JP2640913B2 - 壁面用目地カバー装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は隣接する左右の建物のタ
イル貼りされた壁面間の目地部を地震等によって揺れ動
いても、損傷することなく覆うことができる壁面用目地
カバー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のタイルを用いた壁面用の
目地カバー装置は、目地部をタイルで覆うため、タイル
を支持するタイル支持金具を複数個の蝶番を用いて一方
の下地レールに取付けている。

【０００３】

【本発明が解決しようとする課題】従来のタイルを用い
た壁面用目地カバー装置はタイルを支持したタイル支持
金具を複数個の蝶番を用いて片持ち状態で支持している
ため、十分な強度が得られるタイル支持金具や下地レー
ルが必要で、コスト高になるとともに、タイル支持金具
の一方を蝶番で支持するため、左右の建物が地震等で揺
れ動いた場合に、その揺れ動きに効率よく追従すること
ができないという欠点があった。

【０００４】本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、
タイル支持金具を楽に均一に荷重が加わるように支持す
ることができるとともに、左右の建物が地震等によって
揺れ動いても、スムーズに追従して移動し、かつ左右の
建物の壁面のタイルとも違和感なく取付けることができ
る壁面用目地カバー装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】本発明の前記ならびにそのほかの目的と新
規な特徴は次の説明を添付図面と照し合せて読むと、よ
り完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱ
ら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定する
ものではない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は目地部を介して離間された左右の建物の目
地部側の端部壁面にそれぞれ形成された凹部内に固定さ
れた目地カバー支持部、反目地部側にカバー支持部を有
する一対の下地レールと、この一対の下地レールの目地
カバー支持部に前記目地部を覆うようにスライド移動可
能に支持されたタイル支持金具に並列配置されたタイル
が支持された目地カバーと、前記一対の下地レールの目
地カバー支持部に所定間隔で形成された複数枚の取付け
金具支持孔と、この複数枚の取付け金具支持孔にそれぞ
れ上下および前後左右方向にスライド移動可能に取付け
られた前記目地カバーのタイル支持金具の両端部あるい
は両端部寄りの部位に取付けられる複数個の取付け金具
と、前記一対の下地レールのカバー支持部に前記目地カ
バーの両端部を覆うように固定された前記左右の建物の
壁面に取付けられたタイルと同一平面となるようにタイ
ルを支持することができる一対の支持カバーとで壁面用
目地カバー装置を構成している。

【０００７】

【作用】上記のように構成された壁面用目地カバー装置
は、一対の下地レールの目地カバー支持部に形成された
複数対の取付け金具支持孔にそれぞれ上下および前後左
右方向にスライド移動可能に取付けられた複数個の取付
け金具によって、左右の建物が地震等によって揺れ動い
ても、タイルを支持した目地カバーをその動きに追従し
て移動する。

【０００８】

【本発明の実施例】以下、図面に示す実施例により、本
発明を詳細に説明する。

【０００９】図１ないし図１５の本発明の第１の実施例
において、１は目地部２を介して離間された左右の建物
３、３のタイル４が貼られた壁面の目地部２を地震等で
揺れ動いても、その動きに追従して移動して覆うことが
できる本発明の壁面用目地カバー装置で、この壁面用目
地カバー装置１は前記左右の建物３、３の目地部２側の
端部壁面にそれぞれ形成された凹部５、５内に固定され
た一対の下地レール６、６と、この一対の下地レール
６、６にスライド移動可能に支持される前記目地部２を
覆う目地カバー７と、この目地カバー７を前記一対の下
地レール６、６に上下および前後左右方向にスライド移
動可能に取付ける複数個の取付け金具８と、前記一対の
下地レール６、６に取付けられ、前記目地カバー装置７
の両端部を覆うとともに、前記左右の建物３、３の壁面
に貼られたタイル４と同一平面となるようにタイル、４
Ａを貼ることができる一対の支持カバー９、９とで構成
されている。

【００１０】Ｘは前記左右の建物３、３の床面の目地部
２を地震等で揺れ動いても、その動きに追従して移動し
て覆うことができる従来から一般に使用されている床用
目地カバー装置である。

【００１１】前記一対の下地レール６、６は図３ないし
図５に示すように、アルミ、アルミ合金あるいはステン
レス材等で押し出し成型等で形成された板条の下地レー
ル本体１０と、この下地レール本体１０の一端部より上
方に突出するように一体成形された目地カバー支持部１
１と、前記下地レール本体１０の他端部より上方に突出
するように一体成形されたＬ字状のカバー支持部１２
と、前記下地レール本体１０に成型後に所定間隔で形成
されたアンカーボルト１３が挿入されるアンカーボルト
挿入孔１４と、前記目地カバー支持部１１に成型後に所
定間隔で形成された複数個のカギ状の取付け金具支持孔
１５とで構成されている。

【００１２】前記目地カバー７は図６および図７に示す
ように、アルミ、アルミ合金あるいはステンレス材等で
リップミゾ形鋼形状に形成されたタイル支持金具１６
と、このタイル支持金具１６内にモルタル１７を用いて
前記壁面タイル４の取付けと同様な目地４ａを介して取
付けられた該壁面タイル４のほぼ２倍の幅寸法のタイル
４Ａと、前記タイル支持金具１６の両端部に外方へ突出
するように形成された支持片１８、１８とで構成されて
いる。

【００１３】前記複数個の取付け金具８は図８および図
９に示すように、前記一対の下地レール６、６の対応す
る部位の取付け金具支持孔１５、１５に支持される前記
タイル支持金具１６の幅寸法よりもわずかに大きな幅寸
法の板状の取付け金具本体１９と、この取付け金具本体
１９の両端部に一体成形された、Ｌ字状で前記目地カバ
ー７の支持片１８、１８と当接してタッピングビス２
０、２０等によって取付けられる取付け片２１、２１と
で構成されている。

【００１４】前記一対の支持カバー９、９は図１０およ
び図１１に示すように、前記一対の下地レール６、６の
前面を覆うようにカバー支持部１２、１２に支持され、
複数本の皿ビス２２等によって固定される端部にストッ
パー片２３を有する支持カバー本体２４と、この支持カ
バー本体２４の先端部に一体成形された後方に前記目地
カバー７を支持する先端部にシール材２５が取付けられ
た支持片２６、前方にタイル４の端部を支持するタイル
支持片２７とで構成されている。

【００１５】上記構成の壁面用目地カバー装置１は、図
１２に示すように左右の建物３、３の凹部５、５内に複
数本のアンカーボルト１３等によって一対の下地レール
６、６を固定する。

【００１６】次に図１３に示すように、一対の下地レー
ル６、６の複数対の取付け金具支持孔１５、１５にそれ
ぞれ取付け金具８を取付ける。この状態で、図１４に示
すようにタイル４Ａが取付けられた目地カバー７を取付
け金具８の取付け片２１、２１が両端部に位置し、かつ
一対の下地レール６、６の目地カバー支持部１１、１１
に支持されるように位置させ、目地カバー７の両端部の
支持片１８、１８と取付け金具８の両端部の取付け片２
１、２１とをタッピングビス２０等によって固定する。

【００１７】次に図１５に示すように一対の下地レール
６、６のカバー支持部１２、１２にそれぞれ支持カバー
９、９を位置させ、複数本の皿ビス２２等によって下地
レール６、６と支持カバー９、９とをそれぞれ固定す
る。この状態でカバー支持部１２、１２より図２に示す
ように、左右の建物３、３の壁面３ａ、３ａにモルタル
１７を用いてタイル４を貼り付ける。

【００１８】上記のように構成された壁面用目地カバー
装置１は左右の建物３、３が地震等で揺れ動いた場合、
左右方向の揺れ動きは一対の下地レール６、６の取付け
金具支持孔１５、１５にスライド移動可能に取付けられ
た取付け金具８によって吸収し、上下方向の揺れ動きは
取付け金具支持孔１５、１５と取付け金具８との上下方
向の遊びによって吸収し、前後方向の揺れ動きは取付け
金具支持孔１５、１５と取付け金具８の前後方向の遊び
によって吸収する。

【００１９】

【本発明の異なる実施例】次に図１６ないし図２８に示
す本発明の異なる実施例につき説明する。なお、これら
の本発明の異なる実施例の説明に当って、前記本発明の
第１の実施例と同一構成部分には同一符号を付して重複
する説明を省略する。

【００２０】図１６ないし図１８の本発明の第２の実施
例において、前記本発明の第１の実施例と主に異なる点
は一対の支持カバー９Ａ、９Ａで、この一対の支持カバ
ー９Ａ、９Ａはゴム材製のシール材２８と、このシール
材２８を嵌合固定する嵌合凹部２９とからなる支持片２
６Ａが形成されている。このように形成された一対の支
持カバー９Ａ、９Ａを用いて構成した壁面用目地カバー
装置１Ａにしても同様な作用効果が得られる。

【００２１】図１９ないし図２４の本発明の第３の実施
例において、前記本発明の第２の実施例と主に異なる点
は、長孔状の取付け金具支持孔１５Ａが形成された一対
の下地レール６Ａ、６Ａと、目地カバー７Ａのタイル支
持金具１６Ａの両端部寄りの背面部位に形成された球軸
受部３０、３０に回動可能に取付けられた支持軸３１、
３１、この支持軸３１、３１に両端部寄りの部位の透孔
３２、３２が挿入され、ナット３３、３４によって固定
された前記一対の下地レール６Ａ、６Ａの取付け金具支
持孔１５Ａ、１５Ａに貫通された取付け金具本体１９Ａ
とからなる取付け金具８Ａとを用いた点で、このように
形成された一対の下地レール６Ａ、６Ａと取付け金具８
Ａとを用いて壁面用目地カバー装置１Ｂを構成しても、
前記本発明の第２の実施例と同様な作用効果が得られ
る。

【００２２】図２５ないし図２８の本発明の第４の実施
例において、前記本発明の第２の実施例と主に異なる点
は、目地カバー７Ｂのタイル支持金具１６Ｂの後方の両
端部より外方へボルト挿入孔３５が形成された支持片３
６、３６を形成するとともに、取付け金具本体１９Ａの
両端部に前記支持片３６、３６のボルト挿入孔３５、３
５を貫通するピン３７、３７を取付け、該ピン３７、３
７の先端部に固定したストッパー片３８、３８と前記支
持片３６、３６との間にそれぞれスプリング３９、３９
を介装して、該スプリング３９、３９の付勢力によって
目地カバー７Ｂが常時一対の下地レール６、６の目地カ
バー支持部１１、１１に支持されるようにした点で、こ
のように構成した壁面用目地カバー装置１Ｃにしても、
前記本発明の第２の実施例と同様な作用効果が得られ
る。

【００２３】

【本発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発
明にあっては次に列挙する効果が得られる。

【００２４】（１）目地部を介して離間された左右の建
物の目地部側の端部壁面にそれぞれ形成された凹部内に
固定された目地カバー支持部、反目地部側にカバー支持
部を有する一対の下地レールと、この一対の下地レール
の目地カバー支持部に前記目地部を覆うようにスライド
移動可能に支持されたタイル支持金具に直列配置された
タイルが支持された目地カバーと、前記一対の下地レー
ルの目地カバー支持部に所定間隔で形成された複数枚の
取付け金具支持孔と、この複数枚の取付け金具支持孔に
それぞれ上下および前後左右方向にスライド移動可能に
取付けられた前記目地カバーのタイル支持金具の両端部
あるいは両端部寄りの部位に取付けられる複数個の取付
け金具と、前記一対の下地レールのカバー支持部に前記
目地カバーの両端部を覆うように固定された前記左右の
建物の壁面に取付けられたタイルと同一平面となるよう
にタイルを支持することができる一対の支持カバーとで
構成されているので、タイルが取付けられた目地カバー
を一対の下地レールに形成された複数対の取付け金具支
持孔にそれぞれ上下および前後左右方向にスライド移動
可能に取付けられた複数個の取付け金具で取付けられて
いる。したがって、従来の片持ち状態で支持されないた
め、地震等で左右の建物が揺れ動いても、スムーズにそ
の揺れ動きに追従し、損傷することなく長期間使用する
ことができる。

【００２５】（２）前記（１）によって、目地プレート
を取付け金具を介して一対の下地レールの取付け金具支
持孔で支持しているので、従来の片持ち支持構造に比
べ、一対の下地レールや目地プレートのタイル支持金具
を薄肉材を用いても十分な強度が得られるため、安価に
製造することができるとともに、軽量化を図ることがで
きる。

【００２６】（３）前記（１）によって、構造が簡単で
あるので楽に設置することができる。

【００２７】（４）請求項２も前記（１）〜（３）と同
様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の使用状態を示す説明
図。

【図２】本発明の第１の実施例を示す断面図。

【図３】横置きした下地レールの正面図。

【図４】横置きした下地レールの底面図。

【図５】横置きした下地レールの右側面図。

【図６】目地カバーの平面図。

【図７】目地カバーの正面図。

【図８】取付け金具の平面図。

【図９】取付け金具の正面図。

【図１０】支持カバーの平面図。

【図１１】支持カバーの正面図。

【図１２】一対の下地レールの取付け状態を示す断面
図。

【図１３】取付け金具の取付け状態の説明図。

【図１４】目地カバーの取付け状態の説明図。

【図１５】支持カバーの取付け状態の説明図。

【図１６】本発明の第２の実施例を示す断面図。

【図１７】本発明の第２の実施例の支持カバーの平面
図。

【図１８】本発明の第２の実施例の支持カバーの正面
図。

【図１９】本発明の第３の実施例を示す断面図。

【図２０】本発明の第３の実施例の横置きした下地レー
ルの正面図。

【図２１】本発明の第３の実施例の横置きした下地レー
ルの右側面図。

【図２２】本発明の第３の実施例の目地カバーの平面
図。

【図２３】本発明の第３の実施例の目地カバーの背面
図。

【図２４】本発明の第３の実施例の目地カバーの取付状
態の説明図。

【図２５】本発明の第４の実施例を示す断面図。

【図２６】本発明の第４の実施例の目地カバーの平面
図。

【図２７】本発明の第４の実施例の目地カバーの取付け
状態の正面図。

【図２８】本発明の第４の実施例の目地カバーの取付け
状態の要部説明図。

【符号の説明】

１、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ：壁面用目地カバー装置、 ２：目地部、 ３：建物、 ４、４Ａ：タイル、 ５：凹部、 ６、６Ａ：下地レール、 ７、７Ａ、７Ｂ：目地カバー、 ８、８Ａ：取付け金具、 ９、９Ａ：支持カバー、 １０：下地レール本体、 １１：目地カバー支持部、 １２：カバー支持部、 １３：アンカーボルト、 １４：アンカーボルト挿入孔、 １５、１５Ａ：取付け金具支持孔、 １６、１６Ａ、１６Ｂ：タイル支持金具、 １７：モルタル、 １８：支持片、 １９、１９Ａ：取付け金具本体、 ２０：タッピングビス、 ２１：取付け片、 ２２：皿ビス、 ２３：ストッパー片、 ２４：支持カバー本体、 ２５：シール材、 ２６、２６Ａ：支持片、 ２７：タイル支持片、 ２８：シール材、 ２９：嵌合凹部、 ３０：球軸受部、 ３１：支持軸、 ３２：透孔、 ３３：ナット、 ３４：ナット、 ３５：ボルト挿入孔、 ３６：支持片、 ３７：ピン、 ３８：ストッパー片、 ３９：スプリング。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 目地部を介して離間された左右の建物の
   目地部側の端部壁面にそれぞれ形成された凹部内に固定
   された目地カバー支持部、反目地部側にカバー支持部を
   有する一対の下地レールと、この一対の下地レールの目
   地カバー支持部に前記目地部を覆うようにスライド移動
   可能に支持されたタイル支持金具に直列配置されたタイ
   ルが支持された目地カバーと、前記一対の下地レールの
   目地カバー支持部に所定間隔で形成された複数枚の取付
   け金具支持孔と、この複数枚の取付け金具支持孔にそれ
   ぞれ上下および前後左右方向にスライド移動可能に取付
   けられた前記目地カバーのタイル支持金具の両端部ある
   いは両端部寄りの部位に取付けられる複数個の取付け金
   具と、前記一対の下地レールのカバー支持部に前記目地
   カバーの両端部を覆うように固定された前記左右の建物
   の壁面に取付けられたタイルと同一平面となるようにタ
   イルを支持することができる一対の支持カバーとを備え
   ることを特徴とする壁面用目地カバー装置。
2. 【請求項２】 目地部を介して離間された左右の建物の
   目地部側の端部壁面にそれぞれ形成された凹部内に固定
   された目地部側に目地カバー支持部、反目地部側にカバ
   ー支持部を有する一対の下地レールと、この一対の下地
   レールの目地カバー支持部に前記目地部を覆うようにス
   ライド移動可能に支持されたリップミゾ形鋼形状のタイ
   ル支持金具に直列配置されたタイルが支持された目地カ
   バーと、前記一対の下地レールの目地カバー支持部に所
   定間隔で形成された複数対の取付け金具支持孔と、この
   複数対の取付け金具支持孔にそれぞれ支持され、前記目
   地カバーを上下および前後左右方向に移動可能に取付け
   る複数個の取付け金具と、前記一対の下地レールのカバ
   ー支持部に前記目地カバーの両端部を弾性を有する支持
   部材を介して覆うように固定された前記左右の建物の壁
   面に取付けられたタイルと同一平面となるようにタイル
   を支持することができる一対の支持カバーとを備えるこ
   とを特徴とする壁面用目地カバー装置。