JP4364608B2 - 固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置 - Google Patents

固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置 Download PDF

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本発明は、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置に関する。より詳しくは、限界電流式の固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置に関する。
近年、ガス濃度の測定方法として、イオン伝導性を持つ固体電解質を活用するものが開発され実用化されている。固体電解質を用いたガス濃度の測定方法として、限界電流式の測定方法が知られている。
特開2000−193637号公報に、従来例の炭化水素センサーが開示されている。従来例の炭化水素センサーは、限界電流式の固体電解質型ガスセンサーである。図13及び図14を用いて従来例の炭化水素センサーを説明する。図13は、従来例の炭化水素センサーのセンサー部の断面図である。炭化水素センサーであるセンサー部751は、固体電解質基板711、セラミックス基板712(ヒータ基板)、補助基板713を有する。
固体電解質基板711は、Ba、Ce、Gdの酸化物で形成され、プロトン伝導性を有する。固体電解質基板711は、カソード電極膜722とアノード電極膜721とを有する。セラミックス基板712及び補助基板713は、部分安定化ジルコニア製セラミックスで形成される。固体電解質基板711のアノード電極膜721側に、セラミックス基板712が無機系接着剤723で接合されている。ガス拡散律速孔725は、無機系接着剤723の一部に形成された開口である。726は、アノード電極室である。セラミックス基板712(ヒータ基板)は、アノード電極膜721と対向しない面側に発熱体714を有する。発熱体714は、白金ペーストを印刷及び焼成したものである。セラミックス基板712の発熱体714を有する面側に、補助基板713が無機系の接着剤724で接合されている。
従来例の炭化水素センサーは、固体電解質基板711、セラミックス基板712及び補助基板713ともほぼ同じ熱膨張係数を有する材料を用い、加熱時に各基板間の熱ストレスが発生しないように考慮されている。セラミックス基板712の発熱体714面に補助基板713を接合して、昇温時にセラミックス基板712が破損しないように配慮されている。
図14は、従来例のセンサー構成体の分解斜視図である。図14において、753はセラミックス製円柱(センサー取り付け部材)、752はセラミックス製円柱753に連通する平坦部、754はリード線、761は金属製のケース、762は金属製のカン、763は通気孔、755は金属製のフタ、765は外部リード線である。
センサー部751は、平坦部752に無機系接着剤で接合されている。セラミックス製円柱753の内部に、センサー出力用及びヒータ用のリード線754が通され、リード線754は、金属製のフタ755の後方から引き出される外部リード線765に、それぞれ電気的に接続されている。セラミックス製円柱753は、金属製のフタ755にリード線754を介して取り付けられている。セラミックス製円柱753は、金属製のケース761に収納され、金属製のフタ755と金属製のケース761とをネジ部で止めることにより、固定される。金属製のケース761には他端部が封止された金属製カン762が接合されている。金属製カン762は、センサー部751と対応する位置に、ガスを通すための通気孔763を有する。
次に、従来例のセンサー構成体の動作を説明する。アノード電極膜721及びカソード電極膜722には定電圧が印加される。固体電解質基板711は、発熱体714によって加熱され、活性化されている。雰囲気内の炭化水素ガスは、通気孔763及びガス拡散律速孔725を通り、アノード電極室726に拡散移動する。雰囲気中の炭化水素ガス分圧に対応した炭化水素ガスが、拡散によりアノード電極室726に供給される。アノード電極室726内に導入された炭化水素ガスは、アノード電極膜721の表面で解離し、プロトンを生成する。プロトンが固体電解質基板711中をカソード電極膜722側に移動し、カソード電極膜722で水素分子になり放出される。両電極膜間には、固体電解質基板711を流れる単位時間当たりのプロトン量に比例した電流が流れる。この電流の量は、雰囲気中の炭化水素ガス分圧に比例するので、炭化水素ガスの濃度を測定できる。
特開2000−193637号公報 特開昭63−265161号公報
従来例の炭化水素ガスセンサーにおいて、アノード電極室726は次のような工程で形成される。始めに、セラミックス基板712及び固体電解質基板711のアノード電極膜721側に、無機系接着剤723(ガラスペースト)にアノード電極室726の厚み制御用スペーサー剤を混合したペーストを、印刷し焼成する。次に、セラミックス基板712を、固体電解質基板711のアノード電極膜721側に位置合わせし圧接し再焼成する。ガス拡散律速孔725は、無機系接着剤723の一部を開口させることにより形成する。従来例の炭化水素ガスセンサーは、アノード電極室726の厚み制御及びセラミックス基板712の位置決めのために、複数の工程が必要であるため、製造コストが高かった。
固体電解質基板711の片面にのみ発熱体714が配置されているので、実際にセンサー部751を制作して動作させると、固体電解質基板711の両面で40℃〜50℃の温度差が生じた。従来例の炭化水素センサーにおいて、固体電解質基板711中をアノード電極膜721からカソード電極膜722側に移動するプロトンの量は、固体電解質基板711の導電率に大きく依存する。例えば固体電解質型ガスセンサーの固体電解質基板として使われることが多い安定化ジルコニアの導電率は、温度が高いほど大きい。即ち、温度が高いほどプロトンの伝導量は大きくなり、電流が流れやすくなる。他の固体電解質も、同様の特徴を有する。ガス濃度測定装置が、従来例の炭化水素ガスセンサーの出力電流に基づいて誤った温度に対応した係数でガス濃度を算出すると、算出したガス濃度が真の値からずれたり、一定の濃度のガス流中で連続して計測した電流値が経時変化したりして、ガス濃度の測定精度が悪かった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、固体電解質基板を用いた限界電流型のガスセンサーにおいて、製造が容易で、製造コストの低減が可能な固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、を有し、前記ガス拡散律速部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサーである。
本発明は、ガス拡散律速部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第1の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。第1の基板は、好ましくはセラミックス基板である。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
請求項2に記載の発明は、両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、前記固体電解質基板の第1の面に、無機系接着剤によって微小間隔を有して接合される第1の基板と、前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、前記無機系接着剤の一部に欠落部を有し、前記欠落部がガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きが流通孔を形成するガス流通部と、を有し、前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサーである。
本発明は、ガス流通部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第2の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。本発明の固体電解質型ガスセンサーは、固体電解質基板の両面に発熱体を配設できる構成を有するので、固体電解質基板を両面から等しく加熱することができる。従って、電極膜の温度の空間分布を従来に比べてより均一にすることができ、ガス濃度の測定精度が向上する。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
請求項3に記載の発明は、両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス流通孔を形成するガス流通部と、を有し、前記ガス拡散律速部及び前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠によって形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサーである。
本発明は、ガス拡散律速部及びガス流通部を金属枠によって形成することにより、固体電解質基板と第1の基板及び第2の基板との間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさで形成できるという作用を有する。本発明の固体電解質型ガスセンサーは、固体電解質基板の両面に発熱体を配設できる構成を有するので、固体電解質基板を両面から等しく加熱することができる。従って、電極膜の温度の空間分布を従来に比べてより均一にすることができ、ガス濃度の測定精度が向上する。また、ステンレスは、入手が容易で、高い導電性と耐熱性と強度とを有し、錆びにくい(長期の使用により信頼性が低下しない)故に、金属枠の材料として適している。
請求項4に記載の発明は、前記金属枠とその上下の前記固体電解質基板と前記第1の基板又は前記第2の基板との間の隙間及び側面が無機系の接着剤で覆われていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明は、金属枠とその上下の基板との隙間からガスがわずかに拡散し、固体電解質型ガスセンサーのガス濃度の測定精度が劣化することを防止する。
請求項5に記載の発明は、前記金属枠が電気伝導性を有する金属で形成され、前記金属枠が電極端子を兼ねることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
金属枠の一部又は全面を固体電解質基板に形成した電極と接触させ、金属枠にリード線を取り付けることにより、金属枠から信号を取り出せる。従来は、固体電解質基板に形成した電極にリード線を接続するための専用の電極端子を設けていた。本発明により、リード線を接続するための専用の電極端子をなくし、固体電解質型ガスセンサーのコストを削減できる。
請求項6に記載の発明は、前記金属枠の一部が前記第1又は第2の基板と前記固体電解質基板との側面より突出していることを特徴とする請求項5に記載の固体電解質型ガスセンサーである。リード線を側面より突出した金属枠部分に接続し易い。
請求項7に記載の発明は、前記金属枠が、前記金属枠の上又は下に配置される前記第1の基板又は前記第2の基板の側面を位置規制する爪部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明は、位置決めが容易で組み立て易い固体電解質型ガスセンサーを実現できるという作用を有する。
請求項に記載の発明は、前記金属枠に形成された前記切り欠きが、長さが前記金属枠の幅より長く、且つ、前記金属枠の外側と内側の開孔部とを連結する形状を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
切り欠きの長さを金属枠の幅より長くすることで、切り欠きの幅を大きくし、金属枠の厚みを厚くすることができる。本発明の金属枠は加工が簡単である。
請求項に記載の発明は、前記第1の基板及び前記第2の基板の外側に配設した発熱体を更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
請求項1に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、前記固体電解質基板を加熱し、所定の温度に制御する温度制御部と、前記一対の電極膜の間に所定の電圧を印加する電圧制御部と、前記一対の電極膜の間に流れる電流を検出する電流検出部と、少なくとも前記電流検出部が検出した電流からガス濃度を算出するガス濃度算出部と、を有することを特徴とする、ガス濃度測定装置である。
本発明は、製造が容易で、製造コストの低減が可能な限界電流式のガス濃度測定装置を実現できるという作用を有する。本発明は、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、限界電流式のガス濃度測定装置を実現できるという作用を有する。
本発明によれば、製造が容易で、製造コストの低減が可能な限界電流式の固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できるという有利な効果を奏する。ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、限界電流式の固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できるという有利な効果を奏する。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
以下の全ての実施の形態において、固体電解質型ガスセンサーのガス検出素子部を「センサーブロック」と言う。
《実施の形態1》
図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーを説明する。図1及び図2は、本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図2のA−A’断面を図1に示す。実施の形態1のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図1において、101は実施の形態1のセンサーブロックである。センサーブロック101は、固体電解質基板110、電極膜111、電極膜112、セラミックス基板113a、スペーサー120、接着剤130を有する。
固体電解質基板110の一方の面に電極膜112が形成され、セラミックス基板113aがスペーサー120を介して接合されている。固体電解質基板110の他方の面に電極膜111が形成されている。固体電解質基板110とセラミックス基板113aとの間には隙間が形成されている。隙間の間隔は、金属製のスペーサー120によって制御される。固体電解質基板110、スペーサー120及びセラミックス基板113aは、側面から無機系の接着剤130で封止される。実施の形態1において、電極膜112はアノード電極膜、電極膜111はカソード電極膜として使用される。
153は、電極膜112に電気的に接続された電極端子部である。154は、電極膜111に電気的に接続された電極端子部である。電極端子部153は、固体電解質基板110の1つの角に配置される。電極端子部154は、固体電解質基板110の電極端子部153と反対側の角に配置される。電極端子部153及び電極端子部154には、ガス濃度に対応する信号を取り出すためのリード線(図示しない)がそれぞれ接続される。セラミックス基板113aは切り欠き部を有し、電極端子部153及に接続されるリード線がセラミックス基板113aに当たらない構造となっている。
スペーサー120は金属で形成される金属枠であり、固体電解質基板110の縁に沿ったCの字状の形状に形成される(図2)。ガス拡散律速孔118は、スペーサー120の切り欠き155、セラミックス基板113a及び固体電解質基板110で形成された開孔である。ガス拡散律速孔118は、ガス濃度を測定する検出ガス(実施の形態1では水素ガス)が拡散しやすく、それより大きい分子サイズのものは拡散しにくいサイズを有する。
スペーサー120と、その上下の固体電解質基板110及びセラミックス基板113aとは、側面から無機系の接着剤130によって封止されている。これにより、スペーサー120とその上下の基板との隙間からガスがわずかに拡散し、固体電解質型ガスセンサーのガス濃度の測定精度が劣化することを防止する。
次に、実施の形態1のセンサーブロック101を構成する各部の材料及び特性を説明する。
固体電解質基板110のサイズは10mm×10mm×0.4mm(厚み)であり、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム酸化物より成るペロブスカイト型焼結体から形成される。、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム酸化物より成るペロブスカイト型焼結体は、プロトンのみが伝導する材料である。固体電解質基板110の両面に、白金微粉末を含む白金ペーストを厚膜印刷法で印刷し、150℃の温度下で10分乾燥後、白金ペーストに最適な焼成温度、時間焼成し電極膜112及び電極膜111を形成した。
セラミックス基板113aのサイズは12mm×12mm×0.5mm(厚み)であり、フォルステライト材料から形成される。フォルステライト材料の熱膨張係数は、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム系ペロブスカイト型焼結体の熱膨張係数に対して±10%以内である。
スペーサー120は、耐熱性ステンレス鋼で形成される。スペーサー120の厚みは5μm〜100μmである。スペーサー120の切り欠き155の幅は5μm〜100μmである。スペーサー120の厚み及び切り欠き155の幅は、検出ガスの分子サイズに応じて定められる。好ましくは、スペーサー120の厚みは10μm〜50μm、切り欠き155の幅は10μm〜50μmである。
電極膜112の、スペーサー120に覆われていない部分(開孔156の部分)が、電極膜として機能する。
実施の形態1のセンサーブロック101は、ガス拡散律速孔118が金属製のスペーサー120によって形成されるので、固体電解質基板110とセラミックス基板113aとの間の隙間を容易に、短時間で且つ正確な大きさに形成できる。
実施の形態1の固体電解質基板110は、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物のイオン伝導体よりなるペロブスカイト構造のセラミックス材料から形成した。この材料は、プロトン伝導性が高く酸素イオン伝導性が小さい。従って、実施の形態1のセンサーブロック101は、水素ガス選択性の大きい水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。実施の形態1のセンサーブロック101は、天然ガス中の水素濃度の測定時のように、還元性雰囲気中で使用可能な、固体電解質材料を用いた水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。
《実施の形態2》
図3及び図4を用いて、本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーを説明する。図3及び図4は、本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図4のB−B’断面を図3に示す。実施の形態2のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図3において、102は実施の形態2のセンサーブロックである。実施の形態2のセンサーブロック102は、実施の形態1のセンサーブロック101に発熱体116aを取り付けたものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。なお、図面を簡略にするため、図4において電極端子部153、154を図示しない。
セラミックス基板113aは、電極膜112と対向しない側の面に発熱体116aを有する。発熱体116aは面状ヒータであり、固体電解質基板110より大きいサイズを有する。厚み0.05mmの鉄−クロム系金属箔(日本金属工業(株)製 No.4L)をジグザグ状に化学的エッチング法で形成し、発熱体116a(又は116b)とした。発熱体116aに通電することにより、固体電解質基板110及び電極膜112を加熱する。
実施の形態2のセンサーブロック102は、実施の形態1のセンサーブロック101と同様の効果を奏する。
《実施の形態3》
図5を用いて、本発明の実施の形態3の固体電解質ガスセンサーを説明する。図5は、本発明の実施の形態3の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図である。実施の形態3のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図5において103は、実施の形態3のセンサーブロックである。センサーブロック103は、実施の形態2のセンサーブロック102の固体電解質基板110の電極膜111側に、スペーサー119、セラミックス基板113b、発熱体116bを配設したものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
固体電解質基板110の電極膜111を形成した面に、セラミックス基板113bがスペーサー119を介して接合されている。セラミックス基板113aと113bとは、同一の材料又は同一の熱膨張係数、サイズ及び厚みを有する。発熱体116aと116bとは、同一の材料で形成され、同一の形状を有する。固体電解質基板110とセラミックス基板113a及び113bとの間には隙間が形成されている。隙間の間隔は、金属製のスペーサー119及びスペーサー120によって制御される。固体電解質基板110とセラミックス基板113aとの間の間隔は、固体電解質基板110とセラミックス基板113bとの間の間隔より小さい(スペーサー119は、スペーサー120より厚い)。固体電解質基板110、スペーサー119、120及びセラミックス基板113a、113bは、側面から無機系の接着剤130で封止される。
スペーサー119は金属で形成され、固体電解質基板110の縁に沿ったCの字状の形状に形成される。ガス流通孔117は、スペーサー119の切り欠き、セラミックス基板113b及び固体電解質基板110で形成された開孔である。ガス流通孔117の断面積は、ガス拡散律速孔118の断面積の2倍以上である。この構成により、電極膜111で生成されたガスが、ガス流通孔117から滞りなく排出される。
電極膜111の、スペーサー119に覆われていない部分が、電極膜として機能する。
実施の形態3のセンサーブロック103は、金属製のスペーサー119及び120によって、ガス拡散律速孔118及びガス流通孔117を形成する。ガス拡散律速孔118及びガス流通孔117の形状は、スペーサー119及び120の形状によって制御される。従って、従来に比べて容易に、安価で高精度な固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
固体電解質基板110の両側に発熱体116a及び116bを配置したので、固体電解質基板110を両面から等しく加熱することができ、温度の空間分布を、従来に比べてより均一にすることができる。従来は、固体電解質基板内での温度が均一ではないため、ガス濃度の測定開始時の昇温速度又は測定終了時の降温速度を10℃/分程度より大きくすると、固体電解質基板が破壊する可能性があった。実施の形態3のセンサーブロック103を用いることにより、昇温/降温速度を20℃/分又はそれ以上とすることができ、迅速にガス濃度測定を行えるガス濃度測定装置を実現できる。
実施の形態3のセンサーブロック103では、ガス流通孔117の断面積をガス拡散律速孔118の断面積より大きくしたので、ガス流通孔117は、分子サイズに関係なくガスを排出できる。ガス流通孔117でのガス拡散速度の影響を受けることなく、ガス拡散律速孔でのガス拡散速度に応じた検出電流を出力する、選択性を有する高感度のガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態4》
図6を用いて、本発明の実施の形態4の固体電解質ガスセンサーを説明する。図6は、本発明の実施の形態4の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図である。実施の形態4のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図6において104は、実施の形態4のセンサーブロックである。センサーブロック104は、実施の形態3のセンサーブロック103に、良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bを更に配設したものである。その他の共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
固体電解質基板110の一方の面に電極膜112が形成され、セラミックス基板113aがスペーサー120を介して接合されている。固体電解質基板110の他方の面に電極膜111が形成され、セラミックス基板113bがスペーサー119を介して接合されている。セラミックス基板113aと113bとは、同一の材料又は同一の熱膨張係数、サイズ及び厚みを有する。固体電解質基板110とセラミックス基板113a及び113bとの間には隙間が形成されている。隙間の間隔は、金属製のスペーサー119及びスペーサー120によって制御される。固体電解質基板110とセラミックス基板113aとの間の間隔は、固体電解質基板110とセラミックス基板113bとの間の間隔より小さい(スペーサー119は、スペーサー120より厚い)。固体電解質基板110、スペーサー119、120及びセラミックス基板113a、113bは、側面から無機系の接着剤130で封止される。
セラミックス基板113aの、電極膜112と対向しない面側に、良熱伝導性基板114a及びヒータ基板115aがこの順番に配置される。セラミックス基板113bの、電極膜111と対向しない面側に、良熱伝導性基板114b及びヒータ基板115bがこの順番に配置される。セラミックス基板113a、113b、良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bは互いに接合しておらず、密接しているだけである。良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bのサイズは同一で、固体電解質基板110及びセラミックス基板113a、113bのサイズより大きい。ヒータ基板115aは、発熱体116aを有する。ヒータ基板115bは、発熱体116bを有する。発熱体116a及び発熱体116bは面状ヒータであり、固体電解質基板110より大きいサイズを有する。
良熱伝導性基板114a及び114bのサイズは14mm×14mm×0.5mmであり、窒化アルミニウムの焼結体から形成される。窒化アルミニウムの焼結体は、良熱伝導体であり、熱伝導率は170W/m・Kである。熱伝導性基板114a及び114bサイズは、固体電解質基板110のサイズ(10mm×10mm)より大きい。良熱伝導性基板114aは、ヒータ基板115a及びセラミックス基板113aとは接合されておらず、密接している。熱伝導性基板114bは、ヒータ基板115b及びセラミックス基板113bとは接合されておらず、密接している。
ヒータ基板115a及び115bのサイズは14mm×14mm×0.5mm(厚み)である。ヒータ基板115a及び115bとして、電熱用マイカ基板を使用した。電熱用マイカ基板の片面に、厚み0.05mmの鉄−クロム系金属箔(日本金属工業(株)製 No.4L)をジグザグ状に化学的エッチング法で形成し、発熱体116a(又は116b)とした。
実施の形態4のセンサーブロック104では、固体電解質基板110の両側に固体電解質基板110よりも大きいサイズを有する良熱伝導性基板114a及び114bとヒータ基板115a及び115bとを密接させた。ヒータ基板115aとヒータ基板115bとを、固体電解質基板110と同程度の熱膨張係数を有する同一の材料で形成した。このようにセンサーブロック104を構成したので、固体電解質基板110を両面から等しく加熱することができ、温度の空間分布を、実施の形態3のセンサーブロック103に比べてより均一にすることができる。ヒータ基板から、良熱伝導性基板を介してセンサー部の表面全体を加熱することができる。
従来は、固体電解質基板内での温度が均一ではないため、ガス濃度の測定開始時の昇温速度又は測定終了時の降温速度を10℃/分程度より大きくすると、固体電解質基板が破壊する可能性があった。実施の形態4のセンサーブロック104を用いることにより、昇温/降温速度を20℃/分又はそれ以上とすることができ、迅速にガス濃度測定を行えるガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態5》
図7及び図8を用いて、本発明の実施の形態5の固体電解質ガスセンサーを説明する。図7及び図8は、本発明の実施の形態5の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。図8のC−C’断面を図7に示す。実施の形態5のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図7において105は、実施の形態5のセンサーブロックである。実施の形態5のセンサーブロック105において、実施の形態4のセンサーブロックと共通の部分には同一の符号を使用し、説明を省略する。
センサーブロック105は、固体電解質基板110、電極膜111、電極膜112、セラミックス基板213a、213b、スペーサー241、接着剤130、245、良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115b、発熱体116a、116bを有する。
セラミックス基板213a、213bは、実施の形態1〜実施の形態4でのセラミックス基板113a、113bとサイズのみが異なる。セラミックス基板213a、213bのサイズは10mm×10mm×0.5mm(厚み)である。
固体電解質基板110の一方の面に電極膜112が形成され、セラミックス基板213aが無機系の接着剤245で接合されている。固体電解質基板110の他方の面に電極膜111が形成され、セラミックス基板213bがスペーサー241を介して接合されている。セラミックス基板213aと213bとは、同一の材料又は同一の熱膨張係数、サイズ及び厚みを有する。固体電解質基板110とセラミックス基板213a及び213bとの間には隙間が形成されている。隙間の間隔は、金属製のスペーサー241及び接着剤245によって制御される。固体電解質基板110とセラミックス基板213aとの間の間隔は、固体電解質基板110とセラミックス基板213bとの間の間隔より小さい。固体電解質基板110、スペーサー241及びセラミックス基板213bは、側面から無機系の接着剤130で封止される。
153は、アノード電極膜112に電気的に接続された電極端子部である。154は、カソード電極膜111に電気的に接続された電極端子部である。電極端子部153は、固体電解質基板110の1つの角に配置される。電極端子部154は、固体電解質基板110の電極端子部153と反対側の角に配置される。電極端子部153及び電極端子部154には、ガス濃度に対応する信号を取り出すためのリード線(図示しない)がそれぞれ接続される。セラミックス基板213a及びセラミックス基板213bは、切り欠き部を有し、電極端子部153及び154に接続されるリード線がこれらのセラミックス基板に当たらない構造となっている。
スペーサー241は金属で形成され、セラミックス基板213bの縁に沿ったCの字状の形状に形成される(図8)。ガス流通孔227は、スペーサー241の切り欠き243、セラミックス基板213b及び固体電解質基板110で形成された開孔である。スペーサー241は、スペーサー241の表面に対して90度の角度を有する3つの爪部242を有する。セラミックス基板213bは、爪部242によって側面が位置規制される。
ガス拡散律速孔228は、無機系の接着剤245の一部の欠落部である。固体電解質基板110とセラミックス基板213aとの間の隙間は、接着剤245に混合したスペーサー材によって制御される(従来例の炭化水素センサーと同様の構成)。ガス流通孔227の断面積をガス拡散律速孔228の断面積より大きくした。
セラミックス基板213aの、電極膜112と対向しない面側に、良熱伝導性基板114a及びヒータ基板115aがこの順番に配置される。セラミックス基板213bの、電極膜111と対向しない面側に、良熱伝導性基板114b及びヒータ基板115bがこの順番に配置される。セラミックス基板213a、213b、良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bは互いに接合しておらず、密接しているだけである。良熱伝導性基板114a、114b、ヒータ基板115a、115bのサイズは同一で、固体電解質基板110のサイズより大きい。ヒータ基板115aは、発熱体116aを有する。ヒータ基板115bは、発熱体116bを有する。発熱体116a及び発熱体116bは面状ヒータであり、固体電解質基板110より大きいサイズを有する。
実施の形態5のセンサーブロック105は、金属製のスペーサー241によって、ガス流通孔217を形成する。ガス流通孔227の形状は、スペーサー241の形状によって制御される。更に、スペーサー241にセラミックス基板213bを積層する際の位置合わせが容易である。従って、従来に比べて容易に、安価で高精度な固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
実施の形態5のセンサーブロック105では、固体電解質基板110の両側に固体電解質基板110よりも大きいサイズを有する良熱伝導性基板114a及び114bとヒータ基板115a及び115bとを密接させた。ヒータ基板115aとヒータ基板115bとを、固体電解質基板110と同程度の熱膨張係数を有する同一の材料で形成した。このようにセンサーブロック105を構成したので、固体電解質基板110を両面から等しく加熱することができ、温度の空間分布を、従来に比べてより均一にすることができる。ヒータ基板から、良熱伝導性基板を介してセンサー部の表面全体を加熱することができる。
従来は、固体電解質基板内での温度が均一ではないため、ガス濃度の測定開始時の昇温速度又は測定終了時の降温速度を10℃/分程度より大きくすると、固体電解質基板が破壊する可能性があった。実施の形態5のセンサーブロック105を用いることにより、昇温/降温速度を20℃/分又はそれ以上とすることができ、迅速にガス濃度測定を行えるガス濃度測定装置を実現できる。
固体電解質基板110は、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物のイオン伝導体よりなるペロブスカイト構造のセラミックス材料から形成した。この材料は、プロトン伝導性が高く酸素イオン伝導性が小さい。従って、実施の形態5のセンサーブロック105は、水素ガス選択性の大きい水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。実施の形態5のセンサーブロック105は、天然ガス中の水素濃度の測定時のように、還元性雰囲気中で使用可能な、固体電解質材料を用いた水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。
実施の形態5のセンサーブロック105では、ガス流通孔227の断面積をガス拡散律速孔228の断面積より大きくしたので、ガス流通孔227は、分子サイズに関係なくガスを排出できる。ガス流通孔227でのガス拡散速度の影響を受けることなく、ガス拡散律速孔でのガス拡散速度に応じた検出電流を出力する、選択性を有する高感度のガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態6》
図9及び図10を用いて、本発明の実施の形態6の固体電解質ガスセンサーを説明する。図9及び図10は、本発明の実施の形態6の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図及び要部分解斜視図である。図10のD−D’断面を図9に示す。実施の形態6のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
図9において106は、実施の形態6のセンサーブロックである。実施の形態6のセンサーブロック106は、実施の形態5のセンサーブロック105のスペーサー241をスペーサー251に、接着剤245をスペーサー252に、電極膜111を電極膜261に、電極膜112を電極膜262に置き換えたものである。その他の共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
固体電解質基板110の一方の面に電極膜261が形成されている。実施の形態5の電極膜111と異なり、電極膜261は固体電解質基板110の一方の面のほぼ全面に形成される。
スペーサー251は電気伝導性を有する金属で形成され、電極膜261の縁に沿ったCの字状の形状に形成される。スペーサー251は、スペーサー251に対して90度の角度を有する3つの爪部283及び固体電解質基板110の外側に突出するリード線接合用端子部285を有する。
セラミックス基板213bは、爪部283によって側面が位置規制される。ガス流通孔291は、スペーサー251の切り欠き255、セラミックス基板213b及び固体電解質基板110で形成された開孔である。スペーサー251は、電極膜261と接触して配置され電極を兼ねる。リード線接合用端子部285には、リード線が接続される(図示しない)。固体電解質基板110、スペーサー251及びセラミックス基板213bは、側面から無機系の接着剤130を用いて封止される。
固体電解質基板110の他方の面に電極膜262が形成されている。実施の形態5の電極膜112と異なり、電極膜262は固体電解質基板110の一方の面のほぼ全面に形成される。
スペーサー252は電気伝導性を有する金属で形成され、電極膜262の縁に沿ったCの字状の形状に形成される。スペーサー252は、スペーサー252に対して90度の角度を有する3つの爪部284及び固体電解質基板110の外側に突出するリード線接合用端子部286を有する。
セラミックス基板213aは、爪部284によって側面が位置規制される。ガス拡散律速孔292は、スペーサー252の切り欠き256、セラミックス基板213a及び固体電解質基板110で形成された開孔である。スペーサー252は、電極膜262と接触して配置され電極を兼ねる。リード線接合用端子部286には、リード線が接続される(図示しない9。固体電解質基板110、スペーサー252及びセラミックス基板213aは、側面から無機系の接着剤130を用いて封止される。
ガス拡散律速孔292及びガス流通孔291の断面積は、スペーサー251及びスペーサー252の厚み及び切り欠き255、256のサイズで制御される。スペーサー251は、スペーサー252より厚い。ガス拡散律速孔292は、ガス濃度を測定する検出ガス(実施の形態6では水素ガス)を拡散しやすく、それより大きい分子サイズのものは拡散しにくいサイズを有する。ガス流通孔291の断面積は、ガス拡散律速孔292の断面積の2倍以上である。この構成により、ガス流通孔291から、電極膜261で生成されたガスが滞りなく排出される。実施の形態6のセンサーブロック106は、ガス拡散律速孔292及びガス流通孔291の断面積を、スペーサー251及びスペーサー252の形状で容易に制御できる。
実施の形態6のセンサーブロック106は、セラミックス基板213a及び213bの側面を、スペーサー251及び252に設けた爪部283及び284で規制する。スペーサー251及び252に、側面から突出するリード線接合用端子部285及び286を設けたので、リード線を、リード線接合用端子部285及び286に接続できる。
実施の形態6のセンサーブロック106によれば、製造が容易で、製造コストの低減が可能で、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態7》
図11を用いて、本発明の実施の形態11のスペーサーを説明する。図11は、本発明の実施の形態11のスペーサー300の斜視図である。
スペーサー300は、切り欠き301を有する。切り欠き301は、長さがスペーサー300の幅より長く、且つ、前記金属枠の外側と内側の開孔302とを連結する形状を有する。より詳細には、切り欠き301は2つの直角な曲がりを有する折れ線状で、且つ1つの線分は固体電解質基板110の一辺と平行である。切り欠き301の長さをスペーサー300の幅より長くすることで、切り欠き301の幅を大きくし、スペーサー300の厚みを厚くすることができる。スペーサー300は加工が簡単である。
実施の形態1〜実施の形態6のスペーサー119、120、241、251、252を、スペーサー300に置き換えても良い。
《実施の形態8》
図12を用いて、本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置を説明する。図12は、本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。図12において501は、実施の形態8のガス濃度測定装置である。ガス濃度測定装置501は、センサー構成体510、温度制御部521、電圧制御部522、電流検出部523及びガス濃度算出部524を有する。センサー構成体510は、センサーモジュール511を有する。
センサーモジュール511は、センサーブロック103(実施の形態3のセンサーブロック。図5参照)をマイカ材から形成される保温材で覆った構成を有する。センサーモジュール511は、センサー構成体510のセンサー取り付け部材(図示しない)に取り付けられる。
温度制御部521は固体電解質基板110に取り付けた温度制御用熱電対の信号を受信し、発熱体116a及び116bへ流れる電流を調整し、固体電解質基板110の温度を所定値(例えば、350℃)に制御する。電圧制御部522は、電極膜112と電極膜111との間に所定の電圧を印加する。電流検出部523は、電極膜112と電極膜111との間に流れる電流を検出する。ガス濃度算出部524は、電流検出部523が検出した電流に基づき、測定ガスのガス濃度を算出する。
本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置501は、センサーブロック103を使用するので、測定精度及び測定感度が高く、安価に製造できる。
なお、センサーブロック103に替え、センサーブロック101、102、104、105又は106を使用する構成としても良い。
本発明の実施の形態1〜実施の形態8の固体電解質型ガスセンサーは、水素ガスセンサーであった。本発明は、これに限らず固体電解質材料又はガス拡散律速孔のサイズを調整することにより、固体電解質で検知できるその他のガス(例えば、酸素ガス、炭化水素ガス)、又は湿度等のセンサーにも適用できる。
本発明の固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置は、固体電解質材料を用いて限界電流方式でガス濃度を測定する、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置として有用である。
本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態1の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの分解斜視図 本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態2の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの分解斜視図 本発明の実施の形態3の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態4の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態5の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態5の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの分解斜視図 本発明の実施の形態6の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態6の固体電解質型ガスセンサーのセンサーブロックの要部分解斜視図 本発明の実施の形態7のスペーサの斜視図 本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置の構成を示すブロック図 従来例の炭化水素センサーのセンサー部の断面図 従来例のセンサー構成体の分解斜視図
符号の説明
101、102、103、104、105、106 センサーブロック
110 固体電解質基板
111、112、261、262 電極膜
113a、113b、213a、213b セラミックス基板
114a、114b 良熱伝導性基板
115a、115b ヒータ基板
116a、116b 発熱体
117、227、291 ガス流通孔
118、228、292 ガス拡散律速孔
119、120、241、251、252、300 スペーサー
130、245 接着剤
153、154 電極端子部
155、243、255、256、301 切り欠き
156、244、281、282、302 開孔
242、283、284 爪部
285、286 リード線接合用端子部
501 ガス濃度測定装置
510 センサー構成体
511 センサーモジュール
521 温度制御部
522 電圧制御部
523 電流検出部
524 ガス濃度算出部
711 固体電解質基板
712 セラミックス基板
713 補助基板
714 発熱体
721 アノード電極膜
722 カソード電極膜
723、724 無機系接着剤
725 ガス拡散律速孔
726 アノード電極室
751 センサー部
752 平坦部
753 セラミックス製円柱
754 リード線
755 金属製のフタ
761 金属製のケース
762 金属製のカン
763 通気孔
765 外部リード線

Claims (10)

  1. 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
    前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、
    前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、を有し、
    前記ガス拡散律速部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。
  2. 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
    前記固体電解質基板の第1の面に、無機系接着剤によって微小間隔を有して接合される第1の基板と、
    前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、
    前記無機系接着剤の一部に欠落部を有し、前記欠落部がガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、
    前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きが流通孔を形成するガス流通部と、を有し、
    前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠により形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。
  3. 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
    前記固体電解質基板の第1の面の側に位置する第1の基板と、
    前記固体電解質基板の第2の面の側に位置する第2の基板と、
    前記第1の面と前記第1の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部と、
    前記第2の面と前記第2の基板との間に密接して配置され、切り欠きを有する枠形状を有し、前記切り欠きがガス流通孔を形成するガス流通部と、を有し、
    前記ガス拡散律速部及び前記ガス流通部がステンレスを材料とする金属枠によって形成されることを特徴とする、固体電解質型ガスセンサー。
  4. 前記金属枠とその上下の前記固体電解質基板と前記第1の基板又は前記第2の基板との間の隙間及び側面が無機系の接着剤で覆われていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  5. 前記金属枠が電気伝導性を有する金属で形成され、前記金属枠が電極端子を兼ねることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  6. 前記金属枠の一部が前記第1又は第2の基板と前記固体電解質基板との側面より突出していることを特徴とする請求項5に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  7. 前記金属枠が、前記金属枠の上又は下に配置される前記第1の基板又は前記第2の基板の側面を位置規制する爪部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  8. 前記金属枠に形成された前記切り欠きが、長さが前記金属枠の幅より長く、且つ、前記金属枠の外側と内側の開孔部とを連結する形状を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  9. 前記第1の基板及び前記第2の基板の外側に配設した発熱体を更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  10. 請求項1から請求項のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、
    前記固体電解質基板を加熱し、所定の温度に制御する温度制御部と、
    前記一対の電極膜の間に所定の電圧を印加する電圧制御部と、
    前記一対の電極膜の間に流れる電流を検出する電流検出部と、
    少なくとも前記電流検出部が検出した電流からガス濃度を算出するガス濃度算出部と、
    を有することを特徴とする、ガス濃度測定装置。
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