JP2639525B2 - 紙葉類の多段式カセツトに於ける搬送路併用繰出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は紙葉類の多段式カセットに於ける搬送路併用
繰出し装置、特に多種類の紙幣等を夫々収納した多段カ
セットから引き出す際各カセットの紙葉繰り出し部を搬
送路の一部に兼用した紙葉類の多段式カセットに於ける
搬送路併用繰出し装置に関する。

（従来技術） 従来、紙幣払出装置のように多種類の紙幣を夫々カセ
ットに収納し必要に応じて取出す装置に於いては、第２
図に示すように多段式紙葉カセット１−１、１−２、…
…に付属する紙葉繰出し機構２−１、２−２、……から
繰出された紙葉を中間搬送路３−１、３−２、……を介
して主搬送路に受け渡すのが一般的であった。

しかしながら上述したような従来一般的な装置は図か
らも明らかなように、中間搬送路が存在することによっ
て大型化するのみならず高価となるという欠陥があっ
た。

（発明の目的） 本発明は上述したような従来の多段式カセットを用い
た紙葉繰出し装置の欠陥を除去する為になされたもので
あって搬送経路の簡素化によって小型化と低価格化を図
った紙葉類の多段式カセットに於ける搬送用併用繰出し
装置を提供することを目的とする。

（発明の概要） 上述の目的を達成する為本発明に於いては、各紙葉カ
セットに付属する紙葉繰出し部材を搬送路の一部に兼用
するものである。

（実施例） 以下本発明を図面に示した実施例に基づいて詳細に説
明する。

第１図（ａ）は本発明の実施例を示す構成図である。
本図に於いて１−ｎは多段式の紙葉カセットであって、
堆積台５−ｎ上に整列した紙葉６をフリクションリター
ドのフリクションローラ７及びストップローラ８によっ
て分離しプルローラ９を介してカセット外に送り出す。
紙葉繰出し用回転部材である前記フリクションローラ７
の回転軸10の適所には、第１図（ｂ）に示すようにアイ
ドル部材であるアイドラーローラ11を配置しこれ等の外
周を前記紙葉カセット１−ｎの前端から露出せしめアイ
ドラーローラ11と前記紙葉カセット１−ｎの前端に沿っ
て走るエンドレスのベルト12を接触せしめる。

尚、押圧ローラ13は前記アイドラーローラ11とエンド
レスベルト12との接触を確保するものであり、又前記フ
リクションローラ７の上下に設けた他のアイドラーロー
ラ14は送り出された紙葉をエンドレスベルト搬送路に中
継するものである。

このように構成することによって例えば図上紙葉カセ
ット１−ｎから送り出された紙葉は上段の紙葉カセット
１−ｎのフリクションローラ７とエンドレスベルト12と
によって構成される搬送系を通して所要の位置まで運ば
れることになり前述したような中間搬送路を必要としな
いので装置の小型化が可能となり低価格を実現すること
ができる。

ところで紙葉繰出し用回転部材であるフリクションロ
ーラの表面には積層紙葉を間欠繰出しするためゴム等に
よる高摩擦部材を設けているが、該部が搬送系と対面し
ていれば紙葉のジャムを引き起こす虞がある。この問題
を解決するためには図示は省略するがフリクションロー
ラ７の回転制御系を利用して紙葉を送出しない紙葉カセ
ットのフリクションローラ７の高摩擦部材を搬送系に対
面させないよう制御すればよい。

又このような多段式カセットを有する装置は各カセッ
トに紙葉を供給する為装置外に引き出さねばならない
が、カセットを再び装置内へ挿入する際前記フリクショ
ンローラ７の高摩擦部材が何らかの外力によって前記搬
送系と対面する位置に移動していると、搬送系に於ける
ジャムの原因となる。

この問題を解決する為には、例えば第３図に示すよう
にフリクションローラ７の軸に適当な形状のカム15を設
け該カム15と係合するフォロワーを有するレバー16を回
転自在に係止しその先端がこの紙葉カセット１の蓋17の
適所に設けた係合溝18に嵌入しうるようにする。これら
カム15及びレバー16により回転位置制御部材を構成して
いる。

一方、前記蓋17をロックする為前記カセット１の適所
にロックレバー19を設け該レバー19が前記蓋17のロック
溝20と係合するようにする。このように構成することに
よってカセット１の装置への挿入時にフリクションロー
ラ７の高摩擦部材21がカセット前端に露出している場合
はには前記レバー16が図上実線の位置に起立しており蓋
17を閉鎖しようとした場合前記レバー16の先端が前記蓋
17の係合溝18に嵌入し蓋17の閉鎖を阻止する。

その結果前記ロックレバー19の先端は蓋17のロック溝
20に届かずロックすることができないのみならず蓋が半
開の状態である為、図示を省略したフェイルセーフ機構
によってカセットを機械に挿入することもできないよう
構成したものである。

従って、オペレータはフリクションローラ７の位置を
調整せざるを得ないのでフリクションローラ７の位置不
適切による搬送系でのジャムを防止する事ができる。
尚、紙葉カセット１が既に装置本体に装着されていると
きには、フリクションローラ７の高摩擦部材21がカセッ
ト前端から露出してもレバー18の移動は閉止状態の蓋17
によって阻止されて、レバー18が実線の起立位置に移動
することはなく一点鎖線の位置に固定のままである。従
ってロックレバー19のロックが解除されないことは勿
論、蓋17がロックレバーによって持ち上げられることも
ない。

（発明の効果） 本発明は以上説明したように構成するものであるから
各紙葉カセットに付属する堆積紙葉繰出し装置の位置を
わずかに変更するのみで中間搬送路を省略し装置を小型
化することが可能となるのみならず、コストを低減する
こともできるので紙幣払出装置等に適用する上で著しい
効果を発揮する。

又、各紙葉カセットの紙葉繰出し装置を搬送路の一部
に兼用する構成をとるので搬送路が短縮され且つ部品点
数も減少するうえ、このような構成に起因する搬送路ジ
ャムの可能性も簡単なフェイルセーフ機構をカセットに
付加するのみで充分に防止することができるから、装置
の信頼性を向上する効果も併せ持つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本発明の具体的構成図、同図（ｂ）は本
発明に於いて使用する紙葉繰出し兼搬送機構の構成を示
す図、第２図は従来の多段式紙葉カセットを有する紙葉
搬送系の一般的な構成図、第３図は本発明に於いて使用
する紙葉カセットのフェイルセーフ機構の一実施例を示
す構成図である。 １−１、１−２、……１−ｎ……紙葉カセット、 ２及び７……紙葉繰出し用回転部材（フリクションロー
ラ）、 11……アイドル部材（アイドラーローラ）、 12……ベルト 15、16……回転位置制御部材（カム及びレバー） 17……蓋 21……高摩擦部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｈ 5/26 Ｂ６５Ｈ 5/26

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数段装着した紙葉カセットのうちいずれ
   かから内蔵する紙葉を繰出す装置において、 前記各紙葉カセットはそれぞれ、外周面に部分的に高摩
   擦部材を有する紙葉繰出し用回転部材と、該紙葉繰出し
   用回転部材と同軸に配設されたアイドル部材とを備え、
   前記紙葉繰出し用回転部材及びアイドル部材は、常に外
   周面の一部分が前記紙葉カセット前端から露出するよう
   配設されており、 前記装置本体は、前記各アイドル部材の紙葉カセットの
   前端から露出している部分と接触して紙葉搬送路を形成
   するベルトを備え、 装置本体に装着された紙葉カセットのうち、紙葉を繰出
   さない紙葉カセットについては、紙葉繰出し用回転部材
   の高摩擦部材が紙葉カセット前端から露出しないように
   紙葉繰出し用回転部材を制御する回転制御部とを備える
   ことを特徴とする紙葉類の多段式カセットにおける搬送
   路併用繰出し装置。
2. 【請求項２】前記各紙葉カセットはそれぞれ、蓋と、前
   記紙葉繰出し用回転部材の高摩擦部材の位置に応じて変
   位する回転位置制御部材とを備え、 前記回転位置制御部材は、前記紙葉繰出し用回転部材の
   高摩擦部材が紙葉カセット前端から露出する位置にある
   ときには紙葉カセットの蓋の一部と当接嵌合する位置に
   変位し、蓋の閉鎖を阻止することによって、紙葉カセッ
   トの装置本体への装着を不能ならしめることを特徴とす
   る特許請求の範囲（１）記載の紙葉類の多段式カセット
   における搬送路併用繰出し装置。