JP2638679B2 - メタクリル酸の製造方法 - Google Patents
メタクリル酸の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はメタクリル酸の製造方法に関し、詳細には活
性成分としてピロリン酸ジバナジルを含有する触媒を用
いて、メタクロレインの接触気相酸化反応を行なうこと
によりメタクリル酸を製造する方法に関するものであ
る。
性成分としてピロリン酸ジバナジルを含有する触媒を用
いて、メタクロレインの接触気相酸化反応を行なうこと
によりメタクリル酸を製造する方法に関するものであ
る。
背景技術 メタクロレインの接触気相酸化反応に用いる触媒とし
ては、モリブドリン酸,モリブトバナド8リン酸等のヘ
テロポリ酸が知られている。しかしながら該ヘテロポリ
酸は熱的に不安定であり、劣化を起こしやすい。そこで
アルカリ金属等を添加してアルカリ金属塩とし、耐熱性
を向上させる方法もあるが、メタクロレインの酸化活性
はあくまでも遊離のヘテロポリ酸に基づくものであるた
め、アルカリ金属塩にすると触媒活性の発揮が不十分に
なり、レドックス性が悪くなるという問題がある。
ては、モリブドリン酸,モリブトバナド8リン酸等のヘ
テロポリ酸が知られている。しかしながら該ヘテロポリ
酸は熱的に不安定であり、劣化を起こしやすい。そこで
アルカリ金属等を添加してアルカリ金属塩とし、耐熱性
を向上させる方法もあるが、メタクロレインの酸化活性
はあくまでも遊離のヘテロポリ酸に基づくものであるた
め、アルカリ金属塩にすると触媒活性の発揮が不十分に
なり、レドックス性が悪くなるという問題がある。
発明の開示 本発明は上記事情に着目してなされたものであって、
上記の様な不都合を伴わない上にメタクロレインの接触
気相酸化反応に触媒活性を示す触媒を用いてメタクリル
酸を製造する方法を提供しようとするものである。
上記の様な不都合を伴わない上にメタクロレインの接触
気相酸化反応に触媒活性を示す触媒を用いてメタクリル
酸を製造する方法を提供しようとするものである。
発明を実施する為の最良の形態 本発明者は耐熱性に劣るヘテロポリ酸或はその塩から
なる触媒系以外に、メタクロレインの触媒気相反応に活
性とメタクリル酸の選択性とを有し、且つ耐熱性の優れ
た触媒を開発すべく鋭意研究した結果、バナジウムとリ
ン酸の複合化合物が、メタクロレインの気相酸化反応に
おいて優れた触媒活性を発揮すると共に、耐熱性等にお
いても好ましい特性を有するとの知見を得、本発明に想
到した。
なる触媒系以外に、メタクロレインの触媒気相反応に活
性とメタクリル酸の選択性とを有し、且つ耐熱性の優れ
た触媒を開発すべく鋭意研究した結果、バナジウムとリ
ン酸の複合化合物が、メタクロレインの気相酸化反応に
おいて優れた触媒活性を発揮すると共に、耐熱性等にお
いても好ましい特性を有するとの知見を得、本発明に想
到した。
上記バナジウムとリン酸の複合化合物としては、Vが
5価でありリン酸バナジル及びVが4価であるピロリン
酸ジバナジルがあり、これらは結晶構造によって更に幾
つかに分類される。そしてこれらはいずれもメタクロレ
インの酸化活性能を有するが、中でもピロリン酸ジバナ
ジルが特に高活性であるので、本発明に用いる触媒にお
いてはピロリン酸ジバナジルの方を必須の活性成分と定
めた。従って上記活性成分のみからなる場合は勿論のこ
と、この他リン酸バナジルが共存する場合も本発明触媒
として利用できる。
5価でありリン酸バナジル及びVが4価であるピロリン
酸ジバナジルがあり、これらは結晶構造によって更に幾
つかに分類される。そしてこれらはいずれもメタクロレ
インの酸化活性能を有するが、中でもピロリン酸ジバナ
ジルが特に高活性であるので、本発明に用いる触媒にお
いてはピロリン酸ジバナジルの方を必須の活性成分と定
めた。従って上記活性成分のみからなる場合は勿論のこ
と、この他リン酸バナジルが共存する場合も本発明触媒
として利用できる。
また本発明の触媒は化学当量のリンを含むピロリン酸
ジバナジルやリン酸バナジルからなる触媒を用いる場合
だけでなく、これらに過剰のリンを含有させることによ
って触媒活性が更に高まると共に、触媒が酸化されにく
くなるので、より望ましい触媒と言える。但しリンの量
が多すぎるとメタクロレインの酸化が進みすぎて副生物
である酢酸の量が増大する。従って過剰に含有させるリ
ンの量としては、リン酸換算で0.001〜40モル%が好ま
しく、1〜10モル%の範囲がより好ましい。
ジバナジルやリン酸バナジルからなる触媒を用いる場合
だけでなく、これらに過剰のリンを含有させることによ
って触媒活性が更に高まると共に、触媒が酸化されにく
くなるので、より望ましい触媒と言える。但しリンの量
が多すぎるとメタクロレインの酸化が進みすぎて副生物
である酢酸の量が増大する。従って過剰に含有させるリ
ンの量としては、リン酸換算で0.001〜40モル%が好ま
しく、1〜10モル%の範囲がより好ましい。
尚過剰に含有させるリン成分として前記したVO(H2PO
4)2を用いると特に効果が大きい。上記VO(H2PO4)2
は、例えばリンとバナジウムの原子比が2.00となるよう
にイソブチルアルコール中に五酸化バナジウムを加え、
塩化水素ガスを通して還元し、次にオルトリン酸を加え
て還流下に加熱撹拌することによって容易に調製でき
る。
4)2を用いると特に効果が大きい。上記VO(H2PO4)2
は、例えばリンとバナジウムの原子比が2.00となるよう
にイソブチルアルコール中に五酸化バナジウムを加え、
塩化水素ガスを通して還元し、次にオルトリン酸を加え
て還流下に加熱撹拌することによって容易に調製でき
る。
また触媒活性に関してはVが4価であるピロリン酸ジ
バナジルの方が好ましいと述べたが、Vが5価のリン酸
バナジルを併用するときには触媒活性が増大する傾向が
認められる。特にピロピン酸ジバナジルに含まれるバナ
ジウム原子の一部を酸化して5価にしたものは、触媒活
性を更に高めることができる。上記バナジウム原子の一
部を酸化するにあたってはピロピン酸ジバナジルを空気
中200〜700℃で加熱処理すればよい。
バナジルの方が好ましいと述べたが、Vが5価のリン酸
バナジルを併用するときには触媒活性が増大する傾向が
認められる。特にピロピン酸ジバナジルに含まれるバナ
ジウム原子の一部を酸化して5価にしたものは、触媒活
性を更に高めることができる。上記バナジウム原子の一
部を酸化するにあたってはピロピン酸ジバナジルを空気
中200〜700℃で加熱処理すればよい。
本発明に係るピロリン酸ジバナジルはα−,β−,γ
−のいずれのタイプであっても使用でき、これは下記の
方法により容易かつ再現性よく製造することができる。
即ち五酸化バナジウムを還元剤により還元した後、オル
トリン酸と反応させて前駆体を調製し、これを熱処理す
る方法が推奨される。上記還元剤としては塩酸ヒドロキ
シルアミン,ヒドラジン]類,炭素数1〜6の脂肪族ア
ルコール類,塩化水素等通常の還元剤を用いればよい。
尚γ−ピロリン酸ジバナジルを製造するにあたっては上
記五酸化バナジウムにかえてα−リン酸バナジル2水和
物を用いる方法が例示できる。
−のいずれのタイプであっても使用でき、これは下記の
方法により容易かつ再現性よく製造することができる。
即ち五酸化バナジウムを還元剤により還元した後、オル
トリン酸と反応させて前駆体を調製し、これを熱処理す
る方法が推奨される。上記還元剤としては塩酸ヒドロキ
シルアミン,ヒドラジン]類,炭素数1〜6の脂肪族ア
ルコール類,塩化水素等通常の還元剤を用いればよい。
尚γ−ピロリン酸ジバナジルを製造するにあたっては上
記五酸化バナジウムにかえてα−リン酸バナジル2水和
物を用いる方法が例示できる。
本発明の触媒はそのまま使用することもできるが適当
な形状の担体に付着させたり、或は粉末状,ゾル状,ゲ
ル状等の状態にした担体に付着ないし担持することもで
きる。また本発明は上記担体の種類を限定するものでは
なく、例えば二酸化チタン,シリカゲル,シリカゾル,
ケイ藻土,炭化ケイ素,アルミナ,珪石,シリカ−アル
ミナ,ベントナイト,グラファイト,耐火物,ゼオライ
ト等公知のものを用いればよく、特にシリカゲル,シリ
カゾルが好ましい。
な形状の担体に付着させたり、或は粉末状,ゾル状,ゲ
ル状等の状態にした担体に付着ないし担持することもで
きる。また本発明は上記担体の種類を限定するものでは
なく、例えば二酸化チタン,シリカゲル,シリカゾル,
ケイ藻土,炭化ケイ素,アルミナ,珪石,シリカ−アル
ミナ,ベントナイト,グラファイト,耐火物,ゼオライ
ト等公知のものを用いればよく、特にシリカゲル,シリ
カゾルが好ましい。
本発明に係る接触気相酸化反応に用いられるメタクロ
レインは必ずしも純粋なものでなくともよく、例えばイ
ソブチレンや第3級ブチルアルコールの接触気相酸化反
応により得られた不純物含有メタクロレインであっても
よい。
レインは必ずしも純粋なものでなくともよく、例えばイ
ソブチレンや第3級ブチルアルコールの接触気相酸化反
応により得られた不純物含有メタクロレインであっても
よい。
またメタクリル酸を製造するにあたって用いる原料ガ
スとしては、上記メタクロレインを0.5〜10容量%含有
すると共に酸素を対メタクロレインモル比率で0.5〜1
0、好ましくは1〜5の範囲で含有する混合ガスが望ま
しい。
スとしては、上記メタクロレインを0.5〜10容量%含有
すると共に酸素を対メタクロレインモル比率で0.5〜1
0、好ましくは1〜5の範囲で含有する混合ガスが望ま
しい。
原料混合ガス中に水蒸気は存在してもしなくてもよい
が、メタクロレインに対するモル比0.5〜10の範囲で存
在させるのが好ましい。更に、原料混合ガスは窒素,二
酸化炭素等の反応に不活性なガスで希釈するのが好まし
い。また、本発明の接触気相酸化反応を行なった後の廃
ガスをそのまま、あるいは酸化処理した後希釈ガスとし
て用いることもできる。
が、メタクロレインに対するモル比0.5〜10の範囲で存
在させるのが好ましい。更に、原料混合ガスは窒素,二
酸化炭素等の反応に不活性なガスで希釈するのが好まし
い。また、本発明の接触気相酸化反応を行なった後の廃
ガスをそのまま、あるいは酸化処理した後希釈ガスとし
て用いることもできる。
更に上記原料ガスを接触気相酸化反応させるにあたっ
ては、200〜500℃の温度で常圧から30kg/cm2までの圧力
条件下で上記原料ガスを前記触媒に接触させることが望
ましい。尚、空間速度は100〜5000hr-1が好ましく、500
〜2000hr-1の範囲がより好ましい。
ては、200〜500℃の温度で常圧から30kg/cm2までの圧力
条件下で上記原料ガスを前記触媒に接触させることが望
ましい。尚、空間速度は100〜5000hr-1が好ましく、500
〜2000hr-1の範囲がより好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 <触媒調製> イソブチルアルコール80mlに五酸化バナジウム10gを
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸11.9gを加えて1時間加熱し還
流させた。得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に25
0℃で4時間半加熱して蒸発乾固された後、350℃で4時
間半焼成し前駆体を得た。該前駆体を24〜35メッシュに
砕いて反応管に充填し、400℃に保ちながらメタクロレ
イン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸気20ml/分およびヘリウ
ム70ml/分からなるガスを4時間通じて活性化処理を行
ない、触媒(A)とした。
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸11.9gを加えて1時間加熱し還
流させた。得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に25
0℃で4時間半加熱して蒸発乾固された後、350℃で4時
間半焼成し前駆体を得た。該前駆体を24〜35メッシュに
砕いて反応管に充填し、400℃に保ちながらメタクロレ
イン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸気20ml/分およびヘリウ
ム70ml/分からなるガスを4時間通じて活性化処理を行
ない、触媒(A)とした。
X線回折測定の結果、この触媒(A)はβ−(VO)2P
2O7を主成分とするものであった。尚触媒(A)は原料
の仕込量から過剰のリンをピロリン酸ジバナジルに対し
リン酸換算で5モル%含有させたものである。
2O7を主成分とするものであった。尚触媒(A)は原料
の仕込量から過剰のリンをピロリン酸ジバナジルに対し
リン酸換算で5モル%含有させたものである。
<反応> 触媒(A)5gを流通式の反応管に充填し、310℃に保
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分およびヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4
時間通じた。生成ガスをガスクロマトグラフで分析した
結果、メタクロレイン転化率は26.8%、メタクリル酸選
択率は78.1モル%であった。
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分およびヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4
時間通じた。生成ガスをガスクロマトグラフで分析した
結果、メタクロレイン転化率は26.8%、メタクリル酸選
択率は78.1モル%であった。
実施例2 <触媒調製> 五酸化バナジウム10gと85重量%オルトリン酸54mlを
水100mlに加えて100℃で16時間還流した後、濾過し洗浄
してα−VCPO4・2H2Oを得た。
水100mlに加えて100℃で16時間還流した後、濾過し洗浄
してα−VCPO4・2H2Oを得た。
該α−VOPO4・2H2O 10gにイソブチルアルコール200m
lを加え、6時間加熱し還流させた後濾過し、得られた
固体に85重量%オルトリン酸0.2gを加えてよくすりつぶ
して混合し、130℃で乾燥した。これを実施例1と同様
に24〜35メッシュに砕いてメタクロレイン含有ガスを通
じて活性化処理を行ない触媒(B)とした。
lを加え、6時間加熱し還流させた後濾過し、得られた
固体に85重量%オルトリン酸0.2gを加えてよくすりつぶ
して混合し、130℃で乾燥した。これを実施例1と同様
に24〜35メッシュに砕いてメタクロレイン含有ガスを通
じて活性化処理を行ない触媒(B)とした。
X線回折測定の結果、この触媒(B)はγ−(VO)2P
2O7を主成分とするものであった。また、原料の仕込量
から、触媒(A)の過剰のリンの量はピロリン酸バナジ
ウムに対しリン酸換算で9モル%である。
2O7を主成分とするものであった。また、原料の仕込量
から、触媒(A)の過剰のリンの量はピロリン酸バナジ
ウムに対しリン酸換算で9モル%である。
<反応> 触媒(B)5gを用いて実施例1と同様にメタクロレイ
ンの接触気相酸化反応を行なった。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率40.6%、メタク
リル酸選択率80.0モル%であった。
ンの接触気相酸化反応を行なった。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率40.6%、メタク
リル酸選択率80.0モル%であった。
実施例3 <触媒調製> 実施例1で得た前駆体を空気中600℃で3時間加熱処
理して触媒(C)を得た。X線回折測定の結果、触媒
(C)はピロリン酸ジバナジルのバナジウム原子の一部
が5価にされてVOPO4に変化しているものであった。
理して触媒(C)を得た。X線回折測定の結果、触媒
(C)はピロリン酸ジバナジルのバナジウム原子の一部
が5価にされてVOPO4に変化しているものであった。
尚触媒(C)の過剰のリンの量はピロリン酸ジバナジ
ルに対しリン酸換算で5モル%である。
ルに対しリン酸換算で5モル%である。
<反応> 触媒(C)5gを流通式の反応管に充填し、310℃に保
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分およびヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4
時間通じた。反応管出口ガスをガスクロマトグラフで分
析した結果、メタクロレイン転化率は9.1%、メタクリ
ル酸選択率は82.9モル%であった。
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分およびヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4
時間通じた。反応管出口ガスをガスクロマトグラフで分
析した結果、メタクロレイン転化率は9.1%、メタクリ
ル酸選択率は82.9モル%であった。
実施例4 <触媒調製> 蒸留水200mlに塩酸ヒドロキシルアミン14.3gと85重量
%リン酸23.1gを加え、70℃に加熱して溶液とした。こ
の溶液に五酸化バナジウム18.4gを加え、撹拌しながら9
0℃で1時間加熱して反応させた。次いで110℃で蒸発乾
固させ、残った固体に更に蒸留水100mlを加えて煮沸し
た後、濾過して水で洗浄し、130℃で乾燥して水色の固
体を得た。更にこれを窒素気流中550℃で2時間加熱処
理して触媒(D)とした。
%リン酸23.1gを加え、70℃に加熱して溶液とした。こ
の溶液に五酸化バナジウム18.4gを加え、撹拌しながら9
0℃で1時間加熱して反応させた。次いで110℃で蒸発乾
固させ、残った固体に更に蒸留水100mlを加えて煮沸し
た後、濾過して水で洗浄し、130℃で乾燥して水色の固
体を得た。更にこれを窒素気流中550℃で2時間加熱処
理して触媒(D)とした。
X線回折測定の結果、この触媒(D)はα−(VO)2P
2O2を主成分とするものであった。尚触媒(D)にはピ
ロリン酸ジバナジルに対して過剰のリンは含まれていな
い。
2O2を主成分とするものであった。尚触媒(D)にはピ
ロリン酸ジバナジルに対して過剰のリンは含まれていな
い。
<反応> 触媒(D)5gを用い、反応管を330℃に保ちながら実
施例1と同様にしてメタクロレインの接触気相酸化反応
を行なった。ガスクロマトグラフで分析した結果、メタ
クロレイン転化率25.0%、メタクリル酸選択率59.0モル
%であった。
施例1と同様にしてメタクロレインの接触気相酸化反応
を行なった。ガスクロマトグラフで分析した結果、メタ
クロレイン転化率25.0%、メタクリル酸選択率59.0モル
%であった。
実施例5 <VO(H2PO4)2の調製> イソブチルアルコール80mlに五酸化バナジウム10gを
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸21.8gを加えて1時間加熱し還
流させた。反応後、これにトルエン100mlを加え加熱し
てイソブチルアルコールのみを蒸発分離した。トルエン
中に沈殿した沈殿物を取り出し乾燥させた。得られた沈
殿物はX線回折によりVO(H2PO4)2の特徴を示すd=
6.34,3.99,3.58,3.37,3.17,2.84(Å)にピークを有し
ていた。
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸21.8gを加えて1時間加熱し還
流させた。反応後、これにトルエン100mlを加え加熱し
てイソブチルアルコールのみを蒸発分離した。トルエン
中に沈殿した沈殿物を取り出し乾燥させた。得られた沈
殿物はX線回折によりVO(H2PO4)2の特徴を示すd=
6.34,3.99,3.58,3.37,3.17,2.84(Å)にピークを有し
ていた。
<触媒調製> イソブチルアルコール80mlに五酸化バナジウム10gを
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸10.9gを加えて1時間加熱し還
流させた。得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に25
0℃で4時間半加熱して蒸発乾固させて前駆体を得た。
次に0.44gのVO(H2PO4)2を蒸留水40mlに溶かし、上記
前駆体を加えて撹拌しながら蒸発乾固させた。得られた
固体を24〜35メッシュに砕いて反応管に充填し、400℃
に保ちながらメタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水
蒸気20ml/分及びヘリウム70ml/分からなるガスを4時間
通して活性化処理を行ない、触媒(E)とした。
加えて撹拌しながら塩化水素ガスを約5分間通じた。次
に99重量%オルトリン酸10.9gを加えて1時間加熱し還
流させた。得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に25
0℃で4時間半加熱して蒸発乾固させて前駆体を得た。
次に0.44gのVO(H2PO4)2を蒸留水40mlに溶かし、上記
前駆体を加えて撹拌しながら蒸発乾固させた。得られた
固体を24〜35メッシュに砕いて反応管に充填し、400℃
に保ちながらメタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水
蒸気20ml/分及びヘリウム70ml/分からなるガスを4時間
通して活性化処理を行ない、触媒(E)とした。
X線回折測定の結果、この触媒(E)はβ−(VO)2P
2O7を主成分とするものであった。尚触媒(E)は(V
O)2P2O7に対しリン酸換算で6.2モル%のVO(H2PO4)2
を含有させたものである。
2O7を主成分とするものであった。尚触媒(E)は(V
O)2P2O7に対しリン酸換算で6.2モル%のVO(H2PO4)2
を含有させたものである。
<反応> 触媒(E)5gを流通式の反応管に充填し、300℃に保
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分及びヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4時
間通した。生成ガスをクロマトグラフで分析した結果、
メタクロレイン転化率は32・0%、メタクリル酸選択率
は78.2モル%であった。
ちながら、メタクロレイン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸
気20ml/分及びヘリウム70ml/分からなる原料ガスを4時
間通した。生成ガスをクロマトグラフで分析した結果、
メタクロレイン転化率は32・0%、メタクリル酸選択率
は78.2モル%であった。
実施例6 <触媒調製> 五酸化バナジウム10gと85重量%オルトリン酸54mlを
蒸留水150mlに加えて100℃で16時間還流した後、濾過し
洗浄してα−VOPO4・2H2Oを得た。
蒸留水150mlに加えて100℃で16時間還流した後、濾過し
洗浄してα−VOPO4・2H2Oを得た。
該α−VOPO4・2H2O 10gにブチルアルコール200mlを
加え、6時間加熱し還流させた後濾過し、得られた固体
はVOHPO4・0.5H2Oであった。実施例5と同様にして得た
VO(H2PO4)2 0.4gを蒸留水40mlに溶解し、これに上
記VOHPO4・0.5H2Oを加えて加熱撹拌しながら乾燥させ
た。これを実施例1と同様に24〜35メッシュに砕いてメ
タクロレイン含有ガスを通じて活性化処理を行ない触媒
(F)とした。
加え、6時間加熱し還流させた後濾過し、得られた固体
はVOHPO4・0.5H2Oであった。実施例5と同様にして得た
VO(H2PO4)2 0.4gを蒸留水40mlに溶解し、これに上
記VOHPO4・0.5H2Oを加えて加熱撹拌しながら乾燥させ
た。これを実施例1と同様に24〜35メッシュに砕いてメ
タクロレイン含有ガスを通じて活性化処理を行ない触媒
(F)とした。
X線回折測定の結果、この触媒(F)はγ−(VO)2P
2O7を主成分とするものであった。また原料の仕込量か
ら、触媒(F)はリン酸換算量で(VO)2P2O7に対して
5.6モル%のVO(H2PO4)2を含有させたものであった。
2O7を主成分とするものであった。また原料の仕込量か
ら、触媒(F)はリン酸換算量で(VO)2P2O7に対して
5.6モル%のVO(H2PO4)2を含有させたものであった。
<反応> 触媒(F)5gを用いて実施例5と同様にメタクロレイ
ンの接触気相酸化反応を行なった。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率42.8モル%、メ
タクリル酸選択率81.2モル%であった。
ンの接触気相酸化反応を行なった。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率42.8モル%、メ
タクリル酸選択率81.2モル%であった。
実施例7 <触媒調製> 実施例5と同様にして得たVO(H2PO4)2 0.4gを蒸
留水40mlに溶解し、これに実施例5と同様にして得たβ
−(VO)2P2O7を加え、蒸留水を蒸発乾固して前記VO(H
2PO4)2を上記β−(VO)2P2O7に担持させた。この様
にして得た固体を実施例1の方法で活性化処理を行い触
媒(G)とした。この触媒(G)は原料の仕込量から
(VO)2P2O7に対しリン酸換算で5.6モル%のVO(H2P
O4)2を含有させたものであった。
留水40mlに溶解し、これに実施例5と同様にして得たβ
−(VO)2P2O7を加え、蒸留水を蒸発乾固して前記VO(H
2PO4)2を上記β−(VO)2P2O7に担持させた。この様
にして得た固体を実施例1の方法で活性化処理を行い触
媒(G)とした。この触媒(G)は原料の仕込量から
(VO)2P2O7に対しリン酸換算で5.6モル%のVO(H2P
O4)2を含有させたものであった。
<反応> 触媒(G)5gを用い実施例5と同様にしてメタクロレ
インの接触気相酸化反応を行った。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率39.6モル%、メ
タクリル酸選択率82.0モル%であった。
インの接触気相酸化反応を行った。ガスクロマトグラフ
で分析した結果、メタクロレイン転化率39.6モル%、メ
タクリル酸選択率82.0モル%であった。
実施例8 <触媒調製> イソブチルアルコール20mlに五酸化バナジウム2.5gを
加え撹拌しながら塩化水素ガスを5分間通した。次に99
重量%オルトリン酸2.73gを加えて1時間還流させた。
得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に250℃で4時
間半加熱して蒸発乾固して前駆体を得た。
加え撹拌しながら塩化水素ガスを5分間通した。次に99
重量%オルトリン酸2.73gを加えて1時間還流させた。
得られた溶液を150〜200℃で2時間、更に250℃で4時
間半加熱して蒸発乾固して前駆体を得た。
次に実施例5と同様の方法で調製したVO(H2PO4)2
の0.11gを蒸留水10mlに溶かし、これに上記前記体を加
え、さらに20%含有シリカゾル30gを加え、撹拌しなが
ら蒸発乾固させた。得られた固体を34〜35メッシュに砕
いて反応管に充填し、400℃に保ちながらメタクロレイ
ン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸気20ml/分及びヘリウム70
ml/分からなるガスを4時間通して活性化処理を行い触
媒(H)を得た。X線回折測定の結果、上記触媒(H)
はβ−(VO)2P2O7を活性主成分とするものであった。
尚触媒(E)は(VO)2P2O7に対してリン酸換算で6.2モ
ル%のVO(H2PO4)2含有させたものである。
の0.11gを蒸留水10mlに溶かし、これに上記前記体を加
え、さらに20%含有シリカゾル30gを加え、撹拌しなが
ら蒸発乾固させた。得られた固体を34〜35メッシュに砕
いて反応管に充填し、400℃に保ちながらメタクロレイ
ン3ml/分,酸素10ml/分,水蒸気20ml/分及びヘリウム70
ml/分からなるガスを4時間通して活性化処理を行い触
媒(H)を得た。X線回折測定の結果、上記触媒(H)
はβ−(VO)2P2O7を活性主成分とするものであった。
尚触媒(E)は(VO)2P2O7に対してリン酸換算で6.2モ
ル%のVO(H2PO4)2含有させたものである。
<反応> 触媒(H)5gを用いて実施例5と同様にメタクロレイ
ンの接触気相酸化反応を行った。ガスクロマトグラフで
分析した結果、メタクロレイン転化率は39.6モル%、メ
タクリル酸選択率75.2モル%であった。
ンの接触気相酸化反応を行った。ガスクロマトグラフで
分析した結果、メタクロレイン転化率は39.6モル%、メ
タクリル酸選択率75.2モル%であった。
産業上の利用可能性 本発明によれば、メタロクロレインの酸化活性性能を
有すると共に、耐熱性に優れ、しかも再現性よく調製で
きる触媒を用いたメタクリル酸の製造方法が提供でき
る。
有すると共に、耐熱性に優れ、しかも再現性よく調製で
きる触媒を用いたメタクリル酸の製造方法が提供でき
る。
Claims (6)
- 【請求項1】メタクロレインを触媒の存在下に接触気相
酸化するメタクリル酸の製造方法において、ピロリン酸
ジバナジルを活性成分として含有する触媒を用いること
を特徴とするメタクリル酸の製造方法。 - 【請求項2】バナジウムの酸化物とリンのオキシ酸とか
ら得られた請求項(1)記載の触媒を用いてなるメタク
リル酸の製造方法。 - 【請求項3】リン酸換算で0.001〜40モル%のリンを過
剰に含有してなる触媒を用いる請求項(2)記載のメタ
クリル酸の製造方法。 - 【請求項4】過剰のリン成分がVO(H2PO4)2化合物と
して共存するものである請求項(1)〜(3)のいずれ
かに記載のメタクリル酸の製造方法。 - 【請求項5】触媒中のバナジウム原子の一部が5価のバ
ナジウムイオンである触媒を用いてなる請求項(1)〜
(4)のいずれかに記載のメタクリル酸の製造方法。 - 【請求項6】ピロリン酸ジバナジルにおけるバナジウム
原子が5価のバナジウムイオンに酸化されたものを活性
成分として含有する触媒を用いてなる請求項(1)〜
(5)のいずれかに記載のメタクリル酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3505327A JP2638679B2 (ja) | 1990-03-13 | 1991-03-11 | メタクリル酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-61756 | 1990-03-13 | ||
JP6175690 | 1990-03-13 | ||
JP3505327A JP2638679B2 (ja) | 1990-03-13 | 1991-03-11 | メタクリル酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2638679B2 true JP2638679B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=26402819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3505327A Expired - Fee Related JP2638679B2 (ja) | 1990-03-13 | 1991-03-11 | メタクリル酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2638679B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-11 JP JP3505327A patent/JP2638679B2/ja not_active Expired - Fee Related
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