JP2652206B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、フルカラー型液晶表示素子などに用いる
カラーフィルタの製造技術に関し、より詳しくは、カラ
ーフィルタの製造時における、フォトマスクと透明なガ
ラス等の基板との間の位置合わせ技術、特に、一枚のフ
ォトマスクを各色ごとに画素ピッチ分だけずらすことに
よって、たとえば赤、緑、青の3色のパターン群をパタ
ーニングする、いわゆるずらし焼きを行なう上で有効な
技術に関する。
(従来の技術) この種のカラーフィルタは、一般に、透明なガラス基
板の一面に、同一形状で、かつ同一ピッチで繰り返され
る、赤、緑、青の3色のパターン群と、各パターン群の
各パターン(画素)の境界領域を遮光する遮光パターン
とを有する。
従来、これらの3色のパターン群と遮光パターンと
は、多くの場合、フォトリソグラフィ技術によって形成
される。フォトリソグラフィ技術では、パターンあるい
はパターン群に応じた数だけフォトマスクが必要であ
り、カラーフィルタの製造のためには、通常4枚のフォ
トマスクが必要となる。
しかし、フォトマスクは、精密部品であるため、非常
に高価である。そこで、特開昭61−219901号の公開公報
では、3色のパターン群が同一形状で、かつ同一ピッチ
で繰り返されている点に着目し、一枚のフォトマスクを
各色ごとに画素ピッチ分だけずらした状態で焼付けある
いは露光を行なうことによって、フォトマスクの数を減
らすようにした技術、いわゆるずらし焼きの技術が提案
されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者は、こうしたずらし焼きの技術に興味を覚
え、種々検討した。
ずらし焼きの技術によって前記のようなカラーフィル
タを製造する場合、透明なガラス基板、あるいは3色の
パターン群をパターニングするためのフォトマスク、の
少なくともいずれか一方に各色に応じたアライメントマ
ークを形成しなければならない。
ガラス基板とフォトマスクとの位置合わせをより容易
にするためには、各色に応じた3個のアライメントマー
クをガラス基板およびフォトマスクの両方に設けるよう
にするのが良い。一般に、こうした位置合わせは、ま
ず、合わせるべき両アライメントマークが顕微鏡下、同
一の視野内に入る程度に大まかに合わせる粗合わせ工
程、ついで、それらの両アライメントマークが完全に一
致するように合わせる精密な合わせ工程、のように二段
階にわたって行なわれる。ガラス基板とフォトマスクと
の両方に各々3個のアライメントマークがあると、粗合
わせがしやすくなる。特に、自動位置合わせ装置を用い
るとき、そうした位置合わせの作業効率が顕著に向上す
る。
そこで、第5図(a)に示すように、遮光パターンの
形成材料によって、赤、緑、青用の十字型の各アライメ
ントマーク10R,10G,10B;10R′,10G′,10B′をガラス基
板12の上下2個所に各々設け、また、それに応じて、第
5図(b)に示すように、フォトマスク22にやはり十字
型の各アライメントマーク20R,20G,20B;20R′,20G′,20
B′を設けたとする。この場合、ガラス基板12上のアラ
イメントマーク同志の距離lはたとえば2000μm、ま
た、フォトマスク22上の距離l′は(l+画素ピッチ
分)、たとえば2150μmとする。
しかし、第6図に一つの色パターン群、たとえば緑の
パターン群をパターニングした後の状態を示すように、
最初の色画素の形成と同時に、他の色のアライメントマ
ーク20′が余分なマークとして残り、次色以後の位置合
わせ時にそれらが障害になることがある。この点、自動
位置合わせ装置を用いる上で大きな問題である。特に、
こうした問題は、一般に多用されるポジタイプのフォト
レジストを用いる場合に顕著である。
この発明は、以上の点を考慮してなされたものであ
り、コストの面で有利なずらし焼きの技術を有効に適用
することができる改良技術を提供することを目的とす
る。
(発明の概要) この発明では、各色の数に対応する3個のアライメン
トマークを、各色のパターン群がそれぞれ大きな光透過
性をもつ長波長域で大きな光吸収性をもつ材料によって
形成し、しかも、前記位置合わせをそうした特定の長波
長域の光を用いて行なうようにしている。
これにより、長波長域、たとえば700μm以上に大き
な感度を有するセンサーにとって、赤、緑、青の各パタ
ーン群は感知しようがなく、したがって、余分なアライ
メントマークに妨害されることなく、必要とするアライ
メントマーク同志の位置合わせを有効に行なうことがで
きる。
(実施例) 第1図は代表的なカラーフィルタの分光特性を示して
いる。図において、横軸が波長、縦軸が分光透過率を示
し、また、太い実線で描いた曲線rが赤の画素パターン
の特性、破線で描いた曲線gが緑の画素パターンの特
性、細い実線で描いた曲線bが青の画素パターンの特性
を各々示している。
これから分かるように、赤、緑、青の3色ともに、波
長が650nm以上から透過率が高くなり、700nm以上ではか
なり透明になる。これは、有機系の染料あるいは顔料を
着色材として用いた場合の一般的な傾向である。
これに対し、遮光パターンの形成時に同時に形成され
たアライメントマークは、遮光パターンと同一の材質で
あるが、その材料の中には、700nm以上の長波長域でも
光吸収性をもつものが多い。たとえば、クロムを代表と
した金属、あるいは無機系の着色材であるカーボンブラ
ックを含有するポリイミド、さらには、有機系のブラッ
ク染料と700nm以上に光吸収性をもつ均赤外吸収色素と
を含有したポリイミドなどである。
そこで、たとえば、700〜800nmの長波長域でアライメ
ントマークを観察すると、遮光パターンと同一材質のア
ライメントマークとフォトマスク上にあるアライメント
マークとはパターンとして認識されるが、色画素の形成
時に転写されたアライメントマーク(前記したアライメ
ントマーク20′)はパターンとして認識されない。この
発明は、この原理を利用することによって、前記したず
らした焼きを有効に行なう。
この発明は、基本的には、位置合わせ用の照明系ある
いは位置合わせのためのセンサーの少なくとも一方にお
いて、前記した長波長域を選択するようにすれば良い。
センサーとしては、シリコン系のイメージセンサーが好
適である。このセンサーは、第2図にその分光感度の一
例を示すように、700nm以上の長波長域に大きな感度を
もっている。
また、照明系は、長波長域での発光が充分なものを広
く選択することができる。一般には、光源としてハロゲ
ンランプのような白色光源を用い、さらに、コントラス
トを上げるために、途中に可視光をカットするフィルタ
を挿入する。
以上の考えに基づいて、前記第5図に示したガラス基
板12およびフォトマスク22を用い、自動位置合わせ露光
装置によって緑のパターン群を形成したところ、従来の
ような検出ミスを生じることなく、比較的に短時間で赤
および青の各パターン群を順次有効にパターニングする
ことができた。
なお、アライメントマークとしては、十字型のものの
ほか、第3図(a)および(b)に示すような山形の第
1のパターン30と第2のパターン32との組合わせ、ある
いは第4図(a)および(b)に示すような井げた型の
第1のパターン40と十字型の第2のパターン42との組合
わせなど種々のものを適用することができる。こうした
アライメントマークは、粗合わせを考慮して肉眼で視認
できるような大きさ、たとえば、マーク一つの大きさが
1〜2mm程度になるようにするのが好ましい。また、各
色に対応する各アライメントマークは、第5図に示した
ように、互いに独立に完全に離して形成することもでき
るし、あるいは、一方向に延びる部分を連続するように
設けることによって、全体としてあたかも一つのマーク
をなすかのように形成することもできる。
さらに、カラーフィルタの中には、遮光パターンがな
く、赤、緑、青の3色のパターン群のみによって構成さ
れるものがある。その場合、ガラス基板12側に設けるア
ライメントマークを、クロム等の金属によって形成する
こともできるが、第一色目の画素パターンの材料によっ
て形成するようにすることもできる。この場合は、一枚
あるいは2枚のフォトマスクのみで済む。ただ、後者の
方法では、第一色目の画素パターンの材料の中に、可視
域に光吸収性をもたないか、あるいは少なくとも第一色
目の色を損なわないような赤外線吸収剤を添加すること
を要する。添加すべき赤外線吸収剤としては、ベンゼン
ジチオールニッケル錯体やシアニン色素などの公知のも
のを利用することができる。
さらにまた、この発明は、n色(nは2以上の整数)
のカラーフィルタをずらし焼きの技術によって製造する
場合に広範に適用することができるのは勿論である。
(発明の効果) この発明によれば、各色の数に対応するアライメント
マークを、各色のパターン群がそれぞれ大きな光透過性
をもつ長波長域(たとえば、700〜800nm)で大きな光吸
収性をもつ材料によって形成し、しかも、位置合わせ自
体をそうした特定の長波長域の光を用いて行なうように
しているので、いわゆるずらし焼きを有効に行なうこと
ができ、カラーフィルタのコスト低減を図ることができ
る。特に、位置合わせのためのセンサーの交換など付属
的な部分の変更によって実施可能であり、在来の自動位
置合わせ装置にも容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カラーフィルタにおける分光特性を示す図、 第2図はこの発明で用いるイメージセンサーの分光感度
を示す一特性図、 第3図および第4図は、各々、アライメントマークの他
の例を示す図、 第5図は、ずらし焼きにおけるアライメントマークの配
置例を示す図、 第6図は、問題点を説明するための要部拡大図である。 10R,10G,10B;10R′,10G′,10B′……アライメントマー
ク(基板側)、12……ガラス基板、20R,20G,20B;20R′,
20G′,20B′……アライメントマーク(フォトマスク
側)、22……フォトマスク、30,40……第1のパター
ン、32,42……第2のパターン。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な基板の一面に、同一形状で、かつ同
    一ピッチで繰り返されるパターン群を複数の色について
    有するカラーフィルタを製造する方法であり、しかも、
    前記パターン群に対応するマスクパターンを含むフォト
    マスクを複数の色に対して共通に用いるものにおいて、
    前記透明な基板、あるいは各色のパターン群をパターニ
    ングするためのフォトマスク、の少なくともいずれか一
    方に各色に応じたアライメントマークを形成し、前記透
    明な基板とフォトマスクとを各色ごとに前記ピッチ分だ
    け相対的にずらすように位置合わせするに際し、前記各
    色に応じたアライメントマークを、各色のパターン群が
    それぞれ大きな光透過性をもつ長波長域で大きな光吸収
    性をもつ材料によって形成し、しかも、前記位置合わせ
    を前記の長波長域の光を用いて行なうことを特徴とす
    る、カラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】位置合わせ自動位置合わせ装置を用いて行
    なう、請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】カラーフィルタは、赤、緑、青の3色のパ
    ターン群のほか、各パターン群の各パターンの境界領域
    を遮光する遮光パターンを有する、請求項1に記載のカ
    ラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】各色に応じたアライメントマークは、透明
    な基板およびフォトマスクの両方にある、請求項1〜3
    のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】遮光パターンを形成した後、3色のパター
    ン群を順次形成し、しかも、遮光パターンの形成時に、
    その形成材料によって各色に応じたアライメントマーク
    をも形成する、請求項3に記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】長波長域の光は700nm以上の波長を有す
    る、請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】位置合わせを、700nm以上の透過光を用
    い、かつ700nm以上に大きな感度を有するセンサーを用
    いて行なう、請求項6に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
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