JP2636105B2 - コネクター - Google Patents

コネクター

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JP2636105B2
JP2636105B2 JP3312735A JP31273591A JP2636105B2 JP 2636105 B2 JP2636105 B2 JP 2636105B2 JP 3312735 A JP3312735 A JP 3312735A JP 31273591 A JP31273591 A JP 31273591A JP 2636105 B2 JP2636105 B2 JP 2636105B2
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藤 哲 男 加
田 政 博 神
本 良 勝 網
尻 文 利 池
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Yazaki Corp
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Yazaki Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/06Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
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    • Y10T428/13Hollow or container type article [e.g., tube, vase, etc.]
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はコネクターに関する。さら
に詳しくは本発明は、加熱によって靱性の低下が少な
く、軽量なコネクター、特に自動車用として適したコネ
クターに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】電気回路の接続端子等として使用
されているコネクターは、従来、フェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂で製造されていたが、近時、熱硬化性樹脂の
代わりに、成形加工の容易な熱可塑性樹脂が使用される
ようになってきている。さらに、最近では、OA機器な
どのような穏和な条件で使用される電子機器のコネクタ
ーの他に、自動車のエンジンルーム内のように非常に苛
酷な条件でもコネクターが使用されることが多くなって
きている。こうした自動車のエンジンルームのような苛
酷な条件で使用されるコネクターには非常に高い耐熱性
が必要であると共に、エンジンの加熱に伴う加熱冷却を
繰り返してもその特性が変化しにくいこと、さらに水分
および油等との接触によっても特性が変化しないことが
必要になる。
【0003】また、昨今、石油エネルギーの効率的な利
用を図ることが世界的に提唱されており、自動車につい
ても軽量化による燃費の向上が検討されており、自動車
部品の小型軽量化が検討されはじめている。
【0004】従来から、コネクター製造用の熱可塑性樹
脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリカプラミド
(ナイロン6、NY6)およびポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66、NY66)などの脂肪族ポリアミド
(NY)、ポリフェニレンエーテル(PPE)およびア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹
脂)などが使用されている。
【0005】これらの熱可塑性樹脂の内、PPは、上記
のような苛酷な条件で使用されるコネクター用樹脂とし
ては、耐熱性が充分ではなく、また剛性も低い。さらに
このPPには、結晶化速度が低いとの問題もある。ま
た、PPEは、ある程度の耐熱性を有しているが、耐薬
品性、特に油に対する耐性が低く、エンジンルームのよ
うな機械まわりで使用するコネクター用の樹脂としては
適していない。さらに、PPEは流動性が低いためにそ
の成形性にも問題がある。また。ABS樹脂は、耐熱
性、耐薬品性および剛性の点で苛酷な条件で使用される
コネクター用の樹脂としては適しておらず、さらに流動
性も低いので成形性にも問題がある。
【0006】こうした中で、ポリアミド系の樹脂は比較
的バランスのとれた樹脂である。ポリアミド系樹脂とし
ては、一般には脂肪族ポリアミドが使用されているが、
この脂肪族ポリアミドは、吸水率が高いため、このよう
な脂肪族ポリアミドで形成されたコネクターは、吸水す
ることにより寸法および電気抵抗値などが変動する。特
にコネクターに反りが生じた場合にはコネクターを装置
に組み込むことができなくなるという問題があった。
【0007】ところで、ポリアミドとして、上記のよう
な脂肪族ポリアミドの他に、芳香族ポリアミドが知られ
ている。この芳香族ポリアミドは、ジカルボン酸成分と
して芳香族ジカルボン酸を用いて、この芳香族ジカルボ
ン酸とジアミンとを重縮合させることにより得られるポ
リアミドである。
【0008】この芳香族ポリアミドは、脂肪族ポリアミ
ドとは異なり、吸水率が低いので、この芳香族ポリアミ
ドを用いることにより、上述のようなコネクターが吸水
することに伴って生ずる寸法精度の低下および電気抵抗
値の変動などの問題は解消される。
【0009】しかしながら、芳香族ポリアミドから形成
されたコネクターについてさらに詳細に検討してみる
と、このコネクターが高温に晒された場合には、芳香族
ポリアミドが熱劣化することがあり、この熱劣化に伴っ
てコネクターの靱性が低下することがある。靱性が低下
したコネクターでは、伸縮性が低くなるため、装置にス
ムースに組み込みにくいという問題を生ずる。
【0010】特に近時、コネクター等の電子部品は、赤
外線リフロー方式等でハンダ付けされて装置に組み込ま
れることが多く、加熱によりコネクターの靱性が低下す
ると、装置の組立工程における作業性の低下および耐久
性の低下を招来する。また、自動車のエンジンルーム内
のように加熱冷却が繰り返される条件下で使用される場
合には、特に靱性が低下しやすい。
【0011】こうした状況下に芳香族ポリアミドに関し
ても既に種々の改良が試みられている。このような改良
の例としては、例えば特開昭60-144362号公報等に記載
された組成物がある。これは本出願人の出願に係るもの
であり、具体的には芳香族ポリアミドと特定の変性α-
オレフィン系弾性重合体とを含む組成物である。
【0012】しかしながら、ここに開示されているポリ
アミド組成物では、一般的な溶融成形法で製造されるエ
ンジニアリングプラスチック製品を想定して耐熱性が検
討されており、自動車用のコネクターのように非常に高
い温度に晒された場合の特性については考慮されていな
い。
【0013】また、芳香族ポリアミドに脂肪族ポリアミ
ドを配合して芳香族ポリアミドが有している特性を改良
しようとする試みもなされている(例えば、本出願人の
出願に係る特開昭62-57458号公報参照)。
【0014】しかしながら、このような脂肪族ポリアミ
ドの配合によっては、芳香族ポリアミドから形成される
成形体を加熱することにより生ずる靱性の低下に関して
は、有効性が低いことが判明した。
【0015】また、従来の樹脂から形成されたコネクタ
ーの軽量化に関しては、樹脂発泡体のコネクターを用い
ること、コネクターの樹脂部分を中空にすること、樹脂
部分の薄肉化を図ることなどが検討されている。しかし
ながら、樹脂発泡体は、成形精度が高くないため、微細
な形状を有するコネクターを製造することがでず、また
樹脂部分を中空にする方法ではコネクター自体の靱性お
よび成形性が低下する。また、樹脂部分の薄肉化は既に
限界に近い状態にあり、これ以上の薄肉化は困難であ
る。
【0016】従って、コネクターの軽量化を図るために
は、比重の低い樹脂を使用する必要がある。このように
従来のコネクターにおいては、靱性、耐熱性、剛性、寸
法精度、成形性などの点において満足すべき樹脂が見出
されてはおらず、さらに従来から使用されている樹脂
は、それ自体の比重が高いので、コネクターの軽量化も
達成することは困難である。
【0017】
【発明の目的】本発明は、加熱のよる靱性が低下しにく
く、さらに衝撃強度および耐熱性に優れると共に軽量な
コネクターを提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】本発明のコネクターは、(A)テレフタ
ル酸成分単位50〜100モル%と、テレフタル酸以外
の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜50モル%および/
または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単
位0〜50モル%とからなるジカルボン酸成分単位と、
脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
成分単位からなるジアミン成分単位とからなる繰返し単
位から構成され、そして、30℃濃硫酸中で測定した極
限粘度が0.5〜3.0dl/gの範囲内にあり、かつ融点が
300℃を超える芳香族ポリアミドを65〜85重量
%、(B)グラフト変性α-オレフィン重合体および/
またはグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエ
ン共重合体またはその水素化物を5〜20重量%、
(C)脂肪族ポリアミドを1〜15重量%の範囲内の量
で含有する樹脂組成物から形成されている。
【0019】本発明のコネクターは、芳香族ポリアミ
ド、グラフト変性α-オレフィン重合体および脂肪族ポ
リアミドを特定の割合で含有する組成物から形成されて
いるため、低比重であって軽量であり、かつ非常に高い
耐熱性を有すると共に、高温に長時間晒された場合であ
っても靱性が低下しない。
【0020】
【発明の具体的説明】次に、本発明のコネクターについ
て具体的に説明する。図1、図2および図3に本発明の
コネクターの概略図を示す。
【0021】図1,2,3に示すように、本発明のコネ
クターは、基本的には、オス端子6が内蔵され角筒状部
10を有するオスハウジング1と、メス端子7が内蔵さ
れオスハウジング1の角筒状部10内に挿入して嵌合さ
れるメスハウジング2とからなっている。
【0022】オスハウジング1内では、図3に示すよう
に、オス端子6の中間部は、オス端子係止アーム4によ
り係止されており、このオス端子6の先端は角筒状部1
0内に突入されている。角筒状部10の上面には、後述
するメスハウジング2のロックアーム部3と係合・ロッ
クしてメスハウジング2の抜け防止の役割を果たす切欠
11が形成されている。さらに、図1に示すように、メ
スハウジング2のオスハウジング1への挿入時に、メス
ハウジング2を案内するための複数の案内突状12が、
角筒状部10の内側の上面および下面に形成されてい
る。
【0023】メスハウジング2内では、図3に示すよう
に、メス端子7の先端は、メス端子係止アーム5により
係止されており、オス端子6の先端を係合するように構
成されている。このメス端子7の先端とオス端子6の先
端とが係合されることにより、両者の電気的接続がなさ
れる。さらに、このメスハウジング2の上部には、上下
に弾性変形可能であるロックアーム部3が形成されてい
ると共に、このロックアーム部3に、これを押し下げる
ための押圧部3aが形成されている。このロックアーム
部3は、オスハウジング1の切欠11に係合・ロックし
てメスハウジング2の抜け防止の役割を果たすと共に、
押圧部3aが作業者等により押し下げられることによ
り、ロックアーム部3と切欠11との係合・ロックが解
除されて、コネクターが切り離されるようになってい
る。さらに、図2に示すように、メスハウジング2の上
面および下面には、オスハウジング1の案内突状12に
係合するための複数の案内溝13が形成されている。
【0024】このように構成されているため、コネクタ
ーが接続されるときには、メスハウジング2がオスハウ
ジング1の角筒状部10内に挿入して嵌合される。これ
により、ロックアーム部3が弾性変形して角筒状部10
の切欠11に係合・ロックされ、メスハウジング2がオ
スハウジング1から抜け出ることが防止される。同時
に、メス端子7の先端とオス端子6の先端とが係合され
て、両者の電気的接続がなされる。逆に、コネクターが
切り離されるときには、押圧部3aが押し下げられるこ
とにより、ロックアーム部3と切欠11との係合・ロッ
クが解除され、両ハウジング1,2の嵌合状態が解除さ
れ、これにより、メスハウジング2がオスハウジング1
から取り出される。
【0025】本発明のコネクターを形成する樹脂組成物
は、以下に示すような特定の芳香族ポリアミド(A)と
特定のグラフト変性α-オレフィン重合体(B)と脂肪
族ポリアミド(C)とからなる樹脂組成物から形成され
ている。
【0026】芳香族ポリアミド(A)は、特定のジカル
ボン酸成分単位[a]と、特定の脂肪族ジアミン成分単
位または脂環族ジアミン成分単位[b]とからなる繰返
し単位から構成されている。
【0027】このポリアミドを構成する特定のジカルボ
ン酸成分単位[a]は、必須成分単位としてテレフタル
酸成分単位(a-1)を有している。このようなテレフタル
酸成分単位(a-1)を有する繰返し単位は、次式[I−a]
で表わすことができる。
【0028】
【化1】
【0029】・・・[I−a] ただし、上記式[I−a]において、R1は、二価の炭化
水素基、好ましくは炭素原子数4〜18のアルキレン基
を表わす。
【0030】この特定のジカルボン酸成分単位[a]
は、全部が上記[I−a]で表される成分単位である必
要はなく、上記のようなテレフタル酸成分単位(a-1)の
一部が他のジカルボン酸成分単位であってもよい。
【0031】このテレフタル酸成分以外の他のカルボン
酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)と脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)と
がある。
【0032】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(a-2)の例としては、イソフタル酸成分単位、2-
メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジカルボ
ン酸成分単位を挙げることができ、このような成分単位
としては、特にイソフタル酸成分単位が好ましい。
【0033】このようなテレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(a-2)のうち、本発明において特に好
ましいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次
式[I−b]で表わすことができる。
【0034】
【化2】
【0035】・・・[I−b] ただし、上記式[I−b]において、R1は二価の炭化水
素基、好ましくは炭素原子数4〜18のアルキレン基を
表わす。
【0036】脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)は、通
常は炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアルキ
レン基を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導される。こ
のような脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を誘導する
ために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例としては、コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を
挙げることができる。
【0037】このポリアミドが脂肪族ジカルボン酸成分
単位を有する場合、このような成分単位としては、特に
アジピン酸成分単位およびセバシン酸成分単位が好まし
い。ジカルボン酸成分単位[a]を構成する他のジカル
ボン酸成分単位として、脂肪族ジカルボン酸成分単位(a
-3)を有する繰返し単位は、次式[II]で表わすことが
できる。
【0038】
【化3】
【0039】・・・[II] ただし、上記式[II]において、R1は、上記と同じ意
味であり、nは通常2〜18、好ましくは4〜10の整
数を表わす。
【0040】本発明で使用されるポリアミドを構成する
繰返し単位は、上述のようにジカルボン酸成分単位
[a]とジアミン成分単位[b]とから形成されてい
る。ここでジアミン成分単位[b]は、炭素原子数4〜
18の脂肪族アルキレンジアミンおよび脂環族ジアミン
から誘導することができる。
【0041】このような脂肪族アルキレンジアミン成分
の具体的な例としては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジア
ミノヘキサン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7
-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジア
ミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウン
デカンおよび1,12-ジアミノドデカンを挙げることがで
きる。また、脂環族ジアミン成分の具体的な例として
は、ジアミノシクロヘキサンを挙げることができる。
【0042】特に本発明においてジアミン成分単位とし
ては、直鎖脂肪族アルキレンジアミンから誘導された成
分単位が好ましく、このような直鎖脂肪族アルキレンジ
アミンとしては、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカ
ンおよびこれらの混合物が好ましい。さらに、これらの
中でも、1,6-ジアミノヘキサンが特に好ましい。
【0043】本発明で使用される芳香族ポリアミド
(A)を構成する全ジカルボン酸成分(100モル%)
中におけるテレフタル酸成分単位(a-1)の含有率は50
〜100モル%であり、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(a-2)の含有率は0〜50モル%であ
り、そして、脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)の含有
率は0〜50モル%である。
【0044】なお、上記ポリアミドは、ジカルボン酸成
分単位として、上記の主成分単位であるテレフタル酸成
分単位、さらにイソフタル酸成分単位に代表されるテレ
フタル酸以外の二価の芳香族カルボン酸から誘導される
成分単位および上述の脂肪族ジカルボン酸成分単位を有
する繰返し単位の外に、少量のトリメリット酸あるいは
ピロメリット酸のような三塩基性以上の多価カルボン酸
から誘導される成分単位を含有していてもよい。芳香族
ポリアミド(A)中に、このような多価カルボン酸から
誘導される成分単位は、通常は0〜5モル%含有されて
いる。
【0045】さらに芳香族ポリアミド(A)は、前記式
[I-a]で表わされる繰返し単位を主な繰返し単位とす
る芳香族ポリアミドと、前記式[I-b]表わされる繰返
し単位を主な繰返し単位とする芳香族ポリアミドとから
なる混合物であってもよい。この場合、式[I-a]で表
わされる繰返し単位を主な繰返し単位とする芳香族ポリ
アミドの含有率は、通常は50重量%以上、好ましくは
60重量%以上である。
【0046】本発明で使用される芳香族ポリアミド
(A)について、濃硫酸中30℃の温度で測定した極限
粘度[η]は、通常は0.5〜3.0 dl/g、好ましくは
0.5〜2.8 dl/g、特に好ましくは0.6〜2.5 dl/g
の範囲にある。本発明で使用される芳香族ポリアミドの
アミノ基含有量(メタクレゾール溶液中でパラトルエン
スルホン酸を用いて中和滴定により測定した値)は、通
常は0.04〜0.2ミリ当量/g、好ましくは0.0
45〜0.15ミリ当量/g、特に好ましくは0.5〜
0.1ミリ当量/gの範囲内にある。
【0047】本発明で使用される芳香族ポリアミド
(A)は、従来から使用されている脂肪族ポリアミドよ
りも高い融点を示す。すなわち本発明で使用される芳香
族ポリアミド(A)は300℃を超える融点を有してお
り、この融点が好ましくは305〜340℃の範囲内、
さらに好ましくは310〜340℃の範囲内にある芳香
族ポリアミドが特に優れた耐熱性を有している。さら
に、芳香族ポリアミド(A)の非晶部におけるガラス転
移温度は通常は80℃以上である。
【0048】融点および非晶部のガラス転移温度が上記
の範囲内にある芳香族ポリアミドを使用することによ
り、コネクターが高温に晒される場合であっても、この
樹脂が溶融状態になることがない。さらに上記のような
芳香族ポリアミドは成形性に優れているため、この芳香
族ポリアミドを用いることにより、コネクターの製造が
容易になる。また、この芳香族ポリアミド(A)は、非
晶部におけるガラス転移温度が80℃以上であるので、
高温に晒された場合であってもクラック等が発生しにく
い。
【0049】この芳香族ポリアミドは、特定の構造を有
するため、従来の脂肪族ポリアミドの問題点とされてい
た吸水性に関しても低い値を示す。上記のような芳香族
ポリアミドは良好な耐熱性と低吸水性を有しているが、
脂肪族ポリアミドと比べると、その靱性が低い傾向があ
ることがわかった。すなわち、成形体の伸びが不充分で
あったり脆いという問題を生ずる。特に自動車部品は信
頼性の要求レベルが高く芳香族ポリアミドの靱性向上は
重要な課題である。
【0050】本発明のコネクターを形成する樹脂組成物
は、グラフト変性α-オレフィンランダム弾性共重合体
および/またはグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・
共役ジエン共重合体またはその水素化物(B)を含有し
ている。
【0051】本発明で使用されるグラフト変性α-オレ
フィンランダム弾性共重合体は、異なるα-オレフィン
から誘導される二種類の繰返し単位がランダムに配置さ
れた共重合体のグラフト変性物である。
【0052】このグラフト変性α-オレフィンランダム
弾性共重合体は、低結晶性乃至非晶性の共重合体であ
り、実質的に非晶性であることが好ましい。すなわち、
X線回折法により測定した結晶化度が10%以下、好ま
しくは5%以下であり、特に好ましくは0%である。従
って、このグラフト変性α-オレフィンランダム弾性共
重合体には、明確な融点を示さないものが多い。さら
に、このように結晶化度が低いため、このグラフト変性
α-オレフィンランダム弾性共重合体は軟質であり、こ
の弾性共重合体の引張りモジュラスは、通常は0.1kg/
cm2以上20000kg/cm2未満、好ましくは1kg/cm2
15000kg/cm2の範囲内にある。
【0053】また、このグラフト変性α-オレフィンラ
ンダム弾性共重合体のメルトインデックス(190℃で
測定)は、通常は0.1〜30g/10分、好ましくは1.
0〜20g/10分、特に好ましくは2.0〜15g/10分
の範囲内にある。さらに、GPCにより測定したMw/
Mnの値は、通常は5.5以下、好ましくは4.5以下、
特に好ましくは3.5以下である。
【0054】さらに、このグラフト変性α-オレフィン
ランダム弾性共重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常
は−150〜+50℃、好ましくは−80〜−20℃の
範囲内にあり、このグラフト変性α-オレフィンランダ
ム弾性共重合体の135℃、デカリン中で測定した極限
粘度[η]は、通常は0.2〜10dl/g、好ましくは1
〜5dl/gの範囲内にある。またその密度は、通常は0.
82〜0.96g/cm3、好ましくは0.84〜0.92g/cm
3の範囲内にある。
【0055】こうした特性を有するグラフト変性α-オ
レフィンランダム弾性共重合体の具体的な例としては、
エチレンをベースモノマーとして調製されるグラフト変
性エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム(i)と、プロピ
レンをベースモノマーとして調製されるグラフト変性プ
ロピレン・α-オレフィン共重合体ゴム(ii)とを挙げる
ことができる。
【0056】このようなグラフト変性α-オレフィンラ
ンダム弾性共重合体について、その代表的な例である
(i)グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体ゴ
ム、および(ii)グラフト変性プロピレン・α-オレフィ
ン共重合体ゴムを例にしてさらに詳しく説明する。
【0057】上記のグラフト変性エチレン・α-オレフ
ィン共重合体ゴム(i)を構成するα-オレフィンとして
は、通常は炭素原子数3〜20のα-オレフィンが使用
される。このα-オレフィンの例としては、プロピレ
ン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペン
テン-1、オクテン-1、デセン-1およびこれらの混合物を
挙げることができる。このうち特にプロピレンおよび/
またはブテン-1が好ましい。
【0058】またグラフト変性プロピレン・α-オレフ
ィン共重合体ゴム(ii)を構成するα-オレフィンとして
は、通常は炭素原子数4〜20のα-オレフィンが使用
される。このα-オレフィンの例としては、ブテン-1、
ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテ
ン-1、デセン-1およびこれらの混合物を挙げることがで
きる。このうち特にブテン-1が好ましい。
【0059】上記のようなグラフト変性エチレン・α-
オレフィン共重合体ゴム(i)においては、エチレンとα-
オレフィンとのモル比(エチレン/α-オレフィン)
は、α-オレフィンの種類によっても異なるが、一般に
は10/90〜99/1、好ましくは50/50〜95
/5である。上記モル比は、α-オレフィンがプロピレ
ンである場合には、50/50〜90/10であること
が好ましく、α-オレフィンが炭素原子数4以上のα-オ
レフィンである場合には80/20〜95/5であるこ
とが好ましい。
【0060】このようなグラフト変性エチレン・α-オ
レフィン共重合体ゴム(i)を形成するエチレン・α-オレ
フィン共重合体の例としては、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・4-メ
チルペンテン-1共重合体、エチレン・ヘキセン-1共重合
体、エチレン・オクテン-1共重合体およびエチレン・デ
セン-1共重合体のような2成分系の共重合体;エチレン
・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・
プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン
・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合
体、エチレン・プロピレン・2,5-ノルボルナジエン共重
合体、エチレン・ブテン-1・ジシクロペンタジエン共重
合体、エチレン・ブテン-1・1,4-ヘキサジエン共重合体
およびエチレン・ブテン-1・5-エチリデン-2-ノルボル
ネン共重合体のような多成分系の共重合体を挙げること
ができる。
【0061】また、グラフト変性プロピレン・α-オレ
フィン共重合体ゴム(ii)においては、プロピレンとα-
オレフィンとのモル比(プロピレン/α-オレフィン)
は、α-オレフィンの種類によっても異なるが、50/
50〜95/5であることが好ましい。上記モル比は、
α-オレフィンが1-ブテンである場合には、50/50
〜90/10であることが好ましく、α-オレフィンが
炭素数5以上のα-オレフィンである場合には80/2
0〜95/5であることが好ましい。
【0062】このα-オレフィンランダム共重合体は、
上記多成分系の共重合体の例で示したように、α-オレ
フィンランダム弾性共重合体の特性を損なわない範囲内
で、ジエン化合物から誘導される成分単位等のようなα
-オレフィンから誘導される成分単位以外の成分単位を
含んでいてもよい。
【0063】このα-オレフィンランダム弾性共重合体
に含まれることが許容される成分単位としては、例え
ば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-
1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよび7
-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役ジエンか
ら誘導される成分単位;シクロヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニル
ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチ
レン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボル
ネンおよび6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボ
ルネンのような環状非共役ジエンから誘導される成分単
位;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチ
リデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-プ
ロペニル-2,2-ノルボルナジエン等のジエン化合物から
誘導される成分単位;並びに、環状オレフィンから誘導
される成分単位を挙げることができる。このα-オレフ
ィンランダム弾性共重合体中における上記のようなジエ
ン成分単位の含有率は、通常は10モル%以下、好まし
くは5モル%以下である。
【0064】本発明で使用されるグラフト変性α-オレ
フィンランダム弾性共重合体は、上記のような未変性の
α-オレフィンランダム弾性共重合体を不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸無水物、あるいは不飽和カルボン
酸誘導体を用いてグラフト変性することにより製造され
る。
【0065】ここで使用される不飽和カルボン酸の例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリ
ル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタ
ル酸、エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-
ジカルボン酸(ナジック酸TM)およびメチル-エンドシ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-ジカルボン酸
(メチルナジック酸TM)を挙げることができる。また、
不飽和カルボン酸無水物の好適な例としては、無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸および無水
メチルナジック酸を挙げることができる。さらに、不飽
和カルボン酸誘導体としては、上記の不飽和カルボン酸
の酸ハライド化合物(例:塩化マレイル)、イミド化合
物(例:マレイミド)、エステル化合物(例:マレイン酸
モノメチル、マレイン酸ジメチルおよびグリシジルマレ
エート)を挙げることができる。
【0066】上記のグラフト変性剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。このようなグラフト
変性剤のうちでは、不飽和カルボン酸無水物を使用する
ことが好ましく、無水マレイン酸または無水ナジック酸
が特に好ましい。
【0067】上記のような未変性のα-オレフィンラン
ダム弾性共重合体にグラフト変性剤をグラフト重合させ
る方法の例としては、α-オレフィンランダム弾性共重
合体を溶媒に懸濁もしくは溶解させて、この懸濁液もし
くは溶液にグラフト変性剤を添加してグラフト反応させ
る方法(溶液法)、および、α-オレフィンランダム弾
性共重合体とグラフト変性剤との混合物を溶融させなが
らグラフト反応させる方法(溶融法)等を挙げることが
できる。
【0068】なお、上記グラフト変性α-オレフィンラ
ンダム弾性共重合体および後述のグラフト変性芳香族ビ
ニル系炭化水素・共役ジエン共重合体または水素化物
(B)は、所望の変性率になるように未変性重合体と変
性剤との量などを調整して製造されたグラフト変性物で
あってもよいし、予め高グラフト率の変性物を調製した
後所望のグラフト率になるように未変性重合体で希釈し
たグラフト変性物であってもよい。
【0069】このようなグラフト反応において、グラフ
ト変性剤は、その反応性を考慮して使用量が設定される
が、一般には、未変性のα-オレフィンランダム弾性共
重合体100重量部に対して、1〜10重量部の範囲内
の量で使用される。
【0070】こうしてグラフト反応を行うことにより、
未反応のα-オレフィンランダム弾性共重合体100重
量部あたり、グラフト変性剤が通常は0.01〜10重
量部、好ましくは0.05〜5重量部の割合でグラフト
変性剤がグラフト重合したグラフト変性α-オレフィン
ランダム弾性共重合体を得ることができる。
【0071】このようなグラフト反応を行う際には、ラ
ジカル開始剤を使用することにより、グラフト効率を向
上させることができる。ここで使用されるラジカル開始
剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステルおよ
びアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用すること
ができる。ラジカル開始剤を使用する場合に、この使用
量は未変性のα-オレフィンランダム弾性共重合体10
0重量部に対して、通常は0.01〜20重量部であ
る。
【0072】上記のようなグラフト変性α-オレフィン
ランダム弾性共重合体の中でも、エチレン含有量35〜
50モル%であり実質的に非晶性のグラフト変性エチレ
ン・プロピレンランダム共重合体ゴム若しくはグラフト
変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体ゴムを
使用することにより、コネクターの熱劣化による靱性の
低下を効率的に抑制することができる。
【0073】本発明において、組成物を形成するグラフ
ト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体ま
たはその水素化物は、芳香族ビニル系炭化水素と共役ジ
エン系化合物とのランダム共重合体あるいはブロック共
重合体のグラフト変性物であり、さらに本発明において
はこれらの共重合体の水素化物のグラフト変性物を使用
することもできる。
【0074】ここで変性物の調製に使用される芳香族ビ
ニル系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化
物の具体的な例としては、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合
体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体、水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブ
ロック共重合体ゴムおよびスチレン・ブタジエンランダ
ム共重合体ゴム等を挙げることができる。ここで水素添
加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴム中に残存
する二重結合の一部または全部を水素化した共重合体で
ある。
【0075】これらの共重合体中において、芳香族ビニ
ル系炭化水素から誘導される繰返し単位と共役ジエンか
ら誘導される繰返し単位とのモル比(芳香族ビニル炭化
水素/共役ジエン)は、通常は10/90〜70/30
である。
【0076】この芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン
共重合体またはその水添物について135℃のデカリン
中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10
dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲内にあり、ガ
ラス転移温度(Tg)は、通常は0℃以下、好ましくは
−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。ま
た、X線回折法により測定した結晶化度は0〜10%、
好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲内
にある。
【0077】本発明で使用されるグラフト変性芳香族ビ
ニル系炭化水素・共役ジエン共重合体は、上記のような
未変性の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体
を、上記グラフト変性α-オレフィンランダム弾性共重
合体の製造方法と同様に、不飽和カルボン酸、不飽和カ
ルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体を用い
てグラフト変性することにより製造される。
【0078】ここで使用される不飽和カルボン酸、不飽
和カルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体の
例としては、上記グラフト変性α-オレフィンランダム
弾性共重合体を製造する際に使用される化合物を挙げる
ことができ、このようなグラフト変性剤は、単独である
いは組み合わせて使用することができる。
【0079】このようなグラフト変性剤のうちでは、不
飽和カルボン酸無水物を使用することが好ましく、無水
マレイン酸または無水ナジック酸が特に好ましい。上記
のような未変性の共重合体またはその水素化物にこのよ
うなグラフト変性剤をグラフト重合させるには、上記α
-オレフィンランダム弾性共重合体の変性の際に説明し
た溶液法および溶融法等の方法を採用することができ
る。
【0080】グラフト反応において、グラフト変性剤
は、その反応性を考慮して使用量が設定されるが、一般
には、未変性の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共
重合体または水素化物100重量部に対して、1〜10
重量部の割合で使用される。グラフト反応を行う際に
は、上記と同様に有機ペルオキシド、有機ペルエステル
およびアゾ化合物などのラジカル開始剤を使用すること
ができる。
【0081】こうしてグラフト反応を行うことにより、
未反応の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体
または水素化物100重量部あたり、グラフト変性剤が
通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部の割合でグラフト重合したグラフト変性芳香族ビニ
ル系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物
を得ることができる。
【0082】こうして得られたグラフト変性芳香族ビニ
ル系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物
は、低結晶性乃至非晶性の共重合体であり、実質的に非
晶性であることが好ましい。すなわち、X線回折法によ
り測定した結晶化度が10%以下、好ましくは7%以下
であり、特に好ましくは5%以下のグラフト変性共重合
体が使用され、さらに結晶化度が実質的に0%であるグ
ラフト変性共重合体が好ましく使用される。従って、こ
のグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共
重合体またはその水素化物には、明確な融点を示さない
ものが多い。さらに、このように結晶化度が低いため、
このグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン
共重合体またはその水素化物は軟質であり、引張りモジ
ュラスは、通常は0.1kg/cm2以上20000kg/cm2
未満、好ましくは1kg/cm2〜15000kg/cm2の範囲
内にある。
【0083】また、このグラフト変性芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物のメル
トインデックス(190℃で測定測定した値)は、通常
は0.1〜30g/10分、好ましくは1.0〜20g/10
分、特に好ましくは2.0〜15g/10分の範囲内にあ
る。
【0084】さらに、このグラフト変性芳香族ビニル系
炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物のガ
ラス転移温度(Tg)は、通常は−150〜+50℃、好
ましくは−80〜−20℃の範囲内にあり、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.0
1〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。
【0085】上記のようなグラフト変性芳香族ビニル系
炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物を使
用することにより、熱劣化によるコネクターの靱性の低
下を効率的に抑制することができる。
【0086】本発明においてグラフト変性α-オレフィ
ンランダム共重合およびグラフト変性芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物(B)
は、単独で使用することもできるし、組み合わせて使用
することもできる。
【0087】上記のグラフト変性α-オレフィンランダ
ム共重合体および/またはグラフト変性芳香族ビニル系
炭化水素・共役ジエン共重合体または水素化物(B)
は、これらの樹脂の特性を損なわない範囲内で上記のグ
ラフト変性重合体が他の重合体あるいは共重合体を含ん
でいてもよい。
【0088】本発明で使用される樹脂組成物には、上記
のような芳香族ポリアミド(A)およびグラフト変性共
重合体(B)に、さらに脂肪族ポリアミド(C)が配合
されている。
【0089】ここで使用される樹脂組成物に配合される
脂肪族ポリアミド(C)としては、脂肪族ジカルボン酸
と脂肪族ジアミンとの重縮合により形成されるポリアミ
ド、ラクタム類の開環重合により形成されるポリアミド
および脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとラクタム
類とから形成されるポリアミドが挙げられる。
【0090】このようなポリアミドは、一般に次式で表
される構造を有している。 −CH2−CONH−CH2− 脂肪族ポリアミドの具体的な例としては、ポリテトラメ
チレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポ
リヘキサメチレンスペラミド、ポリヘキサメチレンセバ
カミド、ポリヘキサメチレンウンデカンアミド、ポリヘ
キサメチレンドデカンアミドのような脂肪族ジアミンと
脂肪族ジカルボン酸とから形成されるポリアミド;なら
びに、ポリカプロラクタム、ポリウンデカンアミドおよ
びポリドデカンアミドのようなラクタム類またはアミノ
カルボン酸から形成されるポリアミドを挙げることがで
きる。
【0091】本発明においては、上記脂肪族ポリアミド
のうちでは、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレン
アジパミド、ポリヘキサメチレンスペラミド、ポリウン
デカンアミドおよびポリドデカンアミドのいずれかを使
用することが好ましい。
【0092】さらに、このような脂肪族ポリアミド
(C)の極限粘度[η](30℃の濃硫酸中で測定した
値)は、通常は0.3〜4dl/g、好ましくは0.4〜3dl
/gの範囲内にある。
【0093】本発明のコネクターの製造に使用される樹
脂組成物は、上記のように芳香族ポリアミド(A)、グ
ラフト変性共重合体(B)および脂肪族ポリアミド
(C)からなるが、さらにこの組成物にグラフト変性結
晶性ポリオレフィン(D)を配合することができる。
【0094】本発明で使用されるグラフト変性結晶性ポ
リオレフィンは、結晶性ポリオレフィンをグラフト変性
剤で変性することにより調製される。ここで使用される
ポリオレフィンは、結晶性を有しており、X線回折法に
より測定される結晶化度は通常は20%以上、好ましく
は30〜80%の範囲内にある。また、この結晶性ポリ
オレフィンの135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常は0.1〜30dl/g、好ましくは1〜2
0dl/g、特に好ましくは1.5〜15dl/gの範囲内にあ
る。この結晶性ポリオレフィンとしては、引張弾性率が
通常は2000kg/cm2を超えるポリオレフィン、好まし
くは3000〜30000kg/cm2の範囲内にあるポリオ
レフィンが使用される。
【0095】このような結晶性ポリオレフィンの例とし
ては、炭素原子数2〜20のα-オレフィンの単独重合
体およびこれらのα-オレフィンの共重合体を挙げるこ
とができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)お
よび超低密度線状ポリエチレン(VLDPE)などを挙
げることができる。このようなポリオレフィンは比較的
高い結晶性を有している。
【0096】このような結晶性ポリオレフィンを上記グ
ラフト変性α-オレフィンランダム弾性共重合体を変性
する方法と同様にしてグラフト変性することによりグラ
フト変性結晶性ポリオレフィンを得ることができる。
【0097】本発明のコネクターを製造する際に使用さ
れる樹脂組成物は、上記のような芳香族ポリアミド
(A)を65〜85重量%、好ましくは70〜80重量
%の範囲内の量で、グラフト共重合体(B)を5〜20
重量%、好ましくは10〜15重量%の範囲内の量で、
そして脂肪族ポリアミド(C)を1〜15重量%、好ま
しくは5〜10重量%の範囲内の量で含有しており、さ
らに必要によりグラフト変性結晶性ポリオレフィン
(D)を1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の
量で含有している。なお、本発明において、上記芳香族
ポリアミド(A)、グラフト共重合体(B)、脂肪族ポ
リアミド(C)、さらに必要により配合されるグラフト
変性結晶性ポリオレフィン(D)の合計は100重量%
である。
【0098】上記のような組成を有する樹脂組成物の熱
変形温度(加熱撓み温度、荷重:18.6Kgで測定した
値)は通常は70〜150℃、好ましくは80〜120
℃の範囲内にあり、熱可塑性でありながら非常に高い耐
熱性を示す。
【0099】また、この樹脂の比重は通常は1.05〜
1.12、好ましくは1.08〜1.10程度であり、
コネクターを製造する際の樹脂として比較的広汎に使用
されているポリブチレンテレフタレートが1.31程
度、ナイロン66が1.14程度であることと比較する
と上記のような樹脂組成物を使用することによりコネク
ターの軽量化を図ることができる。
【0100】上記のような組成を有する樹脂組成物にリ
ン系酸化防止剤(E)を配合することにより、コネクタ
ーの耐熱性がさらに向上する。一般に、樹脂に配合され
る酸化防止剤として、リン系酸化防止剤、フェノール系
酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤
および脂肪族カルボン酸系の安定剤などが知られている
が、本発明においては、これらの種々の酸化防止剤等の
中で特にリン系酸化防止剤を使用することにより、特に
成形体の耐衝撃性が向上する。
【0101】本発明のコネクターの調製に使用される樹
脂組成物に配合されるリン系酸化防止剤(E)の例とし
ては、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナント
レン-10-オキシド、トリフェニルホスファイト、2-エチ
ルヘキシル酸ホスフェート、ジラウリルホスファイト、
トリ-iso-オクチルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-
ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファ
イト、トリラウリル-ジ-チオフォスファイト、トリラウ
リル-トリ-チオホスファイト、トリスノニルフェニルホ
スファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホス
ファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリオ
クタデシルホスファイト、1,1,3-トリス(2-メチル-ジ-
トリデシルホスファイト-5-tert-ブチルフェニル)ブタ
ン、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチル)ト
リデシルホスファイト、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチ
ル-6-tert-ブチル-ジ-トリデシル)ホスファイト、ビス
(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-
ジ-ホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチル
フェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、テ
トラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4'-ビスフェ
ニレンジホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリ
ステアリルホスファイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t
ert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ソルビッ
ト-トリス-ホスファイト-ジステアリル-モノ-C30-ジオ
ールエステルおよびビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げるこ
とができる。これらの中でもビス(2,4-ジ-tert-ブチル
フェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイトおよ
びビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタ
エリスリトール-ジ-ホスファイトなどのペンタエリスリ
トール-ジ-ホスファイト系のリン系酸化防止剤、並び
に、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4'-ビ
スフェニレンジホスフォナイトを配合することにより成
形体の耐熱性が向上する。
【0102】このリン系酸化防止剤は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。このリン系酸化防止
剤(E)は、(A)成分、(B)成分および(C)成
分、さらに必要により配合される(D)成分の合計重量
100重量部に対して、0.05〜2重量部の量で使用
される。特にこのリン系酸化防止剤を0.1〜1.5重
量部の範囲内の量で使用することが好ましく、0.2〜
1.0重量部の範囲内の量で使用することが特に好まし
い。
【0103】この樹脂組成物には、上記のリン系酸化防
止剤(E)に加えて、他の酸化防止剤を併用することが
できる。リン系酸化防止剤(E)と共に使用できる酸化
防止剤の例としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ
系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤を挙げることが
できる。
【0104】ここで使用されるフェノール系酸化防止剤
の例としては、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒ
ドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニル]-1,1-ジメ
チルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,4,6-ト
リ-tert-ブチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4'-ヒ
ドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピオ
ネート、スチレン化フェノール、4-ヒドロキシ-メチル-
2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチル-
ハイドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒ
ドロキシアニゾール、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6
-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(4-エ
チル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-イソ-プロピリ
デンビスフェノール、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-
6-tert-ブチルフェノール)、1,1-ビス-(4-ヒドロオキシ
-フェニル)シクロヘキサン、4,4'-メチレン-ビス-(2,6-
ジ-tert-ブチルフェノール)、2,6-ビス(2'-ヒドロオキ
シ-3'-tert-ブチル-5'-メチルメチルベンジル)4-メチル
-フェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロオキシ-
5-tert-ブチル-フェニル)ブタン、1,3,5-トリス-メチル
-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロオキシ-ベ
ンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-te
rt-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)プロピオネート]
メタン、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロオキシフ
ェニル)イソシアヌレート、トリス[β-(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル-オキシエ
チル]イソシアネート、4,4'-チオビス(3-メチル-6-ter
t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-tert
-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-tert-
ブチルフェノール)およびN,N'-ヘキサメチレンビス(3,5
-ジ-tert-ブチルフェノール-4-ヒドロキシシンナムアミ
ド)挙げることができる。
【0105】また、アミン系酸化防止剤の例としては、
4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、フェニル-α-ナフチルアミン、フェニル-β-ナフチ
ルアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,
N'-ジ-β-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘ
キシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニ
ル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、アルドー
ル-α-ナフチルアミン、2,2,4,-トリメチル-1,2-ジハイ
ドロキノンのポリマーおよび6-エトキシ-2,2,4-トリメ
チル-1,2-ジヒドロキノリンを挙げることができる。
【0106】さらに、イオウ系酸化防止剤の例として
は、チオビス(β-ナフトール)、チオビス(N-フェニル-
β-ナフチルアミン)、2-メルカプトベンゾチアゾール、
2-メルカプトベンゾイミダゾール、ドデシルメルカプタ
ン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメ
チルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオ
カルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、ジ
ラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオ
ジプロピオネートを挙げることできる。
【0107】これらの他の酸化防止剤は、単独であるい
は組み合わせて使用することができる。これらの他の酸
化防止剤の中でも特にフェノール系酸化防止剤および/
またはアミン系酸化防止剤を併用することが好ましい。
【0108】これらの他の酸化防止剤は、(A)成分、
(B)成分および(C)成分の合計重量100重量部に
対して、通常は2重量部以下の量で、好ましくは0.1
〜1.0重量部の範囲内の量で使用される。
【0109】本発明で使用される樹脂組成物には、さら
にその特性を損なわない範囲内で、無機充填剤、有機充
填剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリップ
防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、
染料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤が配合
されていてもよい。
【0110】たとえば、無機充填剤として使用される繊
維の好適な例としては、ガラス繊維、炭素繊維およびホ
ウ素繊維を挙げることができる。このような繊維状の充
填剤としては特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を
使用することにより、組成物の成形性が向上すると共
に、コネクターの引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等
の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上す
る。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、
0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、
アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは3
0〜600の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比
がこのような範囲内にあるガラス繊維を使用することが
好ましい。このようなガラス繊維は、樹脂成分100重
量部に対して、通常200重量部以下の量で、好ましく
は5〜180重量部の量で、さらに好ましくは5〜15
0重量部の量で配合される。
【0111】上記の無機繊維状充填材の他、本発明にお
いては、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、マット
状等の形状を有する種々の充填材を使用することができ
る。このような充填材の例としては、シリカ、シリカア
ルミナ、アルミナ、二酸化チタン、タルク、ケイソウ
土、クレー、カオリン、ガラス、マイカ、セッコウ、ベ
ンガラおよび酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の無機化
合物、チタン酸カリウムなどの針状の無機化合物、ポリ
パラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレン
テレフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミ
ド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ジアミノジ
フェニルエーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)との
縮合物およびパラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物など
の全芳香族ポリアミド;ジアミノジフェニルエーテルと
無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸との縮合
物などの全芳香族ポリアミドイミド;全芳香族ポリエス
テル、全芳香族ポリイミド、ポリベンツイミダゾールお
よびポリイミダゾフェナントロリンなどの複素環含有化
合物;並びに、ポリテトラフルオロエチレンなどから形
成されている粉状、板状、繊維状あるいはクロス状物な
どの二次加工品などを挙げることができる。
【0112】これらの充填材の中でも、粉末状の充填
材、特にタルクを使用することが好ましい。これらの充
填材は、2種以上混合して使用することもできる。ま
た、これらの充填材をシランカップリング剤あるいはチ
タンカップリング剤などで処理して使用することもでき
る。なお、このような粉末状の充填材の平均粒径は、通
常0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲
内にある。
【0113】このような粉末状の充填材は、組成物中の
樹脂成分100重量部に対して、通常200重量部以下
の量で、好ましくは100重量部以下の量で、特に好ま
しくは0.5〜50重量部の量で使用される。
【0114】また、この組成物にはその特性を損なわな
い範囲内で、耐熱性樹脂を配合することもできる。この
ような耐熱性熱可塑性樹脂の例としては、PPS(ポリ
フェニレンスルフィド)、PPE(ポリフェニレンエー
テル)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PEI
(ポリエーテルイミド)およびLCP(液晶ポリマー)
などを挙げることができ、さらにこれらの樹脂の変性物
を挙げることができる。特に本発明においてはポリフェ
ニレンスルフィドが好ましい。このような耐熱性熱可塑
性樹脂の含有率は、通常は50重量%未満、好ましくは
0〜40重量%である。
【0115】本発明のコネクターを製造するに際して
は、まず、上記芳香族ポリアミド(A)とグラフト変性
共重合体(B)と脂肪族ポリアミド(C)、さらに必要
により配合されるグラフト変性結晶性ポリオレフィン
(D)およびリン系酸化防止剤(E)等とを混合して溶
融して樹脂組成物を調製する。この際、押出し機、ニー
ダーなどのような通常の混練装置を用いることができ
る。
【0116】このようにして混練することにより、通常
の場合、芳香族ポリアミド(A)中にグラフト変性共重
合体(B)および脂肪族ポリアミド(C)が微細に分散
した状態になる。所謂ポリマーアロイを形成する。
【0117】こうして得られた樹脂組成物を用いて、従
来から採用されている方法、例えば射出成形法などを採
用して図1〜図3に示すようなコネクター本体を製造す
ることができる。
【0118】このような本発明のコネクターは、従来の
コネクターとして使用することができるほか、特に自動
車のエンジンルーム内のような加熱冷却が繰り返される
条件下で使用されるコネクターとして好適である。
【0119】すなわち、本発明のコネクターは、優れた
耐熱性を有していることは勿論、このコネクターを一旦
加熱した後の靱性の低下が少ない。例えば、自動車のエ
ンジンルーム内で使用されるような場合には、従来のコ
ネクターは、加熱により靱性が低下し、コネクターの耐
久性が低下する。本発明のコネクターは、上記のような
靱性の低下が少なく、加熱によっても必要な伸び率が保
持される。
【0120】また、近時、このようなコネクターが備え
られた電子部品は、赤外線リフロー方式などでハンダ付
けされることが多くなってきており、従来のコネクター
は、赤外線リフローなどによる加熱によってコネクター
の靱性が低下することがある。靱性の低下に伴って、コ
ネクターの伸び率が低下するため、コネクター相互の接
続作業(はめ込み作業)が円滑に行えないことがある
が、本発明のコネクターを使用することにより、コネク
ター相互の接続作業を容易に行うことができ、耐久性も
向上する。
【0121】
【発明の効果】本発明のコネクターは、芳香族ポリアミ
ド、グラフト変性α-オレフィン重合体および脂肪族ポ
リアミドを特定の割合で含有する組成物から形成されて
いるため、非常に高い耐熱性を有すると共に、高温に長
時間晒された場合であっても靱性が低下しない。
【0122】さらに、本発明のコネクターを形成してい
る樹脂組成物は、従来のコネクターを形成している樹脂
よりも比重が低いことから、コネクターの軽量化を図る
ことができる。
【0123】また、本発明のコネクターを形成している
樹脂は吸水率が低くいと共に耐薬品性にも優れているの
で、コネクターが水と接触する場合であっても高い寸法
安定性を有している。特に自動車のエンジンルームで
は、潤滑油等との接触は勿論、路面凍結防止の為に散布
される凍結防止剤(塩化カリウム等)との接触によって
もクラックなどが発生しにくい。
【0124】また、本発明で使用される樹脂組成物は、
流動性が良好であるので、成形体製造のサイクルを短く
することができ、本発明のコネクターは生産性も良好で
ある。
【0125】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。
【0126】
【合成例1】以下に記載するようにして3種類の芳香族
ポリアミド(ポリアミドA、ポリアミドB、ポリアミド
C)を調製した。
【0127】芳香族ポリアミドAの調製 1,6-ジアミノヘキサン255.6g(2.2モル)、テ
レフタル酸201g(1.2モル)およびアジピン酸1
44.7g(0.99モル)と、触媒として次亜リン酸
ナトリウム0.45g(4.25×10-3モル)と、イオ
ン交換水148mlとを1リットルの反応器に仕込み、窒
素置換後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応
を行った。テレフタル酸とアジピン酸とのモル比は5
5:45である。
【0128】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度(30℃
濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.15dl/gのポ
リアミド前駆体545gを得た。
【0129】次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドAの組成は次の通りである。
【0130】ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタ
ル酸成分単位含有率は、55モル%、イソフタル酸成分
単位含有率は、45モル%である。また、この芳香族ポ
リアミドの物性は次の通りである。 極限粘度(30℃濃硫酸中で測定)・・・1.04dl/g、 融点 ・・・312℃ ガラス転移温度 ・・・80℃
【0131】
【合成例2】以下に記載するようにして2種類の変性
(共)重合体(変性弾性共重合体a、変性弾性共重合体
b)を得た。
【0132】変性共重合体ゴムaの調製 エチレンとプロピレンとが81:19のモル比で共重合
しているエチレン・プロピレン共重合体ゴムを常法に従
って製造した。この共重合体について135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]は2.19dl/gである。
【0133】常法に従って、このエチレン・プロピレン
共重合体ゴムと無水マレイン酸と反応させて、無水マレ
イン酸グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体ゴム
を得た。無水マレイン酸のグラフト量は0.77重量%
であった。
【0134】変性共重合体ゴムbの調製 スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体に水
素添加することにより得られる水素化スチレン・ブタジ
エン・スチレンブロックコポリマー(スチレン含量29
重量%、シェル化学(株)製:商品名クレイトンG)と無
水マレイン酸とを共重合体反応させて、無水マレイン酸
グラフト変性水素化スチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロックコポリマーを得た。無水マレイン酸のグラフト量
は1.94重量%であった。
【0135】
【合成例3】市販の脂肪族ポリアミド(ナイロン)とし
て、ナイロン11(NY11、東レ(株)製、商品名:リ
ルサンBMNO)を用意した。
【0136】
【合成例4】グラフト変性結晶性ポリエチレン(イ)の合
ポリエチレン(極限粘度[η]:3.74dl/g、結晶化
度:60%)100重量部に対して無水マレイン酸1重
量部を配合して常法に従って反応させて無水マレイン酸
変性エチレン(イ)を得た。
【0137】この無水マレイン酸変性エチレン(イ)のグ
ラフト量は1.0重量%であった。
【0138】
【実施例1】上記合成例1で調製した芳香族ポリアミド
A75重量部と、合成例2に記載したグラフト変性共重
合体(a)10重量部、合成例3に記載したナイロン1
1(NY11)5重量部と、合成例4で調製したグラフ
ト変性結晶性ポリエチレン(イ)10重量部とを混合し、
この混合物100重量部に対してリン系酸化防止剤(イ
ルガノックス/EPQ)0.5重量部を加えて二軸押出
機(池貝鉄鋼(株)製、PCM45)のホッパーに一括投
入してシリンダー温度を320℃に設定して混練し、さ
らにペレタイズした。
【0139】こうして得られたペレットを射出成形機を
用いて、図1〜図3に示すようなコネクターを製造し
た。この際の射出成形条件は、下記の通りである。
【0140】 シリンダー温度:320℃ 射出圧力:900kg/cm2 金型温度 : 30℃ 射出速度:中速 得られたコネクターについて、軽量化、吸水による寸法
変化、耐熱性、嵌合性などを下記のようにして評価し
た。
【0141】(1)軽量性 上記、成形したコネクターの比重を水中置換法により測
定した。 (2)吸水による寸法変化 上記、成形したコネクターを35℃×90%RHの条件
で吸水率が飽和に達するまで調湿処理し、図1,2の
A、B、C、D部の寸法変化を測定して成形直後の寸法
に対する処理後の寸法変化率を下式により計算して評価
した。
【0142】
【数1】
【0143】(3)耐熱性 上記、成形したコネクターを120℃で1000時間熱
処理し、成形直後品とともに、ハウジングに約100mm
の長さの電線を圧着した端子を固定し、電線を軸方向に
約100mm/min.の一定速度で引っ張り、端子がハウジ
ングから抜ける時の荷重を測定した。また、外観変化も
観察した。
【0144】(4)嵌合性 上記、成形したコネクターを30℃×95%RHの条件
下で吸水率が飽和に達するまで調湿処理し、無音響箱中
でオス-メスを嵌合し、そのとき発生する嵌合音の音圧
レベルを騒音系出測定し、さらにその音圧レベルをアナ
ライジングレコーダー(横河北辰電気(株)製)を用い周
波数分析し、嵌合性を評価した。なお、音圧レベルの高
いコネクターは嵌合性が良いと判断できる。
【0145】組成および結果を表1に示す。
【0146】
【実施例2】実施例1において、変性共重合体(a)の
代わりに、、グラフト変性共重合体(b)を10重量部
を使用した以外は同様にしてペレットを調製し、このペ
レットからコネクターを製造した。
【0147】得られたコネクターについて、耐熱性、吸
湿寸法安定性、吸湿後嵌合音の発生状況、端子保持力、
ハウジング保持力について評価すると共に、このコネク
ターを製造するのに使用した樹脂の比重、靱性、流動性
について評価した。組成および結果を表1に示す。
【0148】
【比較例1】実施例1において、樹脂成分としてポリブ
チレンテレフタレートを単独で使用した以外は同様にし
てペレットを調製し、このペレットからコネクターを製
造した。
【0149】得られたコネクターについて、耐熱性、吸
湿寸法安定性、吸湿後嵌合音の発生状況、端子保持力、
ハウジング保持力について評価すると共に、このコネク
ターを製造するのに使用した樹脂の比重、靱性、流動性
について評価した。組成及び結果を表1に示す。
【0150】
【比較例2】実施例1において、樹脂成分としてナイロ
ン66を単独で使用した以外は同様にしてペレットを調
製し、このペレットからコネクターを製造した。
【0151】得られたコネクターについて、耐熱性、吸
湿寸法安定性、吸湿後嵌合音の発生状況、端子保持力、
ハウジング保持力について評価すると共に、このコネク
ターを製造するのに使用した樹脂の比重、靱性、流動性
について評価した。組成および結果を表1に示す。
【0152】
【表1】
【0153】なお、上記表1において、特性の評価方法
および表1に記載した記号の意味は次の通りである。 靱性:アイゾット衝撃強度(ノッチ有り)を測定して評
価した。
【0154】◎・・・10kg・cm/cm以上 ○・・・6〜10kg・cm/cm △・・・6kg・cm/cm以下 耐熱性:120℃、1000時間後の耐熱老化性 ◎・・・特に優れている ○・・・優れている △・・・不十分 吸湿寸法安定性:寸法変化率 ○・・・0.33以下 △・・・0.15〜0.33 ×・・・0.15以下 流動性:成形時の流動性、温度280〜350℃ ○・・・良好 △・・・成形困難 吸湿後嵌合音:吸湿後の嵌合音の強度 ○・・・500メガ以上 △・・・100〜500メガ ×・・・100メガ以下 端子保持力 6Kg以上は良好、4〜6Kgは普通、4Kg以下は不充分で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明のコネクターのメスハウジングの例を
示す斜視図である。
【図2】は本発明のコネクターのオスハウジングの例を
示す斜視図である。
【図3】は本発明のコネクターの概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・オスハウジング 2・・・メスハウジング 3・・・ロックアーム部 4・・・オス端子係止アーム 5・・・メス端子係止アーム 6・・・オス端子 7・・・メス端子 10・・・角筒状部 11・・・切欠 A,B、C,D・・・寸法測定部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 77/06 51:06 53:02) (72)発明者 網 本 良 勝 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 池 尻 文 利 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸成分単位50〜100
    モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分
    単位0〜50モル%および/または炭素原子数4〜20
    の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜50モル%とからな
    るジカルボン酸成分単位と、 脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
    成分単位からなるジアミン成分単位とからなる繰返し単
    位から構成され、そして、 30℃濃硫酸中で測定した極限粘度が0.5〜3.0dl/g
    の範囲内にあり、かつ融点が300℃を超える芳香族ポ
    リアミドを65〜85重量%、 (B)グラフト変性α-オレフィンランダム共重合体お
    よび/またはグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共
    役ジエン共重合体またはその水素化物を5〜20重量
    %、 (C)脂肪族ポリアミドを1〜15重量%の範囲内の量
    で含有する樹脂組成物から形成されるコネクター。
  2. 【請求項2】上記樹脂組成物が、さらに、(D)グラフ
    ト変性結晶性ポリオレフィンを1〜20重量%の範囲内
    の量で含有することを特徴とする請求項第1項記載のコ
    ネクター。
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