JP2634922B2 - 位置決めテーブルの駆動制御方法 - Google Patents

位置決めテーブルの駆動制御方法

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JP2634922B2
JP2634922B2 JP2051888A JP5188890A JP2634922B2 JP 2634922 B2 JP2634922 B2 JP 2634922B2 JP 2051888 A JP2051888 A JP 2051888A JP 5188890 A JP5188890 A JP 5188890A JP 2634922 B2 JP2634922 B2 JP 2634922B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、位置決めテーブルに物体を載置してその位
置決めを行なう場合の位置決めテーブルの駆動制御方法
に関する。
[従来の技術] 位置決めテーブルに物体を載置し、当該位置決めテー
ブルを移動させて物体の位置決めを行なう装置は、例え
ば半導体製造装置、電子顕微鏡装置等の多くの分野に使
用されている。
上記位置決めテーブルは、駆動装置、例えばサーボモ
ータと適当な連結機構を介して結合され、サーボモータ
に速度指令を与えてこれを駆動することにより移動せし
められる。上記連結機構には種々のものがあるが、一例
として摩擦力を利用した連結機構(摩擦駆動機構)を図
により説明する。
第10図は位置決めテーブルの駆動機構の一部破断斜視
図である。図で、1はベース、1aはベース1に固定され
たリニアガイド、2は位置決めテーブル、2aは位置決め
テーブルのリニアガイド、2bは下方に突出したスライダ
を示す。3はリニアガイド1a,2a間に介在するクロスロ
ーラであり、位置決めテーブル2の支持およびその円滑
な移動に寄与する。4は駆動装置、例えばサーボモータ
を示し、入力された速度指令信号に応じた速度で駆動さ
れる。4aはサーボモータ4の軸を示す。5はベース1に
軸4aと対向して設けられるローラである。位置決めテー
ブルのスライダ2bは、軸4aとローラ5との間に予圧を与
えられた状態で挾着されている。これにより、サーボモ
ータ4が駆動せしめられると、その軸4およびローラ5
とスライダ2bとの間の摩擦力により位置決めテーブル2
がサーボモータ4の回転方向に応じて移動することとな
る。
次に、上記サーボモータ4に入力する速度指令信号に
ついて説明する。第11図は速度指令信号の特性図であ
る。図で、横軸には時間、縦軸には速度がとつてある。
この図から明らかなように、速度指令は、時刻t10から
最大速度Vmaxに達する時刻t11まで時間に比例して増加
し、最大速度Vmaxに達した後は当該最大速度Vmax一定と
なり、時刻t12から時刻t13まで時間に比例して減少し、
時刻t13に至つて0となる。時刻t10〜t11が加速領域、
時刻t11〜t12が定速領域、時刻t12〜t13が減速領域であ
り、かつ、この台形パターンに囲まれた面積が位置決め
テーブルの移動距離となる。位置決めテーブルは、この
ような速度指令パターンにしたがつて移動せしめられ
る。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来の速度指令パターンにしたがう
と、時刻t10における移動開始時、時刻t11における加速
から定速への移行時、時刻t12における定速から減速へ
の移行時、および時刻t13における停止時に急激な速度
変化が生じることになる。このような急激な速度変化
は、位置決めテーブルや連結機構に信号を発生させ、駆
動系が不安定となり、安定した駆動制御を行なうこおが
できず、ひいては精度のよい位置決めを行なうことがで
きないという問題があつた。
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決
し、振動を生じない安定した制御を行なうことができる
位置決めテーブルの駆動制御方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、本発明は、駆動源に速度
指令を与えて、指示された目標位置へ位置決めテーブル
を移動させる位置決めテーブルの駆動制御方法におい
て、前記目標位置が駆動機構で定まる最大速度が用いら
れる位置にあるときには、その最大速度および最大加速
度に基づいて時間に関する3次関数の加速時における速
度指令パターンを作成し、前記駆動源に対して、加速時
には前記速度指令パターンに従った速度指令を与え、前
記加速時に続く定速領域では前記最大速度を速度指令と
して与え、当該定速領域での駆動中に目標位置と現在位
置との位置偏差が所定の値に達すると速度指令として減
速指令を与えるようにし、この減速指令は、前記速度指
令パターンから求められる前記各位置偏差に等しい各移
動量における各速度指令を予め記憶しておき、減速時に
変化する位置偏差に応じて前記記憶された速度指令を取
り出し、この取り出した速度指令を用いるとともに、前
記目標位置が駆動機構で定まる最大速度を用いられない
位置にあるときには、当該位置に応じて定められた最大
速度および最大加速度に基づいて時間に関する3次関数
の速度指令パターンを作成し、前記駆動源に対して、加
速時およびこれに続く減速時に前記速度指令パターンに
従った速度指令を与えることを特徴とする。
又、上記の方法において、前記減速時の速度が0又は
その近辺の所定値になったとき積分補償制御を行なうこ
とも特徴とする。
[作用] 駆動開始位置からの目標位置が、駆動機構により定ま
る最大速度を用いることができる距離にある場合、加速
時には、速度指令パターンに従った速度指令を与え、最
大速度に達するとその速度を維持し、定速領域での駆動
中に目標位置と現在位置との位置偏差が所定の値に達す
ると減速指令を与える。この減速指令は、上記速度指令
パターンから求められる各位置偏差に等しい各移動量に
おける各速度指令を予め記憶しておき、減速中に変化す
る位置偏差に応じて上記記憶された速度指令を取り出
し、この取り出した速度指令が減速指令となる。
又、駆動開始位置からの目標位置が、駆動機構により
定まる最大速度を用いることができない距離にある場
合、当該位置に応じて定められた最大速度および最大加
速度に基づいて時間に関する3次関数の減速指令パター
ンを作成し、駆動源に対して、加速およびこれに続く減
速時に上記速度指令パターンに従った速度指令を与え
る。
[実施例] 以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例に係る位置決めテーブルの駆
動制御方法における速度指令パターンを示す特性図であ
る。図で、横軸には時間がとつてある。実線は速度指令
パターンを示す速度指令曲線、一線鎖線は位置偏差、即
ち現在位置と目標位置との偏差を示す位置偏差曲線であ
る。図示の速度指令曲線から明らかなようにこの速度指
令パターンは第11図に示す従来の台形速度パターンに比
較してなだらかな形状となつている。
このような速度指令曲線を得るため、本実施例では、
位置決めテーブルの駆動制御を図示の速度指令曲線上の
3つの領域、即ち領域I,II,IIIに分けて実行する。即
ち、領域Iは加速領域、領域IIは定速および減速領域、
領域IIIは積分補償領域である。まず、領域I,IIの制御
の概略を第2図(a),(b)を参照して説明する。な
お、積分補償領域IIIは、位置決めテーブルが目標位置
に近付き、位置偏差が小さくなり、速度指令値も小さく
なり、その小さくなつた速度指令値では位置決めテーブ
ル2とサーボモータ4との間に介在する摩擦力に打ち勝
って移動テーブル2を動かすことができなくなる事態が
生ずるのを防止するためのその補償を行なう領域であ
る。即ち、この領域IIIでは、位置偏差を順次加算して
ゆく(積分してゆく)ことにより速度指令値を大きくし
て位置決めテーブル2の移動を可能とする。積分補償領
域IIIの説明は、領域I,IIの制御を説明終了後に行な
う。
第2図(a),(b)はそれぞれ本発明の実施例に係
る駆動制御方法における領域Iおよび領域IIの制御の機
能を説明するブロツク図である。まず、領域Iの制御の
概略を説明する。第2図(a)で、10は速度指令を発生
する速度指令値発生手段である。11は加算手段、12は増
幅手段、13はモータを表わす伝達関数発生手段、14は積
分手段、15は微分手段を示す。加算手段11、増幅手段1
2、伝達関数発生手段13、積分手段14および微分手段15
はサーボモータ4なドライバの内部機構16を構成する。
上記領域Iにおける制御は次のようになされる。即
ち、位置決めテーブル4の目標位置(又は目標移動量、
以下同じ)指令θが速度指令値発生主手段10に入力さ
れると、速度指令値発生手段10からは第1図に示す領域
Iの速度指令パターンにしたがつた速度指令値(角速度
指令値)ωが出力される。なお、速度指令値発生手段
10の内容については後に詳述する。この速度指令値ω
は加算手段11により実際の角速度ωと比較され両者の速
度偏差Δωが算出される。この速度偏差Δωは増幅手段
12によりこれに比例してサーボモータ4に入力すべき電
圧Vに変換される。この電圧Vはサーボモータ4を駆動
し、この結果、伝達関数発生手段13からはサーボモータ
4の実際の駆動速度ωが出力される。積分手段14はこの
駆動速度ωを入力して位置(又は移動量、以下同じ)θ
を演算し、この位置θは微分手段15で再び駆動速度ωに
変換されて加算器11に入力される。上記ドライバーの内
部機構16内の動作は通常のフイードバツク制御である。
次に、領域IIの制御の概略について説明する。第2図
(b)で、20は加算手段、21は速度指令値発生手段であ
る。ドライバの内部機構16の構成は第2図(a)に示す
ものと同じである。この領域IIの制御は、目標位置指令
θと実際の位置θとの位置偏差Δθを加算手段20で演
算し、これを速度指令値発生手段21に入力し、速度指令
値発生手段21から速度指令値ωを出力することにより
行なわれる。速度指令値発生手段21の内容については後
に詳述する。
以上、領域I,IIの駆動制御の概略について説明した。
次に、第2図(a)に示す速度指令値発生手段10の内
容、即ち、第1図の領域Iにおける速度指令パターンの
作成方法を第3図および第4図を参照しながら説明す
る。第3図は加速度パターンの特性図で、横軸に時間、
縦軸に加速度がとつてある。又、第4図は速度パターン
および加速度パターンの特性図で、横軸に時間、縦軸に
速度および加速度がとつてある。
本実施例では、速度指令パターンを作成するため、ま
ず、加速度パターンを作成する。第1図の領域Iに示さ
れる速度パターンから、その速度パターンにおける加速
度は最初急速に大きくなり、あるピークに達し、定速度
開始点に近付くと急速に小さくなる態様を有することが
判る。このような態様は2次関数で表わされる。この2
次関数を第3図に示すように定める。即ち、時間軸をt0
/2)と(−t0/2)で横切る2次関数である。今、時刻を
t,加速度をαとすると、当該2次関数は次式で表わされ
る。
領域Iの加速度の態様は(1)式の係数aが負の場合
である。
上記(1)式で表わされる加速度を積分することによ
り、当該加速度にしたがう速度を得ることができる。
今、速度をV、積分定数をV0とすると、 (2)式で、t=−t0/2のときV(t)=0であるか
ら、 となる。したがつて、速度Vを表わす式は次式のように
なる。
上記(4)式が速度指令パターンの式となる。第4図
に(4)式したがつた速度曲線が示されている。なお、
第4図に一緒に示されている加速度曲線は第3図に示す
加速度曲線と同じ曲線である。
ところで、実際の制御では、位置決めテーブル2やサ
ーボモータ4を含む機構全体の機械的特性に基づいて位
置決めテーブル2を駆動する場合と最大速度と最大加速
度が決定される。したがつて、上記(4)式はその定数
a,t0の代りに、最大速度および最大速度で表わされるこ
とが望ましい。今、最大速度をVmax、最大加速度をAmax
とすると、次の各式が成立する(第4図参照)。
上記(5),(6)式から (7)式から (8)式から となる。したがつて、上記(9),(10)式の値t0,aを
上記(4)式に代入することにより速度指令値V(t)
を最大加速度Amax、最大速度Vmax表わされる時間tの関
数とすることができる。即ち、第2図(a)に示す速度
指令値発生手段10から出力される速度指令値ωは、最
大加速度Amaxおよび最大速度Vmaxの具体的数値が設定さ
れ、(9),(10)式により値t0,aが定まつたときの上
記(4)式の演算により得られる値である。そして、
(4)式は時間tの3次関数であるので、位置決めテー
ブル2の移動開始時および加速から定速への移行時、速
度指令値は第1図に示すようになだらかな曲線を描くこ
ととなり、これにより振動は発生せず、又、摩擦駆動機
構が用いられている場合には、これに加えて滑りが生じ
ることもない。
なお、速度指令値発生手段10には、目標位置指令θ
が入力されるが、この目標位置指令θは(4)式で得
られる速度指令値の適、不適を判断するために用いられ
るものであり、現在位置との偏差を算出するために用い
られるものではない。即ち、領域Iでは、現在位置の如
何にかかわらず、(4)式で演算された値を速度指令値
として出力することとなる。なお、又、上記適、不適の
判断については最大速度Vmaxの再設定の説明として後述
する。
次に、第2図(b)に示す速度指令値発生手段21の内
容、即ち第1図の領域IIにおける速度指令パターンの作
成方法を説明する。第1図から明らかなように、領域II
は最初定速区間が存在し、この定速区間に連続して減速
区間が存在する。そこで、まず、定速区間の制御につい
て説明する。
第4図に示すように、領域Iの制御は時間がt0/2に達
し、速度指令値が最大速度Vmaxになつて終了する。定速
区間はこれに引続く区間であり、時間t0/2以後最大速度
Vmaxを出力し続ける区間である。したがつて、定速区間
の制御は、最大速度Vmaxの出力時間を決定する制御とな
る。この制御を行なうため、本実施例では一応、減速区
間の速度指令パターンが加速時(領域I)の速度指令パ
ターンを反転して得られるパターンと等しいと仮定し、
かつ、領域IIIにおいて制御すべき移動量を0と仮定す
る。なお、このように仮定しても、位置決めテーブル2
の目標位置への正確な移動に対しては何等影響を及ぼさ
ないことは、後述する減速区間の制御の説明で明らかと
なる。
さて、上記のように仮定すると、位置決めテーブル2
の目標移動量は、領域Iにおける移動量、定速区間の移
動量、および減速区間の移動量(領域Iの移動量と等し
い移動量)を加算したものとなる。ここで、上記目標移
動量をX、定速区間の時間をtcとすると次式が成立す
る。
(11)式において、目標移動量Xは目標位置指令θ
から得ることができるので、(11)式から時間tcを求め
ることができる。そこで、定速区間の終了点、即ち、減
速区間開始点を、位置決めテーブル2の移動開始から所
定移動量Xθだけ移動した位置に設定すると、この移動
θは次式で求めることができる。
(12)式で、時間tcは(11)式からめ求められるの
で、Xθは(12)式を演算することにより求めることが
できる。
したがつて、速度指令値発生手段21は、目標移動量X
が与えられたとき(11)式および(12)式の演算を行な
つて移動量Xθを算出し、実際の移動量をフイードバツ
クしてこれが移動量Xθに達するまで最大速度Vmaxの出
力を継続し、実際の移動量が値Xθに達したとき最大速
度Vmaxの出力を停止する。これにより、領域IIにおける
定速区間の制御が行なわれる。
次に、上記定速区間に引続く減速区間の制御を第5図
に示す特性図を参照しながら説明する。第5図は第1図
と同一の特性図である。前述のように、領域I、即ち加
速時においては、(4)式に基づく速度指令が出力さ
れ、この指令は位置決めテーブル2の現在位置の如何に
関係なく出力されていた。これに対して、減速区間にお
いては、目標位置と現在位置との間の位置偏差に基き、
領域Iにおいて当該位置偏差と等しい移動量を示す移動
時点での速度指令を減速区間の速度指令として用いる方
法が採られる。このように、領域Iの速度指令を参照す
るため、減速区間の速度指令曲線も(4)式と同様のな
だらかな3次関数の曲線となり、加速時と同じく振動や
滑りの発生を防止することができる。又、位置偏差に基
づく制御を行なうため、領域Iにおいて位置決めテーブ
ルの実際の速度が速度指令値に追従していなくても、あ
るいは定速区間の決定に長短が生じても、最終的に正確
な位置決めを達成することができる。
以下、領域IIの減速区間を速度指令作成方法の原理お
よびこの原理を用いた実際の速度指令作成方法(第2図
(b)に示す速度指令値発生手段21の内容)を順を追つ
て説明する。まず、第5図により速度指令作成方法の原
理について説明する。減速区間の制御では第2図(b)
に示すように速度指令値発生手段21に位置偏差Δθが入
力される。今、減速区間における時刻τにおける位置
偏差がバツチングで示すように値eであつたとする。本
実施例では、領域Iの速度指令曲線から、当該位置偏差
eと等しい移動距離(移動開始からの移動距離であり第
5図ではハツチングEで示されている)における時刻τ
を求める。この時刻τは次式を解くことにより求め
ることができる。
求めた時刻τを(4)式に代入することにより、減
速区間における時刻τの速度指令値V(τ)を求め
ることができ、これを速度指令値として出力すればよ
い。この方法が減速区間の速度指令作成方法の原理であ
る。
この原理を実行するには、第2図(b)に示す速度指
令値発生手段21で所要の演算を行なえばよい。しかしな
がら、(13)式は4次関数であり、4次方程式の演算を
行なわねばならない。したがつてその演算量は極めて多
い。一方、位置決めテーブル2の駆動制御にはマイクロ
コンピユータが用いられるのが通常であり、この場合、
速度指令値は所定時間毎に出力される。ところが、演算
量が多いと、演算に要する時間が当該所定時間を超えて
しまい、所望の制御は不可能となる。このため、本実施
例における実際の制御では(13)式の演算を行なわず、
位置偏差に対応する速度指令値を求め、予め両者の対応
表を作成しておき、この対応表を用いて制御を実行する
ようにする。以下、当該対応表の作成方法について説明
する。
上述のように、減速区間の速度指令値は、減速区間の
位置偏差を領域Iの移動量と考え、この移動量に達する
時刻を求め、この時刻を(4)式に代入して得られる。
そこで、まず位置偏差(移動量)と時刻との式、および
速度指令値と時刻との式を求めておき、前者の式から、
位置偏差を等分化したときの各位置偏差に対応する各時
刻を求め、これら各時刻に対応する速度指令値を後者の
式から求めれば、位置偏差と速度指令値との対応表を得
ることができる。これを第6図(a),(b)および関
係式を用いて説明する。第6図(a)は時刻τと位置偏
差E(τ)との関係を示す特性図、第6図(b)は位置
偏差E(τ)と速度指令値V(τ)との関係を示す特性
図である。
まず、時刻τと位置偏差eとの関係を求める。この関
係は前述のように(4)式を積分することにより求めら
れ、次式のようになる。
e(−t0/2=0のときe0=at0 4/64であるから(14)
式は次式となる。
ところで、(15)式中、値a,t0はさきに述べたように
設定値VmaxAmaxにより変化する値である。それ故、(1
5)式に従つて対応表を作成した場合、設定値Vmax,Amax
が変更される毎に対応表を作り直さねばならない。これ
を避けるため、(15)式でt=t0τとおいて、(15)式
を設定値Vmax,Amaxについて正規化する。
(16)式の両辺を値at0 4で除算すると (17)式をE(τ)とおくと、 であり、位置偏差e(t)は次式で表わされる。
e(t)=at0 4E(τ) ……(19) 第6図(a)は(18)式で表わされる値E(τ)、即
ち位置偏差に比例した値の時刻に関する特性曲線を示し
ている。そして、減速区間の場合は、τ=1/2=τ
減速開始時刻となり、τ=−1/2=τが位置偏差0の
時刻となる。(18)式において、E(τ)の全領域、即
ち、 の領域の値をn等分に分割し、(18)式によりこれら分
割した各値に対応する時刻τを求める。このようにn等
分に分割した状態が第6図(a)に示されている。図
中、τjは分割されたある値とその値に隣接する値
に対応する時刻を示す。
次に、速度指令値と時刻との式について述べる。この
式は(4)式そのものであるが、上記と同様に正規化す
るため、t=t0τとおく。そうすると(4)式は次式の
ようになる。
両辺を値at0 3で除算して得られる式をV(τ)とする
と、V(τ)は となる。この(21)式の値τに、上記n等分された各値
E(τ)に対応する時刻τを代入すればその時刻におけ
る速度指令値V(τ)が得られる。これは、とりもなお
さず位置偏差に比例する値と速度指令値に比例する値と
の対応関係に外ならない。この対応状態が第6図(b)
に示されている。図中、V(τj,V(τ)は第6図
(a)に示す時刻τj(そのときの値E(τj,E
(τ))に対応する値である。第6図(b)に示す関
係が位置偏差に対応する速度指令値の対応表として作成
され記憶される(実際は両者に比例する値の対応表であ
る。) 次に、速度区間における制御方法について説明する。
第2図(b)において、速度指令値発生手段21は上記対
応表、およびその制御において設定されている値Amax,V
maxにより定まる値a,t0(又はこれらに基づいて算出さ
れた値at0 4,at0 3)を記憶している。位置決めテーブル
2の移動量が定速区間を終了すべき移動量に達すると、
速度指令値発生手段21は直ちに位置偏差Δθを入力して
減速制御に入る。即ち、入力された位置偏差を値at0 4
除算する演算を行ない、得られた値(E(τ))に対し
対応表を用いて対応する(V(τ))を求める。次い
で、求められた値に値at0 3を乗算する演算を行なう。こ
の乗算により得られた値を速度指令値ωとして出力す
る。ドライバ16はこの出力値にしたがつてフイードバツ
ク制御を実行する。
減速区間におけるこのような制御は、領域Iに倣う制
御であるので、減速曲線は時間に関する3次関数の曲線
となり、加速時同様に振動や滑りの発生を防止する。
又、制御要因として位置偏差が導入されるので、領域I
および定速区間において制御された位置決めテーブル2
の実際の位置(制御結果)の如何にかかわらず、又、外
乱の有無の如何にかかわらず、正確な位置決めを行なう
ことができる。さらに、対応表を用いたので、演算量を
少なくして迅速に速度指令値を得ることができ、かつ、
当該対応表は正規化した数式を用いて作成したので、1
つの対応表によりどのような速度指令パターンにも対処
することができる。
なお、上記対応表を用いる場合、当然、対応表にない
数値(中間の数値)E(τ)が存在する。しかし、この
ような数値に対しては補間手段により対処すればよい。
この補完手段は周知の手段であるので、説明は省略す
る。
さて、以上、領域Iおよび領域IIの制御について説明
した。この説明では、最大速度Vmaxは機構の特性により
定められるものとして説明した。しかしながら、目標移
動量Xが次式で表わされる場合には当該最大速度Vmax
設定を変更する必要がある。
即ち、目標移動量が、加速領域の移動量と減速区間の
移動量とを加算した値(定速区間は0)より小さい場
合、最大速度Vmaxの再設定が必要となる。以下、この再
設定を第7図(a),(b)および第8図(a),
(b)を参照しながら説明する。
第7図(a),(b)は定速区間を0とした変更前の
速度および加速度の特性図である。いずれも横軸に時
間、縦軸に速度、加速度がとつてある。上記(22)式で
示される不等式は第7図(a),(b)の状態を示し、
(22)式の左辺は第7図(a)のハツチング部分の面積
を意味し、右辺は速度曲線で曲まれる部分の現積を意味
する。両面積が一致するように再設定を行なえば適切な
駆動制御を行なうことができる。両面積を一致させた状
態が第8図(a)に示され、そのときの加速度が第8図
(b)に示されている。このように両面積を一致させる
には、最大速度Vmaxを変更しなければならず、この場合
必然的に値t0,aも変化する。今、第8図(a),(b)
に示すように、時間t0に代る新しい時間をt00で表わす
と、第8図(a)は次式で表わされる。
この(23)式を満足するようなVmaxを求めればよい。
(23)式を解くと、 となる。又、(6)式から であるから、これを(24)式に代入すると、 を得る。
(26)式より、 となる。この(27)式を(25)式に代入すると、 となる。(27)式および(28)式により得られた値t00,
aを(5),(6)式に代入することにより新たな値V
maxを得ることができ、その値Vmaxを用いて再設定が行
なわれる。
以上で領域I,IIにおける制御の説明を終え、次に領域
IIIの積分補償領域の制御について説明する。第9図
(a),(b)は本発明の実施例に係る駆動制御方法に
おける領域IIIの制御の機能を説明するブロツク図であ
る。図で、第2図(b)に示す部分と同一機能部分には
同一符号が付してある。22は積分ゲイン手段、23は比例
ゲイン手段、24は加算手段である。
次に、上記積分補償領域IIIの制御について説明す
る。本実施例では、積分補償制御の開始時点を速度が0
となつたときとする。即ち、領域IIの減速区間において
前述のように減速制御が実施されるとサーボモータ4へ
の速度指令は減少してゆき、これとともに駆動トルクも
小さくなる。そして、機構内の摩擦力の存在により、あ
る時点からは位置偏差が存在して速度指令値が出力され
ているにもかかわらずサーボモータ4は停止状態とな
る。本実施例では、このように速度が0となつたことを
検出して積分補償制御に入る。
積分補償制御は、第9図(a)に示すように位置偏差
Δθを積分ゲイン手段22によりゲインGiを乗じて積分し
た値と実際の位置θに比例ゲイン手段23によりゲインGp
を乗した値との差を速度指令ωとすることにより行わ
れる。サーボモータ4が停止しても、上記の理由により
位置偏差が存在しているので、位置偏差Δθは継続して
出力される。この位置偏差Δθは積分ゲイン手段22によ
り順次加算されてゆくので、速度指令ωも順次増大し
てゆく。この速度指令ωによる駆動トルクが上記摩擦
力を超えるとサーボモータ4が回転し位置偏差Δθはさ
らに小さくなる。このような状態の繰返しにより、遂に
は位置偏差0となり、位置決めテーブル2は指令された
位置に停止することとなる。
上記積分補償制御において、速度指令ωr,位置(サー
ボモータ4の回転角)θ、位置偏差Δθの関係は次式の
ようになる。
この積分補償制御はいわゆるI−PD制御であるが、積
分の初期値として(θ・Gp)を与えたとすると、この
I−PD制御は、第9図(b)に示すようないわゆる通常
のPI制御として考えることができる。即ち、(29)式に
上記初期値を与えると、 したがつて、 (31)式はPI制御の式である。このように、第9図
(b)に示すPI制御は、位置偏差の積分項と比例項の和
を速度指令とすることとなり、このため、制御の高速化
を達成することができる。
このような制御では、偏差値を制御の目安とするのが
一般であるが、この手段を適用すると、制御に入つた時
点での速度が一定せずばらばらである。したがつて、積
分補償制御を所望の特性を得るような制御とすることは
困難である。しかしながら、本実施例では、積分補償制
御開始時点を位置偏差を目安とせず、速度が0となつた
時点を開始時点としたので、(静止状態から始めるの
で、)積分補償制御領域における応答波形を容易に調整
することができ、これにより任意に適切な制御を行うこ
とができる。
なお、制御開始時点は速度0ではなく0付近の定めら
れた値とすることもできるのは明らかである。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、設定された最大速度
および最大加速度に基づいて作成された3次関数の速度
指令パターンに応じて駆動源を駆動するようにしたの
で、なめらかな加減速を行うことができ、これにより、
振動を防止して安定した駆動を実施することができる。
特に、駆動系に摩擦駆動が用いられている場合には、上
記の効果に加えて機構に滑りが発生するのを防止するこ
とができ、ひいては位置決め精度の低下を防止すること
ができる。
又、他の発明では、減速時の駆動速度が所定値以下に
なつたとき積分補償制御を行うようにしたので、任意の
積分補償制御を容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る位置決めテーブルの駆動
制御方法における速度指令パターンを示す特性図、第2
図(a)、(b)はそれぞれ第1図に示す領域I,IIにお
ける制御機能を説明するプロツク図、第3図は速度曲線
図、第4図は加速度および速度曲線図、第5図は減速時
の制御方法を説明する速度指令パターンの特性図、第6
図(a),(b)は減速時の位置偏差と速度指令値の対
応表の作成方法を説明するブロツク、第7図(a),
(b)、第8図(a),(b)は最大速度の再設定を説
明するブロツク図、第9図(a),(b)は積分補償制
御の機能を説明するブロツク図、第10図は摩擦駆動機構
の斜視図、第11図は従来の速度指令パターンを示す特性
図である。 10,21……速度指令値発生手段、11,20,24……加算手
段、12……増幅手段、13……伝達関数発生手段、14……
積分手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−191910(JP,A) 特開 昭63−195707(JP,A) 特開 昭62−74105(JP,A) 特開 昭61−160113(JP,A) 特開 昭60−63620(JP,A) 特開 昭56−60910(JP,A) 特開 昭62−72008(JP,A) 特開 昭62−72007(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源に速度指令を与えて、指示された目
    標位置へ位置決めテーブルを移動させる位置決めテーブ
    ルの駆動制御方法において、前記目標位置が駆動機構で
    定まる最大速度が用いられる位置にあるときには、その
    最大速度および最大加速度に基づいて時間に関する3次
    関数の加速時における速度指令パターンを作成し、前記
    駆動源に対して、加速時には前記速度指令パターンに従
    った速度指令を与え、前記加速時に続く定速領域では前
    記最大速度を速度指令として与え、当該定速領域での駆
    動中に目標位置と現在位置との位置偏差が所定の値に達
    すると速度指令として減速指令を与えるようにし、この
    減速指令は、前記速度指令パターンから求められる前記
    各位置偏差に等しい各移動量における各速度指令を予め
    記憶しておき、減速時に変化する位置偏差に応じて前記
    記憶された速度指令を取り出し、この取り出した速度指
    令を用いるとともに、前記目標位置が駆動機構で定まる
    最大速度を用いられない位置にあるときには、当該位置
    に応じて定められた最大速度および最大加速度に基づい
    て時間に関する3次関数の速度指令パターンを作成し、
    前記駆動源に対して、加速時およびこれに続く減速時に
    前記速度指令パターンに従った速度指令を与えることを
    特徴とする位置決めテーブルの駆動制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の位置決めテーブルの駆動制
    御方法において、前記減速時の速度が0又はその近辺の
    所定値になったとき積分補償制御を行なうことを特徴と
    する位置決めテーブルの駆動制御方法。
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