JP2615173B2 - 駆動輪スリップ制御装置 - Google Patents

駆動輪スリップ制御装置

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JP2615173B2
JP2615173B2 JP33094188A JP33094188A JP2615173B2 JP 2615173 B2 JP2615173 B2 JP 2615173B2 JP 33094188 A JP33094188 A JP 33094188A JP 33094188 A JP33094188 A JP 33094188A JP 2615173 B2 JP2615173 B2 JP 2615173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の駆動輪スリップ制御装置に関し、特に
吸気弁及び/又は排気弁の弁揚程特性が切換可能な内燃
エンジンを搭載した車両の駆動輪スリップ制御装置に関
する。
(従来の技術) 一般に、車両の発進時あるいは加速時に駆動輪の駆動
力がタイヤと路面との摩擦力[タイヤと路面との摩擦係
数×車両重量の駆動輪への荷重(車両荷重)]を超える
と、駆動輪はスリップするが、このスリップの程度を車
両の駆動輪速度と従動輪速度との差ΔVにより検出し、
該車輪速偏差ΔVが大となる過剰スリップ状態を検知し
たときには、エンジンへの燃料供給量を燃料の遮断等に
より低減して、エンジンの出力トルク(駆動力)を低下
させるようにした駆動輪スリップ制御装置が従来より知
られている(例えば特開昭58-8436号公報)。この駆動
輪スリップ制御装置によれば、過剰スリップの度合が増
加するほど、燃料遮断を行う気筒数を増加させる制御が
行われる。
また、吸気弁と排気弁の少なくとも一方の弁揚程特性
を、エンジンの低回転領域に適した低速用弁揚程特性
と、高回転領域に適した高速用弁揚程特性とに切換可能
なエンジンにおいて、エンジン運転状態(例えばエンジ
ン回転数、吸気圧等)を検出し、該検出したエンジン運
転状態に適した弁揚程特性を選択するようにした弁揚程
特性制御装置が従来より知られている(例えば特公昭49
-33289号公報)。
(発明が解決しようとする課題) 弁揚程特性が切換可能なエンジンの出力トルクは、エ
ンジン回転数に対して例えば第14図に示すように変化す
る。即ち、エンジン回転数Neの低回転側(Ne<Nev)で
は低速用弁揚程特性を選択したときの方が出力トルクが
大きくなり、高回転側(Ne>Nev)では逆に高速用弁揚
程特性を選択したときの方が大きくなる。従って、弁揚
程特性が切換えられるとエンジンの出力トルクが変化す
るが、該切換が車両の駆動輪スリップ制御中である場
合、前記従来の駆動輪スリップ制御装置によれば、エン
ジン出力トルクの変化によって先ず駆動輪のスリップ状
態(スリップの度合)が変化し、その変化に対して制御
系が応答し、その後に弁揚程特性切換前の制御状態に復
帰するという制御が行われるため、弁揚程特性の切換に
伴う駆動輪のスリップ状態の変動自体を回避しえず、運
転性を悪化させるという問題があった。
本発明は上述の問題を解決するためになされたもので
あり、弁揚程特性が切換可能なエンジンを搭載した車両
における駆動輪のスリップを適切に制御し、駆動輪スリ
ップ制御中に弁揚程特性が切換えられても駆動輪のスリ
ップ状態がほとんど変動せず、運転性の改善を図ること
ができる駆動輪スリップ制御装置を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明は、内燃エンジンの吸
収弁及び排気弁の少なくとも一方の弁揚程特性を変更す
る弁揚程特性変更手段と、該エンジンにより駆動される
駆動輪のスリップを検出する駆動輪スリップ検出手段
と、該駆動輪スリップ検出手段の出力に応じてエンジン
出力を低減されるエンジン出力低減手段とを備えた駆動
輪スリップ制御装置において、前記弁揚程特性変更手段
の作動に応答して前記エンジン出力低減手段のエンジン
出力低減量を変更するエンジン出力低減量変更手段を設
けるようにしたものである。
尚、本明細書でいう弁揚程特性とは、弁の開弁期間及
び弁のリフト量の両方あるいは一方を意味するものであ
る。
(作用) 弁揚程特性の変更に応じてエンジン出力の低減量が変
更される。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る内燃エンジンの制
御装置の全体構成図であり、同図中1は各シリンダに吸
気弁と排気弁とを各1対に設けた6気筒のDOHC内燃エン
ジンである。エンジン1の吸気管2の途中にはスロット
ル弁3が設けられており、該スロットル弁3にはスロッ
トル弁開度(θTH)センサ4が連結され、スロットル弁
3の開度に応じた電気信号を出力してエンジン制御用電
子コントロールユニット(以下「ENG-ECU」という)5
に供給する。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間且
つ吸気管2の吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられ
ており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されて
いると共にENG-ECU5に電気的に接続されて当該ENG-ECU5
からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧
(PBA)センサ7が設けられており、この絶対圧センサ
7により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ENG-EC
U5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)セ
ンサ8が取付けられており、吸気温TAを検出して対応
する電気信号を出力してENG-ECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(Tw)セ
ンサ9はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水
温)Twを検出した対応する温度信号を出力してENG-ECU5
に供給する。エンジン回転数(Ne)センサ10及び気筒判
別(CYL)センサ11はエンジン1のカム軸周囲又はクラ
ンク軸周囲に取付けられている。エンジン回転数センサ
10はエンジン1のクランク軸の120度回転毎に所定のク
ランク角度位置でパルス(以下「TDC信号パルス」とい
う)を出力し、気筒判別センサ11は特定の気筒の所定の
クランク角度位置で信号パルスを出力するものであり、
これらの各信号パルスはENG-ECU5に供給される。
三元触媒14はエンジン1の排気管13に配置されてお
り、排気ガス中のHC,CO,NOx等の成分の浄化を行う。排
気ガス濃度検出器としてのO2センサ12は排気管13の三
元触媒14の上流側に装着されており、排気ガス中の酸素
濃度を検出してその検出値に応じた信号を出力しENG-EC
U5に供給する。
また、ENG-ECU5には、駆動輪スリップ検出用の電子コ
ントロールユニット(以下「TCS-ECU」という)20が接
続されている。このTCS-ECU20には、左右の駆動輪(図
示せず)の回転速度WFR,WFLを検出する駆動輪速度セン
サ21,22と、左右の従動輪(図示せず)の回転速度WRR,
WRLを検出する従動輪速度センサ23,24とが接続されてお
り、これらのセンサ21〜24はその検出信号をTCS-ECU20
に供給する。
更にENG-ECU5にはバッテリ電圧センサ15が接続されて
おり、該バッテリ電圧センサはバッテリ電圧を検出し、
その検出信号をENG-ECU5に供給する。
また、ENG-ECU5は電磁弁26に接続されており、後述す
るように吸気弁及び排気弁のバルブタイミング切換制御
を行う。尚、本実施例でいう「バルブタイミング」は、
前述の「弁揚程特性」と同じ意味で用いられている。
ENG-ECU5は各種センサ及びTCS-ECU20からの入力信号
波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナ
ログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有す
る入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム及び演
算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射弁6に駆
動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づい
て、O2センサ15による理論空燃比へのフィードバック
制御運転領域やオープンループ制御運転領域等の種々の
エンジン運転状態を判別するとともに、エンジン運転状
態に応じ、次式(1)に基づき、前記TDC信号パルスに
同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算す
る。
OUT=Ti×KTCS×K1+K2 …(1) ここに、Tiは基本燃料量、具体的にはエンジン回転数
Neと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本燃料
噴射時間である。
TCSは、駆動輪の過剰スリップ状態を検出したとき
に、後述するように値1.0より小さい値に設定されるリ
ーン化補正係数であり、上記駆動輪の過剰スリップ状態
以外のときには値1.0に設定される。
1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じ
て演算される他の補正係数及び補正変数であり、エンジ
ン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸
特性の最適化が図られるような所定値に決定される。
CPU5bは、更にエンジン運転状態(例えばエンジン回
転数Ne、吸気管内絶対圧PBA、エンジン冷却水温Tw)に
応じて、後述のバルブタイミング切換の電磁弁26のオン
/オフ制御を行う。
CPU5bは上述のようにして算出、決定した結果に基づ
いて、燃料噴射弁6及び電磁弁26を駆動する信号を、出
力回路5dを介して出力する。
本実施例においては、ENG-ECU5は弁揚程特性変更手段
の一部、駆動輪スリップ検出手段の一部、エンジン出力
低減手段、及びエンジン出力低減量変更手段を構成し、
TCS-ECU20は前記駆動輪スリップ検出手段の一部を構成
する。
第2図は、エンジン1の各気筒の吸気弁40を駆動する
吸気弁側動弁装置30を示すが、排気弁側にも基本的にこ
れと同じ構成の動弁装置が設けられている。この動弁装
置30は、エンジン1のクランク軸(図示せず)から1/2
の速度比で回転駆動されるカムシャフト31と、各気筒に
それぞれ対応してカムシャフト31に設けられる高速用カ
ム34及び低速用カム32,33と、カムシャフト31と平行に
して固定配置されるロッカシャフト35と、各気筒にそれ
ぞれ対応してロッカシャフト35に枢支される第1駆動ロ
ッカアーム36、第2駆動ロッカアーム37及び自由ロッカ
アーム38と、各気筒に対応した各ロッカアーム36,37,38
間にそれぞれ設けられる連結切換機構39とを備える。
第2図(b)において、連結切換機構39は、第1駆動
ロッカアーム36及び自由ロッカアーム38間を連結可能な
第1切換ピン41と、自由ロッカアーム38及び第2駆動ロ
ッカアーム37間を連結可能な第2切換ピン42と、第1及
び第2切換ピン41,42の移動を規制する規制ピン43と、
各ピン41〜43を連結解除側に付勢する戻しばね44とを備
える。
第1駆動ロッカアーム36には、自由ロッカアーム38側
に開放した有底の第1ガイド穴45がロッカシャフト35と
平行に穿設されており、この第1ガイド穴45に第1切換
ピン41が摺動可能に嵌合され、第1切換ピン41の一端と
第1ガイド穴45の閉塞端との間に油圧室46が画成され
る。しかも第1駆動ロッカアーム36には油圧室46に連通
する通路47が穿設され、ロッカシャフト35には給油路48
が設けられ、給油路48は第1駆動ロッカアーム36の揺動
状態に拘らず通路47を介して油圧室46に常時連通する。
自由ロッカアーム38には、第1ガイド穴45に対応する
ガイド孔49がロッカシャフト35と平行にして両側面間に
わたって穿設されており、第1切換ピン41の他端に一端
が当接される第2切換ピン42がガイド孔49に摺動可能に
嵌合される。
第2駆動ロッカアーム37には、前記ガイド孔49に対応
する有底の第2ガイド穴50が自由ロッカアーム38側に開
放してロッカシャフト35と平行に穿設されており、第2
切換ピン45の他端に当接する円盤状の規制ピン43が第2
ガイド穴50に摺動可能に嵌合される。しかも第2ガイド
穴50の閉塞端には案内筒51が嵌合されており、この案内
筒51内に摺動可能に嵌合する軸部52が規制ピン42に同軸
にかつ一体に突設される。また戻しばね44は案内筒51及
び規制ピン43間に嵌挿されており、この戻しばね44によ
り各ピン41,42,43が油圧室46側に付勢される。
かかる連結切換機構37では、油圧室46の油圧が高くな
ることにより、第1切換ピン41がガイド孔49に嵌合する
とともに第2切換ピン42が第2ガイド穴50に嵌合して、
各ロッカアーム36,37,38が連結される。また油圧室46の
油圧が低くなると戻しばね44のばね力により第1切換ピ
ン41が第2切換ピン42との当接面を第1駆動ロッカアー
ム36及び自由ロッカアーム38間に対応させる位置まで戻
り、第2切換ピン42が規制ピン43との当接面を自由ロッ
カアーム38及び第2駆動ロッカアーム37間に対応させる
位置まで戻るので各ロッカアーム36,37,38の連結状態が
解除される。
前記ロッカシャフト35内の給油路48は、切換弁27を介
してオイルポンプ28に接続されており、該切換弁27の切
換動作により給油路48内の油圧、従って前記連結切換機
構39の油圧室46内の油圧が高低に切換えられる。この切
換弁27は前記電磁弁26に接続されており、該切換弁27の
切換動作は、ENG-ECU5により電磁弁26を介して制御され
る。
上述のように構成されたエンジン1の吸気弁側動弁装
置30は以下のように作動する。尚、排気弁側動弁装置も
同様に作動する。
ENG-ECU5から電磁弁26に対して開弁指令信号が出力さ
れると、該電磁弁26が開弁作動し、切換弁27が開弁作動
して給油路48の油圧が上昇する。その結果、連結切換機
構39が作動して各ロッカアーム36,38,37が連結状態とな
り、高速用カム34によって、各ロッカアーム36,38,37が
一体に作動し(第3図(a)はこの状態を示してい
る)、一対の吸気弁40が、開弁期間とリフト量を比較的
大きくした高速バルブタイミングで開閉作動する。
一方、ENG-ECU5から電磁弁26に対して閉弁指令信号が
出力されると、電磁弁26、切換弁27が閉弁作動し、給油
油48の油圧が低下する。その結果、連結切換機構39が上
記と逆に作動して、各ロッカアーム36,38,37の連結状態
が解除され、低速用カム32,33によって夫々対応するロ
ッカアーム36,37が作動し、一対の吸気弁40が、開弁期
間とリフト量を比較的小さくした低速バルブタイミング
で作動する。
第3図は、前記TCS-ECU20の内部構成を示すブロック
構成図であり、前記左右の駆動輪速度センサ21,22の検
出信号が夫々第1の平均算出回路201に入力される。第
1の平均値算出回路201は、左右の駆動輪速度の平均値
W(=(WFL+WFR)/2)を算出し、該算出値を後述
のDUTY算出回路204に入力する。
一方、前記左右の従動輪速度センサ23,24の検出信号
は、夫々第2の平均値算出回路202に入力される。第2
の平均値算出回路202は、左右の従動輪速度WRL,WRR
平均値VV(=(WRL+WRR)/2)を車体速度として算
出し、該算出値を基準駆動輪速度(Vref)算出回路203
に入力する。基準駆動輪速度Vref算出回路203は、車体
速度VVに応じた基準駆動輪速度(Vref)として、駆動
輪速度の目標値VRP、第1の所定駆動輪速度VR1及び第
2の所定駆動輪速度VR2を算出し、該算出値をDUTY算出
回路204に入力する。
上記3つの基準駆動輪速度VR1,VR2及びVRPは、例え
ば第4図に示すように車体速度VVと、該車体速度VV
駆動輪速度VWとの関係を示す直線A,B,Cとに基づいて算
出される。一般に駆動輪スリップの程度を表わすスリッ
プ率λは、 λ=(VW−VV)/VW …(2) により算出されるが、このスリップ率λが増加すると、
タイヤと路面と摩擦力による縦方向の(即ち車両の進行
方向の)駆動力は、第5図の実線で示すように第2のス
リップ率λ2(例えば15%)で最大となり、スリップ率
λがλ2を超えると低下する。またタイヤと路面との限
界応力は同図中破線で示すようにスリップ率λが大きい
ほど低下する。従って、スリップ率λが第2のスリップ
率λ2を超えると縦方向及び横方向の双方の駆動力が低
下し、十分な駆動力又は限界横力が得られなくなる。一
方、スリップ率λが第1のスリップ率λ1(例えば5
%)より小さいときは駆動輪スリップが限界を超えず、
安定したグリップが得られている状態である。
上記の点を考慮して、第4図の直線A,Bは第5図の第
1と第2のスリップ率λ1,λ2に対応するようにし、検
出した駆動輪速度VWと車体速度VVとの関係が直線Aと
Bの間の領域内にあるときには、駆動力の増大傾向がス
リップ率の増加に対して線形領域にあるので、スリップ
率λ=λ0(例えば8%)となる駆動輪速度VRP(第4
図の直線Cに対応)を駆動輪速度の目標値として、後述
するスリップ値DUTYに応じた駆動輪スリップ制御を行
う。
前記DUTY算出回路204は、検出した駆動輪速度VWと、
基準駆動輪速度VR1,VR2及びVRPとを次式(3)〜
(7)に適用して、駆動輪スリップの程度に応じたパラ
メータとしてスリップ値DUTYを算出し、該算出結果をDU
TY信号としてENG-ECU5に供給する。
DUTY=(VRPn−VR1n)/(VR2n−VR1n)−Dn …(3) Dn=Dn-1+ΔDn …(4) ΔDn=KP×ΔVWP+KI×(VRPn−VWn)+KD×
(ΔVWn−ΔVWn-1) …(5) ΔVWn=ΔVWn−ΔVWn-1 …(6) ΔVWP=(ΔVWn-1−VRPn-1)−(VWn−VRPn) …(7) ここで、KP,KI,KDは夫々所定の比例ゲイン,積分ゲ
イン,微分ゲインである。また添字nn-1は、演算が一
定サイクルで繰り返されるため、そのサイクルの今回
値,前回値を表わす。
上記式(3)〜(7)を用いてスリップ値DUTYを算出
することにより、駆動輪スリップ制御にいわゆる追跡型
PID制御を適用して、検出した駆動輪速度VWに含まれる
ノイズ成分(誤差要素)の影響を低減し、適切な駆動輪
スリップ制御を行うことができる。なお、スリップ値DU
TYは、駆動輪のスリップ率λが高いほど大きな値とな
る。
第6図は、ENG-ECU5において前記スリップ値DUTYに基
づいて、エンジン1に供給する混合気の空燃比リーン化
又はフュエルカットを行うことによるエンジン出力制御
(以下「トラクション制御」という)を実行するプログ
ラムのフローチャートである。本プログラムはTDC信号
パルス発生毎にこれと同期して実行される。尚、本プロ
グラムはエンジン1が6気筒エンジンである場合を想定
したものである。
先ず、エンジン回転数Neに応じてエンジン回転が高速
モード又は中速モードであるか否かを判別し(ステップ
601)、その答が否定(No)、即ち低速モードの時には
直ちにステップ605に進む一方、その答が肯定(Yes)、
即ち中高速モードのときには更に中速モードであるか否
かを判別する(ステップ602)。ステップ602の答が肯定
(Yes)、即ち中速モードのときには本プログラムの今
回実行時に燃料を噴射すべき気筒(以下「今回気筒」と
いう)が#2気筒又は#6気筒であるか否かを判別する
(ステップ603)。ステップ602又は603の答が否定(N
o)のとき、即ち高速モードのとき又は中速モードであ
って今回気筒が#2,#6でないときには、今回気筒が#
6であるか否かを判別する(ステップ604)。中速モー
ドのとき又は高速モードで今回気筒が#6でないときに
は、ステップ604の答は否定(No)となり、ステップ605
以下の演算を実行せずに本プログラムを終了し、前回ま
でに演算された最新の演算結果に基づいて燃料噴射(又
はフュエルカット)及び点火を行う。ステップ604又は6
04の答が肯定(Yes)のとき、即ち中速モードで今回気
筒が#2又は#6のとき、あるいは高速モードで今回気
筒が#6のときにはステップ605に進む。
ステップ605では、前記スリップ値DUTYを読込み、ト
ラクション制御を行うべき条件(以下「TC条件」とい
う)が成立するか否かを判別するための、第7図に示す
TC条件判別サブルーチンを実行する(ステップ606)。
第7図のステップ701で、DUTY信号が異常か否かの判
別、即ちスリップ値DUTYの上下限チェックを行い、その
答が否定(No)、即ちDUTY信号が正常のときには、バッ
テリ電圧VBADが所定電圧VBTCL(例えば10V)以下か否
かを判別する(ステップ702)、ステップ702の答が否定
(No)、即ちVBAD>VBTCLが成立するときには、エン
ジン水温TWが所定の上限水温TWTCH(例えば99℃)以
上か否かを判別する(ステップ703)。ステップ703の答
が否定(No)、即ちTW<TWTCHが成立するときには、
更にエンジン水温TWが所定の下限水温TWTCL(例えば
−29℃)以下か否かを判別する(ステップ704)。この
答が否定(No)、即ちTW>TWTCLが成立するときに
は、吸気温TAが所定の上限吸気温TATCH(例えば69
℃)以上か否かを判別する(ステップ705)。ステップ7
01〜705のいずれかの答が肯定(Yes)のとき、即ちDUTY
信号が異常あるいはVBAD≦VBTCL,TW≧TWTCH,又はT
A≧TATCHのいずれかが成立するときには、トラクショ
ン制御を行うべきでない、即ちTC条件不成立と判別し
て、TC条件フラッグFTCENBLを値0に設定して(ステッ
プ707)本ルーチンを終了する。これは、エンジンへ供
給する混合気の空燃比をリーン化、又はフュエルカット
することによるトラクション制御を行うと、DUTY信号
が異常のときには適切な制御を行えない、バッテリ電
圧VBADが低い(VBAD≦VBTCL)ときには、DUTY信号が
スリップ状態を表わしているかどうか保証されない、
エンジン温度が高い(TW≧TWTCH,TA≧TATCH)ときに
は、燃費を供給することによるエンジン冷却効果が失わ
れ、エンジンに不測の損傷をきたすおそれがあり、エ
ンジン温度が低い(TW≦TWTCL)ときには、失火を起
こすおそれがあるからである。
一方、前記ステップ701〜705の答が全て否定(No)の
とき、即ちDUTY信号が正常で、且つVBAD>VBTCL,T
WTCH>TW>TWTCL,及びTA<TATCHが全て成立すると
きには、TC条件成立と判別して前記TC条件フラッグFTCE
NBLを値1に設定して(ステップ706)本ルーチンを終了
する。
第6図に戻り、ステップ607でスロットル弁開度θTH
が所定開度θFC(例えば1.5°)以下か否かを判別し、
その答が肯定(Yes)、即ちスロットル弁が略全閉のと
きには、トラクション制御を行う必要がないと判別し
て、後述する実際のトラクション制御レベル(以下「実
TCレベル」という)をLVLNに設定し(第6図(b),ス
テップ623)、ステップ646(第6図(c))に進む。ス
テップ607の答が否定(No)、即ちθTH>θFCが成立す
るときには、エンジン回転数Neが所定回転数NTCINH(例
えば1,500rpm)以下か否かを判別する(ステップ60
8)。ステップ608の答が肯定(Yes)、即ちNe≦NTCINH
が成立するときには、トラクション制御を行うとエンジ
ンストールを発生するおそれがあるので、トラクション
制御を行うべきでないと判別して後述するステップ639
(第6図(b))に進む。一方、ステップ608の答が否
定(No)、即ちNe>NTCINHが成立するときには、第1の
カウンタCTCNELを値0にセットする(ステップ609)。
この第1のカウンタCTCNELは、ステップ608の答が否定
(No)から肯定(Yes)に、即ちNe>NTCINHからNe≦NTC
INHに変化したときに、後述するトラクション制御レベ
ルを徐々に下げるためのものである。
次に、検出したエンジン回転数Ne及び吸気管内絶対圧
BAと、バルブタイミングが高速バルブタイミング又は
低速バルブタイミングのいずれが選択されているかとに
基づいて、例えば第8図に示すプログラムによって、エ
ンジン運転状態がZONE1〜8のいずれの状態にあるかを
判別する(ステップ610)。
第8図のZONE判別サブルーチンにおいては、エンジン
回転数Neが所定回転数Ne0(例えば3,500rpm)より高い
か否かの判別(ステップ801)、バルブタイミングが高
速バルブタイミングか否かの判別(ステップ802,80
3)、及び吸気管内絶対圧PBAが所定圧PB0(例えば610
mmHg)より高いか否かの判別(ステップ804〜807)を行
い、それらの判別結果に基づいてZONE1〜8を決定する
(ステップ805〜815)。その結果、ZONE1〜8は第9図
に示すように決定され、例えばPBA≦PB0且つNe≦Ne0
が成立し、高速バルブタイミングを選択しているときに
は、ZONE1と判別され、PBA≦PB0且つNe≦Ne0が成立
し、低速バルブタイミングを選択しているときには、ZO
NE2と判別される。
尚、第8図のサブルーチンにより、ZONE1〜8はその
番号(1〜8)が増加するほどエンジン出力がより大き
いエンジン運転状態となるように決定される。
ステップ610で判別されたZONEとスリップ値DUTYとに
基づいて、トラクション制御レベル(以下「TCレベル」
という)の指示レベル(以下「指示TCレベル」という)
CMDLVLを決定するためのテーブルが、例えば第10図に示
すように設定されている。第10図のテーブルによれば、
指示TCレベルCMDLVLは以下のように決定される。
1) TCFCLVLMIN≦DUTY値<TCFCLVL0のとき CMDLVL=LVLN 2) TCFCLVLi≦DUTY値<TCFCLVL(i+1)のとき CMDLVL=LVLi(ただしi=0〜5) 3) TCFCLVL6≦DUTY値<TCFCLVLMAXのとき CMDLVL=LVL6 ただし、DUTY値<TCFCLVLMIN又はDUTY値≧TCFCLVLMAX
のときには、前記ステップ506のTC条件判別サブルーチ
ンにおいてDUTY信号が異常であると判別され、フラッグ
FTCENBLが値0にセットされる。
第11図は、TCレベルに応じてトラクション制御制御の
内容を決定するためのテーブルであって、同図中Lはエ
ンジンに供給する混合気の空燃比リーン化を行うこと、
F/Cはフュエルカットを行うことを表わしている。また
横軸の気筒対応番号Mは、トラクション制御開始後、最
初に燃料を噴射すべき気筒をM=1に対応する気筒とし
て、その後順次燃料噴射を行う気筒が気筒対応番号M=
2〜6に夫々対応する。例えば、TCレベル=LVL0のとき
には全気筒に供給する混合気の空燃比がリーン化され、
TCレベル=LVL3のときはM=1,3,5に対応する気筒はフ
ュエルカットが、その他の気筒(M=2,4,6に対応する
気筒)は空燃比のリーン化が行われる。
尚、第10図のLVLNはトラクション制御を行わない、即
ち通常の燃料供給制御を行うことを示すものである。
また、第10図から明らかなように、所定しきい値TCFC
LVLiはZONE番号が増加するほど、従ってエンジン出力が
増加するほどより小さい値となるように設定されてい
る。これは、同じスリップ値(DUTY)、即ち同じ程度の
駆動輪スリップ状態であっても、エンジンの運転状態に
よってTCレベルを異ならせる必要があるからである。即
ち、もともとのエンジン出力が小さい運転状態では、駆
動輪のスリップ状態の増大側の変化も急激に過剰となる
ことはないので緩やかな制御により運転性が改善される
が、逆にエンジン出力が大きい状態では駆動輪に加わる
過剰なトルクが大きくなる可能性が高く、そのような状
態ではスリップ率λの増大側の変化が急激となるため、
より迅速な制御生の確保が必要とされる。そこで本実施
例では吸気管内絶対圧PBA、エンジン回転数Ne及び選択
されたバルブタイミングに応じたZONE毎に所定しきい値
TCFCLVL0〜TCFCLVL6を設定し、エンジン出力が大きいと
きには小さいときに比べて早目にフュエルカットする気
筒を増加させるように制御することを可能にしている。
また、上述のように吸気管内絶対圧PBA、エンジン回
転数Neのみならず、バルブタイミングに応じてZONEを判
別し、該判別したZONEに応じて所定しきい値TCFCLVLiを
決定するようにしているので、以下のようにトラクショ
ン制御中にバルブタイミングが切換わった場合でも安定
したトラクション制御を継続することができる。
例えばエンジン運転状態がZONE6(PBA>PB0、Ne≦N
e0が成立し、低速バルブタイミングを選択していると
き)にあり、且つ駆動輪速度Vwが前記駆動輪速度の目標
値VRPに略等しい状態に制御されている(第12図の時刻
0以前の状態で、スリップ値DUTY=D0で略一定となっ
ている)ときに、バルブタイミングが高速バルブタイミ
ングに切換えられた(時刻t0)場合には、エンジン運
転状態はZONE6からZONE5に変化する(第9図参照)。こ
のZONE6からZONE5への変化はエンジン出力の低下を意味
する(エンジン回転数が低回転側(Ne≦Ne0)にある場
合には、低速バルブタイミングから高速バルブタイミン
グに切換えるとエンジン出力が低下する)が、一方、第
13図に示すように、前記所定しきい値TCFCLVLiが増加し
てTCレベルがLVL3からLVL2に変化するので、フュエルカ
ットする気筒数が3から2に減少し、エンジン出力は増
加する。その結果、バルブタイミングの切換に伴うエン
ジン出力の低下は直ちに補正され、スリップ値DUTYは時
刻t0以後もほとんど変化せず、駆動輪速度Vwが目標値
RP制御された状態が継続する。換言すれば、バルブタ
イミングの切換に応じて所定しきい値TCFCLVLiを変更し
ない場合のように、時刻t0以後スリップ値DUTYの値の
修正が終了するまでの間、制御不良状態が発生し(第12
図の破線、t0−t1間)、スリップ率の変動に伴うショ
ックによって運転性を悪化させるという事態を防止する
ことができる。
第6図(a)にもどり、ステップ611ではステップ610
で判別したZONEに応じて上述のしきい値TCFCLVLiの値を
選択し、該選択したTCFCLVLiの値とスリップ値DUTYとに
基づいて指示TCレベルCMDLVL(以下単に「CMDLVL」と記
す)を決定する(ステップ612)。次いで、第6図
(b)のステップ614に進み、前記TC条件フラッグFLCEN
BLが値1に等しい否かを判別し、その答が肯定(Ye
s)、即ちTC条件が成立しているときには、前回(本プ
ログラムの前回実行時)TC条件フラッグFLCENBLが値1
に等しかったか否かを判別する(ステップ615)。ステ
ップ614の答が肯定(Yes)であり、ステップ615の答が
否定(No)のとき、即ちTC条件が前回は成立せず、今回
成立するときには、後述のようにして設定される実TCレ
ベルACTLVL(以下単に「ACTLVL」と記す)がLVLNである
か否かを判別する(ステップ616)。ステップ615又は61
6の答が肯定(Yes)のとき、即ち前回TC条件が成立した
とき又はACTLVLがLVLNのときには、CMDLVLがLVLNである
か否かを判別する(ステップ618)。この答が肯定(Ye
s)、即ちCMDLVLがLVLNであり、トラクション制御を必
要としないときには、ACTLVLをLVLNに設定し(ステップ
623)、ステップ656(第6図(c))に進む。一方、ス
テップ618の答が否定(No)、即ちCMDLVLがLVLNでない
ときには、ACTLVLをLVL0に設定すると共に、第2のカウ
ンタCTCBLを値0にセットし(ステップ619)、ステップ
620に進んだこの第2のカウンタCTCBLの値が第2の所定
カウント値nBL(例えば40)以上か否かを判別する。こ
の場合、その答は当然否定(No)となり、ステップ622
で第2のカウンタCTCBLを値1だけインクリメントして
ステップ631に進み、トラクション制御中であることを
示すためにアフターTCフラッグFALを値0に設定する。
一方、前記ステップ616の答が否定(No)、即ちACTLV
LがLVLNでないときには、CMDLVLがLVLNであるか否かを
判別する(ステップ617)。その答が否定(No)、即ち
トラクション制御が必要とされるときには、前記ステッ
プ620に進む。ステップ620の答が否定(No)のときには
前記ステップ622に進み、肯定(Yes)のときにはACTLVL
をCMDLVLに設定して前記ステップ631に進む。
上述したステップ615〜623による制御は、トラクショ
ン制御の開始時、及び該トラクション制御を継続中の場
合の制御であり、この制御によれば、駆動輪スリップが
急激に過大な状態となった場合においても、全気筒へ供
給する混合気の空燃比をリーン化するLVL0の制御を必ず
経由した後、スリップ状態に応じたフュエルカットが行
われるので、吸気管内壁に付着した残留燃料はLVL0の制
御中に各気筒に吸入され、その後フュエルカットされて
も排気ガス特性の悪化及び排気浄化装置の性能劣化を防
止することができる。
前記ステップ616の答が否定(No)、即ちACTLVLがLVL
Nでなく、且つ前記ステップ617の答が肯定(Yes)、即
ちCMDLVLがLVLNのとき、換言すればトラクション制御が
必要な状態からトラクション制御が必要でない状態へ移
行したときには、以下のステップ624〜631によるアフタ
ートラクション制御を行う。
先ず、前記アフターTCフラッグFALが値1に等しいか
否かを判別し(ステップ624)、その答が肯定(Yes)の
ときには直ちにステップ626に進み、その答が否定(N
o)のときには第3のカウンタCTCOFFを値0にセットす
ると共にアフターTCフラッグFALを値1に設定して(ス
テップ625)ステップ626に進む。ステップ626では、ACT
LVLがLVL0であるか否かを判別し、その答が否定(No)
のときには第3のカウンタCTCOFFの値が第3の所定カウ
ント値nTCOFF(例えば20)以上か否かを判別する(ステ
ップ629)。ステップ6290の答が否定(No)、即ちCTCOF
F<nTCOFFが成立するときには、該第3のカウンタCTCOF
Fを値1だけインクリメントして(ステップ630)、ステ
ップ646(第6図(c))に進む。一方、ステップ629の
答が肯定(Yes)、即ちCTCOFF≧nTCOFFが成立するとき
には、ステップ628に進み、ACTLVLを1レベル下げて
(例えばACTLVLがLVL3のときにはLVL2とする)、前記ス
テップ631に進む。また、前記ステップ626の答が肯定
(Yes)、即ちACTLVLがLVL0のときには、第3のカウン
タCTCOFFの値が第4の所定カウント値nTCOFF0(例えば4
0)以上か否かを判別する(ステップ627)。この答が否
定(No)、即ちCTCOFF<nTCOFF0が成立するときには、
前記ステップ630に進み、この答が肯定(Yes)、即ちCT
COFF≧CTCOFF0が成立するときには前記ステップ628に進
む。
上述のステップ624〜631によるアフタートラクション
制御によれば、駆動輪の過剰スリップ状態が解消した直
後における急激なエンジン出力の上昇を防止して、運転
性を向上させることができる。
前記614の答が否定(No)、即ちTC条件不成立のとき
には、前記TCフラッグFTCENBLが値1に等しかったか否
かを判別する(ステップ632)。その答が肯定(Yes)、
即ち前回TC条件が成立したときには、ACTLVLがLVLNであ
るか否かを判別する(ステップ634)。ステップ634の答
が肯定(Yes)のときには、前記ステップ623に進み、否
定(No)のときには、ACTLVLを前々回のACTLVLであるAC
TLVLSに設定すると共に第4のカウンタCTCINHを値0に
セットし(ステップ635)、ステップ636に進む。ステッ
プ636で第4のカウンタCTCINHの値が第5の所定カウン
ト値nINH(例えば30)以上か否かを判別するが、ステッ
プ635を経由してきたには、この答は否定(No)とな
り、ステップ638で第4のカウンタCTCINHを値1だけイ
ンクリメントしてステップ646(第6図(c))に進
む。
前記ステップ632の答が否定(No)、即ち前回TC条件
不成立であったときには、ACTLVLがLVLNであるか否かを
判別する(ステップ633)。この答が肯定(Yes)のとき
には前記ステップ623に進み、否定(No)のときには前
記ステップ636に進む。ステップ636の答が否定(No)、
即ちCTCINH<nINHが成立するときには、前記ステップ63
8に進み、ステップ636の答が肯定(Yes)、即ちCTCINH
≧nINHが成立するときには、ACTLVLを1レベル低下させ
ると共に、第4のカウンタCTCINHを値0にセットして
(ステップ637)、ステップ646(第6図(c))に進
む。
上述のステップ632〜638は、TC条件不成立の場合の制
御を行うものであって、特にトラクション制御中にTC条
件不成立となった場合に、急激なエンジン出力の上昇を
防止して運転性を向上させることができる。
前記ステップ608の答が肯定(Yes)、即ちエンジン回
転数Neが低く、Ne≦NTCINHが成立するときには、CMDLVL
をLVLNとし(ステップ639)、ACTLVLがLVLNであるか否
かを判別する(ステップ640)。この答が肯定(Yes)の
ときには、直ちにステップ646(第6図(c))に進
み、否定(No)のときにはACTLVLがLVL0であるか否かを
判別する(ステップ641)。ステップ641の答が否定(N
o)のときには、ACTLVLがLVL0に設定して、ステップ646
(第6図(c))に進み、ステップ641の答が肯定(Ye
s)のときには、前記第1のカウンタCTCNELの値が第1
の所定カウント値nTCNEL(例えば30)以上か否かを判別
する(ステップ642)。この答が否定(No)、即ちCTCNE
L<nTCNELが成立するときには、第1のカウンタCTCNEL
を値1だけはインクリメントして前記ステップ645に進
み、ステップ642の答が肯定(Yes)、即ちCTCNEL≧nTCN
ELが成立するときには、ACTLVLをLVLNとして、ステップ
646(第6図(c))に進む。
上述のステップ636〜645の制御は、特にトラクション
制御制御中にエンジン回転数Neが低下して、所定回転数
NTCINH以下と成った場合に、急激なエンジン出力の上昇
を防止して、運転性を向上させている。
第6図(c)のステップ646ではACTLVLがLVLNである
か否かを判別し、その答が否定(No)、即ちACTLVLがLV
L0〜LVL6のいずれかであってトラクション制御中のとき
には、ステップ647に進み、混合気の空燃比をリーン化
するために駆動輪スリップ制御用のリーン化補正係数K
TCSをリーン化所定値XTCS0(1.0より小さい値であっ
て、例えば空燃比A/F=18.0程度とするような値)に設
定し、このリーン化補正係数KTCSと別途算出された他
の補正係数及び補正変数とを前記式(1)に適用してTD
C信号パルスに同期した燃料噴射時間TOUTを算出して
(ステップ648)、本プログラムを終了する。本プログ
ラム終了後上述の用に算出した実TDCレベルACTLVL、燃
料噴射時間TOUTに基づいて、燃料噴射(又はフュエル
カット)が行われる。
一方、前記ステップ646の答が肯定(Yes)、即ちACTL
VLがLVLNであって、トラクション制御を行わないときに
は、通常の制御を行う。即ち、前記リーン化補正係数K
TCSを値1.0に設定して(ステップ649)、このリーン化
補正係数KTCSと、別途算出された補正係数及び補正変
数とを前記式(1)に適用して燃料噴射時間TOUTを算
出し(ステップ650)、本プログラムを終了する。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明の請求項1の駆動輪スリッ
プ制御装置によれば、駆動輪のスリップ制御中に弁揚程
特性が切換えられても駆動輪のスリップ状態がほとんど
変動せず、運転性の改善を図ることができるいう効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る駆動輪スリップ制御装
置の全体構成図、第2図はエンジンの動弁装置及びその
制御系を示す図、第3図は駆動輪スリップ検出用電子コ
ントロールユニットのブロック構成図、第4図は駆動輪
のスリップ率に対応した車体速度と駆動輪速度との関係
を示す図、第5図は駆動輪のスリップ率と駆動力との関
係を示す図、第6図は駆動輪スリップ制御を実行するプ
ログラムのフローチャート、第7図はエンジン出力を低
減するトラクション制御を行うべきか否かの条件(TC条
件)を判別するサブルーチンのフローチャート、第8図
はエンジン回転数と吸気管内絶対圧と弁揚程特性とに応
じたエンジン運転状態(ZONE1〜8)を判別するサブル
ーチンのフローチャート、第9図は第8図のフローチャ
ートによる判別の結果を示す図、第10図はエンジン運転
状態(ZONE1〜8)とスリップ値とに応じて指示トラク
ション制御レベルを決定するためのテーブルを示す図、
第11図はトラクション制御レベルに応じて空燃比リーン
化を行う気筒及びフュエルカットを行う気筒を決定する
ためのテーブルを示す図、第12図は弁揚程特性切換時の
スリップ値DUTYの変化を示す図、第13図は第10図の一部
を拡大して示す図、第14図はエンジン回転数に対する弁
揚程特性毎にエンジン出力トルクの変化を示す図であ
る。 1……内燃エンジン、5……エンジン制御用電子コント
ロールユニット(ENG-ECU)、6……燃料噴射弁、20…
…駆動輪スリップ検出用電子コントロールユニット(TC
S-ECU)、21,22……駆動輪速度センサ、23,24……従動
輪速度センサ、26……電磁弁、27……切換弁、30……動
弁装置、39……連結切換機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの吸気弁及び排気弁の少なく
    とも一方の弁揚程特性を変更する弁揚程特性変更手段
    と、該エンジンにより駆動される駆動輪のスリップを検
    出する駆動輪スリップ検出手段と、該駆動輪スリップ検
    出手段の出力に応じてエンジン出力を低減されるエンジ
    ン出力低減手段とを備えた駆動輪スリップ制御装置にお
    いて、前記弁揚程特性変更手段の作動に応答して前記エ
    ンジン出力低減手段のエンジン出力低減量を変更するエ
    ンジン出力低減量変更手段を設けたことを特徴とする駆
    動輪スリップ制御装置。
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