JP2643491B2 - 限界電流式酸素センサ - Google Patents
限界電流式酸素センサInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は雰囲気ガス中の酸素濃度を測定するための酸
素センサに関し、特に、酸素イオン伝導性固体電解質を
利用した限界電流式酸素センサに関するものである。
素センサに関し、特に、酸素イオン伝導性固体電解質を
利用した限界電流式酸素センサに関するものである。
従来の技術 従来この種の酸素センサは、第4図に示すように、酸
素イオン伝導性を有する例えばジルコニア系セラミック
からなる固体電解質板1の両面に白金などの金属による
電極膜2(陽極2a、陰極2b)を形成し、さらに前記陰極
2b側の固体電解質板1の上に密閉空間を形成するための
U字状の蓋体3を配置し、さらに蓋体3に外部空間と密
閉空間を連通する酸素の拡散孔4を設けた構成となって
いる。なお、この拡散孔4は陰極2bの酸素送出能力より
も少量の酸素を拡散させる大きさに形成されている。
素イオン伝導性を有する例えばジルコニア系セラミック
からなる固体電解質板1の両面に白金などの金属による
電極膜2(陽極2a、陰極2b)を形成し、さらに前記陰極
2b側の固体電解質板1の上に密閉空間を形成するための
U字状の蓋体3を配置し、さらに蓋体3に外部空間と密
閉空間を連通する酸素の拡散孔4を設けた構成となって
いる。なお、この拡散孔4は陰極2bの酸素送出能力より
も少量の酸素を拡散させる大きさに形成されている。
この構成において、酸素センサを動作可能な温度に加
熱した後、電極2間に直流電圧を印加すると、陰極2bで
酸素分子のイオン化反応が起こり、イオン化した酸素イ
オンが固体電解質板1中を陽極2aに向かって移動し陽極
2aで酸素イオンの分子化反応が起こり外部空間へ排出さ
れる。一方、密閉空間への酸素の流入は蓋体3に設けら
れた拡散孔4により制限され、陰極2bへの酸素の流入が
拡散律速となる。その結果、固体電解質板1中を酸素イ
オンが移動することによって生ずる電流は、印加電圧の
増加に対し、ある電圧以降一定値を示す。この一定とな
る電流が限界電流である。これが雰囲気ガス中の酸素濃
度にほぼ比例することから、前記限界電流を検出するこ
とにより酸素濃度を測定することができる。(例えば、
特開昭59−192953号公報、特開昭60−252254号公報) 発明が解決しようとする課題 前記拡散孔4を形成した蓋体3の材料は耐熱性、耐食
性の点からセラミック材料が適用されることが多い。拡
散孔4の大きさは酸素センサの動作温度、限界電流の大
きさにより任意に設定される。しかし、酸素センサの長
期信頼性を確保するには動作温度は出来るだけ低くする
ことが望ましい。ジルコニア系セラミックの固体電解質
では酸素イオンの輸送能力の点から最低動作温度は約40
0℃である。この動作温度で実用的限界電流値を得るに
は拡散孔4は直径が数十μm、長さ数mmの極めて小さな
ものとなる。したがって、拡散孔4をセラミック材料に
精度よく穴開け加工を施すことは実用上困難であり、特
性のばらつきが大きくなるとともに、微細加工となるた
めに生産性が悪く、コストが高くなるという課題があっ
た。
熱した後、電極2間に直流電圧を印加すると、陰極2bで
酸素分子のイオン化反応が起こり、イオン化した酸素イ
オンが固体電解質板1中を陽極2aに向かって移動し陽極
2aで酸素イオンの分子化反応が起こり外部空間へ排出さ
れる。一方、密閉空間への酸素の流入は蓋体3に設けら
れた拡散孔4により制限され、陰極2bへの酸素の流入が
拡散律速となる。その結果、固体電解質板1中を酸素イ
オンが移動することによって生ずる電流は、印加電圧の
増加に対し、ある電圧以降一定値を示す。この一定とな
る電流が限界電流である。これが雰囲気ガス中の酸素濃
度にほぼ比例することから、前記限界電流を検出するこ
とにより酸素濃度を測定することができる。(例えば、
特開昭59−192953号公報、特開昭60−252254号公報) 発明が解決しようとする課題 前記拡散孔4を形成した蓋体3の材料は耐熱性、耐食
性の点からセラミック材料が適用されることが多い。拡
散孔4の大きさは酸素センサの動作温度、限界電流の大
きさにより任意に設定される。しかし、酸素センサの長
期信頼性を確保するには動作温度は出来るだけ低くする
ことが望ましい。ジルコニア系セラミックの固体電解質
では酸素イオンの輸送能力の点から最低動作温度は約40
0℃である。この動作温度で実用的限界電流値を得るに
は拡散孔4は直径が数十μm、長さ数mmの極めて小さな
ものとなる。したがって、拡散孔4をセラミック材料に
精度よく穴開け加工を施すことは実用上困難であり、特
性のばらつきが大きくなるとともに、微細加工となるた
めに生産性が悪く、コストが高くなるという課題があっ
た。
また、蓋耐3の上部に拡散孔4を形成する構成では酸
素センサの製造過程や実使用の際、ホコリや異物などが
拡散孔4に侵入してその孔径を変化させたり、閉塞させ
たりする懸念がある。その結果、酸素センサ特性に経時
変化が起こり、誤動作の原因となる課題がある。
素センサの製造過程や実使用の際、ホコリや異物などが
拡散孔4に侵入してその孔径を変化させたり、閉塞させ
たりする懸念がある。その結果、酸素センサ特性に経時
変化が起こり、誤動作の原因となる課題がある。
本発明はかかる従来の課題を解消するもので、加工
性、生産性が優れているとともに、特性のばらつきが少
なく、長期にわたり安定した特性を実現し得る酸素セン
サを提供することを目的とする。
性、生産性が優れているとともに、特性のばらつきが少
なく、長期にわたり安定した特性を実現し得る酸素セン
サを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記課題を解消するために本発明の酸素センサは、固
体電解質板と、前記固体電解質板の両面に形成された電
極膜と、前記電極膜の一方を囲み始端と終端とが前記固
体電解質板上で互いに間隔を有するように配置された螺
旋形スペーサと、前記螺旋形スペーサの相対向する隔壁
と前記固体電解質板とシール板で囲まれる螺旋形拡散孔
を備えた酸素濃度素子に、前記シール板に積層して形成
した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定し、
前記耐熱性基板に設けられた貫通孔に保持された保持線
を介して前記酸素濃度検知素子を台座に固定した構成で
ある。
体電解質板と、前記固体電解質板の両面に形成された電
極膜と、前記電極膜の一方を囲み始端と終端とが前記固
体電解質板上で互いに間隔を有するように配置された螺
旋形スペーサと、前記螺旋形スペーサの相対向する隔壁
と前記固体電解質板とシール板で囲まれる螺旋形拡散孔
を備えた酸素濃度素子に、前記シール板に積層して形成
した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定し、
前記耐熱性基板に設けられた貫通孔に保持された保持線
を介して前記酸素濃度検知素子を台座に固定した構成で
ある。
作用 本発明の上記構成において、螺旋形拡散孔が螺旋形ス
ペーサと固体電解質板とシール板の接着の際に同時に形
成されるので従来の酸素センサにおける拡散孔の如く、
困難な穴開け加工が不必要であるとともに、本発明の拡
散孔が固体電解質板と平行に形成されるため螺旋形拡散
孔がホコリや異物などの侵入が防止される。また、螺旋
形拡散孔が電極膜の周囲で形成されるので、拡散孔の開
口面積、長さを大きく設定でき、寸法精度が向上する。
ペーサと固体電解質板とシール板の接着の際に同時に形
成されるので従来の酸素センサにおける拡散孔の如く、
困難な穴開け加工が不必要であるとともに、本発明の拡
散孔が固体電解質板と平行に形成されるため螺旋形拡散
孔がホコリや異物などの侵入が防止される。また、螺旋
形拡散孔が電極膜の周囲で形成されるので、拡散孔の開
口面積、長さを大きく設定でき、寸法精度が向上する。
一方、この酸素濃度検知素子は、シール板に積層して
形成した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定
しているので、膜状のヒータの熱が空気中に放散するこ
とが耐熱性基板によって防止され、効率よく酸素濃度素
子に伝達される。そのため酸素濃度検知素子を加熱する
ための膜状のヒータの消費電力が低減できる。
形成した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定
しているので、膜状のヒータの熱が空気中に放散するこ
とが耐熱性基板によって防止され、効率よく酸素濃度素
子に伝達される。そのため酸素濃度検知素子を加熱する
ための膜状のヒータの消費電力が低減できる。
また、酸素濃度検知素子の固定は、シール板に積層固
定した耐熱性基板によって行なわれているので、酸素濃
度検知素子の螺旋形拡散孔の形成が螺旋形スペーサと固
体電解質板とシール板の接着のみでよく、この接着以外
の他要因を気にする必要がない。そのため、拡散孔形成
の製造歩留りが向上し、信頼性の高いセンサが得られ
る。
定した耐熱性基板によって行なわれているので、酸素濃
度検知素子の螺旋形拡散孔の形成が螺旋形スペーサと固
体電解質板とシール板の接着のみでよく、この接着以外
の他要因を気にする必要がない。そのため、拡散孔形成
の製造歩留りが向上し、信頼性の高いセンサが得られ
る。
実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。
る。
第1図は、本発明の限界電流式酸素センサの一実施例
を示すもので、同図(a)は酸素濃度検知素子の分解斜
視図、同図(b)は酸素濃度検知素子の一部破断斜視図
である。
を示すもので、同図(a)は酸素濃度検知素子の分解斜
視図、同図(b)は酸素濃度検知素子の一部破断斜視図
である。
第1図(a)、(b)において、1は酸素イオン伝導
性を有する固体電解質板でこの両面には電極膜2が形成
される。固体電解質板1の一方の面に電極膜2を囲み、
始端と終端が互いに間隔を有する螺旋形スペーサ5を配
置され、さらにシール板6が配置される。本発明の拡散
孔7は、螺旋形スペーサ5の相対向する隔壁と固体電解
質板1とシール板6で囲まれた螺旋形の空間で形成さ
れ、酸素は前記空間を通して電極膜2へ拡散する。
性を有する固体電解質板でこの両面には電極膜2が形成
される。固体電解質板1の一方の面に電極膜2を囲み、
始端と終端が互いに間隔を有する螺旋形スペーサ5を配
置され、さらにシール板6が配置される。本発明の拡散
孔7は、螺旋形スペーサ5の相対向する隔壁と固体電解
質板1とシール板6で囲まれた螺旋形の空間で形成さ
れ、酸素は前記空間を通して電極膜2へ拡散する。
一方、螺旋形スペーサ5は、硝子と所定粒径耐熱微粒
子の混合物からなる突起体5aであり、硝子からなる膜体
5bを介して固体電解質板1とシール板6とを加熱溶融に
より密着固定している。
子の混合物からなる突起体5aであり、硝子からなる膜体
5bを介して固体電解質板1とシール板6とを加熱溶融に
より密着固定している。
第2図は、本発明の限界電流式酸素センサの一実施例
の実装構造を示す。
の実装構造を示す。
第2図において、酸素濃度検知素子は、電極膜2a、2b
を両面に形成した酸素イオン伝導性固体電解質板1と、
螺旋形スペーサ5と、シール板6とからなる。膜状のヒ
ータ8がシール板6上に積層して形成されることで密着
固定され、さらに耐熱性基板9が膜状のヒータ8との間
に空気層10を設けて接合材11を介してシール板6と固定
されている。
を両面に形成した酸素イオン伝導性固体電解質板1と、
螺旋形スペーサ5と、シール板6とからなる。膜状のヒ
ータ8がシール板6上に積層して形成されることで密着
固定され、さらに耐熱性基板9が膜状のヒータ8との間
に空気層10を設けて接合材11を介してシール板6と固定
されている。
一方、耐熱性基板9には貫通孔12が2個設けられてお
り、貫通孔12に保持された保持線13を介して酸素濃度検
知素子が台座14に固定されている。
り、貫通孔12に保持された保持線13を介して酸素濃度検
知素子が台座14に固定されている。
台座14には、3本の電極ピン15a・15b・15cを設けリ
ード線16a・16b・16cを接続して電極2a、2b、膜状のヒ
ータ8とを電気的に接続している。また、通気性のある
金属やセラミック等からなる保護容器17を台座14に取り
付け、酸素濃度検知素子の保護をしている。
ード線16a・16b・16cを接続して電極2a、2b、膜状のヒ
ータ8とを電気的に接続している。また、通気性のある
金属やセラミック等からなる保護容器17を台座14に取り
付け、酸素濃度検知素子の保護をしている。
次に具体的実験例にもとづいてその作用と効果を説明
する。
する。
第1図に示す本発明の実施例における酸素濃度検知素
子の構成材料、製造方法は次の通りである。
子の構成材料、製造方法は次の通りである。
なお、限界電流値は200μA(空気中)となるように
螺旋形拡散孔7を設計した。
螺旋形拡散孔7を設計した。
・固体電解質板1 ZrO2・Y2O3セラミック(Y2O38mol%)であり、寸法10
×10×0.4tmm。
×10×0.4tmm。
・電極膜2 Ptペーストで電極径6mm、膜厚約5μmの膜を形成。
固体電解質板1の両面にスクリーン印刷法により塗布
し、820℃で10分焼成。
固体電解質板1の両面にスクリーン印刷法により塗布
し、820℃で10分焼成。
・螺旋形スペーサ5 ガラス……SiO2−Na2O−BaO系ガラスペースト(ZrO2と
同程度の熱膨張率、転移温度550℃) ・耐熱性粒子……BaO−TiO2−SiO2系ガラス粉末平均粒
径50μm 前記ガラスペースト1gに対し、前記ガラス粉末を10mg
混合したものを用い、スクリーン印刷で固体電解質板1
の一方の面に電極膜2を囲んで螺旋形スペーサの突起体
5aをスクリーン印刷法により塗布し、820℃で10分焼
成。
同程度の熱膨張率、転移温度550℃) ・耐熱性粒子……BaO−TiO2−SiO2系ガラス粉末平均粒
径50μm 前記ガラスペースト1gに対し、前記ガラス粉末を10mg
混合したものを用い、スクリーン印刷で固体電解質板1
の一方の面に電極膜2を囲んで螺旋形スペーサの突起体
5aをスクリーン印刷法により塗布し、820℃で10分焼
成。
前記螺旋形スペーサの突起体5aは第1図に示す形状と
した。螺旋形拡散孔7の大きさは、開口部面積が800μ
m(螺旋形拡散孔の幅)×40μm(螺旋形拡散孔7の高
さ)のとき、長さが11mm(螺旋形拡散孔7の始端から終
端までの距離)となる。一方、その幅は0.8mmである。
した。螺旋形拡散孔7の大きさは、開口部面積が800μ
m(螺旋形拡散孔の幅)×40μm(螺旋形拡散孔7の高
さ)のとき、長さが11mm(螺旋形拡散孔7の始端から終
端までの距離)となる。一方、その幅は0.8mmである。
・膜5b BaO−Na2O−SiO2系ガラスペーストを用い、スクリー
ン印刷でシール板6の一方の面に約10μmの膜を印刷法
により塗布し、820℃で10分焼成。
ン印刷でシール板6の一方の面に約10μmの膜を印刷法
により塗布し、820℃で10分焼成。
・シール板6 フォルステライトであり、その寸法は10×10×0.5tm
m。
m。
固体電解質板1とシール板6は、螺旋形スペーサの突
起体5aと膜体5bの加熱溶融(820℃×10分)で両者が密
着固定されている。
起体5aと膜体5bの加熱溶融(820℃×10分)で両者が密
着固定されている。
こうして酸素濃度検知素子を得た。
一方、シール板6には、あらかじめ厚膜印刷法にて白
金からなる膜状のヒータ8が焼き付けられている。この
膜状のヒータ8との間に空気層10が設けられるようにシ
ール板6の上部の膜状のヒータ8が形成されていない部
分に前述のSiO2−Na2O−BaO系ガラスペースト(所定粒
径のガラスビーズ入り)を塗布し、このガラスペースト
からなる接合材11を介してフォルステライト系の耐熱性
基板9をシール板6と固定した。
金からなる膜状のヒータ8が焼き付けられている。この
膜状のヒータ8との間に空気層10が設けられるようにシ
ール板6の上部の膜状のヒータ8が形成されていない部
分に前述のSiO2−Na2O−BaO系ガラスペースト(所定粒
径のガラスビーズ入り)を塗布し、このガラスペースト
からなる接合材11を介してフォルステライト系の耐熱性
基板9をシール板6と固定した。
また、フォルステライト系の耐熱性基板9には貫通孔
12があらかじめ2個設けられており、ステンレス製の保
持線13を介して台座14に固定した。
12があらかじめ2個設けられており、ステンレス製の保
持線13を介して台座14に固定した。
以後、電極ピン15a・15b・15cとリード線16a・16b・1
6c、さらに電極2a、2b、膜状のヒータ8を電気的に接合
し、通電により膜状のヒータ8を加熱させ、電圧電流特
性を評価した。その結果を第3図に示す。各酸素濃度に
おいて飽和電流(即ち限界電流)が得られ、この限界電
流値は酸素濃度に比例した特性であった。なお、この際
の膜状のヒータ8の消費電力は2.5Wであり、400℃を呈
していた。
6c、さらに電極2a、2b、膜状のヒータ8を電気的に接合
し、通電により膜状のヒータ8を加熱させ、電圧電流特
性を評価した。その結果を第3図に示す。各酸素濃度に
おいて飽和電流(即ち限界電流)が得られ、この限界電
流値は酸素濃度に比例した特性であった。なお、この際
の膜状のヒータ8の消費電力は2.5Wであり、400℃を呈
していた。
次に、酸素濃度検知素子とヒータと耐熱性基板との接
合方法を検討した。実験は、前述の酸素濃度検知素子を
用い、第3図記載の電圧電流特性が得られるためのヒー
タ消費電圧を求めたものである。その結果を次表に示
す。
合方法を検討した。実験は、前述の酸素濃度検知素子を
用い、第3図記載の電圧電流特性が得られるためのヒー
タ消費電圧を求めたものである。その結果を次表に示
す。
本発明のように、膜状のヒータ8を酸素濃度検知素子
のシール板6上に形成し、さらにセラミック製基板から
なる耐熱性基板9をその上部に密着固定すると膜状のヒ
ータ8の電力が低下することがわかる。そして、耐熱性
基板9を膜状のヒータ8との間に空気層10を設けて密着
固定すると膜状のヒータ8の電力は一層低下した。
のシール板6上に形成し、さらにセラミック製基板から
なる耐熱性基板9をその上部に密着固定すると膜状のヒ
ータ8の電力が低下することがわかる。そして、耐熱性
基板9を膜状のヒータ8との間に空気層10を設けて密着
固定すると膜状のヒータ8の電力は一層低下した。
固体電解質板1の材料は、長期にわたる信頼性、特性
の安定性などの点で最も実用的なジルコニア系セラミッ
クが挙げられ、その中でもイットリアを添加したジルコ
ニアが良い。
の安定性などの点で最も実用的なジルコニア系セラミッ
クが挙げられ、その中でもイットリアを添加したジルコ
ニアが良い。
電極膜2の材料としては白金、金、パラジウム、銀な
どが挙げられるが特に限定されるものではない。
どが挙げられるが特に限定されるものではない。
螺旋形スペーサ5は酸素センサの使用温度で充分耐え
得る耐熱性と、固体電解質板1とシール板6との気密性
を実現した接着性が要求され、その材料としてはガラス
が挙げられる。
得る耐熱性と、固体電解質板1とシール板6との気密性
を実現した接着性が要求され、その材料としてはガラス
が挙げられる。
ガラス材料は固体電解質板1としてジルコニア系セラ
ミックを適用した場合、熱膨張が同程度であることが望
ましい。
ミックを適用した場合、熱膨張が同程度であることが望
ましい。
シール板6の材料は、固体電解質板1および螺旋形ス
ペーサ5のガラスと熱膨張率が同程度であることが望ま
しく、ジルコニアもしくはフォルステライトが良い。
ペーサ5のガラスと熱膨張率が同程度であることが望ま
しく、ジルコニアもしくはフォルステライトが良い。
膜状のヒータ8は、白金が望ましく厚膜印刷法もしく
はスパッタ法等を用いてシール板6の上に形成した。
はスパッタ法等を用いてシール板6の上に形成した。
耐熱性基板9は、セラミックを用いる。接合材11は、
ガラスもしくは接着剤を用いる。
ガラスもしくは接着剤を用いる。
発明の効果 以上のように本発明の酸素センサによれば次の効果が
得られる。
得られる。
(1) 酸素の拡散孔の大きさを従来より大きくするこ
とができるので前記拡散孔の相対的なばらつきを小さく
することができ、限界電流値のばらつきを小さくするこ
とができる。
とができるので前記拡散孔の相対的なばらつきを小さく
することができ、限界電流値のばらつきを小さくするこ
とができる。
(2) 前記拡散孔が固体電解質板と平行に形成される
ので前記拡散孔へのホコリや異物の侵入が防止され、特
性の安定化、長期にわたる信頼性の向上が図れる。
ので前記拡散孔へのホコリや異物の侵入が防止され、特
性の安定化、長期にわたる信頼性の向上が図れる。
(3) 前記拡散孔がガラス印刷膜からなる螺旋形スペ
ーサと固体電解質板とシール板との加熱溶融で密着固定
しているので、極めて簡単な方法で形成でき、生産性に
優れ低コストとなる。
ーサと固体電解質板とシール板との加熱溶融で密着固定
しているので、極めて簡単な方法で形成でき、生産性に
優れ低コストとなる。
(4) 酸素濃度検知素子は、シール板に積層して形成
した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定して
いるので、膜状のヒータの熱が空気中に放散することが
耐熱性基板によって防止され、効率よく酸素濃度検知素
子に熱が伝達される。そのため、加熱するための膜状の
ヒータの消費電力が低減できる。特に、膜状のヒータと
の間に空気層を設けてシール板と耐熱性基板とを密着固
定するとその効果が一層高められる。
した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定して
いるので、膜状のヒータの熱が空気中に放散することが
耐熱性基板によって防止され、効率よく酸素濃度検知素
子に熱が伝達される。そのため、加熱するための膜状の
ヒータの消費電力が低減できる。特に、膜状のヒータと
の間に空気層を設けてシール板と耐熱性基板とを密着固
定するとその効果が一層高められる。
(5) 酸素濃度検知素子の固定が、シール板に積層固
定した耐熱性基板によって行なわれているので、酸素濃
度検知素子の拡散孔形成は固体電解質板と螺旋形スペー
サとシール板との接合のみで良く、この接合以外の他要
因を気にする必要がない。そのため、拡散孔形成が接合
のみに集中でき、これにともない製造歩留りや信頼性が
向上する。
定した耐熱性基板によって行なわれているので、酸素濃
度検知素子の拡散孔形成は固体電解質板と螺旋形スペー
サとシール板との接合のみで良く、この接合以外の他要
因を気にする必要がない。そのため、拡散孔形成が接合
のみに集中でき、これにともない製造歩留りや信頼性が
向上する。
第1図aは本発明の一実施例である限界電流式酸素セン
サの酸素濃度検知素子の分解斜視図、第1図bは同酸素
濃度検知素子の一部破断斜視図、第2図は同限界電流式
酸素センサの断面図、第3図は本発明の効果を示す電圧
電流特性図、第4図は従来の限界電流式酸素センサの断
面図である。 1……固体電解質板、2……電極膜、5……螺旋形スペ
ーサ、5a……突起体、5b……膜体、6……シール板、7
……拡散孔、8……膜状のヒータ、9……耐熱性基板、
10……空気層、11……接合材、12……貫通孔、13……保
持線、14……台座。
サの酸素濃度検知素子の分解斜視図、第1図bは同酸素
濃度検知素子の一部破断斜視図、第2図は同限界電流式
酸素センサの断面図、第3図は本発明の効果を示す電圧
電流特性図、第4図は従来の限界電流式酸素センサの断
面図である。 1……固体電解質板、2……電極膜、5……螺旋形スペ
ーサ、5a……突起体、5b……膜体、6……シール板、7
……拡散孔、8……膜状のヒータ、9……耐熱性基板、
10……空気層、11……接合材、12……貫通孔、13……保
持線、14……台座。
Claims (2)
- 【請求項1】電極膜を両面に形成した酸素イオン伝導性
固体電解質板と、前記電極膜の一方を囲み始端と終端と
が前記固体電解質板上で互いに間隔を有するように配置
された螺旋形スペーサと、前記螺旋形スペーサ上に電気
固体電解質板と相対向するように固定されたシール板と
からなる酸素濃度検知素子に、前記シール板に積層して
形成した膜状のヒータおよび耐熱性基板を順に密着固定
し、前記耐熱性基板に設けられた貫通孔に保持された保
持線を介して前記酸素濃度検知素子を台座に固定したこ
とを特徴とする限界電流式酸素センサ。 - 【請求項2】耐熱性基板を、膜状のヒータとの間に空気
層を設け接合材を介してシール板と密着固定した特許請
求の範囲第1項記載の限界電流式酸素センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1298207A JP2643491B2 (ja) | 1989-11-16 | 1989-11-16 | 限界電流式酸素センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1298207A JP2643491B2 (ja) | 1989-11-16 | 1989-11-16 | 限界電流式酸素センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03158753A JPH03158753A (ja) | 1991-07-08 |
JP2643491B2 true JP2643491B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=17856602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1298207A Expired - Fee Related JP2643491B2 (ja) | 1989-11-16 | 1989-11-16 | 限界電流式酸素センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2643491B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-16 JP JP1298207A patent/JP2643491B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH03158753A (ja) | 1991-07-08 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |