JP2633665B2 - 内燃エンジンの弁揚程特性制御装置 - Google Patents

内燃エンジンの弁揚程特性制御装置

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JP2633665B2
JP2633665B2 JP33093888A JP33093888A JP2633665B2 JP 2633665 B2 JP2633665 B2 JP 2633665B2 JP 33093888 A JP33093888 A JP 33093888A JP 33093888 A JP33093888 A JP 33093888A JP 2633665 B2 JP2633665 B2 JP 2633665B2
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重人 柏原
彰 加藤
英哲 秋山
治 滝沢
正毅 金広
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は吸気弁及び/又は排気弁の弁揚程特性が切換
可能な内燃エンジンの弁揚程特性制御装置に関し、特に
駆動輪スリップ制御装置を装備した車両の弁揚程特性制
御装置に関する。
(従来の技術) 吸気弁と排気弁の少なくとも一方の弁揚程特性を、内
燃エンジンの低回転領域に適した低速用弁揚程特性と、
高回転領域に適した高速用弁揚程特性とに切換可能な内
燃エンジンにおいて、エンジン運転状態(例えばエンジ
ン回転数)を検出し、該検出したエンジン運転状態に適
した弁揚程特性を選択するようにした弁揚程特性制御装
置が従来より知られている(例えば、特公昭49−33289
号公報)。
この弁揚程特性制御装置によれば、例えば第4図の実
線で示すようにエンジン回転数Neに応じて弁揚程特性
(バルブタイミング)が選択される。即ち、エンジン回
転数Neが所定回転数Ne0未満のとき低速用弁揚程特性
(低速バルブタイミング)が選択され、エンジン回転数
Neが所定回転数Ne0以上のとき高速用弁揚程特性(高速
バルブタイミング)が選択される。ここで所定回転数Ne
0は、低速用弁揚程特性を選択したとき得られるエンジ
ン出力トルクと、高速用弁揚程特性を選択したとき得ら
れるエンジン出力トルクとが略等しくなるエンジン回転
数である。従って、上記のように弁揚程特性が選択され
る結果、常にエンジン出力トルクが相対的に大きくなる
方の弁揚程特性が選択される。
また、一般に、車両の発進時あるいは加速時に駆動輪
の駆動力がタイヤと路面との摩擦力[タイヤと路面との
摩擦係数×車両重量の駆動輪への荷重(車両荷重)]を
超えると、駆動輪はスリップするが、このスリップの程
度を車両の駆動輪速度と従動輪速度との差△Vにより検
出し、該車輪速偏差△Vが大となる過剰スリップ状態を
検知したときには、エンジンへの燃料供給量を燃料の遮
断等により低減して、エンジンの出力トルク(駆動力)
を低下させるようにした駆動輪スリップ制御装置が従来
より知られている(例えば特開昭58−8436号公報)。こ
の駆動輪スリップ制御装置によれば、過剰スリップの度
合が増加するほど、燃料遮断を行う気筒数を増加させる
制御が行われる。
(発明が解決しようとする課題) 上記駆動輪スリップ制御装置を装備した車両において
は、駆動輪の過剰スリップ状態を検出したときには、エ
ンジン出力を低下させる制御が行われるが、弁揚程特性
が切換可能なエンジンの場合には、上述のようにエンジ
ン出力が相対的に大きくなる方の弁揚程特性が選択され
ることとなる。その結果、一方でエンジン出力を低下さ
せる制御を行いながら、他方でエンジン出力を増加させ
る制御を行うというように、互いに逆向きの制御を同時
に行うという状態が発生する。このため、車両の運転性
等の面で改善の余地が残されていた。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、駆動
輪スリップ制御装置を装備した車両のエンジンにおける
弁揚程特性をより適切に選択し、車両の運転性等を向上
させることができる弁揚程特性制御装置を提供すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明は、内燃エンジンの
吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁揚程特性を複数
設定し、該設定された弁揚程特性を前記エンジンの運転
状態のうち少なくともエンジン回転数に応じて選択する
弁揚程特性選択手段と、前記エンジンにより駆動される
駆動輪のスリップを検出する駆動輪スリップ検出手段
と、該駆動輪スリップ検出手段の出力に応じて燃料量、
吸入空気量、点火時期の内の少なくとも一つを制御して
エンジン出力を低減させるエンジン出力低減手段とを備
えた内燃エンジンの弁揚程特性制御装置において、前記
駆動輪スリップ検出手段が過剰スリップ状態を検出した
ときに、前記エンジンの運転状態に応じて弁揚程特性選
択手段が選択した弁揚程特性をエンジン出力がより低減
される弁揚程特性に変更する弁揚程特性選択変更手段を
設けるようにしたものである。
また、前記弁揚程特性選択変更手段は、前記駆動輪ス
リップ検出手段が過剰スリップ状態を検出したときに、
前記弁揚程特性選択手段が選択すべき弁揚程特性をエン
ジン出力がより低減される弁揚程特性に変更することが
望ましい。
更に、前記弁揚程特性選択変更手段は、エンジン運転
状態が前記弁揚程特性選択手段の弁揚程特性切り換え時
の所定運転状態に到達したときに変更作動することが望
ましい。
また、前記所定運転状態は、エンジン回転数が所定回
転数に一致した状態とすることが望ましい。
更に、前記弁揚程特性選択変更手段は、前記駆動輪ス
リップ検出手段が前記駆動輪が過剰スリップ状態でない
と検出したときに、エンジン運転状態が前記所定運転状
態に到達した時点で前記変更作動を解除することが望ま
しい。
また、前記弁揚程特性選択変更手段は、エンジンの減
速運転状態を検知したとき前記変更作動を解除すること
が望ましい。
尚、本明細書でいう弁揚程特性とは、弁の開弁期間及
び弁のリフト量の両方あるいは一方を意味するものであ
る。
(作用) エンジン運転状態に応じて選択された弁揚程特性が駆
動輪のスリップ状態に応じて変更される。
駆動輪が過剰スリップ状態になるとエンジン運転状態
に応じて選択された弁揚程特性がエンジン出力をより低
減する弁揚程特性に変更される。
エンジン運転状態に応じて選択された弁揚程特性の変
更は、エンジン運転状態が所定運転状態になったときに
行われ、変更解除は、エンジン運転状態が所定運転状態
になったときに、あるいはエンジンの減速運転状態を検
知したときに行われる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。尚、本実施例の説明でいう「バルブタイミング」
は、前述の「弁揚程特性」と同じ意味で用いている。
第1図は本発明に係るバルブタイミング制御装置の全
体構成図であり、同図中1は各気筒に吸気弁と排気弁と
が各1対設けられたDOHC内燃エンジンである。
エンジン1には、エンジン回転数Neを検出するエンジ
ン回転数センサ6と、スロットル弁の開度(θTH)を検
出するスロットル弁開度センサ7とが設けられており、
バルブタイミング制御用の電子コントロールユニット
(以下「VTC−ECU」という)2にその検出信号を供給す
る。
また、VTC−ECU2には駆動輪スリップ制御用の電子コ
ントロールユニット(以下「TCS−ECU」という)3が接
続されている。このTCS−ECU3には、駆動輪速度Vwを検
出する駆動輪速度センサ4と、従動輪速度Vv(この従動
輪速度は、車速即ち車体速度に対応する)を検出する従
動輪速度センサ5とが接続されており、これらのセンサ
4,5はその検出信号をTCS−ECU3に供給する。TCS−ECU3
は、検出した駆動輪速度Vwおよび従動輪速度Vvを次式
(1)に適用して駆動輪のスリップ率λを算出し、該算
出したスリップ率λを表わす信号をVTC−ECU2に供給す
る。
λ=(Vw−Vv)/Vw ……(1) 更に、TCS−ECU3は、車体速度Vvに応じて基準駆動輪
速度、即ち駆動輪速度の目標値Vrefを算出し、該基準駆
動輪速度Vrefと実際の駆動輪速度Vwとの差△Vに応じて
駆動輪スリップ制御を行う。具体的には、上記速度差△
Vが増大したとき、即ち駆動輪の過剰スリップ状態を検
出したときに、エンジン1に供給する燃料の遮断(以下
「フュエルカット」という)を行うことによりエンジン
出力を低減する制御(以下「トラクション制御」とい
う)を行う。このトラクション制御においては、前記速
度差△V、即ち駆動輪の過剰スリップの度合が大きいほ
ど、フェエルカットする気筒数を増加させ、エンジン出
力をより低下させる。TCS−ECU3は、このトラクション
制御中であることを示す信号をVTC−ECU2に供給する。
VTC−ECU2は、エンジン回転数センサ6、スロットル
弁開度センサ7、及びTCS−ECU3からの信号に基づい
て、電磁弁11に開弁/閉弁指令信号を出力し、バルブタ
イミングの切換制御を行う。
尚、本実施例における駆動輪スリップ制御は、上述の
ようにフュエルカットによりエンジン出力を低下させる
ことによって行うが、これに限らず、例えばエンジンに
供給する混合気の空燃比リーン化により、あるいはスロ
ットル弁開度を小さくすることによりエンジン出力を低
下させる。又は駆動輪にブレーキをかける等により行う
ものであってもよい。
本実施例においては、VTC−ECU2は弁揚程特性選択手
段の一部、及び弁揚程特性選択変更手段を構成し、TCS
−ECU3は駆動輪スリップ検出手段の一部、及びエンジン
出力低減手段を構成する。
第2図は、エンジン1の各気筒の吸気弁30を駆動する
吸気弁側動弁装置20を示すが、排気弁側にも基本的にこ
れと同じ構成の動弁装置が設けられている。この動弁装
置20は、エンジン1のクランク軸(図示せず)から1/2
の速度比で回転駆動されるカムシャフト21と、各気筒に
それぞれ対応してカムシャフト21に設けられる高速用カ
ム24及び低速用カム22,23と、カムシャフト21と平行に
して固定配置されるロッカシャフト25と、各気筒にそれ
ぞれ対応してロッカシャフト25に枢支される第1駆動ロ
ッカアーム26、第2駆動ロッカアーム27及び自由ロッカ
アーム28と、各気筒に対応した各ロッカアーム26,27,28
間にそれぞれ設けられる連結切換機構29とを備える。
第2図(b)において、連結切換機構29は、第1駆動
ロッカアーム26及び自由ロッカアーム28間を連結可能な
第1切換ピン31と、自由ロッカアーム28及び第2駆動ロ
ッカアーム27間を連結可能な第2切換ピン32と、第1及
び第2切換ピン31,32の移動を規制する規制ピン33と、
各ピン31〜33を連結解除側に付勢する戻しばね34とを備
える。
第1駆動ロッカアーム26には、自由ロッカアーム28側
に開放した有底の第1ガイド穴35がロッカシャフト25と
平行に穿設されており、この第1ガイド穴35に第1切換
ピン31が摺動可能に嵌合され、第1切換ピン31の一端と
第1ガイド穴35の閉塞端との間に油圧室36が画成され
る。しかも第1駆動ロッカアーム26には油圧室36に連通
する通路37が穿設され、ロッカシャフト25には給油路38
が設けられ、給油路38は第1駆動ロッカアーム26の揺動
状態に拘らず通路37を介して油圧室36に常時連通する。
自由ロッカアーム28には、第1ガイド穴35に対応する
ガイド孔39がロッカシャフト25と平行にして両側面間に
わたって穿設されており、第1切換ピン31の他端に一端
が当接される第2切換ピン32がガイド孔39に摺動可能に
嵌合される。
第2駆動ロッカアーム27には、前記ガイド孔39に対応
する有底の第2ガイド穴40が自由ロッカアーム28側に開
放してロッカシャフト25と平行に穿設されており、第2
切換ピン35の他端に当接する円盤状の規制ピン33が第2
ガイド穴40に摺動可能に嵌合される。しかも第2ガイド
穴40の閉塞端には案内筒41が嵌合されており、この案内
筒41内に摺動可能に嵌合する軸部42が規制ピン32に同軸
にかつ一体に突設される。また戻しばね34は案内筒41及
び規制ピン33間に嵌挿されており、この戻しばね34によ
り各ピン31,32,33が油圧室36側に付勢される。
かかる連結切換機構27では、油圧室36の油圧が高くな
ることにより、第1切換ピン31がガイド孔39に嵌合する
とともに第2切換ピン32が第2ガイド穴40に嵌合して、
各ロッカアーム26,28,27が連結される。また油圧室36の
油圧が低くなると戻しばね34のばね力により第1切換ピ
ン31が第2切換ピン32との当接面を第1駆動ロッカアー
ム26及び自由ロッカアーム28間に対応させる位置まで戻
り、第2切換ピン32が規制ピン33との当接面を自由ロッ
カアーム28及び第2駆動ロッカアーム27間に対応させる
位置まで戻るので各ロッカアーム26,28,27の連結状態が
解除される。
前記ロッカシャフト25内の給油路38は、切換弁12を介
してオイルポンプ13に接続されており、該切換弁12の切
換作動により給油路38内の油圧、従って前記連結切換機
構29の油圧室36内の油圧が高低に切換えられる。この切
換弁12は前記電磁弁11に接続されており、該切換弁12切
換作動は、VTC−ECU2により電磁弁11を介して制御され
る。
上述のように構成されたエンジン1の吸気側動弁装置
20は以下のように作動する。尚、排気側動弁装置も同様
に作動する。
VTC−ECU2から電磁弁11に対して開弁指令信号が出力
されると、該電磁弁11が開弁作動し、切換弁12が開弁作
動して給油路38の油圧が上昇する。その結果、連結切換
機構29が作動して各ロッカアーム26,28,27が連結状態と
なり、高速用カム24によって、各ロッカアーム26,28,27
が一体に作動し(第3図(a)はこの状態を示してい
る)、一対の吸気弁30が、開弁期間とリフト量を比較的
大きくした高速バルブタイミングで開閉作動する。
一方、VTC−ECU2から電磁弁11に対して閉弁指令信号
が出力されると、電磁弁11、切換弁12が閉弁作動し、給
油路38の油圧が低下する。その結果、連結切換機構29が
上記と逆に作動して、各ロッカアーム26,28,27の連結状
態が解除され、低速用カム22,23によって夫々対応する
ロッカアーム26,27が作動し、一対の吸気弁30が、開弁
期間とリフト量を比較的小さくした低速バルブタイミン
グで作動する。
第3図は、VTC−ECU2によるバルブタイミング制御の
手法を示すフローチャートである。同図において、通常
バルブタイミング制御(ステップ308)とは、第4図の
実線で示すようにエンジン回転数Neが所定回転数Ne
0(例えば5,000rpm)未満(Ne<Ne0)のとき、低速バル
ブタイミングを選択し、Ne0以上(Ne≧Ne0)のとき高速
バルブタイミングを選択する、即ち相対的に大きなエン
ジン出力が得られるバルブタイミングを選択する制御
(以下「通常制御」という)である。一方、逆転バルブ
タイミング制御(ステップ307)とは、第4図の破線で
示すようにNe<Ne0のとき、高速バルブタイミングを選
択し、Ne≧Ne0のとき、低速バルブタイミングを選択す
る、即ち相対的に小さなエンジン出力が得られるバルブ
タイミングを選択する制御である(以下「逆転制御」と
いう)。尚、所定回転数Ne0は、低速バルブタイミング
を選択したとき得られるエンジン出力トルクと、高速バ
ルブタイミングを選択したとき得られるエンジン出力ト
ルクとが略等しくなるエンジン回転数である。
スリップ301では、TC制御中か否か、即ち駆動輪の過
剰スリップ制御(以下「トラクション制御」という)中
か否かを判別し、その答が否定(No)のときにはバルブ
タイミングが逆転済か、即ち逆転制御中であるかを判別
する(ステップ305)。ステップ301,305の答がともに否
定(No)、即ちトラクション制御中でなく、且つ通常制
御中のときには通常制御を継続する(ステップ308)。
ステップ305の答が肯定(Yes)、即ち逆転制御中のとき
には、エンジン回転数Neが前記所定回転数Ne0に等しい
か否かを判別する(ステップ306)。この答が否定(N
o)、即ちNe≠Ne0のときには逆転制御を継続する(ステ
ップ307)一方、この答が肯定(Yes)、即ちNe=Ne0
なるときに通常制御に移行する(ステップ308)。
前記ステップ301の答が肯定(Yes)、即ちトラクショ
ン制御中のときにはスリップ率λが所定スリップ率λ
(例えば8%)以上か否かを判別する(ステップ30
2)。この答が否定(No)、即ちλ<λのときには、
前記ステップ305に進み、トラクション制御中でないと
きと同様の制御を行う。スリップ率λの増加に対して、
タイヤと路面との摩擦力による駆動力Fは第5図に示す
ように変化するが、λ<λの領域ではトラクション制
御により良好な駆動特性が得られるからである。
前記ステップ301,302の答がともに肯定(Yes)、即ち
トラクション制御中で且つλ≧λが成立するときに
は、逆転制御中か否かを判別する(ステップ303)。こ
の答が肯定(Yes)、即ち逆転制御中のときにはそのま
ま逆転制御を継続する(ステップ307)。ステップ303の
答が否定(No)、即ち通常制御中のときにはエンジン回
転数Neが前記所定回転数Ne0に等しいか否かを判別する
(ステップ304)。この答が否定(No)、即ちNe≠Ne0
ときには、通常制御を継続する(ステップ308)一方、
その答が肯定(Yes)、即ちNe=Ne0となるときに逆転制
御に移行する(ステップ307)。
第6図は、上述の手法によるバルブタイミング制御の
具体例を示す図であり、同図(a)に示すようにエンジ
ン回転数Neが時間tの経過とともに増加し、時刻t2でNe
=Ne0なる例を示している。
同図(b)は、時刻t0において通常制御中であって、
トラクション制御中でない場合、若しくはトラクション
制御中で且つスリップ率λ<λの場合を示す。この場
合には、通常制御が行われて、時刻t2までは低速バルブ
タイミングが選択され、時刻t2以後は高速バルブタイミ
ングが選択される。
同図(c)は、時刻t0において通常制御中であって、
時刻t1においてトラクション制御中且つスリップ率λ≧
λの条件(以下「逆転条件」という)が成立した場合
を示す。この場合には、時刻t2までは通常制御、時刻t2
以後は逆転制御が行われて、時刻t2までは低速バルブタ
イミングが選択され、時刻t2以後も低速バルブタイミン
グが選択される。このように、通常制御中に逆転条件が
成立(時刻t1)しても直ちに逆転制御に移行せず、Ne=
Ne0が成立しエンジンの出力が略等しくなる時刻t2に逆
転制御に移行(この場合低速バルブタイミングを継続す
る)するようにしているので、通常制御から逆転制御へ
の移行時におけるエンジン出力の急激な変化によるショ
ックを防止することができる。しかも時刻t2以後は、相
対的にエンジン出力の小さい方のバルブタイミングが選
択されるので、駆動輪の過剰スリップの度合をより低減
されることができる。その結果、前述したTCS−ECU3に
よるフュエルカットの気筒数を減少させることができる
ので、エンジンの一部の気筒をフュエルカットすること
に起因する出力トルクの変動成分を減少させ、運転性を
向上させることができる。
同図(d)は、時刻t0において逆転制御中であって、
前記逆転条件が時刻t0以後も継続して成立する場合を示
す。この場合には、逆転制御が行われて、時刻t2までは
高速バルブタイミングが選択され、時刻t2以後は低速バ
ルブタイミングが選択される。このように、逆転条件が
継続して成立するときは、常に相対的にエンジン出力の
小さい方のバルブタイミングが選択されるので、駆動輪
の過剰スリップの度合をより低減させ、フュエルカット
気筒数を減少させて運転性の向上を図ることができる。
同図(e)は、時刻t0において逆転制御中であって、
前記逆転条件が成立し、時刻t1においてλ<λとなっ
て逆転条件が不成立となった場合を示す。この場合に
は、時刻t2までは逆転制御、時刻t2以後は通常制御が行
われて、時刻t2までは高速バルブタイミングが選択さ
れ、時刻t2以後も高速バルブタイミングが選択される。
このように、逆転制御中に逆転条件が不成立(時刻t1
となっても直ちに通常制御に移行せず、Ne=Ne0が成立
する時刻t2に通常制御に移行するようにしたので、逆転
制御から通常制御への移行時においてもエンジン出力の
急激な変化によるシヨックを防止することができる。
また、同図(c),(e)の場合で説明したように、
通常制御から逆転制御への、又はその逆の移行は、Ne=
Ne0となるときのみ行われるので、車両の走行に伴って
路面の摩擦係数が変化して駆動輪のスリップ率λが変動
し、前記逆転条件の成立、不成立が頻繁に繰り返される
ような場合でも、バルブタイミングの切換頻度が低減さ
れ、前述したバルブタイミング切換機構、特に連結切換
機構29の耐久性の向上を図ることができる。
第7図は第3図の制御手法の変形例を示しており、第
3図のステップ306のみ、ステップ306′に変更したもの
である。この変形例では、前記逆転条件(トラクション
制御中で且つスリップ率λ≧λ)が成立せず、逆転制
御中である(ステップ305の答が肯定(Yes))ときに
は、エンジンが減速中か否かを判定する(ステップ30
6′)。
エンジンが低速中であるか否かの判別は、例えばスロ
ットル弁が略全閉であるか否か、あるいはエンジン回転
数Neの変化率△Neが所定値以下か否かを判別することに
より行う。また、上記スロットル弁の略全閉状態、又は
エンジン回転数の変化率△Neが所定値以下の状態が所定
時間以上継続したことにより、あるいはまたブレーキペ
ダルの踏込みを検出するセンサを設け、該センサの出力
により、減速を検知するようにしてもよい。
ステップ306′の答が否定(No)、即ち減速中でなけ
れば逆転制御を継続する(ステップ307)一方、ステッ
プ306′の答が肯定(Yes)、即ち減速状態となったとき
に、通常制御に移行する。
このように、前記逆転条件が不成立となっても減速中
でなければ通常制御に移行しないので、第3図の手法に
よる制御の場合と同様に、駆動輪のスリップ率λの変動
にともなってバルブタイミングの切換頻度が増加するこ
とを防止することができるとともに、逆転制御から通常
制御への移行時にエンジン出力の急激な変化によるシヨ
ックの発生を回避することができる。
尚、上述の実施例では、バルブタイミングの選択をエ
ンジン回転数Neに応じて行っているが、これに限らず、
例えば吸気圧に応じて、あるいはエンジン回転数と吸気
圧の双方に応じて、又はエンジン回転数、吸気圧及びエ
ンジン冷却水温等に応じてバルブタイミングを選択する
ものであってもよい。また、上述の実施例は低速バルブ
タイミング及び高速バルブタイミングの2つが選択可能
なエンジンにおける実施例であるが、例えば低速用、中
速用、高速用の3つのバルブタイミングが選択可能なエ
ンジン等においても上述と同様の制御が可能である。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明の請求項1の弁揚程特性
制御装置によれば、駆動輪スリップ制御装置を装備した
車両のエンジンにおける弁揚程特性を、駆動輪スリップ
の度合に応じて適切に選択することができる。
請求項2の弁揚程特性制御装置によれば、駆動輪の過
剰スリップ制御中には相対的にエンジン出力の小さい方
の弁揚程特性が選択され、駆動輪の過剰スリップの度合
をより低減することができる。また、その結果過剰スリ
ップ制御のためにフュエルカットする気筒の数を減少さ
せて、運転性の向上を図ることができる。
請求項3乃至6の弁揚程特性制御装置によれば、弁揚
程特性変更時及び/又は変更解除時のエンジン出力の急
激な変化によるシヨックを防止でき、更に駆動輪の過剰
スリップ制御中のスリップ率の変化に伴う弁揚程特性の
切換頻度が低減され、弁揚程特性を切換えるための機構
の耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る弁揚程特性制御装置の全体構成
図、第2図はエンジンの動弁装置及びその制御系を示す
図、第3図は弁揚程特性の制御手法を示すフローチャー
ト、第4図はエンジン回転数に対する弁揚程特性毎のエ
ンジン出力トルクの変化及び弁揚程特性の選択を示す
図、第5図は駆動輪のスリップ率に対する駆動力の変化
を示す図、第6図は第3図の制御手法による制御の具体
例を示す図、第7図は第3図の変形例を示す図である。 1……内燃エンジン、2……バルブタイミング(弁揚程
特性)制御用電子コントロールユニット(VTC−ECU)、
3……駆動輪スリップ制御用電子コントロールユニット
(TCS−ECU)、4……駆動輪速度センサ、5……従動輪
速度センサ、7……電磁弁、8……切換弁、20……動弁
装置、29……連結切換機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 英哲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 滝沢 治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 金広 正毅 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−169642(JP,A) 特公 平5−15887(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの吸気弁及び排気弁の少なく
    とも一方の弁揚程特性を複数設定し、該設定された弁揚
    程特性を前記エンジンの運転状態のうち少なくともエン
    ジン回転数に応じて選択する弁揚程特性選択手段と、前
    記エンジンにより駆動される駆動輪のスリップを検出す
    る駆動輪スリップ検出手段と、該駆動輪スリップ検出手
    段の出力に応じて燃料量、吸入空気量、点火時期の内の
    少なくとも一つを制御してエンジン出力を低減させるエ
    ンジン出力低減手段とを備えた内燃エンジンの弁揚程特
    性制御装置において、前記駆動輪スリップ検出手段が過
    剰スリップ状態を検出したときに、前記エンジンの運転
    状態に応じて弁揚程特性選択手段が選択した弁揚程特性
    をエンジン出力がより低減される弁揚程特性に変更する
    弁揚程特性選択変更手段を設けたことを特徴とする弁揚
    程特性制御装置。
  2. 【請求項2】前記弁揚程特性選択変更手段は、エンジン
    運転状態が前記弁揚程特性選択手段の弁揚程特性切り換
    え時の所定運転状態に到達したときに変更作動すること
    を特徴とする請求項1記載の弁揚程特性制御装置。
  3. 【請求項3】前記所定運転状態は、エンジン回転数が所
    定回転数に一致した状態であることを特徴とする請求項
    2記載の弁揚程特性制御装置。
  4. 【請求項4】前記弁揚程特性選択変更手段は、前記駆動
    輪スリップ検出手段が前記駆動輪が過剰スリップ状態で
    ないと検出したときに、エンジン運転状態が前記所定運
    転状態に到達した時点で前記変更作動を解除することを
    特徴とする請求項2又は3記載の弁揚程特性制御装置。
  5. 【請求項5】前記弁揚程特性選択変更手段は、エンジン
    の減速運転状態を検知したとき前記変更作動を解除する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の弁揚程特性制御
    装置。
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