JP4364608B2 - 固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置 - Google Patents
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本発明は、ガス拡散律速部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第1の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。第1の基板は、好ましくはセラミックス基板である。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
本発明は、ガス流通部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第2の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。本発明の固体電解質型ガスセンサーは、固体電解質基板の両面に発熱体を配設できる構成を有するので、固体電解質基板を両面から等しく加熱することができる。従って、電極膜の温度の空間分布を従来に比べてより均一にすることができ、ガス濃度の測定精度が向上する。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
本発明は、ガス拡散律速部及びガス流通部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第1の基板及び第2の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。本発明の固体電解質型ガスセンサーは、固体電解質基板の両面に発熱体を配設できる構成を有するので、固体電解質基板を両面から等しく加熱することができる。従って、電極膜の温度の空間分布を従来に比べてより均一にすることができ、ガス濃度の測定精度が向上する。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
本発明は、金属枠とその上下の基板との隙間からガスがわずかに拡散し、固体電解質型ガスセンサーのガス濃度の測定精度が劣化することを防止する。
金属枠の一部又は全面を固体電解質基板に形成した電極と接触させ、金属枠にリード線を取り付けることにより、金属枠から信号を取り出せる。従来は、固体電解質基板に形成した電極にリード線を接続するための専用の電極端子を設けていた。本発明により、リード線を接続するための専用の電極端子をなくし、固体電解質型ガスセンサーのコストを削減できる。
本発明は、位置決めが容易で組み立て易い固体電解質型ガスセンサーを実現できるという作用を有する。
切り欠きの長さを金属枠の幅より長くすることで、切り欠きの幅を大きくし、金属枠の厚みを厚くすることができる。本発明の金属枠は加工が簡単である。
本発明は、製造が容易で、製造コストの低減が可能な限界電流式のガス濃度測定装置を実現できるという作用を有する。本発明は、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、限界電流式のガス濃度測定装置を実現できるという作用を有する。
以下の全ての実施の形態において、固体電解質型ガスセンサーのガス検出素子部を「センサーブロック」と言う。
図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーを説明する。図1及び図2は、本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図2のA−A’断面を図1に示す。実施の形態1のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
スペーサー120と、その上下の固体電解質基板110及びセラミックス基板113aとは、側面から無機系の接着剤130によって封止されている。これにより、スペーサー120とその上下の基板との隙間からガスがわずかに拡散し、固体電解質型ガスセンサーのガス濃度の測定精度が劣化することを防止する。
固体電解質基板110のサイズは10mm×10mm×0.4mm(厚み)であり、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム酸化物より成るペロブスカイト型焼結体から形成される。、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム酸化物より成るペロブスカイト型焼結体は、プロトンのみが伝導する材料である。固体電解質基板110の両面に、白金微粉末を含む白金ペーストを厚膜印刷法で印刷し、150℃の温度下で10分乾燥後、白金ペーストに最適な焼成温度、時間焼成し電極膜112及び電極膜111を形成した。
電極膜112の、スペーサー120に覆われていない部分(開孔156の部分)が、電極膜として機能する。
図3及び図4を用いて、本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーを説明する。図3及び図4は、本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図4のB−B’断面を図3に示す。実施の形態2のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図3において、102は実施の形態2のセンサーブロックである。実施の形態2のセンサーブロック102は、実施の形態1のセンサーブロック101に発熱体116aを取り付けたものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。なお、図面を簡略にするため、図4において電極端子部153、154を図示しない。
図5を用いて、本発明の実施の形態3の固体電解質ガスセンサーを説明する。図5は、本発明の実施の形態3の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図である。実施の形態3のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図5において103は、実施の形態3のセンサーブロックである。センサーブロック103は、実施の形態2のセンサーブロック102の固体電解質基板110の電極膜111側に、スペーサー119、セラミックス基板113b、発熱体116bを配設したものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
電極膜111の、スペーサー119に覆われていない部分が、電極膜として機能する。
図6を用いて、本発明の実施の形態4の固体電解質ガスセンサーを説明する。図6は、本発明の実施の形態4の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図である。実施の形態4のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図6において104は、実施の形態4のセンサーブロックである。センサーブロック104は、実施の形態3のセンサーブロック103に、良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bを更に配設したものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
図7及び図8を用いて、本発明の実施の形態5の固体電解質ガスセンサーを説明する。図7及び図8は、本発明の実施の形態5の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図8のC−C’断面を図7に示す。実施の形態5のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図7において105は、実施の形態5のセンサーブロックである。実施の形態5のセンサーブロック105において、実施の形態4のセンサーブロックと共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
セラミックス基板213a、213bは、実施の形態1〜実施の形態4でのセラミックス基板113a、113bとサイズのみが異なる。セラミックス基板213a、213bのサイズは10mm×10mm×0.5mm(厚み)である。
図9及び図10を用いて、本発明の実施の形態6の固体電解質ガスセンサーを説明する。図9及び図10は、本発明の実施の形態6の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び要部分解斜視図である。図10のD−D’断面を図9に示す。実施の形態6のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図9において106は、実施の形態6のセンサーブロックである。実施の形態6のセンサーブロック106は、実施の形態5のセンサーブロック105のスペーサー241をスペーサー251に、接着剤245をスペーサー252に、電極膜111を電極膜261に、電極膜112を電極膜262に置き換えたものである。その他の共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
スペーサー251は電気伝導性を有する金属で形成され、電極膜261の縁に沿ったCの字状の形状に形成される。スペーサー251は、スペーサー251に対して90度の角度を有する3つの爪部283及び固体電解質基板110の外側に突出するリード線接合用端子部285を有する。
スペーサー252は電気伝導性を有する金属で形成され、電極膜262の縁に沿ったCの字状の形状に形成される。スペーサー252は、スペーサー252に対して90度の角度を有する3つの爪部284及び固体電解質基板110の外側に突出するリード線接合用端子部286を有する。
実施の形態6のセンサーブロック106によれば、製造が容易で、製造コストの低減が可能で、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
図11を用いて、本発明の実施の形態11のスペーサーを説明する。図11は、本発明の実施の形態11のスペーサー300の斜視図である。
スペーサー300は、切り欠き301を有する。切り欠き301は、長さがスペーサー300の幅より長く、且つ、前記金属枠の外側と内側の開孔302とを連結する形状を有する。より詳細には、切り欠き301は2つの直角な曲がりを有する折れ線状で、且つ1つの線分は固体電解質基板110の一辺と平行である。切り欠き301の長さをスペーサー300の幅より長くすることで、切り欠き301の幅を大きくし、スペーサー300の厚みを厚くすることができる。スペーサー300は加工が簡単である。
実施の形態1〜実施の形態6のスペーサー119、120、241、251、252を、スペーサー300に置き換えても良い。
図12を用いて、本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置を説明する。図12は、本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。図12において501は、実施の形態8のガス濃度測定装置である。ガス濃度測定装置501は、センサー構成体510、温度制御部521、電圧制御部522、電流検出部523及びガス濃度算出部524を有する。センサー構成体510は、センサーモジュール511を有する。
なお、センサーブロック103に替え、センサーブロック101、102、104、105又は106を使用する構成としても良い。
110 固体電解質基板
111、112、261、262 電極膜
113a、113b、213a、213b セラミックス基板
114a、114b 良熱伝導性基板
115a、115b ヒータ基板
116a、116b 発熱体
117、227、291 ガス流通孔
118、228、292 ガス拡散律速孔
119、120、241、251、252、300 スペーサー
130、245 接着剤
153、154 電極端子部
155、243、255、256、301 切り欠き
156、244、281、282、302 開孔
242、283、284 爪部
285、286 リード線接合用端子部
501 ガス濃度測定装置
510 センサー構成体
511 センサーモジュール
521 温度制御部
522 電圧制御部
523 電流検出部
524 ガス濃度算出部
711 固体電解質基板
712 セラミックス基板
713 補助基板
714 発熱体
721 アノード電極膜
722 カソード電極膜
723、724 無機系接着剤
725 ガス拡散律速孔
726 アノード電極室
751 センサー部
752 平坦部
753 セラミックス製円柱
754 リード線
755 金属製のフタ
761 金属製のケース
762 金属製のカン
763 通気孔
765 外部リード線
Claims (10)
- 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、
前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、を有し、
前記ガス拡散律速部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。 - 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
前記固体電解質基板の第1の面に、無機系接着剤によって微小間隔を有して接合される第1の基板と、
前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、
前記無機系接着剤の一部に欠落部を有し、前記欠落部がガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、
前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きが流通孔を形成するガス流通部と、を有し、
前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。 - 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、
前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、
前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、
前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス流通孔を形成するガス流通部と、を有し、
前記ガス拡散律速部及び前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠によって形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。 - 前記金属枠とその上下の前記固体電解質基板と前記第1の基板又は前記第2の基板との間の隙間及び側面が無機系の接着剤で覆われていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 前記金属枠が電気伝導性を有する金属で形成され、前記金属枠が電極端子を兼ねることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 前記金属枠の一部が前記第1又は第2の基板と前記固体電解質基板との側面より突出していることを特徴とする請求項5に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 前記金属枠が、前記金属枠の上又は下に配置される前記第1の基板又は前記第2の基板の側面を位置規制する爪部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 前記金属枠に形成された前記切り欠きが、長さが前記金属枠の幅より長く、且つ、前記金属枠の外側と内側の開孔部とを連結する形状を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 前記第1の基板及び前記第2の基板の外側に配設した発熱体を更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
- 請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、
前記固体電解質基板を加熱し、所定の温度に制御する温度制御部と、
前記一対の電極膜の間に所定の電圧を印加する電圧制御部と、
前記一対の電極膜の間に流れる電流を検出する電流検出部と、
少なくとも前記電流検出部が検出した電流からガス濃度を算出するガス濃度算出部と、
を有することを特徴とする、ガス濃度測定装置。
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