JPH0511237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は給紙装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、前送りコロを常時回転駆動するとにより、用
紙を給紙コロと摩擦パツドとの当接部に導き、所
定のタイミングで給紙コロを回転駆動することに
より、摩擦パツドとの相互作用で用紙の重送を防
止するようにした給紙装置に関する。

＜従来の技術＞ 従来から給紙コロの回転軸を中心として上下回
動可能で、かつ常時回転駆動される前送りコロに
より用紙台上にセツトされた用紙に搬送力を伝達
して、給紙コロと摩擦パツドとの間に向かつて用
紙を搬送し、レジストローラ等の動作と同期させ
て、摩擦パツドにより圧接された状態で給紙コロ
を回転させることにより、用紙を確実に１枚ずつ
搬送することができるようにした給紙装置が広く
使用されている。

具体的には、用紙と給紙コロとの間の摩擦係数
が、用紙と摩擦パツドとの間の摩擦係数より大き
く、しかも用紙と摩擦パツドとの間の摩擦係数が
用紙同士の間の摩擦係数よりも大きくなるように
設定することにより、重送を防止して、確実に１
枚づつの用紙搬送を行なうことができるようにし
ている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記の構成の給紙装置においては、給紙コロが
回転駆動されていない状態においても前送りコロ
が回転し続けているのであるから、給紙コロが回
転していない間、即ち、用紙の先端が停止させら
れている間においても前送りコロにより用紙の途
中部に搬送力が作用することになる。

したがつて、比較的腰が弱い用紙を搬送する場
合においては、上記搬送力の作用により、前送り
コロと給紙コロとの間において用紙が上向きに湾
曲されて大きなループを形成することになり、最
悪の場合には用紙に折れが発生する等の問題があ
る。

＜考案の目的＞ この考案は上記の問題点に鑑みてなされたもの
であり、腰が弱い用紙を搬送する場合であつて
も、前送りコロと給紙コロとの間におけるループ
の形成、および折れの発生を防止することができ
る給紙装置を提供することを目的としている。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の目的を達成するため、この考案の給紙装
置は、搬送されてくる用紙を分離搬送するため
に、所定のタイミングで必要な時間だけ回転する
給紙コロと、前記給紙コロに圧接する摩擦パツド
と、前述給紙コロより搬送方向上流側に位置し、
前記給紙コロの回転軸を中心として上下回動可能
でありかつ用紙に常時圧接駆動回転する前送りコ
ロとを有する給紙装置において、上記給紙コロの
回転軸と前送りコロの回転軸との間に各回転軸の
回転を許容しかつ上記前送りコロ上下回動と連動
して上記前送りコロと一体的に上下可能な状態で
架設され、上記用紙の上方湾曲を抑制するべく、
搬送された用紙のうちの最も上に配設された用紙
に近接するように形成された湾曲抑制板を備えた
ものである。

＜作用＞ 以上の構成の給紙装置であれば、給紙コロの回
転軸を中心として上下回動可能であり、かつ常時
回転駆動される前送りコロにより用紙を、給紙コ
ロと摩擦パツドとの当接部に搬送し、給紙コロが
摩擦パツドに圧接された状態で、所定のタイミン
グで必要な時間だけ回転させることにより、用紙
の重送を防止する場合において、用紙が腰の弱い
ものであれば、給紙コロが停止している間におい
て前送りコロにより搬送力が伝達されるのである
が、上記給紙コロの回転軸と前送りコロの回転軸
との間に取付られた湾曲抑制板により、用紙の上
方湾曲を抑制するとができる。

＜実施例＞ 以下、実施例に示す添付図面によつて詳細に説
明する。

第４図は給紙装置を装着した複写機の概略図で
あり、全体を符号１でスタツクバイパス機構が複
写機の、図面において右方設けられており、通常
多数枚の複写紙Ｐを載置するための用紙受け台２
と、その用紙搬送方向に沿つて順に、用紙受け台
２の下部に設けられたリミツトスイツチ３、用紙
受け台２の上部に設けられ、複写紙Ｐが当接する
ことによつて、複写紙押圧方向と逆方向（図にお
いて時計方向）に回動するガイド部材４と、給紙
部の側板に設けられた長孔６の方向に沿つて上下
動可能であつて、上記ガイド部材４の回動に従い
その軸が上方へと持ち上げられ、またリミツトス
イツチ３が複写紙Ｐの先端を検知することにより
回転し始めて複写紙Ｐを用紙受け台２の先端部へ
と搬送する前送りコロ５、および用紙受け台２の
先端部に設けられた給紙コロ７から成る。この給
紙コロ７は、複写開始ボタン（図示せず）を押圧
する操作することにより複写が開始されるまで、
複写紙Ｐに当接して待機している。給紙コロ７の
下部には、重送防止用の摩擦パツド８がばね９等
の付勢手段によつて、給紙コロ７に押圧接触され
るように構成されている。

スタツクバイパス機構１から給紙コロ７により
複写機内へと搬送された複写紙Ｐは、上下案内板
１０，１０により形成される給紙路を通り、レジ
ストローラ１２の複写紙搬送方向上流側に設けら
れた複写紙先端検出用のリミツトスイツチ１１に
当たり、所定時間経過後、複写紙Ｐの搬送がレジ
ストローラ１２において一次停止され、その後搬
送されることによつて、複写紙Ｐの斜め送りを補
正し、かつ露光系とのタイミングをとつている。
レジストローラ１２から搬送された複写紙Ｐは、
上下案内板１３，１３により形成された搬送路を
通り、感光体ドラム１４に形成されたトナー像を
複写紙Ｐ上に転写するために、転写部Ｔへと搬送
される。

また、複写機本体の下部には、複写紙供給カセ
ツト１５がカセツト受け部１６に装着されてい
る。

上記複写紙供給カセツト１５には用紙乗載板１
７、および用紙乗載板１７を下方から付勢して、
複写紙の上端を給紙コロ１８に当接せしめる押し
上げ板１９が設けられている。給紙コロ１８に
は、その下方に摩擦パツド２０が当接し、複写紙
Ｐを１枚ずつ搬送路へと供給するようになつてい
る。複写紙供給カセツト１５から供給された複写
紙Ｐは、一点鎖線で示すように、転写部Ｔへと搬
送される。即ち、搬送方向に沿つて順に搬送路２
１，搬送ローラ２２、それに板バネ２４により押
圧接触せしめられている下ローラ２３、および搬
送路２５が設けられ、搬送路２５は上下案内板１
０，１０によつて形成される搬送路へと合流して
いる。

次に第１図から第３図をも参照してスタツクバ
イパス機構１をさらに詳細に説明する。

第１図は給紙装置を示す縦断面図、第２図は上
方回動状態を示す縦断面図、第３図は斜視図であ
り、用紙受け台２の先端部所定位置に摩擦パツド
８を取付けているとともに、摩擦パツド８の上面
に圧接される給紙コロ８が回転軸２６の所定位置
に取付けられている。上記回転軸２６を中心とし
て上下回動可能に取付けられた回転軸２７の所定
位置に前送りコロ５が取りつけられている。さら
に、湾曲抑制板２８を、両端に形成した凹溝２
９，３０をそれぞれ上記回転軸２６，２７に係合
させることにより取付けられている。そして、上
記湾曲抑制板２８の下端面は、上記両回転軸２
６，２７の間に取付けられた状態において最も上
の複写紙Ｐに近接するように形成されている。

尚、上記給紙コロ７、および前送りコロ５の数
は、２個以上の所定数に設定されており、用紙Ｐ
のサイズが変化した場合にも確実に搬送力を伝達
できるようにしている。

また、３１は複写紙Ｐの幅方向を規制するガイ
ドであり、３２は前送りコロ５を上方に移動させ
るためのレバーであり、３３，３４は回転軸２６
に回転力を伝達するためのギヤ、およびクラツチ
であり、３５，３６は上記回転軸２６への回転力
伝達と無関係に回転軸２７に回転力を伝達するた
めのギヤであり、３７は大きいサイズの複写紙Ｐ
をセツトする場合に使用される張出し部であり、
３８は張出し部３７の回動中心軸である。

上記の構成の給紙装置の動作は次のとおりであ
る。

所望の枚数の用紙Ｐが用紙受け台２にセツトさ
れた状態においては、用紙Ｐの前方移動により、
上記回転軸２７、および前送りコロ５が回転軸２
６を中心として上方に回動して、最も上の複写紙
Ｐに前送りコロ５が接触した状態となる。

この状態において前送りコロ５は常時回転駆動
されているのであるから、少なくとも最も上の１
枚の複写紙Ｐが給紙コロ７に向かつて搬送され、
先端が給紙コロ７に当接した状態で停止し、以後
は給紙コロ７が回転駆動されるまでの間、前送り
コロ５が空回転することになる。即ち、腰が弱い
複写紙Ｐを搬送する場合には、空回転せず、複写
紙Ｐに搬送力を伝達して、前送りコロ５と給紙コ
ロ７との間においてループを形成しようとするの
であるが、湾曲抑制板２８により用紙Ｐの上方湾
曲が抑制され、上記のように前送りコロ５が空回
転されることになる。

その後は、レジストローラ１２が回転駆動され
るタイミングと同期して給紙コロ７が回転駆動さ
れることにより、摩擦パツド８との相互作用で、
確実に１枚づつ複写紙Ｐを搬送することができ
る。

また、用紙受け台２にセツトされる複写紙Ｐの
枚数が変化した場合には、枚数変化に対応して回
転軸２７、および前送りコロ５が、回転軸２６を
中心として上方に回動し、この上方回動と連動し
て湾曲抑制板２８も上方回動するのであるから、
最も上の複写紙Ｐと湾曲抑制板２８の下端面との
距離が、小さい一定距離に保持され、安定した湾
曲抑制効果を達成することができる。

しかも、本実施例においては、複写紙Ｐに対す
る当該湾曲抑制板２８の押圧力を一定に維持する
に当たり、なんら特別の押圧力維持手段を設ける
必要がない。その分、部品点数を低減して構造を
簡素化することができると共に、低いコストで製
品化することができるという利点がある 尚、この考案は上記の実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、湾曲抑制板２８を２枚以上取
付けることが可能である他、湾曲抑制板２８を中
央部において折曲することにより、両回転軸２
６，２７に対する係合位置がくい違う状態とする
ことが可能であり、その他、この考案の要旨を変
更しない範囲内において種々の設計変更を施する
ことができる。

＜考案の効果＞ 以上のようにこの考案は、腰が弱い用紙を搬送
する場合において、前送りコロと給紙コロとの間
で用紙がループ状に湾曲されることを確実に防止
することができるという特有の効果を奏する。

さらに本考案によれば、給紙コロの回転軸と前
送りコロの回転軸との間に各回転軸の回転を許容
しかつ上記前送りコロの上下回動と連動して上記
前送りコロと一体的に上下動可能な状態で架設さ
れているので、前送りコロが用紙の枚数に応じて
上下動することにより、湾曲抑制板もそれと一体
的に上下動する。この結果、当該湾曲抑制板の下
端面と最も上の用紙との距離が常に一定に保たれ
ることから、用紙に対する当該湾曲抑制板の押圧
力を一定に維持するに当たり、なんら特別な押圧
力維持手段を設ける必要がない。従つてこの考案
の構成によれば、押圧力維持手段を設ける必要が
ない分だけ部品点数を低減して構造を簡素化する
ことができると共に、低いコストで製品化するこ
とができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の給紙装置の一実施例を示す
縦断面図、第２図は上方回転状態を示す縦断面
図、第３図は斜視図、第４図は複写機の要部を示
す縦断面図。 ５……前送りコロ、７……給紙コロ、８……摩
擦パツド、２６，２７……回転軸、２８……湾曲
抑制板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 搬送されてくる用紙を分離搬送するため、所定
   のタイミングで必要な時間だけ回転する給紙コロ
   と、 前記給紙コロに圧接する摩擦パツドと、 前記給紙コロより搬送方向上流側に位置し、前
   記給紙コロの回転軸を中心として上下回動可能で
   ありかつ用紙に常時圧接駆動回転する前送りコロ
   と を有する給紙装置において、 上記給紙コロの回転軸と前送りコロの回転軸と
   の間に各回転軸の回転を許容しかつ上記前送りコ
   ロの上下回動と連動して上記前送りコロと一体的
   に上下動可能な状態で架設され、上記用紙の上方
   湾曲を抑制するべく、搬送された用紙のうちの最
   も上に配設された用紙に近接するように形成され
   た湾曲抑制板を備えていることを特徴とする給紙
   装置。