JPH0988035A - 砂浜増殖方法 - Google Patents

砂浜増殖方法

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JPH0988035A
JPH0988035A JP24437195A JP24437195A JPH0988035A JP H0988035 A JPH0988035 A JP H0988035A JP 24437195 A JP24437195 A JP 24437195A JP 24437195 A JP24437195 A JP 24437195A JP H0988035 A JPH0988035 A JP H0988035A
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drainage pipe
pipe
sand
drainage
water
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JP24437195A
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Shohei Senda
昌平 千田
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DOBOKU KENKYU CENTER
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DOBOKU KENKYU CENTER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価にかつ景観性を損なうことなく浸食された
砂浜地帯を元の原形に復旧することができるとともに、
その状態を恒久的に安定化させる。 【解決手段】水域と陸地との境界線帯域において、前記
境界線に実質的に沿って前記陸地表面上または水域地底
上に通水孔を有する排水管1を敷設した後、この排水管
1を覆うように砂を敷き均して前記排水管1を埋設状態
とし、前記排水管1内に流入する海水を除去することに
より波によって運ばれる砂を水際帯域に堆積させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波によって運ばれ
た来た砂を水際表面に堆積させることにより浸食された
砂浜地帯を元通りに修復するとともに、安定化させる砂
浜増殖方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海岸、湖沼などの砂浜地帯は、押し寄せ
る波によって砂浜表面にある砂は浮遊化状態となり、寄
せた波の引き波による砂の流失現象により、経年の後、
砂浜が徐々に減少する浸食現象が発生する。主に夏季に
発生する比較的長周期の波の場合には、波と波との間隔
があいており、押し寄せた波が砂浜中に浸透した後に次
の波が押し寄せるため、浸透する海水の量が多くなると
ともに引き波の量が減少し砂浜は増殖するが、特に冬季
に発生する比較的短周期の波の場合には、押し寄せた海
水が砂浜中に吸収される間もなく、次々に波が押し寄せ
てくるために、砂が飽和水状態となり、引き波によって
海側に持ち運ばれてしまうため徐々に砂が減少し砂浜が
浸食される。
【0003】従来より、海浜等の侵食を防止するための
海岸保全構造物(波浪制御構造物)として、海岸堤防、
海岸突堤、海岸護岸などが築造されているが、これらの
海岸構造物は、暴風時の高波や潮汐時の波の進入を防止
し、その波エネルギーを緩和するには有効であるもの
の、一旦浸食された海浜地帯に砂を堆積させて原形に復
旧することはできない。また、その構造形式、築堤態様
によっては、砂浜の浸食の原因となっている短周期の波
による浸食を防止するには、不十分であることも多い。
【0004】また、これらの海岸保全構造物は、いずれ
も海面上に突出して設けられるものであるため、景観性
を損なうという問題がある。特に、海浜公園、リゾート
海浜地帯等では景観性の点より、これらの海岸構造物を
築造することはできない場合も多い。そのため、景観を
考慮した浸食防止対策としては、海底に断面台形状の潜
堤を築造する方法や、立体ブロック、たとえばテトラポ
ッド(商標名)などを海底に積み重ねて潜堤を構築する
方法などが採用されている。
【0005】他方、近年まったく新しい原理の海浜増殖
方法が特公平7−78447号に提案されている。この
海浜増殖方法は、海岸の汀線付近に汀線に沿ってドレー
ンパイプを埋設し、地下水位を下げて、砂浜を不飽和状
態にすることによって、打ち寄せる波が運んでくる浮遊
砂を海岸に付着させて、砂浜を増殖または浸食を防止す
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記潜
堤による浸食防止方法の場合にも、海岸堤防、海岸突堤
などの海岸保全構造物と同様に、一旦浸食された海浜を
それ以上浸食されないようにすることはできるけれど
も、砂の移動を同時に止めることになるため、砂浜の増
殖をも阻害することになる。したがって、一旦浸食され
た海浜地帯に砂を堆積させて原形に復旧することはでき
ない。
【0007】また、前記築堤には大掛かりな工事を必要
とし、膨大な工事費を必要とするとともに、経年後には
ブロック自体の自重により沈下しまたは堆積する砂によ
り砂中に埋没するため、消波機能を失うことも多い。
【0008】他方、浸食された海浜地帯の復旧工事とし
て、他に効果的な方法がないこともあり、毎年人工的に
砂の補給が行われている。補給方法としては、沖の海底
から浚渫した砂を船により海浜域に運搬補給する方法
や、ダンプトラックにより運んだ砂を砂浜に投下するこ
とにより増殖させる方法が採られているが、砂浜全体を
増殖させるためには、砂の移送量が何千または何万m3
にも達するため、膨大な工事費が必要になるとともに、
冬季には再び荒い短周期の波によって砂浜が浸食される
ため、毎年砂を補給を行わなければならないなどの問題
があり、恒久的な解決方法が望まれている。
【0009】他方、前記特公平7−78447号に提案
される砂浜増殖方法の場合には、排水管を砂中に埋設布
設するために、埋設深さが深い場合には開削工法によ
り、埋設深さが深い場合には土留め板を用いながら溝状
に掘削する工程を必要とするため、施工に手間と時間が
要するとともに、工費も掛かる。また、ドレーンパイプ
内に流入した地下水を自然流下させるために、流路の末
端に必ず集水槽を必要とする、ドレーンパイプを一定勾
配の下で精度よく埋設しなければならないとともに、布
設延長が長い場合には前記勾配のため集水槽も深くしな
ければならず、集水槽の構築が大掛かりになる、などの
問題を有する。
【0010】そこで、本発明の主たる課題は、比較的簡
易な方法により安価にかつ景観性を損なうことなく、浸
食された砂浜地帯を元の原形に復旧することができると
ともに、その状態を恒久的に安定化させることができる
砂浜増殖方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、水域と陸地との境界線帯域において、前
記境界線に実質的に沿って前記陸地表面上または水域地
底上に通水孔を有する排水管を敷設した後、この排水管
を覆うように透水性粒系材料を敷き均して前記排水管を
埋設状態とし、前記排水管内に流入する海水を除去する
ことにより波によって運ばれる砂を水際帯域に堆積させ
るようにすることを特徴とするものである。
【0012】前記透水性粒系材料としては、陸地または
水域底に存在する砂を用いるのが施工性および堆積する
砂との均一性を保つ上で好適である。
【0013】一方、前記排水管内の海水の除去に関し、
減圧化手段または水中ポンプにより前記排水間内に流入
する地下水を強制排水することにより、排水効率の向上
を図ることができ、もって砂の堆積効率を増加させるこ
とができる。他の排水方法としては、前記排水管に一端
が連結しかつ他端が水域に開口した排水導管を埋設し、
前記排水管または排水導管内部に水中ポンプを内設する
ことにより、前記排水管に流入する地下水を水域に強制
排水することもできる。さらに、前記排水管の長手方向
に適宜の間隔で分岐枝管を設け、この分岐枝管の開口側
端部を前記水域に水没させた状態で前記排水管を敷設す
ることもできる。
【0014】他方、排水管の敷設に当り、前記排水管を
複数敷設した後、最陸側に位置する排水管を埋設対象と
してその上側に透水性粒系材料を敷き均し、当初は前記
排水管群の最陸側排水管より海水の除去を始め、砂の堆
積に伴う汀線移動に従って順次水域側に設置された排水
管へと排水管の切換えを行うことにより、汀線の移動に
伴う排水管の盛り換えを容易に行うことができる。
【0015】まず、本発明法に係る砂浜増殖方法の原理
を図4を参照しながら説明すると、図示のように、汀線
方向に沿って水際線周辺の現地盤G上に排水管1を敷設
した後、砂をその上に被せて覆砂集水ゾーンRを構成す
ると、波によって陸側に打ち寄せられた海水は前記排水
管1に迅速に集水されるため、周囲の水位が下がり地表
面側の砂層部分に不飽和層がすぐに形成される。この不
飽和層に遡上した海水は直ちに砂中に浸透するようにな
り、たとえ短周期で打ち寄せる波であっても引き波のエ
ネルギーが減少されるため、波と共に運ばれて来た砂が
砂浜の表面に定着され堆積することから汀線が徐々に海
側に移動する。
【0016】本発明においては、水際線周辺の現地盤G
上に排水管1を敷設した後、その上に砂を敷いて覆砂集
水ゾーンRを構成する。したがって、排水管を敷設する
ための掘削を実質的に無くすことができる。排水管埋設
のための掘削作業は、水際周辺の地下水位が地表直下に
あり、掘削した際の湧水量が多いため掘削溝の両脇部分
にたとえば1〜5mの間隔でウエルポイントを設置し地
下水位の低下を行いながら掘削作業を行わなければなら
なかったり、或いは止水用の簡易止水壁を建込みながら
掘削を行わなければならないなど施工上の制約を受ける
ことが多いが、本願発明の場合には、排水管を地盤上に
敷設した後、ショベルなどの専用重機若しくは手作業に
より周囲の砂を移設して排水管の上に敷き均すことでよ
いため、施工が非常に簡便で済むようになる。
【0017】一方、前記排水管内部を流入した海水を減
圧化手段、水中ポンプにより強制排水する場合には、排
水管内に流入した海水が効率良く抜き出されるととも
に、管内水の導流現象により排水管回りに存在する覆砂
の見掛け上の透水係数が高くなるため、砂浜に打ち寄せ
られた海水が効果的に浸透吸収されるようになり、もっ
て砂の堆積効率が向上する。また、排水管内部に水中ポ
ンプを設け前記排水管に流入する海水を水域に強制放流
する場合でもまったく同様の効果を奏し得る。
【0018】本配管布設態様の場合には、原則的には、
砂上に排水管を敷設するものであるため、砂浜地形によ
っては排水管内に流入した海水を自然流下させることが
困難となる場合もある。しかし、前記強制排水の排水態
様を採ることにより、高精度のレベル調整が不要となる
ため、前記問題が解消され、効果的に排水管内の海水を
排出できるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて詳述する。図1および図2に示されるよう
に、本発明においては、水域と陸地との境界線帯域にお
いて水域と砂地との境界線に実質的に沿う方向に、すな
わち水際線の方向に実質的に沿う方向に、通水孔を有す
る1または複数の排水管1、1…を敷設し、かつこの排
水管1の上側に砂等の透水性粒系材料を被せることによ
って排水管1、1…を埋設状態とし、前記排水管1に流
入する海水を順次排水する。
【0020】このようにして砂浜などの透水性地盤中に
排水路を設けると、図3に示されるように、砂浜に遡上
した海水が速やかに覆砂集水ゾーンRに浸透し、常に表
砂層部分が不飽和状態に維持される状態となる。そのた
め水際に繰り返し押し寄せる海水が、積極的に前記不飽
和状態の覆砂集水ゾーンRに浸透吸収されるようにな
り、波と一緒に運ばれてきた砂が還りのエネルギーを失
い表面上に順次堆積して図4に示されるように、増殖ゾ
ーンZが形成され、砂浜が次第に増殖して汀線位置が徐
々に海側に移動するようになる。
【0021】前記排水管1の設置位置(覆砂する前の敷
設位置)としては、水際線に対して近接した陸地表面上
または水域地底上のどちらでもよいが、覆砂した場合に
排水管位置が水際線に近接する位置となるように、好ま
しくは水域地底上とするのが望ましい。
【0022】また、覆砂した場合の地表面からの深さ
は、ある程度の集水エリアを広く確保するために、5〜
70cm、好ましくは10〜50cm程度とするのが望まし
い。特に、後述する排水管1内の海水を強制排水する場
合には、排水管1の周囲に真空化またはポンプ抜き出し
による吸引影響ゾーンを形成するために前記範囲よりも
多少深めに覆砂するのが望ましい。
【0023】なお、図3および図4は、本発明の理解の
ために1本の排水管を設置した例を採り上げ、その堆積
態様を図示したものであるが、排水量に応じて及び排水
設備能力との関係を考慮しながら、排水管1の埋設本数
が決定される。
【0024】いずれにしても、排水管1の埋設位置およ
び本数を決定するに当たっては、増殖対象となって砂浜
の透水性、押し寄せる波の波高、周期、強さ、さらに施
工期間、緊急性などの時間的要素、工費等の総合的に勘
案した上で、個々のケース毎に決定するのが好ましい。
【0025】他方、前記排水管1としては、たとえばポ
リ塩化ビニルなどの樹脂製管体、耐食処理鋼管など種々
の排水管を用いることができ、覆砂材料としては、陸地
または水域底に存在する砂を覆砂材料としてそのまま用
いるのが施工性および堆積する砂との均一性を保つ上で
好適であるが、他からダンプトラックにより移送した砂
や浚渫船によって揚砂した砂を覆砂材料として用いるこ
ともできる。要は、透水性が良好であって周辺環境に影
響がなくそのまま残置できるものであれば適宜選択され
たものを使用することができる。
【0026】次に、本砂浜増殖方法を全体システムの説
明とともに詳述すると、図1において、海岸に打ち寄せ
られた波からの海水は、砂中の汀線方向に沿って敷設さ
れた排水管1、1…に向かって浸透し、排水管1に形成
された通水孔より排水管1内に流入する。排水管1に対
しては排水導管2が連結され、この排水導管の端部に配
置された真空ポンプ3により、排水管1内に流入した海
水が引き抜かれ強制排水される。強制排水される海水
は、再び海へ戻すようにしてもよいし、また近接して建
設された水族館や海水プールに対して供給するようにし
てもよい。
【0027】前記排水管1による地下水の排水は、年間
を通じて連続的に行うこともできるし、また夏季の堆積
期間中は運転を停止し、冬季の浸食期間中だけ運転を行
うこともできる。また、後述する地下水位管理の下で自
動運転することもできる。
【0028】いずれにしても本増殖方法によれば、数カ
月間の運転により、図2に示されるように、排水管1の
敷設部分に亘り、数mから数十m、汀線が海側に移動
し、砂が堆積した増殖ゾーンZが現れる。汀線が海側に
移動すると、排水管埋設位置と汀線位置とが次第に離間
するため、排水効率が徐々に低下し、砂の堆積効率が減
少するが、その後、現在の汀線位置の安定を図りたいの
であれば、排水管1を埋設したままとして、その後浸食
が進行しない程度に連続的または断続的に排水運転を行
う。また、さらに汀線を海側に移動させたい場合には、
排水管1の盛換え作業を行う。すなわち、図4に破線で
示されるように、砂堆積後の水際線近傍位置に汀線方向
にそって新規に排水管1’を敷設するとともに、この排
水管1’の上側に砂を被せて覆う。そうすると、前記排
水管1’の周りに新たに不飽和ゾーンが形成されるよう
になり、波によって運ばれた砂が堆積し始める。この盛
換え作業を何度か繰り返すことにより所望の位置まで汀
線を海側に移動させることができる。なお、排水設備と
して機能しなくなった排水管1については必要であれば
撤去し、そのまま残置が許されるならばそのままの状態
として置くことも可能である。
【0029】上記汀線の移動に伴う排水管の盛換え態様
としては、図5に示されるように、予め当初より波打ち
際に排水管1Aを設置するとともに、これより海側方向
(汀線に対して直交する方向)に適宜の間隔を空けて排
水管1B〜1Eを並べて敷設しておき、先ず最初は最陸
側の排水管1Aを埋設対象として仮想線H1 のように人
工的に覆砂し、次いで砂の堆積が進行して地盤線がH2
〜H4 となるに従って排水管1Aから排水管1Bに、次
いで排水管1Bから排水管1Cというように順に排水管
の切換えを行って汀線移動に対して追随させることもで
きる(以下、この方法を排水管並設工法という)。各排
水管1A〜1Eの切換えは、たとえば図6に示されるよ
うに、各排水管1A〜1Eの端に開閉バルブ6、6…を
それぞれ設けて、この開閉バルブ6、6…の開閉操作に
よって使用する排水管を任意に選択できるようにしてお
き、排水管1A、1B…を順に開とし、排水ポンプ7に
より強制排水する。
【0030】本発明においては、前記排水管1による排
水効率を助長するために、排水管1内に流入した海水を
強制排水するのが望ましい。まず第1の方法としては、
図7(図1と同様)に示されるように、排水管1に対し
て排水導管2を接続して配設し、この排水導管2の端部
に真空ポンプ3を設けて強制排水する。また、第2例と
しては図8に示すように、地中に埋設される排水導管2
の中間部分に水中ポンプ4を設けることもできる。
【0031】さらに、図9に示す第3例のように、ウエ
ルポイント工法における排水システムをそのまま応用す
ることもできる。具体的には、排水管1に対して接続さ
れた排水導管12の端部に、中間にゲートバルブ13を
介してセパレータタンク14と接続し、さらにこのセパ
レータタンク14から分岐して一方をバキュームポンプ
へ接続するとともに、他方をモーター17を備えたヒュ
ーガルポンプ16に接続する。なお、15は真空度を測
定するバキュームゲージである。
【0032】他方、図10に示されるように、排水管1
に一端が接続し、かつ他端が水域に開口した排水導管2
を設け、この排水導管2の中間に水中ポンプ5を内設
し、地下水を直接水域に放流することでもよい。
【0033】かかる強制排水における作動制御に当たっ
ては、図11に示されるように、陸地側の地中に地下水
位検出手段30を設け、この地下水位検出手段30によ
り得られた水位信号に基づいて、前記真空ポンプ3、水
中ポンプ5等の作動制御を行うのが望ましい。
【0034】地下水位検出手段30としては、たとえば
図12に示されるように、地中にストレーナパイプ31
を貫入設置し、所定深さ位置にレベルスイッチ32A、
32Bを設けたものを使用することができる。前記レベ
ルスイッチ32A(32B)としては、フロート式、静
電容量式、超音波式等適宜の形式のものを使用すること
ができる。同図の例では、深さ方向の二箇所にレベルス
イッチを設け、上側レベルスイッチ32A位置に水位が
達したならば真空ポンプ、水中ポンプ等のポンプをオン
とし、下側レベルスイッチ32B位置を水位が下回った
ところでポンプをオフとするように制御している。この
ような制御態様を採ることにより、頻繁なオン・オフ動
作を避けることができる。また、前記地下水位検出手段
30の配設位置としては、排水管1からある程度離れた
所に設置するのが望ましい。これにより、ポンプ類の作
動制御に対する影響を鈍くすることができる。
【0035】また、前記地下水位検出に基づき前記ポン
プ類の能力を段階的に変化させることもできる。たとえ
ば、ポンプを二台設けるとともに、図13に示されるよ
うに、ストレーナパイプ31の深さ方向に3つのレベル
スイッチ33A〜33Cを設け、地下水位が最上位のレ
ベルスイッチ33Aを超えた場合には、二台のポンプを
同時に運転して、その後水位が下がり、中間のレベルス
イッチ33Bに達した段階で1台のみの運転に切換え、
最下位のレベルスイッチ33Cを下回った段階ですべて
のポンプの運転を停止する。再び水位が上昇したなら
ば、中間のレベルスイッチ33Bに達した段階で1台の
みの運転を行い、最上位のレベルスイッチ33Aを超え
た場合には二台のポンプを同時に運転する。なお、前記
台数制御に代えて、ポンプの回転数制御による能力変化
とすることでもよい。
【0036】ところで、前記排水管1における海水流入
部Nは、たとえば図14に示される構造とすることがで
きる。図示の例は、排水管1の長手方向に適宜の間隔
で、その上面側部分に比較的大きな断面円弧状の孔1a
を形成し、かつこの孔1a部分を多数の小さな透孔が形
成された透孔板20で覆い、さらにその上面に繊維また
はプラスチックなどからなる砂を透過させない細メッシ
ュの透過スクリーン21で被覆した場合である。なお、
図14は海水流入部構造の一例を示しただけで、本発明
範囲内で他のいかなる構造をも採用することができる。
たとえば図15に示されるように、排水管1上面の周壁
に対して海水流入孔1b、1b…を散在するように形成
し、かつ透過スクリーン40でその全体を覆うことでも
よい。なお、前記海水流入部Nは少なくとも排水管1の
上面部に形成されるが、排水管1自体が地下水位以下に
設けられるのであるから、下面側を含めた全周に形成し
ても何ら問題は生じない。
【0037】本発明法における砂浜増殖方法において
は、排水管1に流入した海水を強制排水するのが望まし
いが、自然排水を除外するものではない。たとえば、そ
の一例として排水管1内に流入した海水を水域に自然放
流することもできる(以下、この方法を海水直放流工法
という)。具体的には、図17に示されるように、長手
方向に適宜の間隔で分岐枝管8、8…を設けた排水管1
を用意し、これを図12に示されるように、この分岐枝
管8、8…の開口側端部8aを前記水域に水没させた状
態で設置することにより、排水管1内に流入した海水を
そのまま放流排水する。押し寄せる波の周期を考えれ
ば、波が陸側に遡上した後の引き波時に一旦海水位が低
下するため、この水位の低下に伴って排水管1内にある
海水は海側に抜き出されるため、排水管1の上部側砂地
部分に不飽和領域を作り出し浸透性を向上させるため、
波によって運ばれた砂を水際帯域に堆積させることがで
きる。
【0038】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、砂
浜上に排水管を置いてその上に砂等を被せて埋設状態と
するという比較的簡易な方法により、安価にかつ景観性
を損なうことなく、浸食された砂浜地帯を元の原形に復
旧することができ、その状態を恒久的に安定化させるこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砂浜増殖システムの全体概略図である。
【図2】その平面図である。
【図3】排水管埋敷設状態の横断面図である。
【図4】システム稼働後の砂堆積状態横断面図である。
【図5】排水管配設工法における排水管敷設状態横断面
図である。
【図6】排水管並設方法における平面配置状態図であ
る。
【図7】排水方法の第1例を示す要部縦断面図である。
【図8】排水方法の第2例を示す要部縦断面図である。
【図9】排水方法の第3例を示す要部縦断面図である。
【図10】排水方法の第4例を示す要部縦断面図であ
る。
【図11】地下水位管理による排水システム全体図であ
る。
【図12】地下水位検出手段の拡大縦断面図である。
【図13】他の地下水位検出手段の拡大縦断面図であ
る。
【図14】海水流入部の要部詳細図である。
【図15】他の海水流入部態様を示す拡大詳細図であ
る。
【図16】海水直放流工法における排水管敷設状態横断
面図である。
【図17】海水直放流工法に用いる排水管の部分斜視図
である。
【符号の説明】
1…排水管、1b…透水スリット、2…排水導管、3…
真空ポンプ、4・5…水中ポンプ、6…開閉バルブ、7
…排水ポンプ、8…分岐枝管、12…揚水管、13…ゲ
ートバルブ、14…セパレータタンク、16…ヒューガ
ルポンプ、17…モーター、20…透孔板、21…透過
スクリーン、30…地下水位検出手段、31…ストレー
ナパイプ、32A・32B・33A〜33C…レベルス
イッチ、N…海水流入部、R…覆砂集水ゾーン、Z…増
殖ゾーン、G…現地盤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水域と陸地との境界線帯域において、前記
    境界線に実質的に沿って前記陸地表面上または水域地底
    上に通水孔を有する排水管を敷設した後、この排水管を
    覆うように透水性粒系材料を敷き均して前記排水管を埋
    設状態とし、前記排水管内に流入する海水を除去するこ
    とにより波によって運ばれる砂を水際帯域に堆積させる
    ようにすることを特徴とする砂浜増殖方法。
  2. 【請求項2】前記透水性粒系材料が周囲に存在する砂で
    ある請求項1記載の砂浜増殖方法。
  3. 【請求項3】減圧化手段または水中ポンプにより前記排
    水間内に流入する地下水を強制排水する請求項1、2記
    載の砂浜増殖方法。
  4. 【請求項4】前記排水管に一端が連結しかつ他端が水域
    に開口した排水導管を埋設し、前記排水管または排水導
    管内部に水中ポンプを内設することにより、前記排水管
    に流入する地下水を水域に強制排水する請求項1、2記
    載の砂浜増殖方法。
  5. 【請求項5】前記排水管の長手方向に適宜の間隔で分岐
    枝管を設け、この分岐枝管の開口側端部を前記水域に水
    没させた状態で前記排水管を敷設する請求項1、2記載
    の砂浜増殖方法。
  6. 【請求項6】前記排水管を複数敷設した後、最陸側に位
    置する排水管を埋設対象としてその上側に透水性粒系材
    料を敷き均し、当初は前記排水管群の最陸側排水管より
    海水の除去を始め、砂の堆積に伴う汀線移動に従って順
    次水域側に設置された排水管へと排水管の切換えを行う
    請求項1〜5記載の砂浜増殖方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005180095A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Ashimori Ind Co Ltd 海浜からの水抜き方法及びその水抜き管
CN102367659A (zh) * 2011-11-29 2012-03-07 东营金川水土环境工程有限公司 防止河沟岸坡坍塌的工程方法

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