JP2870995B2 - 複写機の自動原稿搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）発明の属する技術分野 この発明は、複写機の複写面に原稿を自動的に搬送す
る複写機の自動原稿搬送装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、上述の自動原稿搬送装置としては、第３図に示
す構成のものがあった。

すなわち、複写機１の複写面２の上面に、幅広の平ベ
ルトで形成した搬送ベルト３を張架し、この搬送ベルト
３の搬送始端側の上部に、原稿４を１枚出しする分離部
５を形成し、この分離部５で分離した原稿４を湾曲通路
を形成したガイド板6,6を介して搬送ベルト３に供給
し、この搬送ベルト３で原稿４を複写面２の所定位置に
搬送して、複写を実効し、この後搬送ベルト３で原稿４
を送出すと共に、湾曲通路を形成するガイド板7,7を介
して排出ローラ8,8で、搬送ベルト３上部の排紙トレー
９上に排紙するように構成している。

また、前述の分離部５には原稿トレー10の前後位置に
送出しローラ11,12を有し、前部の送出しローラ11の上
部には逆転のみ可能にしたゲートローラ13を対設して、
送出しローラ11,12が回転することで、原稿４を１枚出
し制御するように構成している。

（ハ）発明が解決しようとする課題 上述のように構成した従来装置の場合は、搬送ベルト
３の上部に分離部５を構成するので、上下高さが嵩張る
問題点を有し、また、上下高さに制限を受けるため、例
えば、送出しローラ11が小径となり、摩耗による送出し
不良に対して定期的な保守管理が必要となる問題点を有
する。

そこで、この発明は、上下の嵩が低く構成でき、ま
た、原稿の送出しの回転体の摩耗許容範囲が広くできる
と共に、部品点数も少なくできる複写機の自動原稿搬送
装置の提供を目的とする。

（ニ）課題を解決するための手段 この発明は、複写面上部に幅広の平ベルトで形成した
搬送ベルトを張架し、この搬送ベルトの搬送始端側の上
部に原稿載置部を配設し、この原稿載置部から１枚出し
した原稿を搬送ベルトに送出して、該搬送ベルトで原稿
を複写面に送込む複写機の自動原稿搬送装置であって、
前記搬送ベルトの搬送始端側の湾曲面に、原稿載置部上
の原稿先端部が接触するように原稿載置部先端を接近し
て対設し、上記原稿先端部の下面位置に、該原稿先端部
に接離して原稿先端を、搬送ベルトの湾曲面に接触させ
て送出す位置と、搬送ベルトの搬送面から離れて送出し
を停止する位置とに可動する分離トレイを設け、上記原
稿先端部に、該原稿先端部に接離して原稿の送出しおよ
び停止を制御するシャッタを対設し、上記シャッタの直
後位置の搬送ベルトの湾曲面に、原稿を１枚毎に分離す
る分離体を対設した複写機の自動原稿搬送装置であるこ
とを特徴とする。

（ホ）作用 この発明の複写機の自動原稿搬送装置は、原稿先端部
の分離トレイを、原稿先端が搬送ベルトの湾曲面に接触
させて原稿を送出す位置に可動させ、シャッタを開放す
ると、回動する搬送ベルトの湾曲面に原稿先端が接触
し、この接触で原稿が送出され、さらに、分離体により
１枚毎に分離され、１枚目の原稿が送出される。

次いで、分離トレイを、原稿先端が搬送ベルトの湾曲
面から離れた送出しを停止する位置に可動させ、シャッ
タを閉じて送出しを禁止すると、原稿先端が搬送ベルト
より離れて送出し力が原稿に作用しなくなるので、次ぎ
の原稿の送出しが停止される。

（ヘ）発明の効果 上述の効果、この発明によれば、搬送ベルトを原稿載
置部の原稿送出し回転体として利用し、原稿の先端側を
分離トレイで搬送ベルトに接離し、かつシャッタを開閉
して、原稿の送出しおよび停止を制御するので、原稿の
１枚毎の分離搬送がシャッタで整えられて、確実に行え
る他、原稿載置部に送出しローラを設ける必要がなくな
り、その分上下高さが嵩低くなり、小型コンパクトに形
成できると共に、部品点数が少なくなって、軽量、安価
に構成できる。

さらに、回転体が少なくなるので、騒音が減少し、騒
音対策が容易となる。

さらにまた、原稿の送出しによる送出し回転体の摩耗
は、搬送ベルトのベルト面となるので、その範囲が広く
なり、摩耗に対する許容範囲が広く、保守管理が容易と
なる。

さらに、原稿載置部から複写面に至る原稿のガイド板
は搬送ベルトの外側部分のみとなって、原稿の内外の両
面にガイド板を設ける必要がなくなり、しかも、搬送ベ
ルトが回動しているので、原稿のジャム発生が激減す
る。

（ト）発明の実施例 この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は複写機の自動原稿搬送装置を示し、第１図、第
２図において、複写機20の複写面21の上面側に対応し、
広幅の平ベルトからなる搬送ベルト22をプーリ23を介し
て張設し、このプーリ23は適宜の駆動モータによって回
転制御される。

上述の搬送ベルト22の搬送始端側の上部には原稿載置
部24を斜設し、この原稿載置部24は原稿25を収納する原
稿トレー26と、原稿25を１枚毎に分離するための分離シ
ャッタ27とによって構成し、そして、搬送ベルト22の湾
曲面に、原稿載置部24上の原稿25の先端が接触するよう
に該原稿載置部24の先端を搬送ベルト22に接近して配設
している。

上述の分離シャッタ27は原稿トレー26の先端部に位置
し、上面に載置された原稿25の先端を、搬送ベルト22の
湾曲面に接触させて送出す位置と、該搬送ベルト22の湾
曲面から離れるために前方に摺動して送出しを停止する
（禁止する）位置とに移動する。

この移動を可能にするために、分離シャッタ27は適宜
のガイド機構で前後に摺動可能に支持されると共に、そ
の中央部下面に第１のラック28を刻設し、このラック28
には原稿トレー26側に支持されたピニオン29が噛合し、
このピニオン29はその軸部が傾斜上下方向に摺動可能に
原稿トレー26側に軸支し、また、その下部には原稿トレ
ー側に取付けた位置固定の第２のラック30に噛合してい
る。

そして、前述のピニオン29の軸部が、例えば、ソレノ
イド（図示省略）によって傾斜上下方向に移動される
と、移動量が倍になって、分離シャッタ27を移動させる
ことができる。

なお、31は原稿トレー26側に軸支した分離シャッタ27
の支持ローラである。

上述の分離シャッタ27の下面側には補助送出しローラ
32を位置させて、その外周面一部を送出位置にある分離
シャッタ27上面側に臨ませて、原稿トレー26側に軸受
し、適宜の駆動モータ（図示省略）で原稿の送出し時に
所定量回動されて、原稿を補助的に送出す。

上述の分離シャッタ27の上面側には、これに載置され
る原稿25の上面を遊端部で押圧する原稿押え33を対向さ
せ、この原稿押え33の基端部をカバー34に固定し、この
原稿押え33は弾性を有する樹脂フィルム、または、板バ
ネで形成する。

前述の原稿載置部24に載置された原稿25の先端部と対
向する位置にシャッタ35を対設し、このシャッタ35はロ
ータリソレノイド36に操作されて、原稿25の送出しおよ
び停止（禁止）を制御する。

なお、上述のロータリソレノイド36はカバー34内に取
付けている。

上述のシャッタ35の直後の搬送ベルト22の湾曲面に
は、原稿25を１枚毎に分離する分離パット37を対設し、
この分離パット37は基端部をカバー34の内部に取付けら
れた板バネ38の遊端側に固定し、該板バネ38の弾性によ
って、分離パット37を搬送ベルト22に押圧付勢してい
る。

そして、上述の分離パット37は高摩擦部材で形成して
いる。

上述の分離パット37の下部位置の湾曲面の搬送ベルト
22にはガイド板39を対設して、このガイド板39によって
送出される原稿25を複写面21に案内する。

なお、図中40は原稿検知レバーであって、原稿載置部
24上の原稿25の有無を検知し、該原稿検知レバー40が原
稿25なしで可動すると、この可動を光電センサで形成し
た原稿検知センサ41で検知する。

また、42は原稿搬送検知ローラであって、搬送ベルト
22の湾曲面を原稿25が搬送されることで可動し、該可動
で原稿搬送検知ローラ42を軸支したレバー43が可動し、
この可動を光電センサで形成した原稿搬送検知センサ44
で検知する。

このように構成した自動原稿搬送装置は次のように可
動する。

すなわち、第１図は原稿載置部24に原稿25をセットし
た状態を示し、シャッタ35は閉じて原稿25の送出しを禁
止し、さらに、分離シャッタ27は前方に移動して、セッ
トした原稿25を搬送ベルト22の湾曲面より離れるように
している。

このようなセット状態から原稿25を送出すには、第２
図に示すように、まず、ロータリソレノイド36を駆動
し、シャッタ35を開放して原稿の送出しを許容し、さら
に、分離シャッタ27はピニオン29を後退させることで、
その移動量を倍にして分離シャッタ27が後退し、この後
退で、分離シャッタ27部分にある原稿25を搬送ベルト22
の湾曲面に接触させて原稿25の搬送を許容する。

次に、搬送ベルト22を送出し方向に回転制御し、補助
送出しローラ32を所定量回転させると、原稿載置部24の
原稿25が送出され、分離パット37の部分で１枚に分離さ
れ、分離された原稿25が送出されると、分離シャッタ27
はピニオン29が前進して前方に移動し、この移動で原稿
載置部24上の原稿25の２枚目以降が搬送ベルト22より離
れる方向に移動されて、２枚目の原稿25が送出されるこ
とを禁止されると共に、既に送出された１枚目の原稿25
の後端がシャッタ35を通過するとロータリソレノイド36
が駆動されて、シャッタ35が閉じ、２枚目の原稿25の送
出しを停止して、第１図に示す送出し初期状態に復帰す
る。

そして、送出された１枚目の原稿25が複写面21の所定
の位置に至ると、搬送ベルト22は停止して複写処理を実
行し、その後、再び搬送ベルト22が送出し方向に回転制
御されることで、原稿25は排紙される。

このように自動原稿搬送装置を構成すると、搬送ベル
ト22を原稿載置部24の原稿送出し回転体として利用し、
原稿25の先端側を分離シャッタ27で搬送ベルト22に接離
し、かつシャッタ35を開閉して、原稿25の送出しおよび
停止を制御するので、原稿25の１枚毎の分離搬送がシャ
ッタ35で整えられて、確実に行える他、原稿載置部24に
送出しローラを設ける必要がなくなり、その分上下高さ
が嵩低くなり、小型コンパクトに形成できると共に、部
品点数が少なくなって、軽量、安価に構成できる。

さらに、回転体が少なくなるので、騒音が減少し、騒
音対策が容易となる。

さらにまた、原稿25の送出しによる送出し回転体の摩
耗は、搬送ベルト22のベルト面となるので、その範囲が
広くなり、摩耗に対する許容範囲が広く、保守管理が容
易となる。

さらに、原稿載置部24から複写面21に至る原稿25のガ
イド板39は搬送ベルト22の外側部分のみとなって、原稿
25の内外の両面にガイド板を設ける必要がなくなり、し
かも、搬送ベルト22が回動しているので、原稿のジャム
発生が激減する。

この発明の構成と、上述の実施例との対応において、 この発明の分離トレイは、実施例の分離シャッタ27に
対応し、同様に、分離体は、分離パット37に対応する
も、この発明は他の構成を含めて実施例の構成のみに限
定されるものではない。

例えば、分離体はローラで構成することもできる。

なお、補助送出しローラ32を省略することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、 第１図は自動原稿搬送装置の断面正面図、 第２図は自動搬送装置の作用状態を示す断面正面図、 第３図は従来の自動原稿搬送装置を示す概略正面図であ
る。 20……複写機、21……複写面 22……搬送ベルト、24……原稿載置部 25……原稿、27……分離シャッタ 35……シャッタ、37……分離パット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複写面上部に幅広の平ベルトで形成した搬
   送ベルトを張架し、この搬送王ベルトの搬送始端側の上
   部に原稿載置部を配設し、この原稿載置部から１枚出し
   した原稿を搬送ベルトに送出して、該搬送ベルトで原稿
   を複写面に送込む複写機の自動原稿搬送装置であって、 前記搬送ベルトの搬送始端側の湾曲面に、原稿載置部上
   の原稿先端部が接触するように原稿載置部先端を接近し
   て対設し、 上記原稿先端部の下面位置に、該原稿先端部に接離して
   原稿先端を、搬送ベルトの湾曲面に接触させて送出す位
   置と、搬送ベルトの搬送面から離れて送出しを停止する
   位置とに可動する分離トレイを設け、 上記原稿先端部に、該原稿先端部に接離して原稿の送出
   しおよび停止を制御するシャッタを対設し、 上記シャッタの直後位置の搬送ベルトの湾曲面に、原稿
   を１枚毎に分離する分離体を対設した 複写機の自動原稿搬送装置。