JP2649695B2 - 静電像現像剤 - Google Patents

静電像現像剤

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JP2649695B2 JP63126676A JP12667688A JP2649695B2 JP 2649695 B2 JP2649695 B2 JP 2649695B2 JP 63126676 A JP63126676 A JP 63126676A JP 12667688 A JP12667688 A JP 12667688A JP 2649695 B2 JP2649695 B2 JP 2649695B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真複写に関し、更にその現像剤に関す
る。
(従来技術) 従来においては、トナーを構成するバインダ樹脂とし
て特開昭50−87032号等に開示されているように、融点
が45〜150℃の少なくとも1つの結晶性重合体部分を、
ガラス転移点が0℃以下の非晶質重合体部分に化学的に
連結してなる重合体を用いる技術、或いは特開昭59−34
46号に開示されているように、融点が45〜90℃の結晶質
ブロックおよびガラス転移点が前記結晶質ブロックの融
点より少なくとも10℃高い非晶質ブロックを分子中に含
有し、前記結晶質ブロックの含有量が70〜95wt%である
熱可塑性重合体を用いる技術が提案されている。
また、特開昭56−154740号にはエチレン、プロピレン
および酢酸ビニルから選ばれる1種または2種以上の単
量体から成る結晶性重合体とビニル重合体の1種または
2種以上から成る無定形重合体とからなるグラフト共重
合体を含有するトナーが開示され、更に特開昭57−8549
号にはエチレン、プロピレンおよび酢酸ビニルから選ば
れる少なくとも1種の単量体から成る結晶性幹重合体部
分と不飽和ポリエステル幹重合体部分とビニル系枝重合
体部分とから成るグラフト共重合体を含有するトナーが
開示されている。
更にクロロホルム不溶分が5〜25wt%のポリエステル
をバインダ樹脂として含有してなるトナー粒子と、負帯
電性シリカ微粒子よりなる無機微粒子と、弗素樹脂被覆
キャリアとにより構成された静電像現像剤(特開昭60−
176052号)、或はクロロホルム不溶分が5〜25wt%のポ
リエステルをバインダ樹脂として含有してなるトナー粒
子と、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、窒素含有シ
リカ微粒子等よりなる正帯電性の無機微粒子と、弗素樹
脂被覆キャリアとにより構成された静電像現像剤(特開
昭62−229158号)等が知られている。
しかしながら、前記特開昭50−87032号に開示された
トナーは、軟質な結晶性重合体部分と、ガラス転移点が
0℃以下の粘着性かつ軟質である非晶質重合体部分とが
化学的に結合された共重合体によって構成されたトナー
であるため、常温においても、現像器中等でブロッキン
グ現象を起し、また摩擦帯電性および流動性が悪く現象
性の悪化を招き、得られる画像はかぶりの多い不鮮明な
画質のものとなる。またトナーの軟質が災して、多数回
の複写によってキャリア粒子や感光体表面へトナーが付
着するフィルミング現象が発生し、更に、クリーニング
ブレード等のクリーニング部材へも融着し、得られる画
像はかぶりが多く、濃度の低い不鮮明なものとなる。ま
た軟質であることは、常温での粉砕に際して粉砕機中で
の塊状化、粉砕の困難を生じ、所望の粒径のトナーが得
られず、生産性の悪化とコスト高を招く。さらにその粘
着性のため、オイルを塗布しない熱ローラ定着器におい
ては、オフセット現象が発生しやすい。
また特開昭59−3446号に開示された技術においては、
ガラス転移点が100℃以上と高い非晶質ブロックを用い
るので、低温での鎔融性を満たす方法として結晶質ブロ
ックを70〜95重量%と多量に使用する必要があり、この
ため常温で塑性変形性を有する軟質な結晶質ブロックの
性質がトナーに反映されることとなる。即ち、軟質結晶
質ブロックのため摩擦帯電性および流動性、現像性が不
良となり、画像はかぶりの多い不鮮明なものとなる。ま
た、多数回に亘る複写に於ては、フィルミング現象が発
生し、更に摩擦帯電性不良を亢進し、クリーニングブレ
ード等のクリーニング部材へ融着累積し、益々画像はか
ぶりが多く濃度の低い不鮮明なものとなる。更にオイル
を多量に塗布しない熱ローラ定着器のような短時間での
加熱による定着方法においては、上記非晶質ブロックの
高ガラス転移点に起因して定着下限温度が高くなると共
に、多量に混和された結晶質ブロックによってオフセッ
ト現象が発生し易い。
更にまた、特開昭56−154740号及び同57−8549号に開
示されたトナーは流動性が悪く、トナーとキャリアとの
均一混合分散が困難で、結局トナーに十分な摩擦帯電性
および良好な現像性がなく、画像ぬけ等が発生して画像
は不鮮明となる。更にトナーの流動性不良は多数回に亘
る複写において現像剤の不均一性を累進し、著しい画質
劣化を呼ぶ。
また、クロロホルム不溶分に着目して負帯電性のシリ
カ微粒子、負帯電性の強い弗素系樹脂被覆キャリアを組
合せ用いる技術に於ても、トナー粒子の摩擦帯電性の立
上がりが悪く、複写回数の増大につれて現像部でトナー
飛散が生じ、帯電電極、転写電極、分離電極等を汚染
し、画像不良が生ずる。更にトナー飛散量が多くなる
と、転写材の先端裏面がトナーで汚れる「裏面汚れ」が
発生する。
また、バインダとして用いるポリエステルは脆性が大
きく、現像器内で撹拌等の機械的な外力を受けてトナー
粒子が破壊され微粉が発生し、この微粉はキャリア粒子
の表面に付着してトナーとキャリアとの摩擦帯電性を不
安定にする。
またクロロホルム不溶分に着目し正帯電性の無機微粒
子を用いる技術では、トナー粒子の摩擦帯電性の立上が
りが良好となりトナー飛散は軽減されるが、複写回数が
増大するにつれ、現像器内撹拌等の機械的な外力をうけ
てトナー粒子が破砕され、生じた微粉はキャリア粒子の
表面に付着してトナーとキャリアとの摩擦帯電性を不安
定とし、その結果トナー粒子の摩擦帯電量の低下、摩擦
帯電の立上がりの悪化に起因するトナー飛散、かぶり発
生等の画質不良を招く。
前記したような多くの技術努力によってそれなりの効
果は挙げて来たが、未だ満足すべきレベルには到らず、
更に続いて結晶性ポリエステルと、化学的に結合する数
平均分子量Mnと重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが3.5以上で
ある無定形ビニル重合体(特開昭63−27855号)もしく
は分子量分布に2つ以上のピークを有する無定形ビニル
重合体(特開昭63−27856号)とのブロックもしくはグ
ラフト共重合体をバインダの主成分として含むトナーが
提案された。該2つの提案については更に機能向上の可
能性が認められる。
(発明の目的) 本発明の目的は、前述の状況に照し、帯電立上がり速
度、流動性、低温定着性、耐オフセット性に問題を有せ
ず、正電荷安定性、高耐久性及び耐ブロッキング性のよ
い正帯電性静電現像剤を提供することにある。
(発明の構成) 前記した本発明の目的は、結晶性ポリエステルと、数
平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比Mw/Mnが3.5以上
であるイオン架橋された無定形ビニル重合体とのブロッ
ク共重合体またはグラフト共重合体を含むトナーと、ア
ンモニウム塩を官能基として有するポリシロキサン(以
後ポリキシロキサンアンモニウム塩を称す)により処理
された無機微粒子とを含有してなることを特徴とする静
電像現像剤によって達成される。
更に本発明に於ては、前記イオン架橋された無定形ビ
ニル重合体と結晶性ポリエステルとのブロック共重合ま
たはグラフト共重合に関与する官能基は、カルボキシル
基、水酸基、アミノ基またはエポキシ基から選ばれた少
なくとも1つであることが好ましい。
更に前記イオン架橋された無定形ビニル重合体は、ビ
ニル重合体の有するカルボキシル基に多価金属化合物が
反応してイオン架橋結合が形成されたものである。
また前記イオン架橋される無定形ビニル重合体は分子
量分布に於て少なくも2つの極大値を有することが好ま
しい。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明の要件を備えたトナーは、結晶性ポリエステル
成分による低温定着性および溶融時の良好な漏れ性が得
られると共に、それ自体も低温定着性に寄与するイオン
架橋無定形ビニル重合体成分による耐オフセット性が発
揮され、静電像による可視画像の形成において、耐オフ
セット性および低温定着性が良好で広い定着可能温度範
囲が得られ、また耐ブロッキング性、流動性が良好であ
り、複写耐用性が良好となる。
前記結晶性ポリエステルとブロックまたはグラフト共
重合に関与するカルボキシル基、水酸基、アミノ基また
はエポキシ基を有する無定形ビニル重合体を与える単量
体としては、例えばアクリル酸、β,β−ジメチルアク
リル酸、α−エチルアクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、フタル酸モノアクリロイルオキ
シエチルエステル、琥珀酸モノアクリロイルオキシエチ
ルエステル、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、p−アミノスチレン、グリシジルメタ
クリレート、その他を挙げることができる。このような
官能基を有する単量体は、無定形ビニル重合体を得るた
めの単量体組成物中に、0.1〜20モル%、好ましくは0.5
〜10モル%の範囲内で用いられる。
斯かる官能基を有する単量体成分を含有するものであ
れば、無定形ビニル重合体の主体部分を構成するビニル
重合体としては特に制限されるものではなく、ポリスチ
レン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニ
トリル、その他を挙げることができる。なかでも、スチ
レン系単量体、アクリル酸系単量体、メタクリル酸系単
量体から選択される少なくとも1種を用いて得られるビ
ニル重合体であることが好ましい。特に、カルボキシル
基を有するビニル重合体のカルボキシル基に多価金属化
合物が反応してイオン架橋結合が形成されていることが
好ましい。斯かるカルボキシル基を有するビニル重合体
は、上記単量体のほかに、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸およびこれらの誘導体から選択される単量体を必須
成分として用いて重合すればよい。
例えば水酸基を有するアクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステルまたはこれらの誘導体と、ジカルボ
ン酸化合物とのエステル化反応によって得られる構造の
半エステル化合物を好ましいものとして挙げることがで
きる。斯かる半エステル化合物によれば、主鎖構成に影
響の少ない位置にカルボキシル基が導入されているの
で、化学構造の立体障害が小さくカルボキシル基と多価
金属化合物との反応が効率よく進行し、良好な架橋構造
のイオン架橋無定形ビニル重合体を得ることができる。
上記ビニル重合体を得るためのスチレン系単量体とし
ては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−ブチルスチレン、p−ヘキシ
ルスチレン、p−オクチルスチレン、p−ノニルスチレ
ン、p−デシルスチレン、p−ドデシルスチレン、p−
メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロル
スチレン、3,4−ジクロルスチレン等を挙げることがで
きる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、あるい
は複数のものを組合わせて用いてもよい。
上記ビニル重合体を得るためのアクリル酸エステルも
しくはメタクリル酸エステルとしては、例えばアクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸ドデジル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル等のアクリル酸エステ
ル類;例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エ
ステル類;等を挙げることができる。
前記半エステル化合物を形成するカルボキシル基を有
する化合物としては、例えばマロン酸、琥珀酸、グルタ
ル酸等の脂肪族ジカルボン酸化合物、例えばフタル酸等
の芳香族ジカルボン酸化合物等を挙げることができる。
これらの化合物と、水酸基を有するアクリル酸エステル
もしくはメタクリル酸エステルまたはこれらの誘導体と
をエステル化反応させることにより半エステル化合物を
得ることができる。上記ジカルボン酸化合物はハロゲン
族元素、低級アルキル基、アルコキシ基等によって水素
原子が置換されていてもよく、また酸無水物であっても
よい。
水酸基を有するアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘
導体としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸にエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレン
オキサイドを1モルまたは2モル以上付加せしめたもの
でもよく、あるいはアクリル酸もしくはメタクリル酸プ
ロピレングリコール等の2価アルコールをエステル化反
応させたヒドロキシアルキルエステルであってもよい。
好ましい半エステル化合物としては、例えば琥珀酸モ
ノアクリロイルオキシエチルエステル、琥珀酸モノアク
リロイルオキシプロピルエステル、グルタル酸モノアク
リロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノアクリロ
イルオキシエチルエステル、フタル酸モノアクリロイル
オキシプロピルエステル、琥珀酸モノメタアクリロイル
オキシエチレステル、琥珀酸モノメタアクリロイルオキ
シプロピルエステル、グルタル酸モノメタアクリロイル
オキシエチルエステル、フタル酸モノメタアクリロイル
オキシエチルエステル、フタル酸モノメタアクリロイル
オキシプロピルエステル等を挙げることができる。
カルボキシル基を有するビニル重合体のカルボキシル
基と反応させる多価金属化合物の金属元素としては、例
えばCu,Ag,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,Ti,Ge,Sn,V,Cr,M
o,Mn,Fe,Ni,Co,Zr,Se等を挙げることができる。これら
の中でもアルカリ土類金属(Be,Mg,Ca,Sr,Ba)および亜
鉛族元素(Zn,Cd)が好ましく、特にMgおよびZnが好ま
しい。
これらの金属を含む多価金属化合物としては、例え
ば、上記金属元素の弗化物、塩化物、塩素酸塩、臭化
物、沃化物、酸化物、水酸化物、硫化物、亜硫酸塩、硫
酸塩、セレン化物、テルル化物、窒化物、硝酸塩、燐化
物、ホスフィン酸塩、燐酸塩、炭酸塩、オルト珪酸塩、
酢酸塩、蓚酸塩、メチル化合物もしくはエチル化合物等
の低級アルキル金属化合物等を挙げることができ、特に
上記金属元素の酢酸塩、或は酸化物が好ましい。
多価金属化合物の添加量は、カルボキシル基を有する
ビニル重合体を構成する単量体の種類およびその量によ
り相違するので一概に規定することはできないが、例え
ばビニル重合体の1モルに対して、0.1〜1モル程度で
ある。
カルボキシル基を有するビニル重合体にカルボキシル
基を介してイオン架橋するには、例えば溶液重合法によ
り重合して得られたカルボキシル基を有するビニル重合
体を含有する溶液に、前記多価金属化合物もしくはその
分散溶液を混合し、昇温して約1〜3時間にわたり脱溶
剤処理を行い、反応系内の温度が150〜180℃程度に達し
た状態で1時間以上この温度に維持して反応を完結させ
るのがよい。また場合によっては、カルボキシル基を有
するビニル重合体の重合を開始する前に多価金属化合物
を溶剤と共に反応系内に存在させてもよく、あるいは上
記脱溶剤処理を行って得られたカルボキシル基を有する
ビニル重合体と多価金属化合物とをロールミル、ニー
ダ、押出機等により鎔融混練することにより反応させて
もよい。
このようにしてカルボキシル基を有するビニル重合体
た多価金属化合物とが反応して得られるイオン架橋無定
形ビニル重合体は、このイオン結合による一種の架橋構
造が形成されたものとなる。このイオン結合は、共有結
合に比して遥かに緩かな結合である。
また、低温定着性、耐オフセット性のより一層の向上
を図る観点から、無定形ビニル重合体は、分子量分布に
おいて少なくとも2つ以上の極大値を有することが好ま
しい。即ち少なくとも低分子量成分と高分子量成分の2
群に分けられる分子量分布を有し、かつゲル・パーミュ
エーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定され
た分子量分曲線において、少なくとも1つの極大値が2
×103〜2×104の範囲内にあり、少なくとも1つの極大
値が1×105〜1×106の範囲内にあるような、少なくと
も2つの極大値を有することが好ましい。
上記高分子量成分により無定形ビニル重合体は一層強
靭なものとなり、キャリアとの摩擦あるいは現像器内で
の撹拌等の機械的な外力によるトナー粒子の破壊が防止
され、フィルミング現象の原因となる微粉等の発生が抑
制される。なお、上記無定形ビニル重合体中の高分子量
成分の割合は、15wt%以上であることが好ましく、特に
15〜50wt%が好ましい。
無定形ビニル重合体が、イオン架橋無定形ビニル重合
体であり、かつ上記の如く高分子量成分と低分子量成分
とにより構成される場合には、多価金属化合物と反応す
るカルボキシル基は少なくとも低分子量成分に導入され
ていることが好ましい。すなわち、キャリアとの摩擦あ
るいは現像器内での撹拌等の機械的外力によって生ずる
トナー粒子の破壊は、主としてトナー粒子中における低
分子量の比較的もろい成分に起因するため、このような
低分子量成分をイオン架橋して強靭なものとしてトナー
粒子に耐破壊性を与えることが好ましい。
また、無定形ビニル重合体において、重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnの値が3.5以上であること
が必要であり、特に4〜40が好ましい。比Mw/Mnが過小
のときには、十分な耐オフセット性および耐久性が得ら
れない。ここで、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量
Mnの値は、種々の方法により求めることができ、測定方
法の相違によって若干の差異があるが、本発明において
は下記の測定方法によって求めたものである。
すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラ
フィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量M
w、数平均分子量Mn、ピーク分子量を測定する。温度40
℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2ml
の流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試
料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量が数種の
単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線
の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含
される測定条件を選択する。なお、測定結果の信頼性
は、上述の測定条件で測定したNBS706ポリスチレン標準
試料(重量平均分子量Mw=28.8×104,数平均分子量Mn=
13.7×104,Mw/Mn=2.11)の比Mw/Mnの値が2.11±0.10と
なることにより確認する。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足
するものであるならばいかなるカラムを採用してもよ
い。具体的には、例えばTSK−GEL、GMH(東洋曹達社
製)等を用いることができる。なお、溶媒および測定温
度は、上記条件に限定されるものではなく、適宜他の条
件に変更してもよい。
無定形ビニル重合体として、既述のように分子量分布
曲線において少なくとも2つの極大値を有するものを好
ましく用いることができるが、このようなビニル重合体
を得る方法としては特に限定されない。例えば高分子量
成分もしくは低分子量成分のいずれか一方を得るための
第1段目の重合を行い、これにより得られた一方の成分
を、他方の成分を得るための単量体組成物中に溶解させ
て第2段目の重合を行い、これにより他方の成分を生成
させることにより、結果として分子量分布曲線において
少なくとも2つの極大値を有する重合体を得ることがで
きる。このような2段重合により得られる重合体は、低
分子量成分と高分子量成分とが、分子レベルで均一に混
合してなるものと推定される。この2段重合は、例えば
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法により行
うことができるが、特に溶液重合法が好ましい。
また、分子量分布曲線において少なくとも2つの極大
値を有する重合体は、低分子量の重合体成分と、高分子
量の重合体成分とを混合することによっても得ることが
できるが、混合により得られる重合体は、分子レベルに
おいては、均一に混合されていない場合があるので、上
記2段重合によるのが好ましい。
また、低温定着性、耐オフセット性、耐久性の点か
ら、無定形ビニル重合体のガラス転移点Tgは、50〜100
℃が好ましく、特に50〜85℃が好ましい。ここで、ガラ
ス転移点Tgとは、示差走査熱量測定法(DSC)に基いて
測定された値であり、具体的に例えば「DSC−20」(セ
イコー電子工業社製)を用い、昇温速度10℃/minで測定
した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線と
ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での
最大傾斜を示す接線との交点の温度をいう。
以上のイオン架橋無定形ビニル重合体とブロック共重
合体またはグラフト共重合体を形成する結晶性ポリエス
テルは特に限定されるものではないが、特にポリアルキ
レンポリエステルが好ましい。斯かるポリアルキレンポ
リエステルの具体例としては、例えばポリエチレンセバ
ケート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンスベレ
ート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレン−p−
(カルボフエノキシ)ウンデカエート、ポリヘキサメチ
レンオクザレート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポ
リヘキサメチレンデカンジオエート、ポリオクタメチレ
ンドデカンジオエート、ポリノナメチレンアゼレート、
ポリデカンメチレンアジベート、ポリデカメチレンアゼ
レート、ポリデカメチレンオクザレート、ポリデカメチ
レンセバケート、ポリデカメチレンサクシネート、ポリ
デカメチレンドデカンジオエート、ポリデカメチレンオ
クタデカンジオエート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、ポリトリメチレンドデカンジオエート、ポリトリメ
チレンオクタデカンジオエート、ポリトリメチレンオク
ザレート、ポリヘキサメチレン−デカメチレン−セバケ
ート、ポリオキシデカメチレン−2−メチル−1.3−プ
ロパン−ドデカンジオエート、その他を挙げることがで
きる。
以上の如きポリアルキレンポリエステル類を用いるこ
とにより、トナーの低温定着性が有効に得られるように
なり、またその流動性を良好にすることができる。
前記結晶性ポリエステルは、その融点Tmが50〜120
℃、特に50〜100℃の範囲であることが好ましい。用い
る結晶性ポリエステルの融点Tmが50℃未満の場合には得
られるトナーの耐ブロッキング性が不良となり、また12
0℃を超える場合にはトナーの低温における鎔融流動性
が低下して定着性が悪くなるおそれがある。なお、結晶
性ポリエステルの融点Tmは、無定形ビニル重合体と結合
されていない状態における結晶性ポリエステルの融点を
意味する。この結晶性ポリエステルは、その重量平均分
子量Mwが5×103〜5×104、数平均分子量Mnが2×103
〜2×104であることが好ましい。分子量がこの範囲に
ある場合には、トナーの耐オフセット性およびトナーの
製造における粉砕効率が更に良好となる。
以上の結晶性ポリエステルの使用割合は、無定形ヒニ
ル重合体とのブロック重合体またはグラフト共重合体に
おいて3〜50wt%、好ましくは5〜40wt%である。この
割合が3wt%未満の場合には、得られるトナーは定着下
限温度が高くなり、また50wt%を超える場合には、定着
時における鎔融弾性率が小さく耐オフセット性が悪くな
る。
前記結晶性ポリエステルと無定形ビニル重合体は、互
いに相溶性であっても非相溶性であってもよいが、トナ
ーの粉砕性、耐ブロッキング性等の観点から非相溶性で
あることが好ましい。ここに「非相溶性」とは、両者の
化学構造が同一または類似しあるいは官能基の作用によ
り両者が十分に分散する性質のないことをいい、溶解性
パラメータ例えば、フェドースの方法によるS.P.値(R.
F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,(2)147(1974))の
差が0.5より大きいものである。
本発明に係るトナーにおいては、以上の結晶性ポリエ
ステルと無定形ビニル重合体との共重合体を、少なくと
も30wt%以上、更に50〜100wt%の範囲で含有されるこ
とが好ましい。
本発明における結晶性ポリエステルの融点Tmの値は示
差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「DSC−20」
(セイコー電子工業社製)によって測定でき、測定条件
は、試料約10mgを一定の昇温速度10℃/minで加熱したと
きの融解ピーク値を融点とする。
前記結晶性ポリエステルとイオン架橋無定形ビニル重
合体を化学的に連結してなる共重合体を得るためには、
例えば各重合体に存在する末端官能基間のカップリング
反応により頭−尾様式で互いに直接に結合させることが
できる。あるいは、各重合体の末端官能基と二官能性カ
ップリング剤によって係合することができ、例えば、末
端基がヒドロキシル基である重合体とジイソシアネート
との反応により形成されるウレタン結合または末端基が
ヒドロキシル基である重合体とジカルボン酸との反応ま
たは末端基がカルボキシル基である重合体とグリコール
との反応により形成されるエステル結合または末端基が
ヒドロキシル基である重合体とホスゲン、ジクロルジメ
チルシランとの反応により形成される結合等によって結
合することができる。
前記カップリング剤の具体例としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネートなどの二官能
性イソシアネート;エチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、フェニレンジアミンなどの二官能性アミン;
蓚酸、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸などの二官能性カルボン酸;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、p−キシリレングリコールなどの二官能
性アルコール;テレフタル酸クロリド、イソフタル酸ク
ロリド、アジピン酸クロリド、セバシン酸クロリドなど
の二官能性酸塩化物;ジイソチオシアナート、ビスケテ
ン、ビスカルボジイミドなどの他の二官能性カップリン
グ剤等を挙げることができる。
カップリング剤は、結晶性ポリエステルとイオン架橋
無定形ビニル重合体との総重量に対して1〜10wt%、好
ましくは2〜7wt%の割合で使用すればよい。10wt%を
超えると、得られる共重合体が高分子量化しすぎるため
にその軟化点が高くなり、これによるトナーは低温定着
性が劣る。また、1wt%未満の場合は共重合体の分子量
が小さいためにトナーの耐オフセット性、耐フィルミン
グ性、耐久性が損なわれる傾向がある。
更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の無機微粒子
を混合して用いる。このような無機微粉末としては例え
ば、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バ
リウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、珪砂、クレー、雲
母、珪灰石、珪藻土、酸化クロム、酸化セリウム、ベン
ガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化珪素、窒化珪素などが挙げられるが、シリカ微
粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ微粉末はSi−O−Si結合を有する微
粉末であり、乾式法および湿式法で製造されたもののい
ずれも含まれる。また、無水二酸化珪素の他、珪酸アル
ミニウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸マグネ
シウム、珪酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85wt%
以上含むものが好ましい。
これらシリカ微粉末の具体例としては種々の市販のシ
リカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好まし
く、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−81
2(以上アエロジル社製)、タラックス500(タルコ社
製)等を挙げることができる。
更に本発明に於てはこれら無機微粒子は前記のポリシ
ロキサンアンモニウム塩で処理されて実用に供される。
無機微粒子の表面をポリシロキサンアンモニウム塩で
処理する方法としては、公知の技術を用いることがで
き、具体的には、例えばポリシロキサンアンモニウム塩
を溶解した溶液中に、無機微粒子を分散した後、濾別も
しくはスプレィドライ法により溶剤を除去し、次いで加
熱により乾燥および硬化せしめる方法、あるいは流動化
ベッド装置を用いて、ポリシロキサンアンモニウム塩を
溶剤に溶解した溶液をスプレィし無機微粒子を被覆し、
次いで加熱乾燥させることにより溶剤を除去して皮膜を
形成させる方法等を用いることができる。
このようにして得られる特定の無機微粒子の粒径は、
その1次粒子の平均粒径が、3mμ〜2μm、特に5mμ〜
500mμの範囲内のものであることが好ましい。また、BE
T法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好まし
い。平均粒径が過小若しくは比表面積が過大のときに
は、例えばブレード方式のクリーニング装置を用いてク
リーニングする際に無機微粒子がすり抜けやすくなりク
リーニング不良が発生する場合がある。一方、平均粒径
が過大もしくは比表面積が過小のときには、現像剤の流
動性が低下して帯電性が不安定となり、その結果、耐久
性が低下する場合がある。
前記特定の無機微粒子を用いて現像剤を構成する場合
には、前記特定の無機微粒子がトナーの粒子粉末に外部
から添加混合されることによりトナー粒子の表面に付着
された状態で含有され、これにさらにキャリア等が混合
される。
前記特定の無機微粒子の含有割合は、トナーの0.1〜5
wt%であることが好ましく、特に0.1〜2wt%であること
が好ましい。特定の無機微粒子の含有割合が過小のとき
には、現像剤の流動性が低下する場合があり、その結果
トナーの摩擦帯電性が不良となってトナーに適正な帯電
量の正電荷を付与することが困難となり、かぶりを発生
する場合がある。また、含有割合が過大のときには、特
定の無機微粒子の一部がトナー粒子から遊離した状態で
存在する場合があり、その結果遊離した特定の無機微粒
子がキャリア粒子に付着転移したり、あるいは現像器の
内壁、現像スリーブ、規制ブレード等に付着堆積し、結
局早期にトナーの摩擦帯電性が不良となってトナーに適
正な帯電量の正電荷を付与することが困難となり、かぶ
り、画像濃度の低下が発生する場合がある。
このような本発明に係るポリシロキサンアンモニウム
塩で表面が処理された無機微粒子によれば、正帯電性の
優れた無機微粒子となり、しかも耐湿性および耐久性が
優れていて環境条件に左右されない安定した正の摩擦帯
電性を有する無機微粒子となる。
本発明に係る無機微粒子に用いられるポリシロキサン
アンモニウム塩としては、正帯電性が高く、クリーニン
グ不良を発生しにくいアンモニウム塩基を有するジメチ
ルポリシロキサンであることが好ましい。アンモニウム
塩基を有するジメチルポリシロキサンとしては一般に下
記(A)式で表される構成単位を含むジメチルシロキサ
ンであり、例えば(B)式の構造式で表される。
(A)式 ここで、R1は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、又は を表し、R2は結合基(例えば、アルキレン基、アリーレ
ン基、アラルキレン基、−NH−、−NHCO−、あるいはこ
れらの基を任意に組み合せた基等が挙げられる。)、又
は単なる結合手段を表し、R3、R4及びR5はそれぞれ水素
原子、アルキル基又はアリール基を表し、Xはハロゲン
原子を表す。R1〜R5で表される各基は置換基を有するも
のも含まれる。
(B)式 ここで、R6及びR7はそれぞれ水素原子、ヒドロキシ
基、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を有し、
これらの基は置換基を有するものも含まれる。R1〜R5
Xは前記(A)式におけるR1〜R5、Xと同義である。
m、nはそれぞれ1以上の整数を表す。
またポリシロキサン連鎖中ではジメチルシロキサン構
造単位及び前記(A)式で表される構造単位は互に構造
単位或は連鎖として入組んでもよい。
また、 としては具体的には下記構造式で示されるものが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るポリシロキサンアンモニウム塩を得る方
法としては、アンモニウム塩を官能基として有するオル
ガノハロゲン化シランと特にアンモニウム塩基を有して
いないオルガノハロゲン化シランを用いて重合段階で共
重合せしめることにより導入する方法、オルガノハロゲ
ン化シランを用いた重合により得たポリシロキサンにア
ンモニウム塩を官能基として有する有機基により一部を
変性する方法等によって得ることができる。ここでオル
ガノハロゲン化シランの代わりにオルガノアルコキシシ
ランを用いてもよい。また、一部の化合物については市
販品として入手することもできる。これらの化合物は単
独で用いてもよいし、複数のものを組合せて用いてもよ
い。
本発明静電像現像用トナーは、以上のような特定の共
重合体よりなるバインダ樹脂中に着色剤を含有して成る
ものであるが、さらに必要に応じて樹脂中に磁性体、特
性改良剤を含有してもよい。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニ
グロシン染料(C.I.No504158)、アニリンブルー(C.I.
No50405)、カルコオイルブルー(C.I.Noazoic Blue
3)、クロムイェロー(C.I.No14090)、ウルトラマリン
ブルー(C.I.No77103)、デュポンオイルレッド(C.I.N
o26105)、キノリンイェロー(C.I.No47005)、メチレ
ンブルークロライド(C.I.No52015)、フタロシアニン
ブルー(C.I.No74160)、マラカイトグリーンオクザレ
ート(C.I.No42000)、ランプブラック(C.I.No7726
6)、ローズベンガル(C.I.No45435)、これらの混合物
などを用いることができる。着色剤の使用量は、バイン
ダ樹脂100重量部に対して通常0.1〜20重量部であり、特
に0.5〜10重量部が好ましい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始
めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属若しくは合金またはこれらの元素を含む化合物、ある
いは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことに
よって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−
銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと
銅とを含むホイスラ合金と呼ばれる種類の合金、または
二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒
色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり
着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好
ましく用いることができる。またはカラートナーを得る
場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないもの
が好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤とし
ての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤と
して兼用してもよい。これらの磁性体は、例えば平均粒
径が0.05〜1μmの微粉末が形で樹脂中に均一に分散さ
れる。そしてその含有量は、磁性トナーとする場合には
バインダ樹脂100重量部当り20〜150重量部、好ましくは
40〜100重量部である。
前記特性改良剤としては、定着性向上剤、荷電制御
剤、その他がある。
定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワッ
クス、部分鹸化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アル
コール、流動または固形のパラフィンワックス、ポリア
ミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコーン
ワックス、脂肪族フルオルカーボンなどを用いることが
できる。特に軟化点(環球法JIS K2531)が60〜150℃の
ワックスが好ましい。
荷電制御剤としては、従来から知られているものを用
いることができ、例えば、ニグロシン系染料、含金属染
料等が挙げられる。
本発明に係るトナーの好適な製造方法の一例を挙げる
と、まずバインダ樹脂もしくはこれに必要に応じて着色
剤等のトナー成分を添加したものを、例えばエクストル
ーダにより鎔融混練し、冷却後ジェットミル等により微
粉砕し、これを分級して、望ましい粒径のトナーを得る
ことができる。あるいはエクストルーダにより鎔融混練
したものを鎔融状態のままスプレィドライヤ等により噴
霧もしくは液体中に分散させることにより望ましい粒径
のトナーを得ることができる。
本発明に係るトナーは、例えば電子写真複写機におい
て形成された静電像の現像に供され、得られたトナー像
は転写紙上に静電転写された上加熱ローラ定着器により
定着されて複写画像が得られる。また前記トナーは、転
写紙上のトナーと加熱ローラとの接触時間が1秒間以
内、特に0.5秒間以内であるような高速で定着がなされ
る場合に特に好ましく用いられる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明
がこれらの実施例に限定されるものではない。
<結晶性ポリエステルの製造> (1)結晶性ポリエステル1 セバシン酸1500gと、ヘキサメチレングリコール964g
とを、温度計、ステンレススチール製撹拌器、ガラス製
窒素導入管および流下式コンデンサを備えた容量5の
丸底フラスコに入れ、次いでこのフラスコをマントルヒ
ータにセットし、ガラス製窒素導入管より窒素ガスを導
入して反応器内を不活性雰囲気に保った状態で昇温させ
た。そして13.2gのp−トルエンスルホン酸を加えて温
度150℃で反応させた。留出した水の量が250mlに達した
時に反応を停止させ、反応系を室温に冷却して分子末端
に水酸基を有するポリヘキサメチレンセバケートよりな
る結晶性ポリエステル1を製造した。この結晶性ポリエ
ステル1の融点Tmは64℃、重量平均分子量Mwは14,000で
ある。
(2)結晶性ポリエステル2 結晶性ポリエステル1と同様にして、融点Tmが72℃、
重量平均分子量Mwが12,800のポリエチレンセバケートよ
りなる結晶性ポリエステル2を製造した。
(3)結晶性ポリエステル3 結晶性ポリエステル1と同様にして、融点Tmが92℃、
重量平均分子量Mwが14,800のポリエチレンサクシネート
よりなる結晶性ポリエステル3を製造した。
(4)結晶性ポリエステル4 結晶性ポリエステル1と同様にして、融点Tmが77℃、
重量平均分子量Mwが8,370のポリデカメチレンアジペー
トよりなる結晶性ポリエステル4を製造した。
<無定形ビニル重合体の製造> (1)無定形ビニル重合体1 容量1のセパラブルフラスコにトルエン100重量部
を入れ、その中に、高分子量成分用単量体として、スチ
レン75重量部と、ブチルアクリレート25重量部と、過酸
化ベンゾイル0.2重量部とを加えて懸濁分散し、フラス
コ内の気相を窒素ガスによって置換した後、温度80℃に
昇温して該温度に15時間保って第1段重合を行なった。
なお、該高分子量成分用単量体の単独重合体における重
量平均分子量Mwは461,000、ガラス転移点Tgは61℃であ
る。
その後、フラスコ内を温度40℃に冷却して、その中
に、低分子量成分用単量体として、スチレン85重量部
と、ブチルメタクリレート10重量部と、アクリル酸5重
量部と、過酸化ベンゾイル4重量部とを加えて、温度40
℃において2時間撹拌を続けた後、温度を80℃に再昇温
してその温度に8時間保って第2段重合を行なった。な
お、該低分子量成分用単量体の単独重合体における重量
平均分子量Mwは8,200、ガラス転移点Tgは64℃である。
次に、フラスコ内に、多価金属化合物である酸化亜鉛
0.5gを添加し、還流温度に保持して撹拌しながら2時間
にわたり反応を行なった。
その後、反応系を冷却して固形物を分離し、脱水およ
び洗浄を繰返した後、乾燥して、ビニル重合体のカルボ
キシル基に酸化亜鉛が反応してイオン架橋結合が形成さ
れてなる無定形ビニル重合体1を製造した。なお、この
無定形ビニル重合体1は結晶性ポリエステルとの結合用
の官能基としてカルボキシル基を有するものである。
この無定形ビニル重合体1は、GPCによる分子量分布
においてピークが2つ存在し、高分子量側のピーク分子
量は363,000、低分子量側のピーク分子量は7,590であ
る。また、重量平均分子量Mwは165,000、比Mw/Mnの値は
25.9、ガラス転移点Tgは62℃、軟化点Tspは130℃であ
る。
(2)無定形ビニル重合体2 容量1のセパラブルフラスコにトルエン100重量部
を入れ、その中に、スチレン85重量部と、ブチルアクリ
レート10重量部と、琥珀酸モノアクリロイルオキシエチ
ルエステル5重量部と、過酸化ベンゾイル1重量部とを
加えて懸濁分散し、フラスコ内の気相を窒素ガスによっ
て置換した後、温度80℃に昇温して該温度に5時間保っ
て重合を行なった。
その後、さらに過酸化ベンゾイル4重量部を添加して
温度80℃で10時間にわたり重合を継続して行なった。
次に、フラスコ内に、多価金属化合物である酸化亜鉛
0.5gを添加し、還流温度に保持して撹拌しながら2時間
にわたり反応を行なった。
その後、トルエンをアスピレータおよび真空ポンプに
より留去して、ビニル重合体のカルボキシル基に酸化亜
鉛が反応してイオン架橋結合が形成されてなる無定形ビ
ニル重合体2を製造した。なお、この無定形ビニル重合
体2は結晶性ポリエステルとの結合用の官能基としてカ
ルボキシル基を有するものである。
この無定形ビニル重合体2は、GPCによる分子量分布
においてピークが1つであり、重量平均分子量Mwは83,0
00、比Mw/Mnの値は7.5、ガラス転移点Tgは67℃、軟化点
Tspは127℃である。
(3)無定形ビニル重合体3 上記無定形ビニル重合体1の製造において、高分子量
成分用単量体として、スチレン75重量部と、ブチルアク
リレート20重量部と、グリシジルメタクリレート5重量
部と、過酸化ベンゾイル0.2重量部との混合物30gを用
い、低分子量成分用単量体として、スチレン75重量部
と、ブチルアクリレート10重量部と、メチルメタクリレ
ート10重量部と、グリシジルメタクリレート2.5重量部
と、琥珀酸モノアクリロイルオキシエチルエステル2.5
重量部と、過酸化ベンゾイル4重量部との混合物100gを
用いたほかは同様に処理して、ビニル重合体のカルボキ
シル基に酸化亜鉛が反応してイオン架橋結合が形成され
てなる無定形ビニル重合体3を製造した。なお、この無
定形ビニル重合体3は結晶性ポリエステルとの結合用の
官能基としてエポキシ基を有するものである。
この無定形ビニル重合体3は、GPCによる分子量分布
においてピークが2つ存在し、高分子量側のピーク分子
量は473,000、低分子量側のピーク分子量は7,940であ
る。また、重量平均分子量Mnは186,000、比Mw/Mnの値は
33.1、ガラス転移点Tgは62℃、軟化点Tspは136℃であ
る。
なお、上記高分子量成分用単量体の単独重合体におけ
る重量平均分子量Mwは925,000、ガラス転移点Tgは62℃
であり、上記低分子量成分用単量体の単独重合体におけ
る重量平均分子量Mwは9,610、ガラス転移点Tgは63℃で
ある。
(4)無定形ビニル重合体4(比較例) 上記無定形ビニル重合体1の製造において、酸化亜鉛
を添加しないほかは同様に処理して、比較用の無定形ビ
ニル重合体4を製造した。この比較用の無定形ビニル重
合体4は、結晶性ポリエステルとの結合用の官能基とし
てカルボキシル基を有するものである。
この比較用の無定形ビニル重合体4は、GPCによる分
子量分布においてピークが2つ存在し、高分子量側のピ
ーク分子量は355,000、低分子量側のピーク分子量は6,8
40である。また重量平均分子量Mwは142,000、比Mw/Mnの
値は24.5、ガラス転移点Tgは60℃、軟化点Tspは128.5℃
である。
<トナー用樹脂の製造> (1)トナー用樹脂A 結晶性ポリエステル1の15重量部と、無定形ビニル重
合体1の85重量部と、p−トルエンスルホン酸0.05重量
部と、キシレン100重量部とを、容量3のセパラブル
フラスコ内に入れ、温度150℃で1時間にわたり還流さ
せ、その後キシレンをアスピレータおよび真空ポンプに
より留去して、結晶性ポリエステルとイオン架橋無定形
ビニル重合体とのグラフト共重合体よりなるトナー用樹
脂Aを製造した。
(2)トナー用樹脂B〜E 上記トナー用樹脂Aの製造において、結晶性ポリエス
テルおよび無定形ビニル重合体を後記第1表に示す組合
せに変更したほかは同様にして結晶性ポリエステルとイ
オン架橋無定形ビニル重合体とのグラフト共重合体より
なる各トナー用樹脂B〜Eを製造した。
(3)トナー用樹脂F(比較例) 上記トナー用樹脂Aの製造において、無定形ビニル重
合体1の代わりに比較用の無定形ビニル重合体4を用い
たほかは同様にしてグラフト共重合体よりなるトナー用
樹脂Fを製造した。
<無機微粒子の製造> (1)無機微粒子1 下記に示すポリシロキサンアンモニウム塩をキシレン
に溶解して、処理液を調整した。
次に、シリカ微粒子「アエロジル200」(日本アエロ
ジル社製)をミキサに入れ、このシリカ微粒子に対し
て、上記のポリシロキサンが5wt%となるような割合で
噴霧した後、これらをフラスコに入れ、撹拌しながら温
度200℃にて5時間にわたり溶剤であるキシレンを除去
し、ポリシロキサンアンモニウム塩で表面処理してなる
無機微粒子を得た。これを「無機微粒子1」とする。こ
の無機微粒子1は、1次粒子の平均粒径が含有しても12
mμ、BET法による比表面積が115m2/gであった。
(2)無機微粒子2 下記に示すポリシロキサンアンモニウム塩をキシレン
に溶解して、処理液を調整した。
次にシリカ微粒子「アエロジル300」(日本アエロジ
ル社製)をミキサに入れ、このシリカ微粒子に対して、
上記ポリシロキサンが17wt%となるような割合で噴霧し
たほかは、無機微粒子1の製造と同様に処理して表面処
理無機微粒子を得た。これを「無機微粒子2」とする。
この無機微粒子2は、1次粒子の平均粒径が7mμ、BET
法による比表面積が126m2/gであった。
(3)無機微粒子3(比較例) 負帯電性のシリカ微粒子「アエロジルR−972」(日
本アエロジル社製)を比較用の無機微粒子3とする。
実施例1 トナー用樹脂A 100量部 カーボンブラック「モーガルL」 10重量部 (キャボット社製) パラフィンワックス「サゾールワックスH1」 (サゾールマーケッティング社製) 3重量部 アルキレンビス脂肪酸アミド「ヘキストWaxC」3重量部 以上の物質を混合し、加熱ロールにより鎔融混練し、
冷却した後、粗粉砕しさらに超音波ジェットミルにより
微粉砕し、風力分級機により分級して、平均粒径11.0μ
mの粉末を得た。この粉末100重量部に、本発明に係る
ポリシツキサンアンモニウム塩により処理された「無機
微粒子1」0.8重量部をV型混合器により混合して、本
発明に係るトナー1を製造した。
実施例2 実施例1において、トナー用樹脂Aをトナー用樹脂B
に変更したほかは同様にして本発明に係るトナー2を製
造した。
実施例3 実施例1において、トナー用樹脂Aをトナー用樹脂C
に変更したほかは同様にして本発明に係るトナー3を製
造した。
実施例4 実施例1において、トナー用樹脂Aをトナー用樹脂D
を用い、また無機微粒子1を無機微粒子2に替えたほか
は同様にして本発明に係るトナー4を製造した。
実施例5 実施例1において、トナー用樹脂Aをトナー用樹脂E
を用い、また無機微粒子1を無機微粒子2に替えたほか
は同様にして本発明に係るトナー5を製造した。
比較例(1) 実施例1において、無機微粒子1を比較用の無機微粒
子3に変更したほかは同様にして比較トナー(1)を製
造した。
比較例(2) 実施例1において、トナー用樹脂Aを、比較用のトナ
ー用樹脂Fに変更したほかは同様にして比較トナー
(2)を製造した。
比較例(3) 実施例1において、トナー用樹脂Aを、結晶性ポリエ
ステル1の15重量部と無定形ビニル重合体1の85重量部
との単なる混合物に変更したほかは同様にして比較トナ
ー(3)を製造した。
<現像剤に調製> 電子写真複写機「U−Bix 1550」(コニカ(株)製)
用のキャリアと、上記各トナーとを混合して、トナー濃
度が5wt%の各二成分現像剤を調製した。
<評価> (1)低温定着性の評価 有機光導電性半導体よりなる潜像担持体、二成分現像
剤用の現像器、加熱ローラ定着器を備え、加熱ローラの
設定温度を可変調整できるように改造した電子写真複写
機「U−Bix 1550MR」(コニカ(株)製)改造機によ
り、加熱ローラの線速度を139mm/秒に設定し、圧着ロー
ラの温度を加熱ローラの設定温度よりも低く保った状態
で加熱ローラの設定温度を100〜240℃の範囲内で段階的
に変化させながら、上記各現像剤を用いて定着トナー画
像を形成する実写テストを行ない、得られた定着トナー
画像の端部を、こすり試験機により一定荷重をかけてこ
すった後、マイクロデンシトメータで該端部の画像の残
存率を測定して、十分な残存率を示す最低の設定温度
(最低定着温度)を求めた。なお、上記加熱ローラ定着
器は、表層がPFA(テトラフルオルエチレン−パーフル
オルアルキルビニルエーテル共重合体)よりなる直径30
mmの加熱ローラと、表層がPFAにより被覆されたシリコ
ーンゴム「KE−1300RTV」(信越化学工業社製)よりな
る圧着ローラとを有してなり、線圧は0.8Kg/cm、ニップ
幅は4.3mmで、シリコーンオイル等の離型剤の塗布機構
は備えていないものである。
(2)耐アンダーオフセット性の評価 いわゆるべた黒の原稿を用いて加熱ローラの設定温度
を順次下降させながら上記低温定着性の評価と同様にし
て実写テストを行ない、記録材の加熱ローラへの巻付き
が生じたときの最高の温度(巻付き発生温度)を求め
た。
(3)耐ホットオフセット性の評価 圧着ローラを加熱ローラの設定温度に近い温度に保っ
た状態としたほかは上記低温定着性の評価と同様にして
定着トナー画像を形成し、その直後、白紙の記録材を同
様の条件下で加熱ローラ定着器に送ってこれにトナー汚
れが生ずるか否かを目視により観察する操作を、加熱ロ
ーラの各設定温度において行ない、トナー汚れが生じた
ときの最低の設定温度(オフセット発生温度)を求め
た。
(4)流動性の評価 流動性の高い粉体ほど圧縮度が小さいことを利用し
て、上記各トナーを、直径28mm、容積100mlの容器に上
方から疎充填してその重量を測定し、トナーの静嵩密度
を求めた。評価は、静嵩密度が0.38g/ml以上を「○」、
0.38g/ml未満を「×」とした。
(5)保存性の評価 各トナー2gをサンプル管に採り、タップデンサにより
500回タッピングした後、温度55℃、相対湿度26%雰囲
気下に2時間にわたり放置し、その後48メッシュの篩に
より分別し、篩に残留した凝集物の割合を測定した。
(6)帯電量(Q/M)と帯電量の差(△Q/M) トナー1gと「U−Bix 1550」用キャリア19gとから、
トナー濃度が5wt%の現像剤20gをトナー1〜10及び比較
トナー(1)〜(3)についてそれぞれ調製し、20mlの
ガラス製サンプル管に入れる。「NEW−YS振盪機」(ヤ
ヨイ(株)製)により150ストローク/分、温度20℃,
相対温度60%下で振盪した時のブローオフ法により算出
した20分値の帯電量(Q/M)と、20分値と1分値の帯電
量の差(△Q/M)を求めた。
(7)耐久性の評価 上記各現像剤を用い、前記潜像担持体、二成分現像剤
用の現像器、加熱ローラ定着器を備えた電子写真複写機
「U−Bix 1550MR」(コニカ(株)製)改造機により、
加熱ローラの線速度139mm/秒とし、加熱ローラの設定温
度を各トナーの最低定着温度に設定し、常温常湿環境条
件下(温度20℃、相対湿度60%)において、40,000回に
わたる実写テストを行ない、得られた画像を目視で観察
することにより耐久性を評価した。
以上の結果を第1表に示す。
第1表から明かなように本発明の現像剤は正電荷安定
性、耐ブロッキング性及び耐久性にすぐれており、その
他の特性に問題となる欠点は見当らない。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリエステルと、数平均分子量Mnと
    重量平均分子量Mwとの比Mw/Mnの値が3.5以上であるイオ
    ン架橋された無定形ビニル重合体とのブロック共重合体
    またはグラフト共重合体を含むトナーと、アンモニウム
    塩を官能基として有するポリシロキサンにより処理され
    た無機微粒子とを含有してなることを特徴とする静電像
    現像剤。
  2. 【請求項2】前記イオン架橋された無定形ビニル重合体
    と結晶性ポリエステルとのブロック共重合またはグラフ
    ト共重合に関与する官能基は、カルボキシル基、水酸
    基、アミノ基またはエポキシ基から選ばれた少なくとも
    1つであることを特徴とする請求項1に記載の静電像現
    像剤。
  3. 【請求項3】前記イオン架橋された無定形ビニル重合体
    が、ビニル重合体の有するカルボキシル基に多価金属化
    合物が反応してイオン架橋結合を形成してなることを特
    徴とする請求項1または2記載の静電像現像剤。
  4. 【請求項4】前記イオン架橋された無定形ビニル重合体
    は、分子量分布において少なくとも2つの極大値を有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいづれかに記載の静
    電像現像剤。
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