JP2642116B2 - 多色画像形成方法 - Google Patents

多色画像形成方法

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JP2642116B2 JP63017192A JP1719288A JP2642116B2 JP 2642116 B2 JP2642116 B2 JP 2642116B2 JP 63017192 A JP63017192 A JP 63017192A JP 1719288 A JP1719288 A JP 1719288A JP 2642116 B2 JP2642116 B2 JP 2642116B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば電子写真法、静電記録法、静電印刷
法等に適用される多色画像形成方法に関するものであ
る。
〔技術の背景〕
現在において、ある画像情報から可視画像を形成する
方法として、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の
ように静電像を経由する方法が広く利用されている。
例えば電子写真法においては、光導電性材料よりなる
感光層を有してなる像形成体に一様な静電荷が付与され
た後、像露光により当該像形成体の表面に原稿に対応し
た静電像が形成され、この静電像が現像剤により現像さ
れてトナー像が形成される。このトナー像は紙等の転写
材に静電気力により転写された後、加熱あるいは加圧等
により定着されて複写画像が形成される。一方、転写工
程後の像形成体は、除電され、次いで転写されずに像形
成体上に残留したトナーがクリーニングされたうえ次の
複写画像の形成に供される。
しかして、多色画像を形成する方法としては、従来、
色の異なる複数の現像剤を用い、各色ごとに現像を繰り
返して行なうことにより像形成体の表面に重ね合わされ
た多色トナー像を形成し、次いでこの多色トナー像を転
写材に静電気力により一挙に転写し、これを定着して多
色画像を形成する方法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来においては、特に第1回目の現像により
形成された第1色トナー像の転写率が低下したり、ある
いは転写されない部分が生ずる転写ヌケが発生する問題
点がある。
具体的に説明すると、例えば黄色トナー像、赤色トナ
ー像、青色トナー像の順番に、多色トナー像を形成する
場合の一例においては、現像終了後から転写開始までの
待機時間が、黄色トナー像では例えば2秒、赤色トナー
像では例えば10秒、青色トナー像では例えば1秒と、黄
色トナー像の待機時間が相当に長くなる。このため黄色
トナー像を構成するトナー粒子の像形成体に対する物理
的な付着力が時間とともに増加し、その結果転写工程に
おいては黄色トナー像の転写率の低下、転写ヌケが発生
しやすい。この問題点は、特に有機光導電性物質を含有
してなる有機感光層を備えてなる像形成体を用いる場合
に顕著となる。
本発明は以上の如き事情に基づいてなされたものであ
って、転写性が良好で、十分な画像濃度で鮮明な多色画
像を形成することができる多色画像形勢方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、トナーとキャリ
アとを含む二成分現像剤よりなる現像剤層を現像剤搬送
担体により像形成体に対して非接触となる状態で現像領
域に搬送し、当該現像領域において振動電界下で前記像
形成体上の静電像を反転現像方式で現像する工程を繰り
返すことにより、前記像形成体上に多色トナー像を形成
する工程と、当該多色トナー像を転写材に一挙に転写す
る工程とを含む多色画像形成方法において、前記像形成
体として、表面粗さRが下記式(1)を満足するものを
用いることを特徴とする。
式(1) 0.5S≦R≦(α/2)S (ただし、αはトナーの重量平均粒径(μm)を表
す。) またトナーとしては、重量平均粒径が5〜30μmのト
ナーが好ましい。
また、像形成体としては、有機光導電性物質を含有し
てなる有機感光層を備えてなる像形成体が好ましい。
〔作用〕
像形成体の表面粗さRが上記式(1)を満足する特定
の範囲内にあるので、当該像形成体の表面がトナー粒子
の大きさとの関係において適度に粗面化された状態とな
る。従って、像形成体の表面に対するトナー粒子の物理
的な付着力が低下し、その結果複数回にわたり現像工程
を繰り返して多色トナー像を形成する際に、第1色トナ
ーにより現像が終了してから多色トナー像を一挙に転写
するまでに要する待機時間が長いときにも、トナー粒子
の像形成体に対する付着力の増加を抑制することができ
る。このため転写工程においては、多色トナー像の全体
が高い転写率でしかも転写ヌケを伴わずに一挙に転写さ
れるようになる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
本発明においては、特定の像形成体を用いる。すなわ
ち、本発明に用いる像形成体は、その表面粗さが上記式
(1)を満足するものである。
ここで、表面粗さとは、JIS B0601−1982に規定され
た方法(最大高さの最大値表示)により測定された値を
いう。
上記表面粗さRが過小のときには、粗面化が不足する
ためトナー粒子の付着力を十分に低下させることができ
ない。一方、表面粗さRが過大のときには、粗面化が過
剰となるためトナー粒子が凹部に入り込み、そのためト
ナー粒子の付着力が増大する。
本発明においては、特に有機光導電性物質を含有して
なる有機感光層を備えてなる像形成体を好ましく用いる
ことができる。斯かる像形成体は、通常、導電性支持体
上に有機感光層を積層して構成される。当該像形成体の
表面粗さRは、導電性支持体の表面仕上げを変更する手
段、あるいは有機感光層の表面を研磨する手段等により
規定することができる。
有機感光層としては、特に限定されないが、有機光導
電性物質を樹脂よりなるバインダー中に分散含有させて
構成したものが好ましい。
有機感光層としては、特に、静電潜像を形成するため
に用いる露光用光を吸収して荷電キャリアを発生するキ
ャリア発生物質を含有してなるキャリア発生層と、この
キャリア発生層において発生した正または負のキャリア
のいずれか一方または両方を輸送するキャリア輸送物質
を含有してなるキャリア輸送層とを組合せて構成され
た、いわゆる機能分離型の有機感光層を用いることが好
ましい。このように、キャリアの発生と、その輸送とい
う感光層において必要な2つの基本的機能を別個の層に
分担させることにより、有機感光層の構成に用い得る物
質の選択範囲が広範となるうえ、各機能を最適に果たす
物質または物質系を独立に選定することが可能となり、
またそうすることにより、画像形成プロセスにおいて要
求される諸特性、例えば帯電させたときの表面電位が高
く、電荷保持能が大きく、光感度が高く、また反復使用
における安定性が大きい等の優れた特性を有する像形成
体を構成することが可能となる。
キャリア発生層は、例えば樹脂よりなるバインダー中
にキャリア発生物質が分散含有されて構成される。斯か
るキャリア物質としては、例えば(1)モノアゾ顔料、
ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、ピラゾロンアゾ顔
料、スチルベンアゾ顔料、チアゾールアゾ顔料等のアゾ
系顔料、(2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等
のペリレン系顔料、(3)アントラキノン誘導体、アン
トアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピ
ラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラ
ントロン誘導体等のアントラキノン系または多環キノン
系顔料、(4)インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等
のインジゴイド系顔料、(5)金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、(6)
ジフェニルメタン顔料、トリフェニルメタン顔料、キサ
ンテン顔料、アクリジン顔料等のカルボニウム系顔料、
アジン顔料、オキサジン顔料、チアジン顔料等のキノン
イミン系顔料、(8)シアニン顔料、アゾメチン顔料等
のメチン系顔料、(9)キノリン系顔料、(10)ニトロ
系顔料、(11)ニトロソ系顔料、(12)ベンゾキノン、
ナフトキノン系顔料、(13)ナフタルイミド系顔料、
(14)ビスベンズイミダゾール誘導体等のペリノン系顔
料、等を用いることができる。キャリア発生層の厚さ例
えば0.1〜5μm程度が好ましい。
キャリア輸送層は、例えば樹脂よりなるバインダー内
にキャリア輸送物質が分散含有されて構成される。斯か
るキャリア輸送物質としては、例えばオキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、
ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベ
ンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キ
ナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導
体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセン、等を用いることができ
る。キャリア発生層の厚さは例えば10〜40μm程度が好
ましい。
以上のキャリア発生層およびキャリア輸送層の形成に
おいてバインダーとして用いられる樹脂としては、例え
ばポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピ
ロリドン樹脂、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リケトン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げること
ができる。これらは単独でもしくは混合して用いること
ができる。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、ニッケ
ル、銅、亜鉛、パラジウム、銀、インジウム、スズ、白
金、金、ステンレス、鋼、真鍮等よりなる金属製シート
等を用いることができる。
有機感光層を有する像形成体の具体的構成としては、
特に限定されず、種々の構成を採用することができる。
また帯電させたときの表面電位が、例えば−400〜1000V
となるような像形成体を特に好ましく用いることができ
る。
本発明に用いる二成分現像剤を構成するトナーは、結
着樹脂中に、例えば着色剤、オフセット防止剤、荷電制
御剤等が含有されてなる粒子粉末である。また、必要に
応じて、流動性等の種々の特性を改善する目的で当該粒
子粉末にさらに無機微粒子あるいは有機微粒子等が添加
混合されていてもよい。
トナーの重量平均粒径は、5〜30μmが好ましい。当
該重量平均粒径が過大のときには、得られる複写画像の
解像度が低下したり、地かぶりが多くなり、一方、当該
重量平均粒径が過小のときには、像形成体の表面の微小
凹部にトナー粒子が入り込むため、トナー粒子の付着力
が増大し、転写性が悪化する。ここでトナーの重量平均
粒径は、コールター・カウンター(CouHer Electronic
s社製)により測定された値をいう。
トナーの結着樹脂としては、特に限定されず種々の樹
脂を用いることができる。具体的には、スチレン系樹
脂、アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系共重合体樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げるこ
とができる。これらの樹脂は組合せて用いてもよい。
トナーの着色剤としては、例えばカーボンブラック、
ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポン
オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロ
ライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオ
クサレート、ランプブラック、ローズベンガル、これら
の混合物、その他を挙げることができる。
トナーの荷電制御剤としては、例えば金属錯体系染
料、ニグロシン系染料、アンモニウム塩系化合物等を挙
げることができる。
トナーのオフセット防止剤としては、例えば低軟化点
のポリオレフィン、高融点パラフィンワックス、シリコ
ーンワニス、脂肪酸エステル類またはその部分ケン化物
類、脂肪酸アミド系化合物、高級アルコール等を挙げる
ことができる。
本発明に用いる二成分現像剤を構成するキャリアとし
ては、特に限定されず従来公知のキャリアを用いること
ができる。具体的には、磁性体粒子のみにより構成され
たキャリア、あるいは磁性体粒子の表面が樹脂により被
覆されてなる樹脂被覆キャリア、樹脂粒子中に磁性体粒
子が分散含有されてなる磁性体分散型キャリアのいずれ
であってもよい。
キャリアの平均粒径は、10〜100μmであることが好
ましく、特に20〜60μmであることが好ましい。キャリ
アの平均粒径が過小のときにはキャリアが静電像に付着
して定着されてしまういわゆるキャリア付着現象が発生
し、その結果画像が不鮮明となる場合があり、一方キャ
リアの平均粒径が過大のときには画像アレが発生する場
合がある。ここで、キャリアの平均粒径(重量)は、
「マイクロトラック」(日機装社製)を用いて測定され
た値である。
次に、各工程について具体的に説明する。
(多色トナー像形成工程) 像形成体の表面を一様に帯電した後、色分解光により
像露光して当該像形成体上に静電像を形成する。
次いで、タナーとキャリアとを含む二成分現像剤より
なる現像剤層を現像剤を現像剤搬送担体により像形成体
に対して非接触となる状態で現像領域に搬送し、当該現
像領域において振動電界下で当該像形成体上の静電像を
反転現像方式で現像する。
以上の工程を、各色ごとに繰り返して行なうことによ
り、像形成体上に、色の異なる複数のトナー像が順次重
ね合わされた多色トナー像を形成する。
現像領域における像形成体と現像剤搬送担体との間隙
(以下「現像ギャップ」ともいう。)Dsdは、200〜1000
μmの範囲にあることが好ましい。また、現像剤層の厚
さは、当該現像ギャップDsdより小さいことが必要であ
る。
現像剤搬送担体としては、特に限定されないが、バイ
アス電圧を印加得る従来と同様の構成のものを用いるこ
とができる。特に、現像剤層が担持される筒状のげ像ス
リープ内に複数の磁極を有する磁石体を具えた構造のも
のを好ましく用いることができる。
現像剤搬送担体上に薄層の現像剤層を形成する手段と
しては特に限定されないが、特に、弾性を有する板状の
厚さ規制部材を現像剤搬送担体の表面に弾性的に圧接配
置し、現像剤を当該厚さ規制部材と現像剤搬送担体との
間を通過させることにより、現像剤層を薄層とする手段
が好ましい。
(転写工程) 現像により得られた像形成体上の多色トナー像を転写
材に一挙に転写する。この転写工程においては、静電転
写方式あるいはバイアス転写方式のいずれをも適用でき
るが、特に静電転写方式を好ましく用いることができ
る。具体的には、例えば直流コロナ放電を生じさせる転
写器を、転写材を介して像形成体に対向するよう配置
し、転写材にその裏面側から直流コロナ放電を作用させ
ることにより像形成体の表面に担持されていた多色トナ
ー像を転写材の表面に一挙に転写する。
(クリーニング工程) 転写工程を経た後に像形成体上に残留した現像材をク
リーニングする。クリーニング手段は、特に限定されな
いが、像形成体の表面に接触配置したクリーニングブレ
ードを有してなるクリーニング装置を好ましく用いるこ
とができる。このクリーニング装置によれば、像形成体
の表面がクリーニングブレードにより摺擦されることに
より、残留現像剤が掻き取り除去される。
このクリーニング工程の前段においては、クリーニン
グを容易にするために像形成体の表面を除電する除電工
程を付加することが好ましい。この除電工程は、例えば
交流コロナ放電を生じさせる除電器により行うことがで
きる。
(定着工程) 転写工程によって、多色トナー像が転写された転写材
を、加熱定着装置あるいは加圧定着装置等により定着処
理し、もって定着画像を形成する。
第1図は本発明の画像形成方法の遂行に用いることが
できる多色画像形成装置の一例を示す説明図である。同
図において、10は像形成体、20は画像入力部、26は画像
処理部、27はレーザー露光光学系、30A,30B,30Cは現像
器、40は転写器である。
画像入力部20は、照明光源21、ミラー22、レンズ23、
一次元カラーCCD撮像素子24が一体的にユニット化され
て構成されている。この画像入力部20が駆動装置(図示
せず)によって矢印X方向に移動される間にCCD撮像素
子24により原稿25の読取りが行なわれる。なお、画像入
力部20を固定し、原稿台を移動させる構成を採用しても
よい。
画像入力部20で読取られた画像情報は、画像処理部26
で記録に適したデータに変換される。レーザー露光光学
系27は、上記の画像データに基いて以下のようにして像
形成体10上に静電像を形成する。すなわち、像形成体10
はスコロトロン帯電器28により表面が均一に帯電され、
続いてレーザー露光光学系27から記録データに従った原
稿光像Lがレンズを介して像形成体10上に照射され、も
って原稿に対応した静電像が像形成体10上に形成され
る。
この静電像は、まず、第1色トナー(例えば黄色トナ
ー)が収納されている現像器30Aにより現像処理され
る。第1色トナーによるトナー像が形成された像形成体
10は、1回転した後再びスコロトロン帯電器28により均
一に帯電され、別の色成分の記録データに従った原稿光
像Lの照射を受ける。これにより形成された静電像は、
第2色トナー(例えば赤色トナー)が収納されている現
像器30Bにより現像処理される。
この結果、像形成体10上には、第1色トナー像に第2
色トナー像を重ね合わされた2色トナー像が形成され
る。続いて上記と同様にして第3色トナー(例えば青色
トナー)によるトナー像を順次重ね合わせて、もって像
形成体10上に3色のカラートナーが重ね合わされた多色
トナー像が形成される。
このようにして得られた多色トナー像は、露光ランプ
51により除電されて転写されやすい状態とされた後、転
写器40により転写紙Pに一挙に転写される。転写紙Pは
分離器52により像形成体10から分離され、定着器53で定
着処理を受け、もって定着画像が形成される。一方、像
形成体10は除電器54により除電されたうえ、クリーニン
グ装置55によりその表面が清掃され、次の多色画像の形
成に供される。
この例のクリーニング装置55は、クリーニング56と、
ファーブラシ57とを有してなる。これらは画像形成プロ
セスの遂行中は、像形成体10とは非接触状態に保たれて
いて、像形成体10上に最終的な多色トナー像が形成され
ると、当該クリーニングブレード56およびファーブラシ
57が像形成体10に接触されて、多色トナー像の転写後に
像形成体10上に残留した現像剤を掻き取り除去する。そ
の後、クリーニングブレード56が像形成体10から離れ、
少し遅れてファーブラシ57が像形成体10から離れる。フ
ァーブラシ57はクリーニングブレード56が像形成体10か
ら離れる際、像形成体10上に残る現像剤を除去する機能
を有する。58はブレード56で掻き取られたトナーを補集
するローラである。
現像器30A〜30Cの詳細を第2図に示す。同図において
は、61は現像スリーブ、62は磁気ロールであり、これら
現像スリーブ61および磁気ロール62により現像剤搬送担
体が構成されている。磁気ロール62はN極とS極とが周
に沿って交互に配置されてなる構成である。64は厚さ規
制部材、65は第1の撹拌部材、66は第2の撹拌部材、67
はトナー補給容器、68はトナー補給ローラ、69は現像剤
溜まり、70はバイアス電源、71は現像領域である。な
お、第1の撹拌部材65と、第2の撹拌部材66とは、矢印
で示すように互いに反対方向で衝突することなく撹拌領
域がオーバーラップするように回転される構造である。
この現像器30A〜30Cにおいて、現像剤溜まり69内の現
像剤は撹拌部材65および66とにより充分撹拌混合され、
矢印方向に回転する現像スリーブ61とこれと反対方向に
回転する磁気ロール62とによる搬送力により、現像剤が
現像スリーブ61の表面に付着される。
現像スリーブ61の表面には、弾性体よりなる板状の厚
さ規制部材64がその先端部に近い一面側において圧接保
持されている。この厚さ規制部材64により現像領域71に
搬送される現像剤の厚さが規制されて薄層とされる。
厚さ規制部材64により薄層とされた現像剤層は、矢印
方向に回転する像形成体20上に形成された静電像に対し
て、非接触となるような状態で現像領域71に搬送され、
バイアス電源70による振動電界の作用を受けながら、現
像領域71において薄層の現像剤層により像形成体10上の
静電像が現像され、もってトナー像が形成される。
現像スリーブ上に形成された薄層の現像剤層の厚さ
は、例えば「ニコンプロフィールプロジェクター」(日
本光学株式会社製)を用い、現像スリーブのスクリーン
への投影像と、現像スリーブ上に薄層の現像剤層を形成
した状態のスクリーンへの投影像との位置の比較により
現像剤層の厚さを求めることができる。
厚さ規制部材64は、固定部材により一端が固定されて
弾性が付与された、例えば磁性または非磁性の金属、金
属化合物、プラスチック、ゴム等により形成することが
でき、その厚さは極めて薄いことが好ましく、また当該
厚さが均一であることが好ましい。具体的には、その厚
さは50〜500μmが好ましい。
斯かる厚さ規制部材64は、その先端部に近い一面側に
おいて現像スリーブ61に弾性的に圧接され、当該厚さ規
制部材64と現像スリーブ61との間を現像剤を少しずつ通
過させるようにして現像剤の搬送量が規制される。現像
剤中の不純物、凝集物等は厚さ規制部材64により現像領
域71への進入が防止され、従って現像領域71に搬送され
る現像剤層が薄層であってしかもその厚さが均一で安定
したものとなる。また、現像領域71に搬送される現像剤
量は、厚さ規制部材64の現像スリーブ61に対する押圧力
や接触角を変えることにより十分に制御することができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明
がこれらの実施例に限定されるものではない。
(現像剤の製造) (1)黄色現像剤D1 ポリエステル樹脂「UXK−120 P」(花王社製)100
重量部と、荷電制御剤「ボントロンE−84」(オリエン
ト化学社製)2重量部と、イエロー顔料「パリオトール
イエロー」(BASF社製)4重量部と、離型剤「ビスコー
ル660P」(三洋化学工業社製)4重量部とを、混合し、
二本ロールにより溶融混練し、冷却後粉砕し、分級し
て、重量平均粒径が14μmの着色粒子粉末を得た。さら
にこの着色粒子粉末に、疎水性シリカ微粉末「アエロジ
ルR−972」(日本アエロジル社製)を0.2重量%となる
割合で添加混合して黄色トナーを製造した。
平均粒径が40μm,飽和磁化が20emu/g(測定磁場1000O
e)である球形のマグネシウム−亜鉛系フェライト粒子
からなる磁性体粒子の表面に、スチレン−アクリル共重
合体(単量体組成比=6:4)よりなる樹脂被覆層を設け
てキャリアを製造した。
次に、上記黄色トナーと、上記キャリアとを混合し
て、トナー濃度が8重量%の黄色現像剤D1を製造した。
(2)赤色現像剤D2 前記黄色現像剤の製造において、イエロー顔料をマゼ
ンタ顔料「KET RED307」(大日本インキ化学社製)4
重量部に変更したほかは同様にして赤色トナーを製造
し、この赤色トナーを用いたほかは同様にして赤色現像
剤D2を製造した。
(3)青色現像剤D3 前記黄色現像剤の製造において、イエロー顔料をシア
ン顔料「Heliogen Blue D7080」(BASA社製)4重量部
に変更したほかは同様にして青色トナーを製造し、この
青色トナーを用いたほかは同様にして青色現像剤D3を製
造した。
(像形成体の製造) アルミニウム製の導電性支持体上に、ε型フタロシア
ニンよりなるキャリア発生層と、ヒドラゾン化合物とポ
リカーボネート樹脂よりなるキャリア輸送層とを順次積
層してなる有機感光層を設けて、表面粗さRの異なる複
数の像形成体1〜7を製造した。なお、表面粗さRは、
キャリア輸送層の表面を研磨することにより変化させ
た。各像形成体の表面粗さRは後記第1表に示す通りで
ある。
(実写テスト) 各実施例および比較例においては、第2図に示した現
像器を搭載した、第1図に示した構成の画像形成装置を
用い、後記第1表に示す条件に基づいて、黄色現像剤D
1、赤色現像剤D2、青色現像剤D3の順序で、非接触・反
転現像法により現像を繰り返して行なうことにより、像
形成体上に黄、赤、青の3色のトナーが重ね合わされた
多色トナー像を形成し、この多色トナー像を静電転写器
により一挙に転写紙に転写し、次いで加熱定着して多色
画像を形成する実写テストを行なった。
なお、以上の実写テストにおいては、現像スリーブに
直流バイアス電圧(−500V)を印加し、像形成体を構成
する導電性支持体は接地電位とした。また、像形成体の
帯電時の表面電位は−600V、露光後の表面電位は−50
V、像形成体の表面の線速度は100mm/sec、レーザー露光
光学系の書き込み密度は16ドット/mm、現像スリーブの
表面の線速度は300mm/sec、当該表面の移動方向は、現
像領域において像形成体と同一方向である。
<評価> 以上の実写テストで得られた3色画像について黄色画
像部における転写性を調べた。転写性は、転写率、転写
ヌケの2点から評価した。
(1)転写率 第2図に示した現像装置を用いて、黄色原稿に対応す
る像露光を行ない、像形成体上に、20mm×50/mmの長方
形状のベタの黄色トナー像を形成し、転写工程に付する
前に機械を停止させる。なお、現像に寄与するトナー重
量は10〜12mgとなるように設定する。現像により形成さ
れたベタの黄色トナー像を粘着テープにより採取し、そ
のトナー重量w1を測定する。
次に、以上と同様にしてベタの黄色トナー像を形成
し、これを転写工程に付して転写材(電子写真機「U−
Bix 1550」(コニカ(株)製)用の斤量55kgの紙)に転
写し、この転写された未定着状態の黄色トナー像のトナ
ー重量W2を測定する。
このようにして測定されたトナー重量w1およびw2から
次式により転写率を求めた。
転写率=w2/w1×100(%) 評価は、転写率が高くて十分な場合を「○」、転写率
が低くて実用上問題のある場合を「×」とした。
(2)転写ヌケ 3色画像の黄色画像部を目視により観察して評価し
た。黄色画像部に転写ヌケが認められない場合を
「○」、転写ヌケが発生していて実用上問題のある場合
を「×」とした。
結果を後記第1表に併せて示す。
以上の実施例の結果からも理解されるように、本発明
の多色画像形成方法によれば、転写性が良好で、十分な
画像濃度で鮮明な多色画像を形成することができる。
これに対して、比較例1では、像形成体の表面粗さR
が過小なため、黄色トナー像の転写率が悪く、また転写
ヌケが認められ、画像が不鮮明となった。
比較例2では、像形成体の表面粗さRが過大なため、
黄色トナー像の転写率が悪く、また転写ヌケが認めら
れ、画像が不鮮明となった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、像形成体の表面粗さRをトナー粒子
の大きさとの関係から特定の範囲に規定したので、複数
回にわたり現像工程を繰り返して多色トナー像を形成す
る際に、第1色トナーによる現像が終了してから多色ト
ナー多色トナー像を一挙に転写するまでに要する待機時
間が長いときにも、多色トナー像の全体を高い転写率で
しかも転写ヌケを伴わずに良好に転写することができ、
その結果画像濃度が十分で鮮明な画像を形成することが
できる。
また、有機光導電性部質を含有してなる有機感光層を
備えた像形成体を用いることにより、トナー粒子の像形
成体に対する付着性の改善効果が特に優れたものとな
る。
また、トナー粒子の重量平均粒径が5〜30μmである
ことにより、転写の粒径依存性が発現しにくいため、安
定した画質が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いることができる多色画像形成装置
の一例を示す説明図、第2図は現像器の詳細を示す説明
図である。 10……像形成体、20……画像入力部 25……原稿、26……画像処理部 27……レーザー露光光学系 28……帯電器 30A,30B,30C……現像器 40……転写器、53……定着器 55……クリーニング装置、P……転写紙 61……現像スリーブ、62……磁石体 64……厚さ規制部材、65,66……撹拌部材 67……トナー補給容器、68……トナー補給ローラ 69……現像剤溜まり、70……バイアス電源 71……現像領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナーとキャリアとを含む二成分現像剤よ
    りなる現像剤層を現像剤搬送担体により像形成体に対し
    て非接触となる状態で現像領域に搬送し、当該現像領域
    において振動電界下で前記像形成体上の静電像を反転現
    像方式で現像する工程を繰り返すことにより、前記像形
    成体上に多色トナー像を形成する工程と、当該多色トナ
    ー像を転写材に一挙に転写する工程とを含む多色画像形
    成方法において、 前記像形成体として、表面粗さRが下記式(1)を満足
    するものを用いることを特徴とする多色画像形成方法。 式(1) 0.5S≦R≦(α/2)S (ただし、αはトナーの重量平均粒径(μm)を表
    す。)
  2. 【請求項2】トナーとして、重量平均粒径が5〜30μm
    のものを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の多色画像形成方法。
  3. 【請求項3】像形成体が、有機光導電性物質を含有して
    なる有機感光層を備えてなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の多色画像形成方法。
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