JP2699632B2 - 車両用流体供給装置 - Google Patents

車両用流体供給装置

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JP2699632B2 JP24145490A JP24145490A JP2699632B2 JP 2699632 B2 JP2699632 B2 JP 2699632B2 JP 24145490 A JP24145490 A JP 24145490A JP 24145490 A JP24145490 A JP 24145490A JP 2699632 B2 JP2699632 B2 JP 2699632B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、車両用流体圧供給装置に係り、とくに、車
体及び車輪間に介装された流体シリンダと、この流体シ
リンダに供給する作動流体を制御することによりロール
剛性,ピッチ剛性等を制御可能な能動型サスペンション
に対する流体供給装置の改良に関する。
【従来の技術】
従来の車両用流体供給装置としては、例えば本出願人
が特開昭63-251313号において提案した構成のものがあ
る。 この従来装置の一態様は、エンジンなどの回転駆動源
に連結された吐出量可変の油圧ポンプと、この油圧ポン
プの1回転当たりの圧油の吐出量を、上下加速度、横加
速度、前後加速度等の車体の姿勢変化を検出する姿勢変
化検出手段の姿勢変化検出値が所定値を越えたときには
停車時よりも増加させる吐出量制御手段とを備えてい
る。そして、このように制御される吐出量による油圧
を、例えば圧力制御弁などの制御弁を介してバネ上,バ
ネ下間に介装された油圧シリンダに供給する構成として
いる。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記従来の流体供給装置にあっては、
停車時の消費馬力が走行時よりも減少するという点では
功を奏するものであるが、回転駆動源の作動状態を考慮
せず、姿勢変化検出値が大のときに必ず油圧ポンプの吐
出流量を増加させる構成であったため、回転駆動源の負
荷が大きい時に、ポンプ吐出量を増加させると、回転駆
動源の負荷がより大きくなり、エンストする可能性があ
るという未解決の課題があった。 そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目し
てなされたものであり、エンジン等の回転駆動源の作動
状態を検出して高負荷時又は低出力トルク時にポンプ吐
出量の増加を禁止してエンストを防止することができる
車両用流体供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用流体
供給装置は、第1図に示す如く、車体及び車輪間に介装
した流体シリンダ102aと、該流体シリンダ102aに供給す
る作動流体を前記車体の姿勢変化情報に基づいて制御す
る制御弁102bとを有する能動型サスペンション102で消
費される消費流量を推定する消費流量推定手段108と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段100と、該
走行状態検出手段100の検出値に基づいて前記該消費流
量推定手段108で推定した消費流量推定値を増量補正す
る増量補正手段101とを備え、前記能動型サスペンショ
ン102に対して作動流体を供給する車両用流体供給装置
において、制御信号に応じて吐出量を変更可能な可変容
量ポンプ部103と、該可変容量ポンプ部103に連結された
回転駆動源104の作動状態を検出する作動状態検出手段1
05と、該作動状態検出手段105の作動状態検出値が予め
設定した高負荷許容状態であるか否かを判定する高負荷
許容状態判定手段106と、該高負荷許容状態判定手段106
の判定結果が高負荷許容状態であるときには、前記増量
補正手段101による増量補正量に基づく前記制御信号を
出力し、前記高負荷許容状態以外であるときには、前記
消費流量推定手段108の消費流量推定値のみに基づく制
御信号を出力する吐出量制御手段とを備えている。 ここで、作動状態検出手段105としては、回転駆動源1
04の回転数又は始動時を検出することにより低出力トル
ク時を検出するか、回転駆動源104の高負荷状態を検出
することが望ましい。
【作用】
本発明においては、消費流量推定手段108で能動型サ
スペンションの消費流量を推定し、可変容量ポンプ部10
3を回転駆動するエンジン等の回転駆動源104の作動状態
を作動状態検出手段105で検出し、この作動状態検出手
段105で検出した作動状態に基づいて高負荷許容状態判
定手段106で、回転駆動源104が高負荷を許容できる高負
荷許容状態であるか否かを判定する。このとき、回転駆
動源104の回転数が高く、回転駆動源104に掛かる負荷が
小さいときには、高負荷許容状態であると判断し、これ
に応じて、吐出量制御手段107で、増量補正手段101での
走行状態検出手段100の検出値に基づいて消費流量推定
手段108の消費流量推定値を増量補正する増量補正値に
基づいて可変容量ポンプ部103の吐出量を制御すること
により、能動型サスペンションの消費流量急増に見合う
作動流体量を確保する。 また、高負荷許容状態判定手段106の判定結果が、回
転駆動源104が高負荷状態又は低出力トルク状態で高負
荷許容状態でないものであるときには、吐出量制御手段
107で、増量補正手段101による増量を禁止し、消費流量
推定手段108の消費流量推定値に基づいて可変容量ポン
プ部103の吐出量を制御することにより、回転駆動源104
の過負荷による停止を防止する。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を第2図乃至第9図に基づい
て説明する。 第2図において、2は車体、4は任意の車輪,6は能動
型サスペンション,8は流体供給装置としての油圧供給装
置を夫々示す。なお、同図では図示しないが4輪に対し
て同一のサスペンション構成をとっている。 能動型サスペンション6は、流体圧シリンダとしての
油圧シリンダ10、制御弁としての圧力制御弁12、姿勢制
御回路18、及び横加速度センサ19A,前後加速度センサ19
B,上下加速度センサ19Cを含んで構成される。 油圧シリンダ10は、そのシリンダチューブ10aが車体
2側に、ピストンロッド10bが車輪4側に夫々取り付け
られ、シリンダチューブ10a内にはピストン10cにより圧
力室Lが隔接されている。この圧力室Lは、配管11を介
して圧力制御弁12の出力ポートに連通している。 圧力制御弁12は、具体的には第3図に示すように、弁
本体を内蔵する円筒状の弁ハウジング13と、これに一体
的に設けられた比例ソレノイド14とを有している。 弁ハウジング13の中央部に穿設された挿通孔13Aに
は、メインスプール15とポペット16が摺動可能に挿入さ
れ、メインスプール15の両端のパイロット室FU,フィー
ドバック室FLにはオフセットスプリング17A,17Bが挿入
されている。なお、13Aaは固定絞りである。弁ハウジン
グ13は、そのメインスプール15のランド15a,15b及び圧
力室15cに対抗する位置に、挿通孔13Aに連通した状態で
供給ポート12i,戻りポート12r,出力ポート12oを夫々有
している。またポペット16とフィードバック室FUとの間
には、所定径の弁座13Baを有する隔壁13Bによて圧力室
Cが形成されている。 供給ポート12iはパイロット通路13sを介して圧力室C
に連通し、圧力室Cは弁座13Ba,ドレン通路13tを介して
戻りポート12rに連通している。また、出力ポート12oは
フィードバック通路15fを介してフィードバック室FL
連通している。 一方、比例ソレノイド14は、軸方向に移動可能なプラ
ンジャ14Aと、このプランジャ14Aを駆動する励磁コイル
14Bとを有する。この励磁コイル14Bが指令値Iによって
励磁されると、プランジャ14Aが移動して前記ポペット1
6を付勢し、この付勢具合によって前記弁座13Baを流通
する作動油の流量、つまり圧力室C(即ちパイロット室
FU)の圧力を調整できるようになっている。 このため、比例ソレノイド14による押圧力がポペット
16に加えられている状態で、両室FL,FUの圧力が釣り合
うと、スプール15は、出力ポート12oと供給ポート12i及
び戻りポート12rとの間を遮断する図示のスプール位置
をとる。そこで、指令値Iの大小によりパイロット室FU
の圧力が調整され、このパイロット圧に応じて両室FL,F
Uの圧力が釣り合うまで、スプール15が微動して調圧動
作が行われ、出力ポート12oからの出力圧PCを第4図に
示すように指令値Iに比例して制御できる。同図中、P2
は流体供給装置8からの最大ライン圧である。 前記横加速度センサ19A,前後加速度センサ19B及び上
下加速度センサ19Cは、車体2に発生する横方向,前後
方向及び上下方向の加速度を検知して、それらの状態量
に応じた正及び負の電気信号でなる加速度検出値YG,XG
及びZGを姿勢制御回路18に出力するようになっている。
姿勢制御回路18は、各加速度検出値YG〜ZGに所定のゲイ
ンを乗算する等の演算を行い、車体のロール,ピッチを
抑制したり、上下振動(バウンス)を減衰させるための
指令値Iを演算して圧力制御弁12に供給する。 なお、第2図中、22は車体2の静荷重を支持するコイ
ルスプリング、また、24及び26はバネ下共振域の振動を
減衰させる絞り及びアキュムレータである。 一方、前記油圧供給装置8は、作動油を溜めるタンク
30と、このタンク30に吸引側を配管32により接続した油
圧ポンプ34とを有する。油圧ポンプ34は、回転駆動源と
してのエンジン35の出力軸に取付けたプーリ35aに、ベ
ルト35b、プーリ35cを介して連結された回転軸36にパワ
ーステアリング装置37に作動油を供給する油圧ポンプ37
aとタンデムに連結された吐出量可変形のポンプシステ
ムであって、具体的には複数のシリンダを有するプラン
ジャ型のポンプで成る。そして、各シリンダの中の1つ
おきの一方の組により1回転当たりの吐出量が比較的大
きい第1の油圧ポンプ34Aが構成され、他方の組により
1回転当たりの吐出量が小さい第2の油圧ポンプ34Bが
構成されている。 ここで、第1,第2の油圧ポンプ34A,34Bの回転数に対
する吐出流量特性は、第5図に示すようになっている。
つまり、消費流量が多い姿勢制御時,走行時には第1の
油圧ポンプ34Aの吐出量又は第1の油圧ポンプ34A及び第
2の油圧ポンプ34Bの和の吐出量で賄い、消費流量が少
ない停車時又は走行時には第2の油圧ポンプ34Bの吐出
量で賄うようになっており、これらの必要量を満たすよ
うに最大流量Q1,Q2が設定されている。 第1の油圧ポンプ34Aの吐出口には第1の供給側管路3
8aが接続され、この管路38aがチェック弁39A,39Bを介し
て前記圧力制御弁12の供給ポート12sに至る。また制御
弁12の戻りポート12rにはドレン側管路40が接続され、
この管路40がオペレートチェック弁41を介してタンク30
に至る。オペレートチェック弁41は、チェック弁39Bの
下流側ライン圧をパイロット圧PPとするパイロット操作
形逆止弁で構成され、本実施例では、パイロット圧PP
PN(PNは作動中立圧:第4図参照)のときにチェック解
除状態(弁が開)として管路40を連通させ、PP≦PNのと
きにチェック状態(弁が閉)として管路40を遮断する。 また、第2の油圧ポンプ34Bの吐出口には第2の供給
側管路38bが接続され、この管路38bがチェック弁39C介
して第1の供給側管路38aのチェック弁39Aの下流側に接
続されている。 さらに、本油圧供給装置8は、第2図に示す如く、3
ポート3位置のスプリングオフセット型の電磁方向切換
弁42を備えており、この切換弁42の第1入力ポート42a
は第1の供給側管路38aに分岐した分岐路44を介して第
1の油圧ポンプ34Aの吐出口に連通し、また第2入力ポ
ート42bは第2の供給側管路38bに分岐した分岐路46を介
して第2の油圧ポンプ34Bの吐出口に連通している。さ
らに、切換弁42の出力ポート42cは管路48を介してタン
ク30に至る。 この電磁方向方向切換弁42は、吐出量制御回路50から
の切換信号CS1,CS2(モード指令信号)のオン,オフに
おって切り換えられるもので、CS1,CS2が共にオフのと
きには第1入力ポート42aが封鎖且つ第2入力ポート42b
及び出力ポート42cが連通する第1の切換位置となり、C
S1がオン,CS2がオフのときには全てのポートが封鎖さ
れる第2の切換位置となり、さらに、CS1がオフ,CS2が
オンのときには第1入力ポート42a及び出力ポート42cが
連通且つ第2入力ポートが封鎖状態となる第3の切換位
置となる。 ここで、油圧ポンプ34,チェック弁39A,39C,及び電磁
方向切換弁42が可変容量ポンプ部51の要部を成す。 また、比較的大容量の蓄圧用アキュムレータ52が、第
1の供給側管路38aのチェック弁39Bの下流側に接続さ
れ、ライン圧を所定値に設定するリリーフ弁53が第1の
供給側管路38a(チェック弁39A,39B間の位置)とドレン
側管路40との間に接続されている。 一方、エンジン35には、その出力軸に取付けたプーリ
35d、ベルト35e及びプーリ35fを介して空調装置ACが連
結されている。 さらに、本油圧供給装置8は、車速センサ54と、作動
状態検出手段105を構成するパワーステアリング装置37
の圧力を検出する圧力センサ55及びポンプ回転数センサ
56と、ストロークセンサ(ストローク検出手段)58FL,5
8FRとを備えている。車速センサ54は、車速に応じた電
気信号でなる車速検出値Vを吐出量制御手段としての吐
出量制御回路50に出力する。圧力センサ55は、パワース
テアリング装置37のパワーシリンダに供給する圧力に応
じた圧力検出信号Pを吐出量制御回路50に出力する。ポ
ンプ回路数センサ56は、油圧ポンプ34の回転数に応じた
電気信号Nを検出するもので、具体的には、例えばエン
ジン35の出力側のエンジン回転数を磁気的,光学的に検
出するパルス検出器で成るエンジン回転数センサを兼用
しており、その検出信号Nを吐出量制御回路50に出力す
る。ストロークセンサ58FL,58FRは、車体2及び車輪
(前左,前右側の車輪)4,4に夫々介装されたポテンシ
ョメータで構成され、その車体2及び車輪4間の相対変
位に応じた検出信号XL,XRを吐出量制御回路50に出力す
る。 一方、前記吐出量制御回路50は、第6図に示す如く、
入力するストローク信号XL,XRをフィルタリングするバ
ンドパスフィルタ66,68と、このバンドパスフィルタ66,
68の出力信号XL,XRに後述する積分演算を施す積分器70,
72と、パイロット流量設定器74とを有し、さらに、各積
分器70,72及びパイロット流量設定器74の出力信号QL,QR
及びQOを相互に加算する加算器76と、この加算器76の加
算信号(基準推定消費流量に対応した信号)QA,車速セ
ンサ54の車速検出値V及びポンプ回転数信号Nを受けて
ポンプ稼働モードを設定するモード設定回路78と、この
設定回路78の出力信号SLを受けて電磁方向切換弁42に切
換信号CS1及びCS2を出力する駆動回路80A,80Bとを有し
ている。 各バンドパスフィルタ66,68の低域側カットオフ周波
数fLは車高調整時のストローク変化分を遮断できる値
(例えば0.5Hz)に、高域側カットオフ周波数fHはバネ
下共振周波数側のストローク変化分を遮断できる値(例
えば6Hz)に設定してある。また、各積分器70,72は、 の式(信号xに対する添え字L,Rは省略)に基づき演算
してストローク変化分の積分値,即ち積分時間T(例え
ば2秒)間のトータルのストローク量「1/T・∫||d
t」に対応したシリンダへの出入り流量を求める。Kは
油圧シリンダ10の受圧面積に基づくゲインである。 ここで、車体2及び車輪4間の実際のストローク変動
に着目してみると、殆どの場合、伸び側,縮み側が対称
的に現れる振動となる。しかし、実際に油圧ポンプ34か
らの吐出流量が必要になるのは、ストロークが伸び側に
変化し、作動油が油圧シリンダ10に流入するときのみで
あり、ストロークが縮み側に変化し、作動油が排出され
るときは作動油の供給の必要はない。ところが、ストロ
ークが縮み側に変化する分に対する流量は、丁度、後輪
側の油圧シリンダ10に対する作動油の流入分であるとし
ても差し支えないので、前輪2輪に対する前記(1)式
の演算値は結局、4輪のトータルのストローク変化に対
する消費流量を簡便的に表している。 また、パイロット流量設定器74は、4輪分の圧力制御
弁12の内部リーク量に相当する値QOを出力する。このた
め、加算器76の加算結果QAはシステム全体の推定消費流
量となる。 さらに、前記吐出量制御回路50は、第6図に示す如
く、ストローク信号XL,XRを受けて該信号XL,XRの移動平
均値を夫々求める第1演算部としてのローパ
スフィルタ82,84と、このフィルタ82,84に依る平均値
に対して「XL」,「XR」の演算を
夫々行う加算器86,88と、加算値「XL」,「XR
」の絶対値を夫々演算して、その信号を前記モード
設定回路78に出力する絶対値回路90,92をも有してい
る。上記アナログ型ローパスフィルタ82,84のカットオ
フ周波数は、路面から振動入力によるバネ上,バネ下間
のストローク周波数領域(例えば1〜10Hz前後)以下の
値(例えば0.1Hz)に設定されており、入力信号XL,XR
平滑化する。ここで、加算器86,88及び絶対値回路90,92
が第2演算部を構成する。 前記モード設定回路78は、例えばマイクロコンピュー
タを搭載して構成され、予め前述した第5図の吐出流量
特性に対応したモードマップを記憶しているとともに、
後述する第7,8図の処理をΔt(<T)時間毎に行う。
この内、第7図の処理は、前記積分周期に同期した時間
T毎に稼働モードを設定し、モードI(第2の油圧ポン
プ34Bが供給ラインに接続される稼働状態)に対応した
論理値“0"の選択信号SL1及び倫理値“1"の選択信号SL2
を出力し、モードII(第1の油圧ポンプ34Aが供給ライ
ンに接続される稼働状態)に対応した論理値“0"の選択
信号SL1及びSL2を出力し、モードIII(第1の油圧ポン
プ34A及び第2の油圧ポンプ34Bが供給ラインに接続され
る可動状態)に対応した論理値“1"の選択信号LS1及び
倫理値“0"の選択信号LS2を出力する。第8図の処理
は、Δt時間毎にストローク量が大きい状態を監視する
機能等を担っている。 また、駆動回路80A及び80Bは、モード設定回路78から
出力される選択信号SL1及びSL2が論理値“1"であるとき
に、電磁方向切換弁42に対する切換信号CS1及びCS2をオ
ン状態とし、論理値“0"であるときに切換信号CS1及びC
S2をオフ状態とする。 なお、上記吐出量制御回路50の中で、バンドパスフィ
ルタ66,68、積分器70,72、パイロット流量設置器74、及
び加算器76が消費流量推定手段を構成している。 次に、上記実施例の動作を説明する。 最初に、モード設定回路78の動作を説明する。この設
定回路78は、一定時間Δt(例えば20msec)毎に第7図
のモード切換処理及び第8図のモード設定処理を夫々実
行する(両処理中のフラグa1,a2、カウンタb,cは起動時
にはメインプログラムで零に初期設定される)。 第7図のモード切換処理は、タイマ割込処理として実
行され、先ず、ステップでカウンタcをインクリメン
トし、次いでステップでカウンタcのカウント値が所
定時間T(=Δt・A)に対応した整数Aになったか否
かを判定する。この判定でカウンタcのカウント値がA
に達していないときは、ステップaに移行してフラグ
a1が“1にセットされているか否かを判定し、フラグa1
が“0"にリセットされているときには、ステップbに
移行してフラグa2が“1"にセットされているか否かを判
定し、フラグa2が“0"にリセットされているときにはそ
のままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラ
ムに復帰する。ここで、フラグa1及びa2は、後述する第
8図のモード設定処理で、所定の大ストローク状態又は
その後の所定時間内であることを意味するものである。 また、ステップの判定結果が、c=Aであるとき
は、ステップに移行してカウンタc=0にクリアした
後、ステップに移行する。 このステップでは、加算器76の加算結果である基準
推定消費流量信号QAを読込み、次いで、ステップに移
行して、ポンプ回転数センサ56の検出信号Nを読込んで
からステップに移行する。 このステップでは、第5図に対応したマップを参照
して、基準推定消費流量QAとポンプ回転数Nとにより一
義的に決まる座標が属する最小吐出流量の基準モードを
設定する。つまり、モードIならば選択信号SL1
「0」,SL2=「1」とし、モードIIならば選択信号SL1
=SL2=「0」とし、モードIIIならばSL1=「1」,SL2
=「0」とする。 次いで、ステップaに移行して、再びフラグa1=1
か否かの判断を行い、a1=0の場合は中ストローク又は
その後の保持状態ではないものと判断して、ステップ
bに移行してフラグa2=1か否かの判断を行い、a2=0
の場合は大ストローク又はその後の保持状態ではないも
のと判断してステップに移行し、ステップで設定し
た基準モードを今回処理での最終的な稼働モードとして
決定してからステップに移行する。 一方、ステップa及びaの判定結果がa1=1であ
る場合は、ステップaに移行して、基準モードから1
モードアップさせた稼働モードを選択してからステップ
に移行する。つまり、ステップで設定された基準モ
ードが「I」ならば稼働モードは「II」が指令され、基
準モードが「II」ならば稼働モードは「III」が指令さ
れ、基準モードが「III」ならば稼働モードは「III」が
そのまま指令される。 また、前記ステップb及びbの判定結果がa2=1
である場合は、ステップbに移行して、基準モードか
ら2モードアップさせた稼働モードを選択してからステ
ップに移行する。つまり、ステップで設定された基
準モードが「I」ならば稼働モードは「III」が指令さ
れ、基準モードが「II」又は「III」ならば稼働モード
は「III」が指令される。 ステップでは、今回の処理でモードアップしたか否
かを判定し、モードアップしたときには、ステップに
移行して、圧力センサ55の圧力検出値P、作動状態検出
手段105を構成する空調装置ACの起動スイッチ57のスイ
ッチ信号SW及びポンプ回転数センサ56のエンジン回転数
Nを読込み次いでステップに移行して、圧力検出値P
が予め設定した閾値PS以上であるか否かを判定し、P<
PSであるときには、ステップに移行してスイッチ信号
SWがオン状態であるか否かを判定し、スイッチ信号SWが
オフ状態であるときには、ステップに移行してエンジ
ン35の回転数Nが予め設定した閾値NS以上であるか否か
を判定し、N<NSであるときにはステップに移行す
る。 このステップでは、駆動回路80A,80Bにステップ
,a,bで設定された稼働モードに対応する設定信
号SL1,SL2を出力してからタイマ割込処理を終了して所
定のメインプログラムに復帰する。 また、ステップの判定結果がモードアップしていな
いときには、直接前記ステップに移行する。 さらに、ステップの判定結果がP≧PSであるとき、
ステップの判定結果がスイッチ信号SWがオン状態であ
るとき及びステップの判定結果がN≧NSであるときに
は、ステップに移行して車速センサ54の車速検出値V
を読込み、次いでステップに移行して車速検出値Vが
予め設定した閾値VS以上であるか否かを判定し、V≧VS
であるときには、前記ステップに移行し、V<VSであ
るときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメ
インプログラムに復帰する。 この第7図の処理において、ステップb〜,,
の処理が高負荷許容状態判定手段106に対応してい
る。 また、第8図のモード設定処理もタイマ割込処理とし
て実行され、先ず、ステップで、絶対値回路90の出力
信号|XL|を読込み、次いでステップに移行し
て絶対値回路92の出力信号|XL|を読込んでから
ステップaに移行する。 ステップaでは、|XL|≧E1(E1)は中スト
ローク状態を弁別できる設定値)か否かを判定し、|XL
|<E1である場合にはステップaに移行する。
このステップaでも同様に、|XR|≧E1である
か否かを判定し、|XR|<Eである場合には、前
左輪,前右輪4,4共に大ストローク状態では無いものと
判断して、ステップに移行する。 このステップでは、前回の処理時にフラグaが“1"
にセットされているか否かを判定し、フラグaが“0"に
リセットされているときには、そのままタイマ割込処理
を終了して所定のメインプログラムに復帰し、フラグa
が“1"にセットされているときには、ステップに移行
する。 このステップでは、前述した第7図のモード切換処
理におけるカウンタcが“0"にクリアされているか否か
を判定し、c≠0であるときには所定の大ストローク状
態を脱出したが、未だ所定時間Tが経過していない状態
であるから、現状モードを保持したままタイマ割込処理
を終了して所定のメインプログラムに復帰し、c=0で
あるときにはステップに移行する。 このステップでは、カウンタbをインクリメント
し、次いでステップに移行して、カウンタbのカウン
ト値が“2"であるか否かを判定する。このカウンタbに
よる判断は、大ストロークを脱出した後、少なくとも、
1周期分(T時間分)の間は、アップモードによる稼働
状態を保持させるためである。そこで、ステップでb
<2の場合は、かかる保持時間TF+T(0≦TF<T:TF
大ストロークから抜けるタイミングにより変動する:第
9図参照)が未だ経過していないとしてそのままタイマ
割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、
b=2の場合は保持時間TF+Tが経過したとしてステッ
プに移行してフラグaを“0"にリセットしてからタイ
マ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰す
る。 また、前記ステップa又はaの判定結果が|XL
|≧E1又は|XR|≧E1であるときには、大き
な姿勢変化を与える中ストローク状態以上であり、能動
型サスペンション6での単位時間当たりの消費流量が大
きくなるものと判断してステップbに移行する。 このステップbでは、|XL|≧E2(E2>E1
であるか否かを判定する。この判定は、車体2及び車輪
4間の相対変位は大ストローク状態であるか否かを判定
するものであり、|XL|<E2であるときには、前
左輪側が中ストローク状態であると判断してステップ
bに移行し、同様に|XR|≧E2であるか否かを判
定する。 そして、ステップb又はステップbの判定結果が
|XL|≧E2又は|XR|≧E2であるときに
は、ステップに移行する。 このステップでは、閾値E2より大きい大ストローク
状態であることを表すフラグa2を“1"にセットし、次い
でステップに移行して閾値E1より大きく閾値E2より小
さい大ストローク状態であることを表すフラグa1が“1"
にセットされているか否かを判定し、フラグa1が“1"に
セットされているときには、ステップに移行してフラ
グa1を“0"にリセットしてからステップに移行し、フ
ラグa1が“0"にリセットされているときにはそのままス
テップに移行する。 ステップでは、カウンタbを“0"にクリアしてから
タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復
帰する。 一方、ステップbの判定結果が|XR|<E2
あるときには、ステップに移行して前述したフラグa2
が“1"にセットされているか否かを判定し、フラグa2
“0"にリセットされているときには、そのまま後述する
ステップに移行し、フラグa2が“1"にセットされてい
るときには、前記ステップ〜と同様の保持処理を行
うステップ〜を経て所定保持時間が経過したときに
ステップに移行してフラグa2を“0"にリセットしてか
らステップに移行する。 このステップでは、フラグa1を“1"にセットし、次
いでステップに移行してカウンタbを“0"にクリアし
てからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラ
ムに復帰する。 なお、上記保持期間の長さは振動周波数及び消費馬力
に鑑みて自由に設定できるものである。 ここで、本実施例では、ローパスフィルタ82,84、加
算器86,88、絶対値回路90,92、及び第7図,第8図の処
理が吐出量制御手段107に対応し、この内、第7図のス
テップ〜,〜の処理及び第8図のステップ〜
,〜の処理が増量補正手段101に対応している。 次に、全体動作を説明する。 今、アクセサリースイッチがオフ状態であって、エン
ジン35が停止しており、オペレートチェック弁41が全閉
状態となって、圧力制御弁12を含む油圧制御系が閉回路
となって、圧力保持状態となっているものとする。 この状態から、アクセサリースイッチをオン状態とす
ることにより、第7図及び第8図のタイマ割込処理が実
行開始されるが、このときにはエンジン35が停止状態を
継続しているので、モード設定回路78は、前述した第7
図ステップ〜処理によって、その時点のポンプ回転
数Nと基準推定消費流量QAに応じた座標点を一定時間T
毎に読み取り、基準モードを設定する。このとき、車両
が停止しているので、路面側からの振動入力、車体2及
び車輪4間のストローク変動及び車体2に対する外力も
殆ど発生しない。このため、ストロークセンサ58FL,58F
Rの検出信号XL,XRが殆ど変動せず、バンドパスフィルタ
66,68の抽出成分は零に近い値となり、加算器76の加算
値QA≒QOであって基準推定消費流量は小さく、且つ前述
したようにフラグa=0であるから、基準モード=稼働
モードであり(第7図ステップ,参照)、稼働モー
ドは「I」に設定される。これによって、切換信号CS1
がオフ状態、切換信号CS2がオン状態となり、電磁方向
切換弁42は前述したように「第1のオフセット位置」を
とるから、可変容量ポンプ部51はモードIで稼働可能な
状態となる。即ち、第1の油圧ポンプ34Aが無負荷運転
となり、第2の油圧ポンプ34Bの小さい吐出流量により
ライン圧を賄う状態となる。 この状態からイグニッションスイッチをオン状態とし
てエンジン35を始動すると、これに応じてタンデム接続
された可変容量ポンプ34及びパワーステアリング用ポン
プ37aが始動する。 そして、油圧ポンプ34Aの回転数が上昇するに伴っ
て、その吐出圧が上昇し、これがチェック弁39B及びオ
ペレートチェック弁41によって圧力保持状態となってい
る油圧制御系の保持圧以上となると、この油圧制御系の
圧力が上昇を開始し、オペレートチェック弁41の設定圧
に達すると、このオペレートチェック弁41が全開状態と
なって圧力保持状態が解除される。 この状態となると、圧力制御弁12による油圧シリンダ
10の圧力制御が可能となり、姿勢制御回路18からの指令
電流Iによって車体をフラットに維持する姿勢制御が開
始される。 この状態で又はその前に車両を走行状態とすると、凹
凸の無い良路を走行する場合に、ストロークセンサ58L
及び58Rのストローク検出信号XL-XRの変動が少ないの
で、第8図の処理が実行されたときに、ステップ〜
aを経てステップに移行し、フラグa1又はa2が“1"に
セットされることがないと共に、基準推定消費流量QA
大きく増加することもないので、第7図の処理におい
て、ステップa又はステップbの処理を行うことが
なくモードアップすることはないので、第7図のステッ
プからステップに移行してモード「1」が保持され
る。 ところで、走行開始直後に凹凸を乗り越えたり、歩道
と車道との間の段差部を通過したときには、車体がバウ
ンドすることにより、ストロークセンサ58L,58Rのスト
ローク検出信号XL,XRが大きな値となることがあり、こ
の場合には、第8図の処理においてステップa又は
bからステップbに移行することになり、ストローク
変動幅に応じてフラグa1又はa2が“1"にセットされる。
このため、第7図の処理が実行されたときには、ステッ
プa若しくはaからステップaに移行するか、又
はステップb若しくはbからステップbに移行し
て、基準モード「I」から1又は2モードアップした稼
働モードが選択される。このため、ステップでモード
アップと判断されるので、ステップに移行して圧力セ
ンサ55の圧力検出値P、空調装置ACの起動スイッチ57の
スイッチ信号SW及びポンプ回転数信号Nを読込んでから
ステップに移行することになる。 このため、パワーステアリング装置37が据切り状態で
高圧力消費状態となっていたり、空調装置ACが作動して
いたりしてエンジン35が高負荷状態となっていたり、エ
ンジン回転数が低くエンジン35の出力トルクが低いとき
には、高負荷許容状態ではないと判断して、ステップ
に移行し、車速センサ54の車速検出値Vを読込んでから
ステップに移行して車速検出値Vが車速閾値VS以上で
あるか否かを判定し、低車速走行状態であって、V<VS
であるので、そのままタイマ割込処理を終了する。した
がって、切換信号CS1及びCS2は変更されることはなく、
前回の状態を維持して油圧ポンプ34Aのみの吐出量がチ
ェック弁39Bを介して圧力制御弁12に供給されるモード
「I」の状態が維持される。この結果、油圧供給装置8
のモードアップによる負荷がエンジン35に掛かることを
禁止することができ、油圧供給装置8のモードアップに
よる高負荷によってエンジン停止することを確実に防止
することができる。しかも、この低速走行状態では、車
両がうねり路、悪路等を走行したとしても、ストローク
センサ58L,58Rで検出されるストローク変動の単位時間
当たりの変化量が少ないので、モードアップを行わない
でも、能動型サスペンション6の消費流量を十分賄うこ
とができる。 その後、車両が加速すると、パワーステアリング装置
37の操舵補助力が小さくなることにより、操舵状態での
圧力センサ55の圧力検出値Pが低下すると共に、エンジ
ン回転数Nも増加するので、フラグa1又はa2が“1"にセ
ットされてモードアップ状態となったときに、空調装置
ACの起動スイッチ57もオフ状態であり高負荷許容状態と
判断されたときにはステップに移行して、可変容量ポ
ンプ34のモードアップが実行され、空調装置ACの起動ス
イッチ57がオン状態である高負荷許容状態ではないとき
のみステップに移行して可変容量ポンプ34のモードア
ップが禁止される。 さらに、車速センサ54の車速検出値Vが車速閾値VS
上となると、第7図のステップからステップに移行
することにより、エンジン35の作動状態にかかわりなく
可変容量ポンプ部51のモードアップが可能となる。 したがって、車速閾値VS以上の車速での良路走行状態
から例えば低周波のうねりが継続するうねり路を走行す
る状態となると、バネ上共振域(1Hz前後)相当の比較
的低い周波数の上下振動が入力し、前輪4,4の少なくと
も一方に第9図(同図では説明を容易にするため、スト
ローク量平均値を直線で示している)に示すストロー
ク振動があったとする。即ち、ストローク量xは時刻t1
付近でその中立位置(即ち平均値)から急速に立ち上
がり、時刻t11〜t12間で最初に基準値E以上となり、以
後これに応じて振動する。 このようなストローク変動に対して、時刻t11までの
間は|XL|<E1且つ|XR|<E1であるか
ら、第8図の処理でフラグa=0が維持される。このた
め、第7図の定時モード設定により、時刻t1で良路に準
じる走行とみなされて設定されたモードIが時刻t11
で継続され、増大気味の消費流量に対してはアキュムレ
ータ52からの作動油供給で賄われる。 しかし、時刻t11〜t12間では|XL|≧E1及び|
XR|≧E1の少なくとも一方が成立するので、t11
以降は第8図の処理によってフラグa1=1になる。この
ため、第7図の処理では、ステップ〜a,a,〜
又はを介する手順により、最新の基準モード「I」に
対して1モードアップした稼働モード「II」が強制的に
設定される。ここで、仮に、大ストロークと判断される
タイミングが定時モード設定に一致した場合(例えば第
9図の例でt11=t1)でも、第7図のステップa,a,
〜又はを介する手順で同様にモードアップされ
る。 これにより、電磁方向切換弁42は「ノーマル位置」を
とり、今度は、第2の油圧ポンプ34Bが無負荷運転とな
り、第1の油圧ポンプ34Aの大きな流量が負荷側に出力
される。 即ち、本実施例では、上下方向の振動入力が開始した
直後の適宜なタイミングt11でモードアップ,即ち増量
が指令される。このタイミングは、従来の上下加速度に
基づくタイミングよりも格段に応答性が良いため、従来
のような増量遅れを解消している。 そして、時刻t12〜t13間では、|XL|≧E2及び
|XR|≧E2の少なくとも一方が成立するので、t
12以降は第8図の処理によってフラグa2=1になる。こ
のため、第7図の処理では、ステップ〜b,a,〜
又はを介する手順により、最新の基準モード「I」
に対して2モードアップした稼働モード「III」が強制
的に設定される。これにより、電磁方向切換弁42が第2
のオフセット位置に切換えられ、油圧ポンプ34A及び34B
の吐出量の和の最大吐出量が可変容量ポンプ部51から出
力され、これよって能動型サスペンション6の大消費流
量を賄うことができる。 その後、時刻t13〜t14間では、E2>|XL|>E1
又はE2>|XR|>E1の状態となり、時刻t14を経
過すると、|XL|<E1且つ|XR|<E1に戻
るが、モードアップの保持期間t13〜t2の間にストロー
ク量がその縮み側に振れ、時刻t15〜t21で再び閾値「−
E」を越える。このため、時刻t15〜t21では、第8図ス
テツプの処理によって常にカウンタbがクリア状態と
なり、保持期間が更新され、再びTF+Tの計測が開始さ
れ、この計測中は最初にアップされた稼働モードIIIが
そのまま維持される。この増量制御は、大ストローク状
態が続く限り、同様に繰り返される。 一方、能動型サスペンション6では、上述のモードア
ップ制御に並行して振動入力に対する姿勢制御が実行さ
れる。つまり、うねり路への進入初期には、油圧シリン
ダ10のシリンダ室Lの圧力が上昇又は減少し、この圧力
変動に応じて圧力制御弁12のスプール15が前述の如く軸
方向に微動し、これにより圧力制御弁12を介してシリン
ダ10及び油圧供給装置8との間で作動油を流通させて振
動を吸収する。 しかし、うねり路走行が更に進み、上述したスプール
移動によっても振動を吸収できなくなると、車体側も上
下動しようとする。このような状態になると、車体に取
り付けた加速度センサ19Cが上下方向の加速度に対応し
た信号ZGを検出して姿勢制御回路18に出力する。そこ
で、姿勢制御回路18は、検出信号ZGに基づき上下振動を
減衰させる指令値Iを演算し、各輪の圧力制御弁12に出
力する。このため、油圧シリンダ10では、上下方向の絶
対速度に比例した力が発生し、上下振動が的確に減衰し
て上下動が抑制される。 このような振動制御状態では、前記直進状態に比べて
消費流量が格段に大きくなるが、本実施例では、大スト
ローク開始時t11にモードIIに切り換え、次いで時刻t12
でモードIIIに切換えて増量しているので、消費流量に
見合う充分な流量が事前に供給される。そこで、従来の
ような上下加速度信号に伴う増量遅れが無くなり、且
つ、定時モード設定の合間に大ストローク状態に移行す
ることがあっても増量が間に合わなくなるということも
無い。したがって、応答性の良い増量になり、サスペン
ション機能を損なうことが無く、うねり路等での良好な
乗り心地を確保できる。 さらに、上述したうねり路から良路へ抜け出し、これ
により、時刻tN1以降は第9図の如くストローク振動が
収束に向かったとする。この場合も、時刻tN1+(TF
T)であるtN+2までは前述したモードIIIが保持される
ため、大ストローク状態脱出直後の比較的大きいストロ
ーク振動であっても、大流量が供給され、ライン圧が保
持されるとともに、アキュムレータ52にも迅速に蓄圧さ
れる。そして、時刻tN+2を過ぎると、第8図の処理では
フラグa1=a2=0となるから、第7図の処理で基準モー
ド=稼働モードとなる。つまり、ストローク振動が小さ
い状態では、小吐出流量のモードIに戻され、燃費向上
が推進される。 なお、上記制御中、うねり路が短い場合、例えば時刻
t21以降に大ストロークが生じないときは、時刻t21から
所定時間のモード保持が実施され、揺れ戻しに対処でき
る。 さらに、走行を終えて停車すると、推定流量が少ない
のでモードIが設定され、消費馬力が下げられる。ま
た、イグニッションスイッチをオフにすると、エンジン
の回転が停止するので、油圧ポンプ34の吐出量も直ちに
零になる。このとき、圧力制御弁12を介して作動油がド
レン側にリークし、パイロット圧PPがPNに等しくなった
時点で、オペレートチェック弁41が「閉」なって、作動
圧を所定値PNに封じ込める。したがって、圧力値PNに応
じたフラットな車体姿勢となる。 このように本実施例では、能動型サスペンション6に
作動油を供給する油圧供給装置8を回転駆動源となるエ
ンジン35における他の接続装置による高負荷状態、又は
出力トルク低下状態等の作動状態を検出し、この高負荷
状態又は低出力トルク状態であるときに油圧供給装置8
のモードアップを禁止してエンジン35に対する負荷が増
加しないようにしているので、エンジン停止を確実に防
止することができる。 また、吐出量制御回路50で、従来の上下加速度信号に
代えて、路面状況をより的確に反映するストローク信号
を用い、所定時間T毎に消費流量を正確に推定し、この
推定値を満足する最小流量のポンプ稼働モードを設定
し、これに基づきポンプ34を駆動しているので、必要且
つ充分な流量を安定して供給でき且つ消費馬力のロスも
少ない。また、とくに、消費流量の大きい上下方向の振
動制御に際しては、直ちに増量するので、従来のような
加速度に基づくときの増量時の応答遅れが無くなるとと
もに、所定時間Tを比較的長く設定した場合でも、大ス
トローク時の増量が間に合わないということも無くな
り、迅速な増量に対処できるという利点がある。さら
に、ストロークセンサは前輪に対する2個で済むので、
構成が比較的簡単になる。さらに、大ストローク状態を
判断する閾値Eを適宜に設定することにより、ノイズな
どによる誤作動を防止できる。 なお、上記実施例においては、可変容量ポンプ部51に
3ポート3位置の電磁方向切換弁42を適用して稼働モー
ドを3段階に切換える場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、第2のオフセット位置を省略
した3ポート2位置の電磁方向切換弁を適用して稼働モ
ードを2段階に切換えるようにしてもよく、さらには油
圧ポンプ34A及び34Bを可変容量ポンプとして吐出量を無
段階に切換えるようにしてもよい。 また、上記実施例においては消費流量推定値QAを可変
した場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、例えば、良路に対応して予め設定した固定モー
ドを採用し、これに対して大ストローク時にモードアッ
プさせるようにしてもよい。 さらに、上記実施例においては、大ストローク状態で
あるときに、モードアップして能動型サスペンション6
への供給流量を増量補正する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、消費流量推定値QAにス
トローク変動に応じた所定値βを加算した値に基づい
て稼働モードを設定するようにしてもよい。 またさらに、上記実施例においては、ストロークセン
サ58L,58Rのストローク検出値XL,XRに基づいて増量補正
を行う場合について説明したが、これに限らず、横加速
度センサ19Aの横加速度検出値YGに基づいて大ロール状
態であるか否かを判定し、大ロール状態であるときに増
量補正を行うようにしてもよい。 また、前記各実施例では作動流体として作動油の場合
について説明してきたが、本発明は必ずしもこれに限定
されることなく、例えば圧縮率の小さい流体であれば任
意のものを適用できる。 さらに、能動型サスペンション6としては、圧力制御
弁12を使用して圧力制御する場合に限らず、サーボ流量
制御弁を使用して流量制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る車両用流体供
給装置によれば、可変容量ポンプ部を回転駆動する回転
駆動源の作動状態を作動状態検出手段で検出し、回転駆
動源が高負荷状態又は低出力トルク状態である高負荷許
容状態以外の状態であるときに、消費流量推定値に基づ
いて吐出量を制御し、増量補正手段による増量補正を行
わないようにしたので、車両用油圧供給装置の増量によ
る回転駆動源の負荷増大による回転停止を確実に防止す
ることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクレーム対応図、第2図は本発明の一
実施例を示す概略構成図、第3図は圧力制御弁の概略を
示す断面図、第4図は圧力制御弁の出力圧特性を示すグ
ラフ、第5図は上記実施例のポンプ部の吐出量特性を示
すグラフ、第6図は上記実施例の吐出量制御回路を示す
グラフ図、第7図及び第8図は第1実施例のモード切換
・設定処理を示すフローチャート、第9図はストローク
量変化状態の一例を示す簡略化したグラフである。 図中、2は車体、4は車輪、6は能動型サスペンショ
ン、8は油圧供給装置(流体圧供給装置)、10は油圧シ
リンダ(流体圧シリンダ)、12は圧力制御弁(制御
弁)、19Aは横加速度センサ、34は油圧ポンプ、35はエ
ンジン(回転駆動源)、37はパワーステアリング装置、
37aはパワーステアリング用油圧ポンプ、ACは空調装
置、42は電磁方向切換弁、50は吐出量制御回路、51は可
変容量ポンプ部、54は車速センサ、55は圧力センサ、56
はポンプ回転数センサ、57は空調装置の起動スイッチ、
58FL,58FRはストロークセンサである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体及び車輪間に介装した流体シリンダ
    と、該流体シリンダに供給する作動流体を前記車体の姿
    勢変化情報に基づいて制御する制御弁とを有する能動型
    サスペンションで消費される消費流量を推定する消費流
    量推定手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出
    手段と、該走行状態検出手段の検出値に基づいて前記該
    消費流量推定手段で推定した消費流量推定値を増量補正
    する増量補正手段とを備え、前記能動型サスペンション
    に対して作動流体を供給する車両用流体供給装置におい
    て、制御信号に応じて吐出量を変更可能な可変容量ポン
    プ部と、該可変容量ポンプ部に連結された回転駆動源の
    作動状態を検出する作動状態検出手段と、該作動状態検
    出手段の作動状態検出値が予め設定した高負荷許容状態
    であるか否かを判定する高負荷許容状態判定手段と、該
    高負荷許容状態判定手段の判定結果が高負荷許容状態で
    あるときには、前記増量補正手段による増量補正量に基
    づく前記制御信号を出力し、前記高負荷許容状態以外で
    あるときには、前記消費流量推定手段の消費流量推定値
    のみに基づく制御信号を出力する吐出量制御手段とを備
    えたことを特徴とする車両用流体供給装置。
  2. 【請求項2】前記作動状態検出手段は、回転駆動源の回
    転数を検出し、且つ高負荷許容状態判定手段の高負荷許
    容状態は、駆動源の回転数が設定値以上である状態に設
    定されている請求項(1)記載の車両用流体供給装置。
  3. 【請求項3】前記作動状態検出手段は、回転駆動源に連
    結された動力舵取装置用流体供給装置の負荷状態を検出
    し、且つ高負荷許容状態判定手段の高負荷許容状態は、
    前記動力舵取装置用流体供給装置の低負荷状態に設定さ
    れている請求項(1)記載の車両用流体供給装置。
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