JP2638524B2 - 循環浄水型の電気貯湯容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、循環浄水型の電気貯湯
容器に関するものであり、詳しくは内容液を循環させな
がら浄水し貯湯することができる循環浄水型の電気貯湯
容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気貯湯容器は家庭用の電気ポットとし
て従来から多く提供されている。

【０００３】このものは内容液を保温状態にして、ある
いは湯沸かし後に保温状態にして貯湯し、コーヒーやお
茶を抽出したりするのに必要温度の内容液をいつでも供
給できるようにする。

【０００４】内容液は前記湯沸かしや保温のために加熱
され、特に湯沸かしのための加熱によっては、内容液が
沸騰状態にされることにより、異臭、あるいはカルキや
これの化合物であるトリハロメタンと云った異物が発散
される。ところが前記保温や湯沸かしための加熱だけで
は、前記異物は充分に発散されない。

【０００５】そこで前記沸騰状態を適宜所定時間継続さ
せ、あるいは繰り返し行うことによりカルキの除去効果
を高めることが考えられている。ところがこれでも、発
散したカルキ分は器体外に抜け出にくく、器体内に止ま
って器体内まわりに付着等し、付着したカルキ類が再度
内容液中に戻される嫌いがあるので、カルキ除去に関し
てはなお不充分である。

【０００６】特開平３−１０６３１４号公報は、この種
の電気貯湯容器に装備される注出路と電動ポンプを、こ
れらによる内容液の注出機能に支障を及ぼすことなく利
用した構成で、内容液を必要に応じて内容器内に戻して
繰り返し循環させ、異臭、あるいはカルキ類等の異物を
発散させやすい電気貯湯容器を開示している。このもの
は、注出路から切換弁を介して分岐し内容液を内容器に
戻すように接続された循環路を設けている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に開
示のもののように、内容液を循環させるだけでカルキ類
を十分に発散させるには長い時間が掛かったり、時間を
掛けても限界があったりしてまだ満足なものではない。
しかも、循環路を蓋の開閉領域から外れた、すなわち蓋
の下面よりも下で内容器内に張り出させて設けたもの
で、この高さの循環路を注出路から切換弁を介して分岐
させるのに、注出路の吐出口に至る最高位部を循環路と
同程度の高さに設定して、この最高位部に切換弁を設
け、この切換弁から循環路が内容器内へ水平に延びる構
造となっている。このため、蓋の下面まで内容液が入れ
られた場合や、これに近い状態で内容液が沸騰して液面
が波立ち蓋下面付近まで上昇した場合で、切換弁が注出
路側に切り換えられていたり、切り換えられると、内容
液は注出路を通じて不用意に溢れ出てしまう不都合があ
る。

【０００８】一方、特開平２−３６８２０号公報は、内
容液の注出路の吐出口に活性炭を設けて内容液を注出す
るときにその注出する分だけ活性炭を通して浄水するも
のを開示しているが、これでは内容液を注出するときの
一瞬だけしか浄水できないので不十分である。また、こ
の公報は、内容液を瞬間加熱方式にて加熱しながら循環
させる循環路に活性炭を設けたものを開示しているが、
循環路が注出路と別に設けているので構造が複雑にな
る。

【０００９】本発明は、注出路を共用した循環路構造に
て、内容液の適時な注出に支承なく、必要に応じて内容
液を循環させて繰り返し強制浄水することができ、しか
も、蓋の下面近くまで内容液が達しているようなときの
不都合をも防止することができる循環浄水型の電気貯湯
容器を提供することを課題とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願発明は上記のような
課題を達成するために、器体内の内容液を案内して、器
体の外装を形成する外装体前面上部に前方に突出するよ
うに形成されたパイプカバー部に位置する吐出口まで導
く注出路と、この注出路の途中に設けられて注出路を通
じ内容液を外部に注出する電動ポンプと、注出路から送
られてくる内容液を浄水部を通じて器体内に戻す循環路
と、内容液を吐出口側と循環路側とに切換え案内する切
換弁とを備え、注出路の切換弁から吐出口に至る吐出管
路最高位部を器体の蓋の下面よりも高くしたことを特徴
とするものである。

【００１１】

【作用】本発明の上記構成では、電動ポンプが働かせら
れると、器体内の内容液を注出路を通じて送り出し注出
することができる。しかしこのとき、切換弁を循環路側
に切り換えておくことにより、前記送り出されてくる内
容液を循環路に導き、浄水部を通した後器体内に戻すこ
とができ、切換弁を循環路側に切り換えている間、器体
内の内容液を順次に連続して循環させながら浄水部に繰
り返し通し、器体内の内容液の全量を必要なだけ強制浄
水処理することができる。この循環強制浄水中でも、切
換弁を吐出口側に切り換えることにより、内容液をいつ
でも吐出口の側に導いて器体外に注出して使用に供する
ことができる。しかも、注出路は切換弁から内容器への
循環路が分岐しているにもかかわらず、切換弁から吐出
口に至る注出路の最高位部が蓋の下面よりも上に位置し
ていることにより、切換弁が吐出口側に切り換えられて
いるときに、万一にも蓋の下面まで液位ないしは沸騰液
面がせまる満杯状態になったとしても、内容液が注出路
を越えて吐出口に自然流出してしまうようなことを確実
に防止することができる。

【００１２】

【実施例】以下本考案の一実施例を図を参照して詳細に
説明する。

【００１３】本実施例は湯沸かし可能でかつ非加圧タイ
プの電動ポンプによって内容液を注出する電気ポットの
場合を示している。図１に示すように、ヒータ６１が底
部下面に当てがわれた内容器２を外装ケース３内に収容
して器体１を構成している。

【００１４】内容器２は本発明で言う器体１の外装を形
成する外装体としての外装ケース３の上端に無理嵌めし
た合成樹脂製の肩部材４によって上端フランジを受けら
れている。

【００１５】そして外装ケース３の下端には合成樹脂製
の底環５が当てがわれ、この底環５と前記内容器２の底
部とを図示しない連結金具によって連結し外装ケース
３、内容器２および底環５の相互を一体化している。底
環５の開口には底環１０が複数の爪の嵌め合わせと一箇
所でのビス止めにて取付られ、この底環１０の下面外周
部には、それに設けられた複数の爪８によって回転座体
９が回転可能に嵌め付けられ、器体１を定置したとき回
転座体９上で器体３が滑動して回転されるようになって
いる。

【００１６】内容器２の底部には内容液を注出する注出
路１１が接続されている。この注出路１１は内容器２内
の内容液を案内して、器体１の前面上部に前方へ嘴状に
突出するように形成されたパイプカバー１２部に位置す
る吐出口１９まで導くもので、内容器２の底部への接続
部から内容器２と外装ケース３との間の空間で立ちあが
り、前記パイプカバー１２内に達して逆Ｕ字状に屈曲
し、吐出口１９を下向きに開口させている。パイプカバ
ー１２は器体１の肩部材４が上面壁を形成し、これに下
方から当てがって器体１に取り付けた下カバー１５が下
面壁を形成した中空部分となっている。注出路１１の内
容器２よりも下になった部分には、注出路１１に流入す
る内容液を前記吐出口１９に送り出す電動ポンプ１３が
設けられ、モータ１４によって駆動するようにしてい
る。

【００１７】前記パイプカバー１２の下カバー１５には
注液ガイド１６が設けられ、前記吐出口１９から吐出さ
れる内容液は一旦大気に開放された後、前記注液ガイド
１６に受けられて案内され注液されるようにしている。
注液ガイド１６は２重パイプ構造をなし、前記吐出内容
液が大気に開放され易く、かつ注液時に外気を吸入して
破砲網２０とともに注液を細かな泡状にして極く静かに
しかも跳ね返りがないようにして注液できるようにして
いる。

【００１８】注液ガイド１６は下カバー１５に設けられ
ている開口への螺合部１８によって着脱自在に取付られ
ている。また注出路１１の立ち上がり部は内容器２と同
じ液位となるのを利用して液量を静電容量方式やフォト
センサ方式で検出する液量検出部２１が設けられてい
る。

【００１９】内容器２の底部下には金具２３を利用して
遮熱板２４がビス止めされ、この遮熱板２４と、ヒータ
６１の裏側との間に抑えばね２８を挟み込み、これによ
ってヒータ６１を内容器２の底部下面に押し当ててい
る。遮熱板２４の一部に前記電動モータ１４が取付けら
れている。

【００２０】ヒータ６１の中央の透孔には内容液の温度
を感知する温度センサ３３が設けられ、遮熱板２４にビ
ス止めされた保持板３５が前記温度センサ３３を遮熱壁
を介し保持している。

【００２１】底環５には回路収容ボックス４１が設けら
れている。回路収容ボックス４１は底環４に一体成形し
た蓋部４２と、この蓋部４２に下方より当てがい取付け
た容器部４４とからなる。容器部４４と蓋部４２との相
互間の合わせ目にはシールパッキング４７が挟み込まれ
て回路収容ボックス４２を密封容器としている。これに
より回路収容ボックス４１に収容される回路基板４８の
防水が充分になる。

【００２２】器体１の上端には器体蓋６２が設けられて
いる。器体蓋６２はその後部で肩部材４にヒンジピン６
３によって開閉可能に枢着されている。この枢着は肩部
材４に着脱自在に嵌め合わせた軸受部材６４に対して行
い、軸受部材６４の着脱によって器体蓋６２を着脱でき
るようにしている。これによって器体１内の洗浄や、内
容液の給排が容易となる。

【００２３】軸受部材６４は肩部材４の凹部６５内に上
方より挿入され、凹部６５内の係止部６６に樹脂ばね片
１６４が弾性係合することにより不用意な脱落が防止さ
れる。軸受部材６４を装着状態に確実に係止し、またこ
れを解除するためには、凹部６５内に挿入された軸受部
材６４の一部にフック部が弾性係合するロック部材６７
が設けられ、この係止を解除するにはロック部材６７を
ばね２２１に抗して係止解除方向にスライドさせるよう
になっている。

【００２４】器体蓋６２は軸受部材６４との間でばね６
８によって開き方向に付勢され、閉じ状態は器体蓋６２
の前端部に設けられたロック部材６９がばね７１の付勢
によって肩部材４の一部に設けた係止部７２に係合する
ことによりロックされる。

【００２５】ロック部材６９は器体蓋６２の裏板８２上
面に形成された突起８３によって進退を案内される。

【００２６】ロック部材７２の斜面７５には、器体蓋６
２内の軸受２０１に対し軸７６によって後部を枢着され
たロック解除レバー７７の先端部の突起７８が当接して
いる。このロック解除レバー７７は前記ロック部材６９
がばね７１によって前記係合位置に進出されていると
き、前記斜面７５によって突起７８を介し上方に押上げ
られていて、先端部の操作部７９が器体蓋６２の上面開
口８１から器体蓋６２の表面と面一な状態に露出してい
る。

【００２７】この状態で操作部７９が押し下げられると
ロック解除レバー７７は反時計方向に回動され突起７８
によってロック部材６９の斜面７５を押動し、ロック部
材６９をばね６８に抗して後退させ前記係止部７２との
係合を外す。このため器体蓋６２の閉じ状態へのロック
が解除される。このロック解除が完了する時点では、ロ
ック解除レバー７７と器体蓋６２との間にはロックを解
除する方向の遊びがあり、器体蓋６２はロック解除レバ
ー７７が押圧操作から開放されているかどうかに係わり
なく前記ばね６８によって開き方向に少し回動される。

【００２８】これによってロック部材６９は前記係止部
７２の位置から上方に少しずらされるので、前記ロック
解除とともに操作部７９から手を離す自然な操作によっ
て、ロック部材６９が再度係止部７２に係合するような
ことなしに、器体蓋６２がばね６８によって自動的に全
開状態まで開かれるようにしている。

【００２９】ロック解除レバー７７には安全部材１１１
が働かされている。安全部材１１１は器体蓋６２にロッ
ク解除レバー７７の長手方向にスライドできるように支
持されている。そして操作部１１２によりスライド操作
されると、係止部１１３がロック解除レバー７７の先端
部の下に進退され、先端部の下に進入しているときロッ
ク解除レバー７７の可動を阻止し、不用意なロック解除
が行われないようにしている。

【００３０】器体蓋６２の後部には前記軸受部材６４の
外周部に圧接するばね片８４がビス８５によって取付け
られている。このばね片８４は器体蓋６２の開閉動作の
際に軸受部材６４の外周に摺接し、器体蓋６２がばね６
８によって開かれるときの開き動作に制動を及ぼす。し
たがって器体蓋６２は前記ロック解除の際の自動的な開
き動作がゆっくりとした動作で行われる。

【００３１】器体蓋６２の裏板８２の下面には内容器２
の後部を閉じる金属製の内蓋８５が当てがわれ、図示し
ない位置にてビス止めされている。内蓋８５の外周と裏
板８２との間には内容器２の口縁に対向するシールパッ
キング８６が挟持されており、器体蓋６２が閉じられる
と内蓋８５はこのシールパッキング８６部で内容器２の
口縁に接し、内容器２を閉じる。

【００３２】内蓋８５と裏板８２との間には内容器２内
で発生する蒸気を外部に逃がす蒸気通路８７が設けられ
ている。蒸気通路８７は内蓋８５に内容器２側への開口
８８を持ち、器体蓋６２の後部側の上面に外部への開口
８９を持っている。開口８８部には裏板８２に下方より
嵌め付けた弁室９１が設けられ、これに器体１が転倒し
たときに閉じる転倒時止水弁９２が設けられている。

【００３３】前記回路基板４８に装備された制御回路１
００はマイクロコンピュータ１０１を利用したものであ
る。嘴状突出部１２の上面に設けた操作パネル２１０に
設けられる注出操作キー１０２は圧力センサ１０３を押
圧操作するように設けられており、注出操作時の押圧力
の差を圧力センサ１０３によって電気的信号に変換して
マイクロコンピュータ１０１（図３）に入力することに
より、前記電動ポンプ１３の駆動電圧を切換えて注出流
量を増減制御するようにしている。

【００３４】また、注出路１１の電動ポンプ１３吐出側
の一部から分岐し送られてくる内容液を浄水部３０６を
通じて器体１内に戻す循環路３０１と、前記分岐部に設
けられて送られてくる内容液を吐出口１９側と循環路側
３０１とに切換え案内する切換弁３０２とを設けてあ
る。切換弁３０２は前記パイプカバー１２内の前記注出
路１１の逆Ｕ字状の屈曲部の上端部に設けられている。
この切換弁３０２から循環路３０１の側は器体蓋６２の
下面よりも高い位置とし、器体蓋６２の下面にせまる満
水状態でも、これが切換弁３０２から循環路３０１の側
に侵入しないようにしている。また循環路３０１は器体
１内から肩部内周面に開口する器体側循環路３０１ａ
と、前記器体蓋６２内に設けられた蓋側循環路３０１ｂ
とから構成されている。

【００３５】蓋側循環路３０１ｂは器体蓋６２が閉じら
れたとき、前記器体側循環路３０１ａの開口の口パッキ
ング３０３と一端３０４が対向して圧接し互いに断接可
能に接続される一方、他端３０５が内蓋８５の下面に突
出して内容器２内に臨むようになっている。

【００３６】電動ポンプ１３が働かせられると、器体１
に収容された内容器２内の内容液を注出路１１を通じて
送り出し注出することができる。しかしこのとき、切換
弁３０２を循環路３０１側に切り換えておくことによ
り、前記送り出されてくる内容液を循環路３０１に導
き、浄水部３０６を通した後器体１の内容器２内に戻す
ことができ、切換弁３０２を循環路３０１側に切り換え
ている間、内容器２内の内容液を順次に連続して循環さ
せながら浄水部３０６に繰り返し通し、内容器２内の内
容液の全量を必要なだけ強制浄水処理することができ
る。この循環強制浄水中でも、切換弁３０２を吐出口１
９側に切り換えることにより、内容液をいつでも吐出口
１９の側に導いて器体１外に注出して使用に供すること
ができる。しかも、注出路１１は切換弁３０２から内容
器２への循環路３０１が分岐しているにもかかわらず、
切換弁３０２から吐出口１９に至る注出路１１の最高位
部が器体蓋６２の下面よりも上に位置していることによ
り、切換弁３０２が吐出口１９側に切り換えられている
ときに、万一にも器体蓋６２の下面まで液位ないしは沸
騰液面がせまる満杯状態になったとしても、内容液が注
出路１１を越えて吐出口１９に自然流出してしまうよう
なことを確実に防止することができる。

【００３７】また、切換弁３０２は器体１の前面上部に
前方へ嘴状に突出するように形成された既設のパイプカ
バー１２内に位置し、かつ外装体の外径より外方位置で
パイプカバー１２内に配置したから、前方に突出したパ
イプカバーの構成を有効に利用し特別な設置スペースを
設ける必要がないので、切換弁３０２を設けることによ
り外装体である外装ケース３の外径寸法を大きくするこ
となく従来通りの大きさおよび形態の器体１にて実現す
る。

【００３８】浄水部３０６は器体蓋６２の下面よりも高
い位置となるようにしてある。これによって内容器２内
を有効利用することができるし、洗浄等の邪魔にならな
い利点がある。

【００３９】しかも、この浄水部３０６は図２に示すよ
うに内蓋８５の開口３１０に無理嵌めしたケース３０７
と、これにネジ部３０８にて着脱可能に装着される浄水
剤カートリッジ３０９とからなり、器体蓋６２内に位置
するようにしてある。浄水剤カートリッジ３０９は例え
ば活性炭３１１等の臭いや異物を除去できるも浄水剤を
収容している。

【００４０】切換弁３０２は器体１の外部に位置する操
作レバー等と連結して外部から手操作できるようにする
ことができるが、これを電磁弁として電動ポンプ１３の
注出操作によって内容液を吐出口１９側に導くように自
動的に切換え、他は循環路３０１側に内容液が流れるよ
うに切り換えておくようにすると便利である。

【００４１】この場合、電動ポンプ１３は切換弁３０２
が循環路３０１側に切換られている非注出時の適宜な時
点、例えば内容液を沸騰させ、あるいはカルキ除去のた
めに沸騰を持続する間、あるいは保温中のある時点や所
定時間ごとに循環による浄水が行われるようにすること
ができる。

【００４２】また内容液が下限水位にあるとき、前記の
ような内容液を循環させての浄水操作は不要であるか
ら、このような水位が液量検出部２１にて検出されてい
る場合には前記内容液の循環浄水処理は行われないよう
に制御するのが好適である。

【００４３】要するに、注出路１１と循環路３０１とは
これらの分岐点にある切換弁３０２の切換えによって電
動ポンプ１３の協働のもとに、内容液を注出路１１を通
じて器体１外に注出し、また注出路１１の一部と循環路
３０１を通じ内容液を一旦器体１外に導いた後再度器体
内に戻して循環させることが、簡単な通路構造で達成で
き、循環路３０１の一部には浄水部３０６を有して前記
循環される内容液が浄水剤３１１中を通過するようにし
てこれを浄水するので、内容液を必要に応じて循環させ
ることにより必要な時間だけ繰り返し強制浄水し、この
ようにして十分に浄水した後の内容液を適時に注出して
使用に供することができる。

【００４４】また、浄水部３０６は器体蓋６２の下面よ
りも高い位置に設けてあるため、内容器２内の空間を狭
めたり、内容器２内の洗浄を邪魔したりせず、従来通り
に使用できる利点がある。

【００４５】特に、浄水部３０６を器体蓋６２の内部空
間に設けてあることにより、器体蓋６２のデッドスペー
スを利用して全体を大型化せずに効率のよい浄水処理を
達成することができ、循環路３０１に送込まれる内容液
を器体蓋６２内の浄水部３０６に導き器体内に戻す蓋側
循環路３０１ｂが、器体側循環路３０１ａに対し器体蓋
６２の開閉を邪魔しない接続部３０４、３０５で接続す
ることができる。

【００４６】なお、注出路１１における循環路３０１の
分岐点から循環路３０１側を、器体１に設けられる器体
蓋６２の下面よりも高い位置に設けたため、器体蓋６２
の下面に達するまでの満水状態にまで器体１に内容液が
入れられても、これが分岐点にある切換弁３０２の部分
に侵入することはなく、この切換弁３０２に侵入したこ
とにより侵入した内容液が冷えてしまうようなことを防
止することができる。

【００４７】また、内容液は注出路１１の切換弁３０２
を越えて注出させられ、注出停止によって器体内液位と
同一レベルに戻るが、このレベルが切換弁３０２の位置
よりも上になることはなく、切換弁３０２より上になっ
た内容液が切換弁３０２の循環路３０１側への切換え時
に循環系外になってしまうような不都合も解消する。

【００４８】操作パネル２０１は図４に示す通りであ
り、前記注出操作キー１０２の他、再沸騰・カルキ除去
設定キー１０４、タイマ設定キー１０４、液量の表示部
１０７、沸騰、カルキ除去、保温の各表示部１０８〜１
１０、タイマ設定時刻の表示部１１１〜１１３が設けら
れている。さらに内容液が沸とう中かその前後の状態に
あるときや、内容液の液位が注出下限以下であるような
ときに注出や循環浄水処理を阻止するように制御する場
合の注出、循環浄水処理の待機表示部１０６も設続され
て前記のような制御を受けるようにしてある。

【００４９】再沸騰・カルキ除去キー１０４と、注出ロ
ック・解除キー１０６とは、操作される毎に設定モード
がロータリー式に変化するようにされている。

【００５０】図３は制御回路を示す、マイクロコンピュ
ータ１０１には図に示すように前記各種入出力に関する
電気、電子部品がＡ／Ｄ変換機３０１ｃ、３０２ａやス
イッチ回路３０３ａ、駆動回路３０４ａ、表示回路３０
５ａを介し適宜接続されている。

【００５１】なお、循環路３０１を器体蓋６２の開閉が
可能なように設けるにも、前記実施例の構造に拘束され
ることはない。

【００５２】例えば器体蓋６２の枢着部回りを循環路３
０１が通過し、この枢着部回りの部分を可撓部や伸縮部
として器体蓋６２開閉動作に応動できるようにしてもよ
い。

【００５３】また本実施例のように器体蓋６２が着脱可
能なものであると、この着脱に伴って循環路３０１の一
部が断接されるようにすることもできる。

【００５４】

【発明の効果】本発明によれば、電動ポンプが働かせら
れると、器体内の内容液を注出路を通じて送り出し注出
することができる。しかしこのとき、切換弁を循環路側
に切り換えておくことにより、前記送り出されてくる内
容液を循環路に導き、浄水部を通した後器体内に戻すこ
とができ、切換弁を循環路側に切り換えている間、器体
内の内容液を順次に連続して循環させながら浄水部に繰
り返し通し、器体内の内容液の全量を必要なだけ強制浄
水処理することができる。この循環強制浄水中でも、切
換弁を吐出口側に切り換えることにより、内容液をいつ
でも吐出口の側に導いて器体外に注出して使用に供する
ことができる。しかも、注出路は切換弁から内容器への
循環路が分岐しているにもかかわらず、切換弁から吐出
口に至る注出路の最高位部が蓋の下面よりも上に位置し
ていることにより、切換弁が吐出口側に切り換えられて
いるときに、万一にも蓋の下面まで液位ないしは沸騰液
面がせまる満杯状態になったとしても、内容液が注出路
を越えて吐出口に自然流出してしまうようなことを確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す電気ポットの縦断面図
である。

【図２】図１の電気ポットの浄水部の断面図である。

【図３】図１の電気ポットの制御回路のブロック図であ
る。

【図４】図１の電器ポットの操作パネルの平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 器体 ２ 内容器 ３ 外装ケース １１ 注出路 １２ パイプカバー １３ 電動ポンプ １９ 吐出口 ６２ 器体蓋 ３０１ 循環路 ３０２ 切換弁 ３０６ 浄水部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 器体内の内容液を案内して、器体の外装
   を形成する外装体前面上部に前方に突出するように形成
   されたパイプカバー部に位置する吐出口まで導く注出路
   と、この注出路の途中に設けられて注出路を通じ内容液
   を外部に注出する電動ポンプと、注出路から送られてく
   る内容液を浄水部を通じて器体内に戻す循環路と、内容
   液を吐出口側と循環路側とに切換え案内する切換弁とを
   備え、注出路の切換弁から吐出口に至る注出路最高位部
   を器体の蓋の下面よりも高くしたことを特徴とする循環
   浄水型の電気貯湯容器。