JP2646819B2 - 車両用流体圧供給装置 - Google Patents

車両用流体圧供給装置

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JP2646819B2
JP2646819B2 JP2217948A JP21794890A JP2646819B2 JP 2646819 B2 JP2646819 B2 JP 2646819B2 JP 2217948 A JP2217948 A JP 2217948A JP 21794890 A JP21794890 A JP 21794890A JP 2646819 B2 JP2646819 B2 JP 2646819B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車体及び車両間に介装された流体圧シリ
ンダと、この流体圧シリンダの圧力を制御する制御弁と
を有し、シリンダ圧を適宜変化させることにより、ロー
ル剛性,ピッチ剛性等を制御可能な能動型サスペンショ
ンに対して流体圧を供給する車両用流体圧供給装置に関
し、特に、流体の温度変動に伴うポンプや制御弁等の特
性変化を補償できるようにしたものである。
〔従来の技術〕
従来の車両用流体供給装置としては、例えば、本出願
人が先に提案した特開昭63−251313号公報に開示された
ものがある。
この従来装置の一態様は、能動型サスペンション用の
油圧供給装置であって、エンジン等の回転駆動源に連結
された吐出量可変の油圧ポンプと、この油圧ポンプの1
回転当たりの圧油の吐出量を、車体に発生する上下加速
度が所定値を越えたときには停車時よりも増加させる吐
出量制御手段とを備えている。そして、このように吐出
量が制御される油圧を、例えば圧力制御弁等の制御弁を
介してバネ上及びバネ下間に介装された油圧シリンダに
供給する構成としている。
即ち、この従来の技術にあっては、停車時等のように
油圧シリンダの必要流量が少ないときにはポンプの負荷
が小さくなるので、停車時の消費馬力が走行時よりも減
少し、燃費が向上するという利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の技術にあっては、車両の走
行状況にのみ応じてポンプの吐出量を制御していたた
め、油温の上昇に伴いポンプや制御弁の特性が変化して
も、それを補償することができず、場合によっては流量
不足等が生じてしまうという未解決の課題があった。
この発明は、このような従来の技術が有する未解決の
課題に着目してなされたものであり、流体の温度変化に
対して補償が行える車両用流体圧供給装置を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、車体及び車輪
間に介装された流体圧シリンダと、この流体圧シリンダ
の圧力を前記車体の姿勢変化情報に基づいて制御する制
御弁とを有した能動型サスペンションに流体圧を供給す
る車両用流体圧供給装置において、吐出量可変のポンプ
部と、このポンプ部が吐出する流体の温度を検出する温
度検出手段と、車両走行状況を検出する車両走行状況検
出手段と、前記車両走行状況及び前記流体の温度に基づ
き前記能動型サスペンションで消費される消費流量を推
定する消費流量推定手段と、前記流体の温度に基づき前
記ポンプ部の吐出量特性を設定する特性設定手段と、前
記推定された消費流量及び前記設定された吐出量特性に
基づいて前記ポンプ部の稼働モードを設定してその吐出
量を制御する吐出量制御手段と、を備えた。
〔作用〕
能動型サスペンションにおいては、車体の姿勢変化情
報(例えば、上下加速度、前後加速度、横加速度等)に
基づいて制御弁が流体圧シリンダの圧力を制御するの
で、車体及び車輪間には、姿勢変化に対する抗力等が発
生する。
そして、本発明では、消費流量推定手段が、車両走行
状況検出手段が検出した車両走行状況と、温度検出手段
が検出した流体の温度とに基づき能動型サスペンション
で消費される消費流量を推定し、特性設定手段が、温度
検出手段が検出した流体の温度に基づきポンプ部の吐出
量特性を設定する。さらに、吐出量制御手段が、推定さ
れた消費流量と設定された吐出量特性とに基づいてポン
プ部の稼働モードを設定して、そのポンプ部の吐出量を
制御するため、走行状況及び流体の温度に見合った流量
がポンプ部から吐出されるようになり、流体圧シリンダ
のストロークが大きい走行状況等であっても流量不足等
が生じないし、流体の温度変化に伴う制御弁等の特性変
化が補償される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、2は車体,4は任意の車輪,6は能動型
サスペンション,8は車両用流体圧供給装置としての油圧
供給装置をそれぞれ示す。なお、同図では図示しないが
4輪に対して同一のサスペンション構成をとっている。
能動型サスペンション8は、流体圧シリンダとしての
油圧シリンダ10、制御弁としての圧力制御弁12、姿勢制
御回路18及び加速度センサ19を含んで構成される。
油圧シリンダ10は、そのシリンダチューブ10aが車体
2側に、ピストンロッド10bが車輪4側にそれぞれ取り
付けられ、シリンダチューブ10a内にはピストン10cによ
り圧力室Lが隔設されている。この圧力室Lは、配管11
を介して圧力制御弁12の出力ポート12oに連通してい
る。
圧力制御弁12は、具体的には第2図に示すように、弁
本体を内蔵する円筒状の弁ハウジング13と、これに一体
的に設けられた比例ソレノイド14とを有している。
弁ハウジング13の中央部に穿設された挿通孔13Aに
は、メインスプール15とポペット16が摺動可能に挿入さ
れ、メインスプール15の両端のパイロット室FU,フィー
ドバック室FLにはオフセットスプリング17A,17Bが挿入
されている。なお、13Aaは固定絞りである。弁ハウジン
グ13は、そのメインスプール15のランド15a,15b及び圧
力室15cに対向する位置に、挿通孔13Aに連通した状態で
供給ポート12s,戻りポート12r,出力ポート12oをそれぞ
れ有している。またポペット16とフィードバック室FU
の間には、所定径の弁座13Baを有する隔壁13Bによって
圧力室Cが形成されている。
供給ポート12sはパイロット通路13sを介して圧力室C
に連通し、圧力室Cは弁座13Ba,ドレン通路13tを介して
戻りポート12rに連通している。また、出力ポート12oは
フィードバック通路15fを介してフィードバック室FL
連通している。
一方、比例ソレノイド14は、軸方向に移動可能なプラ
ンジャ14Aと、このプランジャ14Aを駆動する励磁コイル
14Bとを有する。この励磁コイル14Bが指令値Iによって
励磁されると、プランジャ14Aが移動して前記ポペット1
6を付勢し、この付勢具合によって前記弁座13Baを流通
する作動油の流量、つまり圧力室C(即ちパイロット室
FU)の圧力を調整できるようになっている。
このため、比例ソレノイド14による押圧力がポペット
16に加えられている状態で、両室FL,FUの圧力が釣り合
うと、スプール15は、出力ポート12oと供給ポート12s及
び戻りポート12rとの間を遮断する図示のスプール位置
をとる。そこで、指令値Iの大小によりパイロット室FU
の圧力が調整され、このパイロット圧に応じて両室FL
FUの圧力が釣り合うまで、スプール15が微動して調圧動
作が行われ、出力ポート12oからの出力圧Pcを第3図に
示すように指令値Iに比例して制御できる。同図中、P2
は油圧供給装置8からの最大ライン圧である。
前記加速度センサ19は、車体2に発生する横方向,前
後方向,上下方向の加速度を検知して、それらの状態量
に応じた電気信号Gを姿勢制御回路18に出力するように
なっている。姿勢制御回路18は、検出信号Gに所定のゲ
インを乗算する等の演算を行い、車体のロール,ピッチ
を抑制したり、上下振動を減衰させるため指令値Iを演
算して圧力制御弁12に供給する。
なお、第1図中、22は車体2の静荷重を支持するコイ
ルスプリング、また、24及び26はバネ下共振域の振動を
減衰させる絞り及びアキュムレータである。
一方、前記油圧供給装置8は、作動油を溜めるタンク
30と、このタンク30に吸引側に配管32により接続した油
圧ポンプ34とを有する。油圧ポンプ34は、エンジン36の
出力軸36Aに連結された吐出量可変形のポンプシステム
であって、具体的には複数のシリンダを有するプランジ
ャ型のポンプで成る。そして、各シリンダの中の1つお
きの一方の組により1回転当たりの吐出量が比較的大き
い第1の油圧ポンプ34Aが構成され、他方の組により1
回転当たりの吐出量が小さい第2の油圧ポンプ34Bが構
成されている。
ここで、第1,第2の油圧ポンプ34A,34Bの回転数に対
する吐出流量特性は、第4図に示すようになっている。
つまり、消費流量が多い姿勢制御時や走行時には第1の
油圧ポンプ34A及び34Bの両方の吐出量で賄い、消費流量
が少ない停車時や走行時には第2の油圧ポンプ34Bの吐
出量で賄い、それらの中間の消費流量が適している時に
は第1の油圧ポンプ34Aの吐出量で賄うようになってい
る。
第1の油圧ポンプ34Aの吐出口には第1の供給側管路3
8aが接続され、この管路38aがチェック弁39A,チェック
弁39Bを介して前記圧力制御弁12の供給ポート12sに至
る。また制御弁12の戻りポート12rにはドレン側管路40
が接続され、この管路40がオペレートチェック弁41を介
してタンク30に至る。オペレートチェック弁41は、チェ
ック弁39Bの下流側ライン圧をパイロット圧PPとするパ
イロット操作形逆止弁で構成され、本実施例では、パイ
ロット圧PP>PN(PNは作動中立圧:第3図参照)のとき
にチェック解除状態(弁が開)として管路40を連通さ
せ、PP≦PNのときにチェック状態(弁が閉)として管路
40を遮断する。
また、第2の油圧ポンプ34Bの吐出口には第2の供給
側管路38bが接続され、この管路38bがチェック弁39C介
して第1の供給側管路38aのチェック弁39Aの下流側に接
続されている。
さらに、油圧供給装置8は、第1図に示すように、3
ポート2位置のスプリングオフセット型の電磁方向切換
弁42と、2ポート2位置のスプリングオフセット型の電
磁方向切換弁43とを備えている。
電磁方向切換弁42の入力側には、第1の供給側管路38
aのチェック弁39Aよりも上流側から分岐した第1の戻り
路44と、第2の供給側管路38bのチェック弁39Cよりも上
流側から分岐された第2の戻り路46とが接続されるとと
もに、その出力側には、タンク30に通じる第3の戻り路
48が接続されていて、そのバルブスプールの位置によっ
て、それら第1の戻り路44及び第2の戻り路46の何れか
一方、第3の戻り路48に連通させる。
一方、電磁方向切換弁43は、第3の戻り路48の途中に
介装されていて、そのバルブスプールの位置によって、
第3の戻り路48を連通状態若しくは遮断状態とする。
これら電磁方向切換弁42及び43のそれぞれは、それら
のソレノイドに吐出量制御回路50から供給される切換信
号CS1,CS2のオン,オフに応じて2段に切り換えられる
ようになっている。
即ち、切換信号CS1が「オフ」のときは、電磁方向切
換弁42のバルブスプールはスプリングの付勢力によって
第1図の状態をとるから、第2の戻り路46が第3の戻り
路48に連通し、切換信号CS1が「オン」のときは、電磁
方向切換弁42のバルブスプールはソレノイドの付勢力に
よって第1図とは違った状態をとるから、第1の戻り路
44が第3の戻り路48に連通する。
また、切換信号CS2が「オフ」のときは、電磁方向切
換弁43のバルブスプールはスプリングの付勢力によって
第1図の状態をとるから、第3の戻り路48は連通状態と
なり、切換信号CS2が「オン」のときは、電磁方向切換
弁43のバルブスプールはソレノイドの付勢力によって第
1図とは違った状態をとるから、第3の戻り路48は遮断
状態となる。
ここで、油圧ポンプ34,チェック弁39A,39C及び電磁方
向切換弁42,43が、ポンプ部51の要部を構成する。
また、比較的大容量の蓄圧用アキュムレータ52が、第
1の供給側管路38aのチェック弁39Bの下流側に接続さ
れ、ライン圧を所定値に設定するリリーフ弁53が、第1
の供給側管路38a(チェック弁39A,39B間の位置)とドレ
ン側管路40との間に接続されている。
さら、本油圧供給装置8は、ポンプ回転数センサ56,
温度検出手段としての油温センサ57及びストロークセン
サ58FL,58FRを備えている。
ポンプ回転数センサ56は、油圧ポンプ34の回転数に応
じた電気信号Nを検出するもので、具体的には、例えば
変速機の出力側のエンジン回転数を磁気的,光学的に検
出するパルス検出器で成るエンジン回転数センサを兼用
しており、その検出信号Nを吐出量制御回路50に出力す
る。
油温センサ57は、油圧ポンプ34が吐出する作動油の温
度に応じた検出信号Tを出力するものであって、例え
ば、サーミスタ等の公知の温度センサで構成される。
ストロークセンサ58FL,58FRは、車体2及び車輪(前
左,前右側の車輪)4,4にそれぞれ介装されたポテンシ
ョメータで構成され、その検出信号XL,XRを吐出量制御
回路50に出力する。
一方、前記吐出量制御回路50は、第5図に示す如く、
入力するストローク信号XL,XRをフィルタリングするバ
ンドパスフィルタ66,68と、このバンドパスフィルタ66,
68の出力信号XL,XRに後述する積分演算を施す積分器7
0,72と、パイロット流量設定器74とを有し、さらに、各
積分器70、72の出力信号QL及びQRを相互に加算する加算
器76と、この加算器76の加算信号QA,パイロット流量設
定器74の出力信号QO,ポンプ回転数信号N及び油温信号
Tを受けてポンプ稼働モードを設定するモード設定回路
78と、この設定回路78の出力信号SL1を受けて電磁方向
切換弁42に切換信号CS1を出力する駆動回路80Aと、設定
回路78の出力信号SL2を受けて電磁方向切換弁43に切換
信号CS2を出力する駆動回路80Bと、を有している。
各バンドパスフィルタ66,68の低域側カットオフ周波
数fLは車高調整時のストローク変化分を遮断できる値
(例えば0.5Hz)に、高域側カットオフ周波数fNはバネ
下共振周波数側のストローク変化分を遮断できる値(例
えば6Hz)に設定してある。また、各積分器70,72は、 の式(信号xに対する添え字L,Rは省略)に基づき演算
してストローク変化分の積分値,即ち積分時間T(例え
ば2秒)間のトータルのストローク量「1/T・∫||d
t」に対応したシリンダへの出入り流量を求める。Kは
油圧シリンダ10の受圧面積に基づくゲインである。
ここで、車体2及び車輪4間の実際のストローク変動
に着目してみると、殆どの場合、伸び側,縮み側が対象
的に現れる振動となる。しかし、実際に油圧ポンプ34か
らの吐出流量が必要になるのは、ストロークが伸び側に
変化し、作動油が油圧シリンダ10に流入するときのみで
あり、ストロークが縮み側に変化し、作動油が排出され
るときは作動油の供給の必要はない。ところが、ストロ
ークが縮み側に変化する分に対する流量は、丁度、後輪
側の油圧シリンダ10に対する作動油の流入分であるとし
ても差し支えないので、前輪2輪に対する前記(1)式
の演算値は結局、4輪のトータルのストローク変化に対
する消費流量を簡便的に表している。
また、パイロット流量設定器74は、4輪分の圧力制御
弁12の内部リーク量に相当する値Qoを出力する。
そして、駆動回路80Aは、出力信号SL1が論理値「1」
であるときには、切換信号CS1を「オン」とし、出力信
号SL1が論理値「0」であるときには、切換信号CS1
「オフ」とし、また、駆動回路80Bは、出力信号SL2が論
理値「1」であるときには、切換信号CS2を「オン」と
し、出力信号SL2が論理値「0」であるときには、切換
信号CS2を「オフ」とする。
さらに、前記吐出量制御回路50は、第5図に示す如
く、ストローク信号xL,xRを受けて該信号xL,xRの平均
LRをそれぞれ求めるローパスフィルタ82,84
と、これらローパスフィルタ82,84に依る平均値L
Rに対して「xLL」,「xRR」の演算をそれぞれ
行う加算器86,88と、それら加算値「xLL」,「xR
R」の絶対値をそれぞれ演算して、その演算結果D
L(=|xLL|),DR(=|xRR|)を前記モー
ド設定回路78に出力する絶対値回路90,92をも有してい
る。上記アナログ型ローパスフィルタ82,84のカットオ
フ周波数は、路面からの振動入力によるバネ上,バネ下
間のストローク周波数領域(例えば1〜10Hz前後)以下
の値(例えば0.1Hz)に設定されており、入力信号xL,x
Rを平滑化する。
前記モード設定回路78は、例えばマイクロコンピュー
タを搭載して構成され、第4図に示したようなモードマ
ップを記憶しているとともに、第6図に示すような演算
処理を実行する。
即ち、第6図は、モード設定回路78で実行される処理
の概要を示したフローチャートであり、以下、同図に従
って、ポンプ部51の稼働モードを設定する際の処理につ
いて説明する。
先ず、ステップのにおいて、絶対値回路90,92から
供給される絶対値DL,DRを読み込み、次いで、ステップ
に移行して、絶対値DLが、油圧出力10の大ストローク
状態を判定できる所定値E以上であるか否かを判定す
る。
このステップの判定が「NO」の場合には、ステップ
に移行して、絶対値DRが所定値E以上であるか否かを
判定する。
つまり、絶対値DL,DRの何れか一方でも所定値E以上
である場合には、前左輪4,前右輪4の少なくとも一方が
大ストローク状態に移行していると判断できるから、ス
テップ又はステップからステップに移行して、ポ
ンプ部51の稼働モードを3に設定する。
しかし、ステップ及びステップの判定が共に「N
O」の場合には、多量の作動油を必要とする大ストロー
ク状態ではないと判断し、ステップには移行せず、ス
テップに移行する。
ステップでは、加算器76から供給される加算信号QA
と、パイロット流量設定器76から供給されるパイロット
流量QOと、ポンプ回転数センサ56から供給されるポンプ
回転数信号Nと、油温度センサ57から供給される油温信
号Tとを読み込む。
ここで、作動油の温度が変化すると、それに伴って作
動油の粘性等も変わるため、圧力制御弁12におけるリー
ク量や、油圧ポンプ34の吐出量特性等は油温に応じて異
なるから、ポンプ部51の吐出流量を常時最適に制御する
ためには、パイロット流量設定器74で設定されるパイロ
ット流量QOと、第4図に示すようなポンプの吐出量特性
とは油温に応じて適宜補正する必要がある。
そこで、ステップからステップに移行し、油温信
号Tに基づき、例えば第7図に示すようなマップを検索
して、パイロット流量補正係数K1と、ポンプ吐出量補正
係数K2とを設定する。
なお、油温に伴う圧力制御弁12,油圧ポンプ34の特性
変化は、実際に使用する圧力制御弁12や油圧ポンプ34に
よって異なるので、第7図に示すような油温Tと各補正
係数K1,K2との関係は、それら油圧機器の特性に基づい
て設定する。
そして、ステップからステップに移行し、基準と
なるパイロット流量QOとパイロット流量補正係数K1とを
乗算して、油温に見合ったパイロット流量QVを求める。
次いで、ステップに移行し、加算値QAとパイロット
流量QVとを加算して、システム全体で消費される推定消
費流量Q2を求める。
即ち、加算値QAは、上述したように4輪のトータルの
ストローク変化に対する消費流量を簡便的に表してお
り、且つ、パイロット流量QVは、4輪分の圧力制御弁12
の内部リーク量に相当した値であるため、それらを加算
した値は、システム全体の推定消費流量Q2となる。
そして、ステップに移行して、ポンプ吐出量補正係
数K2に基づいて、第4図に示すようなポンプ回転数N,推
定消費流量Q2及びポンプ部51の稼働モード間の関係を、
油温に見合った関係に修正する。なお、例えば低温,中
温,高温等のように複数段階毎にモードマップを備えて
いる場合には、油温Tに応じて何れかのモードマップを
選択すればよいし、また、第4図に示すような関係を関
数等で記憶している場合には、油温Tに応じてその関数
の定数等を補正すればよい。
さらに、ステップに移行し、修正したモードマップ
を参照して、ポンプ回転数Nと推定消費流量Q2とに基づ
いて、ポンプ部51の稼働モードを設定する。
そして、ステップ若しくはステップからステップ
に移行し、設定された稼働モードに応じた出力信号SL
1及びSL2を駆動回路80A及び80Bに出力する。
即ち、設定された稼働モードが1ならば、出力信号SL
1を論理値「1」で且つ出力信号SL2を論理値「0」と
し、稼働モードが2ならば、出力信号SL1及びSL2を共に
論理値「0」とし、そして、稼働モードが3ならば、出
力信号SL1を論理値「0」で且つ出力信号SL2を論理値
「1」とする。
すると、駆動回路80A及び80Bは、それら出力信号SL1
及びSL2に応じて、電磁方向切換弁42及び43のソレノイ
ドに切換信号CS1及びCS2を出力する。
その結果、モード1の場合に、第8図(a)に示すよ
うに、切換信号CS1が「オン」で且つ切換信号CS2が「オ
フ」となるから、電磁方向切換弁42は第1の戻り路44を
第3の戻り路48に連通させ、電磁方向切換弁43は第3の
戻り路48を連通状態とするので、能動型サスペンション
6側には、比較的吐出量の少ない第2の油圧ポンプ34B
の出力のみが供給される。
また、モード2の場合には、第8図(b)に示すよう
に、切換信号CS1及びCS2が「オフ」となるか、電磁方向
切換弁42は第2の戻り路46を第3の戻り路48に連通さ
せ、電磁方向切換弁43は第3の戻り路48を連通状態とす
るので、能動型サスペンション6側には、比較的吐出量
の大きい第1の油圧ポンプ34Aの出力のみが供給され
る。
さらに、モード3の場合には、第8図(c)に示すよ
うに、切換信号CS1が「オフ」で且つ切換信号CS2が「オ
ン」となるから、電磁方向切換弁42は第2の戻り路46を
第3の戻り路48に連通させるが、電磁方向切換弁43が第
3の戻り路48を遮断状態とするので、能動型サスペンシ
ョン6側には、第1の油圧ポンプ34A及び第2の油圧ポ
ンプ34Bの両方の出力が供給される。
ここで、本実施例では、第5図の前左ストロークセン
サ58FL及び前右ストロークセンサ58FRによって車両走行
状況検出手段が構成され、バンドパスフィルタ66、68、
積分器70,72、加算器76、ローパスフィルタ82、84、加
算器86、88、絶対値回路90、92及び第6図のステップ
〜、〜の処理によって消費流量推定手段が構成さ
れ、ステップの処理によって特性設定手段が構成さ
れ、ステップ、、の処理によって吐出流量制御手
段が構成される。
次に、全体動作を説明する。
いま、凹凸の無い良路を定速直進走行しており、オペ
レートチェック弁41が「開」であって、供給路及びリタ
ーン路が共に連通し、油圧ポンプ34の駆動によってリリ
ーフ弁53で定まるライン圧が能動型サスペンション6に
供給されているとする。 この状態では、路面側からの
振動入力,車体2及び車輪4間のストローク変動,及び
車体2に対する外力も殆ど発生しない。このため、スト
ロークセンサ58FL,58FRの検出信号xL,xRが殆ど変動せ
ず、バンドパスフィルタ66,68の抽出成分は零に近い値
になり、加算器76の加算値も零に近い値になる。
このとき、ストローク状態はDL≒0且つDR≒0であ
り、DL<E且つDR<Eであるから、ステップの処理は
実行されず、ステップ以降の処理が実行される。
従って、モード設定回路78では、ポンプ回転数N,油温
T及びパイロット流量QOに応じてポンプ部51の稼働モー
ドが設定される。
この時、加算器76の加算値は略零に近い値であるた
め、モード1が設定され、これによって切換信号CS1
オンで切換信号CS2がオフとなり、電磁方向切換弁42及
び43は第8図(a)の状態をとるから、第1の油圧ポン
プ34Aが無負荷運転となり、第2の油圧ポンプ34Bの小さ
い吐出流量によりライン圧が賄われる。
つまり、走行状態であっても良路を定速直進走行する
場合のように、シリンダ10の消費流量が少ないと推定し
たときに、ポンプ部51の吐出量を低下させ、消費馬力を
少なくし、燃費の改善を図る。
さらに、上記走行状態から例えば低周波のうねりが継
続するようねり路に進入したことにより、バネ上共振域
(1Hz前後)相当の比較的低い周波数の上下振動が入力
し、前輪4,4の少なくとも一方にストローク振動があっ
たとする。
このようなストローク変動が生じても、DL<E且つDR
<Eであれば、ステップ以降の処理が実行されるた
め、ポンプ回転数N,油温T及びパイロット流量QOに応じ
てポンプ部51の稼働モードが設定される。
このような状況において、稼働モードが2となった場
合には、電磁方向切換弁42及び43は第8図(b)の状態
となるから、今度は、第2の油圧ポンプ34Bが無負荷運
転となり、第1の油圧ポンプ34Aの大きな流量が負荷側
に出力されるし、稼働モードが3となった場合に、電磁
方向切換弁42及び43は第8図(c)の状態となるから、
第1の油圧ポンプ34A及び第2の油圧ポンプ34Bの両方の
出力が能動型サスペンション6側に供給される。
つまり、本実施例の構成であれば、システム全体で消
費される作動油の流量に応じてポンプ部51の吐出流量が
制御されるため、必要な流量に比べてはるかに大きな流
量、即ち、無駄な作動油の供給が避けられ、燃費の向上
等が図られる。
そして、DL≧E,DR≧Eの少なくとも一方が成立する
と、ステップにおいて稼働モードが強制的に3に設定
される。つまり、油圧シリンダ10の大ストローク開始時
には、積分器70,72の出力値の増加に先駆けて作動油の
増量が図られるから、増量遅れが解消される。
一方、能動型サスペンション6では、上述のモードア
ップ制御に並行して振動入力に対する姿勢制御か実行さ
れる。つまり、うねり路への進入初期には、油圧シリン
ダ10のシリンダ室Lの圧力が上昇又は減少し、この圧力
変動に応じて圧力制御弁12のスプール15が前述の如く軸
方向に微動し、これにより圧力制御弁12を介してシリン
ダ10及び油圧供給装置8との間で作動油を流通させて振
動を吸収する。
しかし、うねり路走行が更に進み、上述したスプール
移動によっても振動を吸収できなくなると、車体側も上
下動しようとする。このような状態になると、車体に取
り付けた加速度センサ19が上下方向の加速度に対応した
信号Gを検出して姿勢制御回路18に出力する。そこで、
姿勢制御回路18は、検出信号Gに基づき上下振動を減衰
させる指令値1を演算し、各輪の圧力制御弁12に出力す
る。このため、油圧シリンダ10では、上下方向の絶対速
度に比例した力が発生し、上下振動が的確に減衰して上
下動が抑制される。
このような振動制御状態では、前記直進状態に比べて
消費流量が格段に大きくなるが、本実施例では、大スト
ローク開始時にはステップにおいて稼働モードを強制
的に3に設定してポンプ部51の吐出量を増量しているの
で、消費流量に見合う充分な流量が事前に供給される。
そこで、上下加速度信号に伴う増量遅れが無くなるか
ら、応答性の良い増量になり、サスペンション機能を損
なうことが無く、うねり路等での良好な乗り心地を確保
できる。
一方、前記うねり路の走行後、例えば凹凸の無い良路
での旋回走行を行ったり、急減速,急加速を行って車体
がロールやピッチが生じる状態に移行したとする。この
場合には、姿勢制御回路18が加速度センサ19からの検出
信号Gに基づいて指令値1を出力し、油圧出力10の作動
圧を制御する。これによって、作動圧は、ロール剛性や
ピッチ剛性を高め、車体を殆どフラットに保持する。こ
のとき前輪側のストローク信号xL,xRは殆ど変動しない
から、モード1が設定されている。つまり、良路でのロ
ール,ピッチ制御では、上下方向の制振に比べて、消費
流量が比較的少ないから、モード1による吐出量とアキ
ュムレータ52からの作動油供給で対処できる。
これに対して、低周波の凹凸が続く悪路などでの旋回
走行,急減速,急加速に対しては、ストローク検出手段
xL,xRが凹凸に対応して変動するので、路面状況によっ
てはモード2若しくはモード3が設定される。かかる走
行中における姿勢制御の消費流量は大きいが、これに見
合う流量が供給され、確実な姿勢制御となる。
そして、走行を終えて停車すると、推定流量が少ない
のでモード1が設定され、消費馬力が下げられる。ま
た、イグニッションスイッチをオフにすると、エンジン
36の回転が停止するので、油圧ポンプ34の吐出量も直ち
に零になる。このとき、圧力制御弁12を介して作動油が
ドレン側にリークし、パイロット圧PPかPNに等しくなっ
た時点で、オペレートチェック弁41が「閉」となって、
作動圧を所定値PNに封じ込める。したがって、圧力値PN
に応じたフラットな車体姿勢となる。
さらに、作動油の温度は油圧ポンプ34や油圧シリンダ
10等の作動状況等の影響を受けて変動するが、本実施例
では、車両の走行状況だけではなく、作動油の温度をも
考慮してポンプ部51の稼働モードを設定しているため、
作動油の温度が変化しても、ポンプ部51の吐出量を最適
な値に調整することができる。従って、油温変動に伴っ
て油圧ポンプ34や圧力制御弁12の特性が変化しても、流
量不足等の不具合は生じない。
なお、上記実施例では、流体圧として油圧を用いた場
合について説明したが、その他の流体圧であってもよ
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、車両の走行状
況だけではなく、作動油の温度をも考慮してポンプ部の
吐出量を制御する構成としたため、流体の温度が変化し
ても、ポンプ部の吐出量を最適な値に調整することがで
き、その結果、流体の温度変動に伴ってポンプや制御弁
の特性が変化しても、流量不足等の不具合が生じないと
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図は
圧力制御弁の一例を示す断面図、第3図は圧力制御弁の
出力特性を示すグラフ、第4図はポンプ部の吐出量特性
を示すグラフ、第5図は吐出量制御回路を示すブロック
図、第6図はモード設定回路で実行される処理の概要を
示すフローチャート、第7図は油温と補正係数との関係
の一例を示すグラフ、第8図(a)はモード1における
電磁方向切換弁の状態を示す図、第8図(b)はモード
2における電磁方向切換弁の状態を示す図、第8図
(c)はモード3における電磁方向切換弁の状態を示す
図である。 6……能動型サスペンション、8……油圧供給装置(車
両用流体圧供給装置)、30……タンク、34……油圧ポン
プ、50……吐出量制御回路、51……ポンプ部、57……油
温センサ(温度検出手段)、78……モード設定回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体及び車輪間に介装された流体圧シリン
    ダと、この流体圧シリンダの圧力を前記車体の姿勢変化
    情報に基づいて制御する制御弁とを有した能動型サスペ
    ンションに流体圧を供給する流体圧供給装置において、 吐出量可変のポンプ部と、このポンプ部が吐出する流体
    の温度を検出する温度検出手段と、車両走行状況を検出
    する車両走行状況検出手段と、前記車両走行状況及び前
    記流体の温度に基づき前記能動型サスペンションで消費
    される消費流量を推定する消費量流量推定手段と、前記
    流体の温度に基づき前記ポンプ部の吐出量特性を設定す
    る特性設定手段と、前記推定された消費流量及び前記設
    定された吐出量特性に基づいて前記ポンプ部の稼働モー
    ドを設定してその吐出量を制御する吐出量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする流体圧供給装置。
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