帯域が透水
性を有する状態であること、および排水管1内へ砂が流
入しないように配慮することが肝要である。
【0029】以下、本砂浜増殖方法の全体システムにつ
いて詳述すると、図1において、海岸に打ち寄せられた
波は、砂中の汀線方向に沿って埋設された排水管1、1
…に向かって浸透し、排水管1に形成された通水孔より
排水管1内に流入する。この排水管1に対しては排水導
管2が連結され、この排水導管2の端部に配置された真
空ポンプ3により、前記排水管1に流入した地下水が引
き抜かれ強制排水される。強制排水される地下水は、再
び海へ戻すようにしてもよいし、また近接して建設され
た水族館や海水プールに対して供給するようにしてもよ
い。
【0030】前記排水管1による地下水の排水は、年間
を通じて連続的に行うこともできるし、また夏季の堆積
期間中は運転を停止し、冬季の浸食期間中だけ運転を行
うこともできる。また、後述する地下水位管理の下で自
動運転することもできる。
【0031】いずれにしても、本増殖方法によれば、数
カ月間の運転により、図2に示されるように、排水管1
の設置部分に亘り、数mから数十m、汀線が海側に移動
し、砂が堆積した増殖ゾーンZが現れる。汀線が海側に
移動すると、排水管埋設位置と汀線位置とが次第に離間
するため、排水効率が徐々に低下し、砂の堆積効率が減
少するが、その後、現在の汀線位置の安定を図りたいの
であれば、排水管1を埋設したままとして、その後浸食
が進行しない程度に連続的または断続的に排水運転を行
う。また、さらに汀線を海側に移動させたい場合には、
排水管1の盛換え作業を行う。すなわち、再び排水管1
位置まで掘削を行い、排水管1の位置を海側に移動させ
る。この盛換え作業を何度か繰り返すことにより所望の
位置まで汀線を海側に移動させることができる。
【0032】本発明においては、前記排水管1内に流入
した地下水の排水処理として強制排水方法を採用する。
まず第1の方法としては、図5(図1と同様)に示され
るように、排水管1に対して汀線直角方向に排水導管2
を接続して配設し、この排水導管2の端部に真空ポンプ
3を設ける。また、第2例として示す図6のように、地
中に埋設される排水導管2の中間部分に水中ポンプ4を
設けることもできる。
【0033】さらに、図7に示す第3例のように、ウエ
ルポイント工法における排水システムをそのまま応用す
ることもできる。具体的には、排水管1に対して接続さ
れた排水導管12の端部に、中間にゲートバルブ13を
介してセパレータタンク14と接続し、さらにこのセパ
レータタンク14から分岐して一方をバキュームポンプ
へ接続するとともに、他方をモーター17を備えたヒュ
ーガルポンプ16に接続する。なお、15は真空度を測
定するバキュームゲージである。
【0034】他方、図8に示されるように、排水管1に
一端が接続し、かつ他端が水域に開口した排水導管2を
設け、この排水導管2の中間に水中ポンプ5を内設し、
地下水を直接水域に放流することでもよい。
【0035】本発明においては、いずれの場合にも、排
水管1内に流入した地下水は排水強制手段により強制排
水される。
【0036】他方で、かかる強制排水における作動制御
に当たっては、図9に示されるように、陸地側の地中に
地下水位検出手段30を設け、この地下水位検出手段3
0により得られた水位信号に基づいて、前記真空ポンプ
3、水中ポンプ5等の作動制御を行うのが望ましい。
【0037】地下水位検出手段30としては、たとえば
図10に示されるように、地中にストレーナパイプ31
を貫入設置し、所定深さ位置にレベルスイッチ32A、
32Bを設けたものを使用することができる。前記レベ
ルスイッチ32A(32B)としては、フロート式、静
電容量式、超音波式等適宜の形式のものを使用すること
ができる。同図の例では、深さ方向の二箇所にレベルス
イッチを設け、上側レベルスイッチ32A位置に水位が
達したならば真空ポンプ、水中ポンプ等のポンプをオン
とし、下側レベルスイッチ32B位置を水位が下回った
ところでポンプをオフとするように制御している。この
ような制御態様を採ることにより、頻繁なオン・オフ動
作を避けることができる。また、前記地下水位検出手段
30の配設位置としては、排水管1からある程度離れた
所に設置するのが望ましい。これにより、ポンプ類の作
動制御に対する影響を鈍くすることができる。
【0038】また、前記地下水位検出に基づき前記ポン
プ類の能力を段階的に変化させることもできる。たとえ
ば、ポンプを二台設けるとともに、図11に示されるよ
うに、ストレーナパイプ31の深さ方向に3つのレベル
スイッチ33A〜33Cを設け、地下水位が最上位のレ
ベルスイッチ33Aを超えた場合には、二台のポンプを
同時に運転して、その後水位が下がり、中間のレベルス
イッチ33Bに達した段階で1台のみの運転に切換え、
最下位のレベルスイッチ33Cを下回った段階ですべて
のポンプの運転を停止する。再び水位が上昇したなら
ば、中間のレベルスイッチ33Bに達した段階で1台の
みの運転を行い、最上位のレベルスイッチ33Aを超え
た場合には二台のポンプを同時に運転する。なお、前記
台数制御に代えて、ポンプの回転数制御による能力変化
とすることでもよい。
【0039】ところで、前記排水管1における海水流入
部Nは、たとえば図12に示される構造とすることがで
きる。図示の例は、排水管1の長手方向に適宜の間隔
で、その上面側部分に比較的大きな断面円弧状の孔1a
を形成し、かつこの孔1a部分を多数の小さな透孔が形
成された透孔板20で覆い、さらにその上面に繊維また
はプラスチックなどからなる砂を透過させない細メッシ
ュの透過スクリーン21で被覆した場合である。なお、
図12は海水流入部構造の一例を示しただけで、本発明
範囲内で他のいかなる構造をも採用することができる。
たとえば図13に示されるように、排水管1上面の周壁
に対して海水流入孔1b、1b…を散在するように形成
し、かつ透過スクリーン40でその全体を覆うことでも
よい。なお、前記海水流入部Nは少なくとも排水管1の
上面部に形成されるが、排水管1自体が地下水位以下に
設けられるのであるから、下面側を含めた全周に形成し
ても何ら問題は生じない。
【0040】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、比
較的簡易なシステムにより安価に、かつ景観性を損なう
ことなく浸食された砂浜地帯を元の原形に復旧すること
ができるとともに、その状態を恒久的に安定化させるこ
とができる。また、排水管内の地下水を減圧化または水
中ポンプによる強制排水するようにしたため、砂の堆積
効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砂浜増殖システムの全体概略図である。
【図2】その平面図である。
【図3】排水管埋設構造例の断面図である。
【図4】砂浜増殖システムの原理説明図である。
【図5】強制排水方法の第1例を示す縦断面図である。
【図6】強制排水方法の第2例を示す縦断面図である。
【図7】強制排水方法の第3例を示す要部縦断面図であ
る。
【図8】強制排水方法の第4例を示す要部縦断面図であ
る。
【図9】地下水位管理による排水システム全体図であ
る。
【図10】地下水位検出手段の拡大縦断面図である。
【図11】他の地下水位検出手段の拡大縦断面図であ
る。
【図12】排水管の海水流入部の拡大詳細図である。
【図13】排水管の他の海水流入部態様を示す拡大詳細
図である。
【符号の説明】
1…排水管、1b…透水スリット、2…排水導管、3…
真空ポンプ、4・5…水中ポンプ、6…基盤層、7…フ
ィルター層、8…透水膜、9…砂、12…揚水管、13
…ゲートバルブ、14…セパレータタンク、16…ヒュ
ーガルポンプ、17…モーター、20…透孔板、21…
透過スクリーン、30…地下水位検出手段、31…スト
レーナパイプ、32A・32B・33A〜33C…レベ
ルスイッチ、N…海水流入部、Z…増殖ゾーン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水域と陸地との境界線に実質的に沿う方向
    にかつ前記水域の平均水面レベルよりも下方位置に排水
    路を設けることにより前記境界線に沿う帯域の地下水位
    を下げ、波によって運ばれる砂を前記境界線帯域に堆積
    させる砂浜増殖方法において、 前記排水路として、少なくとも上面側に地下水流入孔が
    形成された排水管を埋設し、減圧化手段または水中ポン
    プにより前記排水管に流入する地下水を強制排水するこ
    とを特徴とする砂浜増殖方法。
  2. 【請求項2】水域と陸地との境界線に実質的に沿う方向
    にかつ前記水域の平均水面レベルよりも下方位置に排水
    路を設けることにより前記境界線に沿う帯域の地下水位
    を下げ、波によって運ばれる砂を前記境界線帯域に堆積
    させる砂浜増殖方法において、 前記排水路として、少なくとも上面側に地下水流入孔が
    形成された排水管を埋設するとともに、この排水管に一
    端が連結しかつ他端が水域に開口した排水導管を埋設
    し、前記排水管または排水導管内部に水中ポンプを内設
    することにより、前記排水管に流入する地下水を水域に
    強制排水することを特徴とする砂浜増殖方法。
  3. 【請求項3】陸地側の地中に地下水位検出手段を設け、
    この地下水位検出手段により得られた水位信号に基づい
    て、前記請求項1記載の減圧化手段、水中ポンプまたは
    請求項2記載の水中ポンプの作動制御を行う砂浜増殖方
    法。
  4. 【請求項4】前記地下水位検出に基づき前記減圧化手段
    または水中ポンプの能力を段階的に変化させる請求項3
    記載の砂浜増殖方法。
JP24437095A 1995-09-22 1995-09-22 砂浜増殖方法 Pending JPH0988034A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100747609B1 (ko) * 2007-03-20 2007-08-08 (주)지오시스템리서치 항만매몰방지 및 침식지역 재매움 시스템 및 그 방법
JP2016050406A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 ヒロセ株式会社 砂浜浸食防止構造体
CN111307205A (zh) * 2020-02-10 2020-06-19 自然资源部第三海洋研究所 海滩滩面沉积物运动的测量装置及其测量方法

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