JP2642600B2 - 半導体高周波スイッチ回路 - Google Patents
半導体高周波スイッチ回路Info
- Publication number
- JP2642600B2 JP2642600B2 JP19836894A JP19836894A JP2642600B2 JP 2642600 B2 JP2642600 B2 JP 2642600B2 JP 19836894 A JP19836894 A JP 19836894A JP 19836894 A JP19836894 A JP 19836894A JP 2642600 B2 JP2642600 B2 JP 2642600B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- switch circuit
- frequency switch
- fet
- semiconductor high
- transmission line
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
- Electronic Switches (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概ね1GHz以上のマ
イクロ波帯、準ミリ波帯、ミリ波帯などの高周波帯にお
いて用いられる半導体高周波スイッチ回路に関する。
イクロ波帯、準ミリ波帯、ミリ波帯などの高周波帯にお
いて用いられる半導体高周波スイッチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に、3個のPチャンネル電界効果
トランジスタ(以下、電界効果トランジスタをFETと
いう。)を用いた従来例の半導体高周波スイッチ回路の
構成例を示す。図10に示すように、入力端子1と出力
端子2との間に、3つのPチャンネルFET6,7,8
が接続される。ここで、入力端子1は、FET6のソー
スとドレインとを介して、FET7及びFET8の各ソ
ースに接続される。FET8のドレインはアースに接地
され、FET7のドレインは出力端子2に接続される。
さらに、FET6,7,8の各ゲートはそれぞれ抵抗素
子9,11,10を介して制御端子3,5,4に接続さ
れる。
トランジスタ(以下、電界効果トランジスタをFETと
いう。)を用いた従来例の半導体高周波スイッチ回路の
構成例を示す。図10に示すように、入力端子1と出力
端子2との間に、3つのPチャンネルFET6,7,8
が接続される。ここで、入力端子1は、FET6のソー
スとドレインとを介して、FET7及びFET8の各ソ
ースに接続される。FET8のドレインはアースに接地
され、FET7のドレインは出力端子2に接続される。
さらに、FET6,7,8の各ゲートはそれぞれ抵抗素
子9,11,10を介して制御端子3,5,4に接続さ
れる。
【0003】以上のように構成された従来例の半導体高
周波スイッチ回路において、FET6及び7の各制御端
子3,5にそれぞれ0Vを印加すると同時に、FET8
の制御端子4にFET8のピンチオフ電圧以上の負電圧
を印加すると、FET6及び7がオンとなるとともにF
ET8がオフとなる。このとき、入力端子1と出力端子
2との間はほぼ短絡状態となり、当該半導体高周波スイ
ッチ回路はオンとなる。一方、FET6及び7の各制御
端子3,5にそれぞれFET3,5のピンチオフ電圧以
上の負電圧を印加すると同時に、FET8の制御端子4
に0Vを印加すると、FET6及び7がオフとなるとと
もにFET8がオンとなる。このとき、入力端子1と出
力端子2との間はほぼ開放状態となり、当該半導体高周
波スイッチ回路はオフとなる。
周波スイッチ回路において、FET6及び7の各制御端
子3,5にそれぞれ0Vを印加すると同時に、FET8
の制御端子4にFET8のピンチオフ電圧以上の負電圧
を印加すると、FET6及び7がオンとなるとともにF
ET8がオフとなる。このとき、入力端子1と出力端子
2との間はほぼ短絡状態となり、当該半導体高周波スイ
ッチ回路はオンとなる。一方、FET6及び7の各制御
端子3,5にそれぞれFET3,5のピンチオフ電圧以
上の負電圧を印加すると同時に、FET8の制御端子4
に0Vを印加すると、FET6及び7がオフとなるとと
もにFET8がオンとなる。このとき、入力端子1と出
力端子2との間はほぼ開放状態となり、当該半導体高周
波スイッチ回路はオフとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図11は、図10の従
来例の半導体高周波スイッチ回路のシミュレーション結
果である通過損失の周波数特性のグラフである。図11
から明らかなように、オン時の通過損失は0に近い値と
なるが、オフ時には、周波数が高くなるにつれて通過損
失が低下し、オン時とオフ時の通過損失比(以下、通過
損失比という。)又はアイソレーションが小さくなると
いう問題点があった。これは、FET6,7の寄生容量
のために、オフ時に信号が出力端子2に漏れるためであ
り、当該通過損失比のとり得る値に限界がある。さらに
高い通過損失比をとるためには、スイッチとしての段数
を増やせばよいが、そうした場合にはスイッチのオン時
の挿入損失が増し、回路面積も大きくなるという欠点が
ある。
来例の半導体高周波スイッチ回路のシミュレーション結
果である通過損失の周波数特性のグラフである。図11
から明らかなように、オン時の通過損失は0に近い値と
なるが、オフ時には、周波数が高くなるにつれて通過損
失が低下し、オン時とオフ時の通過損失比(以下、通過
損失比という。)又はアイソレーションが小さくなると
いう問題点があった。これは、FET6,7の寄生容量
のために、オフ時に信号が出力端子2に漏れるためであ
り、当該通過損失比のとり得る値に限界がある。さらに
高い通過損失比をとるためには、スイッチとしての段数
を増やせばよいが、そうした場合にはスイッチのオン時
の挿入損失が増し、回路面積も大きくなるという欠点が
ある。
【0005】本発明の目的は、従来例に比較してより大
きなオン時とオフ時の通過損失比を得ることができ、し
かも回路構成が簡単である半導体高周波スイッチ回路を
提供することにある。
きなオン時とオフ時の通過損失比を得ることができ、し
かも回路構成が簡単である半導体高周波スイッチ回路を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体高
周波スイッチ回路は、一方の電極が入力端子に接続され
た第1のFETの他方の電極と、一方の電極が出力端子
に接続された第2のFETの他方の電極と、一方の電極
が接地された第3のFETの他方の電極とを接続し、上
記第1のFETと上記第2のFETと上記第3のFET
の各ゲートが制御端子に接続されてなる半導体高周波ス
イッチ回路において、上記入力端子と上記出力端子との
間に、それぞれ概略1/4波長の線路長を有し互いに直
列に接続された第1及び第2の伝送線路を接続し、上記
第1の伝送線路と上記第2の伝送線路との接続点と接地
点との間に、概略1/4波長の線路長を有する第3の伝
送線路を接続し、上記入力端子と接地点との間に、概略
1/16波長の線路長を有する第4の伝送線路を接続
し、上記出力端子と接地点との間に、概略1/16波長
の線路長を有する第5の伝送線路を接続して構成したこ
とを特徴とする。
周波スイッチ回路は、一方の電極が入力端子に接続され
た第1のFETの他方の電極と、一方の電極が出力端子
に接続された第2のFETの他方の電極と、一方の電極
が接地された第3のFETの他方の電極とを接続し、上
記第1のFETと上記第2のFETと上記第3のFET
の各ゲートが制御端子に接続されてなる半導体高周波ス
イッチ回路において、上記入力端子と上記出力端子との
間に、それぞれ概略1/4波長の線路長を有し互いに直
列に接続された第1及び第2の伝送線路を接続し、上記
第1の伝送線路と上記第2の伝送線路との接続点と接地
点との間に、概略1/4波長の線路長を有する第3の伝
送線路を接続し、上記入力端子と接地点との間に、概略
1/16波長の線路長を有する第4の伝送線路を接続
し、上記出力端子と接地点との間に、概略1/16波長
の線路長を有する第5の伝送線路を接続して構成したこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】以上のように構成された半導体高周波スイッチ
回路においては、従来例とは逆に各FETの制御端子の
電圧を制御し、すなわち、第1と第2のFETをオフと
しかつ第3のFETをオンとなるように制御端子に電圧
を印加することによって、当該スイッチ回路をオンと
し、一方、第1と第2のFETをオンとしかつ第3のF
ETをオフとなるように制御端子に電圧を印加すること
によって、当該スイッチ回路をオフとすることができ
る。
回路においては、従来例とは逆に各FETの制御端子の
電圧を制御し、すなわち、第1と第2のFETをオフと
しかつ第3のFETをオンとなるように制御端子に電圧
を印加することによって、当該スイッチ回路をオンと
し、一方、第1と第2のFETをオンとしかつ第3のF
ETをオフとなるように制御端子に電圧を印加すること
によって、当該スイッチ回路をオフとすることができ
る。
【0008】ここで、当該スイッチ回路がオフの時に
は、当該スイッチ回路の等価回路は図5のように書き換
えることができる。図5からわかるように、当該スイッ
チ回路の入力端子と出力端子との間に、一端が接地され
た一種の直列共振トラップ回路が接続され、これによっ
て、例えば図9の通過損失の周波数特性に示すように、
所定の直列共振周波数において通過損失が極めて大きく
なる。一方、当該スイッチ回路がオンの時には、当該ス
イッチ回路の等価回路は図8のように書き換えることが
できる。図8からわかるように、入力端子と出力端子と
の間に、各一端が接地された3個の並列共振回路が接続
されて、当該スイッチ回路は一種の帯域通過フィルタと
みなすことができる。これより、低損失な、すなわち良
好なオン特性を得ることができる。以上より、当該スイ
ッチ回路の通過損失比は、従来例に比較して極めて大き
くなる。
は、当該スイッチ回路の等価回路は図5のように書き換
えることができる。図5からわかるように、当該スイッ
チ回路の入力端子と出力端子との間に、一端が接地され
た一種の直列共振トラップ回路が接続され、これによっ
て、例えば図9の通過損失の周波数特性に示すように、
所定の直列共振周波数において通過損失が極めて大きく
なる。一方、当該スイッチ回路がオンの時には、当該ス
イッチ回路の等価回路は図8のように書き換えることが
できる。図8からわかるように、入力端子と出力端子と
の間に、各一端が接地された3個の並列共振回路が接続
されて、当該スイッチ回路は一種の帯域通過フィルタと
みなすことができる。これより、低損失な、すなわち良
好なオン特性を得ることができる。以上より、当該スイ
ッチ回路の通過損失比は、従来例に比較して極めて大き
くなる。
【0009】
【実施例】図1に、本発明に係る一実施例の半導体高周
波スイッチ回路の回路図を示す。この実施例の半導体高
周波スイッチ回路は、図10のスイッチ回路に加えて、
以下の如く5個の伝送線路12乃至16を接続したこと
を特徴とする。 (a)入力端子1と出力端子2との間に、それぞれ1/
4波長の線路長を有し互いに直列に接続された伝送線路
12,13を接続する。 (b)伝送線路12と第2の伝送線路13との接続点と
接地点との間に、1/4波長の線路長を有する伝送線路
14を接続する。 (c)入力端子1と接地点との間に、1/16波長の線
路長を有する伝送線路15を接続する。 (d)出力端子2と接地点との間に、1/16波長の線
路長を有する伝送線路16を接続する。
波スイッチ回路の回路図を示す。この実施例の半導体高
周波スイッチ回路は、図10のスイッチ回路に加えて、
以下の如く5個の伝送線路12乃至16を接続したこと
を特徴とする。 (a)入力端子1と出力端子2との間に、それぞれ1/
4波長の線路長を有し互いに直列に接続された伝送線路
12,13を接続する。 (b)伝送線路12と第2の伝送線路13との接続点と
接地点との間に、1/4波長の線路長を有する伝送線路
14を接続する。 (c)入力端子1と接地点との間に、1/16波長の線
路長を有する伝送線路15を接続する。 (d)出力端子2と接地点との間に、1/16波長の線
路長を有する伝送線路16を接続する。
【0010】この実施例の半導体高周波スイッチ回路
は、図1に示すように、入力端子1と出力端子2との間
に、3つのPチャンネルFET6,7,8が接続され
る。ここで、入力端子1は、FET6のソースとドレイ
ンとを介して、FET7及びFET8の各ソースに接続
される。FET8のドレインはアースに接地され、FE
T7のドレインは出力端子2に接続される。さらに、F
ET6,7,8の各ゲートはそれぞれ抵抗素子9,1
1,10を介して制御端子3,5,4に接続される。ま
た、入力端子1と出力端子2との間に、それぞれ1/4
波長の線路長を有し互いに直列に接続された伝送線路1
2,13を接続する。さらに、伝送線路12と第2の伝
送線路13との接続点と接地点との間に、1/4波長の
線路長を有する伝送線路14を接続する。またさらに、
入力端子1と接地点との間に、1/16波長の線路長を
有する伝送線路15を接続するとともに、出力端子2と
接地点との間に、1/16波長の線路長を有する伝送線
路16を接続する。
は、図1に示すように、入力端子1と出力端子2との間
に、3つのPチャンネルFET6,7,8が接続され
る。ここで、入力端子1は、FET6のソースとドレイ
ンとを介して、FET7及びFET8の各ソースに接続
される。FET8のドレインはアースに接地され、FE
T7のドレインは出力端子2に接続される。さらに、F
ET6,7,8の各ゲートはそれぞれ抵抗素子9,1
1,10を介して制御端子3,5,4に接続される。ま
た、入力端子1と出力端子2との間に、それぞれ1/4
波長の線路長を有し互いに直列に接続された伝送線路1
2,13を接続する。さらに、伝送線路12と第2の伝
送線路13との接続点と接地点との間に、1/4波長の
線路長を有する伝送線路14を接続する。またさらに、
入力端子1と接地点との間に、1/16波長の線路長を
有する伝送線路15を接続するとともに、出力端子2と
接地点との間に、1/16波長の線路長を有する伝送線
路16を接続する。
【0011】以上のように構成された本実施例の半導体
高周波スイッチ回路において、FET6及び7の各制御
端子3,5にそれぞれFET3,5のピンチオフ電圧以
上の負電圧を印加すると同時に、FET8の制御端子4
に0Vを印加すると、FET6及び7がオフとなるとと
もにFET8がオンとなる。このとき、当該半導体高周
波スイッチ回路は後述するようにオンとなる。一方、F
ET6及び7の各制御端子3,5にそれぞれ0Vを印加
すると同時に、FET8の制御端子4にFET8のピン
チオフ電圧以上の負電圧を印加すると、FET6及び7
がオンとなるとともにFET8がオフとなる。このと
き、当該半導体高周波スイッチ回路は後述するようにオ
フとなる。
高周波スイッチ回路において、FET6及び7の各制御
端子3,5にそれぞれFET3,5のピンチオフ電圧以
上の負電圧を印加すると同時に、FET8の制御端子4
に0Vを印加すると、FET6及び7がオフとなるとと
もにFET8がオンとなる。このとき、当該半導体高周
波スイッチ回路は後述するようにオンとなる。一方、F
ET6及び7の各制御端子3,5にそれぞれ0Vを印加
すると同時に、FET8の制御端子4にFET8のピン
チオフ電圧以上の負電圧を印加すると、FET6及び7
がオンとなるとともにFET8がオフとなる。このと
き、当該半導体高周波スイッチ回路は後述するようにオ
フとなる。
【0012】図2に、図1の半導体高周波スイッチ回路
のオフ時の等価回路を示す。ここで、伝送線路はインダ
クタLとキャパシタCの集中定数素子で等価的に表し
た。すなわち、1/4波長の伝送線路12乃至14はそ
れぞれ、C−L−Cのπ型回路で置き換えるとともに、
1/16波長の伝送線路15及び16はインダクタLで
置き換えた。ここで、17a,17bはそれぞれ、FE
T6,7がオン時の等価抵抗であり、18はFET8が
オフ時の等価容量である。また、19a乃至19eはそ
れぞれ、伝送線路12乃至14の等価インダクタであ
り、20a乃至20fは伝送線路12乃至14の等価容
量である。
のオフ時の等価回路を示す。ここで、伝送線路はインダ
クタLとキャパシタCの集中定数素子で等価的に表し
た。すなわち、1/4波長の伝送線路12乃至14はそ
れぞれ、C−L−Cのπ型回路で置き換えるとともに、
1/16波長の伝送線路15及び16はインダクタLで
置き換えた。ここで、17a,17bはそれぞれ、FE
T6,7がオン時の等価抵抗であり、18はFET8が
オフ時の等価容量である。また、19a乃至19eはそ
れぞれ、伝送線路12乃至14の等価インダクタであ
り、20a乃至20fは伝送線路12乃至14の等価容
量である。
【0013】図2の等価回路において、一端が接地され
た等価容量20fが接地された等価容量20fを無視す
るとともに、等価容量20b,20cおよび20eを1
つの等価容量21にまとめて簡単にすると、図3の等価
回路になる。ここで、FET6及び7の等価抵抗17
a,17bの抵抗値は一般に数Ωであるので、零とみな
し、また、接続線と接地点との間に接続されたインダク
タ19c,19d,19eは主として低周波領域におい
て支配的であるが、準ミリ波帯又はミリ波帯ではこれら
のインダクタの影響は少ないので無視することができ零
とすると、図4の等価回路のように書き換えることがで
きる。
た等価容量20fが接地された等価容量20fを無視す
るとともに、等価容量20b,20cおよび20eを1
つの等価容量21にまとめて簡単にすると、図3の等価
回路になる。ここで、FET6及び7の等価抵抗17
a,17bの抵抗値は一般に数Ωであるので、零とみな
し、また、接続線と接地点との間に接続されたインダク
タ19c,19d,19eは主として低周波領域におい
て支配的であるが、準ミリ波帯又はミリ波帯ではこれら
のインダクタの影響は少ないので無視することができ零
とすると、図4の等価回路のように書き換えることがで
きる。
【0014】さらに、図4において、等価インダクタ1
9a,19bを1つの等価インダクタ22で書き換える
とともに、等価容量18,20a,20dを1つの等価
容量23で書き換えると、図5の等価回路のようにな
る。図5から明らかなように、当該スイッチ回路の入力
端子と出力端子との間に、一端が接地された一種の直列
共振トラップ回路が接続され、これによって、所定の直
列共振周波数f0において通過損失が極めて大きくな
る。それ故、上記通過損失比が従来例に比較して大きく
なる。上記直列共振周波数f0は次の数1で表わすこと
ができる。
9a,19bを1つの等価インダクタ22で書き換える
とともに、等価容量18,20a,20dを1つの等価
容量23で書き換えると、図5の等価回路のようにな
る。図5から明らかなように、当該スイッチ回路の入力
端子と出力端子との間に、一端が接地された一種の直列
共振トラップ回路が接続され、これによって、所定の直
列共振周波数f0において通過損失が極めて大きくな
る。それ故、上記通過損失比が従来例に比較して大きく
なる。上記直列共振周波数f0は次の数1で表わすこと
ができる。
【0015】
【数1】f0=1/{2π√(L22・C21)}
【0016】ここで、L22は等価インダクタ22のイン
ダクタンスであり、C22は等価容量21のキャパシタン
スである。従って、容量素子、またはインダクタの値、
すなわち伝送回路のインピーダンスと線路長を選定すれ
ば、上記直列共振周波数f0に等しい、目的とする動作
周波数で、入力端子1と出力端子2との間は概ね開放状
態となり、当該スイッチ回路はオフ状態となる。例え
ば、入力端子1にミリ波信号を入力したとき、出力端子
2から出力されるミリ波信号は非常に小さくなり、優れ
たオフ特性が得られる。
ダクタンスであり、C22は等価容量21のキャパシタン
スである。従って、容量素子、またはインダクタの値、
すなわち伝送回路のインピーダンスと線路長を選定すれ
ば、上記直列共振周波数f0に等しい、目的とする動作
周波数で、入力端子1と出力端子2との間は概ね開放状
態となり、当該スイッチ回路はオフ状態となる。例え
ば、入力端子1にミリ波信号を入力したとき、出力端子
2から出力されるミリ波信号は非常に小さくなり、優れ
たオフ特性が得られる。
【0017】次いで、図6に、図1の半導体高周波スイ
ッチ回路のオン時の等価回路を示す。ここで、24はF
ET8がオン時の等価抵抗であり、25a,25bはそ
れぞれFET6及び7がオフ時の等価容量である。この
図6において、一端が接地された等価容量20fを無視
し、等価容量20b,20c及び20eを1つの等価容
量21に代表させて、簡単化すると図7の等価回路を得
る。ここで、等価抵抗24を上述と同様に零とみなして
無視するととともに、等価容量25aと20aとを1つ
の等価容量26aに置き換え、等価容量25bと20と
を1つの等価容量26bに置き換えて簡単化すると、図
8の等価回路のようになる。図8から明らかなように、
入力端子1と出力端子2との間に、各一端が接地された
3個の並列共振回路が接続されて、当該スイッチ回路は
一種の帯域通過フィルタとみなすことができる。これよ
り、低損失な、すなわち良好なオン特性を得ることがで
きる。
ッチ回路のオン時の等価回路を示す。ここで、24はF
ET8がオン時の等価抵抗であり、25a,25bはそ
れぞれFET6及び7がオフ時の等価容量である。この
図6において、一端が接地された等価容量20fを無視
し、等価容量20b,20c及び20eを1つの等価容
量21に代表させて、簡単化すると図7の等価回路を得
る。ここで、等価抵抗24を上述と同様に零とみなして
無視するととともに、等価容量25aと20aとを1つ
の等価容量26aに置き換え、等価容量25bと20と
を1つの等価容量26bに置き換えて簡単化すると、図
8の等価回路のようになる。図8から明らかなように、
入力端子1と出力端子2との間に、各一端が接地された
3個の並列共振回路が接続されて、当該スイッチ回路は
一種の帯域通過フィルタとみなすことができる。これよ
り、低損失な、すなわち良好なオン特性を得ることがで
きる。
【0018】図9は、図1の半導体高周波スイッチ回路
のシミュレーション結果である通過損失の周波数特性の
グラフである。この図9からわかるように、本実施例の
半導体高周波スイッチ回路は、数1で表される直列共振
周波数に等しい、目的とする所望の動作周波数f0で、
従来例の図10の半導体高周波スイッチ回路と比べて極
めて大きな、オン時とオフ時の通過損失比(又はアイソ
レーション)を得ることができる。しかも、本実施例の
半導体高周波スイッチ回路は、図1に示すように極めて
簡単な回路構成を有し、小型・軽量に製造することがで
きるという特有の効果を有する。
のシミュレーション結果である通過損失の周波数特性の
グラフである。この図9からわかるように、本実施例の
半導体高周波スイッチ回路は、数1で表される直列共振
周波数に等しい、目的とする所望の動作周波数f0で、
従来例の図10の半導体高周波スイッチ回路と比べて極
めて大きな、オン時とオフ時の通過損失比(又はアイソ
レーション)を得ることができる。しかも、本実施例の
半導体高周波スイッチ回路は、図1に示すように極めて
簡単な回路構成を有し、小型・軽量に製造することがで
きるという特有の効果を有する。
【0019】以上の実施例において、PチャンネルFE
T6,7,8を用いているが、本発明はこれに限らず、
NチャンネルFETを用いてもよい。また、Pチャンネ
ルFET及びNチャンネルFETに限らず、図1におけ
る各FET6,7,8のソースとドレインの電極を入れ
替えてもよい。以上の実施例において、伝送線路12乃
至14は1/4波長の線路長を有し、伝送線路15,1
6は1/16波長の線路長を有しているが、本発明はこ
れに限らず、それぞれ概略の各線路長を有するように構
成してもよい。
T6,7,8を用いているが、本発明はこれに限らず、
NチャンネルFETを用いてもよい。また、Pチャンネ
ルFET及びNチャンネルFETに限らず、図1におけ
る各FET6,7,8のソースとドレインの電極を入れ
替えてもよい。以上の実施例において、伝送線路12乃
至14は1/4波長の線路長を有し、伝送線路15,1
6は1/16波長の線路長を有しているが、本発明はこ
れに限らず、それぞれ概略の各線路長を有するように構
成してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
一方の電極が入力端子に接続された第1のFETの他方
の電極と、一方の電極が出力端子に接続された第2のF
ETの他方の電極と、一方の電極が接地された第3のF
ETの他方の電極とを接続し、上記第1のFETと上記
第2のFETと上記第3のFETの各ゲートが制御端子
に接続されてなる半導体高周波スイッチ回路において、
上記入力端子と上記出力端子との間に、それぞれ概略1
/4波長の線路長を有し互いに直列に接続された第1及
び第2の伝送線路を接続し、上記第1の伝送線路と上記
第2の伝送線路との接続点と接地点との間に、概略1/
4波長の線路長を有する第3の伝送線路を接続し、上記
入力端子と接地点との間に、概略1/16波長の線路長
を有する第4の伝送線路を接続し、上記出力端子と接地
点との間に、概略1/16波長の線路長を有する第5の
伝送線路を接続して構成した。このように、この発明
は、回路構成が簡単であって小型・軽量に製造すること
ができるとともに、従来例に比較してより大きなオン時
とオフ時の通過損失比を得ることができるという特有の
効果を有する。
一方の電極が入力端子に接続された第1のFETの他方
の電極と、一方の電極が出力端子に接続された第2のF
ETの他方の電極と、一方の電極が接地された第3のF
ETの他方の電極とを接続し、上記第1のFETと上記
第2のFETと上記第3のFETの各ゲートが制御端子
に接続されてなる半導体高周波スイッチ回路において、
上記入力端子と上記出力端子との間に、それぞれ概略1
/4波長の線路長を有し互いに直列に接続された第1及
び第2の伝送線路を接続し、上記第1の伝送線路と上記
第2の伝送線路との接続点と接地点との間に、概略1/
4波長の線路長を有する第3の伝送線路を接続し、上記
入力端子と接地点との間に、概略1/16波長の線路長
を有する第4の伝送線路を接続し、上記出力端子と接地
点との間に、概略1/16波長の線路長を有する第5の
伝送線路を接続して構成した。このように、この発明
は、回路構成が簡単であって小型・軽量に製造すること
ができるとともに、従来例に比較してより大きなオン時
とオフ時の通過損失比を得ることができるという特有の
効果を有する。
【図1】 本発明に係る一実施例の半導体高周波スイッ
チ回路の回路図である。
チ回路の回路図である。
【図2】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオフ時の
等価回路図である。
等価回路図である。
【図3】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオフ時の
動作を示すための第1の等価回路図である。
動作を示すための第1の等価回路図である。
【図4】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオフ時の
動作を示すための第2の等価回路図である。
動作を示すための第2の等価回路図である。
【図5】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオフ時の
動作を示すための第3の等価回路図である。
動作を示すための第3の等価回路図である。
【図6】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオン時の
等価回路図である。
等価回路図である。
【図7】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオン時の
動作を示すための第1の等価回路図である。
動作を示すための第1の等価回路図である。
【図8】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオン時の
動作を示すための第2の等価回路図である。
動作を示すための第2の等価回路図である。
【図9】 図1の半導体高周波スイッチ回路のオン時と
オフ時の通過損失の周波数特性を示すグラフである。
オフ時の通過損失の周波数特性を示すグラフである。
【図10】 従来例の半導体高周波スイッチ回路の回路
図である。
図である。
【図11】 図10の半導体高周波スイッチ回路のオン
時とオフ時の通過損失の周波数特性を示すグラフであ
る。
時とオフ時の通過損失の周波数特性を示すグラフであ
る。
1…入力端子、 2…出力端子、 3,4,5…制御端子、 6,7,8…FET、 9,10,11…抵抗素子、 12,13,14…1/4波長の伝送線路、 15,16…1/16波長の伝送線路、 17a,17b,24…等価抵抗、 18,20a,20b,20c,20d,20e,20
f,21,23,25a,25b,26a,26b…等
価容量、 19a,19b,19c,19d,19e,22…伝送
線路の等価インダクタ。
f,21,23,25a,25b,26a,26b…等
価容量、 19a,19b,19c,19d,19e,22…伝送
線路の等価インダクタ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−169246(JP,A) 特開 平5−252016(JP,A) 特開 昭61−208307(JP,A) 電気学会研究会資料電子デバイス研究 会EDD−95−44〜59,PP.21−30, 1995年8月28日,「ミリ波回路1多層化 MMIC技術とそのミリ波回路への応 用」,皆川晃、他 電子情報通信学会1994年秋季大会−ソ サイエティ先行大会−講演論文集 エレ クトロニクス1,講演番号C−70,P 70,「ミリ波MMICFETスイッチの 高アイソレーション化の検討」,皆川 晃,他,1994年9月5日
Claims (1)
- 【請求項1】 一方の電極が入力端子に接続された第1
の電界効果トランジスタの他方の電極と、一方の電極が
出力端子に接続された第2の電界効果トランジスタの他
方の電極と、一方の電極が接地された第3の電界効果ト
ランジスタの他方の電極とを接続し、上記第1の電界効
果トランジスタと上記第2の電界効果トランジスタと上
記第3の電界効果トランジスタの各ゲートが制御端子に
接続されてなる半導体高周波スイッチ回路において、 上記入力端子と上記出力端子との間に、それぞれ概略1
/4波長の線路長を有し互いに直列に接続された第1及
び第2の伝送線路を接続し、 上記第1の伝送線路と上記第2の伝送線路との接続点と
接地点との間に、概略1/4波長の線路長を有する第3
の伝送線路を接続し、 上記入力端子と接地点との間に、概略1/16波長の線
路長を有する第4の伝送線路を接続し、 上記出力端子と接地点との間に、概略1/16波長の線
路長を有する第5の伝送線路を接続して構成したことを
特徴とする半導体高周波スイッチ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19836894A JP2642600B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 半導体高周波スイッチ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19836894A JP2642600B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 半導体高周波スイッチ回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0865003A JPH0865003A (ja) | 1996-03-08 |
JP2642600B2 true JP2642600B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=16389951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19836894A Expired - Fee Related JP2642600B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 半導体高周波スイッチ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642600B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101385067B (zh) * | 2006-12-28 | 2012-11-14 | 罗姆股份有限公司 | 显示控制装置和使用了它的电子设备 |
JP5944813B2 (ja) * | 2012-11-08 | 2016-07-05 | 太陽誘電株式会社 | スイッチングデバイスおよびモジュール |
-
1994
- 1994-08-23 JP JP19836894A patent/JP2642600B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
電子情報通信学会1994年秋季大会−ソサイエティ先行大会−講演論文集 エレクトロニクス1,講演番号C−70,P70,「ミリ波MMICFETスイッチの高アイソレーション化の検討」,皆川晃,他,1994年9月5日 |
電気学会研究会資料電子デバイス研究会EDD−95−44〜59,PP.21−30,1995年8月28日,「ミリ波回路1多層化MMIC技術とそのミリ波回路への応用」,皆川晃、他 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0865003A (ja) | 1996-03-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4206589B2 (ja) | 分布増幅器 | |
US6331815B1 (en) | Dual-frequency matching circuit | |
US5349306A (en) | Apparatus and method for high performance wide-band power amplifier monolithic microwave integrated circuits | |
Zhang et al. | Broad-band, lossless monolithic microwave active floating inductor | |
US5202655A (en) | Microwave active filter circuit using pseudo gyrator | |
JPH11195960A (ja) | 半導体移相器 | |
WO2022088445A1 (zh) | 一种应用于射频集成电路的耦合式单刀双掷开关 | |
JP2642600B2 (ja) | 半導体高周波スイッチ回路 | |
JPH06232657A (ja) | 高周波増幅器 | |
JPH04284005A (ja) | 発振回路 | |
JP2000036564A (ja) | 可変抵抗器及び可変利得回路 | |
JP2001326558A (ja) | 移相器 | |
JP2001339276A (ja) | 移相器 | |
JPH0575357A (ja) | 低雑音増幅器 | |
JPH05251962A (ja) | 増幅器 | |
JPH08321726A (ja) | 増幅回路 | |
JP3211859B2 (ja) | 能動フィルタ | |
JPS63142716A (ja) | 入力切換回路 | |
JP3315299B2 (ja) | マイクロ波スイッチ | |
JPH08288703A (ja) | マイクロ波スイッチ | |
JP3469680B2 (ja) | 半導体スイッチ回路 | |
JPH06276038A (ja) | 高周波低雑音増幅器 | |
JPH0590935A (ja) | Fetスイツチ装置 | |
JPH09289443A (ja) | 半導体高周波スイッチ回路 | |
JPH09135102A (ja) | 減衰器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |