JP3574610B2 - 床用目地装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は左右の建物の少なくとも一方の目地部側の床躯体に凹部を形成する床用目地装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の床用目地装置は床躯体に凹部を形成し、この凹部の上面が平坦になるようにモルタル仕上げした後、金属板製のベース板を固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の床用目地装置は凹部を形成した後、上面が平坦になるようにモルタル仕上げするため、手数がかかるとともに、熟練者でなければ平坦面に仕上げることができず、コスト高になり、かつモルタルが硬化するまでに日数がかかるという欠点があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、熟練者でなくても容易に目地プレートを平坦になるように支持することができるとともに、目地プレートのスライド移動時の接触抵抗が小さく、スムーズに移動でき、かつ短時間で低コストで設置することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して建てられた左右の建物の目地部側の左右の床躯体に形成された一対の凹部と、この一対の凹部に前後方向に所定間隔に配置された複数本の支持バー、この複数本の支持バーの上部を除く部位で固定する固定部材とからなる一対の目地プレート支持部材と、この一対の目地プレート支持部材に両端部が支持される目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0008】
図1ないし図8に示す本発明の第1の実施の形態において、1は目地部2を介して建てられた左右の建物3、3の床部分を接続する本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の建物3、3の目地部側の左右の床躯体3a、3aに形成された一対の凹部4、4と、この一対の凹部4、4に前後方向に所定間隔に配置された複数本の金属材製の支持バー5、この複数本の支持バー5の上部を除く部位で固定する固定部材6とからなる一対の目地プレート支持部材7、7と、この一対の目地プレート支持部材7、7の反目地部側の床躯体3a、3aあるいは該目地プレート支持部材7、7に固定された目地プレートガイド部材8、8と、前記一対の目地プレート支持部材7、7に両側部が支持され、前記目地部2と前記一対の凹部4、4を覆う目地プレート9と、この目地プレート9の中央部を常時前記目地部2の中央部に位置させる、前記目地プレート9の中央底面に固定された少なくとも2本以上の支持ピン10、10、この支持ピン10、10を中央部の中央枢支部11、11に枢支し、両側部が左右の床躯体3a、3aに取付けられたパンタグラフ形状のリンク機構12、12とからなる中央維持装置13とで構成されている。
【0009】
前記一対の目地プレート支持部材7、7の固定部材6は前記複数本の支持バー5の下部に、溶接等によって固定された少なくとも2本以上の金属材製の固定バー14と、前記複数本の支持バー5の上部を除く前記凹部4に充填されたモルタル15とで構成されている。
【0010】
前記目地プレートガイド部材8、8は図5に示すように、複数本のビス16等によって床躯体3aに固定される取付け板17と、この取付け板17の一側面と一体形成された、順次上方へ突出するように傾斜するガイド板18と、このガイド板18の一側面と一体形成された、下部が複数本のビス16等で床躯体3aに固定されるほぼL字状の支持板19とで構成されている。
【0011】
前記目地プレート9は両側部が前記目地プレートガイド部材8、8のガイド板18、18上をスライド移動可能な傾斜面20、20に形成された金属材製の浅皿状の目地プレート本体21と、この目地プレート本体21内にモルタルあるいはコンクリート22が充填されたタイル等の床材23とで構成されている。
【0012】
前記中央維持装置13のパンタグラフ形状のリンク機構12は図6に示すように、四角枠が2個形成されるリンク機構本体24と、このリンク機構本体24の両端部の枢支ピン25、25に枢支された複数本のビス26等によって床躯体3a、3aに固定される取付け金具27、27とで構成されている。
【0013】
上記構成の床用目地装置1は目地プレート9の両側部が左右の床躯体3a、3aに形成された凹部4、4に固定された目地プレート支持部材7、7の複数本の支持バー5、5に支持されているので、地震等によって目地部2が狭くなる、図7に示すように左右の建物3、3が揺れ動いたり、目地部2が広くなる、図8に示すように左右の建物3、3が揺れ動く場合には、目地プレート9の両側部の接触面積が小さく、スムーズにスライド移動させることができる。
【0014】
【発明の異なる実施の形態】
次に、図9ないし図17に示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前記本発明の第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
図9ないし図11に示す本発明の第2の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、複数本の支持バー5を左右方向に対して所定の角度、例えば45度傾斜するように配置した一対の目地プレート支持部材7A、7Aを用いた点で、このように形成された一対の目地プレート支持部材7A、7Aを用いて構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0016】
図12ないし図14に示す本発明の第3の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、複数本の支持バー5に少なくとも2個の固定バー挿入孔28、28を形成し、該固定バー挿入孔28、28に固定バー29、29を挿入して複数本の支持バー5の位置固定を行なった一対の目地プレート支持部材7B、7Bを用いた点で、このように形成された一対の目地プレート支持部材7B、7Bを用いて構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0017】
図15ないし図17に示す本発明の第4の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、左右の建物3、3の他方の目地部側の床躯体3aに目地プレート支持凹部30を形成し、該目地プレート支持凹部30に目地プレート9Aの他端部をヒンジ部材31によって回動可能に支持させた点で、このように構成した床用目地装置1Cにしてもよい。
前記ヒンジ部材31は床躯体3aに取付けられる一方のヒンジ部材31aを、該床躯体3aに形成された軸受孔32に上下移動可能に取付けられる軸33に取付け、目地プレート9Aの回動および上下移動を可能に取付けられている。
本発明の実施の形態ではヒンジ部材31を用いるものに付いて説明したが、これに限らず、目地プレート9Aの遊端部が上方へ回動できる機構であればどんな構造のものを用いてもよい。
また、目地プレート9Aの遊端部に突出時の危険を防止する為にヒンジ部材を介して回動可能なカバープレートを取付けてもよい。
【0018】
なお、前記本発明の各実施の形態では目地プレート支持部材7、7A、7Bの固定部材6として、固定バー14とモルタル15を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、床躯体3aに形成した凹部4の底面が平坦な場合にはモルタル15だけを用いた固定部材6であってもよい。
また、中央維持装置13のリンク機構12は前述以外の四角枠が1個や、一方の床躯体にガイドレールを用い、他方の床躯体に枢支された支持バーで中央枢支ピンを枢支するリンク機構等、目地プレートの中央部を常時目地部の中央部に位置できる機構であれば、どんな構造のものを用いても良い。
また、目地プレートとして1枚板で形成したものであってもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0020】
(1)目地部を介して建てられた左右の建物の目地部側の左右の床躯体に形成された一対の凹部と、この一対の凹部に前後方向に所定間隔に配置された複数本の支持バー、この複数本の支持バーの上部を除く部位で固定する固定部材とからなる一対の目地プレート支持部材と、この一対の目地プレート支持部材に両端部が支持される目地プレートとを備えているので、目地プレートと目地プレート支持部材との接触面積を小さく設定することができる。
したがって、地震等による揺れ動き時に目地プレートに加わる接触抵抗を小さくでき、目地プレートをスムーズにスライド移動させることができる。
【0021】
(2)前記(1)によって、目地プレートの支持を凹部に設けた目地プレート支持部材で行なうので、従来のように凹部の底面が平坦になるようにモルタルで仕上げするものに比べ、熟練者でなくても短時間に仕上げることができる。
したがって、工期が短縮され、コストの低減を図ることができる。
【0022】
(3)前記(1)によって、構造が簡単であるので、容易に実施することができる。
【0023】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の目地プレートを外した状態の平面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の目地プレートガイド部材の説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態のリンク機構の説明図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の目地部が狭くなった場合の動作説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態の目地部が広くなった場合の動作説明図。
【図9】本発明の第2の実施の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の目地プレートを外した状態の平面図。
【図12】本発明の第3の実施の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明の第3の実施の形態の目地プレートを外した状態の平面図。
【図15】本発明の第4の実施の形態の平面図。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図。
【図17】本発明の第4の実施の形態の目地部が狭くなった場合の動作説明図。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C:床用目地装置、
2:目地部、 3:建物、
4:凹部、 5:支持バー、
6:固定部材、
7、7A、7B:目地プレート支持部材、
8:目地プレートガイド部材、
9、9A:目地プレート、10:枢支ピン、
11:中央枢支部、 12:リンク機構、
13:中央維持装置、 14:固定バー、
15:モルタル、 16:ビス、
17:取付け板、 18:ガイド板、
19:支持板、 20:傾斜面、
21:目地プレート本体、
22:モルタルあるいはコンクリート、
23:床材、 24:リンク機構本体、
25:枢支ピン、 26:ビス、
27:取付け金具、 28:固定バー挿入孔、
29:固定バー、
30:目地プレート支持凹部、
31:ヒンジ部材、 32:軸受孔、
33:軸。
Claims (2)
- 目地部を介して建てられた左右の建物の目地部側の左右の床躯体に形成された一対の凹部と、この一対の凹部に前後方向に所定間隔に配置された複数本の支持バー、この複数本の支持バーの上部を除く部位で固定する固定部材とからなる一対の目地プレート支持部材と、この一対の目地プレート支持部材に両端部が支持される目地プレートとを備えることを特徴とする床用目地装置。
- 目地部を介して建てられた左右の建物の一方の建物の目地部側の床躯体に形成された凹部と、この凹部に前後方向に所定間隔に配置された複数本の支持バー、この複数本の支持バーの上部を除く部位で固定する固定部材とからなる目地プレート支持部材と、この目地プレート支持部材に一端部が支持され、他端部が前記他方の建物の目地部側の床躯体に取付けられた目地プレートとを備えることを特徴とする床用目地装置。
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