JP2638791B2 - 復調装置 - Google Patents

復調装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、復調装置に関し、より具体的には、低周波
数の搬送波を用いて周波数変調された情報信号を復調す
る復調装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、低周波数の搬送波を用いて信号を周波数変調し
て記録再生(又は伝送)する装置、例えばビデオ・テー
プ・レコーダでは、再生時、FM波を例えば両波微分する
ことにより2逓倍した後パルス・カウンタで復調するパ
ルス・カウンタ復調や、クオドラチャ復調等が用いられ
ていた。
第2図は、ビデオ・テープ・レコーダの再生系におけ
る従来のFM復調装置の構成例を示す。磁気テープ10から
磁気ヘッド12により再生されたキャリア周波数fcの被FM
変調信号は、リミッタ16に供給され、そこで一定の振幅
に制限される。両波微分回路18はリミッタ16の出力を両
波微分し、リミッタ16出力の立ち上がりエッジ及び立ち
下がりエッジを検出する。両波微分回路18の出力はキャ
リア周波数2fcの被FM変調信号であり、それを単安定マ
ルチバイブレータ20に印加し、所定パルス幅のパルス列
に変換する。この単安定マルチバイブレータ20の出力を
LPF22に通すと、LPF22の出力が復調信号になる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような2逓倍復調装置では高次の下側波が復調信
号の帯域内に入り込み、歪み(映像信号の場合にはモア
レ)の原因になっていた。具体的に説明すると、記録し
ようとする信号(例えば映像信号)は第3図(a)に破
線で示す周波数帯域を有し、その最高周波数をfaとす
る。この信号を周波数変調したFM信号の周波数占有帯域
は第3図(b)に示すようになる。fcは周波数変調のキ
ャリアの周波数であり、第3図(b)ではFMデビエーシ
ョンの最低周波数を示す。従来fcは例えば約3fa/2に設
定されていた。第1下側波J1の周波数はfc−faである。
第3図(b)の被FM変調信号を、通常用いられる2逓倍
パルス・カウンタ復調器で復調するときの復調される信
号及び復調後の信号の周波数スペクトラム分布を第3図
(c)に示す。この復調される信号ではFMキャリア周波
数は2逓倍により2fcになり、第1下側波J1と第2下側
波J2が生じる。J1の周波数は2fc−faであり、J2の周波
数は2fc−2faである。
第3図(b)に示すように第2下側波J2が復調後の信
号の帯域内に入り込み、映像信号の場合にはモアレの原
因となる。また、被FM変調信号を2逓倍することにより
デビエーションも2倍になり第2下側波J2のエネルギも
増加するので、その分モアレが顕著になる。更には、2
逓倍により被FM変調信号の周波数が高くなるので、高速
の復調器が必要になる。
そこで本発明は、復調後の信号に高次波が混入せず、
しかも高速の復調回路を必要とせずに、低周波数の搬送
波を用いて周波数変調された情報信号を高精度且つ安定
的に復調できる復調装置を提示することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る復調装置は、同期信号を含む被周波数変
調情報信号を入力し、入力された被周波数変調情報信号
から同期信号を分離する同期信号分離回路と、当該同期
信号分離回路において分離された同期信号に同期したキ
ャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、当該キャ
リア信号発生器により発生されたキャリア信号を用いて
当該被周波数変調情報信号を所定量高周波側にシフトす
るシフト回路と、当該シフト回路の出力を復調する復調
回路とを備えることを特徴とする。
〔作用〕
上述の構成により、被周波数変調情報信号のエネルギ
ーの大きい下側波が復調された信号に入り込まなくする
ことができ、モアレ等のノイズ成分を低減できる。ま
た、逓倍器等が必要なくなるので、高速の復調回路を用
意する必要もなくなる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
第1図は、輝度信号成分をFM変調した映像信号の再生に
本発明を適用した場合の実施例の構成例を示す。
第1図で、磁気テープ30に記録された映像信号は、磁
気ヘッド32により再生され、再生アンプ34で増幅され
る。再生アンプ34の出力は、HPF36と水平同期信号分離
回路38とに供給される。HPF36は被FM変調輝度信号(キ
ャリア周波数fc)を出力する。HPF36の出力は、平衡変
調器40で後述するキャリア(周波数をfsとする)により
平衡変調され、その際、この被FM変調信号の時間軸変動
(以後、ジッタという)も吸収される。平衡変調器40の
出力には平衡変調によりfc+fsの成分とfc−fsの成分が
存在し、HPF42でfc+fsの成分のみを取り出し、FM復調
回路44に印加する。このFM復調回路44は、例えばカウン
タ式のものでよい。
FM復調回路44が、被FM変調信号の立ち上がり及び立ち
下がりの何れか一方を用いる方式である場合には、平衡
変調器40に印加するキャリアfsとしては、HPF42の出力
における第1下側波J1′が元の信号の帯域0〜fa内に入
らなければよく、従って第3図(d)に示すように、 J1′>fa つまり、 fs>2fa−fc でよい。
位相比較回路46、電圧制御発振器(VCO)48及びn分
周器50はPLL(フェ ーズ・ロック・ループ)を構成
し、同期信号分離回路38で分離された水平同期信号は、
その位相比較回路46の一方の入力に印加される。位相比
較回路46の出力電圧はVCO48に印加され、その発振周波
数を制御する。水平同期信号に同期したVCO48の出力fs
は、平衡変調器40に供給されるとともに、n分周器50に
も印加される。n分周器50の出力は、水平同期信号と同
じ周波数になり、位相比較回路46の他方の入力に印加さ
れる。
この実施例では、平衡変調用のキャリアを形成するた
めに、再生された被FM変調信号自体から基準となる信
号、即ち水平同期信号を取り出して利用しているので、
平衡変調による周波数シフトの際に、再生された被FM変
調信号のジッタが吸収される。カラー映像信号を再生す
る場合、搬送色信号のジッタ補正のみを行い輝度信号に
は何らの補正もしないという問題点があったが、図示実
施例ではこの問題点も解決される。
〔発明の効果〕
以上の説明から容易に理解できるように、本発明によ
れば、復調後の信号に高次波が混入せず、しかも高速の
復調回路を必要とせずに、低周波数の搬送波を用いて周
波数変調された情報信号を高精度且つ安定的に復調でき
る復調装置を提示できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成ブロック図、第2図は
ビデオ再生装置における従来例の構成ブロック図、第3
図は、従来例及び本発明における信号の周波数分布の説
明図である。 10,30…磁気テープ、12,32…磁気ヘッド、16…リミッ
タ、18…両波微分回路、20…単安定マルチバイブレー
タ、22…LPF、34…再生アンプ、36…HPF、38…同期信号
分離回路、40…平衡変調器、42…HPF、44…FM復調回
路、46…位相比較器、48…電圧制御発振器(VCO)、50
…n分周器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同期信号を含む被周波数変調情報信号を入
    力し、入力された被周波数変調情報信号から同期信号を
    分離する同期信号分離回路と、 当該同期信号分離回路において分離された同期信号に同
    期したキャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、 当該キャリア信号発生器により発生されたキャリア信号
    を用いて当該被周波数変調情報信号を所定量高周波側に
    シフトするシフト回路と、 当該シフト回路の出力を復調する復調回路 とを備えることを特徴とする復調装置。
  2. 【請求項2】当該シフト回路が平衡変調回路であり、そ
    の平衡変調のキャリアとして、当該キャリア信号発生器
    より発生されたキャリア信号を用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項に記載の復調装置。
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