JP2645756B2 - 球状炭素材料の製造方法 - Google Patents

球状炭素材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は球状炭素材料の製造方法に関し、さらに詳し
くは導電性ゴム、導電性プラスチック、導電性塗料の充
填材等として有用な黒鉛質または炭素質の球状炭素材料
の製造方法に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 従来、ゴム、プラスチック、塗料の充填材等としては
耐熱性、耐薬品性に優れた球状炭素材料が使用されてお
り、そのような球状炭素材料として、フェノール樹脂等
の樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成
して炭素化および/または黒鉛化したものが知られてい
る。
このうち、フェノール樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリ
ロニトリル等の樹脂系球状粒子を炭素化して得られる炭
素質の球状炭素材料は、真球性、分散安定性に関しては
特に問題ないものの、ガラス質であるため結晶性が悪
く、また微細孔が多数存在し、電気伝導性が低い。ま
た、樹脂系球状粒子を黒鉛化して得られる黒鉛質の球状
炭素材料も電気伝導性の低減に限界があり、電気伝導性
が充分に低いものは未だ得られておらず、しかも黒鉛化
する際に球状粒子から発生した熱分解ガスが析出し、ロ
ッド状の生成物となって球状炭素材料表面に多数付着す
る。そのため、樹脂系球状粒子から得た炭素質および/
または黒鉛質の球状炭素材料は近年需要が増大している
導電性ゴム、導電性プラスチック、導電性塗料等の充填
材としては不適当であった。
一方、通常中ピッチを加熱焼成していく過程で生成す
る球状結晶を大量のタール中油、キノリン等の溶剤で洗
浄することによって製造されるメソカーボンマイクロビ
ーズを焼成することによって得られる球状炭素材料は、
導電性塗料等の充填材として用いるのに充分な電気伝導
性を有する。しかし、かかるメソカーボンマイクロビー
ズは焼成の際に不規則に収縮するため得られる球状炭素
材料の真球性が著しく低下し、さらにその粒度分布も非
常に広くなる。そのため、例えばこれらを充填材とした
導電性塗料で薄膜を形成した場合、導電性にバラツキが
生じ、特に接点材料等の均質な導電性を要求される用途
に使用できなくなる。また、メソカーボンマイクロビー
ズを焼成して得られる球状炭素材料は真比重が大きく、
例えば黒鉛化したもので2.1〜2.2程度あり、液体中での
分散安定性が悪く、塗料の充填材等には不適当であっ
た。
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、電気伝導性、分
散安定性および真球性のいずれにも優れており、導電性
ゴム、導電性プラスチック、導電性塗料の充填材等とし
て有用な球状炭素材料を効率よく、しかも狭い粒度分布
で製造することができる方法を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは鋭意研究の結果、特定材質の球状粒子表
面にメカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッ
チを被覆し、それを一定条件下で熱処理した後に焼成す
ることによって上記目的が達成されることを見い出し、
本発明に到達した。
すなわち本発明は、フェノール樹脂、ナフタレン樹
脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリ
ロニトリルのうちの少なくとも一種からなる粒子径3〜
50μmの球状粒子と、粒子径が10μm以下でかつ上記球
状粒子径の2/5以下であるバルクメソフェーズピッチ微
粒子とをメカノケミカル法により乾式混合して該球状粒
子表面を該バルクメソフェーズピッチで被覆して得られ
るピッチ被覆された球状粒子を、酸化性雰囲気下で熱処
理して熱安定化し、次いで不活性雰囲気または真空下で
焼成して炭素化および/または黒鉛化することを特徴と
する球状炭素材料の製造方法にある。
本発明の製造方法において出発材料として用いられる
球状粒子は、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン
樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル
のうちの少なくとも一種からなるものである。これらの
樹脂系球状粒子は各々の原料から公知のエマルジョン重
合法等によって調製される。上記の球状粒子は、粒子径
が3〜50μm、好ましくは3〜30μmのものが有効に使
用される。
また、本発明の製造方法において上記球状粒子と共に
出発材料として用いられるバルクメソフェーズピッチ微
粒子は、石油系または石炭系のバルクメソフェーズピッ
チ(メソ相と呼ばれる光学的異方性の液晶を含有するピ
ッチ)をジョークラッシャー等の粉砕機で粗粉砕し、さ
らに乾式または湿式のボールミル等で下記粒子径まで微
粉砕して得られる。本発明においては粒子径が10μm以
下、好ましくは3μm以下で、かつ上記球状粒子径の2/
5以下のバルクメソフェーズピッチ微粒子が有効に使用
される。また、バルクメソフェーズピッチのキノリン不
溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)等の組成は特に制限
されないが、軟化点が好ましくは200〜380℃、特に好ま
しくは280〜340℃のものを使用すると、酸化性雰囲気下
で熱処理して熱安定化する処理が短時間で済むようにな
り、効率が向上する傾向にある。
本発明の製造方法においては、先ず前記の球状粒子と
バルクメソフェーズピッチ微粒子とをメカノケミカル法
により乾式混合することによって球状粒子表面をバルク
メソフェーズピッチで被覆(カプセル化)してピッチ被
覆された球状粒子(以下、ピッチ被覆球状粒子という)
を得る。メカノケミカル法を用いることによって被覆が
効率よく行なわれ、かつ真球性等の諸特性に優れる球状
炭素材料が粒度分布が広範に亘ることなく得られる。
本発明の製造方法で行なわれるメカノケミカル法は一
般に粉体/粉体混合法とも呼ばれる方法である。すなわ
ち、粒子径の異なる異種粉体、例えば本発明における球
状粒子と微粒子を乾式混合することによって先ず球状粒
子表面に微粒子が付着した状態となり、さらに混合を続
けると加えられる剪断力、機械的衝撃、摩擦力等によっ
て球状粒子に付着した微粒子が連続した壁膜に変化し
て、いわゆるマイクロカプセルとなる。
本発明にあっては、球状粒子100重量部に対して微粒
子12.5〜25重量部の混合割合で上記乾式混合を行なうこ
とが好ましい。また、メカノケミカル法における乾式混
合は常温、空気中でも可能であり、その際の諸条件は使
用する出発材料、処理量等に応じて適宜選択され、混合
中に球状粒子が粉砕せず、その表面にバルクメソフェー
ズピッチが均一に被覆され、結果として良好な球状炭素
材料が得られればよい。一般に1〜10時間の混合で目的
とするピッチ被覆球状粒子が得られ、また、0.2〜2.0kg
/cm2の加圧条件下で押圧混合するとより効率良くピッチ
被覆球状粒子が得られる。
また、上記のメカノケミカル法における乾式混合に使
用する装置としては、球状粒子表面にバルクメソフェー
ズピッチ微粒子を付着させるだけであればV型混合機の
ような一般的な混合装置でも可能であるが、連続的な壁
膜を形成するためには圧力、剪断力、機械的衝撃、摩擦
力等を連続して加えられる装置が必要であり、ライカイ
機(自動乳鉢)、遠心回転型混合機等が好ましく、工業
的利用性の点でライカイ機が特に好ましい。
ライカイ機を使用して乾式混合している様子の一例を
第1図に示す。同図において1は乳棒、2は乳鉢、3は
球状粒子と微粒子との混合物、aは乳棒1の回転方向、
bは乳鉢2の回転方向を示す。この場合、乳棒1を乳鉢
2に押し付ける圧力を0.2〜2.0kg/cm2、乳棒1の回転数
/乳鉢2の回転数を1/1〜20/1、混合物3の層の厚さを
0.2〜3.0mmとすると効率良く乾式混合できるので好まし
い。なお、乳棒1の大きさおよび数、乳鉢2の大きさ等
のライカイ機の構造は特に制限されず、処理量等に応じ
て市販のライカイ機を使用することができる。
なお、本発明にあっては、付着、連続的壁膜形成の両
工程を同一の混合装置で連続して行なうことが好ましい
が、各々別の装置を用いて行なうことも可能である。
次に、上述の方法で得られたピッチ被覆球状粒子を、
バッチ式、連続式、ロータリーキルン式等の熱処理炉内
において空気、酸素等の酸化性雰囲気下で熱処理して熱
安定化(不融化)する。その際の熱処理条件としては、
昇温速度10〜80℃/hrで250〜350℃まで昇温して熱処理
する。前記温度範囲内で保持することは必ずしも必要で
はないが、10分〜1時間保持すればより好ましい。
さらに、本発明の製造方法においては、このようにし
て熱処理されたピッチ被覆球状粒子を窒素ガス、アルゴ
ンガス等の不活性雰囲気下または真空下で焼成すること
によって炭素化および/または黒鉛化して球状炭素材料
を得る。その際の焼成条件としては、昇温速度30〜300
℃/hrで800〜1000℃まで昇温して炭素化する。この温度
範囲内に到達すれば必ずしも保持する必要はないが、10
分〜2時間保持すればより好ましい。さらに、上記炭素
化の後に、引き続いて不活性雰囲気または真空下におい
て昇温速度50〜1000℃/hrで2000〜3000℃まで昇温して
黒鉛化する。この温度範囲内に到達すれば必ずしも保持
する必要はないが、10分〜1時間保持すればより好まし
い。黒鉛化すると得られる球状炭素材料の被覆部の結晶
化が進んだものとなるので電気伝導性がより向上し好ま
しい。
上述の本発明の製造方法によって、一般に、粉体電気
比抵抗が5.0×10-1〜5.0×10-2Ωcm、真比重が1.4〜1.
6、嵩比重が0.8〜0.9、比表面積が約1m2/g未満の特性
を有しかつ真球性の高い球状炭素材料を得ることが可能
である。
[実施例] 以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具
体的に説明する。
実施例1 湿式分級によって10〜15μmに整粒した市販の球状フ
ェノール樹脂600gと、粒子径3μm以下に微粉砕した石
炭系バルクメソフェーズピッチ粉末(軟化点320℃)100
gとを出発材料として使用した。これらを均一に混合し
た後、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製、型番71号)
中で下記条件で乾式混合処理(メカノケミカル処理)を
行ない、球状フェノール樹脂粒子表面をバルクメソフェ
ーズピッチで均一に被覆してピッチ被覆球状粒子を得
た。
(メカノケミカル条件) ・処理時間…3.5hr ・乳棒を乳鉢に押し付ける圧力…1.2kg/cm2 ・乳棒の回転数/乳鉢の回転数…60rpm/60rpm ・混合物の層の厚さ…約1mm このピッチ被覆球状粒子を空気中で30℃/hrの昇温速
度で280℃まで昇温し、1時間保持して熱安定化処理を
行なった。
次に、熱安定化処理されたピッチ被覆球状粒子を窒素
雰囲気下で200℃/hrの昇温速度で1000℃まで昇温して1
時間保持して炭素化せしめて炭素質の球状炭素材料を得
た。
得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本実施例においては粉体
電気比抵抗が低くかつ他の諸特性にも優れた球状炭素材
料を得ることができた。
比較例1 球状粒子をバルクメソフェーズピッチで被覆すること
なくそのまま熱安定化および炭素化するようにした以外
は実施例1と同様にして球状炭素材料を得た。
得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本比較例において得られ
た球状炭素材料には微細孔が多数存在しており、かつ粉
体電気比抵抗が著しく劣ったものであった。
実施例2 熱安定化処理されたピッチ被覆球状粒子を炭素化した
後に、引き続いて黒鉛化炉内で600℃/hrの昇温速度で最
終的に2800℃まで昇温して30分間保持して黒鉛化せしめ
た以外は実施例1と同様にして黒鉛質の球状炭素材料を
得た。
得られた球状炭素材料の粒子構造を示す写真(SEM写
真)を第2図に示し、またその粒子径並びに諸特性を第
1表に示す。
第1表から明らかなように、本実施例においては粉体
電気比抵抗が非常に低くかつ他の諸特性にも優れた球状
炭素材料を得ることができた。
比較例2 球状粒子をバルクメソフェーズピッチで被覆すること
なくそのまま熱安定化、炭素化および黒鉛化するように
した以外は実施例2と同様にして球状炭素材料を得た。
得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本比較例において得られ
た球状炭素材料は粉体電気比抵抗が劣り、しかも球状粒
子から発生した熱分解ガスが析出し、ロッド状の生成物
となって球状炭素材料表面に多数付着していた。
実施例3 使用する球状フェノール樹脂を粒子径45〜50μmのも
の、石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末を粒子径10μ
m以下のものとし、かつライカイ機における乾式混合条
件を下記のようにした以外は実施例2と同様にして黒鉛
質の球状炭素材料を得た。
(メカノケミカル条件) ・処理時間…3hr ・乳棒を乳鉢に押し付ける圧力…0.5kg/cm2 ・乳棒の回転数/乳鉢の回転数…60rpm/60rpm ・混合物の層の厚さ…約2mm 得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本実施例においては粉体
電気比抵抗が充分に低くかつ他の諸特性にも優れた球状
炭素材料を得ることができた。
実施例4 まず、平均分子量が2000のポリビニルアルコール20g
と水400gをフラスコ中で撹拌して完全に溶解させる。こ
こにジビニルベンゼン50gとスチレン50gの混合液100g、
重合触媒としてのベンゼンパーオキサイド1.0gおよび乳
化剤としてのノニオン(非イオン性界面活性剤;ポリカ
ルボン酸型高分子界面活性剤)1.0gを添加して懸濁さ
せ、撹拌しながら75〜85℃まで加温して重合反応を開始
させて1時間重合反応させた。その間に重合反応による
発熱によって反応溶液は95〜98℃まで昇温した。その
後、得られた反応溶液を50℃以下になるまで撹拌しなが
ら冷却し、さらに室温まで放冷して分散液を得た。得ら
れた分散液から球状生成物を濾別し、これを水で2回、
さらにメタノールで3回洗浄した後、揮発成分による引
火に注意しながら100℃前後で乾燥して球状ジビニルベ
ンゼン重合体を得た。
得られた球状ジビニルベンゼン重合体を湿式分級によ
って15〜20μmに整粒したものを750gと、粒子径5μm
以下に微粉砕した石油系バルクメソフェーズピッチ粉末
(軟化点334℃)100gとを出発材料として使用し、かつ
ライカイ機における乾式混合条件を下記のようにし、さ
らに黒鉛化処理の際の昇温速度を600℃/hr、最終温度を
2300℃とした以外は実施例2と同様にして黒鉛質の球状
炭素材料を得た。
(メカノケミカル条件) ・処理時間…2.5hr ・乳棒を乳鉢に押し付ける圧力…1.5kg/cm2 ・乳棒の回転数/乳鉢の回転数…60rpm/30rpm ・混合物の層の厚さ…約1mm 得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本実施例においても粉体
電気比抵抗が充分に低くかつ他の諸特性にも優れた球状
炭素材料を得ることができた。
比較例3 球状粒子をバルクメソフェーズピッチで被覆すること
なくそのまま熱安定化、炭素化および黒鉛化するように
した以外は実施例4と同様にして球状炭素材料を得た。
得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本比較例において得られ
た球状炭素材料は粉体電気比抵抗が劣り、しかも球状粒
子から発生した熱分解ガスが析出し、ロッド状の生成物
となって球状炭素材料表面に多数付着していた。
比較例4 軟化点が311℃の石炭系バルクメソフェーズを微粉砕
した後、分級して粒子径25〜50μのピッチ粉末を得た。
得られたピッチ粉末80gをフタル酸ジイソブチル14l中
に分散させ、この全量を20lオートクレーブ中に投入し
た。
投入後、オートクレーブ系内を真空引きし、窒素ガス
でパージした。そして、ピッチ粉末の沈降を防ぐため、
直ちに撹拌機を500rpmで回転させ、撹拌しながら120℃/
hrで昇温を開始した。その後、系内の温度が330℃に達
したら直ちに放冷し、分散液を得た。なお、撹拌は150
℃に下がるまで続けた。
この時、最大自生圧は6kg/cm2であった。
次に、得られた分散液をオートクレーブから取り出し
て吸引濾過を行ない、濾別された球状生成物をアセトン
で洗浄、乾燥して球状のメソカーボンマイクロビーズを
調整した。
得られた球状のメソカーボンマイクロビーズを湿式分
級によって25〜35μmに整粒したものを球状粒子として
用い、これをバルクメソフェーズピッチで被覆すること
なくそのまま実施例2と同様の条件で熱安定化、炭素化
および黒鉛化して黒鉛質の球状炭素材料を得た。
得られた球状炭素材料の粒子径並びに諸特性を第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本比較例において得られた
球状炭素材料は真比重が大きくかつ真球生が極めて悪い
ものであり、しかも得られた球状炭素材料の粒度分布は
広かった。
[発明の効果] 以上説明のごとく、本発明の製造方法によって、電気
伝導性、分散安定性および真球性のいずれにも優れてい
る炭素質および/または黒鉛質の球状炭素材料を効率よ
く、しかも狭い粒度分布で製造することが可能となる。
従って、本発明の製造方法によって得られる球状炭素
材料は、導電性ゴム、導電性プラスチック、導電性塗料
の充填材等として好適に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明においてライカイ機で乾式混合する様子
の一例を模式的に示す断面図であり、 第2図は本発明の一実施例(実施例2)で得られた球状
炭素材料の粒子構造を示す写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン
    樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレ
    ン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル
    のうちの少なくとも一種からなる粒子径3〜50μmの球
    状粒子と、粒子径が10μm以下でかつ上記球状粒子径の
    2/5以下であるバルクメソフェーズピッチ微粒子とをメ
    カノケミカル法により乾式混合して該球状粒子表面を該
    バルクメソフェーズピッチで被覆して得られるピッチ被
    覆された球状粒子を、酸化性雰囲気下で熱処理して熱安
    定化し、次いで不活性雰囲気または真空下で焼成して炭
    素化および/または黒鉛化することを特徴とする球状炭
    素材料の製造方法。
  2. 【請求項2】前記球状粒子と前記バルクメソフェーズピ
    ッチ微粒子との乾式混合を、ライカイ機によって0.2〜
    2.0kg/cm2の加圧下で行なうことを特徴とする、請求項
    1に記載の球状炭素材料の製造方法。
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