JP2650697B2 - 高純度金属クロムの製造方法 - Google Patents

高純度金属クロムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高純度金属クロムの製造方法に関し、特に
クロム含有鉱石からFe,Siなどの不純物含有量の極めて
少ない高純度の金属クロムをカルシウム水素化物で還元
することによって製造する方法であって、耐食・耐熱材
料(スーパーアロイ)や磁性材料,磁気記録材料,高弾
性材料,半導体材料などの素材として好適な高純度金属
クロムを有利に製造する技術についての提案である。
(従来の技術) 金属クロムの製造方法としては、Cr2(SO4の電
解、あるいはCr2O3のAlテルミット還元法などが知られ
ている。これら既知の方法によって得られた金属クロム
は、SやN,Oの他FeやSiなどの不純物含有量が高いた
め、高純度のものが要求される上記耐食・耐熱材料、磁
性材料などの用途には不向きであった。
すなわち、前記電解法は、Cr2(SO4を電解液とし
て使用するため、金属クロム中のSが200〜300ppmにも
なり、しかも水溶液電解ということもあって、O,Nも高
濃度に含有している。さらに、原料中に含まれるFe,Si
などの不純物がほとんど除去されず、そのまま金属クロ
ム中に残留する。
一方、テルミット法では、原料のCr2O3の調整のため
にH2SO4を使用するが、その反応時に原料中のSのほと
んどが金属クロム中に留まるために、上記電解法と同
様、Sを200〜400ppmを含有しており、また、N,Oあるい
はFe,Siなどの不純物も高濃度に含有する。しかも、耐
火物に起因する汚染やその他の不純物も混入する。
以上説明したように、既知の各方法で製造された金属
クロムは、いずれもS,N,Oが高く、また不純物たるFe,Si
などの元素を多く含有する。したがって、使途に適合す
る金属クロムを得るためには、これらの不純物元素が確
実に除去できる技術の開発が急務であった。
これに対して、従来、S,O,Nを除去する方法として、
真空炭素還元法や水素還元法などが提案され、金属クロ
ムの脱ガス処理を施すことが試みられた。
また、Fe,Siなどの不純物を除去する方法として、H2S
O4で溶解したCr含有水溶液(電解液)にアンモニウムを
加えてSiなどの不純物を除去し、さらにろ液中のFeを晶
析分離により除去し、次いで母液を熟成してアンモニウ
ムクロムミュウバンを沈澱させ、さらに水溶液中のFeを
酸化した後、抽出剤で抽出し、その後この精製した電解
液を用いて電解して高純度金属クロムを得る方法が提案
されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記従来技術のうち、S,O,Nを除去するために採用し
た真空中あるいは水素雰囲気で加熱する各方法は、S,N,
Oのほとんどを除去することができるものの、半導体の
ようなS10ppm以下のものが要求されるような場合の
金属クロムを得るまでには至っていないし、Fe,Siなど
の不純物を除去することができないという問題点があっ
た。
また、Fe,Siなどの不純物を除去するために電解液を
予め精製して電解する方法は、不純物を除去することは
できるが、非常に煩雑な処理工程を必要とする問題点が
あった。
要するに、従来技術が抱えている上述の如き解決を必
要とする課題の克服こそ本発明が目指すところの目標で
ある。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成する課題解決の手段として採用した
本発明は、 基本的には、クロム酸化物粉にカルシウム水素化物粉
を混合し、次いでその混合物を水素雰囲気中で加熱反応
させることによって、所望の金属クロムを製造する方法
である。
上述の基本的な方法に対し、まずクロム酸化物粉と金
属カルシウム粉とを混合し、その混合物を水素雰囲気中
の反応炉内に供給し、第1段階として200〜300℃に加熱
することによってカルシウム水素化物を生成させ、引続
き昇温して700〜1200℃の温度に保持して金属クロム粉
を生成させ、次いで不純物であるカルシウム酸化物を酸
で抽出して除去する方法も本発明方法である。
(作 用) 本発明製造方法の下で使用するクロム酸化物とカルシ
ウム水素化物とは、粉末状のものをよく混合して用い
る。その理由は、第1にクロム酸化物と金属カルシウム
またはカルシウム水素化物の接触を良くし、反応性を高
めて還元率を向上させるためであり、第2に金属クロム
を上掲の用途に適用するときに粉末の形態で提供するこ
とが望ましいためである。そのうちクロム酸化物につい
ては、Cr2O3,CrO3などの形態のものが使用できるが、Cr
O3などの6価クロムは還元のためにカルシウム水素化物
を多量に必要とするので、Cr2O3などの3価クロムの形
態のものが好ましい。
さて、本発明者らの研究によると、クロム酸化物とカ
ルシウム水素化物とは、下記のように反応することが判
った。
Cr2O3+3CaH2→2Cr+3CaO+3H2↑ 上記反応式は、700〜1150℃の温度で起こり、Cr2O3
CaH2によって還元され金属クロムとなる。一方、CaH2
Cr2O3に含有される酸素によって酸化されCaOとなる。
次に、本発明において上記反応を水素雰囲気中で行わ
せる理由は、カルシウム水素化物の場合、約1100℃以上
で1気圧となるような水素解離圧力をもつので、該カル
シウム水素化物を安定に保持しかつCr2O3との反応を安
定して行わせるには当該雰囲気が有効だからである。な
お、カルシウム水素化物は、上記反応式の理論当量より
多く混合することが好ましい。
本発明で使用する上記カルシウム水素化物は、金属カ
ルシウム粉で代用することができる。すなわち、クロム
酸化物粉と金属カルシウム粉を予め混合して反応炉に装
入し、この反応炉中の雰囲気を水素雰囲気とし、まず徐
々に昇温して200〜300℃の温度に所定時間保持すれば、
実質的にクロム酸化物とカルシウム水素化物の混合物を
得ることができるからである。このような場合は、クロ
ム酸化物とカルシウム水素化物は混合された状態にあ
り、引き続き昇温して700〜1200℃の温度で反応させて
も前述の方法と同じ金属クロム粉を得ることができる。
ただし、クロム酸化物とカルシウム水素化物の混合物を
得る際の昇温条件によっては固化することがあるが、こ
のような場合は一旦反応炉より取り出して粉砕・混合し
たのち、再び反応炉に装入すればよい。
以上のような反応により得られる生成物は、高純度の
金属クロムとカルシウム酸化物および過剰に装入したカ
ルシウム水素化物との混合物である。そこで本発明にお
いては、カルシウム酸化物およびカルシウム水素化物を
常法の手段により除去する。すなわち、カルシウム酸化
物は溶解度が大きいので、該生成物中のクロムを溶解す
ることなくカルシウム酸化物のみを溶解することができ
るような酸,例えば酢酸に浸漬することにより、カルシ
ウム酸化物のみを溶解除去する。
ここで、溶解に先立ち、上記混合物を加湿空気中にさ
らして風化させることは、カルシウム水素化物を分解し
てカルシウム酸化物とすることができるので好ましい方
法である。
(実施例) 酸化クロム粉(粒径2〜15μm、Fe8ppm,Si<2ppm)3
0gとカルシウム水素化物(粒径1〜5mm)との混合物
を、振動ミルで粉砕混合し、反応炉に装入した。つい
で、反応炉を6×10-5Torrまで排気して減圧し、排気後
水素を大気圧と等しくなるまで導入した。
次に、反応炉の温度を500℃/hrの速度で昇温したとこ
ろ、約750℃から水素が炉外に放出し始めた。1000℃ま
で昇温した後、2時間そのままの温度に保持し、水素の
放出が終った時点で反応が終了したものとみなして電源
を切って放冷した。室温まで冷却したのち、反応炉から
反応生成物を取り出し、約24時間温湿空気中にさらし、
ついで反応生成物を酢酸(1+5)水溶液に浸漬して上
澄み液のみをすてる操作(デカンテーション)を3回繰
返したのち、濾過,洗浄して金属クロム粉20.2g(平均
粒径12μm)を得た。
得られた金属クロムの分析値を表−1に示す。
なお、比較のために従来技術に掲げた電解法,テルミ
ット法についての結果を併せて示す。
この表−1から判るように、本発明法により得た金属
クロムは、N,S,Oについては脱ガス処理を施したものと
ほぼ同程度の値を示し、またFe,Siについては、本発明
方法による処理により極めて低い値となっていた。
(発明の効果) 以上説明した本発明方法は、従来の電解法やAlテルミ
ット法で得られた金属クロムのように脱ガス処理を施す
までもなく、N,O,Sの低いものを得ることができる。さ
らに、Fe,Sjなどの不純物含有量も極めて少ない高純度
金属クロムを低コストで製造することができる。
また、金属クロムは純度が高いほど粉砕が難しく、粉
砕時に不純物が混入することがあるが、本発明方法によ
れば、高純度の金属クロムを微粉で直接得ることがで
き、耐熱合金磁性材料,磁気記録材料,高弾性材料,半
導体やスパッタリング素材などの分野における原料とし
てそのまま提供することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム酸化物粉とカルシウム水素化物粉を
    混合し、その混合物を水素雰囲気中で加熱反応させ、そ
    の後金属クロムを分離することを特徴とする高純度金属
    クロムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属クロムの分離は、カルシウム酸化
    物を酸で抽出することにより行う特許請求の範囲第1項
    に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】クロム酸化物粉に金属カルシウム粉を水素
    雰囲気中に供給して200〜300℃の温度に加熱し、得られ
    たクロム酸化物とカルシウム水素化物との混合粉を、引
    続き同じ水素雰囲気中において700〜1200℃の温度にて
    加熱反応させ、その後金属クロムを分離することを特徴
    とする高純度金属クロムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記金属クロムの分離は、カルシウム酸化
    物を酸で抽出することにより行う特許請求の範囲第3項
    に記載の製造方法。
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JPS6247435A (ja) * 1985-08-26 1987-03-02 Toyo Soda Mfg Co Ltd 金属クロムの精製法

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