JP2531204B2 - 新規なニトロアンモニウム塩類、その製造方法およびそれを用いたゴムの改質方法 - Google Patents

新規なニトロアンモニウム塩類、その製造方法およびそれを用いたゴムの改質方法

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、一般式(I) (式中、Aはl価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
芳香族基であって、基中にハロゲン、酸素または窒素を
含んでいてもよい。RおよびR′はそれぞれ独立に水素
原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、RとR′
が結合して環を形成していてもよい。Xは無機酸ま
たは有機酸から1個またはそれ以上の水素イオンが除か
れた陰イオンを示す。k、l、mおよびnは1以上の整
数である。)で示されるニトロアンモニウム塩類、その
製造方法およびそれを用いたゴムの改質方法に関する。
〈従来の技術〉 前記一般式(I)で示されるニトロアンモニウム塩類
は、本発明者らが初めて見出した新規な化合物である。
近年、乗用車タイヤにおける省燃費化、トラック・バ
スタイヤなどの大型タイヤにおける走行寿命の長期化と
いった社会的要求が大きくなってきており、かかる要求
に対して、加硫ゴムのレジリエンスや発熱性などの動的
物性を向上させる薬剤が注目を集めている。
加硫ゴムの動的物性を改良する方法としては、このよ
うな動的物性向上剤を添加する方法のほかに、ゴムのミ
クロ構造や分子量分布などの改良、あるいは有機ゴム薬
品や充填剤の配合処方の改良などの方法が知られている
が、動的物性向上剤の添加は、他の方法に比較して、容
易に動的物性を向上させ得ることや、天然ゴムにも適用
可能であるといった利点を有している。
従来、このような動的物性向上剤として、例えば、特
開昭58−118837号公報に示される特定構造からなる8−
オキシキノリン誘導体や、特開昭59−18740号公報に記
載される分子内にイオウを含むニトロ化合物が開発され
ている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、上記の8−オキシキノリン誘導体やイ
オウ含有ニトロ化合物は、加硫ゴムの動的物性向上につ
いては優れた効果を有するものの、スコーチ性を大きく
早めたり、耐屈曲亀裂性を低下せしめるという問題があ
り、必ずしも満足し得るものではなかった。
このような背景から本発明者らは、前記諸問題を有す
ることなく、動的物性向上効果も優れたゴム用改質剤を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、前記一般式(I)で
示されるニトロアンモニウム塩類を開発することに成功
した。そして、このニトロアンモニウム塩類を用いて、
加硫ゴムの物性、特に動的物性を向上せしめるきわめて
有用な方法を見出し、本発明を完成するに至った。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち本発明は、前記一般式(I)で示される新規
なニトロアンモニウム塩類を提供する。
また本発明は、一般式(II) (式中、A、R、R′およびlは前記と同じ意味を有す
る。) で示されるニトロアミン類を、無機酸または有機酸と反
応させることからなる前記一般式(I)で示されるニト
ロアンモニウム塩類の製造方法を提供する。
さらに本発明は、ゴムに、前記一般式(I)で示され
るニトロアンモニウム塩類を配合することによるゴムの
改質方法を提供する。
本発明の前記一般式(I)で示されるニトロアンモニ
ウム塩類は、前記一般式(II)で示されるニトロアミン
類を、無機酸または有機酸と反応させることにより製造
することができる。
製造原料の一つである前記一般式(II)で示されるニ
トロアミン類として、具体的には以下の化合物が例示さ
れる。これらの中でも、前記一般式(II)における一方
の置換基Aが鎖状脂肪族基、とりわけ炭素数4〜12の鎖
状脂肪族基であるニトロアミン類が好ましく使用され
る。また他方の置換基の数lについては、任意のものが
適用でき、例えばlが10程度あるいはそれ以上のものを
用いることもできるが、ニトロ基の数が多くなると、製
造上あるいは使用上の安全に格別の配慮が必要となって
くるので、好ましくはlが1〜4程度のニトロアミン類
が使用される。なお以下の例示において、−Zは、 を示す。
CH3NH-Z、CH3CH2NH-Z、 CH3CH2 3NH-Z、CH3CH2 5NH-Z、 CH3CH2 7NH-Z、CH3CH2 11NH-Z、 CH3CH2 7NHCH2 2NO2 ClCH2 2NH-Z、BrCH2 2NH-Z、 Z−NHCH2 2NH-Z、Z−NHCH2 4NH-Z、 Z−NHCH2 6NH-Z、Z−NHCH2 12NH-Z、 NO2CH2 2NHCH2 6NHCH2 2NO2 以上例示した前記一般式(II)で示されるニトロアミ
ン類およびその製造方法は、置換基の数lが1のものに
ついては、例えばJ.Am.Chem.Soc,.68 10(1946)および
同書68 14(1946)に記載されている。また、置換基の
数lが2のものについては、例えばJ.Org.Chem,.23 111
5(1958)、Aust.J.Chem,.21 2797(1968)、本出願人
の出願に係る特願昭62−37590号、特願昭62−45964号な
どに記載されている。さらに置換基の数lが3もしくは
それ以上のものについては、同じく本出願人の出願に係
る昭和62年10月30日付の特許願(4)(発明の名称:新
規なポリニトロ化合物およびその製造方法)に記載され
ている。したがって、これら公知文献あるいは先願明細
書に記載される方法に準じて、前記一般式(II)で示さ
れるニトロアミン類を製造することができる。
一方、本発明におけるもう一つの製造原料である無機
酸または有機酸も、種々のものが使用できる。無機酸と
しては、塩化水素(または塩酸)、臭化水素(または臭
化水素酸)などのハロゲン化水素(またはハロゲン化水
素酸)、硫酸、リン酸、硝酸等が例示される。また有機
酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コ
ハク酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、
テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの
芳香族カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸などの脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸などの芳香
族スルホン酸、その他が例示される。これらの中でも、
塩化水素(または塩酸)、臭化水素(または臭化水素
酸)、硫酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などが好ましく用いられる。
以上例示した如きニトロアミン類と無機酸または有機
酸との反応により、本発明の前記一般式(I)で示され
るニトロアンモニウム塩類が製造できる。具体的な製造
方法としては、前記一般式(II)で示されるニトロアミ
ン類を溶媒に溶解させ、この溶液に無機酸または有機酸
を加えるという方法があげられる。用いうる溶媒を例示
すると、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等の低級アルコール類、その他がある。このような
反応によって結晶が析出してくるので、それを過し、
さらに減圧乾燥すれば、前記一般式(I)で示されるニ
トロアンモニウム塩類が純度よく得られる。
このようにして得られる前記一般式(I)で示される
ニトロアンモニウム塩類において、k、l、mおよびn
は、それぞれ1以上の整数であり、原料ニトロアミン類
と酸の組合せおよびそれぞれの使用量の選択によって、
これらk、l、mおよびnの種々の組合せが得られる。
一般的には、k・l=m・nの関係が成り立つ。なお、
特に多価の酸を用いた場合、それらの中のすべての酸性
水素原子がニトロアミン類中のアミノ基とイオン結合す
ることは必ずしも必要でなく、酸性水素原子の一部が前
記一般式(I)における陰イオンX中に残っていて
も差し支えない。
以上説明した前記一般式(I)で示されるニトロアン
モニウム塩類は、ゴム用改質剤、特に動的物性向上剤と
して、きわめて有用である。この場合、前記一般式
(I)で示される広範な化合物がゴムに対するかかる改
質効果を有するが、とりわけ前記一般式(I)における
置換基の数lが2以上のものが好ましく用いられる。ま
た前記一般式(I)における置換基RおよびR′として
は、それぞれ炭素数6以下のアルキル基であるものが、
より実用的である。
次に、このニトロアンモニウム塩類を用いたゴムの改
質方法、すなわちニトロアンモニウム塩類をゴムに配合
する方法について説明する。
本発明の前記一般式(I)で示されるニトロアンモニ
ウム塩類は、通常ゴム工業で用いられている充填剤、そ
の他の添加剤とともに、天然ゴムまたは合成ゴムに配合
される。使用し得るゴムの種類としては、天然ゴムのほ
か、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン、ブタジエン
共重合ゴム(SBR)、ポリブダジエンゴム(BR)、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、イソプ
レン・イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン・プ
ロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)などの各種の合成
ゴムが例示されるが、高不飽和性ゴムが好ましく用いら
れる。
また充填剤としては、従来よりゴム工業で使用されて
いるカーボンブラック、シリカ、タルク、クレイなどが
例示されるが、とりわけカーボンブラックが好ましく使
用される。かかる充填剤の配合割合は、従来より使用さ
れている割合と同様でよく、特に限定されない。
その他の添加剤としては、プロセスオイル、ステアリ
ン酸、加硫剤、加硫促進剤などがあり、いずれも通常の
ゴム組成物の場合と同様に配合するのが好ましい。
これらの充填剤、その他の添加剤とともに、本発明に
係る前記一般式(I)で示されるニトロアンモニウム塩
類が配合される。その使用量は特に限定されるものでは
ないが、あまり少ないと動的物性の向上効果が不充分で
あり、また多すぎても効果が飽和して不経済となること
から、通常ゴム100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲
で用いられる。
一般に、天然ゴムあるいは合成ゴムに配合剤を配合す
る場合、その配合は基本的に2つの工程で行われる。す
なわち、充填剤、プロセスオイル、ステアリン酸など
は、ゴム温度120〜200℃程度の比較的高温の第1工程で
配合され、加硫促進剤や加硫剤は、ゴム温度30〜120℃
程度の比較的低温の第2工程で配合される。
本発明の前記一般式(I)で示されるニトロアンモニ
ウム塩類をゴムに配合するにあたっては、任意の段階で
配合することができ、例えば加硫促進剤や加硫剤ととも
に比較的低温の第2工程で配合してもよいが、充填剤等
が配合される第1工程で配合するのがより好ましい。こ
の際、さらに効果を向上させる目的で、加硫促進剤やジ
モルフォリノジスルフィドなどの加硫剤を、助剤として
少量配合してもよい。
また、本発明のニトロアンモニウム塩類とカーボンブ
ラック等の充填剤を配合すると、トルクの上昇がみられ
るが、これを改良する目的で、しゃっ解剤やリターダー
を併用してもよく、さらには、一般の各種ゴム薬品や軟
化剤等を必要に応じて併用してもよいことはいうまでも
ない。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
製造例1 フラスコに、N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロ
プロピル)−1,6−ジアミノヘキサン31.8g(0.1モル)
およびメタノール200mlを仕込み、この溶液に98%硫酸1
1.0g(0.11モル)を25〜30℃で30分間を要して滴下し
た。滴下終了後、30℃で2時間保温し、その後、5℃ま
で冷却した。
析出している結晶を過し、冷メタノール100mlで洗
浄し、その後、減圧乾燥して、硫酸N,N′−ビス(2−
メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ヘキシルジアン
モニウム39.8gを得た。この化合物を、化合物(A)と
する。
この化合物は白色固体であり、融点は172〜174℃であ
った。また、元素分析結果は以下に示すとおりであっ
た。
C H N S 測定値 40.28% 7.60% 13.38% 7.73% 計算値 40.37% 7.74% 13.45% 7.70% 製造例2〜5 原料の酸として、98%硫酸の代わりに、塩化水素を0.
22モル、氷酢酸を0.22モル、シュウ酸を0.11モル、また
はp−トルエンスルホン酸を0.22モル用い、気体である
塩化水素ならびに固体であるシュウ酸およびp−トルエ
ンスルホン酸の添加を次に示す方法で行った以外は、製
造例1と同様の反応操作を行って、各種ニトロアンモニ
ウム塩類を製造した。塩化水素の添加は、ガス吹込みに
よった。また、シュウ酸およびp−トルエンスルホン酸
の添加は、所定量をN,N′−ビス(2−メチル−2−ニ
トロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンのメタノール
溶液中に加える方法によった。
表−1に、得られた各化合物の融点および元素分析値
を示した。
製造例6〜8 原料ニトロアミン類として、N,N′−ビス(2−メチ
ル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンの
代わりに、N−(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1−アミノブタン、N−(2−ニトロプロピル)−1−
アミノオクタン、およびN−(1−ニトロシクロヘキシ
ルメチル)−1−アミノオクタンをそれぞれ0.2モルず
つ用いる以外は、製造例1と同様にして、各種ニトロア
ンモニウム塩類の製造を行った。
表−2に得られた各化合物の融点および元素分析値を
示した。
製造例9〜12 原料ニトロアミン類として、N,N′−ビス(2−メチ
ル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンの
代わりに、N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロ
ピル)−1,4−ジアミノブタン、N,N′−ビス(2−メチ
ル−2−ニトロプロピル)−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ビス(2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘ
キサン、およびN,N′−ビス(1−ニトロシクロヘキシ
ルメチル)−1,6−ジアミノヘキサンをそれぞれ0.1モル
ずつ用いる以外は、製造例1と同様にして、各種ニトロ
アンモニウム塩類の製造を行った。
表−3に得られた各化合物の融点および元素分析値を
示した。
製造例13 原料ニトロアミン類として、N,N′−ビス(2−メチ
ル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンの
代わりに、N−N′−N″−トリス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,2,4−トリアミノベンゼンを0.067
モル用いる以外は、製造例1と同様の操作を行って、三
硫酸ビス(N,N′,N″−トリス(2−メチル−2−ニト
ロプロピル)−1,2,4−ベンゼントリアンモニウム)36.
6gを白色固体として得た。この化合物を、化合物(M)
とする。
この化合物の融点は92〜95℃であり、元素分析結果は
以下の通りであった。
H N S 測定値 37.74% 5.73% 14.57% 8.32% 計算値 37.69% 5.80% 14.65% 8.38% 製造例14 原料の酸として、98%硫酸の代わりに、トリメリット
酸0.067モルを用い、N,N′−ビス(2−メチル−2−ニ
トロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンのメタノール
溶液に、固体の上記トリメリット酸を添加した以外は、
製造例1と同様の反応操作を行って、白色固体33.0gを
得た。
この化合物の融点は154〜156℃であり、また元素分析
結果は次のとおりであった。
C H N 測定値 50.26% 6.97% 10.52% 計算値 52.27% 6.86% 10.60% 上の元素分析結果より、この生成物は、次のいずれか
の式で示される化合物あるいはそれらの混合物であると
推定される。この生成物を、化合物(N)とする。
適用例1 以上の製造例1〜14で得られた化合物(A)〜(N)
を、下記配合処方に基づき天然ゴムに配合して、ゴム物
性の評価試験を行った。また比較のために、配合すべき
化合物として、特開昭58−118837号公報に記載される7
−(ジメチルジチオカルバモイルメチル)−8−ヒドロ
キシキノリン(DTHQと略す)、および特開昭59−18740
号公報に記載されるN−(2−メチル−2−ニトロプロ
ピル)アニリンと一塩化イオウとをモル比1:1で反応さ
せて得た樹脂状物質(MNDSと略す)をそれぞれ用いた場
合、ならびにこれらの化合物を配合しなかった場合につ
いても、同様の試験を行った。
(配合処方) 天然ゴム(RSS#1) 100重量部 HAFブラック 45 〃 ステアリン酸 3 〃 芳香族系プロセスオイル 3 〃 亜鉛華 5 〃 加硫促進剤 1 〃 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド) イオウ 2 〃 化合物 表−4に記載 (本発明のニトロアンモニウム塩類または比較化合物) 配合にあたっては、バンバリーミキサーとして東洋精
機製250mlラボプラストミル を用い、まずオイルバス
温度170℃で、天然ゴムのベースに、上記配合処方に示
したカーボンブラック、亜鉛華、プロセスオイル、ステ
アリン酸、および化合物(本発明のニトロアンモニウム
塩類または比較化合物)を投入し、60rpmのミキサー回
転数で、5分間混練した。そのときのゴム温度は150〜1
60℃であった。次にこの配合物をオープンミルに移し、
40〜50℃の温度で、上記配合処方に示した加硫促進剤お
よびイオウを混練配合した。さらにこの配合物を、加硫
プレスにより、145℃、20分の条件で加硫し、所定の形
状にした後、各種の評価試験に供した。
各種評価試験の試験法は、下記のとおりである。
(1)ムーニースコーチ性 JIS−K−6300に準拠し、125℃で最低値より5ポイン
ト上昇までの時間をスコーチタイムとした。ただし、後
述する適用例2のSBR系は135℃で行った。
(2)引張物性、レジリエンス JIS−K−6301に準拠し、測定を行った。引張応力(M
300)は、5号型リングを用いた。レジリエンスは、リュ
プケタイプの試験機を用いた。
(3)耐発熱性 ASTM−D−628−58に準拠した。グッドリッチ式の発
熱試験機を用い、荷重35lb、ストローク6.35mm、振動数
1800rpm、槽内温度40℃の条件で、40分後の発熱温度(4
0分後のゴム温度と初期ゴム温度の差で表示)を測定し
た。
(4)耐屈曲疲労性 モンサント社のFatigue−to−Failure Testerを用
い、歪み率100%の条件で、破断までの屈曲回数を測定
した。
化合物(本発明のニトロアンモニウム塩類または比較
化合物)の配合条件および上記各種試験の結果を表−4
に示す。
適用例2 天然ゴムの代わりに、SBR#1500を用い、バンバリー
ミキサーのオイルバス温度を190℃に設定する以外は、
適用例1と同様にして試験片を作成し、同様に評価試験
を行った。結果を表−5に示す。
〈発明の効果〉 以上詳述した如く、本発明によれば、ゴムの改質剤と
して有用な新規なニトロアンモニウム塩類が提供でき
る。すなわち、このニトロアンモニウム塩類を天然ゴム
や合成ゴムに配合することにより、ゴム物性、特にレジ
リエンスや耐発熱性などの動的物性を改良することがで
きる。また、従来技術では前述の動的物性と相反する物
性であった耐屈曲亀裂性も向上し、さらにはスコーチ性
についても、従来の方法に比べて急速に早めることがな
く、この種薬剤を配合しない場合に近いスコーチタイム
を示す。
これらの特徴により、各種タイヤのトレッド部に使用
するゴムのみならず、タイヤのその他の部分のゴムにも
適用可能であり、さらには、防振ゴムなどの工業用品に
対しても有用であり、その工業的利用価値はきわめて高
い。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Aはl価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基であって、基中にハロゲン、酸素または窒素を
    含んでいてもよい。RおよびR′はそれぞれ独立に水素
    原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、RとR′
    が結合して環を形成していてもよい。Xは無機酸ま
    たは有機酸から1個またはそれ以上の水素イオンが除か
    れた陰イオンを示す。k、l、mおよびnは1以上の整
    数である。) で示されるニトロアンモニウム塩類。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Aはl価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基であって、基中にハロゲン、酸素または窒素を
    含んでいてもよい。RおよびR′はそれぞれ独立に水素
    原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、RとR′
    が結合して環を形成していてもよい。lは1以上の整数
    である。) で示されるニトロアミン類を、無機酸または有機酸と反
    応させることを特徴とする一般式 (式中、A、R、R′およびlは前記と同じ意味を有す
    る。Xは無機酸または有機酸から1個またはそれ以
    上の水素イオンが除かれた陰イオンを示す。k、mおよ
    びnは1以上の整数である。) で示されるニトロアンモニウム塩類の製造方法。
  3. 【請求項3】ゴムに、一般式 (式中、Aはl価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基であって、基中にハロゲン、酸素または窒素を
    含んでいてもよい。RおよびR′はそれぞれ独立に水素
    原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、RとR′
    が結合して環を形成していてもよい。Xは無機酸ま
    たは有機酸から1個またはそれ以上の水素イオンが除か
    れた陰イオンを示す。k、l、mおよびnは1以上の整
    数である。) で示されるニトロアンモニウム塩類を配合することを特
    徴とするゴムの改質方法。
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