JP3813880B2 - 床用目地装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は地震等によって目地部が狭くなると、床目地部を覆っている目地プレートの先端部が一方の床躯体上へ突出して、その揺れ動きを吸収する床用目地装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の床用目地装置は目地部を介して設けられた左右の建物の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレート支持ガイド凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に上面が該他方の床躯体の上面とほぼ同一面で、上方へ移動可能に後端部が取付けられ、先端部が前記目地プレート支持ガイド凹部を覆い、目地部が狭くなると先端部が一方の床躯体上へ乗り上がることができる目地プレートとで構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の床用目地装置は目地プレートの重心部位が一方の床躯体の支持部を通過しなければ目地プレートの後端部が上方へ移動することがなく、目地プレートの先端部が一方の床躯体上へ大きく突出して大きな隙間が生じ、危険性が生じるという欠点があるとともに、上方へ移動した目地プレートの後端部上に荷重がかかると下方へ移動してしまい、危険であるという欠点があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部が狭くなると目地プレートの後端部を該目地プレートが傾斜状態になることにより自動的に上方へ押し上げ、目地プレートの先端部が一方の床躯体上へ大きく突出するのを阻止するとともに、押し上げられた目地プレートの後端部に荷重が加わっても、下方へ移動することなく、安全に使用することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレート支持ガイド凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に固定された目地プレート支持部材と、この目地プレート支持部材に固定された上面が目地部の中央部側が順次上方に位置する傾斜面の枕木と、この枕木に支持される丸パイプ材が後端部の底面に固定され、上面が他方の床躯体の上面とほぼ同一面となり、先端部が前記目地プレート支持ガイド凹部を覆い、目地部が狭くなると前記一方の床躯体上へ乗り上がる目地プレートと、この目地プレートの後端部を上方へ所定量移動可能となるように前記目地プレート支持部材に取付けられた前記丸パイプ材内に挿入された支持ピンを有する保持具とで床用目地装置を構成している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0008】
図1ないし図7に示す本発明の第1の実施の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3や建物とよう壁等の床躯体3a、3a間の目地部を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の床躯体3a、3aの一方の目地部側の床躯体3aに形成された反目地部側が傾斜面4の目地プレート支持ガイド凹部5と、前記左右の床躯体3a、3aの他方の目地部側床躯体3aに複数本のビス6等によって固定されたアングル状の目地プレート支持部材7と、この目地プレート支持部材7に固定された上面が目地部の中央部側が順次上方に位置する傾斜面8の枕木9と、この枕木9に支持される丸パイプ材10が後端部の底面に溶接等によって固定され、上面が他方の床躯体3aの上面とほぼ同一面となり、先端部が前記目地プレート支持ガイド凹部5を覆い目地部2が狭くなると前記一方の床躯体3a上へ乗り上がる目地プレート11と、前記目地プレート支持部材7に取付けられた前記目地プレート11の後端部を上方へ所定量移動可能となるように、前記丸パイプ材10内に挿入された支持ピン12を有する保持具13と、前記目地プレート11の後端および先端部の上部に枢支ピン14、14で枢支された端部ガイドプレート15、15とで構成されている。
【0009】
前記目地プレート11は図3および図4に示すように、薄い四角皿状に金属板等で形成され目地プレート本体16と、この目地プレート本体16内にモルタルやコンクリート17等を介して取付けられた、タイルや床化粧板等の床材18とで構成されている。
【0010】
前記保持具13は図5に示すように、前記目地プレート支持部材7の両端部寄りの部位に複数本のビス6等によって固定される一対のL字状の保持具本体19、19と、こ保持具本体19、19の上部寄りの部位に形成された軸孔20、20に挿入されるとともに、前記丸パイプ材10内に挿入される支持ピン12と、この支持ピン12の両端部に取付けられたピン、ナット等の抜け止め具21、21とで構成されている。
【0011】
上記構成の床用目地装置1は地震等によって目地部2が広くなるように揺れ動いた場合には、図6に示すように目地プレート11の先端部が目地プレート支持ガイド凹部5上をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0012】
目地部12が狭くなるように揺れ動いた場合には、図7に示すように目地プレート11の先端部が目地プレート支持ガイド凹部5の反目地部側の傾斜面4に沿って上方へスライド移動するとともに、後端部は他方の床躯体3aの角部が支点となり、丸パイプ材10が傾斜面8の枕木9上を移動して、目地プレート11の後端部を上方へ移動させる。
このため、目地プレート11の先端部が一方の床躯体3a上に大きく突出するのが阻止され、安全に使用することができる。
【0013】
【発明の異なる実施の形態】
次に、図8ないし図16に示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前記本発明の第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
図8ないし図10に示す本発明の第2の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、目地プレート支持ガイド凹部5を覆うように複数本のビス6等によって固定された目地プレート支持ガイド部材22と、他方の床躯体3aの上部角部を覆うように複数本のビス6等によって固定された支持プレート23と、目地プレート11の両側寄りの部位の底面に固定された2個の丸パイプ材10A、10Aと、この2個の丸パイプ材10A、10Aが位置する部位の目地プレート支持部材7に固定された枕木9A、9Aとを用いた点で、このように構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0015】
図11ないし図13に示す本発明の第3の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、枕木の傾斜面8を一体形成した目地プレート支持部材7Aを用いるとともに、丸パイプ材10の両端部内に挿入される支持ピン12A、12Aを用いた保持具13Aを使用した点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態において、目地プレート支持部材7Aの傾斜面8部位の強度を十分にするには、該傾斜面8部位の下部に補強材を配置してもよい。
【0016】
図14ないし図16に示す本発明の第4の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、他方の床躯体3aの目地部側部位にV字状の支持凹部24を形成し、該支持凹部24を覆うように複数個のビス6等によって固定された枕木の傾斜面8を有する目地プレート支持部材7Bを用いた点で、このように構成した床用目地装置1Cにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0018】
(1)目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレート支持ガイド凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に固定された目地プレート支持部材と、この目地プレート支持部材に固定された上面が目地部の中央部側が順次上方に位置する傾斜面の枕木と、この枕木に支持される丸パイプ材が後端部の底面に固定され、上面が他方の床躯体の上面とほぼ同一面となり、先端部が前記目地プレート支持ガイド凹部を覆い、目地部が狭くなると前記一方の床躯体上へ乗り上がる目地プレートと、この目地プレートの後端部を上方へ所定量移動可能となるように前記目地プレート支持部材に取付けられた前記丸パイプ材内に挿入された支持ピンを有する保持具とで構成されているので、目地部が地震等によって狭くなった場合、目地プレートの後端部を枕木の傾斜面によって上方へ押し上げることができる。
したがって、目地部の先端部が一方の床躯体上へ大きく突出するのを阻止でき、安全に使用することができる。
【0019】
(2)前記(1)によって、目地プレートの後端部を枕木の傾斜面によって上方へ押し上げるので、押し上げられた目地プレートの後端部上に乗っても、目地プレートが下方へ移動するのを確実に防止できる。
【0020】
(3)前記(1)によって、構造が簡単で、容易に取付けることができる。
【0021】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の一部破断平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の目地プレートの一部破断斜視図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の目地プレートの底面を示す斜視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の保持具の説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の目地部が広くなった動作説明図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の目地部が狭くなった動作説明図。
【図8】本発明の第2の実施の形態の一部破断平面図。
【図9】図8の9−9線に沿う拡大断面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態の目地プレートを外した状態の平面図。
【図11】本発明の第3の実施の形態の一部破断平面図。
【図12】図11の12−12線に沿う拡大断面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態の保持具の説明図。
【図14】本発明の第4の実施の形態の一部破断平面図。
【図15】図14の15−15線に沿う拡大断面図。
【図16】目地プレート支持部材の設置状態の説明図。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C:床用目地装置、
2:目地部、 3:建物、
4:傾斜面、
5:目地プレート支持ガイド凹部、
6:ビス、
7、7A、7B:目地プレート支持部材、
8:傾斜面、 9、9A:枕木、
10、10A:丸パイプ材、
11:目地プレート、 12、12A:支持ピン、
13、13A:保持具、 14:枢支ピン、
15:端部ガイドプレート、
16:目地プレート本体、
17:モルタルやコンクリート、
18:床材、 19:保持具本体、
20:軸孔、 21:抜け止め具、
22:目地プレート支持ガイド部材、
23:支持プレート、
24:V字状の支持凹部。
Claims (2)
- 目地部を介して設けられた左右の床躯体の一方の目地部側の床躯体に形成された反目地部側が傾斜面の目地プレート支持ガイド凹部と、前記左右の床躯体の他方の目地部側床躯体に固定された目地プレート支持部材と、この目地プレート支持部材に固定された上面が目地部の中央部側が順次上方に位置する傾斜面の枕木と、この枕木に支持される丸パイプ材が後端部の底面に固定され、上面が他方の床躯体の上面とほぼ同一面となり、先端部が前記目地プレート支持ガイド凹部を覆い、目地部が狭くなると前記一方の床躯体上へ乗り上がる目地プレートと、この目地プレートの後端部を上方へ所定量移動可能となるように前記目地プレート支持部材に取付けられた前記前記丸パイプ材内に挿入された支持ピンを有する保持具とからなることを特徴とする床用目地装置。
- 丸パイプ材と保持具の支持ピンは目地プレートの後端部の底面が他方の床躯体の上面とほぼ同一面まで移動可能となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
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