JP2636324B2 - 改質カーボンブラック - Google Patents

改質カーボンブラック

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、特定構造のジニトロジアミン化合物を吸着
させてなる改質カーボンブラックに関するものであり、
さらに詳しくは、ゴムに充填した場合に高度の耐発熱性
と耐摩耗性のバランスを付与する改質カーボンブラック
に関する。
<従来の技術> 自動車やオートバイ等の交通手段、さらには産業機械
等において、多種多様なゴム組成物が使用されており、
これらのゴム組成物に対して対摩耗性や補強性を付与す
るため、各種のカーボンブラックを充填することが一般
的に行われている。特にタイヤトレッド部に使用される
ゴム組成物においては、タイヤ寿命の観点から高い耐摩
耗性が要求されているため、そのゴム組成物には、高耐
摩耗性のHAF級以上のカーボンブラックを充填すること
が多い。
一方、近年自動車分野においては、低燃費化等の経済
性が追求され、また安全性の向上が求められており、そ
のためタイヤトレッド用ゴムに対しては、前記の高い耐
摩耗性に加えて、高い耐発熱性が要求されるようになっ
てきている。この要求に応ずるべく、従来より耐発熱性
に優れるポリマーの開発が行われてきたが、この方法
は、他のゴム物性に少かなかず影響を与える可能性があ
ることや、天然ゴム主体やポリマーブレンドではほとん
ど改良効率がないといった問題があった。
このため最近になって、ゴム組成物中に多量に使用さ
れ、かつゴム物性に対する影響も非常に大きいカーボン
ブラックの特性改良が注目されるようになってきてい
る。
カーボンブラックの重要な特性値として比表面積とス
トラクチャーがあることはよく知られており、これらの
特性を変化させることにより、ゴム物性が大きな影響を
受ける。例えば比表面積を増大させると、耐摩耗性およ
び補強性は向上するが、一方で耐発熱性の劣化を招く。
またストラクチャー特性については、ストラクチャーの
増大につれて耐摩耗性および補強性は向上するが、耐発
熱性はほとんど向上せず、耐チップ性および耐カット性
の低下をもたらす。したがって、従来からゴム業界で使
用されている比表面積やストラクチャーのみを特定した
カーボンブラックでは、これは配合したゴム組成物に対
して、耐摩耗性と耐発熱性を兼備させることは著しく困
難であった。
このようなことから、ゴム組成物に対して耐摩耗性と
耐発熱性を兼備させるべく、例えば特開昭59−184281号
公報、特開昭62−57433号公報、特開昭62−57434号公報
および特開昭62−57435号公報は、従来からの比表面積
およびストラクチャーの特定に加え、二次凝集体(アグ
リゲート)のストークスモールド径およびその分布幅を
制御したカーボンブラックを開示している。
<発明が解決しようとする課題> 上記のような二次凝集体の特性を制御したカーボンブ
ラックをゴムに配合した場合、従来のカーボンブラック
を配合したものに比較して、確かに耐摩耗性と耐発熱性
のバランスが改良されるものの、最近ますます厳しさを
増している要求に対しては、必ずしも満足し得るもので
なかった。
このような背景から本発明者らは、ゴム組成物に対し
て耐摩耗性と耐発熱性の兼備性を従来技術以上に付与し
得るカーボンブラックを開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至った。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、一般式(I) (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含んで
いてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族
基または芳香族基であるが、XおよびR1がいずれも鎖状
脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原子同志が互い
にさらに連結していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、
R2とR3が結合して環を形成していてもよい。) で示されるジニトロジアミン類を吸着させてなる改質カ
ーボンブラックを提供する。
また本発明は、かかる改質カーボンブラックをゴムに
配合することにより、ゴム組成物に耐摩耗性と耐発熱性
を兼備させる方法を提供する。
さらに本発明は、かかる改質カーボンブラックを配合
したゴム組成物を提供し、このゴム組成物はタイヤトレ
ッドに好適に用いられるものである。
前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類は、
特開昭63−23942号公報によって知られており、そこで
は添加剤的な使用法により、加硫ゴムの反発弾性率や耐
発熱性などの動的物性を向上させているが、この化合物
をカーボンブラックに吸着させ、そのカーボンブラック
をゴムに配合した場合に、当該ゴム組成物の耐摩耗性と
耐発熱性の兼備性が改良されることは、本発明により初
めて明らかにされるものである。
前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類は、
ジアミン類、ニトロアルカン類およびホルムアルデヒド
を原料として、メタノール等の不活性溶媒中で縮合反応
させることにより、容易に製造することができる。なお
製造に際し、反応を促進するために、少量のアルカリ性
化合物を触媒として使用してもよい。
かかるジニトロジアミン類として、具体的には以下の
化合物が例示される。なお以下の例示において、−Z
は、 を示す。
(1)Z−NHCH2 2NH−Z (2)Z−NHCH2 3NH−Z (3)Z−NHCH2 4NH−Z (4)Z−NHCH2 6NH−Z (5)Z−NHCH2 10NH−Z (6)Z−NHCH2 12NH−Z (8)NO2CH2 2NHCH2 2NHCH2 2NO2 (9)NO2CH2 2NHCH2 6NHCH2 2NO2 このように前記一般式(I)における置換基Xは、2
価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基であ
り、上記第33例および第34例のように基中にハロゲンを
含むことができ、また第40例〜第43例のように基中に酸
素を含むことができる。これらのなかでも、Xが鎖状脂
肪族基、とりわけ炭素数4〜12の鎖状脂肪族基であるも
のが好適に使用される。
また一般式(I)におけるR1は、水素原子、鎖状脂肪
族基、環状脂肪族基または芳香族基であり、XおよびR1
がいずれも鎖状脂肪族基である場合には、上記第23例お
よび第24例のように、R1を介して窒素原子同志がさらに
連結し、X、R1および2個の窒素原子によって環を形成
したものも包含される。
さらに一般式(I)におけるR2およびR3は、互いに同
じであっても、また異なっていてもよく、それぞれ水素
原子または炭素数1〜12のアルキル基である。なお、上
記第12例、第13例、第22例および第30例のように、R2
R3が結合して環を形成したものも包含される。
本発明の改質カーボンブラックは、上記のようなジニ
トロジアミン類のうち少なくとも一つの化合物をカーボ
ンブラックに吸着させたものである。本発明において、
前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類をカー
ボンブラックに吸着させる方法は特に制限されるもので
ないが、具体的には以下の方法が例示される。
(1) 前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン
類が液体である場合、カーボンブラックにジニトロジア
ミン類を添加し、ミキサーにより撹拌混合した後、不活
性溶媒により未吸着のジニトロジアミン類を洗い流す方
法。
(2) ジニトロジアミン類を不活性溶媒に溶解させた
溶液に、カーボンブラックを浸漬する方法。
(3) カーボンブラックを不活性溶媒中に分散させた
懸濁液に、ジニトロジアミン類をそのまま、あるいはジ
ニトロジアミン類を不活性溶媒に溶解させた溶液を添加
する方法。
これらの吸着処理方法のいずれを選んでも本発明の目
的を達成し得るが、ジニトロジアミン類の均一吸着とい
う点から、(2)または(3)の方法が好ましく用いら
れる。なお、吸着処理の際に不活性溶媒を用いる場合
は、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素など、任意の
溶媒が用いられる。ハロゲン化炭化水素としては、クロ
ロホルム、四塩化炭素などが、また芳香族炭化水素とし
ては、トルエン、ベンゼンなどが例示される。
カーボンブラックに吸着させる前記一般式(I)で示
されるジニトロジアミン類の量は、本発明の目的を達成
するうえで重要な要素であり、その吸着量があまり少な
いと、ゴムに配合した場合の物性改良効果が不十分にな
るので、ジニトロジアミン類のカーボンブラックに対す
る飽和吸着量の10%以上を吸着させるのが好ましく、よ
り好ましくは50%以上を吸着させる。飽和吸着量以下で
あれば、通常、吸着処理の際に用いたジニトロジアミン
類がほぼ全量吸着される。なお、ジニトロジアミン類の
カーボンブラックに対する飽和吸着量は、例えば後述す
る実施例に示すような簡単な予備実験によって求めるこ
とができる。
本発明において使用し得るカーボンブラックとして
は、従来よりゴム業界で使用されているHAF、FEF、ISAF
等の各種カーボンブラックが例示され、ゴム組成物の使
用目的および要求性能に従って適宜選択することができ
る。また、ゴムに対するカーボンブラックの配合割合も
本発明において特に限定されるものではなく、従来より
使用されているのと同様の配合割合で使用される。
また、本発明のカーボンブラックを配合するゴムの種
類も特に限定される、ゴム工業で常用されている天然ゴ
ムのほか、各種の合成ゴム、例えばポリイソプレンゴム
(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポ
リブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合ゴム(NBR)、イソプレン−イソブチレン共重
合ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴム(EPDM)などのジエン系合成ゴムが使用される。こ
れらのゴムを単独で、あるいは異種のゴムをブレンドし
て使用することができる。これらの中でも高不飽和性ゴ
ムが特に好ましい。
本発明の改質カーボンブラックをゴムに配合する際の
ゴム温度は、本発明の目的を達成する上で重要な要素の
一つであり、100℃以下のゴム温度ではゴム物性に対す
る改良効果が小さく、また、200℃を越えるとゴムが酸
化劣化を引き起こすので好ましくない。したがって配合
の際のゴム温度は、100〜200℃とするのが好ましく、よ
り好ましくは120〜170℃である。
またカーボンブラック配合時に、ゴム物性に対する改
良効果を向上させる目的で、加硫促進剤やモルフォリン
ジスルフィドなどの加硫剤を助剤として少量配合しても
よい。さらには、一般の各種ゴム薬品や軟化剤等を必要
に応じて併用してもよいことはいうまでもない。
このようにして得られるゴム組成物は、適当な形に成
形してタイヤトレッドとすることができるほか、トレッ
ド以外の種々のタイヤ部材、あるいは防振ゴム等の工業
用品に使用することができる。
<実施例> 次に、前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン
類の製造例、それをカーボンブラックに吸着処理する実
施例、および改質カーボンブラックをゴムに配合して物
性評価した使用例により、本発明をさらに具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものでな
い。
製造例1 撹拌機、温度計、冷却器を備えた1四ツ口フラスコ
に2−ニトロプロパン156.8g(1.76モル)を仕込み、こ
れに溶媒としてメタノール200mlおよび触媒として40%
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドメタノー
ル溶液16.7g(0.04モル)を加えた。この混合物を50℃
に加熱し、保温したのち、この中へ37%ホルマリン136.
3g(1.68モル)を約1時間にわたって滴下した。その
後、反応マスを60℃に昇温し、これに、p−フェニレン
ジアミン86.5g(0.8モル)をメタノール500mlに溶かし
た40℃の溶液を約1時間にわたって滴下した。滴下終了
後、反応マスを60℃にて約4時間保温したところ、結晶
が析出し、反応マスはスラリー状態となった。
この反応マスを徐々に降温し、5℃まで冷却したの
ち、反応マスを過し、析出晶を取した。結晶をメタ
ノールおよび水で洗浄し、50℃以下で減圧乾燥して、N,
N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,4−
ジアミノベンゼン226.3g(対p−フェニレンジアミン収
率91.1%)を得た。この化合物は淡黄色結晶であり、融
点は135〜137℃であった。この化合物を化合物Aとす
る。
なお、この化合物の元素分析結果は以下のとおりであ
った。
C H N 測定値 54.13% 7.22% 18.09% 計算値 54.18% 7.14% 18.05% またこの化合物は、FD−マス、NMRおよびIRの帰属よ
り、 で示される構造式を有するものであることが確認され
た。
原料を変える以外は上記と同様の方法により、表−1
に示す各種ジニトロジアミン類を製造した。
製造例2 撹拌機、温度計、冷却器を備えた1四ツ口フラスコ
に、1,6−ジアミノヘキサン116.2g(1.0モル)、2−ニ
トロプロパン178.2g(2.0モル)、およびメタノール140
gを仕込み、撹拌下45〜55℃にて、37%ホルマリン162.8
g(2.0モル)を1時間を要して滴下した。ホルマリン滴
下後、同温で1時間保温し、その後、水200mlを加え、
分液した。
油層を水200mlで洗浄後、60℃、30Torrの条件下で濃
縮し、淡黄色液体304gを得た。この液体を高速液体クロ
マトグラフィーにより分析した結果、N,N′−ビス(2
−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキ
サン298gおよび2−ニトロプロパン5gが含有されてい
た。
この液体にn−ヘキサン300mlおよびトルエン150mlを
加えて溶解させ、その後、5℃まで冷却したところ、結
晶が析出し、スラリー状態となった。この混合物を過
し、得られた結晶を冷n−ヘキサン100mlで洗浄後、20
℃以下で真空乾燥し、N,N′−ビス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン288gを得
た。この化合物は淡黄色結晶であり、融点は26〜27℃で
あった。この化合物を化合物Eとする。
なお、この化合物の元素分析値は以下のとおりであっ
た。
C H N 測定値 52.69% 9.45% 17.57% 計算値 52.81% 9.50% 17.60% 原料を変える以外は上記と同様の方法により、表−2
に示すジニトロジアミン類を製造した。
実施例1 化合物Aを種々の濃度で含むクロロホルム溶液を用意
し、撹拌機、温度計、冷却器を備えた50ml四ツ口フラス
コに仕込んだ。それぞれの溶液に、あらかじめ100℃で
5時間減圧乾燥したHAFカーボンブラック1gを添加し、2
5℃で1時間撹拌した後、同温で24時間放置した。ポア
サイズ0.2μのミリポアフィルターでカーボンブラック
を分離し、液中に化合物Aの濃度を高速液体クロマト
グラフィーにより求めた。この結果に基づき、常法に従
って吸着等温線を求めた。その結果、HAFカーボンブラ
ックに対する化合物Aの飽和吸着量は、3.2×10-5mol/g
カーボンブラックであった。
同様の方法により、種々のカーボンブラックに対する
化合物A〜Gの飽和吸着量を求めた。
これらの結果に基づき、各種のカーボンブラックに対
し、化合物A〜Gを種々の量で吸着させた。用いたカー
ボンブラックの種類ならびに吸着させた化合物の種類お
よび量は、表−3および表−4にまとめた。表−3は、
特定のカーボンブラック、すなわちHAFカーボンブラッ
クに対して、種々の化合物A〜Gを吸着させたものであ
る。また表−4は、種々のカーボンブラックに対して、
特定の化合物、すなわち化合物Eを吸着させたものであ
る。なお、表−4のカーボンブラック記号中、(再掲)
と示したものは、表−3に示したものを便宜上再度掲載
している。
吸着処理は、上に示した予備実験に準じて、所定量の
化合物A〜Gを含むクロロホルム溶液に所定量のカーボ
ンブラックを添加する方法によった。クロロホルム溶液
から分離したカーボンブラックは、100℃で12時間減圧
乾燥し、後述する使用例のゴム組成物の製造に供した。
使用例1 (配合処方) 天然ゴム 100重量部 改質カーボンブラック 45 〃 ステアリン酸 3 〃 芳香族系プロセスオイル 5 〃 亜鉛華 5 〃 加硫促進剤 1 〃 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド) イオウ 2 〃 バンバリーミキサーとして、東洋精機製の250mlラボ
プラストミル を用い、オイルバス温度170℃で、上記
配合処方に基づき、天然ゴムのベースに、表−3および
表−4記載の本発明の改質カーボンブラック、ステアリ
ン酸、プロセスオイルおよび亜鉛華を投入し、60rpmの
ミキサー回転数で5分間混練した。この時のゴム温度は
150〜160℃であった。次に、このゴム配合物をオープン
ミルに移し、40〜50℃の温度で、上記配合処方に示した
加硫促進剤およびイオウを添加し、混練した。さらに加
硫プレスにより、145℃、20分間の条件で加硫し、所定
の形状にした後、各種の試験に供した。なお、各種の試
験方法は次のとおりである。
(1)引張物性、反発弾性率 JIS−K−6301に準拠して測定を行った。引張応力(M
300)は5号型リングを用いて、また反発弾性率はリュ
プケ型試験器を用いて、それぞれ測定した。
(2) 耐発熱性 ASTM−D−623−35に準拠し、グッドリッチ式発熱試
験器を用い、荷重3lbs、ストローク6.35mm、振動数1800
rpm、槽内温度40℃の条件で測定した。結果は、40分後
のゴム温度と初期ゴム温度の差で表示した。
(3) 耐屈曲疲労性 モンサント社のFatigue−to−Failure Testerを用
い、歪み率100%の条件で、破断までの屈曲回数を測定
した。
(4) 耐摩耗性 アクロン式摩耗試験器を用い、荷重10lbs、回転速度2
50rpm、試験片の角度を15度とし、1000回転あたりの摩
耗損失容積を算出した。結果の表示は、表−3のカーボ
ンブラックz−1、すなわちHAFカーボンブラック自体
を配合したゴム組成物(後記表−5の比較例1)の摩耗
損失を100とした指数によった。値が大なるほど、耐摩
耗性に優れることを示す。
これらの試験結果を、表−5、表−6および第1図に
示した。表−5および表−6は、それぞれ表−3および
表−4のカーボンブラックを配合したゴム組成物に対す
る試験結果である。また第1図は、表−4および表−6
を基に、カーボンブラックのBET比表面積(ゴムに配合
した場合の耐摩耗性の指標)とゴム組成物の耐発熱性と
の関係を示したグラフである。第1図において、カーボ
ンブラックのBET比表面積が大きくなるほど、それを配
合したゴム組成物の耐摩耗性がよくなる。
表−5からわかるように、同じグレードのカーボンブ
ラック(ここではHAF)を用いれば、本発明に従って改
質処理したカーボンブラックをゴムに配合することによ
り、ゴム組成物の耐摩耗性を同程度に維持しながら、そ
の耐発熱性を大幅に改良することができる。また、表−
6および第1図に示したとおり、各種グレードのカーボ
ンブラックに対して本発明による改質処理の効果が認め
られ、それらを配合したゴム組成物の耐発熱性が改良さ
れている。したがって、一定水準の耐発熱性が要求され
る場合は、耐摩耗性に優れるより上級グレードのカーボ
ンブラックを使用できることがわかる。例えば、上記試
験法による耐発熱性が30℃以下という要求を満たすため
には、従来技術ではFFF(表−6の比較例5:カーボンブ
ラックz−7)を用いる必要があるのに対し、本発明に
従えば、より上級グレードのHAF(表−6に本発明例4:
カーボンブラックe−1)を用いることができる。
<発明の効果> 本発明の改質カーボンブラックは、ゴムに配合した場
合の耐摩耗性と耐発熱性の兼備性を、従来技術ではなし
得なかった水準まで改良することができる。また同時
に、耐屈曲疲労性等の疲労特性も従来以上に改良するこ
とができる。
これらの特徴により、本発明が提供する改質カーボン
ブラックを配合したゴム組成物は、タイヤトレッド用ゴ
ム材料として好適に使用することができ、さらにタイヤ
のその他の部材あるいは防振ゴム等の工業用品に対して
も有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、使用例で用いたカーボンブラックのBET比表
面積と、それぞれのカーボンブラックを配合したゴム組
成物の耐発熱性との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/00 C08L 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含んで
    いてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族
    基または芳香族基であるが、XおよびR1がいずれも鎖状
    脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原子同志が互い
    にさらに連結していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独
    立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、
    R2とR3が結合して環を形成していてもよい。) で示されるジニトロジアミン類を吸着させてなることを
    特徴とする改質カーボンブラック。
  2. 【請求項2】請求項1記載の改質カーボンブラックをゴ
    ムに配合することにより、ゴム組成物に耐摩耗性と耐発
    熱性を兼備させる方法。
  3. 【請求項3】天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴム
    に請求項1記載の改質カーボンブラックを配合してなる
    ゴム組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載のゴム組成物を用いたタイヤ
    トレッド。
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