JP2652438B2 - 地下構造物構築方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明が属する技術分野） 本発明は地下構造物の構築方法に関する。

（発明の課題とその特徴点） 地下構造物の構築は、山留め工を施しながら地下を掘
削して行うのが一般的であるが、地下構造物が大型の場
合は山留め工の施工が厄介である。

本発明は、山留め工を必要としない新規の地下構造物
構築方法を提供することを目的としているものであっ
て、その構成上の特徴は特許請求の範囲に記載したとお
りである。

本発明の地下構造物構築方法は、その特徴とする構成
から明らかなように、地下構造物を縦横に分割してプレ
キャストブロック化し、これらプレキャストブロック
を、泥水で山留めしながら比較的大型の孔を掘削するこ
とができるリバース工法とPC鋼材によるブロックの一体
化工法とを利用して、地中において縦横に接続し一体化
するものであり、平面形状や寸法が任意な地下構造物を
山留め工を施工しないで構築することができる。

（図面による発明の具体的説明） 図面は平面形状が正方形の地下構造物を構築する場合
の一実施例の説明図であり、この図示の場合は、地下構
造物が垂直面により平面的に４つの部分I,II,III,IVに
分割され（第２図参照）、更にこれら各部分が水平面に
よりそれぞれ４分割されており、第１図には部分Ｉの４
つのプレキャストブロック（以下、単にブロックとい
う）1,2,3,4が示されている。

第２図において、5,6,7,8はリバース工法で掘削する
孔であり、これら孔にそれぞれ内接している部分I,II,I
II,IVの各境界面9,10,11,12はこれら孔の曲率と同じ曲
率の円弧面であり、部分I,II,III,IVを構成する各ブロ
ックの境界面9,10,11,12に沿った側面（第１図に示す部
分Ｉのブロック1,2,3,4で言えば、境界面9,10に沿った
側面13,14）には薄い止水壁が設けられている。

各ブロックの上下に構造床版を設けるか否かは任意で
あるが、設けない場合は各ブロックの上下にも止水壁が
設けられ、また、設ける場合はその一部に一時的に止水
壁で閉鎖した開口部が設けられる。

以上述べたブロックを用いて地下構造物を構築する場
合は、先ず、リバース工法で孔５を掘削し、泥水で満た
された孔５内に部分Ｉのブロック4,3,2,1を順次吊り下
げて第１図に示すように設置した後、予め各ブロックの
外壁部に設けた孔に挿通しておいたPC鋼材15,16,17を緊
張し、各ブロックを縦に一体的に連結して、地下構造物
の部分Ｉを構成し、次いで、同様に孔６を掘削して部分
IIを構成し、以下同様に部分III,IVを構成する。それか
ら、各部分の最上位のブロックの上方の止水壁を破って
内部に入り、最上位のブロツク間の止水壁を破って隣接
するブロックの外壁相互をPC鋼材で一体的に連結し、以
下、順次、下方のブロック間の横の連結を同様に行っ
て、最終的に第３図に示すような平面形状の地下構造物
Ａを完成させる。

なお、ブロクの横連結の一態様を示す第４図におい
て、18,19はブロック、20,21はPC鋼材である。

以上、本発明の模式的実施例について説明したが、本
発明がこの実施例に限定されないことは言うまでもな
い。

（発明の効果） 本発明は、以上のようなものであるから、地下構造物
を縦横に分割してプレキャストブロック化するととも
に、リバース工法とPC鋼材によるブロックの連結工法と
を巧みに利用して、平面形状や寸法が任意な地下構造物
を山留め工を必要としないで容易に構築することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の模式的実施例の説明図であって、第１図
は地下構造物の一部の構成態様を示す斜視図、第２図は
地下構造物の各部分の相互関係を示す平面図、第３図は
完成した地下構造物の平面図、第４図はブロックの横の
連結態様を示す拡大図である。 1,2,3,4:プレキャストブロック（ブロック）、5,6,7,8:
孔、15,16,17,20,21:PC鋼材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地下構造物を垂直面と水平面の双方で分割
   してプレキャストブロック化し、リバース工法で掘削し
   た孔内で平面的に同じ位置にある複数のプレキャストブ
   ロックをPC鋼材で縦に連結し一体化して地下構造物の一
   部を構成し、これを繰り返して地下構造物の残りの各部
   分を構成した後、隣接の部分相互をPC鋼材で横に連結し
   一体化することを特徴とする地下構造物構築方法。