JP2634719B2 - 建物ユニット - Google Patents

建物ユニット

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JP2634719B2
JP2634719B2 JP3296282A JP29628291A JP2634719B2 JP 2634719 B2 JP2634719 B2 JP 2634719B2 JP 3296282 A JP3296282 A JP 3296282A JP 29628291 A JP29628291 A JP 29628291A JP 2634719 B2 JP2634719 B2 JP 2634719B2
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慎司 津田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物ユニットに係り、
特に天井フレームの妻側または桁側に傾斜状天井部を有
する建物ユニットに関する。
【0002】
【背景技術】従来、ユニット工法で用いられる建物ユニ
ットの中には、北側斜線制限などに対応できるように、
天井フレームの妻側または桁側を傾斜状天井部とした、
いわゆる台形状の建物ユニットが知られている。図7に
示すように、従来の台形状の建物ユニット70は、床
レーム1と、この床フレーム1の相対する側縁部に立設
された高さの異なる妻フレーム2A,2Bと、この両妻
フレーム2A,2Bの上端部間に掛け渡される天井フレ
ーム3とから構成される。
【0003】ここで、床フレーム1は、2本の床梁5,
6と、この2本の床梁5,6間を連結する複数本の根太
7とから構成されている。妻フレーム2Aは、2本の長
寸柱8A,9Aと、これらの長寸柱8A,9Aの上端部
間および下端部間を連結する上梁10Aおよび下梁11
Aとから構成されている。妻フレーム2Bは、2本の短
寸柱8B,9Bと、これらの短寸柱8B,9Bの上端部
間および下端部間を連結する上梁10Bおよび下梁11
Bとから構成されている。
【0004】天井フレーム3は、2本の水平天井梁1
2,13およびこれらの天井梁12,13間を連結する
複数本の小梁14から形成された水平状天井部15と、
前記水平天井梁12,13の先端に下方へ傾斜状に溶接
固定された2本の傾斜天井梁16,17およびこれらの
天井梁16,17間を連結する小梁14から形成された
傾斜状天井部18とを含み構成されている。このような
構成の建物ユニット70は、工場において各フレーム
〜3を組立て、さらに各フレーム1〜3同士を溶接によ
り剛接合することで製造されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各柱8A,
8B,9A,9Bと梁5,6,10〜15との接合部を
剛接合とする場合には、接合強度を高めて各柱8A,8
B,9A,9Bの変形等を防ぐために、図8,9にも示
すように、柱8A,8B,9A,9B内部にダイヤフラ
ム19を設けていた。
【0006】ところで、各フレーム1〜3の各梁5,
6,10〜15は、コストを低減し、加工や取扱いを容
易にするために、通常高さ寸法Hが同じ鋼材を適当な長
さ寸法に切断して用いる。しかしながら、図8に示すよ
うに、傾斜状天井部18の傾斜天井梁16,17として
他の梁と同じ高さ寸法Hの鋼材を用いると、上梁10B
は柱8B,9Bに寸法H分だけ当接するのに対し、傾斜
天井梁16,17は柱8B,9Bに対して斜めに設けら
れているので、寸法Hよりも長い寸法H1分だけ当接す
る。このため、柱8B,9Bの内部には、上梁10Bに
合わせたダイヤフラム19と、傾斜天井梁16,17に
合わせたダイヤフラム19との2枚のダイヤフラム19
を取付ける必要があるが、このような近接した位置に2
枚のダイヤフラム19を取付けることはきわめて困難で
あるという問題があった。
【0007】一方、図9に示すように、傾斜天井梁1
6,17が柱8B,9Bに当接する長さを上梁10Bと
同じ寸法Hとしてダイヤフラム19を1枚にすることも
考えられるが、この場合には傾斜天井梁16,17を寸
法Hよりも短い高さ寸法H2 で形成しなければならず、
つまり梁10Bとは高さ寸法の異なる鋼材により形成し
なければならず、鋼材の種類が増えて取扱いや加工が煩
雑になるとともに、強度が低下するという問題があっ
た。
【0008】本発明の目的は、柱内に近接した2枚のダ
イヤフラムを取付ける必要がなく、工場での取扱い、加
工、組立を容易に行えるとともに、強度低下を防止でき
る建物ユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の建物ユニット
は、床フレームと、この床フレームの相対する側縁部に
立設される長寸柱および短寸柱と、この長寸柱および短
寸柱の上端部間に掛け渡されるとともに前記長寸柱側部
分を水平状天井部としかつ前記短寸柱側部分を傾斜状天
井部とした天井フレームとを備える建物ユニットであっ
て、前記短寸柱と天井フレームの傾斜状天井部とをピン
接合により接合し、それ以外の柱および各フレームをそ
れぞれ剛接合により接合したことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明においては、天井フレームの傾斜状天井
部とされた短寸柱側部分と短寸柱とをピン接合としてい
るので、傾斜状天井部の梁を他の梁と同じ高さ寸法の鋼
材で形成して梁に対する長さ寸法が相違しても、剛接合
とした時のように柱に傾斜状天井部の梁に合わせてダイ
ヤフラムを設ける必要がない。このため、近接した2枚
のダイヤフラムを設ける必要がなくて柱の加工作業が簡
易となるとともに、傾斜天井梁を他の梁と同じ鋼材から
形成できるので、取扱いや加工が容易に行え、かつ強度
低下も防止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5に基づ
いて説明する。なお、これらの図の説明にあたって、前
述した図7〜図9と同一あるいは相当構成要件について
は、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0012】図1および図2に示すように、本実施例の
建物ユニット20は、床フレーム1、妻フレーム2A,
2B、天井フレーム3を含んで構成されている。各フレ
ーム1〜3の梁5,6,10A,10B,11A,11
B,12,13,16,17はそれぞれ同一高さ寸法の
チャンネル材により構成され、傾斜天井梁16,17を
除いて柱8A,8B,9A,9Bにそれぞれ溶接固定さ
れて剛接合とされている。また、天井フレーム3の水平
状天井部15および傾斜状天井部18は、それぞれブレ
ース21により補強される場合もある。
【0013】図3〜図5には、傾斜天井梁16,17と
短寸柱8B,9Bとの接合部が拡大して示されている。
短寸柱8B,9Bには、平面略T字状の連結ブラケット
22が溶接固定され、このブラケット22にはブレース
21の端部がボルト止めされるブレース固定板23が溶
接固定されている。また、短寸柱8B,9Bの内部に
は、柱8B,9B間に掛け渡される上梁10Bの高さに
合わせてダイヤフラム19が取付けられている。
【0014】一方、傾斜天井梁16,17には、平面L
字形のアングル材24が溶接固定されている。アングル
材24は、上梁10Bのウェブ25に直交にかつ上梁1
0Bの端面近傍に設けられた面24Aと、ウェブ25に
平行にかつ上梁10Bのフランジ26の幅寸法の略中央
部に配置された面24Bとを備えている。この面24B
に溶接固定されたナット27には、連結ブラケット22
を介してボルト28が螺合されており、面24Bおよび
連結ブラケット22が、つまり傾斜天井梁16,17お
よび短寸柱8B,9Bがピン接合されている。
【0015】このような本実施例においては、工場にお
いて床フレーム1,妻フレーム2A,2B、天井フレー
3をそれぞれ組立て、さらにこれらをそれぞれ溶接に
より剛接合して建物ユニット20を組立てる。この際、
フレーム2Bと天井フレーム3の傾斜状天井部18と
の接合のみは、妻フレーム2Bの短寸柱8B,9Bに溶
接固定された連結ブラケット22と、傾斜状天井部18
の傾斜天井梁16,17に溶接固定されたアングル材2
4とをボルト28およびナット27を螺合してピン接合
する。
【0016】このようにして工場で組立てられた建物ユ
ニット20をトラック等で建設現場に輸送し、直方体状
の通常の建物ユニットとともに組み合わせてユニット住
宅等を施工する。
【0017】このような本実施例によれば、短寸柱8
B,9Bと、これらの柱8B,9Bに対して斜めに接合
される傾斜天井梁16,17とをピン接合としたので、
天井梁16,17に対しては短寸柱8B,9B内にダイ
ヤフラム19を取付ける必要がない。このため、傾斜天
井梁16,17を他の上梁10Bなどと同じ高さ寸法の
チャンネル材から形成しても従来のように2枚のダイヤ
フラム19を取付ける必要がなく、柱8B,9Bの加工
作業を極めて容易にすることができる。
【0018】また、傾斜天井梁16,17を他の上梁1
0Bなどと同寸法のチャンネル材から形成できるので、
柱8B,9Bに対する当接寸法を同じにするために高さ
寸法の短いチャンネル材で傾斜天井梁16,17を必要
がない。このため、チャンネル材の種類を少なくできて
取扱いや加工を容易にできるとともに、傾斜天井梁1
6,17部分の強度低下も防止することができる。
【0019】さらに、ピン接合とされているのは妻フレ
ーム2Bと天井フレーム3の接合部分のみであり、他の
接合部分はそれぞれ溶接により剛接合とされているの
で、建物ユニット20としての強度は一般的な直方体状
の建物ユニットと略同じであり、十分な強度を得ること
ができる。
【0020】また、短寸柱8B,9Bと傾斜天井梁1
6,17とのピン接合は、傾斜天井梁16,17にアン
グル材24を固定し、このアングル材24の面24Bと
連結ブラケット22とをボルト止めしているので、天井
梁16,17の内側部分でピン接合を行えて梁16,1
7の外側にナットやボルトが配置されることがない。こ
のため、天井梁16,17に沿って外壁パネル等を取付
けることもでき、天井梁16,17部分のスペースを有
効に利用できる。
【0021】さらに、面24Bに直交する面24Aを備
えたアングル材24を用いているので、例えば天井梁1
6,17に面24B部分のみを有する板を用いてピン接
合する場合に比べて強度を向上でき、特に片側が開放さ
れた断面C型のチャンネル材から形成された天井梁1
6,17の変形等を防止することができる。
【0022】なお、本発明は前述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、前
記実施例では、建物ユニット20の天井フレーム3の妻
側つまり短辺側を傾斜状天井部18としたが、図6に示
すように、天井フレーム3の桁側つまり長辺側を傾斜状
天井部18としてもよい。
【0023】また、前記実施例では、ボルト28,ナッ
ト27によりピン接合としていたが、連結ブラケット2
2とアングル材24とを溶接によりピン接合としてもよ
く、要するに本発明は、天井フレーム3の傾斜状天井部
18と短寸柱8B,9Bとの接合部がピン接合となって
いればよい。
【0024】さらに、前記実施例では、アングル材24
を用いて天井梁16,17の内側でボルト接合を行って
いたが、アングル材24を用いずに天井梁16,17の
ウェブ25部分でボルト接合してもよい。但し、前記実
施例によれば天井梁16,17からボルト28やナット
27が突出しないという利点がある。
【0025】
【発明の効果】以上の通り、本発明の建物ユニットによ
れば、柱内に近接した2枚のダイヤフラムを取付ける必
要がなく、工場での取扱い、加工、組立を容易に行える
とともに、強度低下を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の建物ユニットの骨組みを示
す概略図である。
【図2】本実施例の建物ユニットの骨組みを示す斜視図
である。
【図3】本実施例の短寸柱と傾斜天井梁との接合部を示
す斜視図である。
【図4】本実施例の短寸柱と傾斜天井梁との接合部を示
す側面図である。
【図5】本実施例の短寸柱と傾斜天井梁との接合部を示
す平面図である。
【図6】本発明の変形例の建物ユニットの骨組みを示す
概略図である。
【図7】本発明の従来例の建物ユニットの骨組みを示す
概略図である。
【図8】本発明の背景技術である短寸柱と傾斜天井梁と
の接合部を示す側面図である。
【図9】本発明の背景技術である短寸柱と傾斜天井梁と
の接合部を示す側面図である。
【符号の説明】 1 床フレーム 2A,2B 妻フレーム 3 天井フレーム 8A,9A 長寸柱 8B,9B 短寸柱 15 水平状天井部 18 傾斜状天井部 20 建物ユニット 22 連結ブラケット 24 アングル材 27 ナット 28 ボルト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床フレームと、この床フレームの相対す
    る側縁部に立設される長寸柱および短寸柱と、この長寸
    柱および短寸柱の上端部間に掛け渡されるとともに前記
    長寸柱側部分を水平状天井部としかつ前記短寸柱側部分
    を傾斜状天井部とした天井フレームとを備える建物ユニ
    ットであって、 前記短寸柱と天井フレームの傾斜状天井部との接合部は
    ピン接合とされているとともに、それ以外の柱および各
    フレームの接合部はそれぞれ剛接合とされていることを
    特徴とする建物ユニット。
JP3296282A 1991-10-15 1991-10-15 建物ユニット Expired - Lifetime JP2634719B2 (ja)

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