JP2649759B2 - 印刷回路板に取り付ける電気コネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気コネクタに係り、特
に印刷回路板に印刷された回路へメモリーカードのよう
な電気デバイスを電気的に接続する印刷回路板の表面に
取り付ける直角ヘッダーコネクタに係るものである。

【０００２】

【従来技術】主電気ユニットのような電気回路へＩＣパ
ックの半導体回路を相互接続するためＩＣパックやメモ
リーカードと一緒にヘッダーコネクタを使用する。ＩＣ
パックをヘッダーコネクタに挿入し、そして必要なとき
それから取り出す。

【０００３】このようなヘッダーコネクタは印刷回路板
の表面に取り付けられるような形にすることがしばしば
である。電気コネクタの絶縁ハウジングの前方嵌め合わ
せ面から多数のコンタクトのコンタクト部が突出してＩ
Ｃパックのコンタクトと相互接続する。絶縁ハウジング
の底取り付け面で印刷回路板に電気コネクタを取り付
け、絶縁ハウジングの後方終端面からコンタクトの終端
部が突出していて印刷回路板の回路部分へ接続するよう
になっている。例えば、終端部のコンタクトパッドは回
路部分へ半田付けするための部分である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のヘッダーコネク
タについてコンタクトの終端部の区域で種々の問題が生
じる。すなわち、絶縁ハウジングの貫通路の形のコンタ
クト通路にコンタクトを固定するのが普通である。普
通、水平に２行となっているコンタクト通路とコンタク
トとは垂直の列となって、列毎に少なくとも一対のコン
タクト通路とコンタクトとがある。コンタクトの終端部
は絶縁ハウジングの後方終端面から絶縁ハウジングから
異なる距離と異なる角度で突出し、印刷回路板の回路部
分へ半田付けするようになっている。これらの回路部分
は印刷回路板の表面上で異なる列となっている。通常こ
れは全終端長を異ならせ、それ故、コンタクトの導電路
に沿う信号速度が変わる。信号伝播のこのような変化は
高速電気装置における隣接端子間の漏話を生じることと
なる。それぞれのコンタクトがどの行になっているかと
は関係なく、終端部のすべてについて十分な柔軟性を与
えるということでも問題がある。表面装着コネクタにつ
いては、すべてのコンタクトの終端部の垂直方向の柔軟
性もしくは屈曲モーメントを等しくすれば終端部の同一
面性は最適となる。コンタクト挿入中絶縁ハウジングの
後方終端面とぶつかることなく、絶縁ハウジングの外側
に、終端部に表面をつくるには問題がある。更に、印刷
回路板の終端状態を視覚観察するには上に説明したヘッ
ダコネクタには問題がある。

【０００５】本発明は上述のヘッダコネクタの問題を解
消することに関する。

【０００６】本発明の目的は、ＩＣパックもしくはメモ
リーカードと印刷回路板を相互接続するためのヘッダコ
ネクタのような、印刷回路板の面に取り付ける新規な改
良された電気コネクタを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本文に説明するように、
本発明の特徴は印刷回路板の面に装着する底面を有する
絶縁ハウジングを含む電気コネクタにある。絶縁ハウジ
ングは前方嵌め合わせ面と後方終端面とを有する。多数
のコンタクト通路は絶縁ハウジング内にあって、前方嵌
め合わせ面と後方終端面との間に延びており、上下の行
のコンタクト通路と、垂直の列のコンタクト通路を形成
し、少なくとも一対のコンタクト通路を縦列に有してい
る。多数のコンタクトがこれらのコンタクト通路内に固
定され、コンタクトのコンタクト部は前方嵌め合わせ面
から突出し、ＩＣパックもしくはメモリーカードの嵌め
合わせコンタクトと相互接続する。コンタクトの終端部
は絶縁ハウジングの後方終端面から突出して取り付け面
側へ延びて、半田付けなどによって印刷回路板上の回路
部分へ接続される。

【０００８】本発明の特徴によれば、下行のコンタクト
の終端部は印刷回路板の方へ向かって印刷回路板との間
で第１の角度をなしていて、後方終端面から所与の距離
離れている回路部分へ接続するようになっている。上行
のコンタクトの終端部の印刷回路板となす角度は上記第
１の角度より大きく、下行のコンタクトより後方終端面
へ近い回路部分へ接続するようになっている。列内でコ
ンタクトがぶつからないようにするため各コンタクトの
終端部は別個の垂直面で後方終端面から突出しなければ
ならない。それ故、上下の行の終端部は相互に食い違っ
ている。

【０００９】本発明においては、下行のコンタクトの終
端部はコンタクトの列の面内で絶縁ハウジングの後方終
端面から突出している。同じ垂直面内で上下の行のコン
タクトの終端部は後方終端面から突出し、その垂直面か
ら相互に反対に食い違っている。

【００１０】コンタクトの上下行の終端部の相対的な角
度と位置とによってすべてのコンタクトの全長は同じと
なれる。このことは、電気コネクタ内のコンタクトの密
度と電気信号の速度とが増大する場合重要である。もし
コンタクトの電路長が変わると、信号の伝播は不均一と
なり、隣接コンタクト間に漏話が生じる。本発明では全
長を一定にしているので高速信号の電路長は等しく、漏
話は最小となる。

【００１１】上行のコンタクトの終端部が印刷回路板と
なす角度が下行のコンタクトの終端部が印刷回路板とな
す角度より大きいため上行のコンタクトの終端部の相対
的な柔軟性は下行の終端部の相対的な柔軟性より小さく
なる。

【００１２】本発明の別の特徴によれば、絶縁ハウジン
グはコンタクト通路の長さを、上の行と下の行で変化さ
せてその後方終端面に段付ぎ形状を有し、その後方終端
面からコンタクトの上行の終端部が突出している。これ
が上行の終端部の垂直柔軟性を高め、そして２行のコン
タクトの柔軟性を実質的に等しくし、終端部の同一面性
を改善する。

【００１３】

【実施例】添付図を参照する。先ず図１と図２とを参照
すると、ヘッダコネクタ１０として実施した本発明の実
施例はプラスチックなどの絶縁材料から一体にモールド
した絶縁ハウジング１２を含んでいる。この絶縁ハウジ
ング１２は多数のコンタクト１４を高密度に取り付けて
おり、これらはコンタクト部１６と終端部１８とを含ん
でいる。コンタクト部１６はこの方面の分野でよく知ら
れているＩＣパックもしくはメモリーカード（図示せ
ず）のコンタクトソケットに挿入するようになってい
る。半田づけや以下に説明するようにして印刷回路板上
の回路へ終端部１８を接続するようにしている。

【００１４】絶縁ハウジング１２の一対のアーム２０は
メモリーカードを嵌め合わせ状態に案内し、この状態で
メモリーカードの縁は横方向ののリセプタクル２５（図
１）に挿入され、メモリーカードのコンタクトソケット
に挿入したコンタクト１４のコンタクト部１６とメモリ
ーカードのコンタクトソケットは嵌め合わされる。

【００１５】更に、絶縁ハウジング１２は前の嵌め合わ
せ面２４（図１）、後方終端面２６（図２）そして底の
取り付け面２８を有する。取り付け面２８は印刷回路板
の面に取り付け、そして絶縁ハウジング１２を印刷回路
板へ取り付ける手段が講じられている。すなわち、絶縁
ハウジング１２の複数の−体の取り付けペグ３０は取り
付け面２８から突出して、印刷回路板の適当な取り付け
孔に挿入するようになっている。更に、絶縁ハウジング
１２のアーム２０の垂直貫通スロット３２にロッキング
クリップを挿入して絶縁ハウジング１２を印刷回路板へ
ロックする。添付図においてロッキングクリップの二股
のロッキング脚３４は垂直貫通スロット３２に揃って取
り付け面２８から突出して見える。

【００１６】図２に最もよく現われているように、絶縁
ハウジング１２の多数のコンタクト通路３６、３８は前
方嵌め合わせ面２４と後方終端面２６との間に延びてい
る。コンタクト通路３６、３８は上の行（通路３６）と
下の行（通路３８）とを形成しており、上と下の各行か
ら一本づつ取った一対のコンタクト通路３６、３８が多
数の横断列となっている。すなわち、上の行からの一本
のコンタクト通路３６とその下の行からの−本のコンタ
クト通路３８とは同じ垂直面内にある。従ってコンタク
ト１４のコンタクト部１６の垂直対は絶縁ハウジング１
２とその中のリセプタクル２５を横切って垂直対となっ
て配列されている。

【００１７】図３を参照する。図１を参照して説明した
コンタクト１４の上のコンタクトを１４ａで、そして下
のコンタクトを１４ｂでそれぞれ示す。これらのコンタ
クト部１６は上のコンタクト通路３６と下のコンタクト
通路３８に挿入するようになっている。上のコンタクト
１４ａは終端部１８ａを有し、そして下のコンタクト１
４ｂは終端部１８ｂを有している。各終端部１８ａ、１
８ｂの遠い端４０は印刷回路板４４上のコンタクトパッ
ド４２ａ、４２ｂに係合する接触区域を形成している
（図３）。更に、各コンタクト１４ａ、１４ｂのあご部
分４６はコンタクト通路３６、３８内にコンタクト１４
ａ、１４ｂをしっかり座らせる。このことは図３の右側
の切除部分に示される２対のコンタクト１４ａ、１４ｂ
によって理解されよう。

【００１８】上に説明したように、各垂直対のコンタク
ト通路３６、３８と垂直対のコンタクト１４ａ、１４ｂ
のコンタクト部１６の各対応垂直対とは一つの垂直面内
に配列されている。図３に最もよく示されているよう
に、上のコンタクト１４ａの終端部１８ａと下のコンタ
クト１４ｂの終端部１８ｂとは各垂直面の両側に配置さ
れている。すなわち、図３の任意の一対のコンタクト１
４ａ、１４ｂを取って見れば、上のコンタクト１４ａの
終端部１８ａは垂直面の右側にあり、下のコンタクト１
４ｂの終端部１８ｂは垂直面の左側にある。終端部１８
ａ、１８ｂのこの食い違いにより印刷回路板４４の回路
部の食い違い配列されたコンタクトパッド４２ａ、４２
ｂへコンタクト１４ａ、１４ｂの遠い端４０を接続させ
る。更に、コンタクト１４ａ、１４ｂの終端部１８ａ、
１８ｂを食い違いにすることにより各コンタクト１４
ａ、１４ｂはコンタクト１４ａについては横肩もしくは
横面４８ａを有し、コンタクト１４ｂについては横肩も
しくは横面４８ｂを有するようになる。これらの横肩も
しくは横面４８ａ、４８ｂはコンタクト１４ａ、１４ｂ
をそれぞれのコンタクト通路３６に押し込む適当な手段
となっている。更に、図３の２対の挿入されたコンタク
ト１４ａ、１４ｂから分かるように、下のコンタクト１
４ｂの終端部１８ｂは印刷回路板４４となす角度が比較
的小さい第１の角度で印刷回路板４４の方に向かって形
成されており、絶縁ハウジング１２の後方終端面２６か
ら所与の距離離してコンタクトパッド４２ｂに接続する
ようになっている。上のコンタクト１４ａの終端部１８
ａは下のコンタクト１４ｂが印刷回路板４４となす角度
より大きい角度で印刷回路板４４の方に向かって形成さ
れており、コンタクト１４ｂの終端部１８ｂより後方終
端面２６に近いコンタクトパッド４２ａに接続するよう
になっている。

【００１９】コンタクト１４ａ、１４ｂの上行と下行の
終端部の相対角度と位置とによってすべてのコンタクト
１４ａ、１４ｂの全長は同じとなる。このことは、ヘッ
ダコネクタ１０内のコンタクト１４の密度と電気信号の
速度との両方が増大する場合重要である。もしコンタク
ト１４の電路長が変わると、信号の伝播が不均一とな
り、隣接コンタクト間で漏話が生じる。本発明では全長
が一定であるので高速電気信号の電路長は等しい長さと
なり、それ故漏話は最小となる。

【００２０】しかしながら、印刷回路板４４に上行のコ
ンタクト１４ａの終端部１８ａが接触する角度のため上
行のコンタクト１４ａの終端部１８ａの柔軟性は下行の
コンタクト１４ｂの終端部１８ｂの柔軟性より小さい。

【００２１】これまでは、絶縁ハウジング１２の近くの
回路部分に係合するために後方終端面２６に対して、比
較的小さい角度で形成されたコンタクト１４の終端部１
８に十分な弾性を持たせることは困難であった。その為
これらのコンタクト１４の終端部１８の柔軟性は、絶縁
ハウジング１２から遠い回路部分に係合するコンタクト
１４よりも小さかった。コンタクト１４の遠い端４０の
同一面性を最適化するためコンタクト１４の柔軟性、即
ち上行のコンタクト１４ａの柔軟住を下行のそれらと等
しくすべきである。本発明はこの問題を解決する手段と
して、小さい角度のコンタクト１４の垂直方向の柔軟性
を増大させるに効果のある絶縁ハウジング１２の後方終
端面２６を段付きとしている。

【００２２】すなわち、図３と図５に見られるように、
絶縁ハウジング１２の後方終端面２６の区域５０は上行
のコンタクト通路３６の長さを下行のコンタクト通路３
８の長さより短くすることによって、段５２が形成され
る。凹所とされていて上行のコンタクト通路３６の開口
部分は下行のコンタクト通路３８の開口部分から内側
（前方嵌め合わせ面２４側）に離れている。絶縁ハウジ
ング１２の形をこのようにすることにより、上行のコン
タクト１４ａの絶縁ハウジング１２から外へ突出してい
る部分は長くなって、上行のコンタクト１４ａの終端部
１８ａの垂直柔軟性を大きくし、上行のコンタクト１４
ａの柔軟性を効果的に増大する。更に、絶縁ハウジング
１２の段付ぎ形状は上行のコンタクト１４ａの横面４８
ａの周りにスペースを空けて絶縁ハウジング１２のコン
タクト通路３６にコンタクト１４ａを挿入するのに使う
挿入具を受け入れる。更に、下のコンタクト通路３８に
対して、上のコンタクト通路３６の周りで絶縁ハウジン
グ１２に段５２による凹所をつけることにより後方終端
面２６に沿って開いた区域がつくられ、印刷回路板４４
上のコンタクトパッド４２ａと上のコンタクト１４ａの
終端部１８ａの間の相互接続をよく見れるようになり、
それにより相互接続の観察が容易となった。

【００２３】図４は、上のコンタクト１４ａに対する下
のコンタクト１４ｂの別の構成を示している。すなわ
ち、図４で５６で示している下のコンタクトはコンタク
ト部１６、遠い端４０そして終端部５８を含み、これら
の終端部５８は上と下のコンタクト１４ａ、５６の対の
コンタクト部１６と同じ面内にある。本質的には、上の
コンタクト１４ａだけが図に示す食い違い終端部１８ａ
を有している。この構成は、食い違いとなっているかも
知れないコンタクトパッド４２ｃ、４２ｄを受け入れ、
終端部１８ａだけコンタクト部１６の垂直面に対して食
い違いとなっており、終端部５８は垂直面内にある。

【００２４】

【効果】以上詳述した如く、コンタクト端子の全長が一
定であるので、高速電気信号の電路長は等しい長さとな
り、それ故漏話は最小となる。又、上の行のコンタクト
と下の行のコンタクトの柔軟性が実質的に等しくでき、
印刷回路板に接続される終端部の遠い端の部分の同一面
性を向上し、最適化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の電気コネクタの嵌め合わせ面
から見た斜視図である。

【図２】同じく実施例の電気コネクタの後方の終端面か
ら見た斜視図である。

【図３】図２で見た電気コネクタの左部分の拡大斜視図
であり、コンタクトのあるものはまさに挿入されようと
しており、他のコンタクトは絶縁ハウジングに挿入さ
れ、印刷回路板の回路部分へ取り付けられている。

【図４】印刷回路板の回路部分へ表面実装された、本発
明の別の実施例の複数のコンタクトの略図である。

【図５】後方終端面の段付き形状を示す本発明の実施例
の電気コネクタの縦断面図である。

【符号の説明】

１０ ヘッダコネクタ １２ 絶縁ハウジング １４ コンタクト １６ コンタクト部 １８ 終端部 ２４ 嵌め合わせ面 ２６ 後方終端面 ２８ 取り付け面 ３０ 取り付けペグ ３２ 垂直貫通スロット ３４ ロッキング脚 ３６ 上の行のコンタクト通路 ３８ 下の行のコンタクト通路 ４０ コンタクトの遠い端 ４６ あご部分 ５６ 下のコンタクト ５８ 終端部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底の取付面２８、前方嵌め合わせ面２
   ４、そして後方終端面２６を有する絶縁ハウジング１２
   と、 絶縁ハウジング１２内にあって、前方嵌め合わせ面２４
   と後方終端面２６との間に延びており、上下の行のコン
   タクト通路と垂直の列のコンタクト通路とを形成し、各
   列に少なくとも一対のコンタクト通路３６、３８がある
   ようになった複数のコンタクト通路３６、３８と、 これらのコンタクト通路３６、３８内に固定される多数
   のコンタクト１４を含み、そして、 各コンタクト１４は前記の前方嵌め合わせ面２４から突
   出しているコンタクト部１６と、前記の後方終端面２６
   から突出して取付面２８側へ延びて印刷回路板４４の回
   路部分４２ａ、４２ｂへ接続できる終端部１８、５８を
   含み、上行のコンタクト１４の終端部１８と印刷回路板
   ４４のなす角度を、下行のコンタクト１４の終端部１８
   と印刷回路板４４のなす角度より大きくした、印刷回路
   板の表面に装着する直角電気コネクタ１０において、 上の行のコンタクト通路３６を下の行のコンタクト通路
   ３８より短くして、後方終端面２６のコンタクト通路３
   ６の開口部分に段５２が形成されて、上の行のコンタク
   ト１４の終端部１８の柔軟性と下の行のコンタクト１４
   の終端部１８、５８の柔軟性が実質的に等しくしてある
   と共に、上行と下行のコンタクト１４の全長は実質的に
   等しく、それによって前記コンタクト１４のそれぞれを
   通る電気信号は同じ時間に同じ距離を進み、それによっ
   て隣接コンタクト１４間の漏話をなくしたことを特徴と
   した電気コネクタ。
2. 【請求項２】 下行のコンタクト１４の終端部１８は、
   それぞれのコンタクト１４の列の面の一側に対して食い
   違っており、そして上行のコンタクト１４の終端部１８
   はそれぞれの列の面の反対側に対して食い違って絶縁ハ
   ウジング１２の後方終端面２６から突出している請求項
   １に記載の電気コネクタ。