JP4813974B2 - 床用目地装置 - Google Patents

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本発明は床用目地装置に関する。
従来の床用目地装置は左右の床躯体の目地部側の床面に凹部を形成し、該凹部内に反目地部側が傾斜面となる一対の下地板を固定するとともに、この一対の下地板に両端部が支持され、上面がほぼ左右の床躯体の床面と同一面となる目地プレートと、この目地プレートの両端部にヒンジ部材を介して取付けられたカバープレートとで構成されている。
このため、カバープレートにトラック等が乗って大きな荷重が加わると、カバープレートが損傷するという欠点があり、この欠点を解消するために厚肉のカバープレートを用いると段差が生じるという欠点があった。
特許第3402307号
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、左右の床躯体の床面、目地プレートの上面およびカバープレートの上面がほぼ同一面でバリアフリーにできるとともに、カバープレートに大きな荷重が加わっても損傷することなく、かつカバープレートが回動しても大きな隙間が生じることのない、安全に使用することができる床目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介した左右の床躯体の反目地部側にカバープレート支持凹部を有する傾斜面に形成された左右の凹部と、この左右の凹部を覆う前記左右の床躯体の床面と上面がほぼ同一面の浅皿状の金属材製の目地プレート本体、この目地プレート本体内に充填されたモルタルやコンクリートを介して固定されたタイルやレンガ等の床化粧材とからなる目地プレートと、この目地プレートの両端部に取付けられた上部寄りの部位より下部外方へ円弧状に突出する支持部を有する支持部材と、前記目地プレートの両端部の下部寄りの部位に前記支持部材挿入凹部が形成された支持脚となる後端部が枢支され、円弧状の先端部が前記カバープレート支持凹部に支持され、前記左右の床躯体の床面および前記目地プレートの上面とほぼ同一面となるカバープレートとで床用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)目地部を介した左右の床躯体の反目地部側にカバープレート支持凹部を有する傾斜面に形成された左右の凹部と、この左右の凹部を覆う前記左右の床躯体の床面と上面がほぼ同一面の浅皿状の金属材製の目地プレート本体、この目地プレート本体内に充填されたモルタルやコンクリートを介して固定されたタイルやレンガ等の床化粧材とからなる目地プレートと、この目地プレートの両端部に取付けられた上部寄りの部位より下部外方へ円弧状に突出する支持部を有する支持部材と、前記目地プレートの両端部の下部寄りの部位に前記支持部材挿入凹部が形成された支持脚となる後端部が枢支され、円弧状の先端部が前記カバープレート支持凹部に支持され、前記左右の床躯体の床面および前記目地プレートの上面とほぼ同一面となるカバープレートとで構成されているので、左右の床躯体の床面、目地プレートの上面およびカバープレートの上面がほぼ同一面となり、バリアフリー化を図ることができる。
したがって、安全に楽に走行使用することができる。
(2)前記(1)によって、カバープレートは目地プレートの下部位、カバープレート支持凹部および目地プレートの上部寄りの部位の支持部材で支持されるので、大きな荷重が加わっても損傷することなく、支持することができる。
したがって、安全に使用することができる。
(3)前記(1)によって、地震等で目地部が狭くなるように揺れ動いてカバープレートが回動した場合、カバープレートの先端部が円弧状に形成されているため、大きな段差になるのを防止することができるとともに、後端部の上部は目地プレートから離れるが、支持部材によって開口するのを防止することができ、安全に使用することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図6に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は目地部2を介した左右の床躯体3、3の反目地部側にカバープレート支持凹部4、4を有する傾斜面5、5となるように下地板6、6で覆われた左右の凹部7、7と、この左右の凹部7、7を覆う上部に内側方向へ突出するフランジ8を有する浅皿状の金属材で形成された目地プレート本体9、この目地プレート本体9内にモルタルやコンクリート10を介して固定されたタイルやレンガ等の床化粧材11とからなる、前記左右の床躯体3、3の床面と上部がほぼ同一面となる目地プレート12と、この目地プレート12の両端部に複数本のビス13等で固定された上部寄りの部位より下部外方へ円弧状に突出する支持部14、14を有する支持部材15、15と、前記目地プレート12の両端部の下部寄りの部位に、前記支持部材15、15が挿入される支持部材挿入凹部16、16が形成された支持脚17となる後端部が枢支ピン18、18で枢支金具19、19に枢支され、円弧状の先端部が前記カバープレート支持凹部4、4に支持され、前記左右の床躯体3、3の床面および前記目地プレート12の上面とほぼ同一面となる、図3に示すような金属材製のカバープレート20、20と、前記目地プレート12の中央部を前記目地部のほぼ中央部に常時位置させる、少なくとも2個以上の中央維持機構21とで構成されている。
前記中央維持装置21は図4に示すように、前記目地部側の左右の床躯体3、3に固定された取付け金具22、22に両端部が枢支ピン23、23で枢支された四角形状のリンク機構24と、このリンク機構24の一方の対向するリンク24a、24aの中央部に両端部が枢支ピン25、25で枢支され、中央部に中央枢支部26が形成された中央リンク27と、この中央リンク27の中央枢支部26に上下移動可能に枢支される、前記目地プレート12の中央部の底面に固定された中央枢支ピン28とで構成されている。
上記構成の床用目地装置1は通常時には図1および図2に示すように、目地部2および左右の床躯体3、3に形成された左右の凹部7、7を目地プレート12およびカバープレート20、20で上面がほぼ同一面となるように覆った状態となり、カバープレート20、20上にトラック等が乗って大きな荷重が加わっても、該カバープレート20、20は先端部がカバープレート支持凹部4に支持され、支持脚17となる後端部が目地プレート12の下部寄りの部位の枢支金具19に枢支ピン18で枢支されているため、十分な強度があり、損傷することがない。
地震等によって目地部2が狭くなるように揺れ動くと、図5に示すように目地プレート12の中央部は目地部2の中央部に位置するように中央維持装置21、21で維持された状態で、目地プレート12の両端部が傾斜面5、5に沿って上方へスライド移動するとともに、カバープレート20、20の先端部が左右の床躯体3、3の床面に当接した状態でスライド移動する。この時、カバープレート20、20が回動して後端部上部が目地プレート12の両端部の上部と離れるが、下部に支持部材15、15の支持部14、14が位置しているので、大きな隙間が生じるのを阻止することができる。
目地部2が広くなるように揺れ動くと、図6に示すように目地プレート12の中央部は目地部2の中央部に位置するように中央維持装置21、21で維持されるため、目地プレート12の両端部に生ずる凹部29、29をカバープレート20、20が回動して覆う。この時のカバープレート20、20は目地プレート12の両端部の下部寄りの部位で支持脚17、17となる後端部が枢支ピン18、18で枢支されているため、傾斜面5、5に沿ってスムーズにスライド移動させることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図7ないし図12に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図7ないし図9に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、他方の床躯体3に目地プレート支持凹部30を形成し、該目地プレート支持凹部30に開口するように設けられた複数個のガイド筒31、31に遊挿される目地プレート12の後端部の底面に固定された支持ピン32、32を用いた点で、このように構成された床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図10ないし図12に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、他方の床躯体3の目地部側の上端部に軽Z形鋼形状の目地プレート支持金具33を固定するとともに、この目地プレート支持金具33の上部と目地プレート12の後端部の上部とをヒンジ部材34を回動可能に取付けた点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明を実施する最良の第1の形態では四角形状のリンク機構24を用いる中央維持装置21、21を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、パンタグラフ形状の中央維持装置や、一対のラックにピニオンを用いた中央維持装置、ほぼ45度の傾斜状態で配置された中央部に中央枢支部を有する支持バーの両端部を、目地部側の左右の床躯体にほぼ水平に取付けられるガイドレールに沿ってスライド移動させる形式の中央維持装置を用いてもよい。
また、前記本発明を実施するための各形態では下地板6を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限らず、床躯体に反目地部側が傾斜面に形成された凹部に直接目地プレートを支持させてもよい。
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う拡大断面図。 本発明を実施するための最良の第1の形態のカバープレートの説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の中央維持装置の説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図7の8−8線に沿う拡大断面図。 本発明を実施するための第2の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明素実施するための第3の形態の平面図。 図10の11−11線に沿う拡大断面図。 本発明素実施するための第3の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
符号の説明
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:床躯体、 4:カバープレート支持凹部、
5:傾斜面、 6:下地板、
7:凹部、 8:フランジ部、
9:目地プレート本体、 10:モルタルやコンクリート、
11:床化粧材、 12:目地プレート、
13:ビス、 14:支持部、
15:支持部材、 16:支持部材挿入凹部、
17:支持脚、 18:枢支ピン、
19:枢支金具、 20:カバープレート、
21:中央維持機構、 22:取付け金具、
23:枢支ピン、 24:リンク機構、
25:枢支ピン、 26:中央枢支部、
27:中央リンク、 28:中央枢支ピン、
29:凹部、 30:目地プレート支持凹部、
31:ガイド筒、 32:支持ピン、
33:目地プレート支持金具、 34:ヒンジ部材。

Claims (2)

  1. 目地部を介した左右の床躯体の反目地部側にカバープレート支持凹部を有する傾斜面に形成された左右の凹部と、この左右の凹部を覆う前記左右の床躯体の床面と上面がほぼ同一面の浅皿状の金属材製の目地プレート本体、この目地プレート本体内に充填されたモルタルやコンクリートを介して固定されたタイルやレンガ等の床化粧材とからなる目地プレートと、この目地プレートの両端部に取付けられた上部寄りの部位より下部外方へ円弧状に突出する支持部を有する支持部材と、前記目地プレートの両端部の下部寄りの部位に前記支持部材挿入凹部が形成された支持脚となる後端部が枢支され、円弧状の先端部が前記カバープレート支持凹部に支持され、前記左右の床躯体の床面および前記目地プレートの上面とほぼ同一面となるカバープレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
  2. 目地部を介した左右の床躯体の、一方の床躯体の反目地部側にカバープレート支持凹部を有する傾斜面に形成された凹部と、この凹部に先端部が支持され、他端部が前記左右の床躯体の他方の床躯体に取付けられた、該左右の床躯体の床面と上面がほぼ同一面の浅皿状の金属材製の目地プレート本体、この目地プレート本体内に充填されたモルタルやコンクリートを介して固定されたタイルやレンガ等の床化粧材とからなる目地プレートと、この目地プレートの先端部に取付けられた上部寄りの部位より下部外方へ円弧状に突出する支持部を有する支持部材と、前記目地プレートの先端部の下部寄りの部位に前記支持部材挿入凹部が形成された支持脚となる後端部が枢支され、円弧状の先端部が前記カバープレート支持凹部に支持され、前記左右の床躯体の床面および前記目地プレートの上面とほぼ同一面となるカバープレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
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